説明

買い物支援システム

【課題】決定した献立に基づいて在庫管理を効率的に行う。
【解決手段】食材の在庫状況が利用者毎に登録された在庫データベース36bと、指定された利用者の在庫状況を在庫データベース36bから抽出する在庫抽出部32と、在庫抽出部32にて抽出された在庫状況の中から指定された食材を用いた献立候補を提供する献立表示部23と、在庫データベース36bから抽出された在庫状況について、献立表示部23にて提供された献立候補の中から指定された献立に用いる食材に対する不足分を購入リストとして提供する購入リスト作成部24及び購入確認部25と、在庫抽出部32にて在庫データベース36bから抽出された在庫状況に、実際に購入された食材を加えたものから、指定された献立に用いられる食材の量を除いたものを当該在庫状況として在庫データベース36bを更新する在庫データベース更新部34とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、買い物を支援する買い物支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、共働きの核家族が増えており、主婦に対する負担がますます増えている。そのため、主婦の負担を少しでも減らすことを目的とした、買い物に関するアイデアが多数提案されている。
【0003】
例えば、献立に合わせて、家庭構成に応じて購入すべき食材や分量を登録しておくと、家族員の携帯端末にその情報が送信され、それにより、自分が買い物に行かれなくなった場合でも、家族員のいずれかが買い物に行くことができるようにしたシステムが特許文献1に開示されている。
【0004】
また、食材の在庫を家庭の端末にて管理しておき、携帯端末から家庭の端末に接続して必要な情報を入手可能とし、それにより、賞味期限が切れそうな食材を利用した献立を提供したり、指定した体調に合わせた献立を提供したりすることができるようにしたシステムが特許文献2に開示されている。
【0005】
また、ショッピングカートで認識した購入データを、複数の家計簿システムに対応した形式に変換して利用者のパソコンに送信することにより、利用者の利便性を向上させ、また、店内に配置された基地局にてショッピングカートを察知すると、その基地局の範囲の商品の広告をパネルに表示することにより、店側の利点を考慮したシステムも考えられており、特許文献3に開示されている。
【0006】
ところが、多忙により、家にある食材を思い出しながら献立を事前に考える時間がない場合もしばしばである。また、提案された献立の材料を購入しても、賞味期限が切れそうな食材がその献立を作るのに十分な量残っておらず、別の献立を考える必要が出てくる場合も考えられる。
【0007】
また、利用者が購入した食材から、その食材を有効利用した献立と、その献立を作るために必要な買い足し食材情報とを提供することにより、売上を向上させるシステムも考えられており、特許文献4に開示されている。しかしながら、このシステムにおいては、購入した食材を利用した献立を提供されるのは確かに助かるが、買い足し食材として指定されたものが、実際には家庭に残っていて購入が不要であるにも関わらず購入してしまうこともある。また、不足の食材を別途購入しに行く必要があり、これも帰宅が遅い主婦にとってはなかなか難しいことである。
【0008】
ここで、家庭の冷蔵庫等の格納庫の在庫状況を管理しておき、この在庫状況に基づいて在庫を使用する献立案を提供し、不足食材を通知する技術が特許文献5に開示されている。この技術においては、家庭の冷蔵庫等の格納庫の在庫状況を、格納庫において重量測定や収納スペースのスキャン等によって常時管理しておき、この在庫状況に基づいて在庫を使用する献立案の一覧を作成してユーザ端末に提供し、ユーザ端末において、献立案の一覧の中から献立の指定があった場合、その指定された献立に不足している食材や残量等の情報をユーザ端末に通知する。これにより、買い物をする主婦にとっては、残り物を利用した献立を考える手間が省けるとともに、その献立に不足している食材を考えることなく購入することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−259024号公報
【特許文献2】特開2004−348445号公報
【特許文献3】特開2005−18376号公報
【特許文献4】特開2010−237773号公報
【特許文献5】特開2002−312640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した特許文献5に開示されたものにおいては、在庫の食材を利用した献立を容易に立てることができるものの、その献立を利用することにより在庫に変動が生じても、変動後の在庫は、格納庫における重量測定や収納スペースのスキャン等による在庫管理によって認識されることになるため、上述したように在庫に基づいて献立やその献立に必要となる食材の数を管理しながらも、その数を在庫管理に利用することができず、在庫管理を効率的に行っているとは言い難い。
【0011】
本発明は、上述したような技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、在庫状況を用いて献立情報を提供し、決定した献立に基づいて在庫管理を効率的に行うことができる買い物支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、
食材の在庫状況が利用者毎に登録された在庫データベースと、
指定された利用者の在庫状況を前記在庫データベースから抽出する在庫抽出手段と、
前記在庫抽出手段にて抽出された在庫状況の中から指定された食材を用いた献立候補を提供する献立候補提供手段と、
前記在庫抽出手段にて前記在庫データベースから抽出された在庫状況について、前記献立候補提供手段にて提供された献立候補の中から指定された献立に用いる食材に対する不足分を購入リストとして提供する購入リスト提供手段と、
前記在庫抽出手段にて前記在庫データベースから抽出された在庫状況に、実際に購入された食材を加えたものから、前記指定された献立に用いられる食材の量を除いたものを当該在庫状況として前記在庫データベースを更新する在庫データベース更新手段とを有する。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明においては、利用者毎に在庫データベースに登録された食材の在庫状況の中から指定された食材を用いた献立候補を提供し、その献立候補の中から指定された献立に用いる食材に対する不足分を購入リストとして提供することにより、在庫状況を用いて献立情報を提供することができるとともに、その献立を用いた場合に購入すべき食材を利用者に認識させることができる。さらに、利用者毎に在庫データベースに登録された食材の在庫状況に、実際に購入された食材を加えたものから、利用者によって指定された献立に用いられる食材の量を除いたものを食材の在庫状況として在庫データベースを更新することにより、決定した献立に基づいて在庫管理を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の買い物支援システムの実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示した買い物支援システムにおける処理を具体例に説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示した顧客データベースに登録された情報を示す図である。
【図4】図1に示した会員データベースに登録された情報を示す図である。
【図5】図1に示した在庫データベースに登録された情報を示す図である。
【図6】図1に示した献立データベースに登録された情報を示す図である。
【図7】図1に示した買い物支援システムにおいて食材及び献立が指定されていく処理を説明するための図である。
【図8】図1に示した購入データベースに登録された情報を示す図である。
【図9】図1に示した商品データベースを用いて作成される購入リストを示す図である。
【図10】図1に示した購入履歴データベースに登録された情報を示す図である。
【図11】図1に示した在庫データベースが更新された状態を示す図である。
【図12】図1に示した家族情報データベースに登録された情報を示す図である。
【図13】図1に示した献立履歴データベースに登録された情報を示す図である。
【図14】図1に示した献立履歴データベースに登録された情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の買い物支援システムの実施の一形態を示す図である。
【0017】
本形態は図1に示すように、通信網4に接続可能な携帯電話1と、食材が販売されている店舗(不図示)に設置され、通信網4に接続された店舗側システム20と、買い物支援システムを運営するシステム会社(不図示)に設置され、通信網4を介して携帯電話1及び店舗側システム20と通信可能な購入情報管理システム30と、利用者が所持する会員カード2と、店舗にて買い物に用いられるショッピングカート3とから構成されている。
【0018】
会員カード2は、利用者が購入情報管理システム30に会員登録を行うことにより利用者に発行されるものである。利用者は、発行された会員カード2を店舗に持ち込み、店舗にて会員カード2に店舗の顧客IDを記録してもらう。それにより、所持する携帯電話1等によって、店舗からお徳な情報を入手することができるとともに、購入情報管理システム30から家計管理の情報を入手することができるようになる。
【0019】
店舗側システム20が設置された店舗は、購入情報管理システム30と提携し、提携料金を支払うことで、購入情報管理システム30から利用者の情報を入手し、店舗の宣伝をしてもらう。また、店舗には、買い物に用いられるショッピングカート3が設置されており、このショッピングカート3には、店舗側システム20から送信されてくる情報を表示するためのパネル3aが設けられているとともに、店舗側システム20との間にて通信を行うための通信手段(不図示)や、会員カード2を挿入するためのスロット部(不図示)が設けられている。
【0020】
店舗側システム20は、顧客認証部21と、在庫表示部22と、献立候補提供手段である献立表示部23と、購入リスト提供手段である購入リスト作成部24及び購入確認部25と、購入実績確認部26と、購入情報通知部27と、レシピ通知部28と、顧客データベース29aと、購入データベース29bと、商品データベース29cと、献立データベース29dとを有している。
【0021】
顧客認証部21は、利用者がショッピングカート3に挿入した会員カード2に記録された顧客IDが、顧客データベース29aに登録されているかどうかを確認し、登録されている場合、購入情報管理システム30にアクセスし、その顧客ID及び顧客データベース29aにてその顧客IDに対応づけて登録されている会員ID、並びに、店舗に予め付与されている提携店舗IDを通知する。
【0022】
在庫表示部22は、購入情報管理システム30から通知されてきた利用者の在庫状況となる在庫リストから食材名をショッピングカート3のパネル3aに表示し、利用したい食材を指定するよう促す。パネル3aに表示された終了ボタンが指定された場合は、購入確認処理に移る。
【0023】
献立表示部23は、指定された食材を用いた献立候補を献立データベース29dから抽出し、献立名をショッピングカート3のパネル3aに表示し、その献立候補の中から利用したい献立を指定するよう促す。
【0024】
購入リスト作成部24は、指定された献立についてその材料と分量の情報を献立データベース29dの材料テーブルから抽出し、購入情報管理システム30から通知されてきた在庫リストについて、指定された献立に用いる食材に対する不足分、すなわち、購入すべき食材及びその量を計算して購入リストを作成する。
【0025】
購入確認部25は、購入リスト作成部24にて作成された購入リストをショッピングカート3のパネル3aに表示する。パネル3aに表示された決定ボタンが指定された場合は、購入リストの内容をショッピングカート3のパネル3aに表示し、買い物を終了するか継続するかを確認する。パネル3aに表示された保留ボタンが指定された場合は、購入リストに追加した情報に保留マークを追記する。
【0026】
購入実績確認部26は、購入リストに登録された全ての購入リストをショッピングカート3のパネル3aに表示して利用者に確認してもらい、会計の実績情報を購入データベース29bに登録し、会計実績情報にあって購入リストに記録されていない食材を購入リストに追記する。また、会計実績と商品データベース29cとにより、購入リストに実際に購入した分量を記録する。
【0027】
購入情報通知部27は、購入リストの情報と、決定された献立情報(献立名、材料、分量、レシピ)とを購入情報管理システム30に通知する。
【0028】
レシピ通知部28は、指定された献立のレシピを、顧客データベース29aに登録された情報を用いて利用者の携帯電話1に通知する。
【0029】
また、購入情報管理システム30は、提携した店舗から、提携料金を支払ってもらうことで、利用者に対して無償で購入情報管理業務を行うものであり、会員認証部31と、在庫抽出部32と、購入履歴DB更新部33と、在庫DB更新部34と、献立履歴DB更新部35と、会員データベース36aと、在庫データベース36bと、購入履歴データベース36cと、献立履歴データベース36dと、家族情報データベース36eとを有している。
【0030】
会員認証部31は、店舗側システム20から通知された会員ID、顧客ID及び提携店舗IDの組み合わせが、会員データベース36aに登録されているかどうかを確認することにより会員認証を行う。
【0031】
在庫抽出部32は、会員認証ができた場合、その利用者の在庫状況を在庫データベース36bから抽出して在庫リストを作成し、店舗側システム20に通知する。
【0032】
購入履歴DB更新部33は、店舗側システム20から通知された購入リストの情報を購入履歴データベース36cに登録する。
【0033】
在庫DB更新部33は、在庫データベース36bに登録された食材の在庫状況を、指定された献立を作った後に残る分量(=(在庫の分量+購入リストの分量)−献立データベース29dの分量)で更新する。
【0034】
献立履歴DB更新部35は、指定された献立の情報(献立、材料、分量、レシピ)を献立履歴データベース36eに登録する。
【0035】
以下に、上記のように構成された買い物支援システムにおける処理について具体例を挙げて説明する。
【0036】
図2は、図1に示した買い物支援システムにおける処理を具体例に説明するためのフローチャートである。
【0037】
店舗側システム20が設置された店舗に利用者が出向き、買い物をするためにショッピングカート3のスロット部に会員カード2を挿入すると(ステップ1)、まず、顧客認証部21において、会員カード2に記録された顧客IDが、顧客データベース29aに登録されているかどうかを確認することにより、利用者が店舗の登録客であることの認証を行う(ステップ2)。
【0038】
図3は、図1に示した顧客データベース29aに登録された情報を示す図である。
【0039】
図3に示すように、顧客データベース29aには、購入情報管理システム30に登録した利用者毎に、顧客ID、会員ID、提携店舗ID、アクセス先及び連絡先が登録されているため、顧客認証部21は、会員カード2に記録された顧客IDが、顧客データベース29aに登録されているかどうかを確認することができる。
【0040】
顧客認証部21において、会員カード2に記録された顧客IDが、顧客データベース29aに登録されていることが確認された場合は、その顧客IDと、顧客データベース29cにてその顧客IDに対応づけて登録された会員ID及び提携店舗IDとを通信網4を介して購入情報管理システム30に通知する。
【0041】
すると、購入情報管理システム30の会員認証部31において、顧客認証部21から通知された会員ID、顧客ID及び提携店舗IDの組み合わせが、会員データベース36aに登録されているかどうかを確認することにより会員認証を行う(ステップ3)。
【0042】
図4は、図1に示した会員データベース31aに登録された情報を示す図である。
【0043】
図4に示すように、会員データベース31aには、購入情報管理システム30に登録した利用者毎に、会員ID、提携店舗ID、顧客ID及びパスワードが登録されているため、会員認証部31は、顧客認証部21から通知された会員ID、顧客ID及び提携店舗IDの組み合わせが、会員データベース31aに登録されているかどうかを確認することができる。
【0044】
これにより、ショッピングカート3のスロット部に会員カード2を挿入した利用者が会員であることが認証されると、在庫抽出部32において、会員IDによって特定される利用者の家にある食材の在庫状況を在庫データベース36bから抽出して在庫リストL2を作成し、通信網4を介して店舗側システム20に通知する(ステップ4)。
【0045】
図5は、図1に示した在庫データベース36bに登録された情報を示す図である。
【0046】
図5に示すように、在庫データベース36bには、食材の在庫状況がその更新日時毎に登録されており、在庫抽出部32において、このうち最新の在庫状況を抽出する。なお、在庫データベース36bにおいては、図5に示すような在庫状況が利用者毎に登録されており、在庫抽出部32においては、会員IDによって特定される利用者の在庫状況を在庫データベース36bから抽出することになる。
【0047】
在庫抽出部32にて作成された在庫リストが店舗側システム20に通知されると、在庫表示部22において、購入情報管理システム30から通知されてきた在庫リストをショッピングカート3のパネル3aに表示し、利用したい食材を選択することで指定するよう促す(ステップ5)。
【0048】
そして、利用者が、パネル3aに表示された在庫リストにて食材を選択することで利用したい食材を指定すると(ステップ6,7)、献立表示部23において、指定された食材を用いた献立候補を献立データベース29dから抽出し、献立名をショッピングカート3のパネル3aに表示し、その献立候補の中から利用したい献立を指定するよう促す(ステップ8)。
【0049】
図6は、図1に示した献立データベース36dに登録された情報を示す図である。
【0050】
図6に示すように、献立データベース36dには、献立毎に必要となる食材やその分量、さらにはレシピが登録されており、献立表示部23においては、指定された食材を含む献立を献立候補として抽出することになる。
【0051】
そして、利用者が、パネル3aに表示された献立候補の中から献立を選択することで所望の献立を指定すると(ステップ9)、購入リスト作成部24において、指定された献立についてその材料と分量の情報を献立データベース29dの材料テーブルから抽出し、購入情報管理システム30から通知されてきた在庫リストについて、指定された献立に用いる食材に対する不足分、すなわち、購入すべき食材及びその量を計算して購入リストL1を作成し、ショッピングカート3のパネル3aに表示する(ステップ10)。なお、本形態においては、食材として牛肉が選択され、牛肉を用いた献立としてビーフカレーが選択されたものとする。
【0052】
図7は、図1に示した買い物支援システムにおいて食材及び献立が指定されていく処理を説明するための図である。
【0053】
図7に示すように、購入情報管理システム30から通知されてきた在庫リストに含まれる食材である、じゃがいも、たまねぎ、牛肉のうち牛肉が選択されると、牛肉を用いた献立候補となる、肉じゃが、ビーフカレー、ビーフストロガノフがパネル3aに表示され、その中からビーフカレーが選択されると、ビーフカレーに用いられる食材及びその標準分量、在庫分量、さらには不足分が購入リストとしてパネル3aに表示されることになる。
【0054】
そして、パネル3aに表示された購入すべき食材が確認され(ステップ11)、決定ボタンが指定されると(ステップ12)、購入確認部25において、不足分の食材及びその分量の購入リストをショッピングカート3のパネル3aに表示し、買い物を終了するかどうかを指定するように促す(ステップ13)。また、パネル3aに表示された保留ボタンが指定された場合は、購入リストに追加した情報に保留マークを追記し、ステップ5における処理に戻る。また、ステップ7にてパネル3aに表示された終了ボタンが指定された場合は、ステップ8〜12の処理は行わずにステップ13の処理に移る。
【0055】
利用者が、買い物を終了することを指定した場合(ステップ14,15)、“会計をしてください”という案内をパネル3aに表示し、購入実績確認部26において、購入リストに登録された全ての購入リストをショッピングカート3のパネル3aに表示して利用者に確認してもらい、会計を促す。また、利用者が、買い物を継続することを指定した場合は、ステップ5における処理に戻る。
【0056】
会計が済むと、購入実績確認部26において、会計の実績情報を購入データベース29bに登録し、会計実績情報にあって購入リストに記録されていない食材を購入リストに追記する。また、会計実績と商品データベース29cとにより、購入リストに実際に購入した分量を記録する(ステップ16)。なお、会計情報にあって購入リストにない牛乳データは購入リストに追加する。
【0057】
図8は、図1に示した購入データベース29bに登録された情報を示す図である。
【0058】
図8に示すように、購入データベース29bには、購入した食材毎に、顧客ID、購入日及び購入量が登録される。
【0059】
図9は、図1に示した商品データベース29cを用いて作成される購入リストを示す図である。
【0060】
図9に示すように、商品データベース29cには、店舗における販売単位毎の数量が登録されており、購入実績確認部26においては、この情報に基づいて、実際に購入した分量を購入リストに記録することになる。
【0061】
このようにして購入リストの更新が終了した後、購入情報通知部27において、購入リスト、ビーフカレーに用いられる食材及び購入情報管理システム30に通知する(ステップ17)。
【0062】
すると、購入履歴DB更新部33において、店舗側システム20から通知された購入リストの情報を購入履歴データベース36cに追加登録する(ステップ18)。
【0063】
図10は、図1に示した購入履歴データベース36cに登録された情報を示す図である。
【0064】
図10に示すように、購入履歴データベース36cには、食材毎に、その購入日に対応して購入された数量が登録されており、購入履歴DB更新部33においては、この情報に店舗側システム20から通知された購入リストの情報を追加していくことになる。
【0065】
また、在庫DB更新部33において、在庫データベース36bに登録された食材の在庫状況を、指定された献立を作った後に残る分量(=(在庫の分量+購入リストの分量)−献立データベース29dの分量)で更新する(ステップ19)。すなわち、在庫抽出部32にて在庫データベース36bから抽出された在庫状況に、実際に購入された食材を加えたものから、利用者によって指定された献立に用いられる食材の量を除いたものをその在庫状況として在庫データベース36bを更新することになる。なお、在庫データベース36bに登録されていない食材については、その食材名と、献立を作った後に残る分量を登録することになる。
【0066】
図11は、図1に示した在庫データベース36bが更新された状態を示す図である。
【0067】
図11に示すように、在庫データベース36bは、食材の使用や購入に伴って更新されていくことになる。なお、在庫データベース36bを更新する際に、消費する分量については、家族情報データベース36eに登録された家族構成を鑑みて、レシピの材料を調整して残量を更新することも考えられる。
【0068】
図12は、図1に示した家族情報データベース36eに登録された情報を示す図である。
【0069】
図12に示すように、家族情報データベース36eには、利用者の家族の情報が登録されているため、在庫DB更新部33において、この情報を用いて在庫データベース36bを更新することができる。
【0070】
また、献立履歴DB更新部35において、購入情報通知部27から通知された献立の情報(献立、材料、分量、レシピ)に基づいて献立履歴データベース36dを更新する(ステップ20)。
【0071】
図13は、図1に示した献立履歴データベース36dに登録された情報を示す図である。
【0072】
図13に示すように、献立履歴データベース36dは、献立の利用に伴って更新されていくことになる。また、レシピ通知部28において、ビーフカレーのレシピを携帯電話1に通知する(ステップ21)。
【0073】
このように構成することにより、利用者は、事前に家に残っている食材を確認できていない場合や、献立を事前に考えていない場合や、買い物リストを忘れて買い物に行ってしまった場合でも、買い物をしながら家に残っている食材(購入単位ではなく、1個単位)を確認することができ、無駄な物を買わずに買い物をすることができる。また、帰宅後は、購入した物でどんな献立にするか悩まずに、携帯電話1に送信されたレシピを参照して調理をすることができる。さらには、個人で家計簿のデータを作成することなく、購入履歴を管理することができる。
【0074】
(他の実施の形態)
在庫データベース36bから抽出された食材のみで作れる献立が献立データベース29dに登録されている場合に、献立表示部23にてその献立候補をショッピングカート3のパネル3aに表示することも考えられる。例えば、図7に示した全ての残り食材を使って、ビーフカレーが作れると判断された場合には、自動的にビーフカレーを紹介することが考えられる。それと合わせて、副菜の提案もおこなうことで、別商品の宣伝が可能となる。
【0075】
また、携帯電話1や家庭のパソコン等から購入情報管理システム30の献立履歴データベース36dに直接アクセスし、献立履歴データベース36dに登録された情報を更新することにより、献立履歴データベース36dに登録された履歴を利用者流にカスタマイズする構成とすることも考えられる。
【0076】
図14は、図1に示した献立履歴データベース36dに登録された情報を示す図である。
【0077】
図14に示すように、例えば、ビーフカレーにワインも必ず入れる利用者が、献立履歴データベース36dの“ビーフカレー”の食材にワインを追加していた場合、購入リスト作成部24にて、献立履歴データベース36dに“ビーフカレー”が登録されているか否かを確認し、登録されている場合は、献立履歴データベース36dのビーフカレーから食材情報を取得し、在庫リストとともにパネル3aに表示し、さらに、今回購入が必要な食材と分量を計算してパネル3aに表示することも考えられる。これにより、店舗側の提案する献立のみでなく、各家庭のレシピにあわせた買物ができるようになる。
【0078】
このように、購入情報管理システム30のデータベース情報について、会員が携帯電話1や、家庭のパソコン等から会員ID・パスワードにより直接参照、更新可能とすることも考えられる。例えば、店舗で選択した献立を独自にアレンジし、それを家庭のレシピとしたい場合は、献立履歴データベース36dに登録された情報を直接更新しておくと、次回その献立を選択した場合に、献立履歴データベース36dで更新したその献立の材料に基づいて、購入リストが作成されるので、買い忘れをなくすことが可能となる。
【0079】
また、店舗において、売りたい複数の食材を用いた献立を考え、献立を表示することで、店の売り上げにつながる買い物をしてもらえるように誘導することも考えられる。
【0080】
例えば、セロリを売りたい場合、献立データベース29dにカレーの材料にセロリを加えたレシピを登録し、“簡単○○カレー”といった「試してみようかな」と思わせるネーミングでパネルに表示することで、宣伝効果を上げることが可能となり、セロリの売り上げを伸ばすことができる。
【0081】
また、上述した実施の形態においては、家の在庫が“0”になるように必要最小限の購入リストを作成していたが、利用者が在庫量の既定値を設定することで、利用者に合わせた適材在庫の管理が可能となる。例えば、じゃがいもを常に1個保存しておくように設定しておいた場合、図7の「ビーフカレーの材料」「決定献立」のパネルで表示されるじゃがいもの数量は、不足分の2個に指定された1個を加えた“3個”と表示される。これにより、この利用者はビーフカレーを作っても、最低1個のじゃがいもを家に残すことができる。
【0082】
また、月末に、家計の収支決済を行おうとした場合に、利用者の携帯電話1や家のパソコンから購入情報管理システム30にアクセスし、購入履歴データベース36cに登録された情報を取得すれば、レシートの情報を手入力してデータ管理を行うことなく、購入品や支出額がわかり、収支決済が容易にできる。また、買物傾向の分析もできるので、生活改善の検討に役立てることもできる。
【符号の説明】
【0083】
1 携帯電話
2 会員カード
3 ショッピングカード
3a パネル
4 通信網
20 店舗側システム
21 顧客認証部
22 在庫表示部
23 献立表示部
24 購入リスト作成部
25 購入確認部
26 購入実績確認部
27 購入情報通知部
28 レシピ通知部
29a 顧客データベース
29b 購入データベース
29c 商品データベース
29d 献立データベース
30 購入情報管理システム
31 会員認証部
32 在庫抽出部
33 購入履歴データベース更新部
34 在庫データベース更新部
35 献立履歴データベース更新部
36a 会員データベース
36b 在庫データベース
36c 購入履歴データベース
36d 献立履歴データベース
36e 家族情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材の在庫状況が利用者毎に登録された在庫データベースと、
指定された利用者の在庫状況を前記在庫データベースから抽出する在庫抽出手段と、
前記在庫抽出手段にて抽出された在庫状況の中から指定された食材を用いた献立候補を提供する献立候補提供手段と、
前記在庫抽出手段にて前記在庫データベースから抽出された在庫状況について、前記献立候補提供手段にて提供された献立候補の中から指定された献立に用いる食材に対する不足分を購入リストとして提供する購入リスト提供手段と、
前記在庫抽出手段にて前記在庫データベースから抽出された在庫状況に、実際に購入された食材を加えたものから、前記指定された献立に用いられる食材の量を除いたものを当該在庫状況として前記在庫データベースを更新する在庫データベース更新手段とを有する買い物支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の買い物支援システムにおいて、
前記献立候補提供手段は、前記在庫抽出手段にて抽出された在庫状況に含まれる食材のみを用いた献立候補を提供する買い物支援システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の買い物支援システムにおいて、
前記献立の履歴が登録され、該履歴が利用者によってカスタマイズ可能である献立履歴データベースを有し、
前記献立候補提供手段は、前記献立履歴データベースに登録された献立の履歴を前記献立候補として提供する買い物支援システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の買い物支援システムにおいて、
前記購入リスト提供手段は、前記不足分に指定された量を加えたものを購入リストとして提供する買い物支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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