説明

貯蔵根を有する草本植物の形成層由来植物幹細胞株及びその分離方法

貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株及びその分離方法に関し、より詳細には貯蔵根を有する草本植物の形成層含有貯蔵根組織で別の脱分化過程なしに取得されることを特徴とする分裂能を有する均一な形成層由来細胞株及びその分離方法に関する。
本発明による貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株は高い分裂能を有し、均一な細胞株として、脱分化過程を経ずに、培養時に安定的である。そのため、この増殖を最適化することによって細胞株を短い時間内に大量に増殖させられるようになる。従って、本発明による貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株は耕作期間、耕作地の選定、耕作費などの様々問題によって露地では培養が困難な有用植物体を大量生産できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株及びその分離方法に関し、より詳細には貯蔵根を有する草本植物の形成層含有貯蔵根組織において別途の脱分化過程なしに取得されることを特徴とする、分裂能を有する均質な形成層由来細胞株及びその分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高麗人参(Panax ginseng C.A.Meyer)にはジンセノサイド(ginsenoside)、ポリアセチレン系化合物、ポリフェノール化合物、生体防御機能を有する蛋白質含有多糖体及び抗補体活性(anticomplementary activity)多糖体、酸性多糖体のような多数の有用物質が多量に含まれる。しかし、栽培が難しく、農薬汚染、環境破壊などの問題が生じることや、高麗人参根を薬用として利用するためには4年以上を栽培しなければならないため、多くの人手及び費用がかかり値段が非常に高くなる。
【0003】
従って、これに対する代替案として生物工学的な方法を利用して、イン・ビトロ(in vitro)で高麗人参細胞を大量生産する方法、または高麗人参の不定根、毛状根などを大量生産する方法などが研究されて来たが、このような細胞培養法を利用して、高麗人参細胞をイン・ビトロ培養時に得られるカルスという細胞塊の増殖速度は、畑から得られる高麗人参植物体と比べて高く(韓国登録特許第0333559号)、培養細胞のサポニン含量は高麗人参根と比べてさほど低くない(Asaka et al.,Plant Med. 59:345、1993)と報告された。
【0004】
それで、不定根(高麗人参または天然高麗人参−韓国山林庁、CBN Biotech、ネオバイオ、KT&G研究員、マイクロプレンツなど)、細胞(日東電工、日本、など)等のような培養体が培養されて、食品及び化粧品の原料として使用されている(韓国登録特許第0601903号、韓国登録特許第0637342号、韓国公開特許第10−2004−0014584号など)。特に、天然高麗人参(以下「山参」という)は、レア物で非常に高価であるため不定根及び実生を培養し大量生産して製品化する研究が多くの所で盛んに進められていると報告されている(韓国公開特許第10−2005−0078372号)。
【0005】
しかし、前記高麗人参、山参などの草本植物において、培養材料として使用しようとする組織は根の部分、即ち貯蔵根である。しかし、貯蔵根組織の場合、土の中に長期間埋まっていて、土の中の微生物と多様にかかわり合って生きていながら、土の中に存在する水と無機養分を吸収する部分であり、これを植物組織培養や細胞培養に利用する際には組織の無菌化が必ず必要となる。しかし、このような組織を表面殺菌するために消毒液の濃度を高める場合には組織が破壊され、逆に消毒液の濃度を低くする場合には各種カビ及び細菌による汚染が酷く、特に土壌の中で長期間にわたり生育した長脳山参と山参の場合、このような現象がさらに酷く現れるため、表面殺菌による除菌がかなり難しいと報告されている(韓国登録特許第0478213号、Teng WL et al.,Plant Cell Tissues Organ Cult.,68:233、2002)。
【0006】
また、植物の貯蔵組織の中の貯蔵根である高麗人参類の細胞を大量生産するためには、現在知らされている何れの方法を使っても、分化された組織の貯蔵根の未分化組織への脱分化過程を経なければならないが、この時に体細胞変異(somaclonal variation)が起きる。即ち、植物組織培養技術を利用して、高麗人参類の細胞を大量生産するために体細胞変異の幅を減らすために遺伝的に安定した試料を材料として使わなければならないが、従来高麗人参類のあらゆる組織を使っても基本的には体細胞変異が起きると韓国公開特許10−2005−0078372号によって明らかにされた。
【0007】
一方、形成層(cambium)とは、植物の幹と根元を太くして、植物を体積的に生長させる組織である。形成層は細胞分裂が最も活発に起きる分裂組織であり、植物組織培養の切片体として使用時に細胞の迅速かつ大量生産が可能であると報告されている(韓国登録特許第0533120号)。このような形成層の構造と微細構造に関する研究は、その研究材料が持っている固有の技術的な困難のために、ゆっくりと進められた。形成層は、狭くて、伸びやすく、かつ薄い壁の幾つかの細胞層で構成されているため、抽出の間に損傷し易いとの報告があり、また、高度に空包化された活性化した分裂組織細胞(highly vacuolated active meristematic cells)は、電子顕微鏡を使用する伝統的な方法や、蛋白質、RNAs、他の分子のイン・サイチュー・ロカリゼーション(in situ localization)を研究するために、最近完成された技術でも適切に固定し難いことが報告された(Lachaud Suzanne et al.,Life science、633、1999)。
【0008】
他にも連続的な形成層の機械的なセクショニング(sectioning)は広く使われなかったが、これは形成層細胞の長さが長くて壁が薄いという技術的な困難のためであると判断される。多くの研究において、二次維管束組織の構造が形成層を反映するという仮定下で、形成層誘導体の構造を基に、形成層細胞の形と大きさと配列は、間接的に特徴付けられたと報告された(Kitin P et al.,Ann.Bot.,86:1109、2000)。即ち、多様な分野の研究のために直接的に形成層を材料として使用するためには多くの困難があることが様々な研究から示されている。
【0009】
最近、本発明者のうちの一部が開発した韓国登録特許第10−0533120号の明細書では、植物の幹から採取した形成層だけを利用してカルスを誘導した方法を記載している。この登録特許では、植物細胞を大量、かつ迅速に得るための植物細胞培養方法として、一般的な種子培養法を使うよりは植物の幹から採取した形成層によるカルスを誘導する植物細胞培養方法について言及している。しかし、この方法は木本植物の幹形成層を利用して、オーキシン類である高濃度のピクロラムとジベレリン酸(gibberellic acid)を添加して用いることによって形成層細胞を誘導する方法を提示しているが、この登録特許は単に木本植物の幹形成層を利用してカルスを誘導しただけである。カルス(callus)とは、脱分裂が起きて形成された組織であるため、前記登録特許は依然として脱分化による変異問題を抱えているという問題があった。
【0010】
また、本発明者のうちの一部は、脱分化による変異の問題を解決し、安定的に増殖可能な遺伝的安全性が高い細胞株の提供方法として国際特許出願PCT/KR2006/001544号の発明を開発した経緯がある。しかし、この方法も木本植物の幹形成層を利用しており、高麗人参類のような草本植物の場合、木本植物と形態及び生理が異なって、草本植物の貯蔵根組織の形成層から細胞株を誘導するために草本植物の特性を考慮した改良発明の開発が求められている。
【0011】
そのため、本発明者は分裂能を有する均一な細胞株であり、脱分化過程を経ずに培養時に、体細胞変異が起きない植物細胞株を取得しようと努力した結果、形成層含有貯蔵根組織に浸透圧ストレスを与え、特定の植物ホルモン含有培地で培養して、形成層由来細胞株を分離し、前記分離された細胞株が高い分裂能を有し、脱分化過程なしで分離されて、体細胞変異が起きなく、遺伝的に安全性が高くて生理的に同様である均一な細胞株であることを確認して、本発明の完成に至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国登録特許第0333559号公報
【特許文献2】韓国登録特許第0478213号公報
【特許文献3】韓国登録特許第0533120号公報
【特許文献4】韓国登録特許第0601903号公報
【特許文献5】韓国登録特許第0637342号公報
【特許文献6】韓国公開特許第10−2004−0014584号公報
【特許文献7】韓国公開特許第10−2005−0078372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする技術的課題】
【0013】
本発明の一つの目的は、分裂能を有し均一であり、培養時に安定した増殖が可能な草本植物貯蔵根の形成層由来細胞株を提供することである。
本発明の他の目的は、脱分化過程なしに前記細胞株を分離する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、本発明は貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株の分離方法であって、
(a)貯蔵根を有する草本植物の形成層含有貯蔵根組織を取得する工程、
(b)前記取得された形成層含有貯蔵根組織をインドール−3−酢酸(Indole−3−acetic acid:IAA)またはインドール−3−酪酸(Indole−3−butyric acid:IBA)を含む培地で培養して、形成層由来細胞株を誘導する工程であって、
ここで、前記培養の遂行中または培養前または培養後において前記形成層含有貯蔵根組織に浸透圧ストレスを与える工程、及び
(c)前記誘導された形成層由来細胞株を回収する工程、
を含む前記分離方法を提供する。
【0015】
本発明はさらに、貯蔵根を有する草本植物の形成層から誘導され、且つ
(a)先天的未分化状態(innately undifferentiated)であり、
(b)均一な細胞株(homogeneous cell line)であり、及び
(c)多数の液胞(vacuole)を有する形態学的特徴を示す、
特性を有する貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株を提供する。
【0016】
本発明はさらに、貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株を凍結することを特徴とする草本植物細胞株の保存方法を提供する。
【0017】
本発明の他の特徴及び具現例は次の詳細な説明及び添付された特許請求の範囲からより明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明において使用した露地栽培高麗人参の典型的な例を示す。
【図2】植物の貯蔵組織中高麗人参類貯蔵根の形成層を含む切片体の製造例を示す。
【図3】(a)高麗人参の根元形成層を含む切片体中の形成層のみにおいて、特異的に分裂能を有する均一な細胞株が誘導される例を示した写真であり、(b)一般的な培養システムを使った時、切片体の切断面全体において細胞が誘導された例を示した写真である。
【図4】(a)高麗人参の根元形成層由来細胞株を誘導させた後、分離及び増殖培地で継代し増殖させたものの分離前の例を示し、(b)形成層由来細胞株を分離して大量増殖させた例を示し、(c)形成層由来細胞株を、光学顕微鏡下で、単細胞レベルで観察したものを示し、(d)高麗人参子葉由来カルス(KCTC 10224)を光学顕微鏡下で単細胞レベルで観察したものを示す。
【図5】(a)山参の根元形成層を含む切片体中の形成層だけにおいて特異的に分裂能を有する均一な細胞株が誘導される例を示し、(b)形成層由来細胞株を分離して大量増殖させた例を示し、(c)形成層由来細胞株を光学顕微鏡下で単細胞レベルにて観察した例を示す。
【図6】人参の根元形成層を含む切片体で均一な形成層由来細胞株が誘導される例を示す。
【図7】高麗人参の形成層由来細胞株(A)と高麗人参の子葉由来細胞株(B)の長期培養による生長曲線を示す。
【図8】(a)高麗人参の形成層由来細胞株が単細胞集団(single cell population)として存在することを示す顕微鏡写真で、(b)高麗人参子葉由来ヘテロジーニアス細胞株が大きい凝集体集団(large cell aggregation population)として存在することを示す顕微鏡写真である。
【図9】山参の形成層由来細胞株のフラスコ培養(a)、3Lバイオリアクター培養(bioreactor culture)(b)及び20Lバイオリアクター培養(c)の写真である。
【図10】正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHF)に、山参形成層由来均一性細胞株抽出物またはその培養液を濃度毎に処理し、紫外線(UVB)処理して、山参形成層由来均一性細胞株抽出物またはその培養液によって、紫外線照射で増加したMMP-1発現が抑制されるかを確認したグラフである(高麗人参ウエット細胞(ginseng wet cell)、高麗人参ドライ細胞(ginseng dry cell)、高麗人参培養液(ginseng cell−cultured medium)、E1:エリシテーション1ステージ、E2:エリシテーション2ステージ、G:グロースステージ、RA:レチノイン酸)。
【図11】正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHF)に山参形成層由来均一性細胞株抽出物またはその培養液を濃度毎に処理し、紫外線(UVB)処理して、山参形成層由来均一性細胞株抽出物またはその培養液によって、紫外線照射で増加した活性酸素が抑制されるかを確認したグラフである(高麗人参ウエット細胞(ginseng wet cell)、高麗人参ドライ細胞(ginseng dry cell)、高麗人参培養液(ginseng cell−cultured medium)、E1:エリシテーション1ステージ、E2:エリシテーション2ステージ、G:グロースステージ)。
【発明を実施するための形態】
【0019】
他の方法で定義されない限り、本明細書で使われたすべての技術的及び科学的用語は本発明が属する技術分野において熟練した専門家によって通常理解されるのと同じ意味を有する。一般に、本明細書において使われた命名法は本技術分野においてよく知られていて通常使われるのである。
【0020】
本発明は一観点では、本発明は貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株の分離方法に関する。
【0021】
既に分化された組織の葉や幹、根元の部分を使う場合、カルスを形成するためには分化した組織から未分化組織に戻る(rejuvenilation)脱分化(dedifferentiation)過程を経るべきであるが、この脱分化過程中に体細胞に突然変異が起きて、細胞の不安定性の原因となる。そこで本発明者らは体細胞変異が殆ど起きない植物細胞システムを研究している間に、分裂組織の形成層のみにおいて、特異的に細胞株を誘導する場合に脱分化なしに、分裂組織自体が有している高い分裂能を使え、体細胞変異が起きず、遺伝的に安全性が高く、生理的に一定の均一な細胞株を誘導できるという点に着眼して、形成層由来細胞株を分離した。
【0022】
本発明による分離方法は、(a)貯蔵根を有する草本植物の形成層含有貯蔵根組織を取得するステップ、(b)前記取得された形成層含有貯蔵根組織をIAA(Indole−3−acetoc acid)またはIBA(Indole−3−butyric acid)を含む培地で培養して、形成層由来細胞株を誘導するステップ、この時、前記培養の遂行中または培養前または培養後において前記形成層含有貯蔵根組織に浸透圧ストレスを与えるのを特徴とし、(c)前記誘導された形成層由来細胞株を回収するステップを含む。
【0023】
この時、前記(b)工程において、前記浸透圧ストレスは、形成層特異的に細胞株を誘導するためのものであり、望ましくは前記IAAまたはIBAを含む培地で培養する前に行って、形成層以外の一般組織、即ち、皮層(cortex)、篩部(phloem)、木部(xylem)、髄(pith)においては分裂能を失って、この後IAAまたはIBAのように形成層分裂特異的なホルモンで処理して培養する場合、壊死するようにする。
また、望ましくは、前記(c)工程は誘導された形成層由来細胞株を2、4-ジクロロフェノキシ酢酸(2、4-Dichlorophenoxyacetic acid:2、4-D)、ピクロラム(picloram)及びIBAのうちいずれか一つ以上を含む培地で増殖させた後、形成層由来細胞株を回収することを特徴とする。
【0024】
本発明による方法を以下のように詳細に説明する。
(1)殺菌プロセス及び浸透圧ストレス処理プロセス
先に、草本植物の形成層含有貯蔵根組織を準備した後、殺菌プロセスに進む。この時、望ましくは、殺菌プロセスは二つの工程で行う。その後、殺菌プロセスを経た形成層含有貯蔵根組織に浸透圧ストレスを与えて、極限環境下において形成層以外の一般組織、即ち、皮層(cortex)、篩部(phloem)、木部(xylem)、髄(pith)においては分裂能を失って、その後、IAAまたはIBAのように形成層分裂特異的なホルモンで処理し培養して壊死させ、高い分裂能を有する形成層のみにおいて、特異的に分裂能を有する均一な細胞株を誘導する。この時、スクロースなどの糖類、マンニトール、ソルビトールなど糖アルコール及び塩化ナトリウムなどの塩類などを浸透剤として使えるが、これに限定されるのではない。
【0025】
この時の浸透剤は0.5〜2Mの含量で処理して、冷蔵または常温で16時間〜24時間浸透圧ストレスを与えた後、処理した浸透圧ストレスを解除するのが望ましいが、浸透剤の濃度、処理時間及び温度は植物体毎、組織毎の状態により変わりうるため、これに限定されるのではない。
【0026】
一方、本発明においては前記浸透圧ストレスの処理後、これを解除する工程、及び誘導培地適応工程の2工程を経ることを特徴とする。浸透圧ストレスを解除するためには、例えば0.03〜0.05Mに、浸透剤の濃度を急低下させ、切片体に処理するための処理時間は1分〜15分にするのが望ましい。また、前記のように低い濃度で切片体を継続して露出させる場合、以後形成層特異的細胞株を誘導する培地で培養時、誘導培地との濃度差が生じ、これも浸透圧ストレスとして働くことがあるため、適応工程をさらに経ることが望ましい。また、誘導培地適応工程は、前記浸透圧ストレス解除工程を経た切片体に誘導培地と類似する濃度で浸透剤を処理することによって行われる。この時、望ましくは0.08〜0.1Mの濃度で浸透剤を処理し、処理時間は1〜15分とする。
【0027】
本発明の一実施形態において浸透圧ストレスの処理の場合と未処理の場合とを比較して、この時浸透圧ストレスで処理しない対照群では形成層特異的な細胞株誘導が現れないことが明らかになり、浸透圧ストレス処理プロセスが貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株を誘導するのに必ず必要であることが確認できた。
【0028】
(2)貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株の誘導
前記浸透圧ストレスの処理後、草本植物の形成層由来細胞株の誘導のために、前記浸透圧ストレスを受けた組織をIAAまたはIBAが含まれた細胞培養用培地に移して、形成層のみにおいて、特異的に細胞分裂を誘導して均一な形成層由来細胞株を取得した。この時、望ましくはIAAまたはIBAが0.5〜3.0mg/Lの含量で添加された細胞培養用培地に形成層を含む切片体を移す。
【0029】
IAAを細胞株誘導培地に添加する場合、植物体内部の本来のIAAと合わされて形成層活性にシナジー効果を生み出す。このようなシナジー効果の結果、分化組織と分裂組織、即ち形成層の細胞分裂活性差によって形成層のみにおいて、特異的に均一な細胞株が誘導されるようになる。一方、IAAを1次天然オーキシンといい、IBAは2次天然オーキシンと報告されている(Andrew et al.,Ann.Bot.,95:707、2005)。
【0030】
本発明の一実施形態においては浸透圧ストレス処理後、ピクロラム(picloram)、2、4-D、CPA、NAAなど他の植物ホルモンであるオーキシン類を用いて処理を試みたが、IAA及びIBAのみが、貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株の誘導に有効であることが明らかになった。
【0031】
(3)貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株の増殖
前記のように誘導された形成層由来均一性細胞株は、植物生長調節物質のオーキシンが含まれた増殖最適培地に移して増殖させて、均一性細胞株を大量に得ることができる。この時、生長調節物質として、望ましくは2、4-D(2、4-Dichlorophenoxyacetic acid)、ピクロラム(picloram)及びIBAの中いずれか一つ以上が使用でき、前記2、4-D、ピクロラム及びIBAの中いずれか一つは望ましくは1〜5mg/L、さらに望ましくは2mg/Lの含量で使用する。
【0032】
本発明で使用された培地は通常の植物組織培養のための培地であり、例えば、N6培地、SH培地、MS培地、AA培地、LS培地、B5培地、WPM培地、LP培地、White培地、GD培地、DKW培地、DCR培地などがあるが、これに限定されるのではない。
【0033】
本発明はさらに他の観点では、貯蔵根を有する草本植物の形成層から誘導され、且つ
(a)先天的未分化状態(innately undifferentiated)であり、
(b)均一な細胞株(homomogeneous cell line)であり、及び
(c)多数の液胞(vacuole)を有する形態学的特徴を示す、特性を持つ、貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株に関する。
本発明による形成層由来細胞株は、追加的に(a)懸濁培養時に単細胞状態で存在し、(b)貯蔵根を有する草本植物の形成層以外の組織由来細胞株と比べて、生物反応器においてシェアストレス(shear stress)に対して感受性が低く、そして、(c)貯蔵根を有する草本植物の形成層以外組織由来細胞株と比べて、生長速度が速く、かつ安定的に培養されることを特徴とする。
【0034】
本発明の一実施形態においては、本発明による形成層由来細胞株が3Lのバイオリアクターだけでなく、20Lバイオリアクターでも大量培養が可能であることを確認した。また、本発明による形成層由来細胞株が形成層以外組織由来細胞株と比べて、シェアストレスに対し5〜9倍の低い感受性を示し、形成層以外組織由来細胞株と比べて、生長速度においても3〜5倍程度の高い増殖率を有することを確認した。一方、11ヶ月以上長期培養した場合には形成層以外組織由来細胞株と比べて、最大400倍の増殖率差を示すことを確認した。
【0035】
本発明の第2実施形態においては、本発明による細胞株抽出物及び培養液が皮膚コラーゲンを分解して、皮膚のシワを形成させるMMP-1の発現を抑制する効果を確認して、シワ防止及び改善効果があることを確認し、また第3実施形態においてはUVによって誘導される活性酸素抑制効能があることを確認し、抗酸化効果があることを確認した。
【0036】
本発明はさらに他の観点では、貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株を凍結することを特徴とする草本植物細胞株の保存方法に関する。
【0037】
本発明の一実施形態においては高麗人参子葉由来のヘテロジーニアスな細胞株と、高麗人参形成層由来の均一な細胞株に対して凍結貯蔵実験を行った結果、高麗人参子葉由来のヘテロジーニアスな細胞株の場合、解凍時再生長しない一方、形成層由来均一な細胞株は再生長し始めて、増殖することが確認された。
【0038】
細胞株を凍結保存可能な場合、原料の安定した供給及び実質的なマスター細胞銀行(master cell bank)が構築でき、本発明の貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株を利用して、長期的、かつ安定した草本植物の細胞株供給が可能になる。
【0039】
世界は今、研究素材(生物資源)を巡る戦争中で、人体組織、植物種子及び微生物、細胞、遺伝子など各種新薬開発と食糧の改良などのための生物資源の保存と解読が重要な国家資産として浮上している。そこで研究素材の確保がまさに国家競争力をリードするために、生命科学と関連した分野の研究に必須資料として活用されている細胞株(Cell Line)を開発して収集、保存、分譲する細胞株銀行の構築が必要であるのが実情である。
従って、このような植物細胞銀行を構築するために研究素材の供給を円滑にできて、植物細胞株を利用する研究期間を短縮できると期待される。
【0040】
本発明は貯蔵根の形成層を利用する点に特徴があり、通常の貯蔵根を有しているあらゆる草本植物に適用することができる。即ち、本発明の一実施形態においては高麗人参、山参及び人参の貯蔵根の形成層から細胞株を分離したが、これに限定されずに貯蔵根を有する草本植物ならば本発明の方法を適用できることは、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に明らかである。例えば、貯蔵根を有している草本植物のツルニンジン(Codonopsis lanceolata)、チョウセンオニウド(Ostericum koreanum KITAGAWA)、キキョウ(Platycodon grandiflorum)、クズ(Pueraria thunbergiaana)、ウド(Aralia contonentalis Kitagawa)、ボウフウ(Ledebouriella seseloides)、トウキ(Angelica gigas NAKAI)、ニンジン、サツマイモ、マカ(Maca)、カッサバ(cassava)、高麗人参(ginseng)、山参(true wild ginseng)、長脳山参(wild−cultivated ginseng)等を含むが、これらに限定されるものではない。また、本発明による貯蔵根を有する草本植物の形成層含有貯蔵根組織は露地植物の貯蔵根組織だけでなく、組織培養体(不定根及び不定根由来細胞株)を含む概念である。
【実施例】
【0041】
以下、実施例を通して、本発明をより一層詳細に説明する。この実施例はもっぱら本発明を例示するためのものであり、下記の実施例は多様な形態で変形されるため、本発明の範囲がこの実施例によって限定されないことは、当業界において通常の知識を有する者は明らかに理解できる。
【0042】
[実施例1]貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株の分離(1)−高麗人参
1-1:植物材料の準備
図1は本発明において使った露地高麗人参の典型的な例を示す。図1に示したように、なめらかで傷がない高麗人参だけを選別・収集して、流水で収集された高麗人参の表面の土やその他の汚れを取り除いた。その後、主根部を使用するために細根を取り除いて、液体洗剤を利用して主根の表面を洗った後、流水に放置した。洗った組織はクリーンベンチ内の準備された滅菌フラスコに入れて70%エタノールで30秒〜1分程度殺菌した。その後、滅菌水で濯ぎ、1%〜1.5%次亜鉛素酸ナトリウム(sodium hypochlorite,Junsei,Japan)を利用して5分内〜8分程度消毒した。その後、消毒液を注ぎ出して滅菌水で1回程度濯ぎ、前記消毒液で5分内〜8分程度2次処理した。この時、消毒液が効果的に組織内に浸透するようにTWEEN20(Polyoxyethelenesorbitan monolaurate,Junsei,Japan)を何滴程度添加して処理した後、滅菌水で3回〜5回程度濯いだ。その後、殺菌処理した組織の褐変化防止のために抗酸化剤が含まれたBIM(browning inhibition medium)に殺菌した主根を入れて30分内〜1時間程度震盪培養した後に滅菌された濾過紙で水気を取り除いた。
【0043】
【表1】

【0044】
ここで、塩濃度は全体の1/4に該当する量だけ添加する。
その後、前記材料の褐変化防止のために、表2の抗酸化剤を含むCS solution(cutting solution)が入れられた滅菌皿の上に置いて表面皮を薄く剥がして半分に分けて、高い分裂能を有する形成層の部分が含まれるように横×縦×高さ=0.5〜0.7cm×0.5〜0.7cm×0.2〜0.5mmの大きさに切断した。図2は植物の貯蔵組織中の高麗人参類貯蔵根から前記大きさに切断して、形成層を含む切片体を製造した例を示す。
【0045】
【表2】

【0046】
1-2:高麗人参主根部形成層含有切片体への浸透剤の処理
実施例1-1で準備した切片体において、分化された組織、即ち、篩部、木部、髄等は壊死させて、分裂組織の形成層だけを誘導させるために浸透圧ストレス処理を行った。前記形成層含有切片体を濾過紙が敷かれた前培養培地(培地1)にブロッティング(blotting)して、1Mスクロース(DUCHEFA,Netherland)溶液が入れられたフラスコに入れて冷蔵状態で16〜24時間浸透圧ストレスを処理した。その後、0.05Mスクロース溶液(sucrose solution)で5分間、0.1Mスクロース溶液で5分間処理して、高濃度のスクロースによるストレスを解除した。前記浸透圧ストレスが解除された形成層を含む切片体は、濾過紙が敷かれた前培養培地(培地1)に置いて水気を取り除いた。
【0047】
【表3】

【0048】
1-3:高麗人参主根部の形成層含有切片体における均一な形成層由来細胞株誘導
分裂能を有する均一な形成層由来細胞株を誘導するために、前記実施例1の2の浸透圧ストレス処理した切片体を細胞株誘導培地(培地2)に移した。培養に使われた培地は下記表4に示したとおりである。移した切片体は22±1℃、暗条件で培養した。
【0049】
【表4】

【0050】
前記のように浸透処理をして解除を行った後、形成層由来細胞株誘導培地(培地2)に移した切片体は表5に記載したように他の組織では細胞が誘導されず、形成層のみにおいて、特異的に均一な細胞が誘導されることが観察された。即ち、浸透処理を行った後に解除して、移した切片体では培養3〜7日間に切片体の形成層部位が薄い黄色に変わり始め、それから約7〜14日後に薄い黄色に変わった部位において丸い細胞株が誘導されるのが観察された。図3(a)は高麗人参の根元形成層を含む切片体中形成層のみにおいて、特異的に均一な細胞株が誘導される例を示す。
【0051】
しかし、表5に記載したように、実施例1−2の浸透圧ストレス処理プロセスを経ないで直ちに形成層由来細胞株誘導培地(培地2)に移した切片体では培養初期(2〜3日内)に早く形成層を中心に黄色く反応を示し、時間が経つと切片体全体が黄色く変わる様子を示し、形成層を中心とする黄色く反応を示した切片体を形成層由来細胞株分離及び増殖最適培地(培地3)に継代して、継続的な形成層由来細胞株誘導及び増殖を試みたが褐変が重度になり、時間が経っても褐変反応以外に何の反応も示されなかった。これは浸透圧ストレス処理プロセスが形成層由来細胞株の誘導のためには必ず必要であることを示す。
【0052】
【表5】

【0053】
一方、誘導培地使用ホルモン毎の影響を調べるために、形成層由来細胞株誘導培地でない通常の高麗人参類培養に使う2、4-Dを含む培地を使って切片体を培養した。この場合、培養7〜10日間に切片体の全体部分が黄色に変わり始めて、それから約7〜14日後全体切断面で細胞が誘導されることが観察された(図3(b))。即ち、2、4-Dを使った場合には形成層特異的に細胞株が誘導されないことが見られた。
【0054】
図3(b)に示したように、2、4-Dを使った一般的な培養システムを使って培養した場合に、全体切断面に存在する多数の組織、即ち、皮層(cortex)、篩部(phloem)、木部(xylem)、形成層(cambium)、髄(pith)等から細胞が誘導されて、多数の細胞が混ぜ合わされるため、誘導されて増殖する細胞は異質性(heterogeneity)を有するようになる。しかし、図3(a)に示したように、本発明の方法により切片体に浸透圧ストレス処理した後に解除して形成層由来細胞株誘導培地に切片体を移した時には、形成層だけで特異的に細胞が誘導されて、形成層細胞だけが形成されているため、誘導された細胞は均一性(homogeneity)を有するようになる。
【0055】
1-4:高麗人参主根部の形成層を含む切片体で均一な形成層由来細胞株増殖
図3(a)に示したように、前記実施例1の培地2で培養して形成層以外の他の組織が壊死した後、培地3で継代し培養した。培地3は形成層由来細胞株の増殖最適培地として下の表6に示された基本塩(salt)造成を基にしたものであって表7に示した。
【0056】
【表6】

【0057】
【表7】

【0058】
図4(a)は培地2に移した形成層を含む切片体で形成層特異的に均一な細胞が誘導された時、表7に示された培地3に継代してこの均一な細胞株をもう少し増殖させた例を示した。
【0059】
培地3で培養時、分裂能を有し、均一な形成層由来細胞株は分裂及び増殖を繰り返し行った。培養して約10〜20日後に形成層由来細胞株を分離し、このように分離した細胞株は再度同一培地(培地3)で増殖させた。
【0060】
図4(b)は分離した形成層由来細胞株を表7に示された培地3で増殖させた例を示す。一方、増殖培地に2、4-DでないIAAを含ませて培養させた場合には、増殖せずに分化する傾向が見られ、増殖のための培地にIAAが使えないことが明らかになった。図4(c)は形成層由来均一性細胞株を、(d)は高麗人参子葉由来カルス(KCTC 10224)を光学顕微鏡下で、単細胞レベルで観察した例を各々示す。
【0061】
[実施例2]貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株の誘導及び増殖(2)−山参
2-1:山参の形成層由来細胞株の誘導
露地山参を準備して、前記実施例1-1と同様の方法で表面殺菌した。また、生物反応器(bioreactor)で保持中である100年もの山参不定根を準備して表2のCS solutionが入れられた滅菌皿に置いて前記と同様の方法で形成層を含む切片体を取得した。その後、準備した二つの試料に対し実施例1-2及び実施例1-3と同様の方法で浸透圧ストレス処理を行った後、形成層由来の均一な細胞株を誘導した。
【0062】
その結果、前記実施例1の高麗人参を利用した場合と同様に浸透処理を行って解除した後、均一性細胞株誘導培地に移した切片体は、露地山参の形成層を含む切片体及び山参不定根の形成層を含む切片体全てにおいて他の組織では細胞が誘導されなく形成層のみにおいて、特異的に均一性細胞が誘導されることが観察された。図5(a)は山参の形成層を含む切片体中形成層特異的分裂能を有する均一性細胞株が誘導された例を示す。
【0063】
2-2:山参の形成層由来細胞株の増殖
図5(a)に示したように浸透圧ストレス処理と培地2を使って、形成層のみにおいて、特異的に均一性細胞が誘導された後、露地山参の形成層を含む切片体に対し実施例2と同様の方法で表7に示された培地3で継代した結果、形成層由来の分裂能を有する均一性細胞が分裂及び増殖を繰り返し、培養して約10〜20日後に形成層由来の分裂能を有する均一性細胞株を分離することができた。このように分離した山参形成層由来均一性細胞株を同一培地で培養して、分裂能を有する均一性細胞株を再度増殖させた。図5(b)は分離した形成層特異的均一性細胞株を表7に示された培地3で増殖させた例を示す。また、図5(c)は山参の形成層由来均一性細胞株を光学顕微鏡下単細胞レベルで観察した例を示す。
【0064】
一方、実施例2-1の山参不定根の形成層を含む切片体に対して、前記実施例2と同様の方法で増殖させた。但し、表7における2、4-Dの代わりに、IBAを使った。その結果、IAAを含んで培養させた場合、増殖できず分化する傾向が見られたのとは異なり、IBAを使った場合には分化せず、2、4-Dと同様に増殖した。
【0065】
[実施例3]貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株の誘導及び増殖(3)−人参
人参(Daucus carota L.)を準備して、前記実施例1-1と同様の方法で表面殺菌して準備した。その後、準備された試料に対し実施例1-2及び実施例1-3と同様の方法で浸透圧ストレス処理を行った後、形成層由来細胞株を誘導した。
【0066】
その結果、前記実施例1及び2と同様に形成層以外の他の組織は壊死し、分裂能を有する均一な細胞株の形成層由来細胞株が誘導されることが確認された。図6は人参で分裂能を有する均一な細胞株の形成層由来細胞株が誘導される例を示す。
【0067】
また、追加的に他の植物ホルモンの中オーキシン(auxin)類を種類毎にIAA、IBA、picloram、2、4-D、CPA及びNAAを同一濃度で使って、誘導培地使用ホルモン毎の影響を調べた。表8は誘導培地にオーキシン類を種類毎に使用時の結果を示した表である。
【0068】
【表8】

【0069】
表8に示したように、誘導培地にIAAまたはIBAを使った場合は形成層を中心に均一性細胞株が誘導される一方、誘導培地にピクロラム(picloram)、CPA、2、4-DまたはNAAを使った場合は形成層を中心とした反応よりは切片体全体的に細胞株が誘導されることが観察された。特に誘導培地にNAAを使った場合、時間が経つほど(約4週経過時)形成層部位において根元が誘導されて分化することが観察された。従って、形成層由来細胞株の誘導はIAAまたはIBAに限定されると確認された。
【0070】
[実施例4]分離した細胞株の特性観察
4-1:形成層由来細胞株に対する長期培養確立
前記実施例1において確保された高麗人参の形成層由来の分裂能を有する均一な細胞株のうち、生長率が良く白くて軟らかい細胞(white and friable cell)を毎14日目に新しい増殖最適培地(表7の培地3)で継代し、対照群として不均一な細胞株である高麗人参子葉由来の細胞株を毎28日目に増殖最適培地で継代した。
【0071】
その結果、形成層由来の均一性細胞株は、白くて軟らかい細胞が培養11ケ月目まで増殖を繰り返した。また、11ヶ月以上長期培養しても細胞の生長率、生長パターン、集積(aggregation)程度に変化はなく安定的に維持され、不均一な細胞株である高麗人参子葉由来細胞株より約400倍程度高い増殖率を示した。
【0072】
これとは逆に、不均一性細胞株である高麗人参子葉由来の細胞は黄色の大きくて軟らかい細胞(large and friable cell)で、培養初期工程には黄色だけを帯びながら、4週に2倍ずつ増殖する傾向を示したが培養5ケ月以後からは増殖率が低下する傾向を示した。その後、1.5倍未満の増殖率を示すと同時に黄色の細胞以外に、白または薄い灰色のウォーターリ細胞(watery cells)、茶色い細胞などが現れ、このような細胞はそれ以上増殖しないまま存在したり、褐変物質が多く誘導され、死滅する様子を示した。それに培養が11ケ月進むことによって増殖率が落ちる傾向を示した。
【0073】
図7は高麗人参の形成層由来細胞株(A)と高麗人参子葉由来不均一な細胞株(B)の長期培養における生長曲線を示す。
【0074】
4-2:細胞懸濁培養体確立
前記実施例1及び2の高麗人参及び山参の形成層由来細胞株を下記表9の液状培地が含まれたフラスコに入れて、暗条件、25±1℃、100rpmの回転攪拌機(shaker)で培養した。この時、高麗人参形成層及び露地山参の形成層由来細胞株は2、4-Dを使って培養し、山参不定根の形成層由来細胞株はIBAを使って培養した。継代培養周期は2週間に固定することによって培養細胞が常に対数生長期状態で高い活力を維持できるようにした。一方、不均一な細胞株の高麗人参子葉由来カルス(callus、KCTC 10224)も表9の培地4で培養して、本発明による分裂能を有する均一な細胞株の形成層由来細胞株と比較した。
【0075】
【表9】

【0076】
細胞凝集度(cell aggregation quantification)を光学顕微鏡(biological microscope CX31、Olympus,Japan)下で観察した結果、表10のように本発明による形成層由来細胞株は懸濁培養時単細胞状態で存在することが確認された。これとは逆に、不均一性細胞株である高麗人参子葉由来細胞株は90%以上が大きい凝集体(large cell aggregates)で存在し、1%未満が単細胞(single cell)で存在することが確認された。図8(a)は高麗人参の形成層由来細胞株の単細胞集団(single cell population)で存在することを示す顕微鏡写真で、(b)は高麗人参子葉由来不均一な細胞株の大きい凝集体集団(large cell aggregation population)で存在することを示す顕微鏡写真である。
【0077】
【表10】

【0078】
一方、顕微鏡観察時に本発明による形成層由来細胞株は図4(c)または図5(c)に示したように、多数の液胞(vacuole)を有する形態学的特徴を有すると確認され、未分化状態であることが確認できた。これとは逆に、高麗人参子葉由来カルス(callus、KCTC 10224)を観察した結果、図4(d)に示したように、液砲が殆ど観察されないことが明らかになった。
【0079】
4-3:大量培養(Scale−up)
大量培養の可能性を調べるために、3Lの内容積を有する空気浮揚式生物反応器(airlift bioreactor、ソンウォンサイテク、Korea)でヘテロジーニアスな細胞株の高麗人参子葉(cotyledon)由来カルスと実施例2及び3の形成層由来細胞株を培養した。培地は表9の液状培地を使い、暗条件で25±1℃と一定に維持した。
【0080】
その結果、表11に示したように、本発明による分裂能を有する均一な細胞株の形成層由来細胞株の倍加時間(doubling time)は3〜6日でフラスコと反応器との間に差が生じないか、かえって短縮されたことが明らかになったことに対し、不均一な細胞株である高麗人参子葉(cotyledon)由来培養物の倍加時間はフラスコでは21日である一方、反応器(reactor)では28日と長くなったことが観察された。即ち、フラスコで培養時に本発明による形成層由来細胞株が形成層以外の組織由来細胞株と比べて、生長速度においても3〜5倍程度高い増殖率を示すのを確認し、大量反応器では本発明による形成層由来細胞株が形成層以外の組織由来細胞株と比べて、5〜9倍の高い増殖率を示すのを確認した。これはヘテロジーニアスな細胞株は、反応器内での生長輪生成、培養中の植物培養体凝集性、及び細胞壁が固く、剪断(shear)に対する感受性のために、細胞生存率(cell viability)が急激に減少したのが原因であると判断された。
【0081】
分裂能を有すると共に均一的な特性を有する本発明による形成層由来細胞株は、生物反応器内の生長輪面積を非常に小さく形成し、インキュベータに簡単な刺激を与えて培地を動かすと、内壁のリング(ring)が簡単に除去された。さらに、凝集が小さく、多くの液胞(vacuole)を有し、剪断に対する感受性が低く、細胞生存率(cell viability)の減少をもたらさないことが明らかになった。即ち、本発明による形成層由来細胞株は大量培養のための生物反応器で攪拌作用によるシェアストレスに対し低い感受性を有するため、生物反応器内において、急速に、かつ大量に生長可能であることを確認した。従って、本発明による形成層由来細胞株が、形成層以外の組織由来細胞株と比べて、シェアストレスに対して5〜9倍の低い感受性を示すことが分かった。
【0082】
【表11】

【0083】
追加的に、本発明による形成層由来細胞株は20Lの内容積を有する空気浮揚式生物反応器(airlift bioreactor、ソンウォンサイテク、Korea)でも培養可能であることが確認され(図9)、大量培養可能であることを確認した。
【0084】
4-4:凍結保存(Cryopreservation)
凍結保存は産業化のために選択された有用細胞株を長時間に亘り安全に保存する非常に理想的な方法である。有用な細胞株を安全に保存する方法は次のようになる。
【0085】
不均一な細胞株である高麗人参子葉(cotyledon)由来カルスと形成層由来細胞株に対して凍結保存を実施した。懸濁培養物は培養6日〜8日経ったものを使い、凍結保存剤は0.5Mのグリセロール(glycerol)(DUCHEFA、The Netherlands)と0.5MのDMSO(DUCHEFA、The Netherlands)と1Mスクロース(sucrose)(DUCHEFA、The Netherlands)が含まれた培地であり、5mlのクリオバイアル(cryovial)(Duran、USA)に移した。凍結保存剤で処理される細胞接種量は200mg/mlである。凍結保存剤処理された懸濁細胞は30分間冷凍庫に保持した後、超低温槽(deep freezer)に3時間保管後、液体窒素に浸漬させて冷凍した。
【0086】
その後、解凍のために液体窒素に20分以上保持された培養細胞を取り出して、40℃恒温水槽に入れて1〜2分間解凍させた。細胞の再生長のために、細胞懸濁液を無菌状態の漏斗及び濾過紙を使い、濾過した。濾過された細胞は濾過紙(filter paper)が含まれた固形生長培地上に適用させて30分間室温で安定化させた後、再度新鮮な固形生長培地に移された。
【0087】
その結果、高麗人参子葉由来不均一な細胞株は再生長しないのに対し、形成層由来均一な細胞株は4週間後再生長し始めて、増殖する様子を示し増殖率上において凍結保存前後において差は見られなかった。
【0088】
4-5:エリシターの処理
前記実施例4-2のように露地山参形成層由来細胞株を2、4-D処理した培地で14日間懸濁培養した細胞株を利用して、三つの処理区に分けて、実験を行った。
【0089】
即ち、(1)前記14日間懸濁培養した細胞株(Growth stage)、(2)前記14日間懸濁培養した細胞株を滅菌水に原糖3〜5重量%(g/L)及びジャスモン酸メチル100μmを添加した培地で14日間癌培養した細胞株(Elicitation 1)及び(3)前記14日間懸濁培養した細胞株にジャスモン酸メチル100μmを添加した培地で14日間暗培養した細胞株(Elicitation 2)を各々回収して、次の実験を行った。
【0090】
[実施例5]分離した細胞株の抗老化及び抗酸化効果確認
5-1:山参形成層由来細胞株の抽出物製造
実施例4-5の細胞株から次のように抽出物を製造した。
即ち、培養液を取り除いた細胞株(Wet)及び凍結乾燥細胞株(Dry)500gに500mlのDMSOを加えて、50℃で6時間攪拌させながら溶解させた。前記溶解後、3,000gで10分間遠心分離させ上層液を取ることによって蒸溜水可溶性物質を得た。前記で得たDMSO可溶性物質を、回転真空濃縮機を利用して濃縮して、濃縮試料を凍結乾燥機を利用して乾燥させてDMSO抽出物を得た。
【0091】
5-2:山参形成層由来細胞株の培養液及び細胞株抽出物の抗老化効果確認‐UVによるMMP-1発現抑制効能確認
紫外線への暴露によってMMPが増加する場合、増加したMMPsは皮膚のコラーゲンを分解して、皮膚のシワを形成させるが、紫外線によって増加したMMP-1の発現が山参形成層由来均一性細胞株抽出物またはその培養液によって抑制される効果を確認するために次のような実験を行った。
【0092】
試験に使われたNHF(normal human fibroblast)細胞は胎児の陰茎包皮から分離培養した。細胞培養液はDMEM(Invitroge Gibcl life tech. VIenna, Austriea)培地に56℃で30分間加熱して、非動化したウシ胎児血清(FBS、Hyclone、Logan、Utah、USA)を10%、ペニシリン(penecillin)(100unit/ml)とストレプトマイシン(streptomycin)(100μg/ml)及び300μg/ml-glutamineを添加して調製した。細胞は前記培養液を使って、37℃、95%湿度、5%COインキュベータで培養し、通常細胞が互いに融合する直前の3〜4日間隔で継代培養を行った。
【0093】
NHF(p6)を12ウェルプレートに75,000細胞/wellになるように株分けして24時間スターベーション(starvation)した後、40mJのUVBを照射して、各試料を濃度毎に48時間処理して、キット(Amersham、RPN 2610)を利用して実験を行った。陽性対照群としては10μmのレチノイン酸(retinoic acid)を使った。
【0094】
エリシテーション1(Elicitation 1)は実施例5-3の原糖3〜5重量%(g/L)及びジャスモン酸メチル100μmで処理した細胞株のDMSO抽出物を、エリシテーション2(Elicitation 2)は実施例5-4のジャスモン酸メチル100μmで処理した細胞株のDMSO抽出物を、「グロース(Growth)」は実施例5-4の14日間懸濁培養した細胞株(グロースステージ(Growth stage))のDMSO抽出物を各々示し、「ウエット(Wet)」は培養液を取り除いた細胞株のDMSO抽出物を、「ドライ(Dry)」は凍結乾燥細胞株のDMSO抽出物を示し、「メディア(Media)」は前記細胞株抽出物製造時に取り除いた培養液を示す。
【0095】
【表12】

【0096】
その結果、表12及び図10に示したように、本発明による細胞株抽出物及び細胞株培養液は陰性対照群(Control UV)と比較して、有効にMMP-1の発現を抑制することが示され、シワの防止及び改善効果があることが明らかになった。特に、原糖及びジャスモン酸メチルで処理したエリジテーション1(Elicitation 1)及びジャスモン酸メチルのみで処理したエリシテーション2(Elicitation 2)の細胞株培養液は、共に0.1%を試料として処理した場合、従来知らされた物質のうちのシワ改善効果が最も強いと知らされたレチノイン酸と比べても非常に優秀な効果を示すことが明らかになった。
【0097】
5-3:山参形成層由来細胞株の培養液及び細胞株抽出物の抗酸化効果確認‐UVによる活性酸素抑制効能確認
紫外線によって増加した活性酸素が山参形成層由来均一性細胞株抽出物またはその培養液によって抑制される効果を確認するため、96ウェルブラックプレート(black plate)にHaCaT細胞(HaCaT cell)を30,000細胞/ウェルとなるように株分けし、各試料を濃度毎に3時間処理した。3時間後、HBSSで1度洗浄してDCF50μmを各ウェルに処理して37℃で20分間反応させた。HBSSで2度洗浄した後、ルミネイター(Luminator)を利用して、初期吸光度を測定した。これにUVB 30MJを照射後、37℃で2時間培養後吸光度を測定した。コントロール(Control)は試料及びUVBを添加しないものであり、UVBは試料の添加なしにUVBだけで処理したものを示す。
【0098】
【表13】

【0099】
その結果、前記表13及び図11に示したように、本発明による細胞株抽出物の場合、培養液を取り除いた細胞株を利用した場合(Wet)と凍結乾燥細胞株を利用した場合(Dry)は、共にエリシテーリョン1(Elicitation 1)の細胞株抽出物において優秀な抗酸化効果が示されることを確認した。その次はエリシテーリョン2(Elicitation 2)ステージとGrowthステージにおいて類似する効果を確認した。また、エリシテーリョンE1(licitation 1)ステージの凍結乾燥細胞株抽出物(Dry)50ppM処理群において抗酸化効能が最も優秀に現れることが確認された。
【0100】
5-4:ジンセノサイド成分の確認
山参抽出物のジンセノサイド成分が皮膚老化防止及び抗酸化に効果があると知られているが、それで本発明による細胞株抽出物及びその培養液の皮膚老化防止及び抗酸化効果がこのようなジンセノサイド成分の効果によるものかを調べるためにジンセノサイド含量を測定した。即ち、実施例2において製造したステージ毎の山参の形成層由来均一性細胞株及び山参は凍結乾燥させた後、凍結乾燥された細胞株20Mgをメタノール600ulに1時間抽出して遠心分離後、上層液を分離する。分離した抽出物にジンセノサイド含量はUPLCを利用して測定し、含量はstandard Re、Rb1、Rb2、Rdと比較して示した。また、培養液はエリシテーション1(Elicitation 1)ステージの培養液を0.2μmシリンジ(Syringe)フィルターを利用して濾過(filtration)した後、UPLCを利用して測定し、含量はstandard Re、Rb1、Rb2、Rdと比較して示した。
【0101】
【表14】

【0102】
その結果、前記表14に示されたように、エリシテーション2(Elicitation 2)のステージにおいて最も高くジンセノサイドが示されるが、これは対照群の山参抽出物と対比して約167倍の差を示し、成長工程の山参形成層由来細胞株や細胞株培養液においては全くジンセノサイドが検出されないため、本発明による細胞株抽出物及びその培養液の皮膚老化防止及び抗酸化効果はジンセノサイドによる効果ではなく、本発明の方法で分離した細胞株は通常の山参細胞と活性成分が異なることが分かった。さらに本発明による細胞株抽出物及びその培養液の皮膚老化防止及び抗酸化効果は、従来知らされた物質の中改善効果が最も強いと知らされたレチノイン酸と比べても非常に優秀なことが明らかになり、通常の山参抽出物より顕著に高い効果を示すことが分かった。
【産業上利用の可能性】
【0103】
本発明の方法によって提供されていた貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株は、高い分裂能を有し、均一な細胞株であり、脱分化過程を経ないため培養時に安定的である。それでこれの増殖を最適化することによって、細胞株が短い時間内に大量増殖させられるようになる。従って、本発明による貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株は耕作期間、耕作地選定、耕作費などの様々な問題によって露地では培養が困難な有用植物体の大量生産を可能にする。
【0104】
さらに、本発明の方法によって提供された貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株は、皮膚老化の主要原因である紫外線への暴露による活性酸素を抑制する抗酸化作用を示しており、老化関連因子を効果的に減少または抑制することができるため、皮膚老化予防及び抑制に役立つ。
【0105】
以上、発明の内容の特定部分を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとって、このような具体的な記述は単に望ましい実施様態に過ぎないため、これによって本発明の範囲が制限されるのではない点は明らかであろう。従って、本発明の実質的な範囲は添付された請求項とそれらの等価物によって定義されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株の分離方法であって、
(a)貯蔵根を有する草本植物の形成層含有貯蔵根組織を取得するステップ、
(b)前記取得された形成層含有貯蔵根組織をインドール−3−酢酸またはインドール−3−酪酸を含む培地で培養して、形成層由来細胞株を誘導するステップであって、
ここで、前記培養の遂行中または培養前または培養後において前記形成層含有貯蔵根組織に浸透圧ストレスを与えるステップ、及び
(c)前記誘導された形成層由来細胞株を回収するステップ、
を含む前記分離方法。
【請求項2】
前記ステップ(c)は誘導された形成層由来細胞株を2、4-ジクロロフェノキシ酢酸、ピクロラム及びインドール−3−酪酸のうちいずれか一つ以上を含む培地で増殖させ、そして形成層由来細胞株を回収することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ(c)のインドール−3−酢酸またはインドール−3−酪酸の含量は0.1〜5mg/Lであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記2、4-ジクロロフェノキシ酢酸、ピクロラム及びインドール−3−酪酸のうちいずれか一つの含量は1〜5mg/Lであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記草本植物は高麗人参、ツルニンジン、チョウセンオニウド、キキョウ、クズ、ウド、ボウフウ、トウキ、ニンジン、サツマイモ、マカ及びカッサバからなる群より選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
貯蔵根を有する草本植物の形成層から誘導され、且つ
(a)先天的未分化状態であり、
(b)均一な細胞株であり、及び
(c)多数の液胞を有する形態学的特徴を示す、
特性を持つ、貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株。
【請求項7】
前記細胞株は、
(a)懸濁培養時に単細胞状態で存在し、
(b)貯蔵根を有する草本植物の形成層以外の組織由来細胞株と比べて、生物反応器においてシェアストレスに対して感受性が低く、そして
(c)貯蔵根を有する草本植物の形成層以外組織由来細胞株と比べて、生長速度が速く、かつ安定的に培養される、
特性をさらに有することを特徴とする、請求項6に記載の貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株。
【請求項8】
前記細胞株は、
(a)貯蔵根を有する草本植物の形成層含有貯蔵根組織を取得するステップ、
(b)前記取得された形成層含有貯蔵根組織をインドール−3−酢酸またはインドール−3−酪酸を含む培地で培養して、形成層由来細胞株を誘導するステップであって、
ここで、前記培養の遂行中または培養前または培養後において前記形成層含有貯蔵根組織に浸透圧ストレスを与えるステップ、及び
(c)前記誘導された形成層由来細胞株を回収するステップ、
を含む方法により分離されることを特徴とする請求項6に記載の、貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株。
【請求項9】
前記ステップ(c)は誘導された形成層由来細胞株を2、4-ジクロロフェノキシ酢酸、ピクロラム及びインドール−3−酪酸のうちいずれか一つ以上を含む培地で増殖させ、そして形成層由来細胞株を回収することを特徴とする請求項8に記載の貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株。
【請求項10】
前記草本植物は高麗人参、ツルニンジン、チョウセンオニウド、キキョウ、クズ、ウド、ボウフウ、トウキ、ニンジン、サツマイモ、マカ及びカッサバからなる群より選択されることを特徴とする請求項6に記載の貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株。
【請求項11】
請求項6〜10のいずれか1項に記載の、貯蔵根を有する草本植物の形成層由来細胞株を、凍結することを特徴とする草本植物細胞株の保存方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−539900(P2010−539900A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525769(P2010−525769)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【国際出願番号】PCT/KR2008/005605
【国際公開番号】WO2009/038417
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(510077978)ウンファ コーポレーション (11)
【氏名又は名称原語表記】UNHWA CORPORATION
【Fターム(参考)】