超音波ユニットおよび超音波内視鏡
【課題】製造が容易な超音波ユニット30を提供する。
【解決手段】超音波ユニット30は、送受信部60とシグナル電極端子52とグランド電極端子51とが長辺方向に配置された長方形の第1の主面のある複数の超音波エレメント20を有し複数の超音波エレメント20のそれぞれの長辺が連結されている超音波アレイ40と、複数のグランド電極端子51と接続された少なくとも1本の短絡線41と、短絡線41と接続されたグランド線43と、それぞれが1個のシグナル電極端子52と接続された複数の信号線42と、を具備し、隣り合う前記超音波エレメント20が、それぞれのシグナル電極端子52が長方形の送受信部60をはさんで長辺方向の反対側に交互に配置されるように連結されている。
【解決手段】超音波ユニット30は、送受信部60とシグナル電極端子52とグランド電極端子51とが長辺方向に配置された長方形の第1の主面のある複数の超音波エレメント20を有し複数の超音波エレメント20のそれぞれの長辺が連結されている超音波アレイ40と、複数のグランド電極端子51と接続された少なくとも1本の短絡線41と、短絡線41と接続されたグランド線43と、それぞれが1個のシグナル電極端子52と接続された複数の信号線42と、を具備し、隣り合う前記超音波エレメント20が、それぞれのシグナル電極端子52が長方形の送受信部60をはさんで長辺方向の反対側に交互に配置されるように連結されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波エレメントを有する超音波ユニット、および超音波ユニットを具備する超音波内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波内視鏡は、体内のガスまたは骨の影響を受けない良好な画質で消化管壁または深部臓器等を明瞭に描出することができる。電子走査式の超音波内視鏡は、先端部に超音波アレイを有する超音波ユニットが配設されている。超音波アレイは、細長い長方形の第1の主面のある複数の超音波エレメントの長辺が連結されて構成されている。それぞれの超音波エレメントには、送受信部と、信号送受信用のシグナル電極端子と、グランド電位のグランド電極端子とが長辺方向に配置されている。
【0003】
そして、それぞれの超音波エレメントのシグナル電極端子には、それぞれ1本の信号線(同軸ケーブル芯線)が半田付け等により接続され、グランド電極端子にも1本のグランド線(同軸ケーブルシールド線)が接続されている。
【0004】
電極端子の配設ピッチが狭い、すなわち平面視矩形の超音波エレメントの短辺の長さが短い超音波アレイでは、電極端子へのワイヤの接続作業は容易ではない。
【0005】
特許第4377787号明細書には、中継電極を有する円筒部材を用いて超音波アレイと同軸ケーブルとを接続する振動子が開示されている。前記振動子では、それぞれの超音波エレメントの電極端子と円筒部材の中継電極端子とをワイヤで接続し、中継電極端子に同軸ケーブルを接続している。
【0006】
しかし、電極ピッチが狭い超音波ユニットでは、中継電極端子を有する円筒部材を用いても、超音波エレメントの電極端子と中継電極とをワイヤで接続するのは容易ではないことがあった。
【0007】
すなわち、それぞれの電極端子と外部接続用配線とを接続する必要のある、複数の超音波エレメントを狭いピッチで配列した超音波ユニットは製造が容易ではないことがあり、前記超音波ユニットを具備する超音波内視鏡の製造が容易ではないことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4377787号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施形態は、製造が容易な超音波ユニットおよび製造が容易な超音波内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態の超音波ユニットは、送受信部と、シグナル電極端子と、グランド電極端子と、が配設された複数の超音波エレメントを有し、前記複数の超音波エレメントのそれぞれの長辺が連結されている超音波アレイと、
複数の前記グランド電極端子と接続された少なくとも1本の短絡線と、
前記短絡線と接続されたグランド線と、
それぞれが1個の前記シグナル電極端子と接続された複数の信号線と、を具備し、
前記送受信部は、超音波を送受信するためのシグナル電極とグランド電極とを有し、前記シグナル電極が前記シグナル電極端子に接続されているとともに、前記グランド電極が前記グランド電極端子に接続されており、
隣り合う前記超音波エレメントが、それぞれの前記シグナル電極端子が長方形の前記送受信部をはさんで長辺方向の反対側に交互に配置されるように連結されている。
【0011】
また別の実施形態の超音波内視鏡は、上記記載の超音波ユニットを有する先端硬性部を具備する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態によれば、製造が容易な超音波ユニットおよび製造が容易な超音波内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態の超音波内視鏡を具備する内視鏡システムを説明するための外観図である。
【図2】第1実施形態の超音波内視鏡の先端部を説明するための斜視図である。
【図3】第1実施形態の超音波ユニットの構成を説明するための斜視図である。
【図4】第1実施形態の超音波ユニットの超音波エレメントの上面図である。
【図5】第1実施形態の超音波ユニットの超音波エレメントの図4のV−V線に沿った断面図である。
【図6】第1実施形態の超音波ユニットの送受信部の上面図である。
【図7】第1実施形態の超音波ユニットの送受信部の図6のVII−VII線に沿った断面図である。
【図8】第1実施形態の超音波ユニットの超音波アレイの平面展開図である。
【図9】第1実施形態の超音波ユニットの超音波アレイの図8のIX−IX線に沿った断面図である。
【図10】第2実施形態の超音波ユニットの超音波アレイの平面展開図である。
【図11】第3実施形態の超音波ユニットの超音波アレイの平面展開図である。
【図12】第4実施形態の超音波ユニットの超音波アレイの平面展開図である。
【図13】第5実施形態の超音波ユニットの超音波エレメントの断面図である。
【図14】第6実施形態の超音波ユニットの超音波エレメントの断面図である。
【図15】第6実施形態の超音波ユニットの超音波アレイの上面図である。
【図16】第6実施形態の超音波ユニットの超音波アレイの下面図である。
【図17】第6実施形態の変形例1の超音波ユニットの超音波エレメントの断面図である。
【図18】第6実施形態の変形例2の超音波ユニットの超音波エレメントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
以下、図面を参照して第1実施形態の超音波ユニット(以下、「USユニット」という)30、および、USユニット30を有する超音波内視鏡(以下、「US内視鏡」という)2について説明する。
【0015】
<超音波内視鏡の構成>
図1に示すようにUS内視鏡2は、超音波観測装置3およびモニタ4とともに超音波内視鏡システム1を構成する。US内視鏡2は、体内に挿入される細長の挿入部21と、挿入部21の基端に配された操作部22と、操作部22の側部から延出したユニバーサルコード23と、を具備する。
【0016】
ユニバーサルコード23の基端部には、光源装置(不図示)に接続されるコネクタ24Aが配設されている。コネクタ24Aからは、カメラコントロールユニット(不図示)にコネクタ25Aを介して着脱自在に接続されるケーブル25と、超音波観測装置3にコネクタ26Aを介して着脱自在に接続されるケーブル26と、が延出している。超音波観測装置3にはモニタ4が接続される。
【0017】
挿入部21は、先端側から順に、先端硬性部(以下「先端部」という))37と、先端部37の後端に位置する湾曲部38と、湾曲部38の後端に位置して操作部22に至る細径かつ長尺で可撓性を有する可撓管部39と、を連設して構成されている。そして、先端部37の先端側には、超音波送受部である超音波ユニット30が配設されている。
【0018】
操作部22には、湾曲部38を所望の方向に湾曲制御するアングルノブ22Aと、送気および送水操作を行う送気送水ボタン22Bと、吸引操作を行う吸引ボタン22Cと、体内に導入する処置具の入り口となる処置具挿入口22D等と、が配設されている。
【0019】
そして、図2に示すように、超音波を送受信するUSユニット30が、設けられた先端部37には、照明光学系を構成する照明用レンズカバー31と、観察光学系の観察用レンズカバー32と、吸引口を兼ねる鉗子口33と、図示しない送気送水ノズルと、が配設されている。
【0020】
図3に示すように、USユニット30は、超音波アレイ(以下「USアレイ」という)40と、短絡線41A、41Bと、グランド線53A、53Bと、信号線42A、42Bと、を具備する。なお、同じ構成要素のそれぞれをいうときは末尾のアルファベット1文字を省略する。例えば短絡線41A、41Bのそれぞれを、短絡線41という。また、例えば、短絡線41Aは先端側の短絡線41であり、短絡線41Bは基端側の短絡線41である。
【0021】
USアレイ40は、複数の細長いUSエレメント20の長辺が連結され、円筒状に湾曲配置されたラジアル型振動子群である。すなわち、USアレイ40では、例えば、直径2mmの円筒の側面に、短辺が0.1mm以下のUSエレメント20が200個、配設されている。
【0022】
なお、USアレイ40は、ラジアル型振動子群であるが、USアレイは、凸形状に湾曲したコンベックス型振動子群であってもよい。
【0023】
複数の信号線42は、それぞれが、1個のUSエレメント20のシグナル電極端子52と接続されている。短絡線41は、複数のUSエレメント20のグランド電極端子51を接続する短絡線であり、グランド線53と接続されている。
【0024】
複数のUSエレメント20と同軸ケーブル束35とは、短絡線41、グランド線53、信号線42およびケーブル接続基板部(不図示)を介して接続されている。すなわち同軸ケーブル束35は、複数の信号線42と同じ本数の芯線のある同軸ケーブルからなる。
【0025】
同軸ケーブル束35は、先端部37と、湾曲部38と、可撓管部39と、操作部22と、ユニバーサルコード23と、超音波ケーブル26と、に挿通され、超音波コネクタ26aを介して、超音波観測装置3と接続されている。
【0026】
<超音波アレイの構成>
図4および図5に示すように、それぞれのUSエレメント20の長方形の第1の主面20SAには、送受信部60と、シグナル電極端子52と、グランド電極端子51と、が長辺方向に配置されている。なお、図はいずれも説明のための模式図であり、厚さおよび大きさ等の比率は実際とは異なる。
【0027】
USエレメント20は、シグナル電極端子52とグランド電極端子51とが送受信部60をはさんで配置されている。そして、送受信部60とシグナル電極端子52との間に、グランド電極端子51が配置可能なスペースがあり、グランド電極端子51と端面との間にはシグナル電極端子52が配置可能なスペースがある。言い換えれば、USエレメント20の第1の主面20SAは、送受信部60と、2つのシグナル電極端子52と、2つのグランド電極端子51と、を長辺方向に配置可能である。
【0028】
シグナル電極端子52は、送受信部60のシグナル電極である下部電極12と接続されている。グランド電極端子51は、送受信部60のグランド電極である上部電極16と接続されている。
【0029】
送受信部60は下部電極12と上部電極16との間に印加される駆動用信号により超音波を発生する。また送受信部60は、超音波を受信すると、下部電極12と上部電極16との間に電気信号を発生する。
【0030】
<送受信部の構成>
次に、図6および図7を用いて、送受信部60の構成について説明する
【0031】
図6に示すように、超音波ユニット30の送受信部60には、複数の静電容量型の超音波セル(以下、「USセル」)10がマトリックス配置されている。USセル10の配置は、規則的な格子配置、千鳥配置、または、三角メッシュ配置等であってもよいし、ランダム配置であってもよい。
【0032】
図7に示すように、USセル10は、基体であるシリコン基板11上に、順に積層された、シグナル電極端子52と接続された下部電極12と、第1絶縁層(下部絶縁層)13と、円筒状のキャビティ14が形成された第2絶縁層(上部絶縁層)15と、グランド電極端子51と接続された上部電極16と、保護層17と、を有する。
【0033】
すなわち、それぞれのUSセル10は、キャビティ14を介して対向配置している円形のシグナル電極部である下部電極部12Aとグランド電極部である円形の上部電極部16Aとを有する。複数の下部電極部12Aがシグナル電極である下部電極12を構成し、複数の上部電極部16Aがグランド電極である上部電極16を構成している。すなわち。同じUSエレメント20に配置された複数のUSセル10の下部電極部12Aは互いに接続されており、上部電極部16Aも互いに接続されている。
【0034】
シリコン基板11は、シリコン11Aの表面にシリコン熱酸化膜11B、11Cを形成した基板である。シリコン基板11の一面上に形成される下部電極12は、金属またシリコンなどの導電性材料からなる。導電性材料はシリコン基板11の全面にスパッタ法等により成膜される。そして、フォトリソグラフィによるマスクパターンを形成後にエッチングにより部分的に除去することにより、下部電極12が形成される。
【0035】
例えば、下部電極12は、円形の下部電極部12Aと、下部電極12の縁辺部から延設している配線部12Bとからなる。配線部12Bにより、下部電極部12Aは、同じUSエレメント20の他のUSセルの下部電極部と接続されている。
【0036】
下部電極12を覆うように、SiN等の絶縁性材料からなる第1絶縁層13がCVD法(化学気相成長法)等により成膜される。
【0037】
そして第1絶縁層13の上に、犠牲層材料を成膜しパターニングすることで、キャビティ14の形状(円柱状)の犠牲層が形成される。
【0038】
犠牲層の厚さは、キャビティ14の高さとなるために、例えば、0.05〜0.3μmであり、好ましくは0.05〜0.15μmである。犠牲層材料としては、例えば、リンガラス(PSG:含リン酸化シリコン)、二酸化ケイ素、ポリシリコン、または金属などを用いる。
【0039】
犠牲層パターンが形成された第1絶縁層13の上面に、第2絶縁層15が、例えば第1絶縁層13と同様の方法および同様の材料により形成される。
【0040】
そして、第2絶縁層15の所定の位置に、犠牲層を除去するために、エッチング剤を流入する開口部(不図示)が形成される。
【0041】
次に、犠牲層のエッチングによりキャビティ14が形成される。例えば犠牲層としてリンガラスを用い、第1絶縁層13および第2絶縁層15としてSiNを用いた場合には、エッチング剤としてフッ酸溶液(バッファードHF溶液)を用いる。
【0042】
次に、上部電極部16Aと配線部16Bとからなる上部電極16が、下部電極12と同様に形成される。例えば、上部電極部16Aおよび下部電極部12Aは、キャビティ14と略同径である。
【0043】
キャビティ14は円柱形状に限られるものではなく、多角柱形状等でもよい。キャビティ14が多角柱形状の場合には、上部電極部16Aおよび下部電極部12Aの形状も多角形とすることが好ましい。
【0044】
最後に、上部電極16を覆う保護層17が形成される。保護層17は、第2絶縁層15と同様の方法および同様の材料により形成される絶縁層である。なお、保護層17はSiN等からなる絶縁層の上に、更にポリパラキシリレン等の生体適合性のある外皮膜が形成された2層構造であってもよい。
【0045】
図7に示す上記構造のUSセル10では、キャビティ14の直上領域の、第2絶縁層15と上部電極16と保護層17とが、振動部であるメンブレン18を構成している。
【0046】
<超音波アレイおよび超音波ユニットの構成>
図8は、USユニット30の平面展開図、すなわち、ラジアル面(円筒側面)に配列している複数のUSエレメント20を平面状態で示した説明図である。図9は、図8のIX−IX線に沿った断面図である。
【0047】
すでに説明したように、USアレイ40の複数のUSエレメント20は、それぞれの長辺が連結されている。そして図8に示すように、同じ構成の複数のUSエレメント20が、それぞれのシグナル電極端子52と、隣り合うUSエレメント20のグランド電極端子51と、が隣り合うように、交互に長辺方向が180度回転した状態で連結されている。
【0048】
すなわち、複数の同じ構造のUSエレメント20を、配設方向を変えながら連接することでUSアレイ40は作製される。このため、USアレイ40は作製が容易である。
【0049】
そして、USアレイ40の両端面側には、USエレメント1個おきにシグナル電極端子52が直線状に配列している。このため、それぞれの端面側におけるシグナル電極端子52の配設間隔(ピッチ)P1は、連続してシグナル電極端子52が配列している従来のUSアレイの2倍である。また、送受信部60の左右に、USエレメント1個おきに、グランド電極端子51が直線状に配列している。
【0050】
なお、USアレイ40は3次元の曲面状に配置されている。このために、「直線状」とは、厳密には、「円弧状」または「2次元平面に投影したときの配置が直線状」という意味である。
【0051】
USユニット30は、シグナル電極端子52の配設ピッチP1が広いため、信号線42とシグナル電極端子52との接続が容易である。このため、超音波ユニット30は製造が容易であり、USユニット30を有する超音波内視鏡2は製造が容易である。
【0052】
なお、複数の信号線42は、それぞれが1本のケーブル(ワイヤ)でもよいし、フレキシブル配線板に複数の信号線42が配設されていてもよい。接続方法は、例えば、はんだ接合によるが、接続部の接続強度を高くすることが容易であるため、超音波ユニット30および超音波内視鏡2は信頼性が高い。
【0053】
また、複数のグランド電極端子51が直線状に配列しているため、2本の短絡線41A、41Bにより、全てのグランド電極端子51を接続することができる。そして、それぞれの短絡線41は少なくとも1箇所でグランド線53と接続されているだけである。
【0054】
短絡線41は、線状またはリボン状のアルミニウムまたは銅等の導体からなり、超音波または熱等の公知の方法によりグランド電極端子51と接続される。または、アルミニウムまたは銅等の導体からなる導電膜を、例えばメタルマスクを介して成膜することで短絡線41を形成してもよい。前記導電膜は、スパッタ法、蒸着法またはめっき法により成膜できる。
【0055】
複数のグランド電極端子51を、それぞれのグランド線53と接続する必要がないため、超音波ユニット30は製造が容易であり、超音波ユニット30を有する超音波内視鏡2は製造が容易である。
【0056】
なお、超音波エレメントが、複数の静電容量型のUSセル10を配列した送受信部60に替えて、PZT等の圧電層を積層した送受信部を有していても、同様の効果を有することは明らかである。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態のUSユニット30A、およびUSユニット30Aを有するUS内視鏡2Aについて説明する。USユニット30A、US内視鏡2Aは、それぞれUSユニット30、US内視鏡2と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0057】
図10に示すように、USユニット30AのUSアレイ40Aは、複数の超音波エレメント20Aが、超音波アレイ40Aの両端面における短辺位置がに交互に異なるように連結されている。このため、超音波アレイ40Aの両端面には切り欠き部45A、45Bが形成されている。そして、信号線42が切り欠き部45を介して第2の主面20SBの側、すなわち円筒状の超音波アレイ40Aの内部側に延設されている。
【0058】
USユニット30Aは、USユニット30と同様の効果を有する。更に超音波アレイ40Aの両端面から信号線42が突出していない。このため、USユニット30AはUSエレメント20Aの長辺寸法が短い。またUSユニット30Aを具備するUS内視鏡2Aは先端部37が短い。
【0059】
更に、USユニット30Aは、隣接する信号線42の間の干渉を減少することができる。すなわち、図8に示した、USユニット30では、USエレメント20の長軸方向に対して平行に信号線42A、42Bが引き出される。このため、信号線42A、42Bは、アーチ状になり、たわみ等が生じる。たわみ量が多いと隣り合う信号線42A、42Bが干渉してしまうおそれがあった。
これに対して、図10に示すUSユニット30Aでは、切り欠き45A、45Bという所定箇所の空いたスペースに1本ずつ信号線42A、42Bを通すため、干渉する恐れがない。
【0060】
<第3実施形態>
以下、第3実施形態のUSユニット30B、およびUSユニット30Bを有するUS内視鏡2Bについて説明する。USユニット30B、US内視鏡2Bは、それぞれUSユニット30、US内視鏡2と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0061】
図11に示すように、USユニット30BのUSアレイ40Bを構成する超音波エレメント20Bが2種類ある。すなわち、第1の超音波エレメント20B1または第2の超音波エレメント20B2のいずれかである。第1の超音波エレメント20B1は、第1の主面20SAにシグナル電極端子52と送受信部60との間にグランド電極端子51が配置されている。第2の超音波エレメント20B2は、第1の主面20SAにグランド電極端子51とシグナル電極端子52との間に送受信部60が配置されている。そして、第1の超音波エレメント20B1と第2の超音波エレメント20B2とが、グランド電極端子51が隣り合うように、連結されている。
【0062】
更に、2つの異なる超音波エレメント20B1、20B2が、短辺位置が交互に異なるように連結されているため、USアレイ40Bの両端面に、複数の切り欠き部45A、45Bが形成されている。そして、信号線42が切り欠き部45を介して第2の主面20SBの側に延設されている。
【0063】
図11に示すように、USユニット30Bでは、短絡線41が1本でよい。このため、USエレメント20Bの長辺方向の寸法が、USエレメント20よりも短い。
【0064】
USユニット30Bは、USユニット30等が有する効果を有し、更に長さが短い。また、US内視鏡2BはUS内視鏡2が有する効果を有し、更に先端部37が短い。
【0065】
<第4実施形態>
以下、第4実施形態のUSユニット30C、およびUSユニット30Cを有するUS内視鏡2Cについて説明する。USユニット30C、US内視鏡2Cは、それぞれUSユニット30、US内視鏡2と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0066】
図12に示すように、USユニット30CのUSエレメント20Cは、1端部にシグナル電極端子52が配置され、第1送受信部60Aと第2送受信部60Bとに2分割された送受信部60Cの中央に、グランド電極端子51が配置されている。
【0067】
そして、信号線(シグナル配線)42は端部の切り欠き部45を介して第2の主面20SBの側に延設されている。複数のグランド電極端子51は1本の短絡線41により接続されている。なお、短絡線41と接続されたグランド線(不図示)は、隣り合うUSエレメント20Cの連結部(隣り合う送受信部60の間)を介して引き出したり、貫通配線を介して引き出したりされる。
【0068】
USユニット30CおよびUS内視鏡2Cは、USユニット30B等が有する効果を有する。
【0069】
<第5実施形態>
以下、第5実施形態のUSユニット30D、およびUSユニット30Dを有するUS内視鏡2Dについて説明する。USユニット30D、US内視鏡2Dは、それぞれUSユニット30、US内視鏡2と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0070】
図13に示すように、USユニット30DのUSエレメント20Dは、シグナル電極端子52の配設面およびグランド電極端子51の配設面が、送受信部60の表面よりも低い。そして、送受信部60の表面の高さが、信号線42の最大高さおよびグランド線53(不図示)の最大高さよりも高い。すなわち、シグナル電極端子52に信号線42を接続し、グランド電極端子51に短絡線41、グランド線53を接続しても、送受信部60の高さを超えないように、基体であるシリコン基板11Dの端部に段差が形成されている。
【0071】
USユニット30DおよびUS内視鏡2Dは、USユニット30等が有する効果を有する。更に、複数のUSエレメント20Dを円筒状に配設したUSユニット30Dは、送受信部60の表面よりも外側に配線(ワイヤ)等が突出することない。このため、USユニット30DおよびUS内視鏡2Dの先端部37は外径が小さい。
【0072】
<第6実施形態>
以下、第6実施形態のUSユニット30E、およびUSユニット30Eを有するUS内視鏡2Eについて説明する。USユニット30E、US内視鏡2Eは、それぞれUSユニット30、US内視鏡2と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0073】
図14に示すように、USユニット30EのUSエレメント20Eは、第1の主面20SAに送受信部60が配設されており、第2の主面20SBにグランド電極端子51およびシグナル電極端子52が配設されている。グランド電極端子51と上部電極16は基体であるシリコン基板11を貫通する貫通配線47を介して接続されており、シグナル電極端子52と下部電極12も貫通配線48を介して接続されている。
【0074】
すなわち、USエレメント20Eは、第1の主面20SAと第2の主面20SBを有する基体の第1の主面20SAに送受信部60が形成され、第2の主面20SBにシグナル電極端子52およびグランド電極端子51が形成されている。なお、貫通配線47、48に替えて他の配線方法、例えば側面配線により配線をシリコン基板11の第2の主面20SBまで延設してもよい。
【0075】
図15および図16に示すように、USアレイ40Eでは、第1の主面20SAの略中央に送受信部60が配置されている。そして、第2の主面20SBに配設されたシグナル電極端子52は、第1の主面20SAに配設された送受信部60をはさんで交互に反対側の端部に直線状に配列している。一方、複数のグランド電極端子51は、シグナル電極端子52よりも中央側に直線状に2列に配列している。
【0076】
そして、図8に示したUSアレイ40と同様に、複数の信号線42は、それぞれが、1個のUSエレメント20Eのシグナル電極端子52と接続されている。2本の短絡線41は、それぞれが複数のUSエレメント20Eのグランド電極端子51を接続し、それぞれ1箇所が、それぞれのグランド線53と接続されている。
なお、信号線42およびグランド線53は、USアレイ40Eの端面から突出することがないように、USアレイ40Eの内部側に延設されている。
【0077】
USユニット30EおよびUS内視鏡2Eは、USユニット30等が有する効果を有し、更に外径が小さい。
【0078】
<第6実施形態の変形例>
以下、第6実施形態の変形例1および変形例2のUSユニット30F、30G、およびUSユニット30F、30Gを有するUS内視鏡2F、2Gについて説明する。USユニット30F、30G、US内視鏡2F、2Gは、それぞれUSユニット30E、US内視鏡2Eと類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0079】
図17に示すように、USユニット30FのUSエレメント20Fは、第1の主面20SAに送受信部60とシグナル電極端子52とが配設されており、第2の主面20SBにグランド電極端子51が配設されている。
【0080】
複数のUSエレメント20Fは交互に長辺方向が180度回転した状態で連結されている。このため、第1の主面20SA側の端部には交互に信号線42と接続されるシグナル電極端子52が配置されている。また第2の主面20SB側の両端部には交互に短絡線41と接続されるグランド電極端子51が直線状に配置されている。
【0081】
USユニット30FおよびUS内視鏡2Fは、USユニット30E等が有する効果を有し、更に長さが短い。
【0082】
図18に示すように、USユニット30GのUSエレメント20Gは、第1の主面20SAの略中央部に送受信部60が配設されており、第2の主面20SBにグランド電極端子51とシグナル電極端子52が配設されている。ここで、シグナル電極端子52は、第2の主面20SBの略中央部に配設されている。
【0083】
複数のUSエレメント20Gは交互に長辺方向が180度回転した状態で連結されている。このため、第2の主面20SB側の端部には交互に信号線42と接続されるシグナル電極端子52が配置されている。また第2の主面20SB側の中央部には、短絡線41と接続されるグランド電極端子51が直線状に配置されている。このため、1本の短絡線41により全てのグランド電極端子51を接続することができる。
【0084】
USユニット30GおよびUS内視鏡2Gは、USユニット30E等が有する効果を有し、更に長さが短い。
【0085】
以上の説明のように、超音波エレメントの第1の主面には、少なくもシグナル電極端子またはグランド電極端子のいずれかと、送受信部と、が配設されていればよい。
【0086】
本発明は、上述した実施形態または変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【符号の説明】
【0087】
1…超音波内視鏡システム、2〜2G…超音波内視鏡、3…超音波観測装置、10…超音波セル、11…シリコン基板、12…下部電極、12A…下部電極部、13…絶縁層、14…キャビティ、15…絶縁層、16…上部電極、16A…上部電極部、17…保護層、18…メンブレン、20…超音波エレメント、20SA…第1の主面、20SB…第2の主面、30〜30G…超音波ユニット、40…超音波アレイ、41…短絡線、42…信号線、45…切り欠き部、51…グランド電極端子、52…シグナル電極端子、53…グランド線、60…送受信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波エレメントを有する超音波ユニット、および超音波ユニットを具備する超音波内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波内視鏡は、体内のガスまたは骨の影響を受けない良好な画質で消化管壁または深部臓器等を明瞭に描出することができる。電子走査式の超音波内視鏡は、先端部に超音波アレイを有する超音波ユニットが配設されている。超音波アレイは、細長い長方形の第1の主面のある複数の超音波エレメントの長辺が連結されて構成されている。それぞれの超音波エレメントには、送受信部と、信号送受信用のシグナル電極端子と、グランド電位のグランド電極端子とが長辺方向に配置されている。
【0003】
そして、それぞれの超音波エレメントのシグナル電極端子には、それぞれ1本の信号線(同軸ケーブル芯線)が半田付け等により接続され、グランド電極端子にも1本のグランド線(同軸ケーブルシールド線)が接続されている。
【0004】
電極端子の配設ピッチが狭い、すなわち平面視矩形の超音波エレメントの短辺の長さが短い超音波アレイでは、電極端子へのワイヤの接続作業は容易ではない。
【0005】
特許第4377787号明細書には、中継電極を有する円筒部材を用いて超音波アレイと同軸ケーブルとを接続する振動子が開示されている。前記振動子では、それぞれの超音波エレメントの電極端子と円筒部材の中継電極端子とをワイヤで接続し、中継電極端子に同軸ケーブルを接続している。
【0006】
しかし、電極ピッチが狭い超音波ユニットでは、中継電極端子を有する円筒部材を用いても、超音波エレメントの電極端子と中継電極とをワイヤで接続するのは容易ではないことがあった。
【0007】
すなわち、それぞれの電極端子と外部接続用配線とを接続する必要のある、複数の超音波エレメントを狭いピッチで配列した超音波ユニットは製造が容易ではないことがあり、前記超音波ユニットを具備する超音波内視鏡の製造が容易ではないことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4377787号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施形態は、製造が容易な超音波ユニットおよび製造が容易な超音波内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態の超音波ユニットは、送受信部と、シグナル電極端子と、グランド電極端子と、が配設された複数の超音波エレメントを有し、前記複数の超音波エレメントのそれぞれの長辺が連結されている超音波アレイと、
複数の前記グランド電極端子と接続された少なくとも1本の短絡線と、
前記短絡線と接続されたグランド線と、
それぞれが1個の前記シグナル電極端子と接続された複数の信号線と、を具備し、
前記送受信部は、超音波を送受信するためのシグナル電極とグランド電極とを有し、前記シグナル電極が前記シグナル電極端子に接続されているとともに、前記グランド電極が前記グランド電極端子に接続されており、
隣り合う前記超音波エレメントが、それぞれの前記シグナル電極端子が長方形の前記送受信部をはさんで長辺方向の反対側に交互に配置されるように連結されている。
【0011】
また別の実施形態の超音波内視鏡は、上記記載の超音波ユニットを有する先端硬性部を具備する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態によれば、製造が容易な超音波ユニットおよび製造が容易な超音波内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態の超音波内視鏡を具備する内視鏡システムを説明するための外観図である。
【図2】第1実施形態の超音波内視鏡の先端部を説明するための斜視図である。
【図3】第1実施形態の超音波ユニットの構成を説明するための斜視図である。
【図4】第1実施形態の超音波ユニットの超音波エレメントの上面図である。
【図5】第1実施形態の超音波ユニットの超音波エレメントの図4のV−V線に沿った断面図である。
【図6】第1実施形態の超音波ユニットの送受信部の上面図である。
【図7】第1実施形態の超音波ユニットの送受信部の図6のVII−VII線に沿った断面図である。
【図8】第1実施形態の超音波ユニットの超音波アレイの平面展開図である。
【図9】第1実施形態の超音波ユニットの超音波アレイの図8のIX−IX線に沿った断面図である。
【図10】第2実施形態の超音波ユニットの超音波アレイの平面展開図である。
【図11】第3実施形態の超音波ユニットの超音波アレイの平面展開図である。
【図12】第4実施形態の超音波ユニットの超音波アレイの平面展開図である。
【図13】第5実施形態の超音波ユニットの超音波エレメントの断面図である。
【図14】第6実施形態の超音波ユニットの超音波エレメントの断面図である。
【図15】第6実施形態の超音波ユニットの超音波アレイの上面図である。
【図16】第6実施形態の超音波ユニットの超音波アレイの下面図である。
【図17】第6実施形態の変形例1の超音波ユニットの超音波エレメントの断面図である。
【図18】第6実施形態の変形例2の超音波ユニットの超音波エレメントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
以下、図面を参照して第1実施形態の超音波ユニット(以下、「USユニット」という)30、および、USユニット30を有する超音波内視鏡(以下、「US内視鏡」という)2について説明する。
【0015】
<超音波内視鏡の構成>
図1に示すようにUS内視鏡2は、超音波観測装置3およびモニタ4とともに超音波内視鏡システム1を構成する。US内視鏡2は、体内に挿入される細長の挿入部21と、挿入部21の基端に配された操作部22と、操作部22の側部から延出したユニバーサルコード23と、を具備する。
【0016】
ユニバーサルコード23の基端部には、光源装置(不図示)に接続されるコネクタ24Aが配設されている。コネクタ24Aからは、カメラコントロールユニット(不図示)にコネクタ25Aを介して着脱自在に接続されるケーブル25と、超音波観測装置3にコネクタ26Aを介して着脱自在に接続されるケーブル26と、が延出している。超音波観測装置3にはモニタ4が接続される。
【0017】
挿入部21は、先端側から順に、先端硬性部(以下「先端部」という))37と、先端部37の後端に位置する湾曲部38と、湾曲部38の後端に位置して操作部22に至る細径かつ長尺で可撓性を有する可撓管部39と、を連設して構成されている。そして、先端部37の先端側には、超音波送受部である超音波ユニット30が配設されている。
【0018】
操作部22には、湾曲部38を所望の方向に湾曲制御するアングルノブ22Aと、送気および送水操作を行う送気送水ボタン22Bと、吸引操作を行う吸引ボタン22Cと、体内に導入する処置具の入り口となる処置具挿入口22D等と、が配設されている。
【0019】
そして、図2に示すように、超音波を送受信するUSユニット30が、設けられた先端部37には、照明光学系を構成する照明用レンズカバー31と、観察光学系の観察用レンズカバー32と、吸引口を兼ねる鉗子口33と、図示しない送気送水ノズルと、が配設されている。
【0020】
図3に示すように、USユニット30は、超音波アレイ(以下「USアレイ」という)40と、短絡線41A、41Bと、グランド線53A、53Bと、信号線42A、42Bと、を具備する。なお、同じ構成要素のそれぞれをいうときは末尾のアルファベット1文字を省略する。例えば短絡線41A、41Bのそれぞれを、短絡線41という。また、例えば、短絡線41Aは先端側の短絡線41であり、短絡線41Bは基端側の短絡線41である。
【0021】
USアレイ40は、複数の細長いUSエレメント20の長辺が連結され、円筒状に湾曲配置されたラジアル型振動子群である。すなわち、USアレイ40では、例えば、直径2mmの円筒の側面に、短辺が0.1mm以下のUSエレメント20が200個、配設されている。
【0022】
なお、USアレイ40は、ラジアル型振動子群であるが、USアレイは、凸形状に湾曲したコンベックス型振動子群であってもよい。
【0023】
複数の信号線42は、それぞれが、1個のUSエレメント20のシグナル電極端子52と接続されている。短絡線41は、複数のUSエレメント20のグランド電極端子51を接続する短絡線であり、グランド線53と接続されている。
【0024】
複数のUSエレメント20と同軸ケーブル束35とは、短絡線41、グランド線53、信号線42およびケーブル接続基板部(不図示)を介して接続されている。すなわち同軸ケーブル束35は、複数の信号線42と同じ本数の芯線のある同軸ケーブルからなる。
【0025】
同軸ケーブル束35は、先端部37と、湾曲部38と、可撓管部39と、操作部22と、ユニバーサルコード23と、超音波ケーブル26と、に挿通され、超音波コネクタ26aを介して、超音波観測装置3と接続されている。
【0026】
<超音波アレイの構成>
図4および図5に示すように、それぞれのUSエレメント20の長方形の第1の主面20SAには、送受信部60と、シグナル電極端子52と、グランド電極端子51と、が長辺方向に配置されている。なお、図はいずれも説明のための模式図であり、厚さおよび大きさ等の比率は実際とは異なる。
【0027】
USエレメント20は、シグナル電極端子52とグランド電極端子51とが送受信部60をはさんで配置されている。そして、送受信部60とシグナル電極端子52との間に、グランド電極端子51が配置可能なスペースがあり、グランド電極端子51と端面との間にはシグナル電極端子52が配置可能なスペースがある。言い換えれば、USエレメント20の第1の主面20SAは、送受信部60と、2つのシグナル電極端子52と、2つのグランド電極端子51と、を長辺方向に配置可能である。
【0028】
シグナル電極端子52は、送受信部60のシグナル電極である下部電極12と接続されている。グランド電極端子51は、送受信部60のグランド電極である上部電極16と接続されている。
【0029】
送受信部60は下部電極12と上部電極16との間に印加される駆動用信号により超音波を発生する。また送受信部60は、超音波を受信すると、下部電極12と上部電極16との間に電気信号を発生する。
【0030】
<送受信部の構成>
次に、図6および図7を用いて、送受信部60の構成について説明する
【0031】
図6に示すように、超音波ユニット30の送受信部60には、複数の静電容量型の超音波セル(以下、「USセル」)10がマトリックス配置されている。USセル10の配置は、規則的な格子配置、千鳥配置、または、三角メッシュ配置等であってもよいし、ランダム配置であってもよい。
【0032】
図7に示すように、USセル10は、基体であるシリコン基板11上に、順に積層された、シグナル電極端子52と接続された下部電極12と、第1絶縁層(下部絶縁層)13と、円筒状のキャビティ14が形成された第2絶縁層(上部絶縁層)15と、グランド電極端子51と接続された上部電極16と、保護層17と、を有する。
【0033】
すなわち、それぞれのUSセル10は、キャビティ14を介して対向配置している円形のシグナル電極部である下部電極部12Aとグランド電極部である円形の上部電極部16Aとを有する。複数の下部電極部12Aがシグナル電極である下部電極12を構成し、複数の上部電極部16Aがグランド電極である上部電極16を構成している。すなわち。同じUSエレメント20に配置された複数のUSセル10の下部電極部12Aは互いに接続されており、上部電極部16Aも互いに接続されている。
【0034】
シリコン基板11は、シリコン11Aの表面にシリコン熱酸化膜11B、11Cを形成した基板である。シリコン基板11の一面上に形成される下部電極12は、金属またシリコンなどの導電性材料からなる。導電性材料はシリコン基板11の全面にスパッタ法等により成膜される。そして、フォトリソグラフィによるマスクパターンを形成後にエッチングにより部分的に除去することにより、下部電極12が形成される。
【0035】
例えば、下部電極12は、円形の下部電極部12Aと、下部電極12の縁辺部から延設している配線部12Bとからなる。配線部12Bにより、下部電極部12Aは、同じUSエレメント20の他のUSセルの下部電極部と接続されている。
【0036】
下部電極12を覆うように、SiN等の絶縁性材料からなる第1絶縁層13がCVD法(化学気相成長法)等により成膜される。
【0037】
そして第1絶縁層13の上に、犠牲層材料を成膜しパターニングすることで、キャビティ14の形状(円柱状)の犠牲層が形成される。
【0038】
犠牲層の厚さは、キャビティ14の高さとなるために、例えば、0.05〜0.3μmであり、好ましくは0.05〜0.15μmである。犠牲層材料としては、例えば、リンガラス(PSG:含リン酸化シリコン)、二酸化ケイ素、ポリシリコン、または金属などを用いる。
【0039】
犠牲層パターンが形成された第1絶縁層13の上面に、第2絶縁層15が、例えば第1絶縁層13と同様の方法および同様の材料により形成される。
【0040】
そして、第2絶縁層15の所定の位置に、犠牲層を除去するために、エッチング剤を流入する開口部(不図示)が形成される。
【0041】
次に、犠牲層のエッチングによりキャビティ14が形成される。例えば犠牲層としてリンガラスを用い、第1絶縁層13および第2絶縁層15としてSiNを用いた場合には、エッチング剤としてフッ酸溶液(バッファードHF溶液)を用いる。
【0042】
次に、上部電極部16Aと配線部16Bとからなる上部電極16が、下部電極12と同様に形成される。例えば、上部電極部16Aおよび下部電極部12Aは、キャビティ14と略同径である。
【0043】
キャビティ14は円柱形状に限られるものではなく、多角柱形状等でもよい。キャビティ14が多角柱形状の場合には、上部電極部16Aおよび下部電極部12Aの形状も多角形とすることが好ましい。
【0044】
最後に、上部電極16を覆う保護層17が形成される。保護層17は、第2絶縁層15と同様の方法および同様の材料により形成される絶縁層である。なお、保護層17はSiN等からなる絶縁層の上に、更にポリパラキシリレン等の生体適合性のある外皮膜が形成された2層構造であってもよい。
【0045】
図7に示す上記構造のUSセル10では、キャビティ14の直上領域の、第2絶縁層15と上部電極16と保護層17とが、振動部であるメンブレン18を構成している。
【0046】
<超音波アレイおよび超音波ユニットの構成>
図8は、USユニット30の平面展開図、すなわち、ラジアル面(円筒側面)に配列している複数のUSエレメント20を平面状態で示した説明図である。図9は、図8のIX−IX線に沿った断面図である。
【0047】
すでに説明したように、USアレイ40の複数のUSエレメント20は、それぞれの長辺が連結されている。そして図8に示すように、同じ構成の複数のUSエレメント20が、それぞれのシグナル電極端子52と、隣り合うUSエレメント20のグランド電極端子51と、が隣り合うように、交互に長辺方向が180度回転した状態で連結されている。
【0048】
すなわち、複数の同じ構造のUSエレメント20を、配設方向を変えながら連接することでUSアレイ40は作製される。このため、USアレイ40は作製が容易である。
【0049】
そして、USアレイ40の両端面側には、USエレメント1個おきにシグナル電極端子52が直線状に配列している。このため、それぞれの端面側におけるシグナル電極端子52の配設間隔(ピッチ)P1は、連続してシグナル電極端子52が配列している従来のUSアレイの2倍である。また、送受信部60の左右に、USエレメント1個おきに、グランド電極端子51が直線状に配列している。
【0050】
なお、USアレイ40は3次元の曲面状に配置されている。このために、「直線状」とは、厳密には、「円弧状」または「2次元平面に投影したときの配置が直線状」という意味である。
【0051】
USユニット30は、シグナル電極端子52の配設ピッチP1が広いため、信号線42とシグナル電極端子52との接続が容易である。このため、超音波ユニット30は製造が容易であり、USユニット30を有する超音波内視鏡2は製造が容易である。
【0052】
なお、複数の信号線42は、それぞれが1本のケーブル(ワイヤ)でもよいし、フレキシブル配線板に複数の信号線42が配設されていてもよい。接続方法は、例えば、はんだ接合によるが、接続部の接続強度を高くすることが容易であるため、超音波ユニット30および超音波内視鏡2は信頼性が高い。
【0053】
また、複数のグランド電極端子51が直線状に配列しているため、2本の短絡線41A、41Bにより、全てのグランド電極端子51を接続することができる。そして、それぞれの短絡線41は少なくとも1箇所でグランド線53と接続されているだけである。
【0054】
短絡線41は、線状またはリボン状のアルミニウムまたは銅等の導体からなり、超音波または熱等の公知の方法によりグランド電極端子51と接続される。または、アルミニウムまたは銅等の導体からなる導電膜を、例えばメタルマスクを介して成膜することで短絡線41を形成してもよい。前記導電膜は、スパッタ法、蒸着法またはめっき法により成膜できる。
【0055】
複数のグランド電極端子51を、それぞれのグランド線53と接続する必要がないため、超音波ユニット30は製造が容易であり、超音波ユニット30を有する超音波内視鏡2は製造が容易である。
【0056】
なお、超音波エレメントが、複数の静電容量型のUSセル10を配列した送受信部60に替えて、PZT等の圧電層を積層した送受信部を有していても、同様の効果を有することは明らかである。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態のUSユニット30A、およびUSユニット30Aを有するUS内視鏡2Aについて説明する。USユニット30A、US内視鏡2Aは、それぞれUSユニット30、US内視鏡2と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0057】
図10に示すように、USユニット30AのUSアレイ40Aは、複数の超音波エレメント20Aが、超音波アレイ40Aの両端面における短辺位置がに交互に異なるように連結されている。このため、超音波アレイ40Aの両端面には切り欠き部45A、45Bが形成されている。そして、信号線42が切り欠き部45を介して第2の主面20SBの側、すなわち円筒状の超音波アレイ40Aの内部側に延設されている。
【0058】
USユニット30Aは、USユニット30と同様の効果を有する。更に超音波アレイ40Aの両端面から信号線42が突出していない。このため、USユニット30AはUSエレメント20Aの長辺寸法が短い。またUSユニット30Aを具備するUS内視鏡2Aは先端部37が短い。
【0059】
更に、USユニット30Aは、隣接する信号線42の間の干渉を減少することができる。すなわち、図8に示した、USユニット30では、USエレメント20の長軸方向に対して平行に信号線42A、42Bが引き出される。このため、信号線42A、42Bは、アーチ状になり、たわみ等が生じる。たわみ量が多いと隣り合う信号線42A、42Bが干渉してしまうおそれがあった。
これに対して、図10に示すUSユニット30Aでは、切り欠き45A、45Bという所定箇所の空いたスペースに1本ずつ信号線42A、42Bを通すため、干渉する恐れがない。
【0060】
<第3実施形態>
以下、第3実施形態のUSユニット30B、およびUSユニット30Bを有するUS内視鏡2Bについて説明する。USユニット30B、US内視鏡2Bは、それぞれUSユニット30、US内視鏡2と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0061】
図11に示すように、USユニット30BのUSアレイ40Bを構成する超音波エレメント20Bが2種類ある。すなわち、第1の超音波エレメント20B1または第2の超音波エレメント20B2のいずれかである。第1の超音波エレメント20B1は、第1の主面20SAにシグナル電極端子52と送受信部60との間にグランド電極端子51が配置されている。第2の超音波エレメント20B2は、第1の主面20SAにグランド電極端子51とシグナル電極端子52との間に送受信部60が配置されている。そして、第1の超音波エレメント20B1と第2の超音波エレメント20B2とが、グランド電極端子51が隣り合うように、連結されている。
【0062】
更に、2つの異なる超音波エレメント20B1、20B2が、短辺位置が交互に異なるように連結されているため、USアレイ40Bの両端面に、複数の切り欠き部45A、45Bが形成されている。そして、信号線42が切り欠き部45を介して第2の主面20SBの側に延設されている。
【0063】
図11に示すように、USユニット30Bでは、短絡線41が1本でよい。このため、USエレメント20Bの長辺方向の寸法が、USエレメント20よりも短い。
【0064】
USユニット30Bは、USユニット30等が有する効果を有し、更に長さが短い。また、US内視鏡2BはUS内視鏡2が有する効果を有し、更に先端部37が短い。
【0065】
<第4実施形態>
以下、第4実施形態のUSユニット30C、およびUSユニット30Cを有するUS内視鏡2Cについて説明する。USユニット30C、US内視鏡2Cは、それぞれUSユニット30、US内視鏡2と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0066】
図12に示すように、USユニット30CのUSエレメント20Cは、1端部にシグナル電極端子52が配置され、第1送受信部60Aと第2送受信部60Bとに2分割された送受信部60Cの中央に、グランド電極端子51が配置されている。
【0067】
そして、信号線(シグナル配線)42は端部の切り欠き部45を介して第2の主面20SBの側に延設されている。複数のグランド電極端子51は1本の短絡線41により接続されている。なお、短絡線41と接続されたグランド線(不図示)は、隣り合うUSエレメント20Cの連結部(隣り合う送受信部60の間)を介して引き出したり、貫通配線を介して引き出したりされる。
【0068】
USユニット30CおよびUS内視鏡2Cは、USユニット30B等が有する効果を有する。
【0069】
<第5実施形態>
以下、第5実施形態のUSユニット30D、およびUSユニット30Dを有するUS内視鏡2Dについて説明する。USユニット30D、US内視鏡2Dは、それぞれUSユニット30、US内視鏡2と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0070】
図13に示すように、USユニット30DのUSエレメント20Dは、シグナル電極端子52の配設面およびグランド電極端子51の配設面が、送受信部60の表面よりも低い。そして、送受信部60の表面の高さが、信号線42の最大高さおよびグランド線53(不図示)の最大高さよりも高い。すなわち、シグナル電極端子52に信号線42を接続し、グランド電極端子51に短絡線41、グランド線53を接続しても、送受信部60の高さを超えないように、基体であるシリコン基板11Dの端部に段差が形成されている。
【0071】
USユニット30DおよびUS内視鏡2Dは、USユニット30等が有する効果を有する。更に、複数のUSエレメント20Dを円筒状に配設したUSユニット30Dは、送受信部60の表面よりも外側に配線(ワイヤ)等が突出することない。このため、USユニット30DおよびUS内視鏡2Dの先端部37は外径が小さい。
【0072】
<第6実施形態>
以下、第6実施形態のUSユニット30E、およびUSユニット30Eを有するUS内視鏡2Eについて説明する。USユニット30E、US内視鏡2Eは、それぞれUSユニット30、US内視鏡2と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0073】
図14に示すように、USユニット30EのUSエレメント20Eは、第1の主面20SAに送受信部60が配設されており、第2の主面20SBにグランド電極端子51およびシグナル電極端子52が配設されている。グランド電極端子51と上部電極16は基体であるシリコン基板11を貫通する貫通配線47を介して接続されており、シグナル電極端子52と下部電極12も貫通配線48を介して接続されている。
【0074】
すなわち、USエレメント20Eは、第1の主面20SAと第2の主面20SBを有する基体の第1の主面20SAに送受信部60が形成され、第2の主面20SBにシグナル電極端子52およびグランド電極端子51が形成されている。なお、貫通配線47、48に替えて他の配線方法、例えば側面配線により配線をシリコン基板11の第2の主面20SBまで延設してもよい。
【0075】
図15および図16に示すように、USアレイ40Eでは、第1の主面20SAの略中央に送受信部60が配置されている。そして、第2の主面20SBに配設されたシグナル電極端子52は、第1の主面20SAに配設された送受信部60をはさんで交互に反対側の端部に直線状に配列している。一方、複数のグランド電極端子51は、シグナル電極端子52よりも中央側に直線状に2列に配列している。
【0076】
そして、図8に示したUSアレイ40と同様に、複数の信号線42は、それぞれが、1個のUSエレメント20Eのシグナル電極端子52と接続されている。2本の短絡線41は、それぞれが複数のUSエレメント20Eのグランド電極端子51を接続し、それぞれ1箇所が、それぞれのグランド線53と接続されている。
なお、信号線42およびグランド線53は、USアレイ40Eの端面から突出することがないように、USアレイ40Eの内部側に延設されている。
【0077】
USユニット30EおよびUS内視鏡2Eは、USユニット30等が有する効果を有し、更に外径が小さい。
【0078】
<第6実施形態の変形例>
以下、第6実施形態の変形例1および変形例2のUSユニット30F、30G、およびUSユニット30F、30Gを有するUS内視鏡2F、2Gについて説明する。USユニット30F、30G、US内視鏡2F、2Gは、それぞれUSユニット30E、US内視鏡2Eと類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0079】
図17に示すように、USユニット30FのUSエレメント20Fは、第1の主面20SAに送受信部60とシグナル電極端子52とが配設されており、第2の主面20SBにグランド電極端子51が配設されている。
【0080】
複数のUSエレメント20Fは交互に長辺方向が180度回転した状態で連結されている。このため、第1の主面20SA側の端部には交互に信号線42と接続されるシグナル電極端子52が配置されている。また第2の主面20SB側の両端部には交互に短絡線41と接続されるグランド電極端子51が直線状に配置されている。
【0081】
USユニット30FおよびUS内視鏡2Fは、USユニット30E等が有する効果を有し、更に長さが短い。
【0082】
図18に示すように、USユニット30GのUSエレメント20Gは、第1の主面20SAの略中央部に送受信部60が配設されており、第2の主面20SBにグランド電極端子51とシグナル電極端子52が配設されている。ここで、シグナル電極端子52は、第2の主面20SBの略中央部に配設されている。
【0083】
複数のUSエレメント20Gは交互に長辺方向が180度回転した状態で連結されている。このため、第2の主面20SB側の端部には交互に信号線42と接続されるシグナル電極端子52が配置されている。また第2の主面20SB側の中央部には、短絡線41と接続されるグランド電極端子51が直線状に配置されている。このため、1本の短絡線41により全てのグランド電極端子51を接続することができる。
【0084】
USユニット30GおよびUS内視鏡2Gは、USユニット30E等が有する効果を有し、更に長さが短い。
【0085】
以上の説明のように、超音波エレメントの第1の主面には、少なくもシグナル電極端子またはグランド電極端子のいずれかと、送受信部と、が配設されていればよい。
【0086】
本発明は、上述した実施形態または変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【符号の説明】
【0087】
1…超音波内視鏡システム、2〜2G…超音波内視鏡、3…超音波観測装置、10…超音波セル、11…シリコン基板、12…下部電極、12A…下部電極部、13…絶縁層、14…キャビティ、15…絶縁層、16…上部電極、16A…上部電極部、17…保護層、18…メンブレン、20…超音波エレメント、20SA…第1の主面、20SB…第2の主面、30〜30G…超音波ユニット、40…超音波アレイ、41…短絡線、42…信号線、45…切り欠き部、51…グランド電極端子、52…シグナル電極端子、53…グランド線、60…送受信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送受信部と、シグナル電極端子と、グランド電極端子と、が配設された複数の超音波エレメントを有し、前記複数の超音波エレメントのそれぞれの長辺が連結されている超音波アレイと、
複数の前記グランド電極端子と接続された少なくとも1本の短絡線と、
前記短絡線と接続されたグランド線と、
それぞれが1個の前記シグナル電極端子と接続された複数の信号線と、を具備し、
前記送受信部は、超音波を送受信するためのシグナル電極とグランド電極とを有し、前記シグナル電極が前記シグナル電極端子に接続されているとともに、前記グランド電極が前記グランド電極端子に接続されており、
隣り合う前記超音波エレメントが、それぞれの前記シグナル電極端子が長方形の前記送受信部をはさんで長辺方向の反対側に交互に配置されるように連結されていることを特徴とする超音波ユニット。
【請求項2】
1本の前記短絡線と接続される前記複数のグランド電極端子が直線状に配列していることを特徴とする請求項1に記載の超音波ユニット。
【請求項3】
複数の前記超音波エレメントが、連結方向にコンベックス形状またはラジアル形状に湾曲していることを特徴とする請求項2に記載の超音波ユニット。
【請求項4】
前記送受信部と前記シグナル電極端子と前記グランド電極端子の配置形態が同じ複数の超音波エレメントが、交互に長辺方向が180度回転した状態で連結されていることを特徴とする請求項3に記載の超音波ユニット。
【請求項5】
前記超音波エレメントの第1の主面に、少なくとも前記シグナル電極端子または前記グランド電極端子のいずれかと、前記送受信部と、が配設されていることを特徴とする請求項4に記載の超音波ユニット。
【請求項6】
前記超音波エレメントの第1の主面に、前記送受信部と、前記シグナル電極端子と、前記グランド電極端子と、が配設されていることを特徴とする請求項5に記載の超音波ユニット。
【請求項7】
前記複数の超音波エレメントが、
前記シグナル電極端子と前記送受信部との間に、前記グランド電極端子が配置された複数の第1の超音波エレメントと、
前記グランド電極端子と前記シグナル電極端子との間に、前記送受信部が配置された複数の第2の超音波エレメントと、からなり、
前記第1の超音波エレメントと前記第2の超音波エレメントとが、前記グランド電極端子が隣り合うように、連結されていることを特徴とする請求項6に記載の超音波ユニット。
【請求項8】
前記複数の超音波エレメントが、前記超音波アレイの両端面に、複数の切り欠き部を形成するように、交互に短辺位置が異なるように連結されており、
前記信号線が、前記切り欠き部を介して第2の主面側に延設されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の超音波ユニット。
【請求項9】
前記送受信部の表面の高さが、前記信号線の最大高さおよび前記グランド線の最大高さよりも高いことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の超音波ユニット。
【請求項10】
前記送受信部に複数の超音波セルが配設されており、それぞれの前記超音波セルがキャビティを介して対向配置しているシグナル電極部とグランド電極部とを有し、複数の前記シグナル電極部が前記シグナル電極を構成し、複数の前記グランド電極部が前記グランド電極を構成していることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の超音波ユニット。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の超音波ユニットを有する先端硬性部を具備することを特徴とする超音波内視鏡。
【請求項1】
送受信部と、シグナル電極端子と、グランド電極端子と、が配設された複数の超音波エレメントを有し、前記複数の超音波エレメントのそれぞれの長辺が連結されている超音波アレイと、
複数の前記グランド電極端子と接続された少なくとも1本の短絡線と、
前記短絡線と接続されたグランド線と、
それぞれが1個の前記シグナル電極端子と接続された複数の信号線と、を具備し、
前記送受信部は、超音波を送受信するためのシグナル電極とグランド電極とを有し、前記シグナル電極が前記シグナル電極端子に接続されているとともに、前記グランド電極が前記グランド電極端子に接続されており、
隣り合う前記超音波エレメントが、それぞれの前記シグナル電極端子が長方形の前記送受信部をはさんで長辺方向の反対側に交互に配置されるように連結されていることを特徴とする超音波ユニット。
【請求項2】
1本の前記短絡線と接続される前記複数のグランド電極端子が直線状に配列していることを特徴とする請求項1に記載の超音波ユニット。
【請求項3】
複数の前記超音波エレメントが、連結方向にコンベックス形状またはラジアル形状に湾曲していることを特徴とする請求項2に記載の超音波ユニット。
【請求項4】
前記送受信部と前記シグナル電極端子と前記グランド電極端子の配置形態が同じ複数の超音波エレメントが、交互に長辺方向が180度回転した状態で連結されていることを特徴とする請求項3に記載の超音波ユニット。
【請求項5】
前記超音波エレメントの第1の主面に、少なくとも前記シグナル電極端子または前記グランド電極端子のいずれかと、前記送受信部と、が配設されていることを特徴とする請求項4に記載の超音波ユニット。
【請求項6】
前記超音波エレメントの第1の主面に、前記送受信部と、前記シグナル電極端子と、前記グランド電極端子と、が配設されていることを特徴とする請求項5に記載の超音波ユニット。
【請求項7】
前記複数の超音波エレメントが、
前記シグナル電極端子と前記送受信部との間に、前記グランド電極端子が配置された複数の第1の超音波エレメントと、
前記グランド電極端子と前記シグナル電極端子との間に、前記送受信部が配置された複数の第2の超音波エレメントと、からなり、
前記第1の超音波エレメントと前記第2の超音波エレメントとが、前記グランド電極端子が隣り合うように、連結されていることを特徴とする請求項6に記載の超音波ユニット。
【請求項8】
前記複数の超音波エレメントが、前記超音波アレイの両端面に、複数の切り欠き部を形成するように、交互に短辺位置が異なるように連結されており、
前記信号線が、前記切り欠き部を介して第2の主面側に延設されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の超音波ユニット。
【請求項9】
前記送受信部の表面の高さが、前記信号線の最大高さおよび前記グランド線の最大高さよりも高いことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の超音波ユニット。
【請求項10】
前記送受信部に複数の超音波セルが配設されており、それぞれの前記超音波セルがキャビティを介して対向配置しているシグナル電極部とグランド電極部とを有し、複数の前記シグナル電極部が前記シグナル電極を構成し、複数の前記グランド電極部が前記グランド電極を構成していることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の超音波ユニット。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の超音波ユニットを有する先端硬性部を具備することを特徴とする超音波内視鏡。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−13570(P2013−13570A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148593(P2011−148593)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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