説明

超音波処理およびオゾン含有マイクロバブル処理による食品材料における微生物の制御方法

【課題】本発明は、食鳥肉等の食品材料の品質劣化を引き起こす細菌群や食中毒の原因となる病原微生物を効率的に制御することができ、なおかつ有害物質を発生しない技術を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、食品材料を浸漬してなる水性液中に超音波を照射する超音波処理工程と、超音波処理工程後の食品材料を、オゾン含有マイクロバブルを発生させてなる水性液中に浸漬するオゾン含有マイクロバブル処理工程とを含む、食品材料における微生物の制御方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品材料、特に食鳥肉における微生物の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食肉の中でも食鳥肉は、牛肉や豚肉と比べると皮のついた状態で処理・販売されるため、牛肉や豚肉に比べると肉の鮮度低下の原因となる付着細菌数が多い。しかも食鳥肉は皮膚表面の傷や羽毛の毛穴に入った微生物汚染を処理工程で制御することが難しい。従って、消費期限は他の食肉と比べると短く設定されている。さらに国産の市販鶏肉の約7割が、カンピロバクター(国内での食中毒発生件数が第一位となっている食中毒菌)に汚染されている調査結果が出ており、その防除対策が急がれている。
【0003】
これまでの食肉処理場における病原微生物制御には次亜塩素酸などの薬剤が使用されてきたが、食鳥肉に対する殺菌効果は低かった。さらに塩素剤を使用すると、副産物としてトリハロメタンなどの有害物質の生成や最終製品の塩素臭などが問題となっていた。欧米では、薬品で微生物制御ができない場合については、食肉の放射線照射による殺菌が認められているが、日本の食品衛生法では認められていない。
【0004】
一方、オゾンは、塩素系殺菌剤に比べて10倍近い殺菌能力を有しているが、その一方でオゾン水を製造しても、散逸や分解により短時間内に大部分のオゾンが消滅してしまう。さらに、有機物が存在すると、オゾンの殺菌効果は減少してしまうという欠点があった。
【0005】
【特許文献1】特表2006−514857号公報
【特許文献2】特開2004−357521号公報
【特許文献3】特開平6−133685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、食鳥肉等の食品材料の品質劣化を引き起こす細菌群や食中毒の原因となる病原微生物を効率的に制御することができ、なおかつ有害物質を発生しない技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
有害な微生物は、食鳥肉の皮膚の毛穴や皮膚の表面についた傷のような食品材料の微細な窪み部に付着して存在していると考えられている。そこで本発明者らは、これらの微生物を食品材料から効果的に遊離させることが食品材料における微生物の制御に効果的であると考えた。更に本発明者らは、オゾンによって食品材料の微生物制御を行うためには、溶存オゾン濃度を長時間維持することが重要であると考えた。これらの点に着眼して鋭意研究した結果、本発明者らは以下の発明を完成させるに至った。
【0008】
(1)食品材料を浸漬してなる水性液中に超音波を照射する超音波処理工程と、超音波処理工程後の食品材料を、オゾン含有マイクロバブルを発生させてなる水性液中に浸漬するオゾン含有マイクロバブル処理工程とを含む、食品材料における微生物の制御方法。
(2)超音波処理工程において用いられる水性液が塩化セチルピリジニウムを溶解してなる水性液である、(1)記載の方法。
(3)超音波処理工程において用いられる水性液中の塩化セチルピリジニウムの濃度が1000ppm以上である、(2)記載の方法。
【0009】
(4)超音波処理工程が、食品材料を浸漬してなる25〜30℃の水性液中に周波数が20〜30KHzの超音波を30〜60分間照射する工程である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)オゾン含有マイクロバブル処理工程が、超音波処理工程後の食品材料を浸漬させてなる4〜10℃の水性液にオゾン含有マイクロバブルを30〜60分間にわたり発生させる工程である、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
【0010】
(6)オゾン含有マイクロバブル処理工程において、オゾン含有マイクロバブルを発生させてなる水性液中に超音波を照射することを更なる特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)オゾン含有マイクロバブル処理工程の間、周波数が20〜30KHzの超音波を前記水溶液中に照射する、(6)記載の方法。
(8)食品材料が食肉である、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)食肉が食鳥肉である、(8)記載の方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の方法によれば、食鳥肉等の食品材料の品質劣化を引き起こす細菌群や食中毒の原因となる病原微生物を効率的に制御することができる。また本発明の方法は有害物質を発生しない。
【0012】
本発明の方法において食品材料として食鳥肉を用いる場合、食鳥肉の表面に付着している細菌(特にサルモネラやカンピロバクターなどの主要な食中毒菌)の数を最大で100分の1またはそれ以下にまで減少させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
1.食品材料
本発明による処理の対象となる食品材料としては食肉、特に食鳥肉が挙げられる。
【0014】
2.水性液
本発明において「水性液」とは水または水溶液を指す。水溶液には緩衝液も包含される。
【0015】
3.超音波処理工程
超音波処理工程は、食品材料の表面上の微生物を水性液中に遊離させるのに十分な条件で行われる限り特に条件は限定されない。しかしながら以下の条件が特に好ましい。周波数が20〜30KHzである超音波を使用することが好ましい。超音波処理工程に用いる水性液の温度は25〜30℃であることが好ましい。超音波の照射時間は30〜60分間であることが好ましい。
【0016】
超音波処理に用いる水性液は塩化セチルピリジニウムを溶解してなる水性液であることが好ましい。塩化セチルピリジニウムの濃度は1,000ppm以上が好ましい。上限は特に限定されないが通常は3,000 ppm以下である。
【0017】
4.オゾン含有マイクロバブル処理工程
オゾン含有マイクロバブル処理工程は、超音波処理工程後の食品材料を浸漬させてなる10℃以下、好ましくは4〜10℃の水性液にオゾン含有マイクロバブルを30〜60分間にわたり発生させる工程であることが好ましい。このような条件で処理を行うことにより、驚くべきことに、従来の方法では困難であった高濃度のオゾン溶液、具体的には25ppm以上のオゾン濃度を有する溶液が得られる。オゾン含有マイクロバブル処理工程で用いられる水性液中の溶存オゾン濃度として好ましいのは25〜35ppmである。
【0018】
オゾン含有マイクロバブルの泡径は4〜20μmであることが好ましい。水性液中での気泡密度は3,500個〜13,300個/mlであることが好ましい。マイクロバブル発生装置に供給されるオゾンの量は4.8〜6g/時となることが好ましい。マイクロバブル発生装置から4.8〜6g/時のオゾン発生量にて供給されるオゾンガスを封入してなる泡径4〜20μmのマイクロバブルを、水温が4〜10℃の水性液中に、気泡が3,500個〜13,300個/mlとなるように注入する場合、注入開始から30分後に25〜35ppmの溶存オゾン濃度が達成され得る。
【0019】
オゾン含有マイクロバブルは、オゾン発生装置と、マイクロバブル発生装置とを組み合わせて用いることにより水性液中に発生させることができる。
【0020】
オゾン発生装置としては特に限定されないが、たとえば、株式会社オズワン社製OF-6型、単相AC100V 250w 空冷式 酸素ボンベ仕様の装置が使用可能である。
【0021】
マイクロバブル発生装置としては特に限定されないが、たとえば、特開2007−130601の公報のごときマイクロバブル発生装置が使用可能である。
【0022】
オゾン含有マイクロバブル処理工程では、オゾン含有マイクロバブルを発生させてなる水性液中に超音波を照射することが更に好ましい。超音波の照射は、オゾン含有マイクロバブル処理工程の期間にわたり行うことが好ましい。用いられる超音波の周波数は、20〜30KHzであることが好ましい。
【0023】
5.制御される微生物
本発明の方法により制御される微生物としては、サルモネラ属に属する細菌、カンピロバクター属に属する細菌、腸管出血性大腸菌、腸炎ビブリオ菌、枯草菌、セレウス菌、大腸菌群、低温細菌などが挙げられる。本発明の方法により食品材料中の微生物数が減少される。
【実施例】
【0024】
実験1〜5及び10〜11は実験室において行った。実験6〜9は食鳥処理場において行った。
【0025】
以下の実験ではマイクロバブル発生装置として、資源開発株式会社製A-01型のマイクロバブル発生装置を使用した。
【0026】
以下の実験ではオゾン発生装置として、株式会社オズワン社製OF-6型のオゾン発生装置を使用した。
【0027】
実験1
オゾンを吹き込む装置(マイクロバブル発生装置またはエアストーン)の違い、及び水温(4℃または18℃)の違いによる溶存オゾン濃度の差異を調べた。
【0028】
40Lの水道水に、オゾン発生器(6g/h製造)から毎分2Lのオゾンガスをエアストーン(魚を飼育する際に使用する空気を送り込む器具)又はマイクロバブル発生装置に接続し、4℃と18℃の水温で30分間オゾンを吹き込んだ場合の溶存オゾン濃度を経時的に測定した(溶存オゾン濃度の測定はヨウ化カリウム法による滴定)。その結果、水温4℃、マイクロバブル発生装置を用いた場合の溶存オゾン濃度が最も高い値を示した。結果を図1に示す。
【0029】
実験2
水道水に、オゾン発生器(6g/h製造)から毎分2Lのオゾンガスをエアストーン又はマイクロバブル発生装置に接続し、4℃の水温で30分間オゾンを吹き込んだ後、鶏血清を0.1または0.5%添加し、経時的に溶存オゾン濃度を経時的に測定した。その結果、オゾン濃度は血清添加量に依存して急速に低下した(図2上段)。
【0030】
ここに食中毒細菌であるカンピロバクターを接種し、殺菌効果を測定したところ、0.1%血清添加では両者に殺菌効果が見られたが、0.5%血清添加ではオゾン・マイクロバブル水にのみ殺菌効果が認められ、オゾン・エアストーンでは殺菌効果を発揮するのに必要なオゾン濃度は得られなかった(図2下段)。
【0031】
実験3
実験室において、モモ肉を10℃に調整した40Lの水道水を満たした容器に浸漬し、(1)超音波処理、(2)マイクロバブル処理、(3)オゾン・マイクロバブル処理をそれぞれ60分間行い、処理前後の皮の表面の一般生菌数(25cm2)を測定した。結果を図3に示す。
【0032】
その結果、オゾン・マイクロバブル処理により付着細菌の減少が認められたが、超音波処理、マイクロバブル処理では細菌数の減少は認められなかった。
【0033】
実験4
実験室において、30℃に調整した40Lの水道水にモモ肉を入れ、28KHzの超音波を30分間肉の表面に当てた後、10℃以下に冷却した30Lの水道水にマイクロバブル(MB)発生装置を使ってオゾンを注入したオゾン・MB水を作製し、モモ肉を60分間浸漬させた。結果を図4に示す。
【0034】
グラフは、処理前、超音波処理後、オゾン・MB処理後のモモ肉の皮の表面25cm2当たりの一般生菌数を測定した結果を示しており、処理前の1/10〜1/100程度に減少している。
【0035】
実験5
実験室において、30℃に調整した40Lの水道水にモモ肉を入れ、28KHzの超音波を30分間肉の表面に当てた後、10℃以下に冷却した30Lの水道水にマイクロバブル(MB)発生装置を使ってオゾンを注入したオゾン・MB水を作製し、超音波処理と併用してモモ肉を60分間浸漬させた。結果を図5に示す。
【0036】
図5Aは、処理前、超音波処理後、オゾン・MB処理および超音波処理併用後のモモ肉の皮の表面25cm2当たりの一般生菌数を測定した結果を示しており、処理前の1/100以下に減少している。
【0037】
図5Bは、超音波処理前、超音波処理後、およびオゾン・MB処理後の水中の一般生菌数を測定した結果を示している。超音波処理により、モモ肉に付着していた細菌が遊離したことが分かる。
【0038】
実験6
食鳥処理場において、脱羽後のと体を30℃に調整した40Lの井水を満たした容器に浸漬し、28KHzの超音波を30分間当てた。まんべんなく超音波が当たるようにするため、と体は回転させた。処理前後のと体表面のムネと背の皮の表面の一般生菌数(25cm2)を測定した。結果を図6に示す。
その結果、処理前後で菌数がムネでは減少し、背中では増加した。
【0039】
実験7
食鳥処理場において、チラー前のと体を30℃に調整した40Lの井水を満たした容器に浸漬し、28KHzの超音波を30分間当てた。まんべんなく超音波が当たるようにするため、と体は回転させた。処理前後のと体表面のムネと背の皮の表面の一般生菌数(25cm2)を測定した。結果を図7に示す。
【0040】
その結果、ムネと背中では処理前後で菌数の変化はなかったが、超音波処理によって遊離した菌が処理後の水中から検出されており、付着した細菌が遊離していることを示している。
【0041】
実験8
食鳥処理場において、脱羽後のと体を30℃に調整した40Lの井水を満たした容器に浸漬し、28KHzの超音波を30分間当てた。まんべんなく超音波が当たるようにするため、と体は回転させた。その後、30Lの井水を満たした容器内でオゾン・MB水を作製し、4℃に冷却しながらと体を60分間浸漬させた。と体は15分おきに上下の向きを変えた。処理各段階での一般生菌数を測定した結果を図8に示す。
【0042】
脱羽後の超音波処理−オゾン・MB処理により、と体表面の細菌数はムネで処理前の1/100近くまで減少した。
【0043】
実験9
食鳥処理場において、脱羽後のと体を30℃に調整した40Lの井水を満たした容器に浸漬し、28KHzの超音波を30分間当てた。まんべんなく超音波が当たるようにするため、と体は回転させた。その後、30Lの井水を満たした容器内でオゾン・MB水を作製し、4℃に冷却しながらと体を60分間浸漬させた。と体は15分おきに上下の向きを変えた。処理各段階での一般生菌数を測定した結果を図9に示す。
【0044】
チラー前の超音波処理−オゾン・MB処理により、と体表面の細菌数は処理前の1/10〜1/100の範囲まで減少した。
【0045】
実験10
塩化セチルピリジニウム(CPC)粉末1gを1Lの10mMリン酸緩衝液(pH7.2)に溶解し、鳥モモ肉を浸漬させ、30℃で28KHzの超音波処理を30〜60分間行った。オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理は10℃で30〜60分間行った。鳥モモ肉には予めCampylobacter jejuni (C. jejuni)を付着させておき、以下の各条件において皮の表面の生菌数(25cm2)を測定し、殺菌効果を確認した。その結果を表1に示す。
【0046】
オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に30〜60分間実施した場合、C. jejuniの付着菌数は処理前と比べほとんど減少しなかった(処理1、処理2)。一方、CPCに浸漬させると付着菌数は減少し、28KHzの超音波処理を同時に30〜60分間実施すると、検出限界値以下に減少した(処理3、処理4)。CPC浸漬あるいはCPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に30分間行った後、鳥モモ肉を別の容器に移し、オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した場合、付着菌数は処理前の1/100の範囲まで減少した(処理5、処理6)。さらに、この工程を2回繰り返すことにより、付着菌数は検出限界値以下まで減少した(処理7、処理8)。しかしながら、鳥モモ肉を水道水に浸漬しただけでは、付着菌数の減少は見られなかった(処理9)。
【0047】
処理1:オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に30分間実施した。
処理2:オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理3:塩化セチルピリジニウム(CPC)浸漬を30分間実施した。
処理4:CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に30分間実施した。
処理5:CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理6:CPC浸漬処理を30分間行った後、オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理7:CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に30分間行った後、オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理8: CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に30分間行った後、オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に30分間行う工程を2回繰り返した。
処理9:水道水に60分間浸漬した。
【0048】
【表1】

【0049】
実験11
塩化セチルピリジニウム(CPC)粉末1gを1Lの10mMリン酸緩衝液(pH7.2)に溶解し、鳥モモ肉を浸漬させ、30℃で28KHzの超音波処理を30〜60分間行った。オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理は10℃で30〜60分間行った。鳥モモ肉には予め Salmonella Enteritidisを付着させておき、以下の各条件において皮の表面の生菌数(25cm2)を測定し、殺菌効果を確認した。その結果を表2に示す。
【0050】
オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に30〜60分間実施した場合、Salmonella Enteritidisの付着菌数は処理前の約1/10の範囲まで減少した(処理1、処理2)。CPCに浸漬させると付着菌数は減少し、28KHzの超音波処理を同時に30〜60分間実施すると、付着菌数は処理前の1/10の範囲まで減少した(処理3、処理4)。CPC浸漬あるいはCPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に30分間行った後、鳥モモ肉を別の容器に移し、オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した場合、付着菌数は処理前の1/10〜1/100の範囲まで減少した(処理5、処理6)。さらに、この工程を2回繰り返すことにより、付着菌数は検出限界値以下まで減少した(処理7、処理8)。しかしながら、鳥モモ肉を水道水に浸漬しただけでは、付着菌数の減少はほとんど見られなかった(処理9)。
【0051】
処理1:オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に30分間実施した。
処理2:オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理3:塩化セチルピリジニウム(CPC)浸漬を30分間実施した。
処理4:CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に30分間実施した。
処理5:CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理6:CPC浸漬処理を30分間行った後、オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理7:CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に30分間行った後、オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に60分間実施した。
処理8: CPC浸漬と28KHzの超音波処理を同時に30分間行った後、オゾン含有マイクロバブルと28KHzの超音波処理を同時に30分間行う工程を2回繰り返した。
処理9:水道水に60分間浸漬した。
【0052】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】オゾンの注入条件の違いによる溶存オゾン濃度の変化を示す図である。
【図2】上段は、オゾン濃度に及ぼす血清添加の影響を示す図である。下段は、血清添加後のカンピロバクターに対する殺菌効果を示す図である。
【図3】鶏肉の殺菌効果の比較(モモ肉)を示す図である。
【図4】モモ肉の超音波処理後オゾン・MBによる殺菌効果を示す図である。
【図5】モモ肉の超音波処理後オゾン・MBおよび超音波処理併用による殺菌効果を示す図である。
【図6】脱羽後と体の超音波処理による細菌数の変化を示す図である。
【図7】チラー前と体の超音波処理による細菌数の変化を示す図である。
【図8】脱羽後と体における殺菌効果を示す図である。
【図9】チラー前と体における殺菌効果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品材料を浸漬してなる水性液中に超音波を照射する超音波処理工程と、超音波処理工程後の食品材料を、オゾン含有マイクロバブルを発生させてなる水性液中に浸漬するオゾン含有マイクロバブル処理工程とを含む、食品材料における微生物の制御方法。
【請求項2】
超音波処理工程において用いられる水性液が塩化セチルピリジニウムを溶解してなる水性液である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
超音波処理工程において用いられる水性液中の塩化セチルピリジニウムの濃度が1000ppm以上である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
超音波処理工程が、食品材料を浸漬してなる25〜30℃の水性液中に周波数が20〜30KHzの超音波を30〜60分間照射する工程である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
オゾン含有マイクロバブル処理工程が、超音波処理工程後の食品材料を浸漬させてなる4〜10℃の水性液にオゾン含有マイクロバブルを30〜60分間にわたり発生させる工程である、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
オゾン含有マイクロバブル処理工程において、オゾン含有マイクロバブルを発生させてなる水性液中に超音波を照射することを更なる特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
オゾン含有マイクロバブル処理工程の間、周波数が20〜30KHzの超音波を前記水溶液中に照射する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
食品材料が食肉である、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
食肉が食鳥肉である、請求項8記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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