説明

貫通された集電線を有する染料感応太陽電池

【課題】集電線保護層の硬化が十分に行われた染料感応太陽電池を提供する。
【解決手段】本発明の染料感応太陽電池は、前面透明基板と前面透明基板上の前面導電層と前面導電層上の前面集電線と、後面透明基板と後面透明基板上の後面導電層と後面導電層上に形成され貫通部を有する後面集電線とを含む。
本発明の染料感応太陽電池は、前記前面集電線に形成し硬化した保護層と、前記後面集電線に形成した硬化性保護層とを対応させて圧着した後、後面集電線の硬化性保護層を硬化させることにより製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染料感応太陽電池に関するもので、より詳しくは、集電線保護層の硬化が十分に行われるように構成された染料感応太陽電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1991年度スイス国立ローザンヌ高等技術院(EPFL)のマイケルグレッツェル(Michael Gratzel)研究チームによって染料感応ナノ粒子酸化チタン太陽電池が開発されて以後、この分野で多くの研究が進められている。染料感応太陽電池は、既存のシリコン系太陽電池に比べて製造単価が顕著に低いため、既存の非晶質シリコン太陽電池を代替できる可能性を有している。シリコン太陽電池とは異なり、染料感応太陽電池は可視光線を吸収して電子−ホール(hole)対を生成することができる染料分子と、生成した電子を伝達する遷移金属酸化物を主構成材料とする光電気化学的太陽電池である。
【0003】
一般に、染料増感太陽電池の単位セルは前面透明基板および後面透明基板と、その前面/後面透明基板の表面にそれぞれ形成される透明導電性酸化物(TCO)からなる導電層とを基本構造とし、前面導電層上にはその表面に染料が吸着された遷移金属酸化物多孔質層が形成され、後面導電層上には触媒薄膜電極が形成され、前記遷移金属酸化物(例えば、ナノ粒子TiO2)多孔質電極と触媒薄膜電極の間には電解質が充填された構造を有する。
【0004】
前記電解質としては、一般にヨウ素等を含む電解液が用いられており、ヨウ素を含む電解液を利用した染料感応太陽電池に光(可視光)を当てると、染料が光を吸収し、励起された染料の内部から電子がTiO2多孔質層に移動して外部電極まで到達し、電子が抜け出た染料は、電解質中にあるヨウ素イオン(I-)の酸化作用によってヨウ素の電子が移動して再生し、酸化された三価のヨウ素イオン(I3-)は、触媒電極の方に移動して、触媒電極表面で還元作用により再び電子の供給を受ける。この繰り返しにより電気を発生する。
【0005】
従来技術の染料感応太陽電池の一例として、グリッド状の集電線を有する染料感応太陽電池セルの断面を図1に、図1のA部分の拡大図を図2に示す。
図1および2に示す染料感応太陽電池では、前面基板は、前面透明基板100、前面透明基板100上に塗布された前面導電層110、前面導電層110上に形成されたTiO2多孔質層120などで構成される。また、前面基板には、TiO2多孔質層120で生成された電子の移動を容易にするための経路となる前面集電線130が形成され、前面集電線130は集電線保護層140で保護されている。
【0006】
後面基板は、後面透明基板200、後面透明基板200上に塗布された後面導電層210、後面導電層210上に形成された触媒電極220などで構成される。後面基板にも、触媒電極220に電子の移動を容易にするための経路となる後面集電線230が形成され、後面集電線230は集電線保護層240で保護されている。
【0007】
電子の移動効率をよくするために集電線の幅は広い方が望ましいが、前記前面基板と後面基板を圧着して染料感応太陽電池を製造するとき、集電線の幅が広い場合、集電線が妨げとなり熱や紫外線(UV)が集電線保護層(140、240)として使用される熱硬化性樹脂またはUV硬化性樹脂に十分に伝達されず、集電線保護層が十分に硬化されない場合がある。
【0008】
後面基板側では特に深刻で、後面集電線230の保護層240は、前面基板と後面基板を圧着した後に後面基板の後方から熱やUVを加えなければならないので、後面集電線230の幅が広く、後面基板の後方から加えられる熱やUVが、後面集電線230の前方に位置する熱硬化性樹脂やUV硬化性樹脂に十分に伝達されず、保護層240が十分に硬化されず、後面集電線230の保護が不十分となったり、前面基板と後面基板の間のギャップ(gap)が薄く均一に維持できないといった問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するために、第一に、幅の広い集電線によって熱硬化性樹脂やUV硬化性樹脂が十分に硬化されない問題を解決することを目的とし、第二に、前面基板と後面基板の間のギャップ(gap)を薄く均一に維持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために本発明者らは鋭意検討し、集電線、特に一定の大きさ以上の線幅を有する集電線に貫通部を形成して、熱硬化やUV硬化が容易に行うことができる構成を見出した。
【0011】
具体的には、本発明の染料感応太陽電池は、前面透明基板と、前面透明基板上の前面導電層と、前面導電層上の前面集電線と、後面透明基板と、後面透明基板上の後面導電層と、後面導電層上に形成された貫通部を有する後面集電線とを含む構成からなる。
【0012】
後面集電線の貫通部は、長さ方向に沿って形成された複数の貫通孔であるか、または長さ方向に沿って形成された切り欠き部である。
【0013】
前面集電線も貫通部を有することができる。前面集電線の貫通部も、長さ方向に沿って形成された複数の貫通孔であるか、または長さ方向に沿って形成された切り欠き部である。
【0014】
本発明の染料感応太陽電池を製造する方法は、前面透明基板上に前面導電層を形成し、前面導電層上に前面集電線を形成し、前面集電線に熱硬化性またはUV硬化性の保護層を塗布した後に熱硬化またはUV硬化させる工程を含む前面基板の形成工程と、後面透明基板上に後面導電層を形成し、後面導電層上に貫通部を有する後面集電線を形成し、後面集電線に熱硬化性またはUV硬化性の保護層を塗布する工程を含む後面基板の形成工程と、前面基板と後面基板を圧着する工程と、後面集電線の保護層を熱硬化またはUV硬化させる工程を含む。
【0015】
前面基板と後面基板を圧着する工程では、前面集電線の熱硬化性またはUV硬化性の保護層と後面集電線の熱硬化性またはUV硬化性の保護層を対応させることができる。
【0016】
本発明の染料感応太陽電池を製造する他の方法は、前面透明基板上に前面導電層を形成し、前面導電層上に貫通部を有する前面集電線を形成し、前記前面集電線に熱硬化性またはUV硬化性の保護層を塗布した後に熱硬化またはUV硬化させる工程を含む前面基板の形成工程と、後面透明基板上に後面導電層を形成し、後面導電層上に後面集電線を形成し、後面集電線に熱硬化性またはUV硬化性の保護層を形成する工程を含む後面基板の形成工程と、前面基板と後面基板を圧着する工程と、後面集電線の保護層を熱硬化またはUV硬化させる工程を含む。
【0017】
前面基板と後面基板を圧着する工程では、前面集電線の熱硬化性またはUV硬化性の保護層と、後面集電線の熱硬化性またはUV硬化性の保護層を対応させることができる。
【発明の効果】
【0018】
前記構成を有する本発明によれば、第一に、集電線の幅が広くても中央部の貫通部を通して熱やUVが浸透して、反対側の熱硬化性樹脂やUV硬化性樹脂を十分に硬化することができる。第二に、前面基板の硬化性樹脂を硬化させた後、後面集電線保護層を硬化する前に前面基板と後面基板を圧着することにより、線幅の狭い集電線の硬化された保護層の高さは前面基板と後面基板のギャップ(gap)を薄く均一に維持することに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】グリッド状の集電線を有する染料感応太陽電池セルの断面図である。
【図2】図1のA部分の拡大図である。
【図3】本発明に係る貫通集電線を有する染料感応太陽電池の部分断面図である。
【図4】前面集電線に貫通部が備えられた染料感応太陽電池の部分断面図である。
【図5】本発明に係る貫通部を有する後面集電線を備えた染料感応太陽電池の一製造例の過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明を詳しく説明する。
【0021】
図3は、本発明に係る貫通集電線を有する染料感応太陽電池例の部分断面図である。
本例の染料感応太陽電池は前面基板と後面基板で構成され、前面基板は前面透明基板100、前面導電層110、TiO2多孔質層120、前面集電線130、前面集電線保護層140などを含み、後面基板は後面透明基板200、後面導電層210、触媒電極220、後面集電線231、232、後面集電線保護層240などを含む。
【0022】
前面透明基板100および後面透明基板200は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、PI(ポリイミド)、TAC(トリアセチルセルロース)のうちのいずれか1つを含む透光性プラスチック基板やガラス基板で構成される。
【0023】
前面導電層110および後面導電層210は、前面透明基板100および後面透明基板200のそれぞれの表面をコーティングする形態に構成することができる。前面導電層110および後面導電層210は、ITO(スズをドープした酸化インジウム)、FTO(フッ素をドープした酸化スズ)、ZnO−(Ga23またはAl23)、SnO2−Sb23のうちのいずれか1つで構成することができる。
【0024】
TiO2多孔質層120は、1〜40μmの厚さの多孔質膜であり、多孔質層を構成するナノ粒子の平均粒径は3〜100nm程度であり、好ましくは10〜40nmの粒径を有する。多孔質層は、ナノ粒子が均一に分布しており、多孔性を維持しながら表面は適度な粗さを有する。その表面粗さは、20nmより大きくすることが好ましい。多孔質層には、電子の移動を容易にするために、スズをドープした酸化インジウム(ITO:tin-doped indium oxide)のような導電性微粒子を添加することができる。また、光路を延長するために光散乱子を添加することもできる。
【0025】
多孔質層としては、Ti酸化物、Nbの酸化物、Zn酸化物、Sn酸化物、Ta酸化物、W酸化物、Ni酸化物、Fe酸化物、Cr酸化物、V酸化物、Pm酸化物、Zr酸化物、Sr酸化物、In酸化物、Yr酸化物、La酸化物、Mo酸化物、Mg酸化物、Al酸化物、Y酸化物、Sc酸化物、Sm酸化物、Ga酸化物、In酸化物、SrTi酸化物などを単独または複合物の形態で使用することができる。
【0026】
多孔質層のナノ粒子の表面には、可視光線を吸収するために染料が吸着されている。染料は、Ru複合体が広く使用される。染料感応太陽電池に適した染料としては、Ru(etc bpy)2(NCS)2・2CH3CNタイプがある。ここで、etcは多孔質膜(TiO2)の表面と結合可能な反応基である(COOEt)2または(COOH)2である。
【0027】
触媒電極220は、白金、カーボン、カーボンナノチューブなどで構成され、1〜300nm程度の厚さを有し、光透過率は10〜100%であることが望ましい。特に、白金は反射度が優れ、広く利用されている。
【0028】
電解質層は前面透明基板100と後面透明基板200の間に充填され、TiO2多孔質層120の内部に均一に分散されている。電解質層としては、液体電解質、イオン性液体電解質、準固体電解質、高分子電解質、固体電解質などを選択して使用される。電解質は、I-(iodide)/I3-(triodide)対であって、酸化/還元によって触媒電極220から電子を受け、染料に伝達する役割を果たす。
【0029】
前面集電線130は、前面導電層110上にグリッド状に形成され、TiO2多孔質層120および前面導電層110を経由して供給される電子を集めて、外部電極(図示せず)に伝達する役割を果たす。
【0030】
前面集電線130は、前面導電層110の物質より低い抵抗および優れた電気伝導性を有する物質、例えばニッケル、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、モリブデン、タングステンなどで構成される。
【0031】
前面集電線130は、一体型に構成されるか、場合によっては内部に貫通部を有することもある。貫通部が形成される前面集電線については図4を参照して詳細に後述する。前面集電線130の線幅は、中央部で0.1〜0.5mm程度であり、端部で1〜5mm程度である。
【0032】
前面集電線130と前面導電層110の間には導電性接着層(図示せず)が形成されることがある。導電性接着層(図示せず)は、前面集電線130を前面導電層110上に物理的に固定し、かつ前面集電線130と前面導電層110を電気的に連結する。
【0033】
前面集電線保護層140は、前面集電線130の外部を取り囲んでおり、このような構造によって、前面集電線130に触れると腐食する恐れのある電解質の前面集電線130への接触が防止される。
【0034】
前面集電線保護層140は、高分子物質からなり、熱やUVによって硬化される熱硬化性またはUV硬化性の性質を有し、さらに接着剤の性質を有することが望ましい。
【0035】
前面集電線保護層140は、前面集電線130上に塗布された後、熱やUVによって硬化される。前面集電線保護層140の硬化は、前面基板と後面基板を合着する前に、前面集電線保護層140の前方から熱やUVを加えて行われる。したがって、前面集電線130の線幅が広くても前面集電線保護層140の硬化が妨げられることはほとんどない。しかし、前面集電線保護層140を硬化させるとき、前面透明基板100の後方から熱やUVを加えなければならない場合には前面集電線130の内部に貫通部を形成させる必要がある。これについては、図4を参照して後述する。
【0036】
前面集電線保護層140は、前述のように、前面基板と後面基板を合着する前に硬化されるので、硬化された前面集電線保護層140の高さは前面基板と後面基板の間隔を薄く均一に維持するのに利用することができる。
【0037】
後面集電線231、232は、前面集電線130と同様に、後面導電層210上にグリッド状に形成され、回路的に見ると、後面導電層210を経由して触媒電極220に電子を供給する役割を果たす。
【0038】
後面集電線231、232は、後面導電層210の物質より低い抵抗および優れた電気伝導性を有する物質、例えばニッケル、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、モリブデン、タングステンなどで構成される。
【0039】
後面集電線231、232は、図3に示されているように、内部に貫通部が形成されており、後面集電線231と後面集電線232を合わせた全体の線幅は、中央部で通常0.1〜0.5mm程度であり、端部で通常1〜5mm程度である。
後面集電線の線幅が大きい場合には、後面集電線保護層240が十分に硬化されない場合がある。これは、前面基板と後面基板を合着した後、後面基板の後方から熱やUVを加えて後面集電線保護層240を硬化するために発生する。すなわち、後面基板の後方から加えられる熱やUVが後面集電線によって遮断されて後面集電線前方に位置する保護層に十分に伝達されないためである。このような現象は後面集電線の線幅が大きい端部でひどく発生する。実験によると、後面集電線の線幅が2mm以上である場合、このような現象が頻繁に発生した。そのため、特に端部の後面集電線に貫通部を形成することが好ましい。しかし、比較的線幅の小さい後面集電線の中央部でも、場合によっては、その内部に貫通部を形成させることが好ましい。
【0040】
貫通部は、長さ方向に沿って形成される複数の貫通孔であるか、または長さ方向に沿って形成される切り欠き部である。貫通孔は、円形、四角形、五角形などに多様に形成することができ、切り欠き部も四角形態などに多様に形成することができる。ここで、後面集電線231、232は、貫通部を除いては、互いに連結されている一体型である。
【0041】
後面集電線231、232と後面導電層210の間にも導電性接着層(図示せず)を形成することができる。導電性接着層(図示せず)は、後面集電線231、232を後面導電層210上に物理的に固定しながら、後面集電線231、232と後面導電層210を電気的に連結する。
【0042】
後面集電線保護層240は、後面集電線231、232の外部を取り囲んでおり、このような構造によって電解質が後面集電線231、232と接触することを防止する。
後面集電線保護層240は、前面集電線保護層140と同様の成分および性質を有する物質で構成することができる。
【0043】
後面集電線保護層240は、前面基板と後面基板が合着された後、後面基板の後方から加える熱やUVによって硬化される。このとき、加える熱やUVは後面集電線231、232の間に形成された貫通部を通して後面集電線231、232の前方に位置する集電線保護層に提供される。
【0044】
図4は前面集電線に貫通部を備えた染料感応太陽電池の部分断面図である。前面集電線保護層140は、前面基板と後面基板が合着される前に硬化されるため、一般的には前面集電線によって硬化が妨げられることはほとんどない。しかし、前面集電線保護層140を硬化させるとき、前面透明基板100の後方から熱やUVを加えなければならない場合には、前面集電線の内部に貫通部を形成した、図4に示す前面集電線131、132のような構成にする必要がある。
【0045】
図5は本発明に係る貫通部を有する後面集電線を備えた染料感応太陽電池の一製造例の過程を示すフローチャートである。
【0046】
本例では、先ず前面透明基板上に前面導電層を形成し、前面導電層上に前面集電線を形成し、前面集電線に熱硬化性またはUV硬化性保護層を塗布する(S510工程)。
次いで、熱硬化性またはUV硬化性保護層を熱またはUVを加えて熱硬化またはUV硬化させる(S520工程)。
S510工程およびS520工程を含む製造過程により前面基板が作られる。
【0047】
前面基板の製造とは別に、後面透明基板上に後面導電層を形成し、後面導電層上に貫通部を有する後面集電線を形成する(S530工程)。
後面集電線の貫通部の形成には、貫通部が形成されたマスクを用いるスパッタリング法で後面集電線を形成する方法、貫通部がない後面集電線を形成した後にエッチングなどで貫通部を形成する方法などを用いることができる。その後、後面集電線に熱硬化性またはUV硬化性保護層を塗布する(S530工程)。
S530工程を含む製造過程により後面基板が作られる。
【0048】
その後、前面基板と後面基板を圧着する(S540工程)。この時、前面基板と後面基板の間の間隔を維持するなどの目的で前面集電線の熱硬化性またはUV硬化性保護層と後面集電線の熱硬化性またはUV硬化性保護層を対応させて圧着することができる。しかし、そのような目的がない場合には、保護層同士を対応させる必要がない。
その後、後面基板の後方から熱やUVを加えて、後面集電線の熱硬化性またはUV硬化性保護層を硬化させる。
【0049】
他の製造方法として、前面集電線にも貫通部を形成させる方法がある。
この方法は、前面導電層上に貫通部を有する前面集電線を形成する工程を含む以外は、図5の製造過程と同じである。
【0050】
以上で説明した実施例は、本発明の技術的思想を説明するためのものであり、権利の範囲を限定しようとしたものではない。したがって、本発明の権利範囲は以下の特許請求の範囲の記載によって決定されなければならない。また、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の思想から外れない範囲で、当該技術分野の当業者であれば本発明の思想を多様に修正または変更させることができると予想され、このような修正や変更は本発明の権利の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
100 前面透明基板
110 前面導電層
120 多孔質層
130,131,132 前面集電線
140 前面集電線保護層
200 後面透明基板
210 後面導電層
220 触媒電極
230,231,232 後面集電線
240 後面集電線保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面透明基板と前記前面透明基板上の前面導電層と前記前面導電層上の前面集電線と、後面透明基板と前記後面透明基板上の後面導電層と前記後面導電層上に形成された貫通部を有する後面集電線を含むことを特徴とする染料感応太陽電池。
【請求項2】
前記後面集電線の貫通部が、長さ方向に沿って形成された複数の貫通孔である請求項1に記載の染料感応太陽電池。
【請求項3】
前記後面集電線の貫通部が、長さ方向に沿って形成された切り欠き部である請求項1に記載の染料感応太陽電池。
【請求項4】
前記前面集電線が貫通部を有する請求項1に記載の染料感応太陽電池。
【請求項5】
前記前面集電線の貫通部および前記後面集電線の貫通部が、長さ方向に沿って形成された複数の貫通孔である請求項4に記載の染料感応太陽電池。
【請求項6】
前記前面集電線の貫通部および前記後面集電線の貫通部が、長さ方向に沿って形成された切り欠き部である請求項4に記載の染料感応太陽電池。
【請求項7】
前面透明基板上に前面導電層を形成し、前記前面導電層上に前面集電線を形成し、前記前面集電線に硬化性保護層を塗布した後に硬化させる工程を含む前面基板を形成する工程と、後面透明基板上に後面導電層を形成し、前記後面導電層上に貫通部を有する後面集電線を形成し、前記後面集電線に硬化性保護層を塗布する工程を含む後面基板を形成する工程と、前記前面基板と前記後面基板を圧着する工程と、前記後面集電線の硬化性保護層を硬化させる工程を含むことを特徴とする染料感応太陽電池の製造方法。
【請求項8】
前記前面基板と後面基板を圧着する工程が、前記前面集電線に塗布し、硬化した保護層と前記後面集電線の硬化性保護層を対応させて圧着する工程である請求項7に記載の染料感応太陽電池の製造方法。
【請求項9】
前記前面集電線が貫通部を有する請求項7に記載の染料感応太陽電池の製造方法。
【請求項10】
前記後面集電線の貫通部が、長さ方向に沿って形成された複数の貫通孔である請求項7に記載の染料感応太陽電池の製造方法。
【請求項11】
前記後面集電線の貫通部が、長さ方向に沿って形成された切り欠き部である請求項7に記載の染料感応太陽電池の製造方法。
【請求項12】
前面透明基板上に前面導電層を形成し、前記前面導電層上に貫通部を有する前面集電線を形成し、前記前面集電線に硬化性保護層を形成した後に硬化させる工程を含む前面基板を形成する工程と、後面透明基板上に後面導電層を形成し、前記後面導電層上に後面集電線を形成し、前記後面集電線に硬化性保護層を形成する工程を含む後面基板を形成する工程と、前記前面基板と前記後面基板を圧着する工程と、前記後面集電線の硬化性保護層を硬化させる工程を含むことを特徴とする染料感応太陽電池の製造方法。
【請求項13】
前記前面基板と後面基板を圧着する工程が、前記前面基板に形成し、硬化した保護層と、前記後面集電線の硬化性保護層を対応させて圧着する工程である請求項12に記載の染料感応太陽電池の製造方法。
【請求項14】
前記前面集電線の貫通部が、長さ方向に沿って形成された複数の貫通孔である請求項12に記載の染料感応太陽電池の製造方法。
【請求項15】
前記前面集電線の貫通部が、長さ方向に沿って形成された切り欠き部である請求項12に記載の染料感応太陽電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−249329(P2011−249329A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116420(P2011−116420)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(500013751)東進セミケム株式会社 (72)
【氏名又は名称原語表記】Dongjin Semichem Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】472−2 Gajwa−dong,Seo−ku,Incheon−city 404−250,Korea
【Fターム(参考)】