説明

貯水タンク及びそれを備えた水洗大便器

【課題】作業性良く水洗大便器本体に結合することができる水洗大便器用の貯水タンクを提供する。
【解決手段】本発明は、水洗大便器本体(2)上に載置され、この水洗大便器本体に結合して使用される水洗大便器用の貯水タンク(8)であって、水洗大便器本体に洗浄水を流出させるタンク排水口が設けられたタンク底面(14a)、及びこのタンク底面から上方に延びるタンク側面(14b)を備えたタンク本体(14)と、タンク底面外周の閉曲線(C)を鉛直方向に投影した領域よりも外側に張り出した張出部(16a)を備えたタンク固定部(16)と、閉曲線を鉛直方向に投影した領域よりも外側に配置され、水洗大便器本体及びタンク本体の外部からの操作により、張出部を水洗大便器本体に固定して、タンク固定部を介してタンク本体を水洗大便器本体に結合する固定手段(10、22b)と、を有することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は貯水タンクに関し、特に、水洗大便器本体に結合して使用される水洗大便器用の貯水タンク及びそれを備えた水洗大便器に関する。
【背景技術】
【0002】
実開平4−89168号公報(特許文献1)には、便器の洗浄水タンク固定構造が記載されている。この洗浄水タンク固定構造においては、洗浄水タンクの底面に、固定ボルトを着脱自在に取り付けることができる係合部が設けられている。この構造により、固定ボルトが洗浄水タンクの底面から下方に向けて突出するように固定される。洗浄水タンクから下方に向けて突出する固定ボルトを便器に設けられた取付け孔に挿入し、固定ボルトにナットを螺合させることにより、洗浄水タンクが便器に固定される。
【0003】
また、実公平2−34284号公報(特許文献2)には、便器とタンクの固定構造が記載されている。この固定構造においては、便器から鉛直上方に突出するようにボルトが取り付けられており、このボルトはタンクの底面に形成された穴を貫通して、タンクの内側まで延びている。さらに、タンクの内側まで延びたボルトにナットを螺合させることにより、タンクを便器に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平4−89168号公報
【特許文献2】実公平2−34284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実開平4−89168号公報に記載された固定構造においては、洗浄水タンクから下方に向けて突出する固定ボルトにナットを螺合させる必要があるため、固定する際の作業性が悪いという問題がある。即ち、洗浄水タンクに取り付けられた固定ボルトの先端が便器の内部に突出する構造の便器においては、便器の内部に手指を挿入して固定ボルトにナットを螺合させる必要がある。一般に、便器の内部に手指を挿入するための開口部は、目立つことがないように便器の背面に設けられている。このため、便器に固定された洗浄水タンクを取り外すには、一旦便器を洗浄水タンクごと移動させて便器背面の開口部を露出させなければ、固定ボルトに螺合されたナットを取り外すことができない。
【0006】
また、洗浄水タンクに取り付けられた固定ボルトの先端が便器の外部に突出する構造の便器においては、便器を移動させることなく固定ボルトとナットを螺合させることができるので、作業性はあまり悪くないが、固定ボルトの先端が外部に露出されるので、便器の外観が損なわれるという問題がある。
【0007】
一方、実公平2−34284号公報に記載された固定構造においては、タンク上方の開口部を介して上方からナットをボルトに螺合させることができるので、作業性は良好である。しかしながら、ボルトがタンクを貫通して延びているため、ボルトとタンクの間の水密性を確保する必要がある。従って、施工不良や、水密性を確保するためのシールの劣化等により漏水する虞があるという問題がある。
【0008】
従って、本発明は、漏水の虞なく、作業性良く水洗大便器本体に結合することができる水洗大便器用の貯水タンク及びそれを備えた水洗大便器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、水洗大便器本体上に載置され、この水洗大便器本体に結合して使用される水洗大便器用の貯水タンクであって、水洗大便器本体に洗浄水を流出させるタンク排水口が設けられたタンク底面、及びこのタンク底面から上方に延びるタンク側面を備えたタンク本体と、タンク底面外周の閉曲線を鉛直方向に投影した領域よりも外側に張り出した張出部を備えたタンク固定部と、閉曲線を鉛直方向に投影した領域よりも外側に配置され、水洗大便器本体及びタンク本体の外部からの操作により、張出部を水洗大便器本体に固定して、タンク固定部を介してタンク本体を水洗大便器本体に結合する固定手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
このように構成された本発明においては、タンク底面外周の閉曲線を鉛直方向に投影した領域よりも外側に張り出した張出部が、閉曲線を鉛直方向に投影した領域よりも外側に配置された固定手段により、水洗大便器本体に固定される。タンク本体は、タンク固定部を介して水洗大便器本体に結合される。
【0011】
このように構成された本発明によれば、水洗大便器本体及びタンク本体の外部から固定手段を操作することにより、タンク本体が水洗大便器本体に結合されるので、貯水タンクを作業性良く水洗大便器本体に結合することができる。また、タンク底面外周の閉曲線を鉛直方向に投影した領域よりも外側に張り出した張出部が、固定手段によって水洗大便器本体に結合されるので、貯水タンクを固定するためにタンク本体に貫通穴を設ける必要がなく、確実に漏水を防止することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、タンク本体とタンク固定部は一体に形成されている。
このように構成された本発明によれば、タンク本体とタンク固定部が一体に形成されているので、部品点数を削減することができ、生産コストを抑制することができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、タンク本体とタンク固定部は別体に形成されている。
このように構成された本発明によれば、タンク本体とタンク固定部が別体に形成されているので、それらを異なる材料で形成することができ、タンク本体、タンク固定部に夫々適した材料を選択することができる。
【0014】
本発明において、好ましくは、タンク本体が樹脂で形成され、タンク固定部は金属で形成されている。
このように構成された本発明によれば、洗浄水と接触するタンク本体を樹脂で形成することにより、タンク本体の腐食等の劣化を防止することができると共に、貯水タンクの固定時に大きな力が作用するタンク固定部を金属で形成ことにより、貯水タンク固定時におけるタンク固定部の破壊を防止することができる。
【0015】
本発明において、好ましくは、タンク本体は、そのタンク底面から下方に延びる、一体に形成された固定部固定用ボルトを備え、この固定部固定用ボルトはタンク固定部を貫通して延び、固定部固定用ボルトに連結ナットを螺合させることにより、タンク固定部がタンク本体に固定される。
【0016】
このように構成された本発明によれば、タンク本体とタンク固定部が、タンク本体に一体に形成された固定部固定用ボルトにより固定されるので、タンク本体に穴を設けることなく、タンク本体とタンク固定部をボルト止めすることができ、タンク本体からの漏水を確実に防止することができる。
【0017】
本発明において、好ましくは、固定部固定用ボルトは2つ設けられ、各固定部固定用ボルトは、タンク本体とタンク固定部が接触する面のほぼ対角線上に配置されている。
【0018】
このように構成された本発明によれば、各固定部固定用ボルトは、タンク本体とタンク固定部が接触する面のほぼ対角線上に配置されているので、タンク本体側面からの外力に抗して、タンク本体をタンク固定部に強固に固定することができる。
【0019】
本発明において、好ましくは、タンク固定部は、張出部が鉛直方向に移動できるように、弾性変形される可撓性部を備えている。
このように構成された本発明によれば、タンク固定部が可撓性部を備えているので、固定手段により張出部に過大な力が加わった場合にも、可撓性部が弾性変形されることにより張出部の移動が許容され、タンク固定部全体の変形を回避することができる。これにより、タンク固定部全体が変形されることによる不具合の発生を防止することができる。
【0020】
本発明において、好ましくは、タンク本体は、固定手段の上方に張り出すように構成されている。
このように構成された本発明によれば、タンク本体が固定手段の上方に張り出すように構成されているので、タンク本体外部からの固定手段の操作を可能にしながら、タンク本体の内容積を大きくすることができる。
【0021】
本発明において、好ましくは、更に、洗浄水を供給する給水手段を有し、タンク固定部の張出部には、給水手段を固定するための給水手段固定部が設けられている。
このように構成された本発明によれば、タンク本体に給水手段取り付け用の貫通穴等を設けることなく給水手段を固定することができるので、給水手段の取り付けに伴う漏水等の危険を回避することができる。また、給水手段がタンク固定部に取り付けられているので、給水手段をタンク本体と共に取り外すことができ、取り付け、取り外しの際の、給水手段とタンク本体の干渉や、干渉を避けるための煩雑さを回避することができる。
【0022】
本発明において、好ましくは、更に、給水手段固定用プレートと、この給水手段固定用プレートに給水手段を固定する給水手段固定手段と、を有し、給水手段は給水手段固定用プレートを介して給水手段固定部に固定される。
このように構成された本発明によれば、給水手段が給水手段固定用プレートを介して給水手段固定部に固定されるので、給水手段を容易に固定することができる。また、このように構成された本発明によれば、給水手段固定用プレートを交換することにより、種々の給水手段を同一の給水手段固定部に取り付けることができる。
【0023】
本発明において、好ましくは、給水手段固定手段は、所定の幅を有し、給水手段の周囲を抑え付けて給水手段を給水手段固定用プレートに固定する固定用バンドである。
このように構成された本発明によれば、給水手段が固定用バンドにより固定されるので、固定用バンドとして汎用品を流用することができる。また、固定用バンドによる固定は、給水手段を上方から覆い隠してしまう形態の給水手段固定手段を使用した場合に比べ、施工性を良好にすることができる。
【0024】
本発明において、好ましくは、更に、給水手段固定部に対する給水手段固定用プレートの固定位置を調整する固定位置調整手段を有する。
このように構成された本発明によれば、給水手段固定用プレートの固定位置が固定位置調整手段により調整されるので、水洗大便器本体等の形状誤差を吸収して、適正な位置に給水手段を固定することができる。
【0025】
また、本発明の水洗大便器は、ボウル部、排水トラップ管路、及び貯水タンクを載置するタンク載置面を備えた水洗大便器本体と、タンク載置面に載置された本発明の貯水タンクと、を有することを特徴としている。
【0026】
本発明の水洗大便器において、水洗大便器本体は陶器で形成されており、貯水タンクは、タンク載置面に形成された少なくとも3つの支持用突起上に載置される。
このように構成された本発明によれば、貯水タンクが少なくとも3つの支持用突起上に載置されるので、水洗大便器本体の形状に製作誤差がある場合にも、貯水タンクをガタ無く確実に支持することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の水洗大便器用の貯水タンク及びそれを備えた水洗大便器によれば、貯水タンクを漏水の虞なく、作業性良く水洗大便器本体に結合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態による水洗大便器全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による水洗大便器の貯水タンクカバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態による水洗大便器から貯水タンクを取り外した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態による貯水タンクの斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態による貯水タンクの分解斜視図である。
【図6】貯水タンクの水洗大便器本体への取り付け状態を示す断面図である。
【図7】固定手段の変形例を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による水洗大便器全体を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態による水洗大便器の貯水タンクカバーを取り外して貯水タンクの部分を拡大して示す斜視図である。
【図10】固定プレートに止水栓を取り付けるための給水手段固定用プレートを示す斜視図である。
【図11】止水栓の固定プレートへの取り付け状態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
まず、図1乃至図6を参照して、本発明の第1実施形態による水洗大便器を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による水洗大便器全体を示す斜視図である。図2は、本実施形態による水洗大便器の貯水タンクカバーを取り外した状態を示す斜視図である。図3は、本実施形態による水洗大便器から貯水タンクを取り外した状態を示す斜視図である。図4は、本発明の第1実施形態による貯水タンクの斜視図である。図5は、本実施形態による貯水タンクの分解斜視図である。図6は、貯水タンクの水洗大便器本体への取り付け状態を示す断面図である。
【0030】
図1に示すように、本発明の第1実施形態による水洗大便器1は、水洗大便器本体2と、この水洗大便器本体2の上に載置された貯水タンク8(図2)を有する。水洗大便器本体2の上に載置された貯水タンク8は、貯水タンクカバー4により覆われている。本実施形態においては、水洗大便器本体2及び貯水タンクカバー4は陶器製である。この貯水タンクカバー4により内部の貯水タンク8を覆うことにより、貯水タンク8と水洗大便器本体2を結合するボルト等が外部に露出することが無く、水洗大便器1の外観を向上させることができる。また、貯水タンクカバー4を取り外すことにより、後述するように、貯水タンク8を水洗大便器本体2に容易に取り付け、取り外すことが可能になる。
【0031】
水洗大便器本体2は、汚物を受けるボウル部2aと、このボウル部2aの底部から延びる排水トラップ管路2bと、を有する。また、貯水タンクカバー4の上端面には、洗浄スイッチ6が設けられており、この洗浄スイッチ6を操作することにより貯水タンク8内の洗浄水がボウル部2aに吐水され、ボウル部2aを洗浄することができる。
【0032】
図2に示すように、水洗大便器1の貯水タンクカバー4を取り外すことにより、これに覆われていた貯水タンク8が露出される。貯水タンク8は、水洗大便器本体2のタンク載置面2c上に載置されている。本実施形態においては、水洗大便器本体2の上端面はほぼ平面状に形成されており、水洗大便器本体2の上端面後部がタンク載置面2cを構成している。なお、水洗大便器本体2の上端面と、タンク載置面2cは、必ずしも同一平面上になくても良い。
【0033】
図3に示すように、水洗大便器本体2のタンク載置面2cには、貯水タンク8内の洗浄水を流入させるタンク連結穴2dが形成され、2本の植込ボルト10と、貯水タンク8を支持する3つの支持用突起12が設けられている。
【0034】
タンク連結穴2dは、タンク載置面2cのほぼ中央に設けられた円形の穴であり、このタンク連結穴2dに貯水タンク8が連結される。タンク連結穴2dから水洗大便器本体2内に流入した洗浄水は、ボウル部2aの上部に設けられたリム吐水口(図示せず)、及び排水トラップ管路2bに対向するように設けられたジェット吐水口(図示せず)から吐出され、ボウル部2aを洗浄する。
【0035】
植込ボルト10は、タンク連結穴2dの両側に、ほぼ左右対称の位置に配置され、タンク載置面2cから鉛直上方に向けて突出するように水洗大便器本体2に取り付けられたボルトである。
【0036】
支持用突起12は、水洗大便器本体2と一体に形成され、タンク載置面2cから上方に突出された突起である。3つの支持用突起12のうちの2つは、各植込ボルト10の前方近傍に配置され、残りの1つは、タンク連結穴2dの後方近傍に形成されている。本実施形態においては、陶器の水洗大便器本体2が形成された後、各支持用突起12は、それらの各頂面が同一の水平面上に位置するように研磨される。これにより、形成された水洗大便器本体2の形状に製作誤差がある場合でも、貯水タンク8を正確に水平に支持することができる。
【0037】
次に、図4及び図5を参照して、貯水タンク8の構成を説明する。
図4及び図5に示すように、貯水タンク8は、タンク本体14と、このタンク本体14の下部に取り付けられたタンク固定部である固定プレート16と、タンク本体14の内部に収納された排水弁18(図5)と、を有する。
【0038】
タンク本体14は、タンク底面14aと、このタンク底面14からほぼ鉛直上方に延びるタンク側面14bと、タンク底面14aよりも上方に、ほぼ水平に延びるタンク棚部14cとを備えた上端が開放された樹脂製の容器である。また、タンク底面14aのほぼ中央には洗浄水を流出させるタンク排水口14eが形成されている。さらに、タンク底面14aには、タンク底面14aから下方に延びる2本のプレート固定用ボルト14dが、タンク本体14と一体に形成されている。これら2本のプレート固定用ボルト14dは、タンク排水口14eの両側に、タンク本体14と固定プレート16が接触するほぼ長方形状の面の、ほぼ対角線上に配置されている。
【0039】
固定プレート16は、概ね長方形状の金属製のプレートであり、両側の短辺から延びる張出部である2本のアーム部16aが形成され、このアーム部16aの先端部にはタンク固定穴16bが夫々設けられている。これらのタンク固定穴16bは、貯水タンク8が水洗大便器本体2のタンク載置面2c上の所定の位置に配置されたとき、各植込ボルト10と夫々対応する位置に設けられている。さらに、タンク固定穴16bは、タンク底面14aの外周の閉曲線C(図5に太い実線で図示)を鉛直方向に投影した領域の外側に配置されている。さらに、各アーム部16aの基部には、アーム部16aの幅を狭くして容易に弾性変形させることができるように構成された可撓性部16cが設けられている。これにより、各アーム部16aは鉛直方向に容易に曲げることができ、タンク固定穴16bの位置を鉛直方向に移動させることができる。
【0040】
さらに、固定プレート16の、各プレート固定用ボルト14dに対応する位置には、プレート固定用穴16dが夫々設けられている。各プレート固定用ボルト14dを夫々プレート固定用穴16dに挿入し、プレート固定用ボルト14dに連結ナット20を螺合させることにより、固定プレート16をタンク本体14に固定することができる。また、固定プレート16の、タンク排水口14eに対応する位置には、プレート排水穴16e(図5)が夫々設けられている。
【0041】
排水弁18は、タンク本体14内に収容される概ね円筒状の開閉弁機構であり、洗浄スイッチ6の操作により所定時間開放されて、タンク本体14内の洗浄水を水洗大便器本体2に流出させるように構成されている。排水弁18の下端部は、タンク本体14のタンク排水口14e及び固定プレート16のプレート排水穴16eを貫通して、固定プレート16から下方に突出される。排水弁18の突出した下端部には排水弁固定ナット18aが螺合され、排水弁18がタンク本体14に固定される。さらに、排水弁18の下端部は、パッキン18bに嵌め込まれ、水洗大便器本体2との間の水密性が確保されている。
【0042】
次に、図6を参照して、貯水タンク8の水洗大便器本体2への取り付け手順を説明する。
まず、水洗大便器本体2のタンク載置面2cの下側から、植込ボルト10を上方に向けて突出させ、タンク載置面2cの上からワッシャー10aを植込ボルト10に通し、植込ボルト固定用ナット10bを螺合させる。これにより、植込ボルト10がタンク載置面2cから上方に向けて突出するように固定される。
【0043】
一方、タンク本体14のタンク底面14aには、固定プレート16が連結ナット20により固定される。さらに、タンク本体14には、排水弁18が排水弁固定ナット18aにより固定される。
【0044】
このように組み立てられた貯水タンク8を、水洗大便器本体2のタンク載置面2c上に配置する。この際、貯水タンク8の底から延びる排水弁18の先端部がタンク連結穴2dに挿入され、水洗大便器本体2から延びる2本の植込ボルト10の先端部が固定プレート16のタンク固定穴16bに夫々挿入されるように、貯水タンク8を配置する。これにより、排水弁18の先端部に配置されたパッキン18bが、タンク本体の14のタンク底面14aと、タンク連結穴2dの周縁部との間に挟まれ、貯水タンク8と水洗大便器本体2の間の水密性が確保される。
【0045】
また、タンク載置面2c上に載置された貯水タンク8は、タンク載置面2cに形成された3つの支持用突起12(図3)によって支持される。上述したように、3つの支持用突起12は、同一の水平面内に位置するように平面出しがなされているので、各支持用突起12によって支持された貯水タンク8は、正確に水平に向けられる。
【0046】
次いで、固定プレート16のタンク固定穴16bから上方に向けて突出している各植込ボルト10に、ワッシャー22aを配置し、タンク固定用ナット22bを螺合させて、貯水タンク8を水洗大便器本体2と結合する。従って、植込ボルト10及びタンク固定用ナット22bは、固定手段を構成する。
【0047】
ここで、図6に示すように、本実施形態においては、タンク固定用ナット22bを締めて貯水タンク8を固定した状態においても、固定プレート16の裏側の面は、植込ボルト固定用ナット10bの上端面から離れた状態になっている。このように、固定プレート16とタンク載置面2c(植込ボルト固定用ナット10bの上端面)の間に隙間があるため、水洗大便器本体2の支持用突起12の高さに製作誤差がある場合にも、この誤差を隙間により吸収することができる。逆に、支持用突起12の高さが、植込ボルト固定用ナット10bの上端面よりも低い場合には、固定プレート16のアーム部16aが上方に弾性変形されて、誤差を吸収することができる。
【0048】
また、固定プレート16が植込ボルト固定用ナット10bから離れた状態にあるため、植込ボルト固定用ナット10bを更に大きなトルクで締め込むと、固定プレート16が弾性変形される。この際、固定プレート16のアーム部16aの基端には弾性変形しやすい可撓性部16cが形成されているので、固定プレート16は可撓性部16cにおいて変形される。これにより、植込ボルト固定用ナット10bを大きなトルクで締め過ぎた場合において、固定プレート16全体が弾性変形されるのを防止することができる。固定プレート16全体が弾性変形された場合には、タンク本体14と固定プレート16を連結している連結ナット20をタンク本体14から引き離す力が作用するので、タンク本体14に形成されている樹脂製のプレート固定用ボルト14dが損傷される虞があるが、本実施形態においてはこれを回避することができる。
【0049】
本発明の第1実施形態の水洗大便器によれば、水洗大便器本体及びタンク本体の外部からタンク固定用ナットを締めることにより、タンク本体が水洗大便器本体に結合されるので、貯水タンクを作業性良く水洗大便器本体に結合することができる。
【0050】
また、本実施形態の水洗大便器によれば、タンク本体と固定プレートが別体に形成されているので、それらを異なる材料で形成することができ、タンク本体、タンク固定部に夫々適した材料を選択することができる。
【0051】
さらに、本実施形態の水洗大便器によれば、洗浄水と接触するタンク本体を樹脂で形成することにより、タンク本体の腐食等の劣化を防止することができると共に、貯水タンクの固定時に大きな力が作用するタンク固定部を金属で形成ことにより、貯水タンク固定時における固定プレートの破壊を防止することができる。
【0052】
また、本実施形態の水洗大便器によれば、タンク本体と固定プレートが、タンク本体に一体に形成されたプレート固定用ボルトにより固定されるので、タンク本体に穴を設けることなく、タンク本体と固定プレートをボルト止めすることができ、タンク本体からの漏水を確実に防止することができる。
【0053】
さらに、本実施形態の水洗大便器によれば、各プレート固定用ボルトは、タンク本体と固定プレートが接触する概ね長方形の面のほぼ対角線上に配置されているので、タンク本体側面を上記長方形の短辺の方向に押す外力に効果的に対抗することができ、タンク本体を固定プレートに強固に固定することができる。
【0054】
また、本実施形態の水洗大便器によれば、固定プレートが可撓性部を備えているので、タンク固定用ナットによりアーム部に過大な力が加わった場合にも、可撓性部が弾性変形されることによりアーム部の移動が許容され、固定プレート全体の変形を回避することができる。これにより、固定プレート全体が変形されることによるプレート固定用ボルトの破損等の不具合の発生を防止することができる。また、固定プレートを水洗大便器本体上のタンク載置面や支持突起に載置した場合、製造誤差等により鉛直方向の寸法にばらつきがあっても、可撓性部が弾性変形されることにより、固定プレート全体が変形することを回避することができる。
【0055】
さらに、本実施形態の水洗大便器によれば、タンク固定用ナットの上方に張り出すように、タンク本体にタンク棚部が設けられているので、タンク本体外部からタンク固定用ナットを締めることを可能にしながら、タンク本体の内容積を大きくすることができる。
【0056】
また、本実施形態の水洗大便器によれば、貯水タンクが3つの支持用突起上に載置されるので、水洗大便器本体の形状に製作誤差がある場合にも、貯水タンクをガタ無く確実に支持することができる。また、3つの支持用突起の上端面を精度良く仕上げることにより、貯水タンクを正確に水平に支持することができる。
【0057】
また、上述した第1実施形態においては、固定プレートと水洗大便器本体を結合する固定手段が、植込ボルトとタンク固定用ナットにより構成されていたが、他の手段によりそれらを結合しても良い。
さらに、上述した第1実施形態においては、タンク本体とプレート固定用ボルトが一体に構成されていたが、プレート固定用ボルトをタンク本体の底面外側に着脱自在に構成し、タンク本体とプレート固定用ボルトを別体に構成することもできる。
【0058】
図7は、固定手段の変形例を示す断面図である。
この変形例においては、固定手段は、タンク固定用ボルト30と、このタンク固定用ボルト30が中に通された円筒形の弾性変形部材32と、弾性変形用ナット34から構成されている。
【0059】
タンク固定用ボルト30は、固定プレート16のタンク固定穴16bに上側から挿入される。弾性変形用ナット34は、その外周が円筒形の弾性変形部材32の下部の内壁面に固定されている。固定プレート16の下側から突出するタンク固定用ボルト30に弾性変形部材32を被せ、タンク固定用ボルト30と弾性変形用ナット34を螺合させる。これにより、弾性変形部材32が固定プレート16に取り付けられる。
【0060】
次に、固定プレート16に取り付けられた弾性変形部材32を、水洗大便器本体2のタンク載置面2cに設けられた穴に挿入する。この状態でタンク固定用ボルト30を回転させると、ネジ作用により弾性変形用ナット34が引き上げられる。これに伴い、弾性変形部材32が図7に想像線で示すように変形され、タンク固定用ボルト30が水洗大便器本体2から抜けなくなる。これにより、固定プレート16が水洗大便器本体2に固定される。
【0061】
また、上記の変形例では、弾性変形部材32がタンク載置面2cの背面側で拡張され、タンク固定用ボルト30が固定されたが、タンク載置面2cが厚い場合には、弾性変形部材32をタンク載置面2cの穴の内部で拡張させても良い。この場合には、拡張された弾性変形部材32と穴の内壁面の間の摩擦により、タンク固定用ボルト30が固定される。
上記の変形例の他、スナップ止め、割ピン等を固定手段として使用することもできる。
【0062】
次に、図8乃至図11を参照して、本発明の第2実施形態による水洗大便器を説明する。本実施形態の水洗大便器は、貯水タンクカバーの側面下部から突出するように、局部洗浄装置(図示せず)へ給水を停止させるための止水栓が取り付けられている点が、上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明する。
【0063】
図8は、本発明の第2実施形態による水洗大便器全体を示す斜視図である。図9は、本実施形態による水洗大便器の貯水タンクカバーを取り外して貯水タンクの部分を拡大して示す斜視図である。図10は、固定プレートに止水栓を取り付けるための給水手段固定用プレートを示す斜視図である。図11は、止水栓の固定プレートへの取り付け状態を示す分解斜視図である。
【0064】
図8に示すように、本発明の第2実施形態による水洗大便器100は、水洗大便器本体102と、貯水タンク108(図9)とを有する。貯水タンク108は、貯水タンクカバー104により覆われている。また、この貯水タンクカバー104の側面下部から突出するように、給水手段である止水栓105が取り付けられている。
【0065】
図9に示すように、貯水タンク108は、タンク本体114と、このタンク本体114の下部に取り付けられたタンク固定部である固定プレート116と、タンク本体114の内部に収納された排水弁118と、を有する。さらに、固定プレート116には、止水栓105を取り付けるための給水手段固定用プレート138が取り付けられている。
【0066】
固定プレート116は、概ね長方形状の金属製のプレートであり、両側の短辺から延びる張出部である2本のアーム部116a(図9には片側のみ図示)が形成されている。これらのアーム部116aが各植込ボルト及びナットにより水洗大便器本体102に固定される。
【0067】
図10に示すように、固定プレート116には、さらに、第2の張出部である給水手段固定部116bが形成されている。この給水手段固定部116bは、固定プレート116と一体に、アーム部116aのうちの一方の後方側に、アーム部116aと同一の平面内に突出するように形成されている。
【0068】
給水手段固定用プレート138は、概ねL字型に曲げられた金属板であり、L字型の長辺が給水手段固定部116bに重ねられるように、給水手段固定部116bにネジ止めされる。さらに、給水手段固定用プレート138には、給水手段固定用プレート138を給水手段固定部116bに位置調整可能に取り付けるための固定位置調整手段である2つの長孔138aが形成されている。これらの長孔138aにより、給水手段固定用プレート138を給水手段固定部116bにネジ止めする位置を水洗大便器の横方向に調節することができる。
【0069】
さらに、給水手段固定用プレート138には、止水栓105を取り付けるための給水手段固定手段である2つの固定用バンド140a、140bを固定するための4つの雌ネジ孔138bが設けられている。止水栓105は、その基端部を、固定用バンド140aによりL字型の給水手段固定用プレート138の短辺側に固定され、その先端部を、固定用バンド140bにより給水手段固定用プレート138の長辺側に固定される。これらの固定用バンド140a、140bは、概ねU字型に曲げられた所定の幅を有する薄い金属板によって構成されており、止水栓105の周囲を締め付けることにより止水栓105を給水手段固定用プレート138に固定する。これらの固定用バンドとして、止水栓105の形態に応じた汎用品を使用することもできる。
【0070】
図9に示すように、洗浄水導入部130から導入された水道水は、T字管132によって2つに分岐され、その一方は、給水管134を介して止水栓105に送られ、他方は給水管136を介してタンク本体114内に導入される。止水栓105に送られた洗浄水は、止水栓105に接続されたフレキシブルホース105aを介して局部洗浄装置(図示せず)に供給される。止水栓105は、通常使用時は開放されており、局部洗浄装置のメンテナンス時等に閉鎖される。
【0071】
次に、図11を参照して、止水栓105の取り付け手順の一例を説明する。
まず、止水栓105を、固定用バンド140a、140bにより、給水手段固定用プレート138に固定する。次に、2本のビス142を、給水手段固定用プレート138の各長孔138aに通して、給水手段固定部116bに設けられた各雌ネジ孔116cに螺合させる。これにより、給水手段固定用プレート138が給水手段固定部116bに仮固定される。この仮固定では、各ビス142を緩く締めておき、給水手段固定用プレート138が長孔138aに沿ってスライドできるようにしておく。
【0072】
次に、フレキシブルホース105aを止水栓105のフレキシブルホース取付部105bに接続し、給水管134を給水管取付部105cに接続する。さらに、給水手段固定用プレート138を長孔138aに沿ってスライドさせ、止水栓105を所定の位置に位置決めする。最後に、各ビス142を締め付け、給水手段固定用プレート138を給水手段固定部116bに固定する。
なお、フレキシブルホース105aを止水栓105に接続する工程は、止水栓105を所定の位置に位置決めし、各ビス142を完全に締め付けた後に行っても良い。
【0073】
給水手段固定用プレート138を長孔138aに沿ってスライドさせることにより、水洗大便器本体102等の寸法に製造上の誤差がある場合でも、誤差は吸収され、止水栓105は適正な位置に位置決めされる。また、フレキシブルホース105aを止水栓105に接続した後、止水栓105の位置を調節しているので、フレキシブルホース105aを止水栓105に固定する袋ナット105d(図9)が水洗大便器本体102の側面に極めて近く袋ナット105dの締め付けが困難な位置にも止水栓105を位置決めすることができる。
【0074】
本発明の第2実施形態の水洗大便器によれば、固定プレートに止水栓を取り付けているので、タンク本体に止水栓取り付け用の貫通穴等を設けることなく止水栓を固定することができ、止水栓の取り付けに伴う漏水等の危険を回避することができる。
【0075】
また、本実施形態の水洗大便器によれば、止水栓が固定プレートに取り付けられているので、止水栓をタンク本体と共に取り外すことができ、取り付け、取り外しの際の、止水栓とタンク本体の干渉を回避することができる。
さらに、本実施形態の水洗大便器によれば、止水栓が給水手段固定用プレートを介して給水手段固定部に固定されるので、止水栓を容易に固定することができる。
【0076】
また、本実施形態の水洗大便器によれば、給水手段固定用プレートを交換することにより、種々の形態の止水栓等を同一の給水手段固定部に取り付けることができる。
さらに、本実施形態の水洗大便器によれば、止水栓が固定用バンドにより固定しているので、固定用バンドとして汎用品を流用することができる。
【0077】
また、本実施形態の水洗大便器によれば、固定用バンドによる固定は、給水手段を上方から覆い隠してしまう形態の給水手段固定手段を使用した場合に比べ、施工性を良好にすることができる。
【0078】
さらに、本実施形態の水洗大便器によれば、給水手段固定用プレートの固定位置が長孔により調整されるので、水洗大便器本体等の形状誤差を吸収して、適正な位置に止水栓を固定することができる。
【0079】
また、上述した本発明の第2実施形態においては、給水手段として止水栓が貯水タンクに取り付けられていたが、止水栓に代えて定流量弁等の弁体、給水用の配管等、種々の給水手段を貯水タンクに取り付けることができる。
【0080】
また、上述した第2実施形態においては、給水手段固定用プレートは、水洗大便器の側方に位置調整可能であったが、任意の方向の摺動、又は回転ができるように位置調整手段を構成することができる。
【0081】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、タンク本体とタンク固定部である固定プレートが別体で構成されていたが、これらを一体に構成することもできる。
【符号の説明】
【0082】
1 水洗大便器
2 水洗大便器本体
2a ボウル部
2b 排水トラップ管路
2c タンク載置面
2d タンク連結穴
4 貯水タンクカバー
6 洗浄スイッチ
8 貯水タンク
10 植込ボルト
10a ワッシャー
10b 植込ボルト固定用ナット
12 支持用突起
14 タンク本体
14a タンク底面
14b タンク側面
14c タンク棚部
14d プレート固定用ボルト(固定部固定用ボルト)
14e タンク排水口
16 固定プレート(タンク固定部)
16a アーム部(張出部)
16b タンク固定穴
16c 可撓性部
16d プレート固定用穴
16e プレート排水穴
18 排水弁
18a 排水弁固定ナット
18b パッキン
20 連結ナット
22a ワッシャー
22b タンク固定用ナット
100 本発明の第2実施形態による水洗大便器
102 水洗大便器本体
104 貯水タンクカバー
105 止水栓(給水手段)
105a フレキシブルホース
105b フレキシブルホース取付部
105c 給水管取付部
105d 袋ナット
108 貯水タンク
114 タンク本体
116 固定プレート(タンク固定部)
116a アーム部(張出部)
116b 給水手段固定部(張出部)
118 排水弁
130 洗浄水導入部
132 T字管
134 給水管
136 給水管
138 給水手段固定用プレート
138a 長孔(固定位置調整手段)
140a、140b 固定用バンド(給水手段固定手段)
142 ビス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水洗大便器本体上に載置され、この水洗大便器本体に結合して使用される水洗大便器用の貯水タンクであって、
上記水洗大便器本体に洗浄水を流出させるタンク排水口が設けられたタンク底面、及びこのタンク底面から上方に延びるタンク側面を備えたタンク本体と、
上記タンク底面外周の閉曲線を鉛直方向に投影した領域よりも外側に張り出した張出部を備えたタンク固定部と、
上記閉曲線を鉛直方向に投影した領域よりも外側に配置され、上記水洗大便器本体及び上記タンク本体の外部からの操作により、上記張出部を上記水洗大便器本体に固定して、上記タンク固定部を介して上記タンク本体を上記水洗大便器本体に結合する固定手段と、
を有することを特徴とする貯水タンク。
【請求項2】
上記タンク本体と上記タンク固定部が一体に形成されている請求項1記載の貯水タンク。
【請求項3】
上記タンク本体と上記タンク固定部が別体に形成されている請求項1記載の貯水タンク。
【請求項4】
上記タンク本体が樹脂で形成され、上記タンク固定部が金属で形成されている請求項3記載の貯水タンク。
【請求項5】
上記タンク本体は、そのタンク底面から下方に延びる、一体に形成された固定部固定用ボルトを備え、この固定部固定用ボルトは上記タンク固定部を貫通して延び、上記固定部固定用ボルトに連結ナットを螺合させることにより、上記タンク固定部が上記タンク本体に固定される請求項3又は4記載の貯水タンク。
【請求項6】
上記固定部固定用ボルトは2つ設けられ、各固定部固定用ボルトは、上記タンク本体と上記タンク固定部が接触する面のほぼ対角線上に配置されている請求項5記載の貯水タンク。
【請求項7】
上記タンク固定部は、上記張出部が鉛直方向に移動できるように、弾性変形される可撓性部を備えている請求項3乃至6の何れか1項に記載の貯水タンク。
【請求項8】
上記タンク本体は、上記固定手段の上方に張り出すように構成されている請求項1乃至7の何れか1項に記載の貯水タンク。
【請求項9】
更に、洗浄水を供給する給水手段を有し、上記タンク固定部の張出部には、上記給水手段を固定するための給水手段固定部が設けられている請求項1乃至8の何れか1項に記載の貯水タンク。
【請求項10】
更に、給水手段固定用プレートと、この給水手段固定用プレートに上記給水手段を固定する給水手段固定手段と、を有し、上記給水手段は上記給水手段固定用プレートを介して上記給水手段固定部に固定される請求項9記載の貯水タンク。
【請求項11】
上記給水手段固定手段は、所定の幅を有し、上記給水手段の周囲を抑え付けて上記給水手段を上記給水手段固定用プレートに固定する固定用バンドである請求項10記載の貯水タンク。
【請求項12】
更に、上記給水手段固定部に対する上記給水手段固定用プレートの固定位置を調整する固定位置調整手段を有する請求項10又は11記載の貯水タンク。
【請求項13】
ボウル部、排水トラップ管路、及び貯水タンクを載置するタンク載置面を備えた水洗大便器本体と、
上記タンク載置面に載置された請求項1乃至12の何れか1項に記載の貯水タンクと、
を有することを特徴とする水洗大便器。
【請求項14】
上記水洗大便器本体は陶器で形成されており、上記貯水タンクは、上記タンク載置面に形成された少なくとも3つの支持用突起上に載置される請求項13記載の水洗大便器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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