説明

赤外線サーモグラフィ装置

【課題】 赤外線サーモグラフィ装置において、被検者についての視覚的情報と、温度分布情報とを同時に認識できるようにする。
【解決手段】 撮像部103と、赤外線検出部109と、可視画像を生成する第1の生成手段(104、105)と、検出された赤外線エネルギーに基づいて配色され、複数の赤外線検出素子に対応して配列された複数の矩形領域を含むサーモグラフィ画像を生成する第2の生成手段(111、105)と、サーモグラフィ画像に含まれるそれぞれの矩形領域の一部について、配色された色の透明度を変更することで生成したオーバーレイ用サーモグラフィ画像を前記可視画像にオーバーレイすることで、オーバーレイ画像を生成する画像オーバレイ処理部112と、オーバーレイ画像を表示する表示部113とを備えとを備え、表示手段には、検出された環境温度も併せて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線サーモグラフィ装置及び画像処理方法に関するものである。特に、携帯型の赤外線サーモグラフィ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、被検者の表面温度を検出する装置として、赤外線サーモグラフィ装置が知られている。赤外線サーモグラフィ装置は、被検者が放射する赤外線エネルギーを2次元に配列された赤外線検出素子により検出し、該各赤外線検出素子が検出した赤外線エネルギーのレベルに応じて、各赤外線検出素子の位置に対応する表示部上の各領域を色分けして画像表示する装置である。一般に、赤外線エネルギーは物体の温度と比例するため、赤外線サーモグラフィ装置を用いて被検者を測定することで、被検者の体表面の温度分布を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−16734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の赤外線サーモグラフィ装置は、被検者自体から放射される赤外線エネルギーを可視化するのみであり、その画像は可視スペクトル内の光を検知する人間の視覚とは根本的に異なっていた。このため、表示された画像から被検者の色、形等を認識することは困難であった。また、装置が高価で大掛かりなものであった。
【0005】
つまり、従来の赤外線サーモグラフィ装置の場合、温度分布情報のみが画像表示され、被検体についての視覚的情報については画像表示されていなかったため、被検体の様子を詳しく知ることができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、赤外線サーモグラフィ装置において、携帯でき、被検者についての視覚的情報と、温度分布情報とを同時に認識できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明に係る赤外線サーモグラフィ装置は、入射された光に含まれる可視光線を検出する可視光線検出手段と、入射された光に含まれる赤外線エネルギーを検出する赤外線検出手段と、可視光線検出手段により検出された可視光線に基づいて、可視画像を生成する第1の生成手段と、赤外線検出手段により検出された赤外線エネルギーのレベルに応じて配色され、赤外線検出手段に含まれる複数の赤外線検出素子の位置に対応して配列された複数の矩形領域を含むサーモグラフィ画像を生成する第2の生成手段と、サーモグラフィ画像に含まれるそれぞれの矩形領域の一部について、配色された色の透明度を変更することで、オーバーレイ用サーモグラフィ画像を生成する第3の生成手段と、オーバーレイ用サーモグラフィ画像を、可視画像にオーバーレイすることで、オーバーレイ画像を生成する第4の生成手段と、オーバーレイ画像を表示する表示手段と、環境温度検出も兼ねる基準温度検出用センサとを備え、表示手段には、検出された環境温度も併せて表示することを特徴とする。また、第3の生成手段は、サーモグラフィ画像に含まれるそれぞれの矩形領域のうち、所定幅の外周部を除く領域について、配色された色の透明度を変更することで、前記オーバーレイ用サーモグラフィ画像を生成することを特徴とする。また、第3の生成手段は、所定幅の外周部を除く領域について、配色された色の透明度を100%に変更することを特徴とする。また、第3の生成手段は、所定幅の外周部の色を、隣接する矩形領域の外周部の色に基づいて、変換することを特徴とする。また、表示手段は、配色された色と温度との関係を示す指標を更に表示することを特徴とする。また、表示手段は、使用者(ユーザ)により矩形領域が指定された場合に、指定された矩形領域に対応する被検者の領域の表面温度を更に表示することを特徴とする。本発明に係る赤外線サーモグラフィ装置における画像処理方法のプログラムコードが記憶されたコンピュータで読取り可能な記憶媒体であって、入射された光に含まれる可視光線を検出する可視光線検出ステップのプログラムコードと、入射された光に含まれる赤外線エネルギーを検出する赤外線検出ステップのプログラムコードと、可視光線検出工程において検出された可視光線に基づいて、可視画像を生成する第1の生成ステップのプログラムコードと、赤外線検出工程において検出された赤外線エネルギーのレベルに応じて配色され、複数の赤外線検出素子の位置に対応して配列された複数の矩形領域を含むサーモグラフィ画像を生成する第2の生成ステップのプログラムコードと、サーモグラフィ画像に含まれるそれぞれの矩形領域の一部について、配色された色の透明度を変更することで、オーバーレイ用サーモグラフィ画像を生成する第3の生成ステップのプログラムコードと、オーバーレイ用サーモグラフィ画像を、可視画像にオーバーレイすることで、オーバーレイ画像を生成する第4の生成ステップのプログラムコードと、オーバーレイ画像を表示する表示ステップのプログラムコードと表示手段には、検出された環境温度も併せて表示するステップのプログラムコードを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、赤外線サーモグラフィ装置において、被検者についての視覚的情報と、環境温度(外部温度)の温度分布情報とを同時に認識できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る赤外線サーモグラフィ装置の機能構成を示す図である。
【図2】赤外線サーモグラフィ装置100における測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】指定された矩形領域に対応する被検者の表面温度を数値で表示し、併せて外気温(環境温)も表示するように構成されたオーバーレイ画像の一例を示す図である。
【図4】オーバーレイ用サーモグラフィ画像の生成に際して、各矩形領域の内部の透明度を50%に設定した場合のオーバーレイ画像の指定された矩形領域に対応する被検者の表面温度を数値で表示し、併せて外気温(環境温)も表示するように構成されたオーバーレイ画像の一例を示す図である。一例を示す図である。
【図5】任意に選択された矩形領域に対応する被検者の表面温度を数値で表示し、併せて外気温(環境温)も表示するように構成されたオーバーレイ画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するがこの実施形態に限定されるものではない。
[第1の実施形態]
1.赤外線サーモグラフィ装置の機能構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯型赤外線サーモグラフィ装置100の機能構成を示す図である。装置全体は、電池または充電可能なバッテリ等で駆動される。図1に示すように、被検者から放射された赤外線と、被検者において反射された可視光線とを含む光は、レンズ群121、124、シャッタ122、絞り123等を含む光学系101を通って撮像部103に導かれる。
【0011】
シャッタ122はシャッタ制御回路115により制御され、絞り123は絞りモータ制御回路116により制御される。また、レンズ群のうちフォーカスレンズ124はフォーカスモータ制御回路117により制御される。
【0012】
撮像部103は、2次元に配列された複数の撮像素子それぞれが、被検体において反射された光を電気信号に変換して画像信号を生成する。画像信号はA/D回路104でデジタル信号に変換され、実行されるプログラム(例えば、表示部113の表示形態を変更するプログラム)や各種データが格納されているRAM,ROMを含み、装置全体を制御するための処理を実行するマイクロコンピュータ等のCPU105に供給される。CPU105では、供給されたデジタル信号を画像処理し、可視画像として画像オーバーレイ処理部112に供給する。なお、撮像部103は撮像素子駆動回路106により駆動制御される。
【0013】
一方、光学系101に入射された光のうちハーフミラー102により分岐された光は、A/F(オートフォーカス)センサ107に導かれる。A/Fセンサ107より出力されたセンサ信号はA/Fセンサ処理回路108において処理され、例えば位相検出方式により被検者までの距離(被検者距離情報)が算出される。
【0014】
算出された被検者距離情報はCPU105に供給される。CPU105では被検者距離情報に基づいてフォーカスモータ制御回路117を介してフォーカスレンズ124を制御する。
【0015】
更に、ハーフミラー102で分岐された光は、2次元に配列された複数の赤外線検出素子を含む赤外線検出部109に対しても入射される。赤外線検出部109では、分岐された光に含まれる被検者から放射された赤外線エネルギーを検出し、電気信号に変換する。
【0016】
なお、赤外線検出部109は、例えば4×4に配列されたサーモパイル型赤外線検出素子から構成され、赤外線検出素子制御回路107により駆動制御される。赤外線検出部109を構成するそれぞれの赤外線検出素子は、可視画像の各領域に対応する被検者の各部から放射された赤外線エネルギーを検出する。赤外線検出部109は、赤外線検出素子の他に、検出された赤外線から被検者の各部被測定部の温度を演算するために、赤外線検出素子自体の温度を測定するために基準温度測定用素子(不図示)も含んでいる。この基準温度測定用素子で測定される温度を外部温(環境温)として、表示部113に被検者の各部被測定部の温度情報と併せて表示することで、新たに外部温(環境温)測定用センサを設けなくてもよい。
【0017】
電気信号に変換された赤外線エネルギーは、A/D回路111において赤外線デジタル信号に変換され、CPU105に供給される。CPU105では、供給された赤外線デジタル信号を、エネルギーレベルに応じて予め定められた色に変換することで、サーモグラフィ画像を生成する。
【0018】
具体的には、例えば、赤外線検出素子が4×4に配列されている場合、それぞれの赤外線検出素子の位置に対応して配列された4×4の矩形領域からなるサーモグラフィ画像が生成される。配列数が多くなると、より詳細な測温情報が得られるが装置が高価になり、配列数が少ないと詳細な測温情報が得られなくなる。
【0019】
生成されたサーモグラフィ画像は画像オーバーレイ処理部112に供給され、可視画像にオーバーレイするのに適した画像(オーバーレイ用サーモグラフィ画像と称す。詳細は後述)に変換される。更に、オーバーレイ用サーモグラフィ画像は、同時に撮影された可視画像にオーバーレイされ、これによりオーバーレイ画像が生成される。
【0020】
画像オーバーレイ処理部112において生成されたオーバーレイ画像は、表示部113に供給され、表示部113において表示される。また、メモリ114に供給され、メモリ114に保存される。
【0021】
118は操作スイッチ(不図示),モード選択スイッチ(不図示),電源ON/OFF(不図示)スイッチを含む入力部であり、赤外線サーモグラフィ装置100に対するユーザ(被検者の場合もある)からの各種指示を受け付ける。モード選択スイッチの操作で、測定された体温表示の形態、測定された外気温(環境温)表示の形態、被検者の画像の透明度,拡大縮小等の表示形態、被検者の画像及び測定された体温,外気温表示の形態を変更する機能を有するものである。
【0022】
2.赤外線サーモグラフィ装置における測定処理の流れ
次に、赤外線サーモグラフィ装置100における測定処理の流れについて説明する。図2は、赤外線サーモグラフィ装置100における測定処理の流れを示すフローチャートである。
【0023】
入力部118を介して、使用者より測定処理の開始指示を受け付けると、図2に示す測定処理が開始される。
【0024】
ステップS201では、赤外線検出部109が所定の周期で赤外線エネルギーの検出を開始する。
【0025】
ステップS202では、A/D回路111が、順次、検出された赤外線エネルギーを赤外線デジタル信号に変換する。そして、CPU105が、該変換された赤外線デジタル信号に基づいてサーモグラフィ画像を生成する。なお、生成されたサーモグラフィ画像は、順次、画像オーバーレイ処理部112に供給される。
【0026】
ステップS203では、画像オーバーレイ処理部112が、サーモグラフィ画像に基づいて、オーバーレイ用サーモグラフィ画像を生成する。
【0027】
オーバーレイ用サーモグラフィ画像とは、サーモグラフィ画像に含まれる各矩形領域を、所定幅の外周部の色のみを残して、内部を透明に変換したものである。これは、サーモグラフィ画像をそのまま可視画像にオーバーレイしてしまうと、サーモグラフィ画像に含まれる各矩形領域の色により、可視画像が見えなくなってしまうからである。
【0028】
ステップS201〜S203の処理と並行して、ステップS204では、撮像部103が所定の周期で可視光線の検出を開始する。
【0029】
ステップS205では、A/D回路104が、順次、検出された可視光線をデジタル信号に変換する。そして、CPU105が、該変換されたデジタル信号を画像処理し、可視画像を生成する。なお、生成された可視画像は、順次、画像オーバーレイ処理部112に供給される。
【0030】
ステップS206では、画像オーバーレイ処理部112が、ステップS205において供給された可視画像に、ステップS203において供給されたオーバーレイ用サーモグラフィ画像をオーバーレイし、オーバーレイ画像を生成する。なお、ステップS205において供給される可視画像と、ステップS203において供給されるオーバーレイ用サーモグラフィ画像とは、互いに同期しているものとする(つまり、同じタイミングで検出された光に基づいて生成された画像であるとする)。
【0031】
ステップS207では、表示部113が、生成されたオーバーレイ画像と併せて4×4の矩形領域(16領域)の測温値を表示する。更に、ステップS208では、メモリ114が、生成されたオーバーレイ画像とともに測定された外気温(環境温)も4×4の矩形領域(16領域)の測温値を測定日時とともに格納する。こうすることで、現時点での情報の他に、過去に遡ってオーバーレイ画像とともに4×4の矩形領域(16領域)の測温値,外気温(環境温)を確認することが可能となる。
【0032】
なお、ステップS201からステップS208までの処理は、オーバーレイ画像1フレームを生成するための処理を示したものであり、実際は、使用者により測定終了の指示が入力されるまで、これらの処理が繰り返し実行されるものとする。
【0033】
3.オーバーレイ画像の説明
次に、画像オーバーレイ処理部112において生成されるオーバーレイ画像について説明する。図3は、オーバーレイ画像の一例を示す図である。
【0034】
図3に示すように、オーバーレイ画像300には、被検者の可視画像301と、可視画像301にオーバーレイされた、4×4の矩形領域の外周部からなるオーバーレイ用サーモグラフィ画像302とが含まれる。また、オーバーレイ用サーモグラフィ画像302を構成する色と、温度との関係を示した指標303が含まれる。
【0035】
図3に示すように、オーバーレイ用サーモグラフィ画像302は、矩形領域の内部が透明であるため、可視画像301にオーバーレイされた状態でも、ユーザは、可視画像301を見ることができ、被検者を認識することが可能である。
【0036】
また、オーバーレイ用サーモグラフィ画像302と指標303とが表示されているため、両者を対比することで、可視画像301の各領域の表面温度を認識することができる。つまり、ユーザは、オーバーレイ画像300に基づいて、被検体についての視覚的情報と環境温の情報とを同時に認識することができる。
【0037】
以上の説明から明らかなように、本実施形態による赤外線サーモグラフィ装置では、可視画像とサーモグラフィ画像とを同時に取得し、サーモグラフィ画像の各矩形領域の内部を透明にしたうえで可視画像にオーバーレイする構成とした。
【0038】
これにより、被検者についての視覚的情報と、温度分布情報とを同時に認識することが可能となった。
【0039】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、オーバーレイ用サーモグラフィ画像を生成するにあたり、各矩形領域の内部を完全に透明にすることとしたが、本発明はこれに限定されない。
【0040】
例えば、各矩形領域の内部の透明度を、100%〜0%の間で、ユーザが任意に設定できるように構成してもよい。
【0041】
図4は、オーバーレイ用サーモグラフィ画像の生成に際して、各矩形領域の内部の透明度を50%に設定した場合のオーバーレイ画像の一例を示す図である。
【0042】
図4に示すように、各矩形領域の内部の透明度が、100%でない場合でも、ユーザはある程度可視画像を認識することができるため、状況に応じて(温度分布を知りたいのか、被検者の様子を知りたいのかによって)、透明度の設定を変更可能とすることは、ユーザにとって有益である。
【0043】
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、オーバーレイ用サーモグラフィ画像を生成するにあたり、サーモグラフィ画像に含まれる各矩形領域のうち、所定幅の外周部を除く内部を透明に変換し、所定幅の外周部の色はそのまま残すこととしたが、本発明はこれに限定されない。
【0044】
例えば、所定幅の外周部の色を、隣接する矩形領域の外周部の色に基づいて、更に変換するように構成してもよい。
【0045】
例えば、所定幅の外周部の色を、隣接する矩形領域の外周部の色との中間色に変換するように構成してもよい。この場合、隣接する外周部どうしが、同じ色になる。
【0046】
あるいは、所定幅の外周部の色を、隣接する矩形領域の外周部の色に応じて、外周部の幅方向において、段階的に変化させるように構成してもよい。この場合、隣接する外周部間の幅方向において、色がグラデーション表示されることとなる。なお、グラデーション表示は、外周部の幅方向のみならず、長手方向において行うように構成してもよい。
【0047】
[第4の実施形態]
上記第1の実施形態では、オーバーレイ用サーモグラフィ画像302と指標303とを対比することで、被検体の各部の温度を認識できるようにする構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、オーバーレイ用サーモグラフィ画像を構成する各矩形領域のいずれかを指定できるようにし、当該指定された矩形領域に対応する被検者の表面温度を、数値で表示するように構成してもよい。
【0048】
図5は、指定された矩形領域に対応する被検体の表面温度を数値にて表示するように構成されたオーバーレイ画像の一例を示す図である。図5において、501はポインタであり、入力部118を介して、任意の矩形領域が指定できるように構成されているものとする。502は温度表示部であり、ポインタ501により指定された矩形領域に対応する位置の被検者の表面温度を表示し、環境温度も併せて表示する。
【0049】
図5の例では、ポインタ501により指定された矩形領域(4×4に配列された矩形領域のうち、右から2列目、上から2行目の矩形領域)に対応する位置の被検者(被検者の左目周辺)の表面温度が、37.4度であることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射された光に含まれる可視光線を検出する可視光線検出手段と、
前記入射された光に含まれる赤外線エネルギーを検出する赤外線検出手段と、
前記可視光線検出手段により検出された可視光線に基づいて、可視画像を生成する第1の生成手段と、
前記赤外線検出手段により検出された赤外線エネルギーのレベルに応じて配色され、該赤外線検出手段に含まれる複数の赤外線検出素子の位置に対応して配列された複数の矩形領域を含むサーモグラフィ画像を生成する第2の生成手段と、
前記サーモグラフィ画像に含まれるそれぞれの矩形領域の一部について、配色された色の透明度を変更することで、オーバーレイ用サーモグラフィ画像を生成する第3の生成手段と、
前記オーバーレイ用サーモグラフィ画像を、前記可視画像にオーバーレイすることで、オーバーレイ画像を生成する第4の生成手段と、
前記オーバーレイ画像を表示する表示手段と、環境温度検出も兼ねる基準温度検出用センサとを備え、
該表示手段には、該検出された環境温度も併せて表示することを特徴とする赤外線サーモグラフィ装置。
【請求項2】
前記第3の生成手段は、前記サーモグラフィ画像に含まれるそれぞれの矩形領域のうち、所定幅の外周部を除く領域について、配色された色の透明度を変更することで、前記オーバーレイ用サーモグラフィ画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の赤外線サーモグラフィ装置。
【請求項3】
前記第3の生成手段は、前記所定幅の外周部を除く領域について、配色された色の透明度を100%に変更することを特徴とする請求項2に記載の赤外線サーモグラフィ装置。
【請求項4】
前記第3の生成手段は、前記所定幅の外周部の色を、隣接する矩形領域の外周部の色に基づいて、変換することを特徴とする請求項3に記載の赤外線サーモグラフィ装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記配色された色と温度との関係を示す指標を更に表示することを特徴とする請求項1に記載の赤外線サーモグラフィ装置。
【請求項6】
前記表示手段は、使用者により矩形領域が指定された場合に、該指定された矩形領域に対応する被検体の領域の表面温度を更に表示することを特徴とする請求項4に記載の赤外線サーモグラフィ装置。
【請求項7】
赤外線サーモグラフィ装置における画像処理方法のプログラムコードが記憶されたコンピュータで読取り可能な記憶媒体であって、
入射された光に含まれる可視光線を検出する可視光線検出ステップのプログラムコードと、
前記入射された光に含まれる赤外線エネルギーを検出する赤外線検出ステップのプログラムコードと、
前記可視光線検出工程において検出された可視光線に基づいて、可視画像を生成する第1の生成ステップのプログラムコードと、
前記赤外線検出工程において検出された赤外線エネルギーのレベルに応じて配色され、複数の赤外線検出素子の位置に対応して配列された複数の矩形領域を含むサーモグラフィ画像を生成する第2の生成ステップのプログラムコードと、
前記サーモグラフィ画像に含まれるそれぞれの矩形領域の一部について、配色された色の透明度を変更することで、オーバーレイ用サーモグラフィ画像を生成する第3の生成ステップのプログラムコードと、
前記オーバーレイ用サーモグラフィ画像を、前記可視画像にオーバーレイすることで、オーバーレイ画像を生成する第4の生成ステップのプログラムコードと、
前記オーバーレイ画像を表示する表示ステップのプログラムコードと
該表示手段には、該検出された環境温度も併せて表示するステップのプログラムコードを備えることを特徴とする赤外線サーモグラフィ装置における画像処理方法のプログラムコードが記憶されたコンピュータで読取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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