説明

貯蔵庫内蔵家具

【課題】使用者に排熱による不快感を与えることなく、且つ、貯蔵庫と収容部との隙間に滞留する空気による結露発生を効果的に解消する。
【解決手段】天板4の下側に構成されて前面が開口する収容部9と、この収容部9内に収容された貯蔵庫2とを備えた貯蔵庫内蔵家具1において、貯蔵庫2は、貯蔵室21が構成された断熱箱体20と、断熱箱体20の開口を開閉自在に閉塞する断熱扉22と、貯蔵室21内を冷却、及び/又は、加熱する温調機器30とを有し、天板4の後端4Aに立設された縦板60と、縦板60の後側に位置して形成され、収容部9内と外部とを連通して貯蔵庫2の温調機器30からの排熱を排出する排気口64、65とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は貯蔵室内を冷却、及び/又は、加熱する温調機器を有する貯蔵庫を収容部内に収容した貯蔵庫内蔵家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、台所や応接室、ホテルの客室において、冷蔵庫などの温調機器を有した貯蔵庫を設置する場合、周辺に設置された家具との調和を図るため、厨房家具やサイドボードの収容部内に冷蔵庫を収容した冷蔵庫ビルトイン家具等が開発されている。
【0003】
収容部内に収容される冷蔵庫は、断熱箱体内に貯蔵室が構成され、この断熱箱体内に冷凍サイクルを構成する蒸発器、又は、ペルチェ素子の冷却面と熱伝導可能に設けられた冷却フィンが配置され、断熱箱体外に冷凍サイクルを構成する凝縮器や、又は、ペルチェ素子の放熱面と熱伝導可能に設けられた放熱フィンが配置されている。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の調理台では、前面部が開口した収納部が形成され、この収納部内に冷蔵庫が前方から入れて据え付け固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−10250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の冷蔵庫を収容した調理台等では、冷蔵庫本体と収納部の内壁との間に空気が流通可能な隙間を設けて、圧縮機や凝縮器、又は、放熱フィンの近傍に設けられた放熱用の送風機を運転することで、これら圧縮機等からの排熱を当該隙間を介して外部に排出していた。
【0007】
この場合、収納部は前方にのみ開放して構成されているため、外気は冷蔵庫の前方から当該冷蔵庫と収納部との間に吸い込まれ、圧縮機等を冷却した後、排熱は、冷蔵庫の前面と収納部の前面との間に形成された隙間から外部に排出されることとなる。これにより、冷蔵庫の前側に立つ使用者に向けて熱風が排出されるため、不快感を与える問題があった。
【0008】
本発明は、従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、使用者に排熱による不快感を与えることなく、且つ、貯蔵庫と収容部との隙間に滞留する空気による結露発生を効果的に解消することができる貯蔵庫内蔵家具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の貯蔵庫内蔵家具は、天板の下側に構成されて前面が開口する収容部と、該収容部内に収容された貯蔵庫とを備えたものであって、貯蔵庫は、前面が開口して内部に貯蔵室が構成された断熱箱体と、該断熱箱体の開口を開閉自在に閉塞する断熱扉と、貯蔵室内を冷却、及び/又は、加熱する温調機器とを有すると共に、天板の後端に立設された縦板と、該縦板の後側に位置して形成され、収容部内と外部とを連通して貯蔵庫の温調機器からの排熱を排出する排気口とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、上記発明において、収容部の背板上端は、天板よりも後下方に位置しており、排気口は、背板上端と天板後端との間において、上方及び後方に開口して形成されている特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、上記各発明において、天板下側の中央に構成されて前面が開口する物品収納用のラック部と、該ラック部の開口を開閉自在に閉じるガラス扉とを備え、収容部はラック部の左右両側にそれぞれ構成されており、貯蔵庫は各収容部にそれぞれ収容されて各貯蔵庫の断熱扉はガラス扉の左右に並んで配置され、縦板は、ラック部から両収容部の上方に渡って延在し、排気口は各収容部に対応してそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、上記各発明において、貯蔵庫は、断熱箱体内に構成されたダクトを備え、温調機器は、ダクト内に設けられた吸熱部と、該吸熱部にて冷却されたダクト内の冷気を貯蔵室内に循環して冷却する冷気循環用ファンと、断熱箱体の背面に設けられた放熱部と、該放熱部からの排熱により加熱された空気を排気口に向けて吹き出す排気用ファンとを有し、該排気用ファンから吹き出された空気の一部を貯蔵庫と収容部間の隙間に流入させることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、上記発明において、温調機器は、ペルチェ素子を有し、吸熱部はペルチェ素子の冷却面に、放熱部はペルチェ素子の放熱面にそれぞれ熱伝導関係に設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、上記発明において、温調機器は、断熱箱体の背面に設けられて回転軸を備えたモータを有し、冷気循環用ファンは回転軸の一端に取り付けられて吸熱部の上方に位置し、排気用ファンは回転軸の他端に取り付けられて放熱部の上方に位置していることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、上記各発明において、貯蔵庫は、貯蔵室内架設された棚を備え、温調機器は、棚に設けられて貯蔵室内を加熱する電気ヒータを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、天板の下側に構成されて前面が開口する収容部と、該収容部内に収容された貯蔵庫とを備えた貯蔵庫内蔵家具において、貯蔵庫は、前面が開口して内部に貯蔵室が構成された断熱箱体と、該断熱箱体の開口を開閉自在に閉塞する断熱扉と、貯蔵室内を冷却、及び/又は、加熱する温調機器とを有するので、貯蔵庫の断熱扉の外面を天板等と調和を図った材質やデザインで構成することにより、当該天板等と調和された貯蔵庫内蔵家具を構成することができる。これにより、貯蔵庫を備えたスペース効率の高い家具を実現することができる。
【0017】
また、本発明の貯蔵庫内蔵家具は、天板の後端に立設された縦板と、該縦板の後側に位置して形成され、収容部内と外部とを連通して貯蔵庫の温調機器からの排熱を排出する排気口とを備えたことにより、貯蔵庫の温調機器からの排熱を天板の後側から外部に排出することができる。
【0018】
そのため、従来のように、収容部の前面開口と貯蔵庫の間に形成された隙間から当該排気が排出される場合に比べて、使用者に排気による不快感を与えないものとすることができる。また、天板上に物が載せられた場合であっても、天板の後端には、縦板が立設されているため、当該縦板の後側に位置して形成される排気口が当該物によって塞がれてしまう不都合を回避することができる。これにより、円滑に排熱を処理することができる。
【0019】
請求項2の発明によれば、上記発明に加えて、収容部の背板上端は、天板よりも後下方に位置しており、排気口は、背板上端と天板後端との間において、上方及び後方に開口して形成されているので、万一、縦板の後側に物が落ちた場合であっても、上方又は後方に開口した排気口にて開口を確保することができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、上記各発明に加えて、天板下側の中央に構成されて前面が開口する物品収納用のラック部と、該ラック部の開口を開閉自在に閉じるガラス扉とを備え、収容部はラック部の左右両側にそれぞれ構成されており、貯蔵庫は各収容部にそれぞれ収容されて各貯蔵庫の断熱扉はガラス扉の左右に並んで配置され、縦板は、ラック部から両収容部の上方に渡って延在し、排気口は各収容部に対応してそれぞれ形成されているので、貯蔵庫を2台備えた家具を外観デザインに大きく支障を来すことなく実現することができる。これにより、家具としての美感の向上を図ることができる。そのため、応接室等に設置した場合に、これら貯蔵庫を冷蔵/冷蔵使用、冷蔵/温蔵使用、温蔵/温蔵使用とすることができ、形態に応じた使い分けを可能とすることができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、上記各発明に加えて、貯蔵庫は、断熱箱体内に構成されたダクトを備え、温調機器は、ダクト内に設けられた吸熱部と、該吸熱部にて冷却されたダクト内の冷気を貯蔵室内に循環して冷却する冷気循環用ファンと、断熱箱体の背面に設けられた放熱部と、該放熱部からの排熱により加熱された空気を排気口に向けて吹き出す排気用ファンとを有し、該排気用ファンから吹き出された空気の一部を貯蔵庫と収容部間の隙間に流入させることにより、貯蔵庫と収容部との間の隙間に滞留しやすい空気を排気用ファンから吹き出される空気によって流通させることができ、貯蔵庫外面への結露発生を効果的に解消することができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、上記発明に加えて、温調機器は、ペルチェ素子を有し、吸熱部はペルチェ素子の冷却面に、放熱部はペルチェ素子の放熱面にそれぞれ熱伝導関係に設けられていることにより、圧縮機等を運転する場合と比べて、冷蔵使用時の静音化を図ることができる。これにより、応接室等への設置により好適となる。また、圧縮機等を備えた冷却装置を用いる場合と比較して、温調機器の設置スペースを格段に縮小することができる。
【0023】
請求項6の発明によれば、上記発明に加えて、温調機器は、断熱箱体の背面に設けられて回転軸を備えたモータを有し、冷気循環用ファンは回転軸の一端に取り付けられて吸熱部の上方に位置し、排気用ファンは回転軸の他端に取り付けられて放熱部の上方に位置しているので、一つのモータによって冷気循環用ファンと排気用ファンの双方を運転することができる。これにより、コストの削減を図ることができる。
【0024】
また、モータは、断熱箱体の外側背面に設けられることで、当該モータの運転に伴う排熱によって貯蔵室内の冷却運転に悪影響を及ぼす不都合を回避することができる。更に、このモータの回転軸及びこれに取り付けられた冷気循環用ファンは、断熱箱体内の吸熱部の上方に位置するため、当該吸熱部からの結露が冷気循環用ファンに当たってしまう不都合を回避することができ、漏電の発生を防止することができる。また、モータ及び排気用ファンは、放熱部の上方に位置して設けられるため、上方の設けられた排気口への排熱の排出を円滑に行うことができる。
【0025】
請求項7の発明によれば、上記各発明に加えて、貯蔵庫は、貯蔵室内架設された棚を備え、温調機器は、棚に設けられて貯蔵室内を加熱する電気ヒータを有することにより、当該電気ヒータによって円滑に貯蔵室内を加熱することができる。これにより、ペルチェ素子による加熱運転よりも高い能力にて貯蔵室内を加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】貯蔵庫内蔵家具の内部透視正面図である。
【図2】図1の貯蔵庫内蔵家具の断熱扉を開放した状態の一部透視平面図である。
【図3】図1の貯蔵庫内蔵家具の横断概略平面図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】図1の貯蔵庫内蔵家具の一部透視背面図である。
【図6】貯蔵庫内蔵家具の一部を透視した部分背面図である。
【図7】貯蔵庫内蔵家具の側断面図である。
【図8】貯蔵庫の断熱扉を取り外した状態の正面図である。
【図9】貯蔵庫の側面図である。
【図10】貯蔵庫の背面図である。
【図11】貯蔵庫の平面図である。
【図12】貯蔵庫の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の貯蔵庫内蔵家具1の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は貯蔵庫内蔵家具1の内部透視正面図、図2は図1の貯蔵庫内蔵家具1の断熱扉を開放した状態の一部透視平面図、図3は図1の貯蔵庫内蔵家具1の横断概略平面図、図4は図3の部分拡大図、図5は図1の貯蔵庫内蔵家具1の一部透視背面図、図6は貯蔵庫内蔵家具1の一部を透視した部分背面図、図7は貯蔵庫内蔵家具1の側断面図をそれぞれ示している。
【0028】
本実施例の貯蔵庫内蔵家具1は、例えば、応接室や、ホテルの客室に設置されるサイドボードタイプの家具であり、天板4と、両側板5、5と、背板6と、底板7とから、前面に開口した本体3が構成されている。本体3内には、内部を複数室に区画する区画板8、8が立設されて、天板4下側の中央には、前面が開口する物品収納用のラック部10が構成されると共に、当該ラック部10の左右両側には、天板4下側にて前面が開口する収容部9が構成される。尚、本実施例では、区画板8、8によって、側方から順に収容部9、ラック部10、収容部9が並設されているが、収容部9、及び、ラック部10の数、位置、区画板8の枚数はこれに限定されない。
【0029】
そして、天板4、背板6、底板7、両区画板8、8にて囲繞されるラック部10の前面開口11は、観音開き式のガラス扉12、12にて開閉自在に閉塞される。このラック部10内には、物品載置用の棚13が架設されている。また、ラック部10の左右両側に構成された各収容部9、9のそれぞれには、詳細は後述する貯蔵庫2、2が収容される。
【0030】
本体3の底面を構成する底板7は、各側板5、5の下端、及び、背板6の下端、即ち、当該貯蔵庫内蔵家具1の設置床面よりも所定寸法高い位置に設けられており、据え付けられた状態で、設置床面と底板7との間に、所定の間隔14が形成されている。この底板7の四隅には、補強用の脚部15・・が設けられている。底板7の下方に前面に開口して形成される間隔14の前面は、左右にわたって下部パネル16にて閉塞されると共に、収容部9、9の下方に対応する位置には、複数の連通孔16Aが形成されている。
【0031】
また、底板7の下面には、当該底板7下方に形成される間隔14内を、上方のラック部10、各収容部9、9に対応する位置にて区画する区画壁17、17が下部パネル16から背板6に渡って設けられている。底板7の後端には、それぞれラック部10、各収容部9、9に対応する位置に、収容される電子機器の配線や、貯蔵庫2、2の配線Lを外部に引き出すための連通孔18が形成されていると共に、同様に、背板6の下端には、連通孔19が形成されている。
【0032】
次に、各収容部9、9内に収容される貯蔵庫2の詳細について図8乃至図12を参照して説明する。図8は貯蔵庫2の断熱扉22を取り外した状態の正面図、図9は貯蔵庫2の側面図、図10は貯蔵庫2の背面図、図11は貯蔵庫2の平面図、図12は貯蔵庫2の縦断側面図をそれぞれ示している。尚、両貯蔵庫2、2は略同様の構成とされているため、各図を使用して正面から向かって右側に収容される貯蔵庫2を例に挙げて説明する。
【0033】
貯蔵庫2は、前面が開口する筐体状の断熱箱体20により本体が構成されている。この断熱箱体20は前面に開口を有する例えば硬質合成樹脂製の内箱25と、前面に開口を有する鋼板製の外箱26と、これら両箱25、26間に発泡充填されたポリウレタン断熱材27により構成されている。また、外箱26の背壁(断熱箱体20の背面20A)の後方には、背面パネル23が所定間隔を存して設けられている。この断熱箱体20の内箱25の内側(断熱箱体20の内部)には、前面に開口24を有した貯蔵室21が構成されている。
【0034】
断熱箱体20の前面には係る開口24を開閉自在に閉塞する断熱扉22がヒンジ部材28により回動自在に枢支されている。本実施例では、貯蔵庫内蔵家具1全体のデザイン性を考慮し、少なくとも断熱扉22の前面が天板4やガラス扉12等のデザインに調和した化粧パネル22Aにて被覆されていると共に、各収容部9に収容された状態で、貯蔵庫内蔵家具1の端部となる側を中心として断熱扉22が回動自在に枢支されている。また、各断熱扉22の非枢支側前面には、開閉操作を行う把手22Bが設けられている。
【0035】
この貯蔵庫2は、ペルチェユニットP、Pと、送風機ユニットFと、電気ヒータHからなる温調機器30を有しており、当該温調機器30により、貯蔵室21内が冷却、及び/又は、加熱される。
【0036】
ペルチェユニットPは、ペルチェ素子31と、吸熱部32と、放熱部33とを有している。ペルチェ素子31は、断熱箱体20の背壁に設けられている。本実施例では、係るペルチェユニットPは、断熱箱体20の背壁に上下に2つ並設されている。ここで、ペルチェ素子31は、P型素子とN型素子から成る二種類の熱電半導体を金属電極でπ型に接合して構成され、N型素子からP型素子に向かって電流を流すと、ペルチェ効果により一方の面(冷却面)から吸熱して他方の面(放熱面)から放熱するものであり、このときの冷却作用を利用して貯蔵室21内を冷却するものである。
【0037】
貯蔵室21の内箱25の背壁25Aには、係るペルチェ素子31の冷却面と熱伝導関係に設けられた吸熱部32が取り付けられている。本実施例において吸熱部32は、例えばアルミニウムなどの熱良伝導性材料にて構成される放熱フィンから成る冷却シンクによって構成される。
【0038】
断熱箱体20の背面20Aには、上記ペルチェ素子31の放熱面と熱伝導関係に設けられた放熱部33が取り付けられている。係る本実施例において放熱部33は、例えばアルミニウムなどの熱良伝導性材料にて構成される放熱フィンから成る放熱シンクによって構成される。
【0039】
そして、上記吸熱部32の前側には、内箱25の背壁25Aと所定間隔を存して、吸熱部32の下方から貯蔵室21内上部に渡る隔壁34が、略吸熱部32の幅寸法に対応して、取り付けられている。断熱箱体20内に設けられた隔壁34と背壁25A間には、上下に渡る冷気ダクト35が形成され、前記吸熱部32は、この冷気ダクト35内に位置する。
【0040】
隔壁34の上端は、内箱25の天壁25Bとの間に間隔を有しており、当該隔壁34の上端と天壁25Bとの間には、貯蔵室21の両側壁間に渡って、複数の冷気吐出口36Aが形成された冷気吐出部材36が取り付けられている(図8参照)。また、隔壁34の下端には、同様に貯蔵室21の両側壁間に渡って、冷気ダクト35に連通した冷気吸込口37が形成されている。
【0041】
ここで、隔壁34の前方の貯蔵室21内には、食品などを載置するための棚38が架設されている。本実施例では、貯蔵室21内に2段の棚38、38が架設されている。下側に架設される棚38は、内箱25の底壁25Cとの間に所定の間隔を存して架設されており、当該下側に架設された棚38と底壁25Cとの間には、前記冷気ダクト35内と冷気吸込口37にて連通した下部ダクト39が形成される。この下部ダクト39は、当該下側に架設された棚38の前端下方において貯蔵室21内と連通される。
【0042】
一方、送風機ユニットFは、冷気循環用ファン40と、排気用ファン44と、これらファン40、44が取り付けられる回転軸43を備えたモータ42とから構成される。上記冷気ダクト35内には、吸熱部32の上方に位置して、冷気循環用ファン40が配設されている。冷気ダクト35内には、前記隔壁34及び背壁25Aとそれぞれ所定の間隔を存して配設されると共に、冷気循環用ファン37の冷気流入側と冷気吹出側とを区画するファンケーシング41が設けられている。
【0043】
この場合において、冷気循環用ファン40は、吸熱部32と熱交換した冷気を前方より吸引し、後方の背壁25Aに向けて吹き出すプロペラファンから成る。この冷気循環用ファン40を回転駆動させるモータ42は、断熱箱体20の背面20Aに設けられ、当該モータ42から延出される回転軸43の一端は、背面20Aを貫通して冷気ダクト35内に臨み、冷気循環用ファン40が取り付けられる。
【0044】
そして、このモータ42の回転軸43の他端には、放熱部33の上方に位置して排気用ファン44が取り付けられている。排気用ファン33は、放熱部33と熱交換した排気を後方より吸引し、前方の背面20Aに向けて吹き出すプロペラファンから成る。断熱箱体20の背面20Aには、排気用ファン44の外気流入側と排気吹出側とを区画するファンケーシング45が設けられている。
【0045】
放熱部33の後側には、断熱箱体20の背面20Aと所定間隔を存して、放熱部33の下方からファンケーシング45の排気吸込側に渡るダクトパネル48が、略放熱部33の幅寸法に対応して取り付けられている。断熱箱体20の背面20Aとダクトパネル48との間には、上下に渡る排気ダクト49が形成され、前記放熱部33は、この排気ダクト49内に位置する。この排気ダクト49の下端は、下方に向けて開放される。そして、ファンケーシング45の排気吹出側は上方に向けて開放している。
【0046】
断熱箱体20の背面20Aには、更に後方から背面パネル23が取り付けられ、当該背面パネル23により、ダクトパネル48、放熱用ファン44、モータ42、ファンケーシング45が被覆される。この背面パネル23は、上端が断熱箱体20の天面よりも低い高さに位置していると共に、下端は開放して形成され、断熱箱体20の背面20Aとの間に排気干渉ダクト46が形成されている。この排気干渉ダクト46内の下部に相当する背面パネル23と背面20Aとの間には、ダクトパネル48にて構成される排気ダクト49内と、排気干渉ダクト46内とを区画する閉塞板47が設けられ、背面パネル23の下端と背面20Aとの間から流入した外気は、ダクトパネル48下端より排気ダクト49内に流入し、排熱用ファン44を経た後、排気干渉ダクト46内に流入する構成とされている。
【0047】
そして、この排気干渉ダクト46を構成する背面パネル23の上面23Aには、排気孔50が左右方向に渡って複数形成され、両側面23B、23Bには、排気孔51が上下方向に渡って複数形成されている。この背面パネル23の上面23Aには、当該貯蔵庫2のスイッチ等が設けられた操作部52が設けられている。尚、当該操作部52は、各収容部9に収容された状態で、貯蔵庫内蔵家具1の端部となる側に設けられている。
【0048】
上述した如きこれらペルチェユニットPと、送風機ユニットFと共に温調機器30を構成する電気ヒータHは、上記貯蔵室21内に架設された各棚38に設けられる。上記各棚38は、金属板から成り、その商品載置面の裏側に電気ヒータHが設けられる。温蔵運転時にはこの電気ヒータHが発熱して棚上の物品、及び、貯蔵室21内を加熱保温する。
【0049】
また、当該貯蔵庫2は、断熱箱体20の底面20Bには、上記吸熱部32の下方に対応して当該断熱箱体20を貫通する排水孔53が形成されている。この底面20Bは当該排水孔53に向けて低く傾斜されている。そして、この底面20Bの下面には、脚部54、54が前後方向に延在して設けられ、当該貯蔵庫2が収容される収容部9の底面との間に所定の間隔55が形成される。この間隔55は、断熱箱体20の下端よりも下方に延在して設けられる断熱扉22の化粧パネル22Aと収容部9の底面との間において開口している(隙間55A)。
【0050】
そして、この底面20Bの下面には、間隔55内に位置して上面が開口した蒸発皿56が配置されている。この蒸発皿56は、断熱扉22を開放した状態で、前後方向に引出自在とされている。そのため、貯蔵室21内や吸熱部32等から流下したドレン水は、底面20B上面を伝って、排水孔53内に流入し、当該排水孔53下方に設けられた蒸発皿56内に受容される。
【0051】
上述した如く構成された貯蔵庫2は、貯蔵庫内蔵家具1の各収容部9、9にそれぞれ収容される。貯蔵庫2が収容部9に収容された状態で、断熱箱体20の背面20Aに取り付けられた背面パネル23は、収容部9の背面を構成する背板6に当接、若しくは、近接して配置される。これにより、底板7に形成された連通孔18の上方に、貯蔵庫2の背面パネル23の下端開口、及び、排気ダクト49の下端開口が位置する。
【0052】
また、断熱扉22の前面は、ラック部10の前面開口11を閉塞するガラス扉12、12の左右に並んで配置される。この際、各断熱扉22(化粧パネル22A)は、図3に示すように、ガラス扉12、12と略面一、図7に示すように、天板4の前端と略面一となるように配置される。これにより貯蔵庫内蔵家具1全体の外観を向上させることができる。
【0053】
ここで、上述した如き貯蔵庫内蔵家具1の天板4の後端4Aは、収容部9内に収容される断熱箱体20の背面20Aよりも後方であって、背面パネル23の背面よりも前方となる位置とされ、収容部9の背板6上端は、天板4よりも後下方に位置している。これによって、収容部9の後上端部は、上方及び後方に開口している(収容部上部開口61)。また、天板4の後端4Aには、ラック部10から両収容部9、9の上方に渡って該天板4の左右方向に延在する縦板60が立設されている。
【0054】
そして、縦板60の後下端部(天板4後端)と、背板6の上端に渡って排気口部材63が設けられる。この排気口部材63は、断面略L字状に折曲形成され、ラック部10から両収容部9、9の上方に渡って該天板4の左右方向に設けられる。当該排気口部材63によって、各収容部9の収容部上部開口61が閉塞される。
【0055】
この排気口部材63の前面63Aには、各収容部9に形成されるそれぞれの収容部上部開口61に対応する位置に左右方向に渡って、後方に開口した排気口64が形成されると共に、排気口部材63の上面63Bには、収容部上部開口61に対応する位置に左右方向に渡って、上方に開口した排気口65が形成される。これにより、縦板60の後側に位置して、収容部9内と外部とを連通する排気口64、65が形成されている。尚、この排気口部材63には、背面パネル23の上面23Aに設けられた操作部52を外部から操作可能とする図示しない開口が形成されている。
【0056】
以上の構成により、貯蔵庫2の貯蔵室21内を冷却する冷蔵運転を行う場合には、ペルチェユニットPのペルチェ素子31への給電及び送風機ユニットFのモータ42を駆動させる。ペルチェ素子31への給電によりペルチェ素子31の吸熱面は冷却され、冷気ダクト35内に位置する吸熱部32は、吸熱作用を発揮する。また、ペルチェ素子31の放熱面は加熱され、放熱面の熱が断熱箱体20外の排気ダクト49内に位置する放熱部33は、加熱される。
【0057】
モータ42の駆動によって冷気循環用ファン40が回転すると、貯蔵室21内の下側に架設された棚38の前端下方より下部ダクト39内に冷気が吸い込まれ、該冷気は冷気吸込口37を介して冷気ダクト35内に吸い込まれる。冷気ダクト35内に吸い込まれた冷気は、吸熱部32を通風させることで当該吸熱部32と熱交換して冷却され、冷気循環用ファン40の前方から吸引されて、後方の内箱25の背壁25Aに向けて吹き出される。冷気循環用ファン40によって後方に吹き出された冷気は、背壁25Aの前面に衝突し、拡散される。
【0058】
ここで、冷気循環用ファン40の冷気吹出側には、貯蔵室21の両側壁間に渡って、複数の冷気吐出口36Aが形成された冷気吐出部材36が取り付けられているため、背壁25Aの前面にて拡散された冷気は、貯蔵室21の左右方向への冷気拡散が円滑に行われ、各冷気吐出口36Aより貯蔵室21内に略均一に吹き出される。貯蔵室21内に吹き出された冷気は、当該貯蔵室21内を循環して、貯蔵室21内を冷却した後、降下して下部ダクト39内に帰還する。
【0059】
本実施例において、冷気循環用ファン40を駆動するモータ42は、断熱箱体20の外側背面20Aに設けられることで、当該モータ42の運転に伴う排熱によって貯蔵室21内の冷却運転に悪影響を及ぼす不都合を回避することができる。また、このモータ42の回転軸43及びこれに取り付けられた冷気循環用ファン40は、断熱箱体20内の吸熱部32の上方に位置するため、当該吸熱部32からの結露が冷気循環用ファン40に当たってしまう不都合を回避することができ、漏電の発生を防止することができる。
【0060】
モータ42が駆動されると、上記冷気循環用ファン40と共に、排気用ファン44が回転される。これにより、背面パネル23の下端と断熱箱体20の背面20Aとの間に閉塞板47が設けられているため、当該下端の開口を介してダクトパネル48にて区画形成された排気ダクト49内に外気が導入される。
【0061】
この際、背面パネル23の下端に形成された開口は、底板7の下方に形成された間隔14と連通する連通孔18に対応しているため、排気ダクト49内には、貯蔵庫内蔵家具1の前面に設けられた下部パネル16の連通孔16Aを介して間隔14内に流入した外気が連通孔18を介して導入される。これ以外にも、断熱扉22の化粧パネル22Aと収容部9の底面との間の隙間55Aから、貯蔵庫2と収容部9底面との間の隙間55を介して流入した外気が排気ダクト49内に導入される。
【0062】
排気ダクト49内に導入された外気は、当該排気ダクト49内に配設される放熱部33を通過して、該放熱部33からの排熱により加熱された後、排気用ファン44の後方から吸引されて、前方の断熱箱体20の背面20Aに向けて吹き出される。排気用ファン44によって前方に吹き出された冷気は、背面20Aに衝突し、拡散される。
【0063】
そして、排気用ファン44の排気吹出側から吹き出された排気は、背面パネル23にて形成される排気干渉ダクト46内に流入し、その一部は、背面パネル23の上面23Aに形成された排気孔50を通過して、背面パネル23上方に吹き出される。
【0064】
ここで、収容部上部開口61を閉塞する排気口部材63は、上面63Bが背面パネル23の上面23Aと、所定寸法間隔を存して設けられると共に、前面63Aは、排気孔50の上方に位置して設けられている。これにより、背面パネル23の排気孔50より吹き出された排気は、排気口部材63の排気口64、65に向けて吹き出され、当該排気口64、65を介して外部に吹き出される。この排気口部材63は、天板4の後端4Aに立設された縦板60の後方に設けられているため、貯蔵庫2の温調機器としての放熱部33からの排熱を天板4の後側から外部に排出することができる。
【0065】
そのため、従来のように、貯蔵庫2が収容される収容部9の前面開口と貯蔵庫2の間に形成された隙間から当該排気が排出される場合に比べて、使用者に排気による不快感を与えないものとすることができる。
【0066】
また、天板4上に物が載せられた場合であっても、天板4の後端4Aには、縦板60が立設されているため、当該縦板60の後側に位置して形成される排気口64、65が当該物によって塞がれてしまう不都合を回避することができる。これにより、円滑に排熱を処理することができる。
【0067】
この排気口64、65は、背板6上端と天板4後端4Aとの間において、上方及び後方に開口して形成されているので、万一、縦板60の後側に物が落ちた場合であっても、これら上方又は後方に開口した排気口64、65にて開口を確保することができる。
【0068】
そして、上述したように、排気用ファン44の排気吹出側から排気干渉ダクト46内に吹き出された排気の一部は、背面パネル23の上面23Aに衝突した後、排気干渉ダクト46内を降下し、背面パネル23の両側面23Bに形成された排気孔51より収容部9内に流出する。
【0069】
係る背面パネル23の側面23Bの排気孔51から収容部9内に流出した排気や、上記上面23Aの排気孔50から流出した収容部9内に流出した排気の一部は、当該収容部9と貯蔵庫2の断熱箱体20間の隙間67に流入する。貯蔵庫2の断熱箱体20の天面20Cと収容部9の天面(天板4の下面4B)との間の隙間67や、断熱箱体20の側面20Dと収容部9の側面(側板5内面5A及び区画板8の収容部9側の面8A)との間の隙間67には、間隔が狭く空気が滞留しやすい。しかし、本実施例のように、排気用ファン44から吹き出された空気(排気)の一部を当該隙間67に流入させることによって、貯蔵庫2と収容部9との間の隙間67に空気を流通させることができ、貯蔵庫2外面への結露発生を効果的に解消することができる。
【0070】
また、本実施例では、冷気循環用ファン40及び排気用ファン44を駆動するモータ42と、当該排気用ファン44は、放熱部33の上方に位置して設けられるため、上方に設けられた排気口64、65への排熱の排出を円滑に行うことができる。この際、冷気循環用ファン40と排気用ファン44は、一つのモータ42の駆動によっての双方を運転することができるため、コストの削減を図ることができる。
【0071】
他方、貯蔵庫2の貯蔵室21内を加熱する加熱運転を行う場合には、上記ペルチェ素子31への通電を遮断し、モータ42を停止する。そして、貯蔵室21内に架設された各棚38の電気ヒータHを通電制御する。当該電気ヒータHが発熱することにより、棚38上の物品や貯蔵室21内を加熱保温することができる。尚、本実施例では、電気ヒータHにより貯蔵室21内を加熱しているが、これに限定されるものではなく、ペルチェ素子31への通電を逆とすることにより、吸熱部を加熱させて使用してもよい。ただし、本実施例のように、電気ヒータHを使用することにより、ペルチェ素子31による加熱運転よりも高い能力にて貯蔵室21内を円滑に加熱することができる。
【0072】
このように、上述した如き本実施例の貯蔵庫内蔵家具1は、天板4の下側に前面が開口する収容部9を構成し、当該収容部9内に貯蔵庫2を収容することにより、貯蔵庫2の断熱扉22の外面を化粧パネル22Aによって天板4等と調和を図った材質やデザインで構成することにより、当該天板4等と調和された貯蔵庫内蔵家具を構成することができる。これにより、貯蔵庫2を備えたスペース効率の高い家具を実現することができる。
【0073】
特に、本実施例では、収容部9、9は、天板4下側中央に構成されたラック部10の左右両側にそれぞれ構成されて、それぞれ貯蔵庫2、2が収容されて設けられることで、貯蔵庫を2台備えた家具を外観デザインに大きく支障を来すことなく実現することができる。これにより、家具としての美感の向上を図ることができる。そのため、応接室等に設置した場合に、これら貯蔵庫2、2をいずれも冷却運転する冷蔵/冷蔵使用、一方を冷却運転とし、他方を加熱運転する冷蔵/温蔵使用、いずれも加熱運転する温蔵/温蔵使用とすることができる。従って、使用形態に応じた使い分けを可能とすることができ、利便性の向上を図ることができる。
【0074】
本発明では、前面が開口して内部に貯蔵室21が構成された断熱箱体20を有し、前面が開口する被収容空間を有する収容体(本実施例の場合、収容部9を有する貯蔵庫内蔵家具1)に収容される貯蔵庫2において、貯蔵室21内を冷却、及び/又は、加熱する温調機器30と、断熱箱体20内に構成されたダクト35とを備え、温調機器30は、ダクト35内に設けられた吸熱部32と、該吸熱部32にて冷却されたダクト35内の冷気を貯蔵室21内に循環して冷却する冷気循環用ファン40と、断熱箱体20の背面に設けられた放熱部33と、該放熱部33からの排熱により加熱された空気を排気口64、65に向けて吹き出す排気用ファン44とを有し、該排気用ファン44から吹き出された空気の一部を貯蔵庫2と被収容空間である収容部9との間の隙間67に流入させる。
【0075】
これにより、貯蔵庫2と被収容空間である収容部9との間の隙間67に滞留しやすい空気を排気用ファンから吹き出される空気によって流通させることができ、貯蔵庫2外面への結露発生を効果的に解消することができる。
【0076】
尚、本実施例では、温調機器としてペルチェ素子31を採用しているため、圧縮機等を備えた冷却装置を採用する場合と比べ、圧縮機等の運転音を排除でき、冷蔵使用時の静音化を図ることができる。これにより、応接室等への設置により好適となる。また、圧縮機等を備えた冷却装置を用いる場合と比較して、温調機器の設置スペースを格段に縮小することができる。
【符号の説明】
【0077】
P ペルチェユニット
F 送風機ユニット
H 電気ヒータ
1 貯蔵庫内蔵家具
2 貯蔵庫
4 天板
4A 後端
5 側板
6 背板
7 底板
8 区画板
9 収容部
10 ラック部
11 前面開口
12 ガラス扉
14 間隔
16 下部パネル
16A 連通孔
17 区画壁
18、19 連通孔
20 断熱箱体
20A 背面
21 貯蔵室
22 断熱扉
23 背面パネル
23A 上面
24 前面開口
25A 背壁
30 温調機器
31 ペルチェ素子
32 吸熱部
33 放熱部
34 隔壁
35 冷気ダクト
36 冷気吐出部材
36A 冷気吐出口
37 冷気吸込口
38 棚
39 下部ダクト
40 冷気循環用ファン
42 モータ
43 回転軸
44 排気用ファン
46 排気干渉ダクト
47 閉塞板
48 ダクトパネル
49 排気ダクト
50、51 排気孔
54 脚部
55 間隔
56 蒸発皿
60 縦板
61 収容部上部開口
63 排気口部材
63A 前面
63B 上面
64、65 排気口
67 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の下側に構成されて前面が開口する収容部と、該収容部内に収容された貯蔵庫とを備えた貯蔵庫内蔵家具であって、
前記貯蔵庫は、前面が開口して内部に貯蔵室が構成された断熱箱体と、該断熱箱体の開口を開閉自在に閉塞する断熱扉と、前記貯蔵室内を冷却、及び/又は、加熱する温調機器とを有すると共に、
前記天板の後端に立設された縦板と、
該縦板の後側に位置して形成され、前記収容部内と外部とを連通して前記貯蔵庫の温調機器からの排熱を排出する排気口とを備えたことを特徴とする貯蔵庫内蔵家具。
【請求項2】
前記収容部の背板上端は、前記天板よりも後下方に位置しており、前記排気口は、前記背板上端と前記天板後端との間において、上方及び後方に開口して形成されている特徴とする請求項1に記載の貯蔵庫内蔵家具。
【請求項3】
前記天板下側の中央に構成されて前面が開口する物品収納用のラック部と、
該ラック部の開口を開閉自在に閉じるガラス扉とを備え、
前記収容部は前記ラック部の左右両側にそれぞれ構成されており、前記貯蔵庫は各収容部にそれぞれ収容されて各貯蔵庫の断熱扉は前記ガラス扉の左右に並んで配置され、
前記縦板は、前記ラック部から両収容部の上方に渡って延在し、前記排気口は前記各収容部に対応してそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貯蔵庫内蔵家具。
【請求項4】
前記貯蔵庫は、前記断熱箱体内に構成されたダクトを備え、
前記温調機器は、前記ダクト内に設けられた吸熱部と、該吸熱部にて冷却された前記ダクト内の冷気を前記貯蔵室内に循環して冷却する冷気循環用ファンと、前記断熱箱体の背面に設けられた放熱部と、該放熱部からの排熱により加熱された空気を前記排気口に向けて吹き出す排気用ファンとを有し、
該排気用ファンから吹き出された空気の一部を前記貯蔵庫と前記収容部間の隙間に流入させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の貯蔵庫内蔵家具。
【請求項5】
前記温調機器は、ペルチェ素子を有し、前記吸熱部は前記ペルチェ素子の冷却面に、前記放熱部は前記ペルチェ素子の放熱面にそれぞれ熱伝導関係に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の貯蔵庫内蔵家具。
【請求項6】
前記温調機器は、前記断熱箱体の背面に設けられて回転軸を備えたモータを有し、
前記冷気循環用ファンは前記回転軸の一端に取り付けられて前記吸熱部の上方に位置し、前記排気用ファンは前記回転軸の他端に取り付けられて前記放熱部の上方に位置していることを特徴とする請求項5に記載の貯蔵庫内蔵家具。
【請求項7】
前記貯蔵庫は、前記貯蔵室内架設された棚を備え、
前記温調機器は、前記棚に設けられて前記貯蔵室内を加熱する電気ヒータを有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちの何れかに記載の貯蔵庫内蔵家具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2013−11397(P2013−11397A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144194(P2011−144194)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(511158742)株式会社グリーンバリュー (1)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】