説明

販売支援システム、販売支援方法、及び販売支援プログラム

【課題】店舗を訪れている人に、販売側からの情報を積極的に通知して販売を支援すること。
【解決手段】サーバコンピュータ31は、所持する携帯電話機11のメールアドレスを含む来訪者側に関する情報と共に販売側に関する情報を登録するデータベース39を備えて、クライアントコンピュータ21が情報入力端末29からの来訪者の識別情報の入力でその来訪者の現在位置を特定し送信してくることで、その来訪者の現在位置に対応して登録されているデータベース内の販売情報を携帯電話機に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、販売支援システム、販売支援方法、及び販売支援プログラムに係り、詳しくは、販売側からの情報を積極的に消費者に通知して販売を支援する販売支援システム、販売支援方法、及び販売支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
入手したい所望の商品等がある場合には、その商品等に関する情報を雑誌や新聞や広告等の紙媒体あるいはテレビ放送等の通信放送媒体から収集したり、その商品を販売していると考えられる店舗に出向いて探し購入していた。特に決まった商品等がない場合でも、店舗に置かれている商品等を見て回って確認することで、あるいは、店員のお勧め情報や店頭広告(point-of-purchase advertising)を頼りに、気に入った商品等が見つかった場合に購入していた。
【0003】
その一方で、近年のインターネット上のホームページを仮想店舗として機能させることが急速に発展・普及しており、その仮想店舗を利用する場合には、消費者がそのホームページに準備されている商品の詳細情報や他者の購入傾向・評価情報や在庫情報を確認しながら購入を決めることができる。また、この仮想店舗では、消費者の操作情報等を利用して、例えば、消費者の購入履歴や参照履歴等の各種情報を収集して、消費者毎のリコメンド情報(お勧め情報)を提供することもでき、自分に合った商品を容易に購入することができるようになっている。
【0004】
また、近年の情報処理技術の向上に伴って、商品の購入を支援する各種技術も提案されており、例えば、特許文献1、2には、商品についての各種情報を予め登録する一方、ユーザの嗜好等に関する各種情報も予め登録しておくことで、ユーザ毎の嗜好等に応じた商品情報を提供する技術が提案されている。特許文献3には、購入を希望する商品を予め登録しておくことで、その商品の在庫のある店舗付近に出かけたとき等に、その旨を通知して購入機会を提供する技術が提案されている。特許文献4には、ユーザが予め店舗内に準備されている端末を利用することで、入力作業の煩わしさを低減しつつインターネット上のサーバにアクセスして商品や店舗についての詳細情報を入手することを実現することが提案されている。特許文献5には、店舗で目的の商品を購入する際に、その商品がユーザの現在位置に対して何れの方向・距離にあるのかを通知して買い物を支援する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−157391号公報
【特許文献2】特開2005−182387号公報
【特許文献3】特開2002−259808号公報
【特許文献4】特開2002−074154号公報
【特許文献5】特許第3754232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような商品等の購入にあっては、各種情報を収集して保持すると共に実際の店舗に出向いて現物を探すにしても、その手間が煩わしい。また、所謂、ウィンドーショッピングのように目的の商品もなく店舗を訪れるにしても、自分に合ったデザインは解るにしても商品の機能など詳細な情報を気楽かつ容易に入手することができない。また、店舗側にとっても、来訪者にお勧め商品を紹介するにしても、ポスターや店頭広告等のように限られた情報しか提供することができず、また、よりたくさんの消費者(来訪者)に受け入れられる商品の情報しか提供することができない。
【0007】
その一方で、仮想店舗を利用して現物を確認することなく、各種情報だけで商品を購入することにこだわりのない消費者は良いが、バーチャルな空間の仮想店舗を利用することを好まずに、実際の店舗で現物を見ながら購入することを希望する消費者も存在している。このような消費者の要求には仮想店舗では応えることができない。
【0008】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、店舗を訪れている人に、販売側からの情報を積極的に通知して販売を支援することのできる販売支援システム、販売支援方法、及び販売支援プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明の第1の構成は、販売支援システムに係り、所持する携帯端末の連絡先情報を含む来訪者側に関する情報を登録する来訪側登録手段と、販売側に関する情報を登録する販売側登録手段と、来訪者の現在位置を特定する現在位置特定手段と、来訪者の携帯端末に情報を送信する情報送信手段と、前記現在位置特定手段で特定された来訪者の現在位置に対応して前記販売側登録手段に登録されている販売情報を該来訪者の携帯端末に前記情報送信手段に送信させる支援実行手段とを備えることを特徴としている。
【0010】
また、この発明の第2の構成は、販売支援方法に係り、来訪者が所持する携帯端末の連絡先情報を含めて当該来訪者自身に関する情報を登録すると共に、販売側に関する情報を登録して準備しておき、来訪者の現在位置を特定することができたときに、当該来訪者の携帯端末に該来訪者の現在位置に対応して予め登録されている販売情報を送信することを特徴としている。
【0011】
また、この発明の第3の構成は、販売支援プログラムに係り、コンピュータが記憶手段を利用しつつ実行するプログラム内に、来訪者の所持する携帯端末の連絡先情報を含めて当該来訪者自身に関する入力情報を前記記憶手段のデータベース内に登録する第1の登録処理と、販売側に関する入力情報を登録する第2の登録処理と、前記来訪者の現在位置に関する情報を受信する受信処理と、前記来訪者の現在位置に対応して前記データベース内に登録されている前記販売情報を読み出して当該来訪者の前記携帯端末に送信する送信処理とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
この発明の構成によれば、来訪者の現在位置に応じた販売情報をその来訪者の携帯端末に送信することができる。したがって、店舗側等の販売側が来訪者に知らせたい各種情報を積極的に通知することができ、商品等の販売を効果的に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の一実施形態である販売支援システムの全体構成を示す要部のブロック図を含む概念図である。
【図2】同販売支援システムの要部のデータベース内に記録する情報を示す概念図である。
【図3】同データベース内の店舗情報テーブルに記録する情報を示す一欄表である。
【図4】同データベース内の店舗コーナテーブルに記録する情報を示す一欄表である。
【図5】同データベース内の商品情報テーブルに記録する情報を示す一欄表である。
【図6】同販売支援方法及び同販売支援プログラムの店舗情報の初期登録処理を示すフローチャートである。
【図7】同販売支援方法及び同販売支援プログラムの店舗情報の追加処理を示すフローチャートである。
【図8】同データベース内の個人情報テーブルに記録する情報を示す一欄表である。
【図9】同実施形態である販売支援方法及び販売支援プログラムの個人情報の初期登録処理を示すフローチャートである。
【図10】同販売支援方法及び同販売支援プログラムの個人情報の追加処理を示すフローチャートである。
【図11】同販売支援方法及び同販売支援プログラムの来訪者の位置情報の取得処理を示すフローチャートである。
【図12】同販売支援方法及び同販売支援プログラムの来訪者への情報提供処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
所持する携帯端末の連絡先情報を含む来訪者側に関する情報を登録する来訪側登録手段と、店舗側の事情や商品に関する情報を含む情報を登録する販売側登録手段と、来訪者の現在位置を特定する現在位置特定手段と、来訪者の携帯端末に情報を送信する情報送信手段と、前記現在位置特定手段で特定された来訪者の現在位置に対応して前記販売側登録手段に登録されている販売情報を該来訪者の携帯端末に前記情報送信手段に送信させる支援実行手段とを備えている。
【実施形態】
【0015】
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態について詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態である販売支援システムの全体構成を示す要部のブロック図を含む概念図、図2は、同販売支援システムの要部のデータベース内に記録する情報を示す概念図、図3は、同データベース内の店舗情報テーブルに記録する情報を示す一欄表、図4は、同データベース内の店舗コーナテーブルに記録する情報を示す一欄表、図5は、同データベース内の商品情報テーブルに記録する情報を示す一欄表、図6は、同販売支援方法及び同販売支援プログラムの店舗情報の初期登録処理を示すフローチャート、図7は、同販売支援方法及び同販売支援プログラムの店舗情報の追加処理を示すフローチャート、図8は、同データベース内の個人情報テーブルに記録する情報を示す一欄表、図9は、同実施形態である販売支援方法及び販売支援プログラムの個人情報の初期登録処理を示すフローチャート、図10は、同販売支援方法及び同販売支援プログラムの個人情報の追加処理を示すフローチャート、図11は、同販売支援方法及び同販売支援プログラムの来訪者の位置情報の取得処理を示すフローチャート、図12は、同販売支援方法及び同販売支援プログラムの来訪者への情報提供処理を示すフローチャートである。
【0016】
この実施形態の販売支援システムは、図1に示すように、このシステムを利用して商品等の販売情報の入手を希望する来訪ユーザが所持する汎用の携帯電話機11と、このシステムを利用して商品等の販売情報の提供を希望する店舗ユーザが準備するクライアントコンピュータ21と、このシステムで販売支援サービスを提供するために必要な情報を統括処理するサーバコンピュータ31とで構成されている。クライアントコンピュータ21とサーバコンピュータ31は、インターネットINを介して各種情報をやり取り可能に接続されており、携帯電話機11は、無線通信網WLを介して各種情報をやり取り可能に接続される。
【0017】
携帯電話機11は、無線通信網WLを介する通話以外にも、操作ボタン12を操作して情報通信を実行することで無線通信網WLを経由してインターネットINに接続することもでき、各種情報を表示画面13に表示出力することができる。このため、携帯電話機11でも、インターネットIN上の各種サイトとの間で情報をやり取りして、そのインターネットIN上で提供されている各種サービスを利用することができる。
【0018】
クライアントコンピュータ21及びサーバコンピュータ31は、汎用のコンピュータで構成されており、それぞれの構成を一部だけ図示するが、制御部22、32と、メモリ23、33と、入力インターフェイス(I/F)24a、34aと、出力インターフェイス25a、35aと、通信インターフェイス26a、36aとがバス28、38を介して接続されて構成されている。制御部22、32は、予めメモリ23、33内に格納されているプログラムに従ってバス28、38を介して取得する後述の入力情報に基づいてそのメモリ23、33をワークエリアとして使用しつつ各種処理を実行する。また、入力I/F24a、34aには、キーボード24、34を接続して、出力I/F25a、35aには、ディスプレ25、35を接続して、通信I/F26a、36aには、インターネットINに情報をやり取り可能に接続する。なお、図中には、制御部22、メモリ23、バス28、キーボード34、入力I/F24a、ディスプレ35、出力I/F25a、通信I/F26aを図示することを省略している。
【0019】
クライアントコンピュータ21は、各店舗に準備されており、キーボード24を操作して情報通信を実行させることでインターネットIN上の各種サイトをディスプレ25に表示しつつ情報をやり取りして、そのインターネットIN上で提供されている各種サービスを利用することができる。また、クライアントコンピュータ21には、店舗内の各商品を陳列するコーナ毎等に設置されている複数の情報入力端末29が、来訪ユーザの識別情報を入力してもらい取得することができるようにそれぞれ接続されている。情報入力端末29は、例えば、携帯電話機11や不図示の非接触通信カード内に格納されている来訪ユーザの識別情報をRFID(Radio Frequency Identification)技術を利用して非接触通信することで取得することができる。また、この情報入力端末29は、RFID技術でユーザの識別情報を入力取得するだけではなく、他のタッチパネルやキーボードなども備えており、それを操作して携帯電話機11の携帯電話番号等を入力して来訪ユーザを識別特定することもできるようになっている。なお、情報入力端末29は、1店舗のクライアントコンピュータ21にのみ図示している。
【0020】
サーバコンピュータ31は、クライアントコンピュータ21と同様に、インターネットIN上の各種サイトとの間で各種情報をやり取りして各種提供サービスを利用することができる。
【0021】
このサーバコンピュータ31は、インターネットIN上の各種サイトと同様に、インターネットINを介してアクセス可能に、来訪ユーザ用と店舗ユーザ用の2種類のサイトを予め準備しており、販売支援サービスを提供する際に必要な後述の各種情報をそれぞれで登録可能にしている。また、サーバコンピュータ31は、大容量の情報を記録保持可能な記憶装置39がバス38に接続されている。記憶装置39内には、その販売支援サービスを提供するために必要で来訪用登録サイトから登録された来訪ユーザに関する情報や、店舗用登録サイトから登録された店舗ユーザに関する情報を格納するデータベースが準備されている。ここで、以下では、符号39をデータベースにも付して簡潔に説明する。
【0022】
そして、サーバコンピュータ31は、その来訪用登録サイトや店舗用登録サイトから登録されたデータベース39内の登録情報やクライアントコンピュータ21から入手する入力情報に基づいて、適宜のタイミングに、来訪ユーザの携帯電話機11に販売支援サービス情報を掲載するeメールEを送信する。
【0023】
要するに、サーバコンピュータ31は、来訪ユーザに携帯電話機11で来訪用登録サイトから必要な情報を入力してもらう一方、店舗ユーザにもクライアントコンピュータ21で店舗用登録サイトから必要な情報を入力してもらう。また、サーバコンピュータ31は、情報入力端末29に入力された来訪ユーザの識別情報(入力情報)を適宜取得することで、その店舗ユーザが知らせたい販売情報を来訪ユーザに通知する販売支援サービスを提供することができる。ここで、登録サイトへは、来訪ユーザが所有するパーソナルコンピュータからアクセスして登録作業を行ってもよく、同様に、店舗ユーザも所持する携帯電話機からアクセスして登録作業を行ってもよく、また、それぞれ登録用用紙を準備して販売支援サービスを提供側がサーバコンピュータ31で直接入力作業を行ってもよい。
【0024】
具体的には、図2に示すように、サーバコンピュータ31は、データベース39内に、各店舗ユーザ(各店舗A、B、C、・・・)に関する販売情報としての店舗情報テーブル、店舗コーナテーブル、商品情報テーブルを格納可能に準備する。また、そのデータベース39内には、各来訪ユーザに関する個人属性情報のテーブルも格納可能に準備する。これらの準備の後に、制御部32がメモリ33内に格納する販売支援プログラムを実行することで販売支援サービスを提供することができる。
【0025】
次に、この実施形態の販売支援プログラムを実行処理して実施する販売支援方法を図3〜図12を参照しつつ説明する。
【0026】
まず、データベース39内の店舗情報テーブルは、図3に示すように、販売支援サービスの提供を受ける店舗ユーザ毎に準備されており、その店舗ユーザに付与されている店舗番号(識別情報)に対応付けして、店舗名と所在地が格納されると共に、その所在地を表示する地図情報も格納される。ここで、地図情報は、所在地を入力することで地図上に表示するインターネットIN上の提供サービスを利用すればよく、その地図情報を参照することのできるURL(Uniform Resource Locator)を格納する。
【0027】
データベース39内の店舗コーナテーブルは、図4に示すように、店舗情報テーブルに店舗番号を登録されている店舗内の複数箇所の商品陳列コーナ毎に、その場所を判別し易い名称を付けて準備することができる。
【0028】
この店舗コーナテーブルには、その店舗の陳列コーナ毎に付与されているコーナ番号に対応付けして、陳列する商品のうちで現在の売れ筋商品の名称と共にその商品情報が格納される。ここで、売れ筋商品とは、該当店舗が積極的に購入を勧めるのではなく、流行などの理由で売れ筋となっている商品であり、その商品情報は、商品の販売元で準備してインターネットIN上で提供されている、商品の詳細情報を利用すればよく、その商品情報を参照することのできるURL(リンク情報)を格納する。
【0029】
また、この店舗コーナテーブルには、その店舗の陳列コーナ毎に付与されているコーナ番号に対応付けして、陳列する商品のうちでお勧め商品の名称と共にその商品情報が格納される。ここで、お勧め筋商品とは、他の商品より優れる品質・機能・内容等の資質を持っていて独自に推薦する商品であったり、該当店舗が大量仕入れして廉価販売する商品である等の理由で積極的に購入を勧める商品(店舗側の事情)であり、その商品情報は、該当店舗毎に準備して商品番号を格納する。
【0030】
データベース39内の商品情報テーブルには、図5に示すように、各店舗(店舗番号)の商品陳列コーナ(コーナ番号)のお勧め商品情報毎に付与されている商品番号に対応付けして、その商品に応じて、例えば、店舗が書店で商品が書籍の場合には、店舗陳列コーナのコーナ番号及びタイトル(商品名)と共に、商品コード、価格、在庫数、著者、出版社、カテゴリ、対象年齢、対象性別、概要、出版年、ページ数、関連評、関連商品リスト、全国売り上げランキングが格納される。ここで、関連評、関連商品リスト、全国売り上げランキングは、その出版元や業界で準備してインターネットIN上で提供されている、有益な各種情報を利用すればよく、その有益情報を参照することのできるURL(リンク情報)を格納する。
【0031】
そして、販売支援プログラム(販売支援方法)では、まずは、図6のフローチャートに示すように、店舗ユーザがクライアントコンピュータ21からインターネットIN上の店舗用登録サイトにアクセスして、販売支援サービスに新規に店舗登録する手続きをする(ステップS11)。すると、サーバコンピュータ31が未登録の店舗番号やパスワードをクライアントコンピュータ21に払い出し付与して(eメールで返すようにしてもよい)、データベース39内の店舗情報テーブルに書き込んで登録する(ステップS12)。この後には、併せて入力された店舗名と所在地をその店舗番号に対応付けして登録して、店舗情報テーブルへの初期登録手続きを完了する(ステップS13)。
【0032】
続けて、図7のフローチャートに示すように、店舗ユーザに、店舗用登録サイトに再度アクセスしてもらい、付与された店舗番号とパスワードでログインした後に(ステップS21)、新規の店舗コーナテーブルへの情報登録を選択してもらう(ステップS22)。すると、サーバコンピュータ31が未登録の店舗コーナ番号をその選択の都度払い出し付与してデータベース39内の店舗コーナテーブルに書き込む(ステップS23)。次いで、サーバコンピュータ31は、新規に登録する商品陳列コーナの位置を判別可能にする名称の入力を店舗ユーザに促して、入力されたコーナ名をその店舗コーナテーブルに書き込んで、ログインした店舗番号の店舗情報テーブルに対応付けして仮登録する(ステップS24)。この後には、併せて、入力された売れ筋商品の名称や商品情報やお勧め商品の名称と商品番号がある場合にはそれを書き込んでもらう(ステップS25)。また、お勧め商品の入力がある場合には、そのお勧め商品の商品番号に対応付けする商品情報テーブルを準備して、その商品番号と共にコーナ番号を書き込むと共に、その他任意の項目の入力を促して、入力された各項目をその商品情報テーブルに書き込んで、コーナ番号の店舗コーナテーブルに対応付けして登録処理を終了する(ステップS25)。
【0033】
この後に、店舗コーナテーブルや商品情報テーブルの追加変更等の更新が必要な場合には、この図7のフローチャートに示す処理と同様に、店舗ユーザに、店舗用登録サイトにアクセスして、付与された店舗番号とパスワードでログインした後に(ステップS21)、既存の店舗コーナテーブルへの情報登録を選択して、店舗コーナ番号や商品番号を入力してもらうことで、以降同様に、店舗コーナテーブルや商品情報テーブルの変更削除を行えばよく、また、新規な商品情報の追加があった場合には、新たに商品情報テーブルを準備して書き込み登録すればよい(ステップS22〜S25)。
【0034】
次に、データベース39内の個人情報テーブルは、図8に示すように、販売支援サービスの提供を受ける来訪ユーザ毎に準備されており、その来訪ユーザに付与されている個人番号(識別情報)に対応付けして、所持する携帯電話機11の識別情報が格納されると共に、その来訪ユーザに属する属性情報が格納される。ここで、来訪ユーザの属性情報としては、例えば、興味分野、年代、性別、住所、メールアドレス(連絡先情報)、購入を希望している商品リスト、現在位置情報が格納される。また、携帯電話機11は、これに限るものではなく、RFID機能を備える他の携帯端末でもよい。また、興味分野や年代は、予め準備されている分野から選択してもらえばよい。購入希望の商品リストは、インターネットIN上の情報や雑誌の商品紹介情報からその商品を特定する識別情報を直接入力しても良いし、あるいは、予め準備しておき選択してもらうようにしても良い。メールアドレスは、販売支援サービスを利用する際の携帯電話機11のメールアドレスでよい。現在位置情報は、後述するように、販売支援サービスを利用する店舗内の位置が都度格納される。
【0035】
そして、販売支援プログラム(販売支援方法)では、まずは、図9のフローチャートに示すように、来訪ユーザが携帯電話機11からインターネットIN上の来訪者用登録サイトにアクセスして、販売支援サービスに新規にユーザ登録する手続きをする(ステップS31)。すると、サーバコンピュータ31が未登録の個人番号やパスワードを携帯電話機11に払い出し付与して(eメールで返すようにしてもよい)、データベース39内の個人情報テーブルに書き込んで登録する(ステップS32)。この後には、併せて入力されたその来訪ユーザの携帯電話機11の識別情報や住所やメールアドレスをその個人番号に対応付けして登録して、個人情報テーブルへの初期登録手続きを完了する(ステップS33)。
【0036】
続けて、図10のフローチャートに示すように、来訪ユーザに、来訪者用登録サイトに再度アクセスしてもらい、付与された個人番号とパスワードでログインした後に(ステップS41)、個人情報テーブルへの情報登録を選択してもらう(ステップS42)。すると、サーバコンピュータ31がその個人情報テーブルに登録する項目の新規登録や変更入力を促す一方、未登録項目がある場合にはその入力を促して、ログインした個人番号の個人情報テーブルに対応付けして登録処理を終了する(ステップS43)。未登録項目の入力では、その来訪ユーザの興味分野や性別や年代や商品リストは予め準備されている情報から選択して書き込んでもらえばよい。
【0037】
また、個人情報テーブルの現在位置情報には、図11のフローチャートに示すように、上述の来訪者用登録サイトにアクセスしてのユーザ登録の後に、各店舗に準備されている情報入力端末29に携帯電話機11をかざして識別情報を入力したり、携帯電話機11の電話番号を手入力してもらう(ステップS51)。すると、その店舗のクライアントコンピュータ21は、インターネットIN上の店舗用登録サイトに自動アクセスして、保持する店舗番号やパスワードでログインした後に、その情報入力端末29が設置されている店舗コーナのコーナ番号と共にその来訪ユーザの識別情報をサーバコンピュータ31に送信する(ステップS52)。すると、サーバコンピュータ31は、送られてきた識別情報に基づいて個人情報テーブルを検索して、該当する来訪ユーザの個人情報テーブル内の現在位置情報の項目に、同時に送られてきた店舗番号とコーナ番号を書き込んで現在位置情報の取得処理を終了する(ステップS53)。なお、この来訪ユーザの個人情報テーブル内の現在位置情報は、登録後から予め設定されている時間、例えば、その店舗やコーナに居続ける程度の時間が経過した後には、自動的に消去して無駄な情報が来訪ユーザに送られてきて煩わしくしてしまうことを回避すればよい。
【0038】
そして、サーバコンピュータ31は、この現在位置情報の取得と同時に、図12のフローチャートに示すように、送られてきた店舗番号やコーナ番号に基づいて店舗コーナテーブルを検索して、登録済みの売れ筋商品やお勧め商品の名称や商品番号を取得する(ステップS61)。また、サーバコンピュータ31は、送られてきた来訪ユーザの個人番号に基づいて個人情報テーブルを検索して、該当する来訪ユーザの興味分野や年代や性別等を取得する(ステップS62)。
【0039】
この後に、取得したお勧め商品の商品番号から商品情報テーブルを検索してカテゴリや年代や性別等の各項目の情報を取得する(ステップS64)。次いで、その商品情報の各項目と来訪ユーザの属性情報の各項目とを比較して、不一致項目(空欄を不一致に含まず)のない商品をその来訪ユーザに情報提供する商品としてリストアップする(ステップS64)。すなわち、店舗ユーザは、商品情報内に不必要な項目を登録しておかないことで来訪ユーザに積極的に紹介することができる。また、店舗ユーザは、来訪ユーザが購入を希望する商品リストに存在するなどと項目が一致する商品については、お勧め度で差をつけても良い。また、来訪ユーザも、個人情報内に仕分けたい項目のみを登録しておくことで店舗ユーザから積極的に情報提供を受けることができる。
【0040】
店舗コーナテーブルに登録されているお勧め商品の検索が終了するまでステップS63に戻ってこのリストアップを繰り返す(ステップS65)。リストアップが終了した後には、検索可能に店舗名やコーナ名と商品番号に対応付けしたお勧め商品名等の一欄を作成してeメールに添付し、その来訪ユーザの携帯電話機11のメールアドレスに送信して送信処理を終了する(ステップS66)。
【0041】
このお勧め商品等の一欄を見た来訪ユーザは、例えば、携帯電話機11の表示画面13に表示されているお勧め商品名を見て、操作した情報入力端末29が設置されている店舗コーナに陳列されている商品をそのお勧め商品名やコーナ名を頼りに選択して購入することができる。また、そのお勧め商品のより詳細な商品情報を知りたい場合には、携帯電話機11の表示画面13に表示されているお勧め商品名を選択指定することで、インターネットINを介して店舗コーナテーブルや商品情報テーブルにアクセスすることができる。よって、売れ筋商品の場合には、商品の詳細情報を参照することのできるURLにアクセスして、また、店舗独自のお勧め商品の場合には、商品情報テーブルの商品情報の項目一覧を表示して、その内容を確認して購入するか否かを決定することができる。
【0042】
したがって、店舗ユーザは、来訪ユーザが通知を希望する商品だけでなく、性別が異なる等の的外れな商品を除き、積極的に知らせたい商品も含めて、その存在を来訪ユーザに通知することができ、販売を促進することができる。一方、来訪ユーザは、通知を希望する商品だけでなく、思っても見ない好ましい商品の存在を知ることができ、購買意欲が向上されていい買い物をすることができる。
【0043】
なお、サーバコンピュータ31は、来訪ユーザが操作した情報入力端末29の設置されている店舗コーナに、その来訪ユーザが購入を希望する商品リストに挙げていた商品の在庫がない場合には、お勧め商品として商品情報テーブルに登録している他の店舗ユーザを検索してその店舗名などの情報を来訪ユーザの携帯電話機11のメールアドレスに送信するようにしても良い。
【0044】
このように、この実施形態によれば、店舗ユーザは、販売を促進する商品情報(販売情報)を店舗に訪れた来訪ユーザの携帯電話機11にメール送信して知らせることができ、その来訪ユーザの希望に応じて商品の詳細な情報を提供することができる。一方、来訪ユーザは、前もって情報を収集する等の手間を掛けることなく、店舗を訪れるだけで、お勧め商品を知ることができ、そのより詳細な情報も店員に頼らずに簡単に入手することができる。この結果、店舗毎に商品情報の提供を効果的に行うことができ、店舗ユーザの店舗での商品等の販売を効果的に支援することができる。
【0045】
また、この実施形態の他の態様としては、携帯電話機が備えるGPS(Global Positioning System)機能を利用して来訪ユーザの位置を取得するようにしても良い。この場合には、来訪ユーザが販売支援サービスにログインしてからログアウトするまでの間だけ、近傍の店舗コーナについてのお勧め商品の情報をeメールで通知するようにすれば良い。
【0046】
また、来訪ユーザが購入したお勧め商品の情報を管理するようにして、次回には、そのお勧め商品の商品情報テーブルに登録されている関連商品リストなどの情報を提供するようにしても良く、例えば、書店に再来店して販売支援サービスを利用する際には、購入済みの本に関する関連情報として、同一作家の最新刊の位置、シリーズ本の続編出版情報やその本の位置等をeメールで通知するようにしてもよい。
【0047】
以上、この発明の一実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、この発明は、新刊書店の場合を一例に説明するが、これに限られず、古書店や図書館での書籍情報提供システムにも適用することができ、また、化粧品店でのコスメ情報提供システム、スーパーマーケットでの商品情報提供システム、アミューズメント施設でのイベント情報提供システム、旅行代理店での旅行情報提供システム等にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
この発明は、携帯電話機に限らず、例えば、インターネットとの間で情報のやり取りすることのできるノート型のパーソナルコンピュータ等の携帯電子端末に広く適用できる。
【符号の説明】
【0049】
11 携帯電話機(携帯端末)
21 クライアントコンピュータ
29 情報入力端末(現在位置特定手段、情報取得手段、情報入力手段)
31 サーバコンピュータ
32 制御部(情報送信手段、支援実行手段)
33 メモリ(記憶手段)
39 データベース(来訪側登録手段、販売側登録手段)
E eメール
IN インターネット
WL 無線通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所持する携帯端末の連絡先情報を含む来訪者側に関する情報を登録する来訪側登録手段と、販売側に関する情報を登録する販売側登録手段と、来訪者の現在位置を特定する現在位置特定手段と、来訪者の携帯端末に情報を送信する情報送信手段と、前記現在位置特定手段で特定された来訪者の現在位置に対応して前記販売側登録手段に登録されている販売情報を該来訪者の携帯端末に前記情報送信手段に送信させる支援実行手段とを備えることを特徴とする販売支援システム。
【請求項2】
前記販売側登録手段には、前記販売情報として店舗側の事情を登録することを特徴とする請求項1記載の販売支援システム。
【請求項3】
前記販売側登録手段には、前記販売情報として商品に関する情報を登録することを特徴とする請求項1又は2記載の販売支援システム。
【請求項4】
前記現在位置特定手段は、前記来訪者が自身の識別情報を入力する情報入力手段を、少なくとも1つ以上店舗に設置されており、前記来訪者が入力操作する前記情報入力手段の設置位置で前記来訪者の現在位置を特定することを特徴とする請求項1、2又は3記載の販売支援システム。
【請求項5】
前記現在位置特定手段は、前記来訪者が所持する情報端末との間で予め設定されている識別情報を非接触通信でやり取りして取得する情報取得手段を、少なくとも1つ以上店舗に設置されており、前記来訪者が非接触通信する前記情報取得手段の設置位置で前記来訪者の現在位置を特定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1に記載の販売支援システム。
【請求項6】
前記現在位置特定手段は、前記来訪者が所持するGPS機能で該来訪者の現在位置を特定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1に記載の販売支援システム。
【請求項7】
前記来訪側登録手段には、前記携帯端末の連絡先情報の他に、前記来訪者に応じた商品の購入傾向に関連する属性情報を登録すると共に、
前記販売側登録手段には、前記販売情報として店舗内の各コーナ情報又は該コーナにおける商品情報の一方あるいは双方を登録することで、
前記支援実行手段は、前記来訪者の属性情報に関係のない前記販売情報に加えて、該来訪者の属性情報に応じた前記販売情報を選択して当該来訪者の携帯端末に送信することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1に記載の販売支援システム。
【請求項8】
前記来訪側登録手段又は前記販売側登録手段の一方あるいは双方として、インターネット上に各種情報を登録する登録サイトが準備されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1に記載の販売支援システム。
【請求項9】
前記販売情報の一部に対応する、より詳細な情報を公開する情報サイトがインターネット上に準備されているのを利用して、
前記販売側登録手段の前記販売情報には、当該情報サイトのリンク情報が含まれていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1に記載の販売支援システム。
【請求項10】
来訪者が所持する携帯端末の連絡先情報を含めて当該来訪者自身に関する情報を登録すると共に、販売側に関する情報を登録して準備しておき、
来訪者の現在位置を特定することができたときに、当該来訪者の携帯端末に該来訪者の現在位置に対応して予め登録されている販売情報を送信することを特徴とする販売支援方法。
【請求項11】
前記来訪者の現在位置は、各店舗に設置されている入力装置から当該来訪者が自身の識別情報を入力するときに、該入力装置の設置位置で特定することを特徴とする請求項10記載の販売支援方法。
【請求項12】
前記入力装置は、非接触通信機能を備えており、
前記来訪者の現在位置は、当該来訪者の所持する情報端末との間で前記入力装置が非接触通信して該来訪者の識別情報を取得入力するときに、該入力装置の設置位置で特定することを特徴とする請求項11記載の販売支援方法。
【請求項13】
前記来訪者情報には、前記携帯端末の連絡先情報の他に、当該来訪者に応じた商品の購入傾向に関連する属性情報を含めると共に、
前記販売情報には、店舗内の各コーナ情報又は該コーナにおける商品情報の一方あるいは双方を含めることで、
前記来訪者には、当該来訪者の属性情報に関係のない前記販売情報に加えて、該来訪者の属性情報に応じた前記販売情報を選択して当該来訪者の携帯端末に送信することを特徴とする請求項10、11又は12記載の販売支援方法。
【請求項14】
前記来訪者情報又は前記販売情報の一方あるいは双方を、インターネット上に予め準備されている登録サイトで登録することを特徴とする請求項10乃至13の何れか1に記載の販売支援方法。
【請求項15】
前記販売情報の一部に対応する、より詳細な情報を公開する情報サイトがインターネット上に準備されているのを利用して、該情報サイトのリンク情報を前記販売情報に含めて前記来訪者の携帯端末に送信することを特徴とする請求項10乃至14の何れか1に記載の販売支援方法。
【請求項16】
コンピュータが記憶手段を利用しつつ実行するプログラム内に、
来訪者の所持する携帯端末の連絡先情報を含めて当該来訪者自身に関する入力情報を前記記憶手段のデータベース内に登録する第1の登録処理と、
販売側に関する入力情報を登録する第2の登録処理と、
前記来訪者の現在位置に関する情報を受信する受信処理と、
前記来訪者の現在位置に対応して前記データベース内に登録されている前記販売情報を読み出して当該来訪者の前記携帯端末に送信する送信処理とを含むことを特徴とする販売支援プログラム。
【請求項17】
前記受信処理では、前記店舗内に設置されている入力装置が取得して送信してくる前記来訪者の現在位置情報を当該店舗側装置との間で所定のやり取りを実行して受信することを特徴とする請求項16記載の販売支援プログラム。
【請求項18】
前記受信処理では、前記来訪者の所持する携帯端末が備えるGPS機能で取得して送信してくる当該来訪者の現在位置情報を該携帯端末との間で所定のやり取りを実行して受信することを特徴とする請求項16又は17記載の販売支援プログラム。
【請求項19】
前記第1の登録処理では、前記来訪者情報として、前記携帯端末の連絡先情報の他に、当該来訪者に応じた商品の購入傾向に関連する属性情報を含めて、前記データベースに登録すると共に、
前記第2の登録処理では、前記販売情報として、店舗内の各コーナ情報又は該コーナにおける商品情報の一方あるいは双方を含めて、前記データベースに登録することで、
前記送信処理では、前記来訪者の属性情報に関係のない前記販売情報に加えて、当該来訪者の属性情報に応じた前記コーナ情報又は前記商品情報の一方あるいは双方を選択して当該来訪者の携帯端末に送信することを特徴とする請求項16、17又は18記載の販売支援プログラム。
【請求項20】
前記第1又は第2の登録処理の一方あるいは双方では、前記来訪者情報又は前記販売情報を、インターネット上に予め準備されている登録サイトを介して登録することを特徴とする請求項16乃至19の何れか1に記載の販売支援プログラム。
【請求項21】
前記販売情報の一部に対応する、より詳細な情報を公開する情報サイトがインターネット上に準備されているのを利用して、
前記送信処理では、当該情報サイトのリンク情報を前記販売情報に含めて前記来訪者の携帯端末に送信することを特徴とする請求項16乃至20の何れか1に記載の販売支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−224989(P2010−224989A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72942(P2009−72942)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】