説明

超電導ケーブルの製造方法

【課題】電気絶縁層や断熱材層に含有される水分が少ない超電導ケーブルを製造することができる超電導ケーブルの製造方法を提供する。
【解決手段】超電導導体層の外周に電気絶縁層を有するケーブルコアが、内管と外管とからなり、両管の間に断熱材層を有する断熱管に収納された超電導ケーブルの製造において、コア(撚合物1)を乾燥容器10に収納して加熱した後真空引きし、電気絶縁層中の含有水分を低減する。この乾燥容器10と同様の真空状態が維持される押出機20にて内管を形成する。また、真空室において内管の外周に断熱材層を形成して、断熱材層中の含有水分を低減する。この真空室と同様の真空状態が維持される押出機にて外管を形成する。このように内管、外管を形成することで、電気絶縁層中や断熱材層中の水分が低減された状態が維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導導体層を有するケーブルコアと、このコアを収納する断熱管とを具える超電導ケーブルの製造方法に関するものである。特に、超電導導体層の外周に設けられる電気絶縁層や断熱管内に設けられる断熱材層の含有水分を低減することができる超電導ケーブルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力ケーブルとして、超電導ケーブルが検討されている。超電導ケーブルとして、例えば、図3に示す構成のものが提案されている。この超電導ケーブル100は、3心のケーブルコア110を断熱管120内に収納させた構成であり、各コア110は、中心から順にフォーマ111、超電導導体層112、電気絶縁層113、外部超電導層114、保護層115を具える。フォーマ111は、銅などの常電導材料からなる素線を撚り合せて形成され、このフォーマ111上に超電導線材を多層に螺旋状に巻回して超電導導体層112が形成される。超電導線材としては、酸化物超電導材料からなる複数本のフィラメントが銀シース中に配されたテープ状のものが代表的である。超電導導体層112の上にクラフト紙などの絶縁紙やPPLP(登録商標)などの半合成絶縁紙を巻回して電気絶縁層113が形成され、この絶縁層13の上に上述のような超電導線材を巻回して外部超電導層114が形成される。更に、外部超電導層114の上にクラフト紙などの絶縁紙を巻回して保護層115が形成され、ケーブルコア110が作製される。
【0003】
断熱管120は、内管121と外管122とからなる二重構造であり、両管121,122は、表面が平滑なフラット管や可撓性に優れる波付き管(コルゲート管)が利用される(特許文献1参照)。内管121の外周には断熱材(図示せず)が巻回されて、内管121と外管122との間に断熱材層を具える構成である。断熱材としては、ポリエステルフィルムの表面にアルミニウムを蒸着したスーパーインシュレーション(商品名)が代表的である。内管121と外管122との間は真空引きされる。断熱管120の外側には、防食層123を具える。このようなケーブルコア110と断熱管120とを具える超電導ケーブル100は、運転時、内管121の内周面とコア110の外周面との間に形成される空間に液体窒素などの冷媒を充填、流通して超電導導体層112や外部超電導層114を冷却する。このとき、電気絶縁層13は、冷媒に含浸された状態である。
【0004】
上記断熱管にケーブルコアを収納させた状態とするには、コアの外周に断熱管を形成することが挙げられる。特許文献2には、ケーブルコアの外周にステンレス板を配置し、コアを覆うように板を湾曲させ、板の両端縁を付き合わせて継ぎ目を溶接機などで溶接して、コアの外周にフラット管からなる内管を形成することや、溶接後にこの内管をコルゲータに導入して波付き管とすることが記載されている(特許文献2図4参照)。また、特許文献2には、ケーブルコアの外周にアルミニウムを押し出して内管を形成することが記載されている(特許文献2図6参照)。これら内管の外周に断熱材を巻回した後、上記内管と同様にして、断熱材層の外周に外管を設ける。
【0005】
【特許文献1】特開2001-4076号公報
【特許文献2】特開2001-67950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記内管や外管の形成は、通常、大気中にて行う。そのため、内管や外管を形成中、ケーブルコアに具える電気絶縁層や、内管の外周に具える断熱材層が空気中の水分を吸湿して、電気絶縁層や断熱材層が過度に水分を含む恐れがあるという問題がある。
【0007】
電気絶縁層の形成材料によく利用される絶縁紙や絶縁紙を含む絶縁材は、吸湿し易いものが多く、大気に曝されると、吸湿してしまう。そのため、予め乾燥させた絶縁材を用いても、電気絶縁層の形成や内管の形成を大気中で行うことで、電気絶縁層は大気中の水分を吸湿してしまう。また、コアの外周に内管が設けられると電気絶縁層の含有水分は、外部に逃げにくくなる。そして、電気絶縁層が過度の水分を含有している場合、この状態で内管内に冷媒が充填されると、絶縁層中の水分が冷媒に冷却されて固化し、この固化物により冷媒輸送路を閉塞させる恐れがある。ここで、超電導ケーブルを用いた電力供給線路において、タンクや冷凍機などを具えた冷却システムを配置し、冷却システムにて適切な温度や輸送圧力に調整させた冷媒をケーブルに供給し、侵入熱や輸送時の摩擦などにより昇温した冷媒をケーブルから排出して冷却システムに戻すといった冷媒の循環供給が提案されている。この冷却システムと超電導ケーブルの内管とこれらを接続する冷媒輸送用の配管とで冷媒輸送路が構築される。冷媒輸送路には、比較的断面積が小さい箇所が存在することがあり、冷媒の流通に伴って固化した水分(氷)がこのような箇所に輸送されると、冷媒輸送路を詰まらせる恐れがある。冷媒輸送路が閉塞されると、適切な温度の冷媒を超電導ケーブルに供給できず、コアを適切に冷却できなくなる。そのため、超電導導体層や外部超電導層を超電導状態に維持できなくなり、最悪の場合、線路の運転を停止しなければならない。
【0008】
一方、断熱材層の形成材料である断熱材も、上記絶縁材と同様に大気に曝されると、吸湿してしまうものがある。そのため、断熱材層の形成や外管の形成を大気中で行うことで、断熱材層は大気中の水分を吸湿する恐れがある。そして、断熱材層中に水分が存在する場合、この水分が気化すると断熱管の真空度を低下させる恐れがある。断熱材層は、その外周に外管を形成した後、内管と外管との間を真空引きすることで、断熱材層中の水分を概ね除去することができる。しかし、断熱材層の含有水分が多いと、上記真空引きに多大な時間を要する。内管と外管との間の真空引きは、例えば、ケーブル全体を加熱すると共に、ケーブルの一端側から吸引することで行う。そのため、数百m〜数kmといった長尺な超電導ケーブルでは、そもそも真空引きに長時間を要するが、断熱材層中の含有水分が多いと、全ての水分を気化して排気するのにより多くの時間が必要となる。時間を短縮させると水分が残留し、この水分が気化して真空度を低下させる恐れがある。断熱管は、長期間に亘り超高真空状態を維持することが要求されるため、真空度の低下の原因となる水分は、十分に排出させる必要がある。時間を短縮させる方法として加熱温度を上げることが考えられる。しかし、ケーブルコアの形成部材には耐熱温度が低いものがあり、内管内にコアを収納させた状態で加熱する場合、コアの損傷防止を考慮すると、加熱温度の上昇には限界がある。
【0009】
そこで、本発明の主目的は、電気絶縁層や断熱材層の含有水分がより少ない超電導ケーブルを製造することができる超電導ケーブルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、内管や外管の形成前において、真空状態とすることで電気絶縁層や断熱材層中の含有水分を低減させ、引き続いてその真空状態を保持したまま、内管や外管を形成することで、上記目的を達成する。
【0011】
本発明超電導ケーブルの製造方法は、超電導導体層の外周に電気絶縁層を有するケーブルコアと、内管と外管とからなる二重構造であり、このコアを収納する断熱管とを具える超電導ケーブルを製造するものであり、以下の1〜3の工程を具える。
1 超電導導体層の外周に、絶縁紙を用いた絶縁材を巻回して電気絶縁層を形成し、ケーブルコアを形成する工程
2 真空状態で、ケーブルコアを加熱し、電気絶縁層中の含有水分を低減する工程
3 上記2の真空状態を保持したまま、ケーブルコアの外周に内管を形成する工程
【0012】
また、本発明超電導ケーブルの製造方法は、超電導導体層を有するケーブルコアと、内管と外管とからなる二重構造であり、このコアを収納する断熱管とを具える超電導ケーブルを製造するものであり、以下のI,IIの工程を具える。
I 真空状態で、内管の外周に、断熱材を巻回して断熱材層を形成し、断熱材層中の含有水分を低減する工程
II 上記Iの真空状態を保持したまま、断熱材層の外周に外管を形成する工程
【0013】
更に、本発明超電導ケーブルの製造方法は、上記電気絶縁層の水分低減及び内管の形成に関する工程と、上記断熱材層の水分低減及び外管の形成に関する工程との双方を具える。具体的には、本発明超電導ケーブルの製造方法は、超電導導体層の外周に電気絶縁層を有するケーブルコアと、内管と外管とからなる二重構造であり、このコアを収納する断熱管とを具える超電導ケーブルを製造するものであって、以下の1〜5の工程を具える。
1 超電導導体層の外周に、絶縁紙を用いた絶縁材を巻回して電気絶縁層を形成し、ケーブルコアを形成する工程
2 第一の真空状態で、ケーブルコアを加熱し、電気絶縁層中の含有水分を低減する工程
3 上記2の真空状態を保持したまま、ケーブルコアの外周に内管を形成する工程
4 第二の真空状態で、内管の外周に、断熱材を巻回して断熱材層を形成し、断熱材層中の含有水分を低減する工程
5 上記4の真空状態を保持したまま、断熱材層の外周に外管を形成する工程
【0014】
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明は、超電導導体層を具えるケーブルコアと、このコアを収納する断熱管とを具える超電導ケーブルを製造する。このような超電導ケーブルは、基本的には、ケーブルコアを形成した後、その外周に断熱管を形成する、或いはケーブルコアと断熱管とを別途形成した後、断熱管にコアを挿入させることで製造する。ケーブルコアが断熱管内に収納された状態とした後、断熱管の真空引きを行う。通常、断熱管が真空引きされた状態で超電導ケーブルを布設して電力供給線路を構築し、断熱管に冷媒を導入させ、冷媒を流通させた状態で線路の運転を行う。
【0015】
ケーブルコアの基本的構成としては、中心から順に、フォーマ、超電導導体層、電気絶縁層を有する構成が挙げられる。電気絶縁層の外周に超電導導体層と同様に超電導材料からなる外部超電導層、その外周に保護層を有する構成、更に、超電導導体層と電気絶縁層との間、電気絶縁層と外部超電導層との間に半導電層を有する構成とすることができる。
【0016】
フォーマは、常電導材料、例えば、銅やアルミニウムなどの導電性の金属材料にて中実状又は中空状に形成する。より具体的には、例えば、エナメルなどの絶縁層を具える被覆銅線を複数本撚り合わせて形成する。超電導導体層は、例えば、超電導材料、代表的にはBi2223系超電導材料といった酸化物超電導材料からなる線材を上記フォーマの外周に単層又は多層に巻回して形成する。超電導導体層を多層とする場合、層間絶縁層を設けてもよい。層間絶縁層は、例えば、クラフト紙などの絶縁紙を巻回して設ける。この超電導導体層の外周に電気絶縁層を形成する。電気絶縁層を形成する絶縁材は、プラスチックなども考えられるが、冷媒が含浸され易いクラフト紙に代表される絶縁紙を含むものが好適である。具体的には、クラフト紙といった絶縁紙、絶縁紙とプラスチックフィルムとからなる半合成絶縁紙などが挙げられる。半合成絶縁紙は、例えば、クラフト紙にポリプロピレンフィルムをラミネートしたPPLP(登録商標)が利用できる。これら絶縁紙を用いた絶縁材は、大気中に曝すと吸湿し易いため、電気絶縁層を形成する前に乾燥させて、含有水分を低減させることが好ましい。乾燥方法としては、絶縁材に乾燥空気を吹き付けたり、絶縁材を加熱したり、絶縁材を容器に入れて真空引きを行うなどが挙げられる。電気絶縁層は、このような絶縁材を超電導導体層の外周に巻回して形成する。絶縁材は、例えば、巻回し易いようにテープ状(帯状)としておく。超電導導体層の外周に内部半導電層を具える場合、内部半導電層は、超電導導体層の外周にカーボン紙などを巻回して形成することが挙げられる。このとき、電気絶縁層は、この内部半導電層の外周に形成する。電気絶縁層の外周に外部超電導層を具える場合、外部超電導層は、上記超電導導体層と同様に超電導材料からなる線材を単層又は多層に巻回して形成することが挙げられる。電気絶縁層の外周に外部半導電層を具える場合、外部半導電層は、電気絶縁層の外周にカーボン紙などを巻回して形成することが挙げられる。このとき、外部超電導層は、この外部半導電層の外周に形成する。更に、外部超電導層の外周に保護層を具える場合、保護層は、外部超電導層の外周にクラフト紙などの絶縁紙を巻回して形成することが挙げられる。上記構成を具えるケーブルコアを収納する断熱管については、後述する。
【0017】
上述の手順により、電気絶縁層を有するケーブルコアが得られる。本発明では、このケーブルコアに対して、電気絶縁層に含有される水分を低減する処理を行う。そのため、本発明では、上記ケーブルコアの作製を大気中にて行うことを許容する。本発明は、上記水分の低減処理として、真空状態でケーブルコアを加熱することを提案する。ケーブルコアを加熱することで、電気絶縁層中に含まれる水分を効率よく気化し、かつ真空引きを行うことで、気化したガス(水蒸気)を効率よくコアの外部に除去できる。この水分低減処理を行うには、例えば、真空引き及び加熱が可能な乾燥容器を用いる。乾燥容器としては、ケーブルコアを収納可能な有底の筒状の本体と、本体に対して開閉自在に取り付けられる蓋部と、蓋部を閉じた状態で本体内部を真空引きする真空装置と、コアを加熱する加熱手段とを具えるものが挙げられる。ケーブルコアは、ドラムに巻き付けておくと、長尺な場合であっても簡単に乾燥容器に収納できる。このとき、乾燥容器は、本体の底面に回転自在に配置され、上記ドラムが搭載されるターンテーブルと、ターンテーブルを回転させる駆動装置とを具え、駆動装置によりターンテーブルを回転させることでドラムを回転させ、ケーブルコアが後述する内管形成装置側に繰り出される構成とすることが挙げられる。ドラムとターンテーブルとが一体となった構成のものを利用してもよい。このとき、ケーブルコアは、例えば、形成後一旦別のドラムに巻き付けておき、ターンテーブルのドラムに巻き直したり、形成されたコアがターンテーブルのドラムに巻き取られるようにする。ケーブルコアを収納する本体は、蓋部を閉じることで密閉されるものとする。加熱部は、本体内部に配置させてもよいが、本体や蓋部の外部に配置し、本体や蓋部を介してケーブルコアを加熱する構成してもよい。後者の場合、本体や蓋部の外周に沿って配管を配置し、この配管に加熱蒸気などの加熱流体を導入して流通する構成、本体や蓋部の外周にヒータを配置する構成などが挙げられる。このような乾燥容器を用いて電気絶縁層の含有水分を低減するには、ケーブルコアを本体内に収納して蓋部を閉めて本体内部を密閉した後、加熱部によりコアを加熱すると共に、真空装置により本体内部を真空引きすることで行う。この水分低減処理において真空度は、電気絶縁層が適切に乾燥される程度であればよく、断熱管に求められるような高真空(1×10-3〜1×10-5Pa程度)にしなくても比較的低真空でよい。具体的には、1×10-1〜10Pa程度が挙げられる。乾燥させた電気絶縁層の具体的な水分含有量は、3質量%以下程度、好ましくは、0.1質量%以下が挙げられる。
【0018】
本発明製造方法は、断熱管内にケーブルコアを1心具える単心ケーブルだけでなく、ケーブルコアを2心以上具える多心ケーブルの製造にも適用することができる。多心ケーブルを製造する場合、通常、ケーブルコアを形成した後、所定数のコアを撚り合わせた状態で断熱管に収納する。そこで、多心ケーブルを製造する場合、所定数のコアを撚り合わせてから上記水分低減処理を施してもよいし、上記水分低減処理を施したコアを撚り合わせてもよい。後者の場合、上記水分低減処理を施したコアを所定数用意し、引き続いて真空状態で撚り合せを行うことが好ましい。多数条のケーブルコアを真空状態にて撚り合わせるには、例えば、コアの撚り合せに用いられる撚合機を撚合用真空室に配置させ、この真空室を上記乾燥容器と同様の真空状態が維持されるように構成する。このとき、複数のコアを一つの乾燥容器に収納して上記水分低減処理を行い、撚合用真空室にこの乾燥容器を接続して、撚合機に各コアが供給されるようにしたり、各コアをそれぞれ別の乾燥容器に収納して上記水分低減処理を行い、撚合用真空室にこれら複数の乾燥容器を接続して、撚合機に各乾燥容器から各コアが供給されるようにする。乾燥容器に具える真空装置は、各乾燥容器と撚合用真空室とが同程度の真空度となるように調整する。撚合用真空室に別途真空装置を具えて、真空度を調整できるようにしてもよい。乾燥容器と撚合用真空室との間は、乾燥容器と同様の真空状態が維持されるガイドパイプで接続し、このパイプを介してケーブルコアを同真空室に導入する構成としてもよい。ガイドパイプの内部にガイドローラを具えて、ケーブルコアを撚合機側に送り出すようにしてもよい。このように多心ケーブルの場合、ケーブルコアの形成後、撚り合せ及び水分低減処理を真空状態で行ってもよいし、コアの形成及び撚り合せ後、水分低減処理を真空状態で行ってもよい。
【0019】
上述のようにして得られたケーブルコア(撚り合せられた撚合物も含む)は、断熱管に収納させる。この断熱管は、内管と外管とからなる二重構造であり、内管と外管との間が真空引きされる。内管の外周には、断熱材からなる断熱材層を具える。そして、ケーブルコアを断熱管に収納させた状態とするにあたり、本発明では、上述のように真空状態にて電気絶縁層を乾燥させた後、この真空状態を保持したまま、コアの外周に内管を形成することを提案する。即ち、本発明では、水分低減処理後において、ケーブルコアを大気に曝すことなく内管を形成する。
【0020】
内管の形成方法としては、ケーブルコアの外周に内管の形成材料を押し出して形成する押出方法や、コアの外周に内管を形成する板状材を配置し、板状材の両縁部を突き合わせ、その継ぎ目を溶接することで形成する溶接加工方法が挙げられる。前者押出方法では、押出機を用いて内管を形成する。ここで、コアの外周面に内管の内周面が密着するように内管を形成すると、コアの外周面と内管の内周面とで囲まれる空間容量が不足し、冷媒を十分に流通できなくなる恐れがある。従って、上記空間が十分な容量を有する内管を形成できるような押出機を利用することが好ましい。より具体的には、コアの外周面と内管の内周面との間に所定のクリアランスを有するような筒状の内管を形成可能な押出機を利用する。押し出しにより内管を形成する場合、形成材料には、鉛やアルミニウムなどの可撓性に優れる金属材料やステンレスなどの強度に優れる金属材料が挙げられる。一方、後者溶接加工方法では、例えば、板状材を供給するサプライ機と、供給された板状材を湾曲させる成形機と、板状材の継ぎ目を溶接する溶接機とを用いて内管を形成する。溶接加工方法の場合も上記押出方法と同様に、所定の空間を有する内管となるように形成する。溶接加工により内管を形成する場合、形成材料には、ステンレスなどの強度に優れる金属板が挙げられる。
【0021】
真空状態で水分低減処理を行った後、この真空状態を維持したまま上述のような内管の形成を行うには、例えば、上記乾燥容器と同様の真空状態が維持されるように押出機や溶接機といった内管形成装置を配置する。押出機を用いて内管を形成する場合、押出機においてコアが挿通される箇所が乾燥容器と同様の真空状態に維持されるように乾燥容器に押出機を接続する。真空容器と押出機との間に、乾燥容器と同様の真空状態が維持されるガイドパイプを接続し、このパイプを介してケーブルコアを押出機に導入する構成としてもよい。ガイドパイプの内部にガイドローラを具えて、コアを押出機側に送り出すようにしてもよい。なお、押出機を通過した内管は、大気中に曝される。従って、その端部が開放されていると、内管端部に位置するケーブルコアは、大気中の水分を吸湿することが考えられる。そこで、内管の端部は、ケーブルコアの端部が大気に触れないように密閉しておくことが好ましい。このことは、後述する溶接加工方法でも同様である。
【0022】
なお、乾燥容器と同様の真空状態が維持されるとは、実質的に真空度が等しいことを言う。従って、例えば、乾燥容器と押出機においてケーブルコアが挿通される箇所とが共通する雰囲気としてもよいし、両者が分離された雰囲気の場合、両者の真空度が同程度となるようにしていればよい。前者の場合、例えば、乾燥容器と押出機とに共通する真空装置を用いて真空度が同程度となるようにする。後者の場合、それぞれ別個の真空装置を具えておき、真空度が同程度となるように各真空装置を調整する。また、許容できる範囲において、各真空装置の真空度を異ならせてもよい。この段に記載の事項は、後述する溶接加工の場合も同様である。
【0023】
一方、溶接加工により内管を形成する場合、上述したサプライ機、成形機、溶接機といった内管形成装置を内管形成用真空室に配置させ、この真空室を上記乾燥容器と同様の真空状態が維持されるように構成することが挙げられる。乾燥容器に具える真空装置は、各乾燥容器と内管形成用真空室とが同程度の真空度となるように調整する。この真空室にも別途真空装置を具えて、真空度を調整できるようにしてもよい。乾燥容器と内管形成用真空室との間には、乾燥容器と同様の真空状態が維持されるガイドパイプを接続し、このパイプを介してケーブルコアを同真空室に導入させる構成としてもよい。ガイドパイプの内側にガイドローラを具えて、コアを内管形成装置側に送り出すようにしてもよい。
【0024】
上述した押出方法又は溶接加工方法により形成された内管は、表面に凹凸が無く平滑なフラット管となる。内管は、フラット管でもよいが、表面に凹凸を有する波付き管(コルゲート管)とすると可撓性に優れる。内管を波付き管とする場合、波付け加工機(コルゲータ)によりフラット管の表面に凹凸が形成される。波付け加工は、真空状態で行ってもよいが、ケーブルコアが内管に覆われた後に行うため、大気中で行ってもよい。波付け加工を真空状態で行う場合、例えば、内管形成用真空室にコルゲータを配置する。
【0025】
上記工程により、ケーブルコアが内管内に収納されたコア一体化物を得る。特に、得られたコア一体化物においてケーブルコアの電気絶縁層は、水分低減処理により含有水分が低減され、引き続いて真空状態で内管を形成することで、その低減された状態が維持される。このようなコア一体化物の外周に断熱材を巻回して断熱材層を形成し、その外周に外管を形成する。外管は、内管と同様に押し出しにて形成したり、溶接加工を利用して形成するとよい。外管の形成材料も内管と同様のものを用いるとよく、内管と同種でも、異種でもよい。また、外管は、フラット管でもコルゲート管でもよく、内管と同じ形状でも異なる形状でもよい。断熱材としては、プラスチックメッシュと金属箔とを積層してなる材料、例えば、ポリエステルフィルムの表面にアルミニウムを蒸着したスーパーインシュレーション(以下、SIと呼ぶ)などが挙げられる。このような断熱材は、内管の外周に巻回し易いようにテープ状(帯状)とすることが好ましい。
【0026】
上記SIといった断熱材は、吸湿し易い。そのため、大気中で断熱材層を形成したり、断熱材層形成後、大気中で外管を形成すると、断熱材層の含有水分が多くなる恐れがある。そこで、本発明では、断熱材層の形成及び外管の形成を真空状態で行い、断熱材層の含有水分を低減することを提案する。即ち、本発明では、断熱材層の形成後に断熱材層を大気に曝すことなく外管を形成する。
【0027】
真空状態で断熱材層の形成を行うには、例えば、内管の外周に断熱材を巻回する巻回機を断熱材層形成用真空室に配置させ、断熱材の巻回を行うことが挙げられる。この真空室には、真空引きが可能な真空装置を具えておく。内管は、例えば、ドラムに巻き付けておき、ドラムを回転させて真空室に導入し、巻回機に送り込まれるように構成する。このとき、真空室において内管の導入口は、真空室の真空状態が破られないようなシール構造としておく。或いは、上記ドラムを真空室に収納させてもよい。断熱材層の形成を行う際、内管は、ケーブルコアが収納されたコア一体化物でも、コアが収納されていない状態でもよい。内管内にコアが収納されていない状態で断熱材層の形成を行う場合、内管を作製してドラムに巻き付け、このドラムから内管を引き出し、内管の外周に断熱材層、その外周に外管を形成後、内管内にケーブルコアを収納する。巻回機は、断熱材層の形成に通常用いられている装置を利用することができる。断熱材層の形成時における真空度は、断熱材層が適切に乾燥される程度であればよく、断熱管に求められるような高真空でなく、比較的低真空でよい。具体的には、1×10-1〜10Pa程度が挙げられる。
【0028】
そして、本発明では、上記のように真空状態で断熱材層を形成した後、この真空状態を保持したまま、外管の形成を行う。外管の形成方法や形成材料は、上述した内管と同様とするとよい。つまり、押出方法や溶接加工方法を利用したり、アルミニウムや鉛、ステンレスなどの金属材料を利用する。また、上記断熱材層形成用真空室と同様の真空状態が維持されるように押出機や溶接機といった外管形成装置を配置させて外管の形成を行うとよい。例えば、押出機を用いて外管を形成する場合、押出機において内管の外周に断熱材層を具える断熱材一体化物が挿通される箇所が断熱材層形成用真空室と同様の真空状態に維持されるように同真空室に押出機を接続する。この真空室と押出機との間に、同真空室と同様の真空状態が維持されるガイドパイプを接続し、このパイプを介して断熱材一体化物を押出機に導入する構成としてもよい。また、ガイドパイプの内部にガイドローラを具えて、内管を押出機側に送り出すようにしてもよい。なお、押出機を通過した外管は、大気中に曝される。従って、その端部が開放されていると、外管端部に位置する断熱材層は、大気中の水分を吸湿する恐れがある。そこで、内管及び外管の端部において内管と外管との間は、断熱材層が大気に触れないように密閉しておくことが好ましい。このことは、後述する溶接加工方法でも同様である。
【0029】
一方、溶接加工により外管を形成する場合、例えば、内管のときと同様にサプライ機、成形機、溶接機といった外管形成装置を外管形成用真空室に配置させ、この真空室が上記断熱材層形成用真空室と同様の真空状態に維持されるように構成する。上記断熱材層形成用真空室に具える真空装置は、断熱材層形成用真空室と外管形成用真空室とが同程度の真空度となるように調整する。外管形成用真空室にも別途真空装置を具えて、真空度を調整できるようにしてもよい。両真空室の間には、断熱材層形成用真空室と同様の真空状態が維持されるガイドパイプを接続し、このパイプを介して断熱材一体化物を外管形成用真空室に導入させる構成としてもよい。ガイドパイプには、ガイドローラを具えて、断熱材一体化物を外管形成装置側に送り出すようにしてもよい。
【0030】
上述した押出方法又は溶接方法により形成された外管は、内管と同様にフラット管となる。外管も内管と同様に、フラット管でも波付き管でもよい。外管を波付き管とする場合、内管の場合と同様に波付け加工機(コルゲータ)を用いる。波付け加工は、真空状態で行ってもよいが、断熱材層が外管に覆われた後に行うため、大気中で行ってもよい。波付け加工を真空状態で行う場合、例えば、外管形成用真空室にコルゲータを配置する。
【0031】
上記工程により、断熱材層の外周に外管を具える外管一体化物を得る。特に、得られた外管一体化物において断熱材層は、真空状態で形成されることで含有水分が低減され、引き続いて真空状態で外管を形成することで、その低減された状態が維持される。このような外管一体化物において、予め内管にケーブルコアを具える場合、後述のように内管と外管との間を真空引きする。内管にケーブルコアを具えていない場合、一対の無限軌道などといった送り出し装置を利用してコアを送り出し、外管一体化物にコアを収納する。このようにして断熱管内にケーブルコアが収納された超電導ケーブルを得る。
【0032】
上述のようにして得られた超電導ケーブルに対し、真空装置を用いて、内管と外管との間を所定の真空度に真空引きする。このとき、断熱材層の形成及び外管の形成を上述のように真空状態で行う本発明製造方法を適用すると、上記真空引きの時間を短縮することができる。また、含有水分が少ないことから比較的短時間で高真空度に到達することができ、断熱管の封止後において長期に亘り、高真空状態を維持できる。例えば、本発明製造方法により得られた超電導ケーブルの断熱管は、常温において1.3×10-3MPa(1.0×10-5torr)程度の真空状態、封止後においても、常温で0.67MPa(5.0×10-3torr)程度の真空状態を維持できる。この真空引きは、上記超電導ケーブルをドラムに巻回し、このドラムに巻回した状態で行うと、ケーブルが長尺であっても両端が比較的近くに配置されるため、ケーブルの両端側から真空引き(排気)を行え、真空引き時間をより短縮できる。また、ドラムに巻回しておくと、真空引き後、そのまま倉庫に保存したり、布設現場に搬送することができる。
【0033】
上記電気絶縁層の含有水分の低減及び特定条件での内管の形成と、断熱材層の含有水分の低減及び特定条件での外管の形成とを合わせて行うことで、得られた超電導ケーブルは、電気絶縁層及び断熱材層の含有水分が低減された状態である。従って、この超電導ケーブルは、短い時間で所望の真空度に到達することができ、真空引きの時間を短縮することができる。また、この超電導ケーブルを用いた電力供給線路では、運転時、電気絶縁層の含有水分が固化し、この固化した水分により冷媒輸送路が閉塞することがなく、かつ長期に亘り高真空状態が維持されるという格別の効果を奏する。
【0034】
上記断熱管が真空引きされた超電導ケーブルにて線路を構築した後、内管内に液体窒素などの冷媒を充填、流通させて、線路を運転する。
【発明の効果】
【0035】
上述したように本発明超電導ケーブルの製造方法によれば、ケーブル作製時、真空状態にして電気絶縁層や断熱材層の含有水分を低減することで、水分が過度に含まれることによる不具合を効果的に防止できる。例えば、電気絶縁層の含有水分を低減し、その状態が維持されるように内管を形成する本発明製造方法により、電気絶縁層の水分含有量が0.1質量%以下といった非常に少ない超電導ケーブルを提供することができる。このような超電導ケーブルは、運転時、電気絶縁層に含有された水分が冷媒により固化し、固化した水分により冷媒輸送路が閉塞されることを効果的に防止できる。
【0036】
また、断熱材層の含有水分を低減し、その状態が維持されるように外管を形成する本発明製造方法により、断熱材層の水分含有量が非常に少ない超電導ケーブルを提供することができる。このような超電導ケーブルは、外管形成後、内管と外管との間を真空引きする際、真空引き時間を従来よりも短縮することができる。また、真空引きされた超電導ケーブルは、長期に亘り高真空状態が維持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0038】
まず、電気絶縁層の含有水分を低減する処理を行った後、この低減させた状態を維持させたまま断熱管の内管を形成する本発明製造方法について説明する。この製造方法は、図3に示すような超電導導体層112を有するケーブルコア110と、このコア110を収納する断熱管120とを具える超電導ケーブル100を製造するものである。コア110は、中心から順にフォーマ111、超電導導体層112、電気絶縁層113、外部超電導層114、保護層115を具え、断熱管120は、内管121と外管122とからなる二重構造である。そして、本発明では、特に、電気絶縁層113に特定の処理を行う点、及び断熱管120のうち内管121を特定条件で形成する点に特徴を有する。このような本発明製造方法は、コアの形成→電気絶縁層の水分低減処理→断熱管の形成といった手順で上記超電導ケーブルを形成する。なお、断熱管形成後、断熱管は、真空引きされる。そして、真空断熱管を具える超電導ケーブルは、布設されて電力供給線路を構築し、この線路は、断熱管120の内管121とコア110との間に液体窒素などの冷媒を流通して運転される。以下、超電導ケーブルの製造手順を具体的に説明する。
【0039】
[コアの形成]
<フォーマの形成>
ケーブルコア110は、中心から順に形成する。まず、フォーマ111を形成する。フォーマ111は、超電導導体層112を保形する芯となる部材であり、事故電流が導体層112に流れた場合にその分流路となり、導体層112の損傷を抑制する機能を有する。このフォーマ111は、銅線にエナメルの絶縁被覆を施した被覆素線を複数撚り合わせて形成した撚り線構造である。
【0040】
<超電導導体層の形成>
次に、フォーマ111の外周に超電導導体層112を形成する。超電導導体層112には、加圧焼結法により製造されたBi2223系Ag合金シーステープ線材を用い、このテープ線材をフォーマ111の上に多層(本例では4層)に巻回して形成する。各層の巻回方向は、内層側から順にS-S-Z-Zである。
【0041】
<電気絶縁層の形成>
次に、超電導導体層112の外周に電気絶縁層113を形成する。本例では、絶縁層113の内周側に内部半導電層(図示せず)を具える。そこで、超電導導体層112の上にカーボン紙を巻回して内部半導電層を形成する。この内部半導電層の上に電気絶縁層113を形成する。電気絶縁層113は、絶縁材を内部半導電層の外周に多層に巻回して形成する。絶縁材は、ポリプロピレンとクラフト紙とが接合されたPPLP(登録商標)を用い、巻回前に予め乾燥処理を施している。電気絶縁層113の形成は、湿度の調整が可能な紙巻室で行う。本例では、紙巻室の湿度を20〜30%としている。電気絶縁層113以外、即ち、フォーマ111、超電導導体層112、内部半導電層、後述する外部半導電層、外部超電導層114、保護層115の形成、及びコアの撚り合せは、通常の大気中にて行う。
【0042】
<外部超電導層の形成>
次に、電気絶縁層113の外周に外部超電導層114を形成する。外部超電導層114は、交流送電において、超電導導体層112とほぼ同じ大きさで逆方向の電流が誘導されて超電導導体層112がつくる磁場を相殺し、外部への磁場の漏洩を防止するシールドとして機能し、直流送電において、超電導導体層112を往路とする場合、帰路として利用することができる。本例では、電気絶縁層113の外周側に外部半導電層(図示せず)を具える。そこで、電気絶縁層113の上にカーボン紙を巻回して外部半導電層を形成し、この外部半導電層の上に外部超電導層114を形成する。外部超電導層114は、上記超電導導体層112と同様の加圧焼結法で得られた超電導材料からなるテープ線材を外部半導電層の上に多層(本例では2層)に巻回して形成する。各層の巻回方向は、S-Sである。
【0043】
<保護層の形成>
次に、外部超電導層114の外周に保護層115を形成する。この保護層115は、外部超電導層114の機械的保護を図ると共に、絶縁材にて形成することで、超電導層114と断熱管(内管121)との間を電気的に絶縁し、断熱管120に誘導電流や帰路電流が分流されることを防ぐことができる。そこで、本例では、外部超電導層114の上にクラフト紙を巻回して保護層115を形成する。
【0044】
<コアの撚り合せ>
上記によりケーブルコア110が形成される。本例では、図3に示すような3心ケーブルとするべく、このようなコア110を3条用意し、これらのコア110を撚合機で撚り合わせて撚合物を形成する。得られた撚合物は、ドラムに巻き取る。本例では、撚合物としたが、コア110を1心具える単心ケーブルとする場合、コア110を1条用意し、ドラムに巻回させておくとよい。
【0045】
[電気絶縁層の含有水分の低減]
次に、上記コア110の撚合物に、電気絶縁層113の含有水分を低減させる処理を施す。本例では、予め乾燥された絶縁材を用いて電気絶縁層113を形成しているが、その後、絶縁層113の外周の各層を大気中で形成しているため、これらの層の形成中に絶縁層113は、吸湿してしまう。そこで、撚合物の形成後、電気絶縁層113の含有水分を低減或いは除去する処理を行う。特に、この処理は、真空状態で行う。そして、断熱管120のうち内管121の形成時に電気絶縁層113が再度吸湿することを防止するべく、上記処理時の真空状態を保持したまま、引き続いて内管121を形成する。
【0046】
<装置の説明>
まず、上記水分低減処理及び内管の形成に用いられる装置を説明し、次に具体的手順を説明する。図1は、本発明超電導ケーブルの製造方法に用いられる装置の概略構成図である。この装置は、ケーブルコア(撚合物1)が収納でき、かつ真空引き及び加熱が可能な乾燥容器10と、乾燥容器10から送り出されたコアの外周に内管を形成する押出機20と、乾燥容器10と押出機20との間に配置されて、両者を接続するガイドパイプ30とを具える。乾燥容器10は、ドラムD1に巻き付けられた撚合物1を収納可能な有底筒状の本体11と、本体11に対して開閉自在に取り付けられる蓋部(図示せず)と、蓋部を閉じた状態において本体11内部を真空引きする真空装置V1と、本体11の外周及び蓋部の外周に配されて、加熱蒸気が流通される配管12とを具える。この乾燥容器10は、本体11に対して蓋部を閉じることで本体11内部を密閉することができる。また、密閉状態で真空装置V1を駆動することで、本体11内部を真空状態にすることができる。更に、上記配管12に接続される供給部13から加熱蒸気を導入して、配管12に加熱蒸気を流通させることで、本体11や蓋部を介して、撚合物1を加熱することができる。本体11の底面には、ドラムD1が搭載され、回転自在なターンテーブル(図示せず)が配置され、このターンテーブルは、駆動装置Mにより回転される。この回転により、ドラムD1に巻き付けられた撚合物1を順次押出機20側に送り出すことができる。撚合物1をガイドパイプ30により確実に挿入できるように、本体11おいてパイプが接続される開口部近傍に別途送り出し装置を配置させてもよい。乾燥容器10に接続されるガイドパイプ30は、その内部空間が本体11と共通する雰囲気となる構成であり、本体11を真空状態としたとき、同様に真空状態が保持される構成である。ガイドパイプ30の乾燥容器10側にはバルブ(図示せず)を具えており、パイプ30と容器10との間で気体の流通を停止できるようにしている。また、ガイドパイプ30の内部には、コアの送り出しを行うガイドローラ(図示せず)を具える。ガイドパイプ30に接続される押出機20は、本体11を真空状態としたとき、パイプ30と同様に本体11と同様の真空状態を保持したまま、パイプ30を経た撚合物1の外周に内管を形成することができる構成である。具体的には、押出機20において撚合物1が挿通される箇所の空間が本体11と共通する雰囲気となるようにパイプ30に押出機20を接続させている。本例で用いた押出機20は、図3に示すようにコア110(撚合物)の外周面と内管121の内周面との間に所定のクリアランスを有する筒状に内管を形成できるものとしている。
【0047】
<処理の手順>
上記図1に示す装置を用いて、電気絶縁層の含有水分を低減させる処理手順を説明する。まず、乾燥容器10の蓋部を開け、撚合物1が巻き付けられたドラムD1を本体11の底部に配されるターンテーブルに載せ、蓋部を閉めて本体11を密閉する。このとき、ガイドパイプ30のバルブを閉じておき、パイプ30と容器10とを分離しておく。この状態で、供給部13から加熱蒸気を導入し、配管12に加熱蒸気を流通させ、乾燥容器10を介して撚合物1を加熱する。この加熱により、撚合物1の電気絶縁層中の含有水分が気化して、本体11内に放出される。加熱蒸気を流通して所定時間経過後、供給部13と配管12との間に設けられたバルブを閉じると共に、真空装置V1と本体11との間に設けられたバルブを開け、真空装置V1を駆動して、本体11内を真空引きして真空状態とする。この真空引きにより、上記本体11内に放出された水分は、乾燥容器10外に放出され、電気絶縁層中に再度浸入されることを防止する。真空装置V1を駆動した状態で、ガイドパイプ30のバルブを開けて、パイプ30内及び押出機20も本体11と同様の真空状態となるようにする。電気絶縁層113の含有水分が十分低減された状態となったら、ガイドパイプ30を介して撚合物1を押出機20に送り、撚合物1の外周に内管を形成する。
【0048】
[断熱管の形成]
<内管の形成>
乾燥容器10内で電気絶縁層の含有水分の低減を行った撚合物1は、上記真空状態にあるガイドパイプ30を介して押出機20に送り出し、その外周に内管を形成してドラムD2に巻き取る。この押出機20において撚合物1が挿通される箇所、より具体的には撚合物1を導入する導入口から排出口までの空間は、乾燥容器10と同様に真空状態としている。本例では、内管の形成材料にアルミニウムを用いる。内管形成中は、真空装置V1を適宜駆動し、真空状態が維持されるようにしておく。撚合物1の外周に内管を具えるコア一体化物2は、押出機20を通過後、大気中に曝される。そこで、内管の端部は、撚合物が再度吸湿しないように密閉しておく。このように、水分低減処理に引き続いて真空状態で内管を形成することで、電気絶縁層は、水分が低減された状態が維持される。なお、押出機20の下流側(ドラムD2側)には、コルゲータ(図示せず)を配置し、押出機20で形成されたフラット管に、コルゲータで波付け加工を施し、内管が波付け管となるようにしている。本例では、コルゲータを設けたが、コルゲータを設けず、内管をフラット管としてもよい。波付け加工されたコア一体化物2は、ドラムD2で巻き取られる。
【0049】
<断熱材層の形成>
次に、コア一体化物2の外周に断熱材層を形成する。本例では、断熱材としてポリエステルフィルムの表面にアルミニウムを蒸着したスーパーインシュレーション(商品名)を用い、ドラムD2を回転させて巻き取ったコア一体化物2を繰り出し、一般的な巻回機により上記断熱材をコア一体化物2の外周に巻回して断熱材層を形成する。
【0050】
<外管の形成>
次に、断熱材層の外周に外管を形成する。本例では、上記断熱材層の形成に引き続いて外管を形成する。本例において外管の形成は、溶接加工により行う。具体的には、板状材を供給するサプライ機と、供給された板状材を湾曲させる成形機と、板状材の継ぎ目を溶接する溶接機とを具えておき、サプライ機からステンレス板を供給して、断熱材層の外周に配置し、成形機によりこの板を湾曲させ、溶接機により継ぎ目を溶接することで、フラット管を形成する。更に、溶接機の下流側にコルゲータを配置し、コルゲータにてフラット管に波付け加工を施し、波付け管の外管を形成する。コルゲータを設けず、外管をフラット管としてもよい。外管を具えるケーブル一体化物は、形成後、別途用意したドラムで巻き取る。なお、内管及び外管の端部において、内管と外管との間を密閉している。また、本例では、外管を溶接加工により形成しているが、上記内管と同様に押し出しにより形成してもよい。
【0051】
<防食層の形成>
本例では、外管の外周に更に防食層を設ける。防食層の形成材料には、ポリ塩化ビニルを用い、ドラムから上記ケーブル一体化物を繰り出し、一般的な押出機により上記形成材料を外管の外周に押し出して防食層を形成する。以上の工程により、断熱管にケーブルコアが収納された超電導ケーブルを得る。得られた超電導ケーブルは、防食層を形成後、別途用意したドラムに巻き取る。
【0052】
[断熱管の真空引き]
次に、上記超電導ケーブルにおいて断熱管の真空引きを行う。真空引きは、超電導ケーブルがドラムに巻き取られた状態で行う。具体的には、別途用意した真空装置を超電導ケーブルの両端側に接続し、両側から吸引(排気)することで行う。断熱管が所定の真空度に到達したら、真空引きを止め、断熱管の両端部を封止する。この工程により、真空断熱管を具える超電導ケーブルを得る。
【0053】
[線路の運転]
上記手順により得られた超電導ケーブルは、布設して電力供給線路に用いられる。この線路は、内管内に液体窒素などの冷媒を流通して、運転される。上記本発明製造方法により得られた超電導ケーブルでは、電気絶縁層に含有される水分が従来の方法により得られたケーブルと比較して低減されている。そのため、線路運転時、内管に冷媒を充填して電気絶縁層が冷媒に含浸された状態となっても、絶縁層中の含有水分が冷媒により固化され、この固化物が冷媒により輸送されて冷媒輸送路を閉塞するといった不具合を効果的に防止することができる。
【実施例2】
【0054】
次に、含有水分が低減されるように断熱材層を形成した後、この低減させた状態を維持させたまま断熱管の外管を形成する本発明製造方法について説明する。この製造方法は、上記実施例1と同様に図3に示すような超電導ケーブル100を製造するものであり、特に、断熱材層及び断熱管120のうち外管122を特定条件で形成する点に特徴を有する。ここでは、断熱管の形成方法を中心に説明する。
【0055】
上記実施例1では、断熱材層を大気中で形成する場合を説明した。しかし、断熱材の材質によっては、大気中の水分を吸湿し易いものがあり、断熱材層を大気中で形成すると、断熱材層が過度に吸湿してしまうことがある。そこで、本例では、断熱材層の含有水分が低減されるように、断熱材層を真空状態で形成する。そして、外管122の形成時に断熱材層が再度吸湿することを防止するべく、この真空状態を保持したまま、引き続いて外管122を形成する。
【0056】
<装置の説明>
まず、上記断熱材層及び外管の形成に用いられる装置を説明し、次に具体的手順を説明する。図2は、本発明超電導ケーブルの製造方法に用いられる装置の概略構成図である。この装置は、断熱材Iの巻回機40を収納でき、かつ真空引きが可能な真空室50と、真空室50から送り出された断熱材層を具える内管(断熱材一体化物4)の外周に外管を形成する押出機21と、真空室50と押出機21との間に配置されて、両者を接続するガイドパイプ31とを具える。巻回機40は、巻き付けられた断熱材Iを内管3の外周に順次繰り出すパット41と、パット41を回転自在に保持する台座42とを具える。一つの台座42には、複数のパット41が配置され(図2では2個)、その中心部に内管3が挿通される貫通孔を具える。このような台座42を内管3の進行方向に沿って複数(図2では2個示す)配置させて巻回機群が構成される。これら巻回機40は、図示しない駆動装置を具えており、貫通孔から出た内管3の外周に断熱材を自動的に巻回する。これら巻回機40により、内管3の外周には、断熱材を多層に巻回することができる。巻回機40が収納される真空室50は、内部を真空引きする真空装置V2と、内管3が導入される導入口と、断熱材層が形成された断熱材一体化物4を押出機21側に排出する排出口とを具える。この真空室50は、真空装置V2を駆動することで、その内部を真空状態にすることができる。導入口側及び排出口側にはそれぞれ、図示しない送り出し装置を配置させており、この送り出し装置により、内管3を真空室50に導入すると共に、断熱材一体化物4を押出機21に送り出すことができる。導入口は、開閉自在な栓部(図示せず)を具えており、栓部及び後述するガイドパイプ31のバルブ(図示せず)を閉じることで真空室50を密閉状態とすることができる。真空室50に接続されるガイドパイプ31は、その内部空間が真空室50と共通する雰囲気となる構成であり、真空室50を真空状態としたとき、同様に真空状態が保持される構成である。ガイドパイプ31の真空室側にはバルブを具えており、パイプ31と真空室50との間で気体の流通を停止できるようにしている。ガイドパイプ31の内部に断熱材一体化物4を押出機側に送り出すガイドローラを具えてもよい。このガイドパイプ31に接続される押出機21は、真空室50を真空状態としたとき、パイプ31と同様に真空室50と同様の真空状態を保持したまま、パイプ31を経た断熱材一体化物4の外周に外管を形成することができるように構成されている。具体的には、押出機21において断熱材一体化物4が挿通される箇所の空間が真空室50と共通する雰囲気となるようにパイプ31に押出機21を接続させている。本例で用いた押出機21は、実施例1で用いた押出機20(図1参照)と同様に、断熱材一体化物4の外周面と外管の内周面との間に所定のクリアランスを有する筒状に外管を形成できるものである。
【0057】
<形成手順>
《断熱材層の形成》
上記図2に示す装置を用いて、断熱材層及び外管を形成する手順を説明する。まず、導入口の栓部及びガイドパイプ31のバルブを閉じて、パイプ31と真空室50とを分離し、真空室50を密閉する。この状態で、真空装置V2を駆動して、真空室50内を真空引きして真空状態とする。所定の真空状態となったら、内管3を真空室50に導入した際に真空室50の真空状態が破られないように導入口をシールし、導入口から真空室50に内管3を導入する。内管3は、別途作製しておき、ドラムD3に巻き取っておく。そして、ドラムD3を回転させると共に、送り出し装置により真空室50に内管3を導入し、巻回機40を通過させて、内管3の外周に断熱材層を形成する。このとき、断熱材層は、真空雰囲気下にて形成されるため、大気中にて形成される場合と比較して吸湿しにくく、層形成中に過度に水分を含むことを効果的に抑制することができる。また、断熱材が事前に水分を含んでいたとしても真空状態とすることでこの水分は気化されて断熱材の外部に放出され易い。従って、水分を低減した状態にある断熱材を用いることができると共に、真空状態で断熱材層を形成するため、形成中においても断熱材層の含有水分を低減することができる。断熱材層形成中は、真空装置V2を適宜駆動して、真空状態が維持されるようにしておく。断熱材層の形成を開始したら、ガイドパイプ31のバルブも開けて、パイプ31内及び押出機21も真空室50と同様の真空状態となるようにする。そして、断熱材層が形成された断熱材一体化物4の外周に外管を形成する。
【0058】
《外管の形成》
真空室50内にて水分の低減が行われた断熱材層を具える断熱材一体化物4は、上記真空状態にあるガイドパイプ31を介して押出機21に送り出し、その外周に外管を形成する。この押出機21において断熱材一体化物4が挿通される箇所、より具体的には一体化物4を導入する導入口から排出口までの空間は、真空室50と同様に真空状態としている。本例では、外管の形成材料にステンレスを用いる。断熱材層の外周に外管を形成した外管一体化物5は、押出機21を通過後、大気中に曝される。そこで、内管及び外管の端部において内管と外管との間は、断熱材層が再度吸湿しないように密閉しておく。このように、断熱材層を水分が低減された状態にて形成した後、引き続いて真空状態にて外管を形成することで、断熱材層は、水分が低減された状態が維持される。なお、押出機21の下流側(ドラムD4側)にコルゲータ(図示せず)を配置し、押出機21により形成されたフラット管に、コルゲータにて波付け加工を施し、外管が波付け管となるようにしている。コルゲータを設けず、外管をフラット管としてもよい。波付け加工された外管一体化物5は、形成後、別途用意したドラムD4で巻き取る。
【0059】
内管3は、実施例1のようにケーブルコアを収納させた状態としてもよいし、コアを収納させていない状態としてもよい。前者の場合、ケーブルコアは実施例1の手順に従って形成してもよいし、従来と同様の手順にて形成されたものを利用してもよい。後者の場合、上記手順により断熱管を形成した後、一対の無限軌道といったコアの送り出し装置などを利用して、断熱管にケーブルコアを挿入配置させるとよい。そして、ケーブルコアを収納させた状態としたら、上記実施例1と同様にして外管の外周に防食層を設けることで、超電導ケーブルが得られる。
【0060】
得られた超電導ケーブルは、上記実施例1と同様にして真空引きを行う。このとき、上記手順により得られた超電導ケーブルでは、断熱材層に含有される水分が従来の方法により得られたものと比較して低減されている。そのため、断熱管を真空引きする際、その時間を短縮することができる。また、断熱材層の含有水分が比較的少ないことで、短い時間で所定の真空度に到達することができる。更に、断熱材層の含有水分が比較的少ないことで、真空到達度や止め真空度を改善することができる。従って、断熱管を封止後、真空度の低減度合いが小さくなるため、上記手順により得られた超電導ケーブルでは、長期に亘り高真空状態を維持することができる。
【実施例3】
【0061】
超電導ケーブルの作製にあたり、上記実施例1と実施例2とを合わせて行ってももちろんよい。即ち、ケーブルコアを作製した後、乾燥容器10(図1)にて真空及び加熱により、電気絶縁層の含有水分を低減し、この真空状態を保持したまま押出機20(同)により内管を形成する。次に、ケーブルコアが内管内に収納されたコア一体化物2(同)を真空室50(図2)に導入して、真空状態で内管の外周に断熱材層を形成し、断熱材層の含有水分を低減する。この真空状態を保持したまま押出機21(同)により外管を形成する。
【0062】
上記手順により得られた超電導ケーブルは、上述のように断熱管の真空引き時間を短縮できると共に、達成真空度をより高くすることができる。また、このような超電導ケーブルでは、運転時、冷媒輸送路が閉塞することがほとんどないだけでなく、高真空状態を長期に亘り維持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明超電導ケーブルの製造方法は、交流送電又は直流送電に利用される超電導ケーブルの製造に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】電気絶縁層の含有水分を低減すると共に、真空状態で内管を形成する本発明超電導ケーブルの製造方法に用いられる装置の概略構成図である。
【図2】断熱材層の含有水分を低減すると共に、真空状態で外管を形成する本発明超電導ケーブルの製造方法に用いられる装置の概略構成図である。
【図3】3心一括型の超電導ケーブルの横断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1 撚合物 2 コア一体化物 3 内管 4 断熱材一体化物 5 外管一体化物
10 乾燥容器 11 本体 12 配管 13 供給部
20,21 押出機 30,31 ガイドパイプ 40 巻回機 41 パット 42 台座
50 真空室
100 超電導ケーブル 110 コア 111 フォーマ 112 超電導導体層
113 電気絶縁層 114 外部超電導層 115 保護層 120 断熱管 121 内管
122 外管 123 防食層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超電導導体層の外周に電気絶縁層を有するケーブルコアと、内管と外管とからなる二重構造であり、このコアを収納する断熱管とを具える超電導ケーブルの製造方法であって、
超電導導体層の外周に、絶縁紙を用いた絶縁材を巻回して電気絶縁層を形成し、ケーブルコアを形成する工程と、
第一の真空状態で、前記ケーブルコアを加熱し、電気絶縁層中の含有水分を低減する工程と、
前記第一の真空状態を保持したまま、ケーブルコアの外周に内管を形成する工程とを具えることを特徴とする超電導ケーブルの製造方法。
【請求項2】
更に、第二の真空状態で、内管の外周に断熱材を巻回して断熱材層を形成し、断熱材層中の含有水分を低減する工程と、
前記第二の真空状態を保持したまま、断熱材層の外周に外管を形成する工程とを具えることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルの製造方法。
【請求項3】
内管及び外管の少なくとも一方は、押し出しにより形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導ケーブルの製造方法。
【請求項4】
内管及び外管の少なくとも一方は、金属材料からなる板状材を溶接して形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導ケーブルの製造方法。
【請求項5】
超電導導体層を有するケーブルコアと、内管と外管とからなる二重構造であり、このコアを収納する断熱管とを具える超電導ケーブルの製造方法であって、
第三の真空状態で、前記内管の外周に断熱材を巻回して断熱材層を形成し、断熱材層中の含有水分を低減する工程と、
前記第三の真空状態を保持したまま、断熱材層の外周に外管を形成する工程とを具えることを特徴とする超電導ケーブルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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