説明

買い物カゴ、盗難防止システムおよび収納カゴ

【課題】 商品が買い物カゴごと盗まれることを抑制できる買い物カゴ、盗難防止システムおよび収納カゴを提供する。
【解決手段】 盗難防止システム1は、店舗2の出入口外部に配置され、所定の無線信号を送信する一対の出入口送信装置4と、買い物客3が商品の運搬に利用する買い物カゴ20と、からなる。
買い物カゴ20は、カゴ本体21と、底板22と、カゴ本体21と底板22とを連結する連結装置24と、アンテナ25と、からなる。
アンテナ25が底板脱落強度以上の電波強度で無線信号を受信すると、連結装置24はカゴ本体21と底板22とが解離可能な解離状態となるため、底板22がカゴ本体21から解離して商品が脱落する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗内において買い物客が複数の商品を運ぶ際に利用する買い物カゴ又は収納カゴであって、盗難防止機能を有する買い物カゴ、その買い物カゴを用いた盗難防止システム、および収納カゴに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店舗における商品の盗難、とりわけ万引きに対しては、警備員を巡回させたり、客になりすました専任の警備員を店内に配置して万引犯に個別に対処させていた。また、店内にビデオカメラを配置して万引き犯を監視するといった方法も採られていた。しかし、いずれの方法にも限界があり、巧妙な手口に対して十分対処することができなかった。
【0003】
そこで、商品の万引防止のために、自鳴式タグや、RF−ID等の無線式のタグを利用した万引防止システムが利用されている。無線式のタグを利用した万引防止システムとしては、例えば、記録された情報の無線通信による読み取りが可能な無線式のタグが添付された商品を取り扱う店舗において、商品の売上登録すなわち客の代金支払い時にこのタグに代金支払い済みの情報を書き込むRF−IDライタ部を有する代金決済機と、店舗の出口等に配置され、出口を通過する商品に添付された無線式のタグから代金支払い情報を無線通信により非接触で検出し、この検出した代金支払い情報が支払い済みであることを示す情報でないときに、警報を発する警報手段とを設けたものが開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
これによれば、代金決済機のRF−IDライタ部によってタグの代金支払い情報が代金支払い済みと書き込まれていない商品が店舗の出口等を通過すると、警報手段により警報が発せられることとなる。すなわち、万引等が発生した場合、警報が発せられ、店員が万引の発生を即座に把握することができる。
【特許文献1】特開平10−162245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、買い物客が使用する買い物カゴに商品を詰め込み、その買い物カゴごと逃走するという万引きの手口が頻発している。この場合、万引き犯は、万引きが発覚することを前提として万引き行為を行うため、従来のように警報が発せられるだけの万引き防止装置では、万引きを効果的に抑制することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされており、商品が買い物カゴごと盗まれることを抑制できる買い物カゴ,盗難防止システムおよび収納カゴに関する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した問題を解決するためになされた請求項1に記載の買い物カゴは、下方向に開口部を有するカゴ本体と、上記開口部を閉塞可能な形状を有する底板と、所定の無線信号を送信する送信装置から送信された上記無線信号を受信する受信手段と、底板連結部と、から構成される。この底板連結部は、上記受信手段が受信する上記所定の無線信号の電波強度が、予め定められた底板脱落強度を越えて変化した際に、連結状態から解離状態へと切り替わるように構成されている。ここでいう連結状態とは、上記底板を、上記開口部を閉塞する位置関係にて上記カゴ本体に対して連結する状態である。また、解離状態とは、上記底板が上記カゴ本体から解離可能な状態のことである。
【0008】
このように構成された買い物カゴにおいて、底板連結部が連結状態であるときは、上記買い物カゴは通常の買い物カゴとしての機能(複数の商品を運搬する機能を指し、以降「カゴ機能」という)を有するが、底板連結部が解離状態となると、底板がカゴ本体から脱落し、カゴ本体の下面における開口部の閉塞が解除されてカゴ機能を喪失するため、買い物カゴに商品が詰め込まれていた場合、その商品が開口部から脱落することとなる。
【0009】
よって、商品を買い物カゴごと盗もうとしても、店舗の出口などに配置された送信装置から無線信号を受信し、底板連結部が解離状態となり商品が脱落するため、商品が買い物カゴごと盗まれることを抑制できる。
【0010】
また、上述した開口部は、買い物カゴの下方向に位置する底面全体に形成されるものであってもよく、カゴ本体の底面の一部領域のみに形成されるものであってもよい。
また、底板連結部は、受信手段が受信する無線信号の電波強度が、底板脱落強度を越えて解離状態へ変化する前の連結状態時に受信していた無線信号の電波強度に戻ったときに、解離状態から連結状態に戻る構成であってもよいし、底板連結部が解離状態となってから所定の時間を経過したときや、上述した解離状態に切り替えるための無線信号とは異なる連結状態に切り替えるための無線信号を受信したときに連結状態に戻る構成であってもよい。
【0011】
上述した底板連結部は、請求項2に記載の買い物カゴのように、上記カゴ本体および上記底板のいずれか一方に設けられる係合部材と、上記係合部材と係合する係合位置および上記係合部と係合しない非係合位置の間で移動可能となるように、上記一方と対になる他方に取り付けられる移動部材と、上記受信手段が受信する上記所定の無線信号の電波強度が、増加または減少のいずれかにより上記底板脱落強度を越えて変化した際に、上記移動部材を上記係合位置から上記非係合位置へと移動させる移動制御手段と、を有しており、上記移動手段が上記係合部材と係合しているときに上記連結状態となり、上記移動手段が上記係合部材と係合していないときに上記解離状態となるように構成してもよい。
【0012】
このように構成された買い物カゴであれば、移動制御手段が移動部材を移動させることにより、上述した底板連結部を連結状態から解離状態へと切り替えることができる。
また、上述した移動制御手段は、請求項3に記載の買い物カゴのように、上記移動部材を上記係合位置に付勢する付勢手段と、上記底板脱落強度以上の電波強度で上記受信手段が上記所定の無線信号を受信したときに、上記移動部材を上記非係合位置に移動させる移動手段と、からなり、上記底板脱落強度以上の電波強度で上記受信手段が上記所定の無線信号を受信する前は、上記付勢手段により上記移動部材を上記係合位置にて保持するように構成してもよい。
【0013】
このように構成された買い物カゴであれば、所定の底板脱落強度以上で無線信号を受信する前には底板連結部を連結状態とし、所定の底板脱落強度以上で電波を受信した後は底板連結部を解離状態とすることができる。この場合には、店舗内部には無線信号を送信せず、店舗出入り口付近において無線信号を送信するように送信装置を配置することで、店舗外部に買い物カゴを持ち出すと底板が脱落してカゴ機能を喪失するため、効果的に商品の盗難を抑制できる。また、無線信号を受信しないときには連結状態であることから、受信装置や送信装置が故障したとしても、連結状態が維持され、少なくともカゴ機能を保つことができる。
【0014】
請求項4に記載の買い物カゴは、請求項1から請求項3のいずれかに記載の構成において、上記底板が上記開口部を閉塞する位置関係となるように上記底板を保持すると共に、上記底板連結部が上記解離状態である場合において、上記底板が上記開口部から離れる方向に所定以上の力を受けると、上記底板の保持が解除される底板保持部を備えることを特徴とする。
【0015】
このように構成された買い物カゴであれば、買い物カゴに商品が詰め込まれた状態で店舗外部に持ち出されたときには、底板が脱落する機能を備えつつ、所定以上の力で底板を押圧していないとき、例えば買い物カゴが空のときには、底板連結部が解離状態であっても底板が脱落しない。よって、カゴのみを運び出す場合や、少量の商品を買い物カゴに入れつつ誤って店舗外部に出てしまったときなどに、底板が脱落してしまうことを抑制できる。
【0016】
上述した底板保持部は、請求項5に記載の買い物カゴのように、上記カゴ本体に設けられた第1保持部材と、上記底板に設けられた第2保持部材と、を有しており、上記底板が上記開口部を閉塞する位置関係となる場合においては、上記第1保持部材と上記第2保持部材とは係合しており、上記底板連結部が上記解離状態である場合において、上記底板が上記開口部から離れる方向に所定以上の力を受けると、上記第1保持部材と上記第2保持部材との係合が外れ、上記底板の保持が解除されるように構成してもよい。
【0017】
このように構成された買い物カゴであれば、第1保持部と第2保持部とが係合することにより、底板の脱落を抑制できる。
請求項6に記載の買い物カゴは、上記受信手段が受信する上記所定の無線信号の電波強度が、予め定められた警報音発報強度を越えて変化した際に、警報音を発報する音声出力手段を備えることを特徴とする。
【0018】
このように構成された買い物カゴであれば、買い物カゴが受信する無線信号の電波強度が警報音発報強度を超えて変化する領域を通過すると、警報音を発報して盗難を抑制することができる。
【0019】
この警報音発報強度は、上述した底板脱落強度と同じ強度であってもよいが、異なる強度であってもよい。例えば、警報音発報強度を越えて電波強度が変化する領域を、底板連結部が解離状態となる領域より店舗内部側に設定することで、底板が脱落する前に警報が発報され、窃盗を目的としない買い物客が誤って店舗外部に出てしまい、底板を脱落させてしまうことを抑制できる。
【0020】
請求項7に記載の盗難防止システムは、請求項1から請求項6のいずれかに記載の上記買い物カゴと、上記所定の無線信号を送信する送信装置と、からなることを特徴とする盗難防止システムである。
【0021】
このように構成された盗難防止システムであれば、請求項1から請求項6のいずれかに記載の買い物カゴを用いて、買い物カゴごと商品を盗むことを抑制できる。
なお、送信装置が無線信号を送信する領域は特に限定されないが、買い物カゴを使用する領域(例えば、小売店舗内)では底板連結部が連結状態となり、買い物客が買い物カゴを使用しない領域(例えば、店舗外)では解離状態となるように、送信装置と底板連結部を構成するとよい。
【0022】
請求項8の収納カゴは、下方向に開口部を有するカゴ本体と、前記開口部を閉塞可能な形状を有する底板と、所定の無線信号を送信する送信手段から送信された前記無線信号を受信する受信手段と、前記底板を前記開口部を閉塞する位置に第1保持強度で保持する第1保持手段と、前記受信手段によって受信された前記無線信号の電波強度が、予め定められた底板脱落強度になった場合に、前記第1保持手段による前記保持を解除する解除手段とを備えることを要旨とする。
【0023】
請求項8の収納カゴは、カゴ本体の下方向の開口部を底板が閉塞することで、収納可能になる。
この状態で、送信手段から送信された無線信号を受信手段が受信して、その無線信号の電波強度が底板脱落強度になると、解除手段が第1保持手段による底板の保持を解除する。
【0024】
この結果、底板が開口部を閉塞する位置に第1保持強度で保持されなくなって、例えば、底板が落下し、カゴ本体の下方向の開口部が開口状態になる。
これにより、収納カゴが収納機能を失って、例えば、収納カゴに収納されていた物がカゴ本体の下方向の開口部から落下する。
【0025】
この機能により、例えば、物品販売店舗内に収納カゴを置いておき、物品販売店舗の出口に送信手段を設置しておくことで、物品販売店舗内では、収納カゴは、収納機能を発揮し、収納カゴが物品販売店舗の出口に持ってこられると、収納カゴに入れられていた物品が収納カゴから落下する動作を行う。
【0026】
従って、例えば、物品の入った収納カゴを物品販売店舗外に持ち出すことが出来なくなって、商品を収納カゴに入れたままで、物品販売店舗外へ持ち出そうとする試みをなくすることが可能になる。この結果、高い防犯機能の提供が可能になる。
【0027】
請求項9の収納カゴは、前記第1保持手段は、係止片を有する第1係止部材と、該第1係止部材の係止片が嵌る凹形状部を有する第1凹状部材とを有し、前記第1係止部材、又は前記第1凹状部材の一方が前記底板に取り付けられ、他方が前記カゴ本体に取り付けられる構成を備え、前記解除手段は、前記第1係止部材の係止片を前記第1凹状部材の凹形状部から外す方向に移動させる駆動手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の収納カゴを要旨とする。
【0028】
請求項9の収納カゴは、請求項8の収納カゴと同様の作用効果を有することに加え、第1係止部材の係止片が第1凹状部材の凹形状部に嵌ることで、カゴ本体と、底板とが第1保持強度で保持される。
【0029】
この状態で、駆動手段が第1係止部材の係止片を第1凹状部材の凹形状部から外す方向に移動させると、カゴ本体と底板とが第1保持強度で保持されなくなり、例えば、底板がカゴ本体から落下する。
【0030】
これにより、駆動手段は、第1係止部材の係止片を第1凹状部材の凹形状部から外すだけで、例えば、カゴ本体から底板を落下させることが可能になる。
請求項10の収納カゴは、前記底板を前記開口部を閉塞する位置に第2保持強度で保持する第2保持手段を備え、該第2保持手段は、係止形状部を有する第2係止部材と、該第2係止部材の係止形状部が嵌る凹形状部を有する第2凹状部材とを有し、前記第2係止部材、又は前記第2凹状部材の一方が前記底板に取り付けられ、他方が前記カゴ本体に取り付けられる構成を備え、前記第2保持強度は、前記第1保持強度より小さく設定されていることを特徴とする請求項8、又は請求項9に記載の収納カゴを要旨とする。
【0031】
請求項10の収納カゴは、請求項8、又は請求項9の収納カゴと同様の作用効果を有することに加え、第2係止部材の係止形状部が第2凹状部材の凹形状部に嵌ることで、カゴ本体と、底板とが第2保持強度で保持される。
【0032】
この状態で、駆動手段が第1係止部材の係止片を第1凹状部材の凹形状部から外す方向に移動させると、カゴ本体と底板とが第1保持強度で保持されなくなるが、カゴ本体と底板とがこの第1保持強度より小さな第2保持強度で保持される。
【0033】
従って、例えば、収納カゴの収納物の重量が第2保持強度では底板を保持することが出来ないほど重い場合には、底板がカゴ本体から落下し、収納カゴの収納物の重量が極めて軽い場合には、底板がカゴ本体から落下することなく、カゴ本体の開口部を底板が塞いだ状態に保持される。
【0034】
これにより、例えば、収納カゴを空で物品販売店舗の外へ持ち出した場合には、底板の落下がなく、収納カゴに物品を多く入れて外へ持ち出した場合には、底板が落下する収納カゴを提供することが可能になる。
【0035】
この結果、空の収納カゴの底板の落下が徒に発生しなくなり、例えば、開店準備や仕分けなどで一時的に収納カゴを物品販売店舗外に持ち出したとしても、収納カゴの状態が保持され、そのまま物品販売店舗内に戻すことで、再び、物品を大量に入れることが可能な状態に復するという、使い勝手の良い収納カゴの提供が可能になる。
【0036】
請求項11の収納カゴは、前記第2係止部材の係止形状部を前記第2凹状部材の凹形状部に付勢する弾性部材の付勢力によって、前記第2保持強度が設定されることを特徴とする請求項10に記載の収納カゴを要旨とする。
【0037】
請求項11の収納カゴは、請求項10の収納カゴと同様の作用効果を有することに加え、第2係止部材の係止形状部が弾性部材によって、第2凹状部材の凹形状部に付勢されることによって、底板が開口部を第2保持強度で閉塞する。
【0038】
これにより、第2保持強度を弾性部材、例えば、ばねの付勢力の大小を調整することによって、所定の強度にすることが出来、設定の自由度を向上させると共に、部品点数の低減を図ることが可能になる。
【0039】
請求項12の収納カゴは、前記第1係止部材の係止片が前記第1凹状部材の凹形状部に嵌ることによって、該第1係止部材が前記第1凹状部材の移動を制限する構造を有することを特徴とする請求項8ないし請求項11の何れかに記載の収納カゴを要旨とする。
【0040】
請求項12の収納カゴは、請求項8ないし請求項11の収納カゴと同様の作用効果を有することに加え、第1係止部材の係止片が、第1凹状部材の凹形状部に嵌ることによって、第1凹状部材の移動が制限され、底板が開口部を第1保持強度で閉塞する。
【0041】
これにより、第1保持強度が係止片と、凹形状部との組合せで得られ、部品点数の低減を図ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1)全体構成
本発明の盗難防止システム1は、店舗2において利用されるものであって、図1に示すように、店舗2の出入口外部に配置され、所定の無線信号を送信する一対の出入口送信装置4と、店舗2の内部に配置され、出入口送信装置4とは異なる無線信号を送信する店舗内送信装置6と、買い物客3が商品の運搬に利用する買い物カゴ20と、からなる。
【0043】
買い物カゴ20は、図2に示すように、カゴ本体21と、底板22と、2つの把手23と、カゴ本体21と底板22との連結部分に取り付けられた4つの連結装置24と、連結装置24内部に配置されるアンテナ25と、からなる。
【0044】
カゴ本体21と底板22とは着脱可能であり、カゴ本体21から底板22が解離したものを図3に示す。カゴ本体21は、4つの面からなり、上下方向(図3におけるAB方向)に開口を有する筒状に形成されている。上方(図3におけるA方向)には買い物カゴ20に商品を投入するための開口26が形成されており、下方(図3におけるB方向)には商品を脱落させるための開口27が形成されている。
【0045】
底板22は、カゴ本体21における下方の開口27を閉塞可能な形状を有する矩形の板状の部材であって、図2に示すカゴ本体21と底板22とを連結させた状態においては、下方の開口27を閉塞しており、商品の脱落を抑制し、カゴ機能(複数の商品を運搬する機能)を発揮できるようになっている。
【0046】
カゴ本体21と底板22とを連結させた状態における連結装置24の断面図を図4に示す。連結装置24は、底板22に取り付けられる構成要素と、カゴ本体21に取り付けられる構成要素と、からなる。
【0047】
連結装置24の構成要素のうち、柱部材28が、底板22に取り付けられる構成要素である。この柱部材28は、図5に示すように、底板22の主たる面から垂直方向に延びだす円柱形状の部材であって、その円柱の側面に、底板22側から順に第1係合溝29と第2係合溝30とが形成されている。
【0048】
第1係合溝29は、2つの面によって構成される溝であって、底板22の主たる面と平行に形成されている平行面29Aと、平行面29Aよりも底板22側に位置し、底板22から所定の角度を付けて形成されている傾斜面29Bと、からなる。
【0049】
第2係合溝30は、2つの面によって構成される溝であって、その2面が底板22の主たる面に対して正負逆となる同角度を有する斜面となるように形成されている。
また、連結装置24を構成する構成要素のうち、カゴ本体21に取り付けられる構成要素は、図6に示すように、第1移動鉄芯31と、第1移動鉄芯31に取り付けられた第1バネ32と、第1移動鉄芯31の周囲に配置されたソレノイドコイル33と、第2移動鉄芯34と、第2移動鉄芯34に取り付けられた第2バネ35と、音声出力装置36と、制御装置37と、上記各部品を内部に保持し、上述した柱部材28が挿入可能な丸穴38が形成されたケース39と、である。
【0050】
第1移動鉄芯31は、ソレノイドコイル33により駆動可能な柱状の部材であって、一端が上記第1係合溝29と合致する形状に形成されている。そして、上記一端が丸穴38に位置し、第1係合溝29に嵌ることにより、柱部材28と第1移動鉄芯31とが係合する係合位置(図7(a)における第1移動鉄芯31の位置)と、上記一端が丸穴38の外部に位置して第1係合溝29に嵌らず、柱部材28と第1移動鉄芯31とが係合しない非係合位置(図7(b)における第1移動鉄芯31の位置)と、の間で移動可能となっている。
【0051】
第1バネ32は、第1移動鉄芯31を上記係合位置に付勢する。また、ソレノイドコイル33は、制御装置37の出力に応じて第1移動鉄芯31を上記非係合位置に移動させる。ソレノイドコイル33が第1移動鉄芯を上記非係合位置に移動させないときは、第1移動鉄芯31は第1バネ32により上記係合位置にて保持される。
【0052】
4つの連結装置24において、柱部材28が丸穴38に挿入されると、底板22はカゴ本体21の下側の開口27を閉塞する位置関係となる。その状態において、第1移動鉄芯31は柱部材28と係合しており、第1係合溝29と第1移動鉄芯の上記一端とは互いに底板22に沿った面同士が接触する。そのため、カゴ本体21と底板22とを解離させる方向に力が加わっても、それらの係合が外れることなく、カゴ本体21と底板22とが連結された連結状態となる。
【0053】
一方、第1移動鉄芯31が柱部材28と係合していないときは、底板22がカゴ本体21から解離可能な解離状態となる。
また、第1移動鉄芯31の上記一端は傾斜面29Bと合致する側が斜面となっているため、柱部材28を丸穴38に挿入したときに、柱部材28の延びだす側の先端や、第2係合溝30に第1移動鉄芯31が接触しても、第1移動鉄芯31は上記非係合位置の方向に逃げることができる。つまり、カゴ本体21と底板22とを連結させる場合に、第1移動鉄芯31が係合位置に位置していても、柱部材28に第1移動鉄芯31が引っ掛かることがないので、第1移動鉄芯31の上記一端が第1係合溝29に嵌る位置まで柱部材28を容易に挿入することができる。
【0054】
第2移動鉄芯34は、柱状の部材であって、一端が上記第2係合溝30と合致する形状に形成されており、その一端が丸穴38に位置し、第2係合溝30に嵌って柱部材28と第2移動鉄芯34とが係合する位置(図7(a)における第2移動鉄芯34の位置)と、上記一端が丸穴38の外部に位置し、第2係合溝30に嵌らず、柱部材28と第2移動鉄芯とが係合しない位置(図7(b)における第2移動鉄芯34の位置)と、の間で移動可能となっている。
【0055】
第2バネ35は、第2移動鉄芯34を柱部材28と係合する位置に付勢している。4つの連結装置24において柱部材28が丸穴38に挿入されて、底板22がカゴ本体21の下側の開口27を閉塞する位置関係となるときには、第2移動鉄芯34が柱部材28と係合している。その状態においては、第2バネ35の付勢力により係合が維持され、カゴ本体21と底板22との連結が保持される。
【0056】
一方、第1移動鉄芯31が柱部材28と係合していない場合において、底板22が開口27から離れる方向(図4における下方向)の力を受けると、第2移動鉄芯34の上述した一端に形成された上側の斜面が、第2係合溝30の上側の斜面に押圧されるため、第2移動鉄芯34は柱部材28と係合しない方向(図4における右方向)に向かって力を受けることとなる。上述した底板22が受ける力が一定以上強くなると、第2バネ35の付勢力に勝って第2移動鉄芯34と柱部材28との係合が外れ、上記保持が解除される。
【0057】
アンテナ25は、出入口送信装置4および店舗内送信装置6から送信された無線信号を受信して制御装置37に送信する。
音声出力装置36は、制御装置37から出力された音声データの電気信号を音声情報として出力する。
【0058】
制御装置37は、CPU,ROM,I/O,バッテリ,およびこれらの構成を接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、バッテリから動作電源を供給され、盗難防止処理などを実行する。この盗難防止処理では、アンテナ25が出入口送信装置4から受信した無線信号の電波強度が、図8に示すように、底板脱落強度(しきい値)より強い場合にソレノイドコイル33に電圧を印加すると共に、ROMに記憶された音声データを音声出力装置36に出力して警報音を発報させるが、詳しくは後述する。
【0059】
出入口送信装置4は、高い指向性を有する送信アンテナを備えており、ソレノイドコイル33に電圧を印加させるための無線信号を、店舗2の出入口外側の電波領域5に向けて送信する。買い物カゴ20が電波領域5に位置するときには、アンテナ25は底板脱落強度以上の電波強度で無線信号を受信することができる一方、買い物カゴ20が電波領域5の外部に位置するときには、アンテナ25は底板脱落強度未満の電波強度で無線信号を受信することとなる。
【0060】
店舗内送信装置6は、ソレノイドコイル33に対する電圧の印加および音声出力装置36による警報音の発報を停止させるための無線信号を、店舗内送信装置6の近傍に送信する。
【0061】
尚、店舗内送信装置6を用いることなく、出入口送信装置4から受信した無線信号の電波強度の大小だけでソレノイドコイル33に電流を流すかの否かを決定したり、音声出力装置36による警報音の有無を決定したりする構成にしても良い。
【0062】
この様にすることで、店舗内送信装置6を省略することが出来ると共に、制御装置37の簡素化や省電力化を図ることが可能になる。
又、柱部材28をカゴ本体21側に設け、第1移動鉄芯31を底板22に設ける構成にしても良い。この場合には、連結装置24の構造を適宜変更する。
【0063】
或いは、柱部材28をカゴ本体21側に設け、第2移動鉄芯34を底板22に設ける構成にしても良い。
(2)制御装置37による盗難防止処理
以下に、制御装置37により実行される盗難防止処理の処理手順を、図9に基づいて説明する。この盗難防止処理は、バッテリから動作電源が供給されている間、継続して実行される。
【0064】
本処理では、まず、アンテナ25が受信する出入口送信装置4から送信された無線信号の電波強度をチェックする(S10)。
次に、S10にてチェックした電波強度が底板脱落強度以上であるか否かを判定する(S20)。
【0065】
底板脱落強度以上でなければ(S20:NO)、処理がS10に戻る。
一方、底板脱落強度以上であれば(S20:YES)、第1移動鉄芯31を非係合位置まで移動させる(S30)。ここでは、ソレノイドコイル33に電圧を印加し、第1移動鉄芯31を、第1バネ32の付勢方向と逆方向に移動させ、非係合位置に到達させる。
【0066】
次に、音声出力装置36に警報音を発報させる(S40)。ここでは、制御装置37のROMに記憶されている警報音の音声データを音声出力装置36に入力し、警報音を出力させる。
【0067】
次に、店舗内送信装置6からの無線信号を受信したか否かをチェックする(S50)。なお、このときの電波強度は、上記無線信号を受信していると認識できる程度であればよい。アンテナ25が無線信号を受信していれば(S60:YES)、処理がS70に移行する。一方、アンテナ25が無線信号を受信していなければ(S60:NO)、処理がS50に戻る。
【0068】
次に、ソレノイドコイル33および音声出力装置36への出力を停止して、第1移動鉄芯31を係合位置に移動させ、警報の発報を停止する(S70)。その後、処理がS10に戻る。
(3)効果
このように構成された盗難防止システム1において、買い物カゴ20は、店舗2内部においては通常のカゴ機能を有しており、店舗2外部では、出入口送信装置4からの無線信号を受けて、底板22の連結が外れ、カゴ機能を喪失することとなる。よって、買い物カゴ20に商品を詰めて店舗2外部に持ち出すと、商品が買い物カゴ20から脱落するため、買い物カゴ20ごと商品を盗まれることが防止できる。
【0069】
また、上記買い物カゴ20は、第2移動鉄芯34と第2係合溝30により連結が保持されているため、商品が多量に詰め込まれていないときには底板22が脱落しない。よって、買い物カゴ20自体を運搬したり、少量の商品を詰めて間違って店舗2外部に出たときなどは底板22が脱落しないので都合がよい。
【0070】
また、上記買い物カゴ20は、出入口送信装置4からの無線信号を受信するまでは、連結装置24が連結状態であることから、アンテナ25、ソレノイドコイル33や出入口送信装置4などが故障したとしても、少なくともカゴ機能を維持することができる。
【0071】
また、上記買い物カゴ20は、店舗2外部に持ち出されると警報音を発報するため、盗難が発生したことを周囲に報知することができ、被害を抑制することができる。
(4)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0072】
例えば、上記実施形態においては、音声出力装置36に警報音を発報させるタイミングは、連結装置24が解離状態となるタイミングと同じである構成を例示した。しかし、連結装置24が解離状態となるタイミングと異なるタイミングで警報音が発報される構成であってもよい。
【0073】
例えば、警報音を発報する基準となる電波強度を、底板脱落強度と異ならせることが考えられる。また、連結装置24が解離状態となる無線信号と、音声出力装置36に警報音を発報させる無線信号と、を異なる無線信号とし、それぞれの無線信号を異なる領域に送信する構成としてもよい。
【0074】
このように構成することで、連結装置24が解離状態となる位置と、音声出力装置36に警報音を発報させる位置とを変化させることができる。それにより、例えば、連結装置24が解離状態となる前に警報音を発報させることで、誤って店舗2外部へ出てしまうことを防止できる。
【0075】
また、上記実施形態においては、店舗内送信装置6からの無線信号をアンテナ25が受信したときに、ソレノイドコイル33および音声出力装置36への出力を停止する構成を例示したが、出入口送信装置4からの電波強度が底板脱落強度を下回ったときや、ソレノイドコイル33および音声出力装置36への出力を開始してから所定時間経過したときに停止する構成であってもよい。
【0076】
また、上記実施形態においては、カゴ本体21の下方向の開口27は、買い物カゴ20の下方向に位置する底面全体に形成されるものであって、底板22は買い物カゴ20の底面全体を閉塞する形状である構成を例示したが、開口27は買い物カゴ20の底面の一部領域のみに形成されており、底板22はその開口27を閉塞する形状であってもよい。
【0077】
また、上記実施形態においては、カゴ本体21と底板22とは4つの連結装置24で連結され、出入口送信装置4の無線信号を受信した時には、底板22が脱落する構成を例示したが、商品を脱落させることができれば、その具体的な構成は特に限定されない。
【0078】
例えば、図10(a)に示すように、連結装置24は、底板22の外縁部の一の辺41の両端2箇所に備えられており、上記辺41と反対側に位置する辺42が、その辺42に沿った回転軸43を中心に回動可能にカゴ本体21に取り付けられてなる構成が考えられる。この構成において、アンテナ25が出入口送信装置4からの無線信号を受信すると、図10(b)に示すように、辺41側のみが脱落する。
【0079】
このように構成された買い物カゴ20であれば、底板22がカゴ本体21から完全には解離しないので、底板22を紛失することを防止できる。また、カゴ本体21と底板22との連結に必要な連結装置24の数を低減できるとともに、回転軸43により底板22の回動動作がガイドされているため、辺41側をカゴ本体21側に移動させるだけで、柱部材28を丸穴38に挿入することができ、カゴ本体21と底板22とを連結する操作が容易になる。
【0080】
また、上記実施形態においては、店舗2の出入口外側に電波領域5を形成して、買い物カゴ20が電波領域5に進入した際に、連結装置24が解離状態となり、カゴ機能を喪失させる構成を例示した。しかし、買い物カゴ20が店舗2の外部に持ち出された場合にカゴ機能を喪失させることができれば、その具体的な構成は特に限定されない。
【0081】
例えば、出入口送信装置4が、店舗2内部にのみ無線信号を送信し、連結装置24は、アンテナ25が出入口送信装置4からの無線信号を受信するときに連結状態となり、上記無線信号を受信しないときに解除状態となる構成が考えられる。このように構成することで、店舗2外部においては電波強度が弱まり、カゴ機能を喪失するため、買い物カゴ20ごと商品が盗難されることを抑制できる。
(5)対応関係
以上説明した実施形態において、アンテナ25が、本発明における受信手段であり、連結装置24が、本発明における底板連結部であり、柱部材28が、本発明における係合部材であり、第1移動鉄芯31が、本発明における移動部材であり、第1バネ32が、本発明における付勢手段であり、ソレノイドコイル33および制御装置37が、本発明における移動手段であり、第2移動鉄芯34が、本発明における第1保持部材であり、柱部材28が、本発明における第2保持部材であり、音声出力装置36および制御装置37が、本発明における音声出力手段である。
【0082】
また、請求項8の「下方向に開口部を有するカゴ本体」は、図3のA方向の記載、開口27の記載、カゴ本体21の記載が対応し、「前記開口部を閉塞可能な形状を有する底板」は、底板22の記載が対応し、「所定の無線信号を送信する送信手段から送信された前記無線信号を受信する受信手段」は、出入口送信装置4の記載、アンテナ25、制御装置37に関する記載が対応し、「前記底板を前記開口部を閉塞する位置に第1保持強度で保持する第1保持手段」は、柱部材28、第1係合溝29、第1移動鉄芯31、第1バネ32に関する記載が対応し、「前記受信手段によって受信された前記無線信号の電波強度が、予め定められた底板脱落強度になった場合に、前記第1保持手段による前記保持を解除する解除手段」は、制御装置37、ソレノイドコイル33、第1移動鉄芯31に関する記載、図9のS20、S30に関する記載が対応し、「収納カゴ」は、買い物カゴ20の記載が対応する。
【0083】
また、請求項9の「係止片を有する第1係止部材」は、図4に示す第1移動鉄芯31の先端部31Aに関する記載が対応し、「該第1係止部材の係止片が嵌る凹形状部を有する第1凹状部材」は、図4に示す凹形状部29Cに関する記載が対応し、「前記第1係止部材、又は前記第1凹状部材の一方が前記底板に取り付けられ、他方が前記カゴ本体に取り付けられる構成を備え、」は、図4の記載、及び尚書きの記載が対応し、「前記第1係止部材の係止片を前記第1凹状部材の凹形状部から外す方向に移動させる駆動手段」は、第1移動鉄芯31、ソレノイドコイル33、制御装置37に関する記載が対応する。
【0084】
また、請求項10の「前記底板を前記開口部を閉塞する位置に第2保持強度で保持する第2保持手段」は、第2係合溝30、第2移動鉄芯34、第2バネ35に関する記載が対応し、「係止形状部を有する第2係止部材」は、第2移動鉄芯34、第2バネ35に関する記載が対応し、「該第2係止部材の係止形状部が嵌る凹形状部を有する第2凹状部材」は、第2係合溝30、柱部材28に関する記載が対応し、「前記第2係止部材、又は前記第2凹状部材の一方が前記底板に取り付けられ、他方が前記カゴ本体に取り付けられる構成を備え」は、尚書きの記載が対応する。そして、「前記第2保持強度は、前記第1保持強度より小さく設定されていること」は、連結装置24の作用に関する記載に基づく。
【0085】
また、請求項11の「弾性部材」は、第2バネ35が対応する。
また、請求項12の「前記第1係止部材の係止片が前記第1凹状部材の凹形状部に嵌ることによって、該第1係止部材が前記第1凹状部材の移動を制限する構造」は、先端部31Aと、凹形状部29Cに関する記載に基づく。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の盗難防止システムを示す概要図
【図2】買い物カゴを示す斜視図
【図3】買い物カゴから底板が解離した状態を示す斜視図
【図4】連結状態における連結装置を示す断面図
【図5】底板の連結部近傍を示す側面図
【図6】カゴ本体の連結部近傍を示す側面図
【図7】第1移動鉄芯および第2移動鉄芯の移動状態を示す側面図
【図8】電波強度とソレノイドコイルの動作との関連を示すグラフ
【図9】盗難防止処理の処理手順を示すフローチャート
【図10】変形例を示す斜視図
【符号の説明】
【0087】
1…盗難防止システム、2…店舗、3…買い物客、4…出入口送信装置、5…電波領域、6…店舗内送信装置、20…買い物カゴ、21…カゴ本体、22…底板、23…把手、24…連結装置、25…アンテナ、26…開口、27…開口、28…柱部材、29…第1係合溝、29A…平行面、29B…傾斜面、29C…凹形状部、30…第2係合溝、31…第1移動鉄芯、31A…先端部、32…第1バネ、33…ソレノイドコイル、34…第2移動鉄芯、35…第2バネ、36…音声出力装置、37…制御装置、38…丸穴、39…ケース、41…辺、42…辺、43…回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方向に開口部を有するカゴ本体と、
前記開口部を閉塞可能な形状を有する底板と、
所定の無線信号を送信する送信装置から送信された前記無線信号を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信する前記所定の無線信号の電波強度が、予め定められた底板脱落強度を越えて変化した際に、前記底板を、前記開口部を閉塞する位置関係にて前記カゴ本体に対して連結する連結状態から、前記底板が前記カゴ本体から解離可能な解離状態へと切り替わる底板連結部と、を備える
ことを特徴とする買い物カゴ。
【請求項2】
前記底板連結部は、
前記カゴ本体および前記底板のいずれか一方に設けられる係合部材と、
前記係合部材と係合する係合位置と、前記係合部と係合しない非係合位置と、の間で移動可能となるように、前記一方と対になる他方に取り付けられる移動部材と、
前記受信手段が受信する前記所定の無線信号の電波強度が、前記底板脱落強度を越えて変化した際に、前記移動部材を前記係合位置から前記非係合位置へと移動させる移動制御手段と、を有しており、
前記移動手段が前記係合部材と係合しているときに前記連結状態となり、前記移動手段が前記係合部材と係合していないときに前記解離状態となる
ことを特徴とする請求項1に記載の買い物カゴ。
【請求項3】
前記移動制御手段は、
前記移動部材を前記係合位置に付勢する付勢手段と、
前記底板脱落強度以上の電波強度で前記受信手段が前記所定の無線信号を受信したときに、前記移動部材を前記非係合位置に移動させる移動手段と、からなり、
前記底板脱落強度以上の電波強度で前記受信手段が前記所定の無線信号を受信する前は、前記付勢手段により前記移動部材を前記係合位置にて保持する
ことを特徴とする請求項2に記載の買い物カゴ。
【請求項4】
前記底板が前記開口部を閉塞する位置関係となるように前記底板を保持すると共に、前記底板連結部が前記解離状態である場合において、前記底板が前記開口部から離れる方向に所定以上の力を受けると、前記底板の保持が解除される底板保持部を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の買い物カゴ。
【請求項5】
前記底板保持部は、
前記カゴ本体に設けられた第1保持部材と、
前記底板に設けられた第2保持部材と、を有しており、
前記底板が前記開口部を閉塞する位置関係となる場合においては、前記第1保持部材と前記第2保持部材とは係合しており、前記底板連結部が前記解離状態である場合において、前記底板が前記開口部から離れる方向に所定以上の力を受けると、前記第1保持部材と前記第2保持部材との係合が外れ、前記底板の保持が解除される
ことを特徴とする請求項4に記載の買い物カゴ。
【請求項6】
前記受信手段が受信する前記所定の無線信号の電波強度が、予め定められたの警報音発報強度を越えて変化した際に、警報音を発報する音声出力手段を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の買い物カゴ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の前記買い物カゴと、
前記所定の無線信号を送信する送信装置と、からなる
ことを特徴とする盗難防止システム。
【請求項8】
下方向に開口部を有するカゴ本体と、
前記開口部を閉塞可能な形状を有する底板と、
所定の無線信号を送信する送信手段から送信された前記無線信号を受信する受信手段と、
前記底板を前記開口部を閉塞する位置に第1保持強度で保持する第1保持手段と、
前記受信手段によって受信された前記無線信号の電波強度が、予め定められた底板脱落強度になった場合に、前記第1保持手段による前記保持を解除する解除手段と
を備えることを特徴とする収納カゴ。
【請求項9】
前記第1保持手段は、
係止片を有する第1係止部材と、
該第1係止部材の係止片が嵌る凹形状部を有する第1凹状部材とを有し、
前記第1係止部材、又は前記第1凹状部材の一方が前記底板に取り付けられ、他方が前記カゴ本体に取り付けられる構成を備え、
前記解除手段は、
前記第1係止部材の係止片を前記第1凹状部材の凹形状部から外す方向に移動させる駆動手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の収納カゴ。
【請求項10】
前記底板を前記開口部を閉塞する位置に第2保持強度で保持する第2保持手段を備え、
該第2保持手段は、
係止形状部を有する第2係止部材と、
該第2係止部材の係止形状部が嵌る凹形状部を有する第2凹状部材とを有し、
前記第2係止部材、又は前記第2凹状部材の一方が前記底板に取り付けられ、他方が前記カゴ本体に取り付けられる構成を備え、
前記第2保持強度は、前記第1保持強度より小さく設定されていることを特徴とする請求項8、又は請求項9に記載の収納カゴ。
【請求項11】
前記第2係止部材の係止形状部を前記第2凹状部材の凹形状部に付勢する弾性部材の付勢力によって、前記第2保持強度が設定されることを特徴とする請求項10に記載の収納カゴ。
【請求項12】
前記第1係止部材の係止片が前記第1凹状部材の凹形状部に嵌ることによって、該第1係止部材が前記第1凹状部材の移動を制限する構造を有することを特徴とする請求項8ないし請求項11の何れかに記載の収納カゴ。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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【公開番号】特開2009−181298(P2009−181298A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19218(P2008−19218)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(399031827)エイディシーテクノロジー株式会社 (163)
【Fターム(参考)】