説明

超音波式気体・流量・ガス濃度測定装置の超音波多重反射抑制機構

【課題】 空気やガスなど、あらゆる気体の流量を測定する超音波式測定装置を使うときに、多重反射を減衰させる目的で、一対の超音波センサーの超音波伝搬経路上に隔壁を設けた、超音波多重反射抑制機構を提供する。
【解決手段】 空気やガスなどの気体が通る筒を有し、出入り口から流れる気体を、一対の超音波センサーが測定の為に受発信する際、気体の流路の妨げを考慮し、多重反射を防ぐための隔壁を設けた事を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波で空気やガスなどのあらゆる気体の流量を測定できる装置の超音波の多重反射を、隔壁を設けることによって抑える超音波測定装置の超音波多重反射抑制機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波の多重反射を抑える機構には、一組の超音波センサーの超音波伝搬経路上に設けられた隔壁の機構はなかった。
【特許文献1】
【特許文献2】
【非特許文献1】
【非特許文献2】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これには、次のような欠点があった。
従来、隔壁を設けない場合、超音波の指向角によっては、超音波素子が発信した自らの超音波が、途中の構造物ではね返り反射波となり、それが繰り返し反射して多重反射波となる。自ら発信した反射波を受信してしまうと、必要な受信号波と不必要な反射波が混在した状態となるので必要な信号が分離できない。今までは、反射波が減衰するまでに時間がかかってしまい、次々と信号を高頻度で発信出来ず、安価な 高分解能化が難しかった。
本発明は、以上のような欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
気体の流路と交差する一組の超音波センサー(1)の超音波伝搬経路上(4)に、気体の流路(3)の妨げを考慮した隔壁(2)を設ける。超音波は、伝搬経路(4)を通り、無駄な反射(5)を除いてもう片方のセンサーへ到達する。これまでの無駄な反射波がもう片方及び発信したセンサーに到達しない分、すぐに受信から発信へ切り替える事ができる。
本発明は、以上の構成よりなる超音波測定装置の超音波多重反射抑制機構である。
【発明の効果】
【0005】
多重反射を減少・減衰させる事で、繰り返す送受信の頻度を多くしても、多重反射波の影響を受けにくくなり、高分解能化など測定性能を向上させる事が出来る。
【0006】
超音波の伝搬系路上に隔壁(2)が設けられているので、反射して戻ってくる超音波信号を制限することができる。多重反射がなくなれば、互いのセンサーが自分の出した信号の反射を受けることがなく、相手の信号を早く受け取ることができるため、応答性・測定分解能など性能がより良いものになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するために最良の状態について説明する。
対向に設置された2個の超音波センサー(1)の超音波伝搬経路(4)と、測定するあらゆる気体が流れる経路(2)が交差する構造の流量計・ガス濃度計及びその両方の機能を持つ機器に使用する、超音波伝搬系路上(4)で、2個の各超音波センサー(1)と測定流路との交差の間に、測定ガスの流れの妨げを考慮して、隔壁の障害物(3)を設ける。
【0008】
このとき、センサーと隔壁の間の空間は、対向した平面を避けるなどして超音波の共鳴・共振を考慮し、その隔壁に測定に必要な超音波信号の通過を許容する形状・大きさの穴を1〜数箇所あける。その結果不要な超音波の反射・多重反射の影響を軽減し、高性能化を図るためである。
【産業上の利用可能性】
【0009】
この構造は、あらゆる気体に応用できるだけではなく、液体等にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】 本製品の斜視図である。
【図2】 本製品の斜視図である。
【図3】 本製品の斜視図である。
【図4】 〔図1〕のDTM1を正面から見た図である。
【図5】 〔図1〕のTOPの断面図である。
【図6】 〔図3〕のRIGHTの断面図である。
【図7】 〔図2〕のTOPの断面図で、ユニットの隔壁による超音波の多重反射抑制を表すものである。
【図8】 あらゆる気体の流路と、超音波の伝搬経路を表すものである。
【図9】 あらゆる気体の流路と、超音波の伝搬経路を表すものである。
【・・・・】

【符号の説明】
1・・・超音波センサー 2・・・隔壁 3・・・あらゆる気体の流路
4・・・超音波伝搬経路 5・・・多重反射の超音波信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を利用した、気体流量やガス濃度を測定する機械において、2つの超音波センサーを対向配置又はV字型伝搬経路に配置し超音波伝搬経路と測定流路が交差する構造を有する場合、その伝搬経路上に、超音波を通過させる為の穴やスリットなどのある隔壁を設けた構造で、不要な反射波や多重反射波の影響を少なくする、超音波多重反射抑制機構。
【請求項2】
流路上に、空気・ガスなど測定対象となる気体の流路の妨げを考慮した位置・形状で、超音波伝搬経路上に隔壁を設けて多重反射波の影響を少なくする、超音波多重反射抑制機構。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−256315(P2010−256315A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123579(P2009−123579)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(507294395)株式会社ホクシンエレクトロニクス (7)
【Fターム(参考)】