説明

貼り薬貼り具

【課題】使用者がきわめて容易に所望の貼付位置に貼り薬を貼付することができ、また剥離することができ、更に特別な器具を必要とせずに量産に適した貼り薬着用具を提供すること。
【解決手段】貼り薬を身体に貼る貼り用具は、貼着部と貫通部を備え、前記貼着部により貼り薬の薬剤が塗布された粘着面を貼着させて保持し、前記貫通部を通して貼り薬を身体に貼る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼り薬を一人で貼る事が出来る貼り薬貼り具に関する。特に、他人の手を煩わすことなく、一人で簡単に貼ることができるようにした貼り薬貼り具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、湿布の裏面を両面テープ等で肌着の内側に貼り付け、着用することで肩、背中、腰等に一人で貼ることができるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、柄の先にローラーが付いており、ローラーの外周に湿布を添わせ、患部に当て移動させることで、一人で背中に湿布を貼付することが出来る湿布薬貼付具もある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
その他、湿布を付けた湿布貼り具を任意の位置にセットし、背中を押しつけることにより湿布を貼付するものもある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009―185013号公報
【特許文献2】特開2009―201957号公報
【特許文献3】特開2002―28250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、肌着の内側に貼る特許文献1に記載の肌着に貼る湿布にあっては、湿布の裏側に粘着面を設けなくてはいけないだけでなく、肌着を着用する際に湿布と使用者の身体とに接着力が生じ、ずれることで湿布が剥がれたり目的の位置に貼りつける事ができないという問題がある。
【0007】
また、湿布を貼り付ける器具として特許文献2のような湿布薬貼付具があるが、湿布をローラー部分に仮止めする必要があり、そのうえ身体の貼付位置に貼付する操作も必要である。そして、これら湿布薬貼り付け具は、ローラー部分の構造が複雑なため、生産コストが高くなるという虞がある。
【0008】
特許文献3の湿布を貼り付ける器具にあっては、使用者が、任意の位置に設けられた湿布を付けた湿布貼り具に向かって、背中を押しつける必要があり、身体の所望の貼付位置に正確に貼付することが困難であるという虞がある。
【0009】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、使用者がきわめて容易に所望の貼付位置に貼り薬を貼付することができ、また剥離することができ、更に特別な器具を必要とせずに量産に適した貼り薬貼り具 貼り薬着用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の貼り薬貼り具は、貼着部と貫通部を備え、前記貼着部により貼り薬の薬剤が塗布された粘着面を貼着させて保持し、前記貫通部を通して貼り薬を身体に貼ることを特徴としている。
この特徴によれば、貼り薬貼り具には、貼着部が設けられており、この貼着部に貼り薬の薬剤が塗布された粘着面を利用し保持するので、使用者が他の特別な器具を使用せずに、本件貼り薬貼り具と貼り薬のみで容易に貼り薬を装着できる。すなわち、貼り薬を保持した貼り薬貼り具を身体に装着するだけで、貫通部を通して貼り薬を身体に接着できる。そして、貼り薬貼り具を身体から脱着すれば同時に貼り薬を剥離することができるようになり、使用者自身では手の届かない所定位置にも貼り薬を適宜接着したり剥離したりすることができるようになる。更に、本件貼り薬貼り具以外は、貼るための特別な器具を必要とせず、また、貼り薬の構造に特別の変更を施すこともなく構造も簡素化されているため、量産化にも適している。
【0011】
本発明の貼り薬用着用具は、身体に装着及び脱着することができるようになっている着用具であって、前記着用具は、貼着部と貫通部を備え、貼着部により貼り薬の薬剤が塗布された粘着面を貼着させて保持し、前記貫通部を通して貼り薬を身体に貼ることを特徴としている。
この特徴によれば、着用具には、貼り薬を貼り薬の薬剤が塗布された粘着面を利用して保持することができるため、使用者が容易に貼り薬を設置できるようになっており、更に、貼り薬を保持した着用具を装着することにより、貫通部を通して貼り薬を身体に接着できる。そして、着用具を脱着すれば貼り薬を剥離することができるようになり、自身では手の届かない所定位置にも貼り薬を適宜接着したり剥離したりすることができるようになる。また、貼り薬の構造に特別の変更を施すこともなく、構造も簡素化されているため、量産に適している。
【0012】
本発明の貼り薬用着用具は、前記貼着部と前記貫通部は、略網目状の線材によって構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、線材が略網目状に配置されることで貼着部を形成し、線材に貼り薬が保持され、線材の隙間である略網目状の貫通部が形成され、この貫通部を通じて身体へ接着させることができるようになり、貫通部を覆うように貼り薬を保持させることができる。
【0013】
本発明の貼り薬用着用具は、前記貼り薬貼り具または前記貼り薬着用具において、貼り薬を保持する位置を案内する目印を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、着用具に目印が付いていることで貼りつける位置の目安を示すことができ、目印に貼り薬等を貼付することで、所望の位置に的確に貼ることができる。
【0014】
本発明の貼り薬用着用具は、前記貼り薬貼り具または前記貼り薬着用具において、装着ないし着衣位置を案内する着衣案内目印が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、着衣案内目印に合わせて着衣することで毎回同位置へ着用具を着衣することができ、毎回容易に所望位置に的確に貼ることができる。
【0015】
本発明の貼り薬用着用具は、前記貼り薬貼り具または前記貼り薬着用具において、前記着衣位置案内目印には、少なくとも一部に使用者の身体の特定の部位との位置が対応する基点が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、身体の特定の部位に基点をセットした後、着用具本体を着衣位置案内目印に合わせて着衣することにより、更に正確に同位置に着用具本体を着衣することができ、基点が使用者の体の部位と対応することにより、各使用者の体格等に合わせて適宜着衣位置を決める事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】貼り薬貼り具を示す断面斜視図である。
【図2】貼り薬が貼り薬貼り具を介し患部に貼付された状態を示す側断面図である。
【図3】貼り具を脱着時の貼着部と貼り薬との患部への貼付状態が変化する様子を示す斜視図である。
【図4】貼り薬着用具を示す斜視図である。
【図5】着用具本体を示す斜視図である。
【図6】基点と身体の一部(例えばへそ)をあわせて着用具本体を着衣する様子を示す斜視図である。
【図7】円筒状の着用具を表す斜視図である。
【図8】実施例3における着用具本体を示す斜視図である。
【図9】実施例3における貼着部に貼り薬を保持することを示す斜視図である。
【図10】実施例4における着用具本体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る貼り薬貼り具を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0018】
実施例1に係る貼り薬貼り具につき、図1から図3を参照して説明する。図1の符号1は、本発明に適用された貼り具本体である。貼り具本体1は、貼り薬2を保持させる貼り薬貼着部3と、貼り薬2の粘着面4を貼り具本体1に通過させて使用者の身体へ貼付する為の空間である貫通部5とが設けられている。貼り薬貼着部3は、細い線材が略網目状に等間隔に複数配置され、貼り具本体1に貫通した孔部である貫通部5は、貼り薬貼着部3を枠とする空間で構成されており、貼り薬2は、粘着面4を貼り具本体1へ向けて貼り薬貼着部3に保持される。
【0019】
貼り薬2は、貼り薬貼着部3に保持された後、使用者の所望する患部6へ貼り具本体1を貼付し、押圧するだけで貫通部5を通して患部6へ貼ることができるようになっており、貫通部5の面積は、貫通部5を構成する枠となる貼着部4の表面積より大きくなっている。貼り薬貼着部3を形成する線材は、比較的柔軟な変形しやすい部材(ポリエステルやナイロン、樹脂等)から構成されることが好ましい。
【0020】
図2は、粘着面4が貫通部5を介して患部6へと貼付された様子を示している。貼り薬2を保持させる際には、貼り薬貼着部3の表面に粘着面4が貼付され、貼り薬貼着部3は、その粘着面4の変形により粘着面4内にめり込むようになっており、貼り薬貼着部3に貼着されていない粘着面4は、貫通部5を通じて患部6へ貼着するようになる。貼り薬貼着部3は、貼り薬2の粘着面4にめり込むようになっていることにより貼り具本体1に保持されており、粘着面4は、貼り薬2が使用者の身体へ向かって押圧されることで患部6へ貼付されるようになる。したがって粘着面4は、貼り薬2が押圧されるまでは完全には患部6へ貼付されることはない。例えば、使用者が貼り具本体1を位置決めした後、床や壁に貼り具本体1を押し付けることによって貼り薬2を押圧するようにしてもよい。
【0021】
また、貫通部5の面積は貼り薬貼着部3の表面積より大きくなっているため、患部6と粘着面4との接着面積も増え、貼り薬の効能も増加し、粘着面4の吸着力も大きくなるばかりでなく、貼り薬貼着部3は変形しやすい部材から形成されていることから、身体が動いても身体に対応して追従し、貼り薬2が剥がれるのが防止される。
【0022】
貼り薬2は、貼り具本体1へ保持されており、貼り薬2と患部6とは貫通部5を介して接着状態を保っているため、たとえば図3へ示すように、矢印方向へ貼り具本体1を患部6から剥がす場合、貼り薬貼着部3は矢印方向へ引き剥がすと、貼り薬2に対しては貼り薬貼着部3から患部6と粘着面4を剥がす力が作用することになり、貼り具本体1を剥がせば連動して貼り薬2も身体から剥がれることになる。また貼り薬貼着部3は、柔軟な部材から形成されていることにより、貼り具本体1を剥がす力は貼り薬貼着部3に集中するが、その力は貼着部3周辺の貼り薬2側に分散して伝わって、徐々に患部6から剥がされるようになるため、使用者は剥がす際の痛みが緩和される。
【0023】
貼り具本体1は、貼り薬貼着部3とそれによって形成される貫通部5のみで構成されており、生産時においてコストがかからず、構造も簡素であるため量産化することができるだけでなく、貼り具本体1の構造が簡素であることから使用者も極めて容易に使用することができ、貼り薬2を簡単に貼付及び剥離することができる。
【0024】
尚、貼り具本体1は、平面だけに限定されるものでなく、種々の形状とすることができる。たとえばコルセットの様な略円筒状で一方から身体を挿入して装着するような形状の貼り具本体1にし、主に身体の背中や腰などの患部6に覆うように使用してもよい。その場合、貼り薬貼着部3を形成する部材は比較的伸縮性の高い素材を使用してもよく、このことにより貼り薬2は、身体の動きにより追従して貼付状態を保つことができる。(図7に図示)
【0025】
貼り薬貼着部3は、細い線材で略網目状に等間隔に複数配置されて構成されているが、これに限られるものでなく、貼り薬貼着部3は、孔部を有した面状のものでもよいし、略碁盤状に配置されてもよい。
【実施例2】
【0026】
次に、実施例2に係る貼り薬貼り具につき、図4から図6を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
【0027】
実施例2における貼り薬貼り具は、主に一つの着用具本体として表現されており、図4は、本発明の実施例2の着用具本体7を表す斜視図であり、着用具本体1を使用者が着衣して利用するもので、着用具本体7の着脱とともに貼り薬が着脱されるものである。
【0028】
図4に示すように着用具本体7は、背面側に設けられた貼り具本体1と、左右の部材に分けられて成る着用具前面部8で構成されている。着用具前面部8には、左右の着用具前面部8を留め合わせる留め具9が着用具前面部8の前面部端部10に設けられており、着用具前面部8には、毎回同じ位置に着用具本体7を着衣するための位置を合わせる目印となる基点11と基点11´が設けられており、基点11、11´は5本のラインを縦型に設けられている。
【0029】
基点11、11´は、前面部端部10から順に位置が対応して形成され、対応し合う任意の2つの基点11、11´を照合し使用者の身体の一部、例えば、へそ12に合わせて、毎回着用具本体7を着衣するようになっている。例えば、基点11、11´をへそ12に合わせて着用具本体7を着衣することにより、毎回同じ位置で着用具本体7を着衣することができる。(図6に図示)
【0030】
本実施形態では、留め具9と基点11、11´とが別々に分けられているが、留め具9をへそ12に合わせる基点11として利用できるようにしてもよく、基点11、11´のラインは5本となっているが、基点11、11´の本数や形状を適宜変更できるようになっている。
【0031】
また、基点11、11´は着用具本体7が使用者にフィットする位置を決め、決めた位置で左右の着用具前面部8に自ら印を付けることで成されているようにしてもよいことは言うまでもない。更に、対応し合う基点11、11´は色分けや符号を振ってわかりやすく区別して利用してもよい。
【0032】
図5に示すように、貼り薬2は、まず貼り具本体1に貼付される。その後着用具本体7を着衣することにより、貼り薬2が貼り具本体1と共に患部6に向けて貼付される。患部6と貼り薬2との間に貼り薬貼着部3が介在するようになり、貼り薬2の薬剤を含有した粘着面4は、貼り薬貼着部3に付着し、保持されるようになる。貼り薬2が保持された状態で着用具本体1を着衣することにより、貼り薬2は患部6の箇所に位置し、外側から押圧すると粘着面4は、貫通部5を挿通して患部6へと接着されるようになる。
【0033】
着用具本体7の脱衣時には、着用具本体7を、身体の表面から剥ぐと、貼り具本体1は着用具本体7に付随して身体から剥がされる。そうすると、貼り薬貼着部3には、貼り薬2を抑える効果が生じ、貼り薬貼着部3に保持された貼り薬2は、着用具本体7に連動して身体の外側方向に移動するようになる。したがって使用者が着用具本体7を脱衣することにより、貼り具本体1が患部6から離れ、患部6から貼り薬2を剥離するようになる。つまり、使用者が貼り薬2を取り外したいと思うタイミングで着用具本体7を脱衣すれば、適宜貼り薬2を剥離することができる。さらに、貼り薬貼着部3は、柔軟な部材から形成されていることにより、貼り具本体1を剥がす力は貼り薬貼着部3に集中するが、その力は貼着部3周辺の貼り薬2側に分散して伝わって、徐々に患部6から剥がされるようになるため、使用者は剥がす際の痛みが緩和される。
【0034】
貼り薬貼着部3には、貼りたいと望む任意の患部6と重なる貼り薬貼着部3の所定箇所に、その目印17を付加している。目印17を付加する際には、前述したようにまず着用具本体7を基点11と11´とを身体の一部、例えば、へそ12などに重ね、着用具本体7を着衣したとき、所定の患部6と重なる貼り薬貼着部3の位置に目印17を付加する。
【0035】
目印17をつけた後、貼り薬2を目印17の上に貼りつけ、着用具本体7を着衣することで毎回同じ患部6に貼り薬2を貼ることができるようになっている。目印17をつけることにより、毎回貼る位置を探さなくてもよくなる。
【0036】
尚、実施形態では、「×」や「※」印などの目印17をつけるようになっているが、目印17としてはこのようなものだけでなく、身体の部位を表す名称や器官名またはそれらを示す表記などでもよい。
【0037】
尚、前述したように貫通部5の面積が枠となる貼り薬貼着部3の表面積より大きいことで、外部から貼り薬2の貼付位置となる患部7を目視できるようになる効果もある。このように外部から患部6を目視できることにより、第三者から貼り薬貼着部3に目印17を付加してもらう場合、第三者は、的確に目印17を付加することが容易になる。
【0038】
また、着用具本体7は、上半身又は下半身全体を覆うようなものだけでなく、身体の部位やその一部を覆うようなものでもよく、身体の部位やその一部を覆うような形状であることにより、貼り薬2を貼り具本体1へ保持させた後、貫通部5が患部6へ合わせるように調整することで、使用者が望む所定位置へと容易に貼り薬2を適宜移動調整することができ、位置決めをした後外側から押圧することで貼り薬2は、身体と接着した状態になることができる。
【0039】
尚、着用具本体7を構成する各部材が、種々の素材で形成されてもよいし、本実施例では、着用具前面部8は貼り薬貼着部3で構成されていないが、着用具前面部8にも略網目状に配置された貼り薬貼着部3を形成し、着用具本体7の全体に貼り薬2を設置できるようにしてもよい。
【0040】
また、外側からの押圧手段として、着用具本体7を着衣し患部6に設置したことを確認した後、使用者が仰向けに寝ることにより使用者の自重と地面とで圧迫し、患部6と貼り薬2とを接着させてもよい。また、本実施例で着用具本体7は略ベスト型の形状を成しているが、一般的な下着のように三分丈程度の袖を形成してもよいし、長袖を形成してもよく、各使用者の好みや季節等に合わせて適宜変更できることは言うまでもない。
【実施例3】
【0041】
次に、実施例3に係る貼り薬着用具につき、図8から図9を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
【0042】
図8に示すように、貼り具本体1の背面側には、貼り薬貼着部3が設けられており、貼り薬貼着部3には縦に等間隔の配置で穿設されたスリット孔13が設けられている。スリット孔13が設けられたことにより、貼り薬貼着部3には貼り薬貼着部3aと貼り薬貼着部3bが形成され、貼り薬貼着部3は、交互に貼り薬貼着部3a,3b,3a,3b,・・・と順に配置が成されている。
【0043】
貼り薬貼着部3は貼り薬2を保持するが、貼り薬2は、貼り薬貼着部3aと3bとの間にあるスリット孔13を通り、貼り薬貼着部3aと3bとをぐし縫い状に保持されるようになっており、たとえば貼り薬2の粘着面4が貼り薬貼着部3aに保持されている場合には、貼り薬2の裏面である貼り薬基部14が貼り薬貼着部3bに接するようになっている。このように貼り薬2が、貼り薬貼着部3にぐし縫い状に保持されることにより、貼り薬2が貼り薬貼着部3aと3bとに比較的強固に保持される。(図9に図示)
【0044】
貼り薬2を貼り薬貼着部3に保持した後、着用具本体7を着衣することにより、粘着面4が直接およびスリット孔13を介して患部6へ接着される。本実施形態では、貼り薬2が貼り薬貼着部3にぐし縫い状に保持され、貼り薬貼着部3において貼り薬2の保持状態が強固になっており、また貼り薬貼着部3bが貼り薬2を貼り薬基部14側から押さえるような効果が生じる。このことにより、貼り薬2が貼り薬貼着部3に安定して保持されるだけでなく、患部6と貼り薬2との間に介在する貼り薬貼着部3が少なくなるため貼り薬2の効果も向上し、患部6との接着部が大きくなることで、貼り薬2の患部6への吸着力も大きくなり、安定した接着状態を保つことができる。
【0045】
尚、本実施例では貼り薬貼着部3にスリット孔13が穿設されているが、貼り薬貼着部3は、細長の板状の部材で構成され等間隔に配置されていてもよい。また、本実施例では縦型に貼り薬貼着部3が形成されているが、横型の貼り薬貼着部3を設けてもよいし、斜めに貼り薬貼着部3を設けてもよい。また、貼り薬貼着部3細くしスリット孔13を広くしても良い。また、貼り薬2をぐし縫い状に保持せずそのまま保持してもよいことは言うまでもない。
【実施例4】
【0046】
次に、実施例4に係る貼り薬着用具につき、図10を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
【0047】
図10に示すように、貼り薬貼着部3には、窓状に切り抜かれた切抜貫通部15が設けられており、切抜貫通部15は貼り薬2より若干小さく、且つ平面視で略同形に設けられている。また、貼り薬貼着部3には、切抜貫通部15の外周に貼り薬6の貼付位置を案内する貼り薬案内表示16が設けられている。
【0048】
貼り薬2は、切抜貫通部15を覆うように貼り薬案内表示16に沿って貼り薬貼着部3へと保持されており、着用具本体7を着用した後、患部6に向かって押圧することにより粘着面4が患部7へ接着されるようになる。また、着用具本体7を脱着することにより、患部6より貼り薬2が剥離される。
【0049】
貼り薬2は、貼り薬案内表示16に沿って貼り薬貼着部3へと保持されることにより、貼り薬2が切抜貫通部15の外周へと安定して保持され、切抜貫通部15が貼り薬2より若干小さく略同形に設けられていることにより、患部6へ接着する貼り薬2の有効範囲も大きくなり、貼り薬2の効果も向上する。
【0050】
また、着用具本体7を装着し、押圧することで貼り薬2が切抜貫通部15を介し患部6へ接着することができ、さらに着用具本体7を脱着することで貼り薬2が貼り薬貼着部3と連動して患部6より剥離されるようになるため、使用者は容易かつ時間を掛けず貼り薬2の接着及び剥離を適宜行うことができるようになる。
【0051】
尚、本実施例では着用具本体7を略ベスト形状としているが、これに限られるものではなく、例えば、サポータやコルセットや肩パット、マフラー等の身体の一部を覆うものでもよい。また、身体に面ファスナーやボタン等の固定手段を有するものや巻いたり、被ったりするものでもよいことは言うまでもない。
【0052】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1 貼り具本体
2 貼り薬
3、3a、3b 貼り薬貼着部
5 貫通部
7 着用具本体
11 基点
13 スリット孔
15 切抜貫通孔
16 貼り薬表示案内

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貼り薬を身体に貼る貼り薬貼り具において、前記貼り薬貼り具は、貼着部と貫通部を備え、前記貼着部により貼り薬の薬剤が塗布された粘着面を貼着させて保持し、前記貫通部を通して貼り薬を身体に貼ることを特徴とする貼り薬貼り具。
【請求項2】
身体に装着及び脱着することができるようになっている着用具であって、前記着用具は、貼着部と貫通部を備え、前記貼着部により貼り薬の薬剤が塗布された粘着面を貼着させて保持し、前記貫通部を通して貼り薬を身体に貼ることを特徴とする貼り薬用着用具。
【請求項3】
前記貼着部と前記貫通部は、略網目状の線材によって構成されていることを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の貼り薬用着用具。
【請求項4】
前記貼り薬貼り具または前記貼り薬着用具において、貼り薬を保持する位置を案内する目印を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の貼り薬用着用具。
【請求項5】
前記貼り薬貼り具または前記貼り薬着用具において、装着ないし着衣位置を案内する着衣案内目印が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の貼り薬用着用具。
【請求項6】
前記貼り薬貼り具または前記貼り薬着用具において、前記着衣案内目印は、少なくとも一部に使用者の身体の特定の部位との位置が対応する基点が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の貼り薬用着用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−17698(P2013−17698A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154249(P2011−154249)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(511170515)株式会社ARTS (3)
【Fターム(参考)】