説明

超伝導体ケーブルおよび磁気デバイス

【課題】ケーブル及びコイルに有用な超伝導体製品を提供する。
【解決手段】
超伝導体製品は、重ね合わされ、かつ、屈曲時に個々の中立軸(1150,1250)を有する多層の超伝導体テープ(1100,1200)を備えている。その製品は特にケーブル及びコイルに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超伝導体ケーブルおよび磁気デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な構造体を有するテープのような多層の超伝導体製品が開発されている。そのような製品はしばしば基材と超伝導体層を含む。通常、基材と超伝導体層の間に1つまたは複数のバッファ層が配置される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
概して、本発明は超伝導体ケーブルおよび磁気デバイスに関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの態様では、本発明は第1の超伝導体材料で形成された第1の層と第1の導電体材料で形成された第2の層を含む製品を特色とする。この製品はまた、第2の超伝導体材料で形成された第3の層と第2の導電体材料で形成された第4の層も含む。第2の層は第1の層に機械的に結合され(例えば、それらの端部以外の複数個所で機械的に結合され)、第4の層は第3の層に機械的に結合される(例えば、それらの端部以外の複数個所で機械的に結合される)。第2および第4の層は電気的に接続している。第1および第2の層は屈曲時に機械的中立軸を有し、それは屈曲時の第3および第4の層の機械的中立軸とは異なる。
【0005】
ここで使用する「機械的に結合した」という語句は、1つの層が他の層に関係なく動く可能性を大幅に低減する(例えば取り除く)2つの層の間(例えばそれらの界面)の力に関係する。機械的に結合した層の1つの例は一体に化学結合される2つの層である。機械的に結合した層の別の例は一体に金属結合される2つの層である。機械的に結合した層の追加の例は、それらの間の接着層に各々接着される2つの層である。2つの層(またはテープのような他の製品)が概して、2つの層の外側から(それらの界面に対向して)作用する力によって層(または製品)が互いに向かって圧力で保持されているときは機械的に結合されていないことに注意すべきである。例えば、もしも2枚のテープが絶縁材内部に包まれ、それがテープを互いに近接させて保つ圧力を供給する場合、この力自体がテープを機械的に結合させることはないが、しかしそうでない場合にはテープは機械的に結合されていることが可能である(例えばテープが化学結合または金属結合される場合)。
【0006】
第2および第4の層が互いに無関係に動くことが可能となるように製品が構成されることが可能である。
第1及び第2の超伝導体材料は同じであるか、または異なることが可能である。例えば、超伝導体の一方または両方がYBCOのような希土類の超伝導体材料であることが可能である。
【0007】
第1及び第2の導電性材料は同じであるか、または異なることが可能である。例えば、第1及び第2の導電性材料は金属(例えば銅)または合金(例えば銅合金)であることが可能である。
【0008】
第1及び第2の層はテープの形態であることが可能である。第2と第3の層はテープの形態であることが可能である。
この製品はさらに第1及び第2の基材を含むことが可能である。第1の層は第1の基材と第2の層の間にあることが可能であり、第3の層は第2の基材と第4の層の間にあることが可能である。
【0009】
この製品はさらに第1及び第2のバッファ層を含むことが可能である。第1のバッファ層は第1の基材と第1の層の間にあることが可能であり、第2のバッファ層は第2の基材と第3の層の間にあることが可能である。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の基材層は第1の層、第1のバッファ層、および第2の層を組み合わせた厚さとほぼ等しい厚さを有する。
ある種の実施形態では、第4の層は第3の層、第2のバッファ層、および第2の基材層を組み合わせた厚さとほぼ等しい厚さを有する。
【0011】
この製品はさらに第1及び第2のキャップ層を含むことが可能である。第1のキャップ層は第1及び第2の層の間にあることが可能であり、第2のキャップ層は第3及び第4の層の間にあることが可能である。
【0012】
この製品はさらに第2と第4の層の間に介在層を含むことが可能である。この介在層は概して導電性の材料で形成され、例えば第2と第4の層の酸化を低減させ、かつ/または第2と第4の層の間の摩擦を低減させることが可能である。いくつかの実施形態では、介在層は少なくとも部分的に形成されるか、またはグラファイトである。
【0013】
また別の態様では、本発明は第1及び第2の螺旋状に巻かれた超伝導体のテープを含む製品(例えばケーブル)を特色とする。第1のテープが超伝導体層と導電層を備え、第2のテープが超伝導体層と導電層を備える。第1及び第2のテープの導電層は電気的に接続している(例えば、複数の場所で互いに接触するといったことによって複数の位置で電気的に接続している)。第1の螺旋巻きの超伝導体テープが機械的中立軸を有し、第2の螺旋巻きの超伝導体テープが異なる機械的中立軸を有する。
【0014】
第1及び第2の螺旋巻きの超伝導体テープは、それらが互いに無関係に動くことが可能となるように構成されることが可能である。
この製品はさらに成形素子を含むことが可能であり、その周りに第1及び第2のテープが螺旋状に巻かれる。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1および/または第2の超伝導体テープの超伝導体層は機械的に圧縮される。
第1及び第2の螺旋巻きの超伝導体テープは共通の螺旋軸を有することが可能である。
【0016】
いくつかの実施形態では、この製品はさらに第3及び第4の螺旋巻きの超伝導体テープを含む。第3の螺旋巻きの超伝導体テープが超伝導体層と導電層を備え、第4の螺旋巻きの超伝導体テープが超伝導体層と導電層を含む。第3及び第4の螺旋巻きの超伝導体テープの導電層は(例えば、複数の場所で互いに接触することによって)複数個所の電気的接続を有する。第3及び第4の螺旋巻きの超伝導体テープは共通の螺旋軸を有することが可能である。
【0017】
ある種の実施形態では、第1及び第2の螺旋巻きの超伝導体テープの導電層は少なくとも部分的に重なり合う。いくつかの実施形態では、第1及び第2の螺旋巻きの超伝導体テープの導電層は実質的に全体で重なり合う。
【0018】
さらなる態様では、本発明は第1及び第2の複数の螺旋巻きテープを含む製品を特色とする。第1の複数の螺旋巻きの超伝導体テープでは、各々のテープが超伝導体材料の層と導電性材料の層を備え、かつ各々のテープが第1の方向で並列に巻かれる。第2の複数の螺旋巻きの超伝導体テープでは、各々のテープが超伝導体材料の層と導電性材料の層を備え、かつ各々のテープが第1の方向と反対の第2の方向で並列に巻かれる。第1の複数のテープの中の各々のテープの導電性材料の層は第2の複数のテープの中の各々のテープの導電性材料の層と(例えば、複数の場所で互いに接触することによって)複数個所の電気的接続を有する。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の複数の螺旋巻きの超伝導体テープは共通の螺旋軸を有する。
ある種の実施形態では、第1の複数の超伝導体テープの中の各々のテープの導電層は、少なくとも部分的に第2の複数の超伝導体テープの中の各々のテープの導電層と重なり合う。
【0020】
この製品のテープの各々は屈曲時に、他のいかなるテープの屈曲時の機械的中立軸とも異なる機械的中立軸を有することが可能である。
追加的な態様では、本発明は第1及び第2のコイル巻きされた超伝導体テープを含む超伝導磁気コイルを特色とする。各々のコイル巻きされた超伝導体テープはそれぞれのコイル軸の周りにコイル巻きされる。第1のコイル巻き超伝導体テープは超伝導体層と導電層を含む。第1のコイル巻き超伝導体テープの導電層は第1のコイル巻き超伝導体テープの内側表面を形成する表面を有する。第1のコイル巻き超伝導体テープの内側表面は第1のコイル巻き超伝導体テープのコイル軸に面する。第2のコイル巻き超伝導体テープは超伝導体層と導電層を含む。第2のコイル巻き超伝導体テープの導電層は第2のコイル巻き超伝導体テープの外側表面を形成する表面を有する。第2のコイル巻き超伝導体テープの外側表面は第2のコイル巻き超伝導体テープのコイル軸から離れる方向に面する。第1及び第2のコイル巻き超伝導体テープは、第1の超伝導体テープの内側表面が第2の超伝導体テープの外側表面と隣接するように構成される。
【0021】
磁気コイル内の第1及び第2の超伝導体テープは互いに異なる機械的中立軸を有することが可能である。いくつかの実施形態では、第1及び第2のコイル巻き超伝導体テープは互いに接触している。
【0022】
ある種の実施形態では、第1及び第2のコイル巻き超伝導体テープは一体化して巻かれる。いくつかの実施形態では、第1の超伝導体テープのコイル軸は第2の超伝導体テープのコイル軸と同じである。
【0023】
ある種の実施形態では、第1及び第2の超伝導体テープは互いの周りにコイル巻きされる。いくつかの実施形態では、第1の超伝導体テープの超伝導体層と導電層が機械的に結合され(例えばそれらの端部以外の複数個所で機械的に結合され)、第2の超伝導体テープの超伝導体層と導電層が機械的に結合される(例えばそれらの端部以外の複数個所で機械的に結合される)。
【0024】
ある種の実施形態では、第1および/または第2の超伝導体テープの超伝導体層は機械的に圧縮される。この超伝導磁気コイルはさらに、隣接する第1及び第2の超伝導体テープの間に配置された介在層を含むことが可能である。
【0025】
この超伝導磁気コイルはさらに第3及び第4のコイル巻きされた超伝導体テープを含むことが可能である。第3及び第4のコイル巻き超伝導体テープの各々はそれぞれのコイル軸の周りにコイル巻きされる。第3のコイル巻き超伝導体テープは超伝導体層と導電層を含む。第3のコイル巻き超伝導体テープの導電層は第3のコイル巻き超伝導体テープの内側表面を形成する表面を有する。第3のコイル巻き超伝導体テープの内側表面は第3のコイル巻き超伝導体テープのコイル軸に面する。第4のコイル巻き超伝導体は超伝導体層と導電層を含む。第4のコイル巻き超伝導体テープの導電層は第4のコイル巻き超伝導体テープの外側表面を形成する表面を有する。第4のコイル巻き超伝導体テープの外側表面は第4のコイル巻き超伝導体テープのコイル軸から離れる方向に面する。第3及び第4のコイル巻き超伝導体テープは、第3の超伝導体テープの内側表面が第4の超伝導体テープの外側表面と隣接するように構成される。
【0026】
本超伝導体製品の構造体(例えばテープ、ケーブルおよび/または磁気コイル)は、製品が曲げられるときに(例えば、機械的中立軸に、またはその下にあることによって)多数の超伝導体層が同時に圧縮されることを可能にすることがあり得る。
【0027】
本超伝導体製品の構造体(例えばテープ、ケーブルおよび/または磁気コイル)は、例えば1つまたは複数の超伝導体層の欠陥(例えばクラック、粒界などのような局在欠陥)に起因する低下した電流密度の危険性を削減することが可能である。
【0028】
本超伝導体製品の構造体(例えばテープ、ケーブルおよび/または磁気コイル)は、例えば冗長導電経路を通る電流共有、交流条件下の低下したヒステリシス損失、促進された電気的安定性、および/または促進された熱的安定性を結果的に生じさせることが可能である。
【0029】
本超伝導体製品の構造体(例えばテープ、ケーブルおよび/または磁気コイル)は有利な応力プロファイルおよび/または向上した機械的特性を結果的に生じさせることが可能である。
【0030】
本超伝導体製品の構造体(例えばテープ、ケーブルおよび/または磁気コイル)は向上した機械的安定性、向上した電気的安定性、促進された電流搬送能力、および/または製造の好都合な経済性を提供することが可能である。
【0031】
本超伝導体製品の構造体(例えばテープ、ケーブルおよび/または磁気コイル)は屈曲時の動作超伝導体(複数)層の機械的劣化を減少させることが可能である。
本超伝導体製品の構造体(例えばテープ、ケーブルおよび/または磁気コイル)は製品を永久接続することを比較的容易にする。
【0032】
本超伝導体製品の構造体(例えばテープ、ケーブルおよび/または磁気コイル)はテープの積層および/または導体素子の終端処理の達成を比較的容易にすることが可能である。
【0033】
本超伝導体製品の構造体(例えばテープ、ケーブルおよび/または磁気コイル)は、例えば超伝導体材料の中の局在欠陥に起因する加熱を減少させることが可能である。
本超伝導体製品(例えばテープ、ケーブルおよび/または磁気コイル)は、例えば電気的、磁気的、電子−光学的、誘電性、熱的、機械的、および/または環境上(例えば保護)の用途といった多様な用途に使用されることが可能である。
【0034】
本発明のその他の特徴、目的、および利点は説明と図面、および特許請求項から明らかになるであろう。様々な図中で類似した参照記号は類似した要素を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は、多層の超伝導体テープ1100と1200を含む超伝導体製品1000の実施形態の断面を示している。テープ1100は基材1110、バッファ層1120、超伝導体層1130、および導電性のスタビライザ層1140を含む。同様に、テープ1200は基材1210、バッファ層1220、超伝導体層1230、および導電性のスタビライザ層1240を含む。テープ1100および1200内の複数の層はそれらの対応する隣接層に(例えば化学結合もしくは金属結合されて)機械的に結合される(例えばそれらの端部以外の複数個所で機械的に結合される)が、しかしテープ1100と1200はそれらが互いに無関係に動くことが可能となるように構成され、その理由は、スタビライザ層1140と1240は互いに接触して電気的に接続されているが、スタビライザ層1140の表面440はスタビライザ層1240の表面470に機械的に結合されていない(例えば化学結合もしくは金属結合していない)からである。
【0036】
たとえ局在欠陥が超伝導体層1130および/または1230内に存在していても、製品1000の構造体でもって電流はテープ1100と1200に沿って、またはそれらの間で容易に伝搬することが可能である。例えば、局在欠陥(例えばクラック、粒界など)が超伝導体層1130内に存在するケースでは、欠陥付近の電流はスタビライザ層1140および1240を通って超伝導体層1230内へと分路されることが可能である。同様にして、もしも局在欠陥が超伝導体層1230内に存在するならば、欠陥付近の電流はスタビライザ層1240および1140を通って超伝導体層1130内へと分路されることが可能である。これは、テープに隣接する超伝導体層が互いに電気的に接続されていないある種の他の超伝導体製品と比較して、製品1000の電気的安定性および/または電流搬送能力の両方を促進することが可能である。
【0037】
さらに、製品1000の構造体は超伝導体層1130および/または1230のうちの一方の中に局在欠陥が存在しないときでさえ促進された電気的安定性および/または促進された電流搬送能力を供給することが可能であるが、その理由はこれらの層がスタビライザ層1140と1240を介して互いに電気的に接続されており、それにより、隣接するテープの超伝導体層が互いに電気的に接続されていない他のシステムと比較して製品1000内で電気的に接続されている導電性材料(超伝導体を含む)の体積を増加させるからである。
【0038】
付け加えると、テープ1100と1200を互いに無関係に動くことを可能にすることによって、テープ1100と1200はある種の応力条件下に晒されるとき(例えばケーブルもしくは磁気コイル内に形成されるといった屈曲を受けるとき)にそれら各々がそれら独自の機械的中立軸(すなわち最も低い歪み領域)を有するように設計されることが可能である。これは例えば図2に示されており、そこではテープ1100と1200が曲げられている。テープ1100は機械的中立軸1150を有し、テープ1200は機械的中立軸1250を有する。理論で縛りつけるまでもなく、膨張されるときよりも圧縮されるときに超伝導体層1130と1230は高い臨界電流密度を有すると考えられる。テープ1100と1200は独立した機械的中立軸を有するので、テープ1100と1200は、屈曲時に超伝導体層1130と1230がそれぞれ機械的中立軸1150と1250に位置するか、もしくは、その下に位置するように設計されることが可能である。これは、テープ1100と1200が曲げられるときに超伝導体層1130と1230が同時に圧縮状態になることを可能にする。
【0039】
いくつかの実施形態では、機械的中立軸からの超伝導体層の距離はテープの厚さの約10%未満(例えば約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満)である。
【0040】
ある種の実施形態では、テープ1100および/または1200の中の複数の層の厚さは、テープ1100および/または1200が曲げられるときに超伝導体層1130および/または1230それぞれが機械的中立軸1150および/または1250それぞれに、またはそれらよりも下にあるように選択されることが可能である。例を挙げると、いくつかの実施形態では、基材1110の厚さはスタビライザ層1140、超伝導体層1130およびバッファ層1120を組み合わせた厚さとほぼ同じかまたはそれよりも大きい。例えば、基材1110の厚さは層1140、1130と1120の組み合わせの厚さよりも少なくとも約1%大きい(例えば少なくとも約2%大きい、少なくとも約3%大きい、少なくとも約4%大きい、少なくとも約5%大きい、少なくとも約8%大きい、少なくとも約10%大きい)ことが可能である。別の例を挙げると、ある種の実施形態では、スタビライザ層1240の厚さは基板1210、バッファ層1220、および超伝導体層1230を組み合わせた厚さとほぼ同じかまたはそれよりも大きい。例えば、層1240の厚さは層1210、1220と1230の組み合わせの厚さよりも少なくとも約1%大きい(例えば少なくとも約2%大きい、少なくとも約3%大きい、少なくとも約4%大きい、少なくとも約5%大きい、少なくとも約8%大きい、少なくとも約10%大きい)ことが可能である。
【0041】
いくつかの実施形態では、層1110は約20ミクロンから約80ミクロンの厚さ(例えば約30ミクロンから約70ミクロンの厚さ、約40ミクロンから約60ミクロンの厚さ、約50ミクロンの厚さ)である。
【0042】
ある種の実施形態では、層1120は約0.1ミクロンから約0.5ミクロンの厚さ(例えば約0.2ミクロンから約0.4ミクロンの厚さ、約0.3ミクロンの厚さ)である。
【0043】
いくつかの実施形態では、層1130は約0.7ミクロンから約1.3ミクロンの厚さ(例えば約0.8ミクロンから約1.2ミクロンの厚さ、約0.9ミクロンから約1.1ミクロンの厚さ、約1ミクロンの厚さ)である。
【0044】
ある種の実施形態では、層1140は約45ミクロンから約51ミクロンの厚さ(例えば約46ミクロンから約50ミクロンの厚さ、約47ミクロンから約49ミクロンの厚さ、約48.7ミクロンの厚さ)である。
【0045】
いくつかの実施形態では、層1210は約20ミクロンから約80ミクロンの厚さ(例えば約30ミクロンから約70ミクロンの厚さ、約40ミクロンから約60ミクロンの厚さ、約50ミクロンの厚さ)である。
【0046】
ある種の実施形態では、層1220は約0.1ミクロンから約0.5ミクロンの厚さ(例えば約0.2ミクロンから約0.4ミクロンの厚さ、約0.3ミクロンの厚さ)である。
【0047】
いくつかの実施形態では、層1230は約0.7ミクロンから約1.3ミクロンの厚さ(例えば約0.8ミクロンから約1.2ミクロンの厚さ、約0.9ミクロンから約1.1ミクロンの厚さ、約1ミクロンの厚さ)である。
【0048】
ある種の実施形態では、層1240は約48ミクロンから約53ミクロンの厚さ(例えば約49ミクロンから約52ミクロンの厚さ、約50ミクロンから約52ミクロンの厚さ、約51.3ミクロンの厚さ)である。
【0049】
通常、基材1110と1210は従来の基材材料で形成される。そのような基材材料には、例えばニッケル、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、鉄、クロム、バナジウム、パラジウム、モリブデンまたはそれらの合金といった金属および合金が含まれる。
【0050】
バッファ層1120と1220は概して従来のバッファ層材料で形成される。そのような材料の例には銀、ニッケル、CeO2、Y23、TbOx、GaOx、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、LaAlO3、SrTiO3、Gd23、LaNiO3、LaCuO3、SrTuO3、NdGaO3、NdAlO3、MgO、AlN、NbN、TiN、VNおよびZrNといった金属、金属酸化物および/または金属酸化物が含まれる。
【0051】
概して、超伝導体層1130と1240は希土類酸化物の超伝導体材料で形成される。そのような材料の例には希土類バリウム銅酸化物(例えばYBCO、GdBCOおよびErBCO)のような希土類銅酸化物超伝導体が含まれる。
【0052】
通常、テープ1100と1200内の基材/バッファ層/超伝導体層の配列はエピタキシャル成長を介して形成される。したがって、基材1110、バッファ層1120および超伝導体層1130の表面432、434および436はそれぞれ、普通ではテクスチャ加工(例えば2軸方向テクスチャ加工または立方体テクスチャ加工)される。同様に、基材1210、バッファ層1220および超伝導体層1230の表面484、482および470はそれぞれ、普通ではテクスチャ加工(例えば2軸方向テクスチャ加工または立方体テクスチャ加工)される。
【0053】
スタビライザ層1140と1240は、概して、金属および/または合金といった導電性材料で形成される。層1140および1240を形成可能な材料の例には銅、ニッケル、銀およびそれらの合金が含まれる。
【0054】
概して、テープはその幅もしくは全幅よりもかなり大きな長さ寸法を有する。例の寸法は高さで数百マイクロメートル(例えば少なくとも1マイクロメートル、少なくとも2マイクロメートル、少なくとも5マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも1000マイクロメートル)であり、幅で数ミリメートルから数センチメートル(例えば少なくとも1ミリメートル、少なくとも2ミリメートル、少なくとも5ミリメートル、少なくとも10ミリメートル、少なくとも20ミリメートル)であり、長さで数分の1メートルから数千メートル(例えば少なくとも0.01メートル、少なくとも0.2メートル、少なくとも0.1メートル、少なくとも1メートル、少なくとも10メートル、少なくとも100メートル)である。
【0055】
いくつかの実施形態では、超伝導体テープ1100と1200は超伝導体ケーブル内に含まれることが可能である。図3と4は超伝導体ケーブル400の一実施形態の一部分の平面図と断面図をそれぞれ示しており、そこではケーブル400の層404が超伝導体テープ1100から形成され、ケーブル400の層406が超伝導体テープ1200から形成される。テープ1100と1200は相対的に互いに無関係に動くように構成される(例えばそれらは互いに機械的に結合されない)。テープ1100は螺旋軸420の周りに螺旋状に巻かれ、それによってテープ1100の表面430は螺旋軸420の方を向き、テープ1100の表面440は螺旋軸420から離れる方向を向く。テープ1100によって形成される螺旋は螺旋ピッチ450を有し、それはテープ1100が360°巻かれる螺旋軸420に沿った距離に相当する。概して、ピッチ450は所望の通りに変えられることが可能である。例を挙げると、ピッチ450はテープ1100の交互の巻きが互いに隣接するようにテープ1100の幅とほぼ等しくてもよい。別の例を挙げると、ピッチ450はテープ1100の幅よりもはるかに長いかまたは短くてもよい。
【0056】
テープ1200はテープ1100の上に、かつテープ1100と逆の方向で螺旋軸420の周りに螺旋状に巻かれる。テープ1200は表面470が螺旋軸420の方を向き、かつ表面480が螺旋軸420から離れる方向に向いた状態で巻かれる。テープ1200は螺旋ピッチ490を有し、それは概して所望の通りに変えられることが可能である。例を挙げると、螺旋ピッチ490はテープ1200の交互の巻きが互いに隣接するようにテープ1200の幅とほぼ等しくてもよい。螺旋ピッチ490は螺旋ピッチ450とほぼ同じか、またはそれよりも短くても、または長くてもよい。
【0057】
テープ1200の表面470はケーブルに沿って個所499で周期的にテープ1100の表面440と接触する。通常、個所499はテープ1100と1200の電気的接続の個所であり、スタビライザ層1140と1240を介してテープ1100と1200の間で電流が通ることを可能にする。
【0058】
図4を参照すると、ケーブル400は成形素子401の周りにテープ1100と1200を巻くことによって形成されることが可能である。場合によっては、成形素子401は巻き付け後に取り除かれることが可能であり、あるいはケーブル400の構造要素としてその場に残されることも可能である。場合によっては、あるいは追加的に、成形素子401は、テープ1100および/または1200を(例えば超伝導体層1130および/または1230の臨界温度と同じかまたはそれよりも下の温度に)冷却するためにケーブル400に極低温流体を供給するのに使用可能である。
【0059】
超伝導体テープの各々の層が単一のテープを所定の方向で螺旋軸の周りに螺旋状に巻くことによって形成される実施例を説明してきたが、本発明はそのように限定されるものではない。
【0060】
例を挙げると、複数(例えば2本、3本、4本、5本、6本、7本、8本など)の超伝導体テープが螺旋軸の周りに同じ方向で互いの傍で螺旋状に巻かれることで1層の超伝導体テープを形成することが可能である。図5Aは、螺旋軸520の周りに同じ方向で互いの傍で螺旋状に巻かれる2本の超伝導体テープ1100aと1100bを含むケーブル500の層の実施形態の平面図である。図5Bは、4本のテープ810、820、830、および840を含む超伝導体ケーブル800の実施形態の平面図である。2本のテープ810と820は第1の螺旋方向で成形素子801の周りに巻かれる。テープ810とテープ820は平行に巻かれる。2本の追加のテープ830と840は第1の螺旋方向と反対の第2の螺旋方向で成形素子801の周りでテープ810と820の上に巻かれる。テープ830とテープ840は平行に巻かれる。超伝導体ケーブルの各々の層の中で互いの傍で螺旋状に巻かれる超伝導体テープの数は超伝導体ケーブルの他の層の中で互いの傍で螺旋状に巻かれる超伝導体テープの数と同じかまたは異なっていることも可能である。いくつかの実施形態では、超伝導体ケーブルの1つの層が単一のテープで形成され、その一方で超伝導体ケーブルの他の1つまたは複数の層が互いに傍で巻かれる複数のテープで形成されることが可能である。
【0061】
別の例を挙げると、複数(例えば2本、3本、4本、5本、6本、7本、8本など)の超伝導体テープが互いに上に積層化され、その後、螺旋軸の周りに同じ方向で螺旋状に巻かれることで1層の超伝導体テープを形成することが可能である。そのような実施例では超伝導体テープがスタビライザ層が互いに接触する対を形成するようにテープは積層化される。図6は、互いに積層化されて螺旋軸620の周りに同じ方向で螺旋状に巻かれる2本の超伝導体テープ1100と1200で形成されるケーブル600の層の実施形態を示している。超伝導体ケーブル600の各々の層の中の互いに積層化された超伝導体テープの数は超伝導体ケーブル600の他の層の中の互いに積層化された超伝導体テープの数と同じか、または異なることが可能である。場合によっては、電気的に絶縁性の層がテープ1100と1200の間に配置されて巻かれることが可能である。
【0062】
いくつかの実施形態では、充分な電流伝達終端処理を有するケーブルが比較的容易に製造されることが可能であり、ケーブルの全体的な電流密度が比較的高くされることが可能である。例を挙げると、電流密度は約6000アンペア以上であることが可能である。
【0063】
ある種の実施形態では、超伝導体ケーブル内のテープのうちの1つまたは複数は自由表面を備えた導電性のスタビライザ層を有する可能性があり、それらのテープ層はケーブルの端部で分離されてその自由表面を露出させる。いくつかの実施形態では、スタビライザ(複数)層の露出された自由表面のうちの1つまたは複数は超伝導体テープに入る、および/またはそこから出る電流輸送の端子として使用可能である。
【0064】
ここに説明した超伝導体テープは超伝導体ケーブル内のそれらの使用法で検討されてきたが、この超伝導体テープは、例えば超伝導体コイル(例えば磁気コイル)のような他の用途に使用されることもやはり可能である。図7Aと7Bはそれぞれ、コイル軸630の周りに巻かれた多数巻き回(710、715、720、725など)を含む超伝導体コイル600の透視図と平面図を示しており、各々の巻き回が超伝導体テープ1100と1200によって形成される。テープ1100と1200は概して機械的に結合されていないが、しかしそれらのそれぞれの端部で機械的に結合されることが可能である。コイル600の各々の巻き回、テープ1100の表面440はテープ1100と1200が電気的につながるようにテープ1200の表面470に接触する。付け加えると、コイル600の隣接する巻き回で、テープ1100の表面430は隣接する巻き回のテープ1200の表面480に接触する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の材料(例えば電気絶縁性の布のような電気絶縁性の材料)が隣り合う巻き回の間(例えば隣り合う巻き回の表面430と480の間)にコイル巻きされることが可能である。
【0065】
超伝導体テープの1つの対で形成された各々の巻き回を有する超伝導体コイルの実施形態を説明してきたが、本発明はそのように限定されるものではない。概して、超伝導体コイルはどのような所望の数の超伝導体テープ対(例えば2テープ対、4テープ対、6テープ対、8テープ対など)で形成された各々の巻き回も有することが可能である。通常、巻き回内の各々のテープ対はスタビライザ層が互いに接触するように、各々のテープ対の中のテープが電気的につながるように、かつ隣り合うテープ対の基材が互いに接触するように構成される。
【0066】
これまでの説明はある複数層(基材、バッファ層、超伝導体層、およびスタビライザ層)を含む超伝導体テープに関連してきたが、本発明はこの意味に限定されるものではない。超伝導体テープは追加の層を含むことが可能である。これらの実施形態では、超伝導体の(複数)層がテープの機械的中立軸よりも下にあるように複数層が配列されることが好ましい。いくつかの実施形態では、テープ内の他の層の組み合わせ厚さとほぼ同じか、またはそれよりも大きい厚さを有するスタビライザを使用することによって、これを達成することが可能である。ある種の実施形態では、テープ内の他の層の組み合わせ厚さとほぼ同じか、またはそれよりも大きい厚さを有する基材を使用することによって、これを達成することが可能である。
【0067】
いくつかの実施形態では、超伝導体テープは複数のバッファ層(例えば2つのバッファ層、3つのバッファ層、4つのバッファ層など)を含むことが可能である。多数のバッファ層は互いに上に積層化されることが可能である。ある種の実施形態では、超伝導体テープは複数の超伝導体層を含むことが可能である。多数の超伝導体層は互いに上に積層化されることが可能である。超伝導体テープは複数の介在バッファ層と超伝導体層を含むことが可能である。
【0068】
いくつかの実施形態では、超伝導体テープは超伝導体層とスタビライザ層の間にキャップ層を含むことが可能である。キャップ層は、例えば、スタビライザ層が形成される材料よりも超伝導体材料との反応性が低い導電性材料で形成されることが可能である。ハンダが形成される可能性のある材料の例には銀、金、パラジウムおよびプラチナが含まれる。
【0069】
ある種の実施形態では、超伝導体テープはキャップ層とスタビライザ層の間にハンダ層を含むことが可能である。ハンダ層は、例えば、キャップとスタビライザ層の間の接着を補助することが可能である。ハンダ層が形成される可能性のある材料の例にはある種の鉛−スズを主原料とするハンダ(例えば鉛を約62%、スズを約36%および銀を約2%含むハンダ、または鉛を約95%およびスズを約5%含むハンダ)が含まれる。その他の適切なハンダは当業者に知られている。
【0070】
付け加えると、隣り合うテープのスタビライザ層が接触している超伝導体製品が説明されてきたが、他の実施形態もやはり可能である。さらに一般的には、スタビライザ層は必ずしも接触している必要はないが、しかし電気的に接続されており、各々のテープがその独自の機械的中立軸を有するように配列することが好ましい。例えば、隣り合うスタビライザ層の間の摩擦を減少させる導電性材料の層および/または隣り合うスタビライザ層の一方もしくは両方の酸化を低減させる導電性材料の層といった材料の層が隣り合うスタビライザ層の間に配置されることが可能である。いくつかの実施形態では、隣り合うスタビライザ層の間にグラファイトの層が配置されることが可能である。ある種の実施形態では、隣り合うスタビライザ層の間に二酸化モリブデンが配置されることが可能である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の隣り合うスタビライザ層は1種または複数種のグリース(例えば1種または複数種の導電性グリース)のような適切な潤滑材料を含む(例えば充填される)ことが可能である。ある種の実施形態では、隣り合うスタビライザの間に材料(例えばクロム、ニッケルおよび/またはある種の窒化物材料といった導電性材料)の硬質層(例えば薄い硬質層)が配置される(例えばスタビライザ層の一方もしくは両方の上に追加層として形成される)ことが可能である。
【0071】
ある種の実施形態では(例えばスタビライザ層が螺旋軸に面しているようにテープが構成されるとき)、スタビライザの厚さは基材、バッファおよび超伝導体層の組み合わせ厚さとほぼ同じかまたはそれよりも大きい。いくつかの実施形態では(例えばスタビライザ層が螺旋軸から離れる方向に面しているようにテープが構成されるとき)、スタビライザの厚さはバッファ層の厚さを省いて超伝導体層の厚さを省いた基材の厚さとほぼ同じかまたはそれよりも小さい。
【0072】
概して、2つの層が機械的に結合されるとき、それらはその端部以外の複数個所で機械的に結合されることが可能である。例を挙げると、それらは接触全表面に沿って機械的に結合されることが可能である。別の例を挙げると、それらはその表面に沿って断続して複数個所で機械的に結合されることが可能である。
【0073】
他の実施形態が特許請求項の中にある。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】2枚の超伝導体テープを含む超伝導体製品の実施形態の断面図である。
【図2】屈曲時の図1の超伝導体製品の実施形態の断面図である。
【図3】超伝導体テープの実施形態の平面図である。
【図4】図3の超伝導体テープの断面図である。
【図5A】超伝導体テープの実施形態の平面図である。
【図5B】超伝導体テープの実施形態の平面図である。
【図6】超伝導体テープの実施形態の断面図である。
【図7A】超伝導体磁気コイルの実施形態の斜視図である。
【図7B】超伝導体磁気コイルの実施形態の平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の超伝導体材料からなる第1の層と、
第1の導電性材料からなる第2の層であって、屈曲時に該第1及び第2の層が第1の機械的中立軸を有するように該第2の層が該第1の層に機械的に結合されていることと、
第2の超伝導体材料からなる第3の層と、
該第3の層に機械的に結合された第2の導電性材料からなる第4の層であって、それにより、屈曲時に該第3及び第4の層が該第1の機械的中立軸と異なる第2の機械的中立軸を有することと
からなり、該第2と第4の層が電気的に接続されている製品。
【請求項2】
前記第1の超伝導体材料が第1の希土類金属酸化物の超伝導体からなり、前記第2の超伝導体材料が第2の希土類金属酸化物の超伝導体からなる、請求項1に記載の前記製品。
【請求項3】
前記第1及び第2の希土類金属酸化物の超伝導体が同一である、請求項2に記載の前記製品。
【請求項4】
前記第1及び第2の希土類金属酸化物の超伝導体がYBCOからなる、請求項3に記載の前記製品。
【請求項5】
前記第1の導電性材料が第1の金属からなり、前記第2の導電性材料が第2の金属からなる、請求項1に記載の前記製品。
【請求項6】
前記第1及び第2の金属が同一である、請求項5に記載の前記製品。
【請求項7】
前記第1及び第2の金属が銅からなる、請求項6に記載の前記製品。
【請求項8】
前記第1及び第2の層が第1のテープの形態であり、前記第3及び第4の層が第2のテープの形態である、請求項1に記載の前記製品。
【請求項9】
第1及び第2の基材をさらに備え、前記第1の層が該第1の基材と前記第2の層の間にあり、かつ前記第3の層が該第2の基材と前記第4の層の間にある、請求項1に記載の前記製品。
【請求項10】
第1及び第2のバッファ層をさらに備え、該第1のバッファ層が前記第1の基材と前記第1の層の間にあり、該第2のバッファ層が前記第2の基材と前記第3の層の間にある、請求項9に記載の前記製品。
【請求項11】
前記第1の基材層が前記第1の層、前記第1のバッファ部分、および前記第2の層の組み合わせの厚さにほぼ等しい厚さを有する、請求項10に記載の前記製品。
【請求項12】
前記第4の層が前記第3の層、前記第2のバッファ部分、および前記第2の基材層の組み合わせの厚さにほぼ等しい厚さを有する、請求項11に記載の前記製品。
【請求項13】
第1及び第2のキャップ層をさらに備え、該第1のキャップ層が前記第1及び第2の層の間にあり、該第2のキャップ層が前記第3及び第4の層の間にある、請求項1に記載の前記製品。
【請求項14】
前記第2及び第4の層の間の介在層をさらに備え、該介在層が、前記第2と第4の層の酸化を減少させる第3の導電性材料からなる、請求項1に記載の前記製品。
【請求項15】
前記第2及び第4の層の間の介在層をさらに備え、該介在層が、前記第2と第4の層の間の摩擦を減少させる第3の導電性材料からなる、請求項1に記載の前記製品。
【請求項16】
前記第2及び第4の層の間のグラファイト層をさらに備えた、請求項1に記載の前記製品。
【請求項17】
前記製品が、前記第2と第4の層が互いに無関係に動くことが可能となるように構成される、請求項1に記載の前記製品。
【請求項18】
超伝導体層と導電層を含んで螺旋状に巻かれた第1の超伝導体テープからなり、該螺旋状に巻かれた第1の超伝導体テープが屈曲時に第1の機械的中立軸を有し、
超伝導体層と導電層を含んで螺旋状に巻かれた第2の超伝導体テープからなり、該螺旋状に巻かれた第2の超伝導体テープが屈曲時に第2の機械的中立軸を有し、該第2の機械的中立軸が該第1の機械的中立軸と異なり、
該第1及び第2の超伝導体テープの該導電層が電気的に接続されている製品。
【請求項19】
前記第1及び第2の超伝導体層が希土類金属酸化物の超伝導体からなる、請求項18に記載の前記製品。
【請求項20】
前記希土類金属酸化物の超伝導体がYBCOからなる、請求項19に記載の前記製品。
【請求項21】
前記第1及び第2の導電層が金属からなる、請求項18に記載の前記製品。
【請求項22】
前記金属が銅からなる、請求項21に記載の前記製品。
【請求項23】
さらに成形素子を備え、前記第1及び第2の超伝導体テープが該成形素子の周りに螺旋状に巻かれる、請求項18に記載の前記製品。
【請求項24】
前記第1及び第2の超伝導体テープの前記超伝導体層が機械的に圧縮される、請求項18に記載の前記製品。
【請求項25】
前記第1の超伝導体テープがさらに基材を備え、前記第2の超伝導体テープがさらに基材を備え、前記第1の超伝導体テープの前記超伝導体層が前記第1の超伝導体テープの該基材と前記第1の超伝導体テープの前記導電層の間にあり、前記第2の超伝導体テープの前記超伝導体層が前記第2の超伝導体テープの該基材と前記第2の超伝導体テープの前記導電層の間にある、請求項23に記載の前記製品。
【請求項26】
前記第1の超伝導体テープがさらにバッファ層を備え、前記第2の超伝導体テープがさらにバッファ層を備え、前記第1の超伝導体テープの該バッファ層が前記第1の超伝導体テープの前記基材と前記第1の超伝導体テープの前記超伝導体層の間にあり、前記第2の超伝導体テープの該バッファ層が前記第2の超伝導体テープの前記基材と前記第2の超伝導体テープの前記超伝導体層の間にある、請求項25に記載の前記製品。
【請求項27】
前記第1の超伝導体テープがさらにキャップ層を備え、前記第2の超伝導体テープがさらにキャップ層を備え、前記第1の超伝導体テープの該キャップ層が前記第1の超伝導体テープの前記超伝導体層と前記第1の超伝導体テープの前記導電層の間にあり、前記第2の超伝導体テープの該キャップ層が前記第2の超伝導体テープの前記超伝導体層と前記第2の超伝導体テープの前記導電層の間にある、請求項18に記載の前記製品。
【請求項28】
さらに前記第2と第4の層の間に介在層を備え、該介在層が、前記第2と第4の層の酸化を減少させる第3の導電性材料からなる、請求項18に記載の前記製品。
【請求項29】
さらに前記第2と第4の層の間に介在層を備え、該介在層が、前記第2と第4の層の間の摩擦を減少させる第3の導電性材料からなる、請求項18に記載の前記製品。
【請求項30】
さらに前記第2と第4の層の間にグラファイト層を備える、請求項18に記載の前記製品。
【請求項31】
前記製品は、前記第1及び第2の螺旋状に巻かれたテープが互いに無関係に動くことが可能となるように構成される、請求項18に記載の前記製品。
【請求項32】
前記第1及び第2の螺旋状に巻かれたテープが共通の螺旋軸を有する、請求項18に記載の前記製品。
【請求項33】
超伝導体層と導電層を含む第3の螺旋状に巻かれた超伝導体テープ、および、超伝導体層と導電層を含む第4の螺旋状に巻かれた超伝導体テープをさらに備え、該第3及び第4の超伝導体テープの導電層が複数の個所の電気的接続を有する、請求項18に記載の前記製品。
【請求項34】
前記第3及び第4の螺旋状に巻かれた超伝導体テープが共通の螺旋軸を有する、請求項33に記載の前記製品。
【請求項35】
ケーブルの形態にある、請求項18に記載の前記製品。
【請求項36】
前記第1及び第2の超伝導体テープの前記導電層が少なくとも部分的に重なり合う、請求項18に記載の前記製品。
【請求項37】
前記第1及び第2の超伝導体テープの前記導電層が実質的に完全に重なり合う、請求項18に記載の前記製品。
【請求項38】
第1の複数の螺旋状に巻かれた超伝導体テープを備え、該第1の複数の螺旋状に巻かれた超伝導体テープの中の各々のテープが超伝導体材料の層と導電性材料の層を備え、該第1の複数の螺旋状に巻かれた超伝導体テープの中の各々のテープが第1の方向で平行に巻かれ、
第2の複数の螺旋状に巻かれた超伝導体テープを備え、該第2の複数の螺旋状に巻かれた超伝導体テープの中の各々のテープが超伝導体材料の層と導電性材料の層を備え、該第2の複数の螺旋状に巻かれた超伝導体テープの中の各々のテープが該第1の方向と反対の第2の方向で平行に巻かれ、
該第1の複数のテープの中の各々のテープの該導電性材料の層が該第2の複数のテープの中の各々のテープの該導電性材料の層と複数個所の電気的接続を有する製品。
【請求項39】
前記第1及び第2の複数の螺旋状に巻かれた超伝導体テープが共通の螺旋軸を有する、請求項38に記載の前記製品。
【請求項40】
前記第1の複数の超伝導体テープの中の各々のテープの前記導電層が前記第2の複数の超伝導体テープの中の各々のテープの前記導電層と少なくとも部分的に重なり合う、請求項38に記載の前記製品。
【請求項41】
前記製品の中のテープの各々が、屈曲時のいかなる他のテープの機械的中立軸とも異なる屈曲時の機械的中立軸を有する、請求項38に記載の前記製品。
【請求項42】
超伝導磁気コイルであって、
コイル軸の周りにコイル巻きされた第1のコイル巻き超伝導体テープを備え、該第1のコイル巻き超伝導体テープが、
超伝導体層、および
該第1のコイル巻き超伝導体テープの内側表面を形成する表面を有する導電層を備え、該第1のコイル巻き超伝導体テープの該内側表面が該第1のコイル巻き超伝導体テープの該コイル軸に面し、
コイル軸の周りにコイル巻きされた第2のコイル巻き超伝導体テープを備え、該第2のコイル巻き超伝導体テープが、
超伝導体層、および
該第2のコイル巻き超伝導体テープの外側表面を形成する表面を有する導電層を備え、該第2のコイル巻き超伝導体テープの該外側表面が該第2のコイル巻き超伝導体テープの該コイル軸から離れる方向に面し、
該第1及び第2のコイル巻き超伝導体テープは、該第1の超伝導体テープの内側表面が該第2の超伝導体テープの該外側表面に隣接するように構成される超伝導磁気コイル。
【請求項43】
前記第1及び第2のコイル巻き超伝導体テープの前記導電層が互いに接触している、請求項42に記載の前記超伝導磁気コイル。
【請求項44】
前記第1及び第2のコイル巻き超伝導体テープが一緒に巻かれる、請求項42に記載の前記超伝導磁気コイル。
【請求項45】
前記超伝導体層が希土類金属酸化物の超伝導体からなる、請求項42に記載の前記超伝導磁気コイル。
【請求項46】
前記希土類金属酸化物の超伝導体がYBCOからなる、請求項45に記載の前記超伝導磁気コイル。
【請求項47】
前記導電層が金属からなる、請求項42に記載の前記超伝導磁気コイル。
【請求項48】
前記金属が銅からなる、請求項47に記載の前記超伝導磁気コイル。
【請求項49】
前記第1の超伝導体テープの前記コイル軸が前記第2の超伝導体テープの前記コイル軸と同一である、請求項42に記載の前記超伝導磁気コイル。
【請求項50】
前記第1及び第2の超伝導体テープが互いの周りにコイル巻きされる、請求項42に記載の前記超伝導磁気コイル。
【請求項51】
前記第1の超伝導体テープの前記超伝導体層と導電層が機械的に結合され、前記第2の超伝導体テープの前記超伝導体層と導電層が機械的に結合される、請求項42に記載の前記超伝導磁気コイル。
【請求項52】
前記第1及び第2の超伝導体テープの前記超伝導体層が機械的に圧縮される、請求項42に記載の前記超伝導磁気コイル。
【請求項53】
さらに前記隣り合う第1及び第2の超伝導体テープの間に配置された介在層を備え、該介在層が導電層からなる、請求項42に記載の前記超伝導磁気コイル。
【請求項54】
前記第1及び第2のコイル巻き超伝導体テープが異なる機械的中立軸を有する、請求項42に記載の前記超伝導磁気コイル。
【請求項55】
請求項42に記載の超伝導磁気コイルはさらに、
コイル軸の周りに巻かれた第3のコイル巻き超伝導体テープを備え、該第3のコイル巻き超伝導体テープが、
超伝導体層、および
該第3のコイル巻き超伝導体テープの内側表面を形成する表面を有する導電層を備え、該第3のコイル巻き超伝導体テープの該内側表面が該第3のコイル巻き超伝導体テープの該コイル軸に面し、
コイル軸の周りにコイル巻きされた第4のコイル巻き超伝導体テープを備え、該第4のコイル巻き超伝導体テープが、
超伝導体層、および
該第4のコイル巻き超伝導体テープの外側表面を形成する表面を有する導電層を備え、該第4のコイル巻き超伝導体テープの該外側表面が該第4のコイル巻き超伝導体テープの該コイル軸から離れる方向に面し、
該第3及び第4の超伝導体テープは、該第3の超伝導体テープの内側表面が該第4の超伝導体テープの該外側表面に隣接するように構成される超伝導磁気コイル。
【請求項56】
前記第3の超伝導体テープの前記コイル軸が前記第4の超伝導体テープの前記コイル軸と同一である、請求項55に記載の前記超伝導磁気コイル。
【請求項57】
前記第3及び第4の超伝導体テープが互いの周りにコイル巻きされる、請求項55に記載の前記超伝導磁気コイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2006−324255(P2006−324255A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198166(P2006−198166)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【分割の表示】特願2003−548322(P2003−548322)の分割
【原出願日】平成14年10月18日(2002.10.18)
【出願人】(500117059)アメリカン スーパーコンダクター コーポレイション (13)
【氏名又は名称原語表記】AMERICAN SUPERCONDUCTOR CORPORATION
【Fターム(参考)】