説明

貼付位置識別機能付歪ゲージおよび歪測定装置

【課題】折れ曲がった狭い箇所や高温雰囲気下でも自由に屈曲させてリード線を配設でき、かつ曲げ変形や衝撃荷重が作用したとしても折損することもなく、試験対象に貼付された歪ゲージ位置を識別する機能を有する簡便な貼付位置識別機能付歪ゲージおよび歪測定装置を提供する。
【解決手段】歪ゲージのゲージ面2a端部に印加電圧によって発光する発光体4を設けるとともに、前記歪ゲージのリード線2b,2cに沿ってこの発光体4に電圧を印加するための導線4b,4cを沿わせてなる貼付位置識別機能付歪ゲージ2。また、前記貼付位置識別機能付歪ゲージ2の発光体4に電圧を印加するための導線4bに、電源5と導通開閉手段6とを接続して発光体点灯回路を形成し、前記発光体4に前記電源電圧を印加または遮断する機能を付与した貼付位置識別機能付歪測定装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験対象物の機械特性試験等に使用される歪ゲージおよび歪測定装置の改善に関し、より詳しくは、試験対象に貼付された歪ゲージ位置を識別する機能を有する貼付位置識別機能付歪ゲージおよび歪測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属、樹脂、セラミックス等の材料やこれらを用いた構造物の引張強度、圧縮強度、曲げ強度、引張疲労強度等の機械的特性を把握することは、これら材料の使用上あるいはこれらを用いた構造物の設計上、重要なことである。このような機械特性を試験する上で、負荷された荷重に対する材料や構造物の歪を測定するため歪ゲージが一般的に良く使用されている。
【0003】
ところが、大型構造の試験体や実構造物に何十枚もの歪ゲージを貼り付けて、歪測定装置によって歪を測定する場合には、どの測定チャンネルが前記構造物のどの位置の歪を測定しているのかを明確に把握しておく必要がある。更に、このように多数の歪ゲージを設置した時には、何らかの不具合によって歪測定値の異常等が生じた場合についても、どの歪ゲージやどのリード線が不良であるかを把握する必要が生じて来る。
【0004】
このような場合、歪ゲージのリード線を被覆色が異なるものを複数色選定し、このリード線の被覆色によって歪ゲージを識別したり、歪ゲージのリード線にチャンネル番号を記入したラベルを取り付けたりして、どの測定チャンネルが前記構造物のどの位置の歪を測定しているのかを把握する方法が極一般的に行われて来た。
【0005】
しかしながら、前者の方法は、識別し得るリード線の被覆色はせいぜい10色程度であり、それ以上の測定チャンネルには対応することが出来なかった。また、後者の方法は、リード線にチャンネル番号を記入したラベルを取り付けるのに多大な手間を要する上、歪測定値に何らかの異常が認められたとき、多数のリード線の中から該当する番号を記入したラベルを探すのに、また多大な工数を要するという問題を有していた。
【0006】
次に、このような問題を解決するために提案されている従来例に係る設定位置識別機能付リードケーブルについて、以下添付図5を参照しながら説明する。図5は、従来例の一実施形態に係る設定位置識別機能付リードケーブルを介して、主電気機器と副電気機器とを接続した場合の結線例を示す結線図である。
【0007】
この従来例に係る設定位置識別機能付リードケーブル12によれば、一端末が主電気機器11に電気接続され、他端末が上記電気機器11から離隔した複数個所の夫々に設定された副電気機器17に電気接続され、かつ複数系統に分けて電気接続された複数の導線13と、これら複数の導線13のうちの少なくとも1つの系統の導線部に添設されるとともに、一端末部および他端末部が上記主電気機器11側の近傍および上記副電気機器17側の近傍の夫々に露呈されてなる光伝達部材14とを具備するものである(特許文献1参照)。
【0008】
そして、ある特定の主電気機器(端子盤)11のリードケーブル12に添設された前記光伝達部材(光ファイバー)14の光導入部15に光源20の光を導入すると、この光伝達部材14の光放出部16から光放出がなされ、これに対応した副電気機器(歪ゲージ)17の設定位置を識別可能とするものである。
【0009】
しかしながら、このような設定位置識別機能付リードケーブル12は、光伝達部材14として石英系光ファイバーを用いる実施の形態が記載されているが、石英系光ファイバーでは、歪ゲージ17のリードケーブル12を小さな曲率半径で曲げて使用することが出来ない。また、設置時に万一曲げ変形や衝撃荷重が作用すると光ファイバーが折損し、光を通すことが出来なくなることがある。
【0010】
仮に、前記光伝達部材14として樹脂系光ファイバーを用いるとしても、例えば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)系光ファイバーの軟化変形開始温度は80〜100℃であるので、耐熱温度上70℃程度以下の雰囲気でしか使用できないという問題があった。
【特許文献1】特開平9−237524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
更に、前記設定位置識別機能付リードケーブル12は、光ファイバー14の光導入部15に光源20を用いて光を導入する作業自体が煩雑であったし、また歪ゲージ17の導線部13の端子盤11への結線部が近接する場合、前記光ファイバー14の光導入部15も近接するので、位置を特定したい歪ゲージだけでなく、近接する歪ゲージにも光が導入されてしまうという問題があった。
【0012】
従って、本発明の目的は、折れ曲がった狭い箇所や高温雰囲気下でも自由に屈曲させてリード線を配設でき、かつ曲げ変形や衝撃荷重が作用したとしても折損することもなく、試験対象に貼付された歪ゲージ位置を識別する機能を有する簡便な貼付位置識別機能付歪ゲージおよび歪測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明者らは、上記のような事情に鑑み、歪ゲージの貼付位置識別機能について調査検討した結果、通常の発光体を用いることが可能なことを知見して、本発明をなすに至ったものである。
【0014】
即ち、前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る貼付位置識別機能付歪ゲージが採用した手段は、歪ゲージのゲージ面端部に電圧を印加することによって発光する発光体を設けるとともに、前記歪ゲージのリード線に沿ってこの発光体に電圧を印加するための導線を沿わせてなることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項2に係る貼付位置識別機能付歪ゲージが採用した手段は、歪ゲージのゲージ面端部に電圧を印加することによって発光する発光体を設けるとともに、前記歪ゲージのリード線の一部を、この発光体に電圧を印加するための導線と兼用させてなることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項3に係る貼付位置識別機能付歪測定装置が採用した手段は、前記請求項1または2に記載の貼付位置識別機能付歪ゲージの発光体に電圧を印加するための導線に、電源と通電開閉手段とを接続して発光体点灯回路を形成し、前記発光体に前記電源電圧を印加または遮断する機能を付与したことを特徴とするものである。
【0017】
本発明の請求項4に係る貼付位置識別機能付歪測定装置が採用した手段は、前記請求項3に記載の貼付位置識別機能付歪測定装置において、前記発光体に発光ダイオードを用いる一方、前記電源電圧の印加によってこの発光ダイオードに流れる電流の流れ方向が、前記歪ゲージ計測時の印加電圧によって前記発光ダイオードに流れる電流の流れ方向と逆方向となるよう構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1に係る貼付位置識別機能付歪ゲージによれば、歪ゲージのゲージ面端部に電圧を印加することによって発光する発光体を設けるとともに、前記歪ゲージのリード線に沿ってこの発光体に電圧を印加するための導線を沿わせてなるので、折れ曲がった狭い箇所でも自由に屈曲させてリード線を配設でき、かつ曲げ変形や衝撃荷重が作用したとしても折損することもない貼付位置識別機能付歪測定装置を簡便な構成によって達成し得る。
【0019】
また、本発明の請求項2に係る貼付位置識別機能付歪ゲージによれば、歪ゲージのゲージ面端部に電圧を印加することによって発光する発光体を設けるとともに、前記歪ゲージのリード線の一部をこの発光体に電圧を印加するための導線と兼用させてなるので、前記リード線のほぼ全長に亘って前記発光体に電圧を印加するための導線が不要となる。
【0020】
更に、本発明の請求項3に係る貼付位置識別機能付歪測定装置によれば、前記発光体に電圧を印加するための導線に電源と通電開閉手段とを接続して発光体点灯回路を形成し、前記発光体に前記電源電圧を印加または遮断する機能を付与したので、前記通電開閉手段により前記発光体に電圧印加させることによって、前記歪測定装置のどのチャンネルがどの貼付位置の歪ゲージに該当するか瞬時に識別可能となる。
【0021】
また更に、本発明の請求項4に係る貼付位置識別機能付歪測定装置によれば、前記請求項3に記載の貼付位置識別機能付歪測定装置において、前記発光体に発光ダイオードを用いる一方、前記電源電圧の印加によってこの発光ダイオードに流れる電流の流れ方向が、前記歪ゲージ計測時の印加電圧によって前記発光ダイオードに流れる電流の流れ方向と逆方向となるよう構成したので、歪ゲージ計測時には前記発光ダイオードに電流が流れず、前記発光体の抵抗値が歪ゲージの抵抗値に負荷されることが無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
先ず、本発明の実施の形態1に係る貼付位置識別機能付歪ゲージおよび歪測定装置について、以下添付図1および図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る貼付位置識別機能付歪ゲージおよび歪測定装置の歪ゲージと発光体の結線例を示す結線図、図2は、図1のブリッジボックス内に構成されたホイートストンブリッジ回路を示す回路図である。
【0023】
本発明の実施の形態1に係る貼付位置識別機能付歪ゲージ2は、この歪ゲージ2のゲージ面2aに後述するホイートストンブリッジ回路を構成する抵抗3aが貼着され、この抵抗3aに電圧を印加するとともに、出力電圧を計測するためのリード線2bが接続され、更に、このリード線2bに絶縁材を被覆された被覆リード線2cが延長されて構成されている。
【0024】
同時に、前記歪ゲージ2のゲージ面2a端部には、電源5の印加電圧によって発光する発光体4を設けるとともに、前記歪ゲージ2のリード線2bに沿わせてこの発光体4に電圧を印加するための導線4bに接続され、更に、この導線4bに接続し絶縁材を被覆された被覆導線4cを、前記リード線2cに沿わせて構成されている。
【0025】
そして、本発明の実施の形態1に係る貼付位置識別機能付歪測定装置1は、前記歪ゲージ2のリード線2bの先端が、ブリッジボックス7内のホイートストンブリッジ回路7aに接続され、同時に、前記発光体4に電圧を印加するための前記導線4bの先端には、電源5とともにスイッチ等の通電開閉手段6が接続され、前記通電開閉手段6によって前記発光体4に電圧を印加させる機能が発光体点灯回路として付与されている。
【0026】
即ち、必要性に応じて、前記通電開閉手段6を閉じれば、前記導線4bに電源5による電圧が印加されて前記発光体4が点灯し、逆に、前記通電開閉手段6を開けば、前記導線4bに印加された電圧が遮断されて前記発光体4が消灯する。
【0027】
そして、図2に示す如く、ホイートストンブリッジ回路7aの一辺には歪ゲージ2に取り付けられた抵抗3aが、他の三辺には固定抵抗3b,3cおよび3dが接続されて、1ゲージ法によるホイートストンブリッジ回路7aが形成されている。前記歪ゲージ2を測定対象とする場所に貼付け、印加電圧8によりホイートストンブリッジ回路7aに電圧を印加し、電圧計9により測定される出力電圧を読み取って、貼付箇所に生じている歪を検出するように構成されている。
【0028】
今、ホイートストンブリッジ回路7aを構成する4個の抵抗3a,3b,3cおよび3dの各抵抗値を同一値Rとし、貼付箇所の歪により歪ゲージ2を構成する抵抗3aの抵抗値RがΔRだけ変化したとすれば、電圧計9によって検出される出力電圧eは次式(1)となる。
e≒ΔR・E/(4・R)=Ks・ε・E/4 (1)
ここで、 Ks:定数
ε:歪
【0029】
即ち、貼付箇所に発生した歪εによって、抵抗変化分ΔRに比例した出力電圧eが得られるとともに、前記歪εにも比例した出力電圧eが得られることになる。この微小電圧eを増幅器で増幅して、アナログ出力として得たり、ディジタル出力値として表示し歪測定することが出来る。
【0030】
以上説明したように、本発明の実施の形態1に係るこのような貼付位置識別機能付歪ゲージ2は、前記歪ゲージ2のゲージ面2a端部に電圧を印加することによって発光する発光体4が設けられ、前記歪ゲージ2のリード線2b,2cに沿ってこの発光体4に電圧を印加するための導線4b,4cを沿わせてなるので、折れ曲がった狭い箇所でも自由に屈曲させて前記導線4b,4cを配設でき、かつ曲げ変形や衝撃荷重が作用したとしても折損することもない。また、前記発光体4に耐熱性を有するものを用いれば、ある程度の高温雰囲気下でも使用可能となる。
【0031】
また、本発明の実施の形態1に係るこのような貼付位置識別機能付歪測定装置1は、前記歪ゲージ2の抵抗3aを含むホイートストンブリッジ回路7aと前記発光体4の点灯回路はお互い全く独立した回路を構成しているので、前記発光体点灯回路に印加された電圧が前記歪ゲージ2の出力電圧にノイズを与えることはない。前記発光体としては、豆電球や発光ダイオード等を用いることが出来る。尚、発光ダイオードは、一方向のみしか電流が流れないので、電源5の電流方向(図1に矢印5aで示す)に一致させて使用することが肝要である。
【0032】
次に、本発明の実施の形態2に係る貼付位置識別機能付歪ゲージおよび歪測定装置について、以下添付図3および図4を参照しながら説明する。図3は、本発明の実施の形態2に係る貼付位置識別機能付歪ゲージおよび歪測定装置の歪ゲージと発光体の結線例を示す結線図、図4は、図3のブリッジボックス内に構成されたホイートストンブリッジ回路に発光体の点灯回路を接続した結線例を示す結線図である。
【0033】
但し、本発明の実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、発光体の点灯回路に相違があり、これ以外は上記実施の形態1と全く同構成であるから、上記実施の形態1と同一のものに同一符号を付して、以下その相違する点について説明する。
【0034】
即ち、上記実施の形態1に係る貼付位置識別機能付歪ゲージ2および歪測定装置1の発光体点灯回路が、ホイートストンブリッジ回路7aと全く独立しているのに対し、本実施の形態2に係る貼付位置識別機能付歪ゲージ2および歪測定装置1の発光体点灯回路は、ホイートストンブリッジ回路7aと接続されている。
【0035】
具体的には、前記発光体4に接続された導線4bが歪ゲージ2の抵抗3aのリード線2bに結線されるとともに、電源5と通電開閉手段6に接続された導線4dは、歪ゲージ2を構成する前記抵抗3aに接続されたホイートストンブリッジ回路7aの一辺に結線され、前記被覆リード線2cとリード線2bの一部が両者の導線として兼用されている。
【0036】
前記ホイートストンブリッジ回路7aの一部に、この様な発光体点灯回路を形成することによって、前記発光体点灯回路の導線を歪ゲージのリード線と兼用する簡便な構造をなすことが出来る。尚、実施の形態2に係る貼付位置識別機能付歪ゲージ2および歪測定装置1は、この様に、前記歪ゲージ2のリード線の一部を発光体点灯回路として兼用するため、歪ゲージ2による歪測定を行わないときに、前記発光体4による歪ゲージ2の貼付位置識別を行う必要がある。
【0037】
このような実施の形態2に係る発光体4には、発光ダイオードを用いるのが好ましい。
歪ゲージ2のリード線の一部を発光体点灯回路として兼用する場合は、前記発光体4に豆電球を使用すると、この発光体4が抵抗になり歪ゲージ3aの抵抗値に付加されるためである。図4において、矢印8aは、ホイートストンブリッジ回路7aに印加される印加電圧8による電流の流れ方向を示す。一方、矢印5aは、前記発光体点灯回路における電源5による電流の流れ方向を示している。
【0038】
即ち、前記電源5によって前記発光ダイオード4に流れる電流の流れ方向5aが、前記歪ゲージ計測時の印加電圧8によって前記発光ダイオードに流れる電流の流れ方向8a(破線矢印で示す)と逆方向となるよう構成するとともに、前記発光体4をなす発光ダイオードは、この矢印5aの電流方向で点灯するよう接続されることが肝要である。
【0039】
このような接続構成とすることによって、歪ゲージによる歪測定時に印加電圧8による電圧が印加されたとしても、前記印加電圧8によって前記発光ダイオード4へ流れる破線矢印で示す電流の流れ8aは発生することなく、結果として、前記発光体4の抵抗値が歪ゲージによる歪測定時の抵抗値に付加されることが無いのである。
【0040】
<実施例1>
図1および図2に示した如く、市販の歪ゲージにホイートストンブリッジ回路7aを接続し、発光体4として豆電球を、電源5として単3電池(1.5V)1個を、通電開閉手段6としてスイッチを用いて発光体点灯回路を構成し、貼付位置識別機能付歪ゲージ2および歪測定装置1を形成した。このようにして形成した貼付位置識別機能付歪ゲージ2を歪測定する試験片に貼付け、前記スイッチ6を閉じることによって、前記歪ゲージ2のゲージ面2a先端に取り付けた発光体4が点灯し、前記歪ゲージ貼付位置を識別可能なことを確認した。また、歪測定についても特に問題ないことを確認した。
【0041】
<実施例2>
発光体4として発光ダイオードを用い、図3および図4に示した結線例と同一の結線をした以外は、実施例1と同様な機材を用いて発光体点灯回路を構成して、貼付位置識別機能付歪ゲージ2および歪測定装置1を形成した。この貼付位置識別機能付歪ゲージ2を歪測定する試験片に貼付け、前記スイッチ6を閉じることによって、前記歪ゲージ2のゲージ面2a先端に取り付けた発光体4が点灯し、前記歪ゲージ2の貼付位置を識別可能なことを確認した。また、歪測定についても、特に前記発光体4の抵抗値が付加されること無く、正常に測定可能なことを確認した。
【0042】
以上のように、本発明に係る貼付位置識別機能付歪ゲージによれば、歪ゲージのゲージ面先端に電圧を印加することによって発光する発光体を設けるとともに、前記歪ゲージのリード線に沿ってこの発光体に電圧を印加するための導線を沿わせてなるので、折れ曲がった狭い箇所でも自由に屈曲させてリード線を配設でき、かつ曲げ変形や衝撃荷重が作用したとしても折損することもない。
【0043】
また、本発明に係る貼付位置識別機能付歪測定装置によれば、前記発光体に電圧を印加するための導線に電源と通電開閉手段とを接続して発光体点灯回路を形成し、前記発光体に前記電源電圧を印加または遮断する機能を付与したので、前記通電開閉手段により前記発光体に電圧印加させることによって、前記歪測定装置のどのチャンネルがどの貼付位置の歪ゲージに該当するか瞬時に識別可能となるのである。
【0044】
本発明の実施の形態1および実施の形態2においては、ホイートストンブリッジ回路は1ゲージ法による構成のものを用いて説明したが、他の2ゲージ法等による構成であっても良く、その測定法を特に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態1に係る貼付位置識別機能付歪ゲージおよび歪測定装置の歪ゲージと発光体の結線例を示す結線図である。
【図2】図1のブリッジボックス内に構成されたホイートストンブリッジ回路を示す回路図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る貼付位置識別機能付歪ゲージおよび歪測定装置の歪ゲージと発光体の結線例を示す結線図である。
【図4】図3のブリッジボックス内に構成されたホイートストンブリッジ回路に発光体の点灯回路を接続した結線例を示す結線図である。
【図5】従来例の一実施形態に係る設定位置識別機能付リードケーブルを介して、主電気機器と副電気機器とを接続した場合の結線例を示す結線図である。
【符号の説明】
【0046】
1:貼付位置識別機能付歪測定装置
2:貼付位置識別機能付歪ゲージ, 2a:ゲージ面,
2b:リード線, 2c:被覆リード線
3a:抵抗, 3b,3c,3d:固定抵抗
4:発光体(豆電球、発光ダイオード), 4b,4d:導線, 4c:被覆導線
5:電源, 5a:電源による電流の流れ方向
6:通電開閉手段(スイッチ)
7:ブリッジボックス, 7a:ホイートストンブリッジ回路
8:印加電圧, 8a:印加電圧による電流の流れ方向
9:電圧計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歪ゲージのゲージ面端部に電圧を印加することによって発光する発光体を設けるとともに、前記歪ゲージのリード線に沿ってこの発光体に電圧を印加するための導線を沿わせてなることを特徴とする貼付位置識別機能付歪ゲージ。
【請求項2】
歪ゲージのゲージ面端部に電圧を印加することによって発光する発光体を設けるとともに、前記歪ゲージのリード線の一部を、この発光体に電圧を印加するための導線と兼用させてなることを特徴とする貼付位置識別機能付歪ゲージ。
【請求項3】
前記請求項1または2に記載の貼付位置識別機能付歪ゲージの発光体に電圧を印加するための導線に、電源と通電開閉手段とを接続して発光体点灯回路を形成し、前記発光体に前記電源電圧を印加または遮断する機能を付与したことを特徴とする貼付位置識別機能付歪測定装置。
【請求項4】
前記請求項3に記載の貼付位置識別機能付歪測定装置において、前記発光体に発光ダイオードを用いる一方、前記電源電圧の印加によってこの発光ダイオードに流れる電流の流れ方向が、前記歪ゲージ計測時の印加電圧によって前記発光ダイオードに流れる電流の流れ方向と逆方向となるよう構成したことを特徴とする貼付位置識別機能付歪測定装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−134203(P2008−134203A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322146(P2006−322146)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】