説明

起動および作動停止磁気回路およびシステム

第一の方向に印加される磁場(40)の作用で第一の出力状態から第二の出力状態に変わり、もはや第一の方向に磁場が印加されていないときに第二の出力状態を保持し、かつ第二の方向に印加される磁場の作用で第二の出力状態から第一の出力状態に変わるよう動作可能に構成、配置されるラッチデバイス(20)と、電源(15)と負荷(35)とに結合される電力切り替えデバイス(30)であって、その電力切り替えデバイスは、ラッチデバイスに結合されていて、そのラッチデバイスと電力切り替えデバイスとは、ラッチデバイスが第一の状態にあるときに、電力切り替えデバイスが電源と負荷とを接続し、ラッチデバイスが第二の状態にあるときに、電源と負荷とを切断するよう動作可能に構成、配置されており、ラッチデバイスは、電源と電力切り替えデバイスとの間で電源に接続されている電力切り替えデバイスと、ラッチデバイスと電源との間の磁気切り替えデバイス(25)であって、その磁気切り替えデバイスは、開放デフォルト切断状態を有し、第一の方向に磁場が印加されるとき、開放デフォルト状態から閉接続状態に変わり、かつ磁場が取り除かれるとき開放デフォルト状態に戻るよう動作可能に構成、配置されており、ラッチデバイスと磁気切り替えデバイスとは、第一の方向に印加される磁場によって、磁気切り替えデバイスが開放デフォルト状態から閉接続状態に変わり、それによって、ラッチデバイスに電力が供給され、かつラッチデバイスが第一の状態から第二の状態に変わり、それによって、電力切り替えデバイスに信号が送られて、電源と負荷とが接続されるように配置されている磁気切り替えデバイスとからなる回路(10)。その回路はさらに、電源およびラッチデバイス(22)に結合される第二の電力切り替えデバイス(33)と、第二の電力切り替えデバイスとラッチデバイスとに接続されるプロセッサー(27)であって、そのプロセッサーと第二の切り替えデバイスとは、プロセッサーが、第二の切り替えデバイスに、電源と切り替えデバイスとを接続し、そして電源と切り替えデバイスとを切断するよう周期的に命令するべくプログラムされているよう構成、配置されているプロセッサーとを備えていても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、回路に関し、より詳しくは、電子機器の起動および作動停止を制御する回路およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲み込むことのできるカプセルが、従来技術においてよく知られている。そのようなカプセルは、一般に、小さな錠剤の様なデバイスであって、患者が口に入れて飲み込むことができる。そのようなカプセルには、生理学的データを測定するためのセンサーが一つ以上含まれていることが周知である。さらには、これらのセンサーには、カプセルの本体内に収容されているバッテリーで電力が供給されるということも周知である。そのようなカプセルにおいて用いられるバッテリーは、使用される直前に起動して、バッテリーの寿命を最大にする必要がある。
【0003】
飲み込むことのできるカプセルにおける電子機器の起動および作動停止を制御する方法が、従来技術として複数知られている。しかしながら、これらの方法には、性能に関して各々重大な欠点がある。そのような方法の一つでは、「起動」リードスイッチシステムが用いられている。このシステムにおいては、外部の磁場がリードスイッチを起動状態に保持し、回路が開放されたままとなる。飲み込むことのできるカプセルが磁場から取り除かれると、リードスイッチは、回路を閉じ、それによってカプセルを起動する。この設計の大きな欠点の一つは、一旦作動してしまうと、外部と内部の二つの磁石が一列に保持されなければカプセルの作動を止めることができない、というものである。
【0004】
別の方法では、外部の磁石で操作可能な、自動リードスイッチと磁化可能なバイアス磁石の非対称設計が用いられている。カプセルの回路は、リードスイッチのオン/オフ状態を決定するバイアス磁石の磁化状態に依存して、選択的にオンとオフを切り替えることができる。しかしながら、この設計では、カプセルの作動を停止しようとするとき、失敗の率が高くなってしまい、また浪費されてしまうカプセルの数も多くなってしまう。
【0005】
別の方法では、胃のpHが低いというような、pHが特定の状態で溶ける物質が用いられている。その物質を溶かすのにpHが適切である胃腸器官の、ある領域にカプセルが一旦到達すると、以前は開放していた回路を閉じることができ、そうして、カプセルの電子機器が起動される。しかしながら、このシステムにはいくつもの欠点があり、飲み込む前に、起動部品とカプセルが機能するかどうかを測定することができなかったり、飲み込む前に、カプセルのセンサーを調整することができなかったり、カプセルが特定のpH領域に入る前に、胃腸器官の他の部分についてデータを得ることができなかったりする。
【0006】
他のシステムでは、一旦飲み込まれたカプセルを起動するのに、体の組織を通して送られる外部の誘因が用いられている。これらの誘因の例は、RFバーストや、磁場や、光である。しかしながら、これらのシステムには、pHで溶解する起動カプセルと同じ欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そうすると、飲み込むことのできるカプセルを起動し、また作動停止する信頼できる方法が必要である。
(発明の開示)
【課題を解決するための手段】
【0008】
単に例示を目的とし、いかようにも制限を加えずに、実施例を開示して、対応する部品、部位または表面を説明のために参照すると、本発明により、改良された回路(10)が提供されるが、それは、第一の方向に印加される磁場(40)の作用で第一の出力状態から第二の出力状態に変わり、磁場がもはや第一の方向に印加されなくなると第二の出力状態が保持され、第二の方向に印加される磁場の作用で第二の出力状態から第一の出力状態に変わるよう動作可能に構成、配置された磁気感応ラッチデバイス(20)と、電源(15)および負荷(35)に結合される電源切り替えデバイス(30)であって、その電源切り替えデバイスは、ラッチデバイスに結合されており、そのラッチデバイスと電源切り替えデバイスとは、ラッチデバイスが第一の状態にあるとき、電源切り替えデバイスが電源と負荷とを接続し、ラッチデバイスが第二の状態にあるとき、電源と負荷とを切断するよう動作可能に構成、配置され、ラッチデバイスは、電源と電源切り替えデバイスとの間で電源に結合されている電源切り替えデバイスと、ラッチデバイスと電源との間の磁気切り替えデバイス(25)であって、その磁気切り替えデバイスは、開放された切断デフォルト状態を有し、磁場が第一の方向に印加される間に開放デフォルト状態から閉接続状態へと変わり、磁場が取り除かれるとき開放デフォルト状態に戻るよう動作可能に構成、配置されており、ラッチデバイスと磁気切り替えデバイスとは、第一の方向に印加される磁場によって磁気切り替えデバイスが開放デフォルト状態から閉鎖接続状態へと変わり、それによってラッチデバイスに電力が供給されてラッチデバイスが第一の状態から第二の状態へと変わり、それによって電力切り替えデバイスに信号が送られて電源と負荷とを接続するように空間的に整列されている磁気切り替えデバイスとを備えている。
【0009】
電力切り替えデバイスは、第一の状態で導通し、第二の状態で非導通の電界効果トランジスタ(FET)であって良い。ラッチデバイスは、ホール効果ラッチであって良い。磁気切り替えデバイスは、リードスイッチであって良い。その回路はさらに、電源と負荷とを収容するカプセルを備えていてもよく、その負荷は、飲み込むことのできるカプセル中の電子機器であり、その電源は、飲み込むことのできるカプセル中の電池であって良い。磁気切り替えデバイスは、磁場がいずれかの方向に印加されるとき、開放デフォルト状態から閉鎖接続状態に変わっても良い。ラッチデバイスは、磁場がもはや第一の方向に印加されなくなると、第一の出力状態を維持するよう動作可能に構成、配置されていても良い。ラッチデバイスはさらに、電力切り替えデバイスと負荷との間の電源に結合されていても良い。
【0010】
その回路はさらに、電源およびラッチデバイス(20)に結合される第二の電力切り替えデバイス(33)と、第二の電力切り替えデバイスおよびラッチデバイスに結合されるプロセッサー(27)とを備え、そのプロセッサーと第二の切り替えデバイスとは、そのプロセッサーが、第二の切り替えデバイスに、電源とラッチデバイスとを接続し、電源とラッチデバイスとを切り離すよう命令すべくプログラムされるように構成、配置されていても良い。第二の電源切り替えデバイスは、第一の状態で導通し、第二の状態で非導通の電界効果トランジスタであっても良く、またプロセッサーは、第二の電力切り替えデバイスと通信して、ラッチデバイスに供給される電力を制御するために導通状態と非導通状態との間で第二の切り替えデバイスを切り替えても良い。プロセッサーは、電力切り替えデバイスと結合されていて、ラッチデバイスから第一の入力信号状態(3HI)を検知し、第一の入力信号の作用で電力切り替えデバイス(30)に動作可能信号(1)を提供し、第一の入力信号が途絶えるときに動作可能信号を維持するようにプログラムされていても良い。プロセッサーは、ラッチデバイスから第二の入力信号状態(3LO)を検知し、第二の入力信号の作用で電力切り替えデバイスへの動作可能信号を止めるようプログラムされていても良い。電力切り替えデバイスは、電界効果トランジスタであって、プロセッサーが動作可能信号を提供するとき導通し、プロセッサーが動作可能信号を提供しないとき非導通であってもよい。プロセッサーはさらに、電力切り替えデバイスと負荷との間の電池に結合されていても良い。
【0011】
したがって、一般的な目的は、飲み込むことのできるカプセルまたはその他の電子機器の起動および作動停止のためのデバイスおよび方法を提供することである。
【0012】
これらのおよびその他の目的および利点は、前述のおよび後述の明細書、図面および特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】回路の好ましい実施例を示す概略図である。
【図2】回路の好ましい実施例を示す概略図である。(好ましい実施例の説明)
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0014】
最初に、はっきりと理解しておくべきことは、いくつかの図面を通じて全体に一貫して、同じ参照番号は、同一の構成要素、部分、または表面を特定することを意図しているということであり、それは、そのような要素、部分、または表面は、この、発明の詳細な説明が必須の部分である明細書全体によって、さらに記述または説明されているからである。特に断りが無い限り、図面は明細書と一緒に読むこと(例えば、斜線、部品、部分、角度等の配置)を意図しており、この発明の全体の記述の一部であると考えるべきである。以下の記述で用いられているように、「水平の」「垂直の」「左」「右」「上」および「下」ならびにそれらの形容詞形および副詞形の派生語(例えば、「水平に」「右方向に」「上方向に」等)は、特定の図面が読者に面しているときに例示される構造の配向について単純に言及している。同様に、「内方向に」および「外方向に」という語は、一般には、延長軸または回転軸に対する表面の配向について適切に言及している。
【0015】
ここで、図面、より詳しくは、図1を参照すると、この発明は、新規で改良された起動および作動停止回路を提供しており、その現在の好ましい実施例は、全体が10で指示されている。好ましい実施例において、電池で電力が供給され、飲み込むことのできるカプセルには、そのカプセルの電子部品を選択的にオンおよびオフとする回路10が備わっている。図1に示されるように、回路10は、電池15とカプセル電子機器35との間で作動し、大きくは、ゲート素子25、ラッチ20およびゲート素子30を含んでいる。
【0016】
ラッチ20は、ホール効果ラッチであり、典型的には、数ミリ角で、磁石40が生成するような磁場の存在およびその極性に選択的に応答する磁気センサー22を収容している。好ましい実施例において、磁石40は、N極とS極を有する低価格の永久磁石である。閾値を超える一方向の磁束にさらされると、ラッチ20は、その出力端子を所定の論理状態に設定する。磁場がラッチの近傍から取り除かれると、ラッチは、同じ所定の論理状態を保持する。反対方向で十分な強度の磁束にさらされると、ラッチは、その出力端子を反対の論理状態に設定する。磁場がラッチの近傍から取り除かれると、ラッチは、この反対の論理状態を保持する。基本的には、ラッチは、閾値レベルを超える、いずれかの方向の最後の磁場に対応する論理状態を「記憶」して保持する。
【0017】
ラッチ20の出力が、電池15と電子機器35との間にあってそれらに結合されるゲート素子、すなわち、スイッチ30に印加される。好ましい実施例において、ゲート30は、pチャンネル電界効果トランジスタ(FET)スイッチであり、それは、ラッチ20の出力状態、すなわち、HIまたはLO、に依存して非導通または導通の状態をとるという機能を有する。FETのゲートは、ラッチ20の出力を受けて、FETのオン/オフ状態、すなわち、導通および非導通、をそれぞれ制御する。
【0018】
好ましい実施例において、電源オフの状態(それには、カプセルが保管されているとき、または医療の診察に使用されるまでの間も含まれている)において、非常に漏れが少ないFETスイッチ30を選択することによって、電池15の寄生による損失が低くなる。電源オフ状態におけるカプセルの保管時間が、期待される最大のものについて、受け入れ可能なまでに電池の消費が低くなり得るよう、漏れは十分小さくなければならない。
【0019】
さらには、カプセルがオンであるときの回路10の電流消費は、カプセルの合計作動時間があからさまに短くならないよう、カプセルの通常の平均作動電流と比べて小さくなければならない。回路10の電流消費は主として、ホール効果ラッチ20が作動しているときは、その電流要件によって決まる。ラッチ20が、内部制御回路を用いてそれ自体を低電力条件に置き、周期的に電力をオンにするだけで磁場状態を検知して抽出し、出力状態を設定し、そして電力をダウンするというオンチップの電力管理構成を組み込むことによって、大きく電力がセーブされる。これが、非常に低い負荷サイクルで行われ、結果として平均電流損失がそれに対応して低くなる。
【0020】
加えて、ラッチ20の電流損失を制限するために、好ましい実施例においては、ラッチ20は、図1に示されるように、FET30の切り替えられる側から電力が供給される。しかしながら、図1に示されるように、FET30は、その電力オン制御のためにラッチ20に依存しており、ラッチ20は、その電源のためにFET30に依存している。それゆえ、第二のゲート素子、すなわち、スイッチ25が、電池15とラッチ20との間に備えられる。好ましい実施例において、スイッチ25は、磁場が印加されているときに一時的にラッチ20に電力を供給するリードスイッチである。リードスイッチ25は、磁石40によっていずれかの方向に十分に強い磁場が提供されているとき、オンとなる。一旦ラッチ20が電源オンとなり、磁気センサー22を用いて磁場を検出すると、ラッチ20は、その出力を電源オンに対応する状態に設定し、それによって、FET30を導通状態に設定する。磁石40が供給する磁場は取り除くことができ、ラッチ20とカプセルの電子機器35への電力は維持される。
【0021】
同様に、磁束が反対方向に印加されると、ラッチ20は電源オフ状態に設定され、そのため、FET30が非導通状態に切り替わり、それによって、ラッチ20への電力の接続が取り除かれる。ラッチ20とカプセルは、磁石40の磁場が取り除かれるまで、リードスイッチ25が一時的に閉じて電力を受け続ける。このように、カプセルを強制的に電源オンとするためには、適切な方向の磁場を一時的に印加しさえすれば良く、それで、カプセルは電源がオンのままとなる。同様に、カプセルを強制的に電源オフとするためには、反対方向の磁場を一時的に印加すればよく、そして、電源がオフのままとなる。磁気検出のためのラッチ20の抽出速度は、磁場の存在を「捉える」には十分速い。20ミリセカンド未満のオーダーという典型的な速度が、人間の動きおよび応答時間について、このことを有効に達成する。
【0022】
システム10は、磁場が比較的低いレベルで作動し、据え付けられた外部または内部の(永久または「磁化できる」)いずれのバイアス磁石にも依存せず、受け入れ可能な低い電池消費しか必要とせず、費用が安くかつホール効果デバイスについて証明済みの信頼性をもって機能する。
【0023】
リードスイッチ25無しで機能するよう、回路10を構成できるとも考えられる。この回路は、機能的である一方で、電池15からの電力を損失する。しかしながら、電力が無制限であったり、電池寿命が有り余ったりしておれば、この回路もまた、電子部品を選択的に起動したり作動停止したりするであろう。
【実施例2】
【0024】
図2は、代わりの実施例11を例示する。この実施例もまた、電池15とカプセルの電子機器35との間で作動し、大きくは、リードスイッチ25と、(磁気センサー22を備える)ホール効果ラッチ20と、FETスイッチ30と、マイクロプロセッサー27と、第二のFETスイッチ33とを含んでいる。ホール効果ラッチ20は、それ自体の電力管理のためにマイクロプロセッサー27を用いている。この構成において、マイクロプロセッサー27とカプセルの電子機器35の双方への電力は、pチャンネルFET30が、切り替えを行うか、ゲートで制御するかする。ホール効果ラッチ20への電力は、pチャンネルFET33が、切り替えを行うかゲートで制御するかする。リードスイッチ25は、一連の電源オンシーケンスを開始するために、マイクロプロセッサー27に電力を一時的に印加するのに用いられ、またカプセルがオフであるときは、漏れ電流から隔離してくれる。
【0025】
電源オン動作のために、永久磁石40が、リードスイッチ25と磁気センサー22を収容するホール効果ラッチ20の近傍に持ち込まれる。そうして、リードスイッチ25が閉じて、電力をマイクロプロセッサー27とその他のカプセル電子機器35に印加する。ラッチ20は、磁場に応答しないが、それは、FET33が最初に強制的にオフ状態とされており、ラッチ20が電力を利用できないからである。マイクロプロセッサー27がプログラムを実行し始めるや否や、それは、ゲート制御で出力2をLO状態とし、そのため、FET33が強制的にオンとされ、それによって、ラッチ20に電力が印加される。ゲート制御の間に、ラッチ20は、磁場を検知して、磁場の方向(最初はオン配向)にしたがってそれを出力信号(HIまたはLO)に設定する。ラッチの出力は、入力3へと送られ、それをマイクロプロセッサー27が読み取って磁場の配向を測定する。それがオンに配向されているので、マイクロプロセッサー27は、次に出力1をLO状態に設定し、それによって、FET30を強制的にオンとして、リードスイッチ25のまわりに電力導通路を提供する。この時点で、カプセルの電力はオンの条件に保持されており、磁石40をカプセルから取り出すことができる。ここで、リードスイッチ25は、開放しているが、マイクロプロセッサー27とFET30は電力オン接続を保持する。そして、マイクロプロセッサー27が、周期的に出力2をゲート制御してスイッチ33を非導通から導通状態に変え、続いて入力3を読み取ることによって、電力が供給されて動作可能であるラッチ20を介して磁場を検知する。磁場が存在しておらなければ、ラッチ20は、その前の状態を保持し、出力1に対して充電が行われず、その結果、カプセルの電子機器の電力状態に対し、充電が起こらない。しかしながら、入力3が(カプセルを電源オフとする)磁場の反転を検出すると、プロセッサー27は、FET30をオフとするように出力1を設定する。FET30をオフとすることで、電池15、カプセルの電子機器35およびマイクロプロセッサー27の間の接続が切断される。しかしながら、カプセルが電源オフとなるのは、磁石40が引き出されるときで、それによって、リードスイッチ25が開放され、電池15からの電力を完全に切断する。このように、この第二の実施例の回路構成は、第一の好ましい実施例の回路構成におけるのと同じように、磁石40に反応する。
【0026】
本発明は、変更や修正が行われることを想定している。それゆえ、目下好ましい形のシステムが示され記述されており、かつ少なくとも一つの変更が説明されている一方で、以下の特許請求の範囲によって定義され、識別されるような発明の精神から逸脱することなく、様々な変更および修正を追加して行えることが、当業者には直ちに理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路であって、第一の方向に印加される磁場の作用で第一の出力状態から第二の出力状態に変わり、前記磁場がもはや前記第一の方向に印加されなくなっても前記第二の出力状態を保持し、第二の方向に印加される磁場の作用で前記第二の出力状態から前記第一の出力状態に変わるよう動作可能に構成、配置された磁気感応ラッチデバイスと、
電源と負荷の間に結合される電源切り替えデバイスと、を備え、
前記電源切り替えデバイスは、前記ラッチデバイスに結合されており、前記ラッチデバイスと前記電源切り替えデバイスとは、前記ラッチデバイスが前記第一の状態にあるとき、前記電源切り替えデバイスが前記電源と前記負荷とを接続し、前記ラッチデバイスが前記第二の状態にあるとき、前記電源と前記負荷とを切断するよう動作可能に構成、配置され、
前記ラッチデバイスは、前記電源と前記電源切り替えデバイスとの間で前記電源に結合され、さらに
前記ラッチデバイスと前記電源との間の磁気切り替えデバイスを備え、
前記磁気切り替えデバイスは、開放された切断デフォルト状態を有し、前記磁場が前記第一の方向に印加される時に前記開放デフォルト状態から閉じた接続状態へと変わり、前記磁場が取り除かれるとき前記開放デフォルト状態に戻るよう動作可能に構成、配置されており、
前記ラッチデバイスと前記磁気切り替えデバイスとは、前記第一の方向に印加される前記磁場によって、前記磁気切り替えデバイスが前記開放デフォルト状態から前記閉じた接続状態へと変わり、それによって、前記ラッチデバイスに電力が供給されて、前記ラッチデバイスが前記第一の状態から前記第二の状態へと変わり、それによって、前記電力切り替えデバイスに信号が送られて、前記電源と前記負荷とを接続するように空間的に整列されている
回路。
【請求項2】
前記電源切り替えデバイスが、前記第一の状態において導通し、前記第二の状態で非導通の電界効果トランジスタである請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記ラッチデバイスが、ホール効果ラッチである請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記磁気切り替えデバイスが、リードスイッチである請求項1に記載の回路。
【請求項5】
さらに、前記電源および前記負荷を収容するカプセルを備える請求項1に記載の回路。
【請求項6】
前記負荷が、飲み込むことのできるカプセル中に電子機器を備える請求項1に記載の回路。
【請求項7】
前記電源が、飲み込むことのできるカプセル中に電池を備える請求項1に記載の回路。
【請求項8】
前記磁気切り替えデバイスが、前記第二の方向に前記磁場が印加されるとき、前記開放デフォルト状態から前記閉じた接続状態に変わるよう適合されている請求項1に記載の回路。
【請求項9】
前記ラッチデバイスが、前記第二の方向に前記磁場がもはや印加されていないときに、前記第一の出力状態を保持するよう動作可能に構成、配置されている請求項1に記載の回路。
【請求項10】
前記ラッチデバイスが、前記電源切り替えデバイスと前記負荷との間で前記電源にさらに結合されている請求項1に記載の回路。
【請求項11】
前記ラッチデバイスと結合され、前記ラッチデバイスへの電力を管理するようプログラムされ構成されているプロセッサーをさらに備えている、請求項1に記載の回路。
【請求項12】
前記電源および前記ラッチデバイスに結合される第二の電源切り替えデバイスと、
前記第二の電源切り替えデバイスおよび前記ラッチデバイスに結合されるプロセッサーと
をさらに備え、
前記プロセッサーおよび前記第二の切り替えデバイスは、前記プロセッサーが、前記第二の切り替えデバイスに、前記電源と前記ラッチデバイスとを接続したり、前記電源と前記ラッチデバイスとを切断したりするよう命令するべくプログラムされるよう構成、配置されている
請求項1に記載の回路。
【請求項13】
前記第二の電力切り替えデバイスは、第一の状態で導通し、第二の状態で非導通の電界効果トランジスタである請求項12に記載の回路。
【請求項14】
前記プロセッサーは、前記第二の電力切り替えデバイスと通信し、前記ラッチデバイスへの電力を制御するために、前記導通状態と前記非導通状態との間で前記第二の切り替えデバイスを切り替える請求項13に記載の回路。
【請求項15】
前記プロセッサーは、
前記ラッチデバイスからの第一の入力信号を検知し、
前記第一の入力信号の作用で前記電力切り替えデバイスに動作可能信号を供給し、かつ
前記第一の入力信号が途絶えるときに前記動作可能信号を維持するよう
前記電力切り替えデバイスと結合されプログラムされている請求項12に記載の回路。
【請求項16】
前記プロセッサーは、前記ラッチデバイスからの第二の入力信号を検知し、前記第二の入力信号の作用で前記電力切り替えデバイスへの前記動作可能信号を止めるようプログラムされている請求項15に記載の回路。
【請求項17】
前記電力切り替えデバイスが、前記プロセッサーが前記動作可能信号を提供するときに導通し、前記プロセッサーが前記動作可能信号を提供しないとき非導通な電界効果トランジスタである請求項16に記載の回路。
【請求項18】
前記プロセッサーが、前記電力切り替えデバイスと前記負荷との間で前記電池に結合されている請求項12に記載の回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2010−537772(P2010−537772A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523993(P2010−523993)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/009849
【国際公開番号】WO2009/032064
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(509065861)ザ スマートピル コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】