超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器
【課題】大気に開放された溶存炭酸ガス液水槽水中の水平方向及び垂直方向のどの位置からでもサンプリング可能とし、溶存炭酸ガス濃度を簡単迅速に測定可能で超安価に提供できる超音波式溶存炭酸ガス検知器。
【解決手段】
本発明は、サンプリングボトルを検知器本体から取外し可能なことから前記課題を容易にクリアでき更に溶存炭酸ガス液から炭酸ガスを分離する方法として封水された容器内で発泡出来るように超音波振動をサンプリングボトル外部から当てることを採用することによって発生した炭酸ガスを封水された気液変換液を封水域から外部に押し出し気体容積を液体容積に変換し測定することを特徴とする。
計量槽(通称メスシリンダー)に押し出された液体容積を計量槽に目盛られた数値で読み取ることで溶存炭酸ガス濃度を計測する超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器を提供する。
【解決手段】
本発明は、サンプリングボトルを検知器本体から取外し可能なことから前記課題を容易にクリアでき更に溶存炭酸ガス液から炭酸ガスを分離する方法として封水された容器内で発泡出来るように超音波振動をサンプリングボトル外部から当てることを採用することによって発生した炭酸ガスを封水された気液変換液を封水域から外部に押し出し気体容積を液体容積に変換し測定することを特徴とする。
計量槽(通称メスシリンダー)に押し出された液体容積を計量槽に目盛られた数値で読み取ることで溶存炭酸ガス濃度を計測する超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶存炭酸ガス濃度を現場で簡単短時間に検知し1000ppm前後の濃度を測定する器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
溶存ガス濃度測定器は東亜ディーケーケー株式会社の販売するポータブル機からタイテック株式会社が製造する装置まで幅広く市場に出ている。
実用の装置としては何ら問題がないが、現場で即座に大まかな溶存ガス濃度を知りたい場合には市販器具装置の精度が高すぎイコール価格も高額なものである。
【0003】
しかも、応答時間が長く市販品には問題があり、現場で短時間に濃度が変化する場合は相当な作業負担が生じることが多分にある。そこで短時間に2桁から3桁程度の精度で溶存ガスを検知する器具の出現が望まれている。
【0004】
本発明は、サンプリングした炭酸ガス溶存液を現場で短時間に測定する器具を低価格で提供するものである。
【0005】
本装置の図1において、バイパスパイプ内蔵上蓋の右上部のパッチン錠を開け、ストップ位置大凡120度まで左上部の蝶番を軸に左回転に開きます。
【0006】
測定装置左側、気液変換装置の上部から水道水又は着色した水道水を計量槽に溢れるまで注入します。
【0007】
計量槽を計量槽ストッパーから手前に外し、溢れた水道水又は着色した水道水を一旦全量廃棄し、計量槽を元の位置にセットします。
【0008】
右端のサンプリングボトルを装置から上に引き抜きサンプリングボトルの上部口に親指を当て密閉します。
密閉した状態のサンプリングボトルを溶存液の測定水深まで水没させ水平から僅かに開口部を上部に傾け、静かに親指をサンプリングボトル上部口からずらしサンプリングボトルに溶存液を満水にします。
【0009】
再びサンプリングボトルの開口部に親指を当て密封しながら静かに液面から出し、サンプリングボトルに明示してあるサンプリング液量線までボトルを傾け余剰サンプリング液を廃棄します。
【0010】
サンプリングボトルを装置右端上部から差込み、元の位置に戻します。
【0011】
最初に開いた上部バイパスパイプ内蔵上蓋をゆっくり閉めパッチン錠を掛けます。
【0012】
バイパスパイプ内蔵上蓋を閉めパッチン錠を掛けた状態で、サンプリングボトルと漏斗付気液変換装置は上部蓋に内蔵されたバイパスパイプを通し連結され外気とは密閉され更に漏斗付気液変換装置は計量液によって漏斗側と封水を保たれる。
【0013】
ここで、装置右下のスイッチを押すと超音波振動子励起回路に蓄電池から電気が供給されサンプリングボトル下部に超音波振動が伝わり溶存液から溶存ガスが発泡し気体となりバイパスパイプを通じ気液変換槽に入る。
【0014】
漏斗付気液変換槽に入った気体はその体積分の水道水又は直食した水道水を押しのけ計量槽に越流します。
【0015】
このことから計量槽の水位を読み取ることによって溶存ガスの体積を容易に知ることが出来、数1式2に示す通り、計算から溶存ガス濃度を知ることが出来ます。また予めサンプリング容積に見合った濃度目盛を計量槽に目盛ことも可能です。
【0016】
さらに、計量槽に移送された水道水又は着色した水道水の重量を測定することによってより正確な発生量を求めることが出来ます。
【0017】
実験によると、サンプリング容積が300立方センチ以下であれば超音波発生時間3秒以内に全溶存炭酸ガスが発泡するので迅速に測定が可能です。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2002−071647号
【特許文献2】特開平5−107168号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
解決しようとする問題点は、現場で二桁から三桁程度の大まかな溶存ガス濃度を簡単・短時間に測定できる安価な溶存炭酸ガス検知器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究した結果、気体の体積を測定することは非常に難しく、大気圧で気体の体積と等しい体積を液体に置換することによってその体積を容易に測定することが可能となり且つ、液体の比重が予め分かっていれば液体の重量を測定することによって、より正確に体積を重量から算出することが可能である。このことから、溶存ガス濃度を容易に測定できることを見いだし、本発明を完成するに至りました。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(3)の機構を有する超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器を提供する。
(1)サンプリングボトルに定量サンプリングした溶存ガス液を封水された気液変換装置に大気から密封された状態で接続する。
(2)漏斗付気液変換装置から溢れ出た液体を漏斗から計量槽(通称メスシリンダー)に全量受け入れる構造とする。
(3)サンプリングボトルの下部に超音波振動を伝達する超音波発振子とその励起電気回路と電源装置を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器は、溶存炭酸ガス液から炭酸ガスを分離する方法として超音波振動を採用することによって3秒前後の短時間で溶存ガスの全量を分離することが可能である。従って、薬品などの消耗品を使用せず僅かな電力によって測定可能である。
超音波振動子、その励起電子回路、電源装置は特に新しい技術の部品でなく安価に供給され装置全体も簡易な構造であることから、安価に製造でき、しかも、試料溶液中の溶存ガス濃度の検出・測定を素早く行うことができる。また、計量槽の重量を測定することは市販の安価な電子秤で容易に3桁以上の精度で測定できることから測定精度を容易に安価に向上可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器の保管状態正面図である。
【図2】図2は超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器の上蓋を開放した図である。(実施例1)
【図3】図3は超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器の漏斗付気液変換装置に気液変換液を投入途中の図である。(実施例2)
【図4】図4は超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器の漏斗付気液変換装置に気液変換液を投入完了し、漏斗から気液変換液が計量槽に溢れた図である。(実施例3)
【図5】図5は超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器から計量槽を取り外した図である。(実施例4)
【図6】図6は計量槽に溢れた気液変換液を廃棄後、超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器に計量槽を戻した図である。(実施例5)
【図7】図7は超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器からサンプリングボトルを取り外した図である。(実施例6)
【図8】図8はサンプリングボトルに溶存炭酸ガス溶液を規定量サンプリングし、超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器にセットした図である。(実施例7)
【図9】図9は超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器測定準備完了の図である。(実施例8)
【図10】図10は超音波発振スイッチを押し、サンプリング液が発泡し炭酸ガスがガス化しバイパスパイプを通し漏斗付気液変換槽に入り気液変換液水面を押し下げ漏斗を経由し気液変換液が計量槽に滴下している状態の図である。(実施例9)
【図11】図11は炭酸ガス溶液から全ての炭酸ガスが気化し、気化した容積分の気液変換液が計量槽に溜まった状態を示し、計量槽の目盛を読み取ることによって溶存炭酸ガス濃度を知ることが出来る。(実施例10)
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器は、気体の容積を測定することが非常に困難なことから気体の容積を液体の容積に変換することによって容易にその容積を測定することが可能になる構造とした。
【0024】
本発明の超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器は、溶存ガスの気化を素早く行え、さらに測定結果が計量槽の気液変換液を廃棄するまで保持でき且つ計量槽を本体から取り外し可能なので計量槽を本体から取外し重量測定することによって更に精度よく溶存炭酸ガス濃度を知ることが可能であるという利点がある。
【実施例1】
【0025】
図2は、本発明装置の準備段階の状態を示し、3:バイパスパイプ内蔵上蓋を開放した状態を示し5:計量槽を6:計量槽ストッパーから手前に外すことができ7:サンプリングボトルは上部に引き出し可能な状態になります。
【実施例2】
【0026】
図3は、本発明装置4:漏斗付気液変換槽に14:気液変換液(水道水又は着色した水道水)を注入中の図である。他の容器から14:気液変換液を静かに4:漏斗付気液変換槽に注ぎます。
【実施例3】
【0027】
図4は、本発明装置4:漏斗付気液変換槽に14:気液変換液を注入し4:漏斗付気液変換槽の漏斗側から14:気液変換液が溢れ5:計量槽に14:気液変換液が少量溜まった状態を示す図で、この状態になったら注入完了です。
【実施例4】
【0028】
図5は、5:計量槽に溜まった14:気液変換液を廃棄する目的で本発明装置から5:計量槽を取り外した状態を示す図で5:計量槽は6:計量槽ストッパーで装置に保持でき漏斗に干渉しないように手前に取外しできる。6:計量槽ストッパーは金属製のスプリング力で5:計量槽形状に合わせた4点で保持する。
【実施例5】
【0029】
図6は、本発明装置に5:計量槽を戻した状態で漏斗上端に14:気液変換液の液面があることを確認します。
【実施例6】
【0030】
図7は、本発明装置から溶存炭酸ガス液をサンプリングする目的で7:サンプリングボトルを取り外した状態を示す図である。7:サンプリングボトルは下部から超音波振動を与える構造のため上方に抜き取る構造になっている。
【実施例7】
【0031】
図8は、15:サンプリング液である溶存炭酸ガス液を規定量サンプリングした7:サンプリングボトルを本発明装置にセットした状態を示す図である。
【実施例8】
【0032】
図9は、14:気液変換液の注入と7:サンプリング液の準備が整い3:バイパスパイプ内蔵上蓋を閉じた状態を示し、これによって4:漏斗付気液変換槽の液面上部空間と7:サンプリングボトルのサンプリング液面上部とが外気と気密を保たれながらバイパスパイプを通して通じ、4:漏斗付気液変換槽の漏斗側とは14:気液変換液で封水されている状態を示す図である。
【実施例9】
【0033】
図10は、10:超音波発振スイッチを押した状態を示し、サンプリングされた溶存炭酸ガス液に7:サンプリングボトル下部から容器を通しサンプリング液に超音波が伝達し液内部から溶存炭酸ガスが発泡し増加した気体がバイパスパイプを通り4:漏斗付気液変換槽の液面上部空間に到達水面を押し下げ漏斗から5:計量槽に14:気液変換液が滴下中の状態を示す図である。溶存炭酸ガスが発泡し全量ガス化し14:気液変換液が5:計量槽に滴下完了に要する時間は数秒以内である。
【実施例10】
【0034】
図11は、15:サンプリング液から炭酸ガスの発泡が終わり超音波発振を終了し、5:計量槽の液面を目盛から読み取ることによって濃度がわかる状態を示す図である。
【数1】
【0035】
数1の式2から1,000ppmの溶解濃度の場合サンプリング容積の約半分の炭酸ガス容積が発泡するので1,000ppm前後の溶解濃度を測定することを目的とする場合サンプリング容積とほぼ同じ容積の計量槽を用意することが望ましい、と同時に発泡実験から気液変換槽の気液貯留溶液量はその測定精度を維持するためにサンプリング容積の2倍以上の容積とすること分かった。更に2桁以上の精度を得るためにはサンプリング容積を10立方センチ以上が適当であることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の超音波式溶存炭酸ガス検知器によれば、数秒で溶存炭酸ガス濃度の測定が出来、また計量槽の気液変換液を廃棄するまでその値を維持でき更に計量槽を気液変換液ごと重量測定することによってより精度の高い測定結果を得ることが可能な超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器である。
【符号の説明】
【0037】
1 上蓋開閉用蝶番
2 上蓋用パッチン錠
3 バイパスパイプ内蔵上蓋
4 漏斗付気液変換槽
5 計量槽
6 計量槽ストッパー
7 サンプリングボトル
8 サンプリングボトル用ホルダー
9 超音波振動子
10 超音波発振スイッチ
11 超音波振動子励起電子回路
12 電子回路用電池
13 スタンド
14 気液変換液
15 サンプリング液
16 発泡溶存ガス
17 計量液
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶存炭酸ガス濃度を現場で簡単短時間に検知し1000ppm前後の濃度を測定する器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
溶存ガス濃度測定器は東亜ディーケーケー株式会社の販売するポータブル機からタイテック株式会社が製造する装置まで幅広く市場に出ている。
実用の装置としては何ら問題がないが、現場で即座に大まかな溶存ガス濃度を知りたい場合には市販器具装置の精度が高すぎイコール価格も高額なものである。
【0003】
しかも、応答時間が長く市販品には問題があり、現場で短時間に濃度が変化する場合は相当な作業負担が生じることが多分にある。そこで短時間に2桁から3桁程度の精度で溶存ガスを検知する器具の出現が望まれている。
【0004】
本発明は、サンプリングした炭酸ガス溶存液を現場で短時間に測定する器具を低価格で提供するものである。
【0005】
本装置の図1において、バイパスパイプ内蔵上蓋の右上部のパッチン錠を開け、ストップ位置大凡120度まで左上部の蝶番を軸に左回転に開きます。
【0006】
測定装置左側、気液変換装置の上部から水道水又は着色した水道水を計量槽に溢れるまで注入します。
【0007】
計量槽を計量槽ストッパーから手前に外し、溢れた水道水又は着色した水道水を一旦全量廃棄し、計量槽を元の位置にセットします。
【0008】
右端のサンプリングボトルを装置から上に引き抜きサンプリングボトルの上部口に親指を当て密閉します。
密閉した状態のサンプリングボトルを溶存液の測定水深まで水没させ水平から僅かに開口部を上部に傾け、静かに親指をサンプリングボトル上部口からずらしサンプリングボトルに溶存液を満水にします。
【0009】
再びサンプリングボトルの開口部に親指を当て密封しながら静かに液面から出し、サンプリングボトルに明示してあるサンプリング液量線までボトルを傾け余剰サンプリング液を廃棄します。
【0010】
サンプリングボトルを装置右端上部から差込み、元の位置に戻します。
【0011】
最初に開いた上部バイパスパイプ内蔵上蓋をゆっくり閉めパッチン錠を掛けます。
【0012】
バイパスパイプ内蔵上蓋を閉めパッチン錠を掛けた状態で、サンプリングボトルと漏斗付気液変換装置は上部蓋に内蔵されたバイパスパイプを通し連結され外気とは密閉され更に漏斗付気液変換装置は計量液によって漏斗側と封水を保たれる。
【0013】
ここで、装置右下のスイッチを押すと超音波振動子励起回路に蓄電池から電気が供給されサンプリングボトル下部に超音波振動が伝わり溶存液から溶存ガスが発泡し気体となりバイパスパイプを通じ気液変換槽に入る。
【0014】
漏斗付気液変換槽に入った気体はその体積分の水道水又は直食した水道水を押しのけ計量槽に越流します。
【0015】
このことから計量槽の水位を読み取ることによって溶存ガスの体積を容易に知ることが出来、数1式2に示す通り、計算から溶存ガス濃度を知ることが出来ます。また予めサンプリング容積に見合った濃度目盛を計量槽に目盛ことも可能です。
【0016】
さらに、計量槽に移送された水道水又は着色した水道水の重量を測定することによってより正確な発生量を求めることが出来ます。
【0017】
実験によると、サンプリング容積が300立方センチ以下であれば超音波発生時間3秒以内に全溶存炭酸ガスが発泡するので迅速に測定が可能です。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2002−071647号
【特許文献2】特開平5−107168号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
解決しようとする問題点は、現場で二桁から三桁程度の大まかな溶存ガス濃度を簡単・短時間に測定できる安価な溶存炭酸ガス検知器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究した結果、気体の体積を測定することは非常に難しく、大気圧で気体の体積と等しい体積を液体に置換することによってその体積を容易に測定することが可能となり且つ、液体の比重が予め分かっていれば液体の重量を測定することによって、より正確に体積を重量から算出することが可能である。このことから、溶存ガス濃度を容易に測定できることを見いだし、本発明を完成するに至りました。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(3)の機構を有する超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器を提供する。
(1)サンプリングボトルに定量サンプリングした溶存ガス液を封水された気液変換装置に大気から密封された状態で接続する。
(2)漏斗付気液変換装置から溢れ出た液体を漏斗から計量槽(通称メスシリンダー)に全量受け入れる構造とする。
(3)サンプリングボトルの下部に超音波振動を伝達する超音波発振子とその励起電気回路と電源装置を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器は、溶存炭酸ガス液から炭酸ガスを分離する方法として超音波振動を採用することによって3秒前後の短時間で溶存ガスの全量を分離することが可能である。従って、薬品などの消耗品を使用せず僅かな電力によって測定可能である。
超音波振動子、その励起電子回路、電源装置は特に新しい技術の部品でなく安価に供給され装置全体も簡易な構造であることから、安価に製造でき、しかも、試料溶液中の溶存ガス濃度の検出・測定を素早く行うことができる。また、計量槽の重量を測定することは市販の安価な電子秤で容易に3桁以上の精度で測定できることから測定精度を容易に安価に向上可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器の保管状態正面図である。
【図2】図2は超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器の上蓋を開放した図である。(実施例1)
【図3】図3は超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器の漏斗付気液変換装置に気液変換液を投入途中の図である。(実施例2)
【図4】図4は超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器の漏斗付気液変換装置に気液変換液を投入完了し、漏斗から気液変換液が計量槽に溢れた図である。(実施例3)
【図5】図5は超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器から計量槽を取り外した図である。(実施例4)
【図6】図6は計量槽に溢れた気液変換液を廃棄後、超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器に計量槽を戻した図である。(実施例5)
【図7】図7は超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器からサンプリングボトルを取り外した図である。(実施例6)
【図8】図8はサンプリングボトルに溶存炭酸ガス溶液を規定量サンプリングし、超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器にセットした図である。(実施例7)
【図9】図9は超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器測定準備完了の図である。(実施例8)
【図10】図10は超音波発振スイッチを押し、サンプリング液が発泡し炭酸ガスがガス化しバイパスパイプを通し漏斗付気液変換槽に入り気液変換液水面を押し下げ漏斗を経由し気液変換液が計量槽に滴下している状態の図である。(実施例9)
【図11】図11は炭酸ガス溶液から全ての炭酸ガスが気化し、気化した容積分の気液変換液が計量槽に溜まった状態を示し、計量槽の目盛を読み取ることによって溶存炭酸ガス濃度を知ることが出来る。(実施例10)
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器は、気体の容積を測定することが非常に困難なことから気体の容積を液体の容積に変換することによって容易にその容積を測定することが可能になる構造とした。
【0024】
本発明の超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器は、溶存ガスの気化を素早く行え、さらに測定結果が計量槽の気液変換液を廃棄するまで保持でき且つ計量槽を本体から取り外し可能なので計量槽を本体から取外し重量測定することによって更に精度よく溶存炭酸ガス濃度を知ることが可能であるという利点がある。
【実施例1】
【0025】
図2は、本発明装置の準備段階の状態を示し、3:バイパスパイプ内蔵上蓋を開放した状態を示し5:計量槽を6:計量槽ストッパーから手前に外すことができ7:サンプリングボトルは上部に引き出し可能な状態になります。
【実施例2】
【0026】
図3は、本発明装置4:漏斗付気液変換槽に14:気液変換液(水道水又は着色した水道水)を注入中の図である。他の容器から14:気液変換液を静かに4:漏斗付気液変換槽に注ぎます。
【実施例3】
【0027】
図4は、本発明装置4:漏斗付気液変換槽に14:気液変換液を注入し4:漏斗付気液変換槽の漏斗側から14:気液変換液が溢れ5:計量槽に14:気液変換液が少量溜まった状態を示す図で、この状態になったら注入完了です。
【実施例4】
【0028】
図5は、5:計量槽に溜まった14:気液変換液を廃棄する目的で本発明装置から5:計量槽を取り外した状態を示す図で5:計量槽は6:計量槽ストッパーで装置に保持でき漏斗に干渉しないように手前に取外しできる。6:計量槽ストッパーは金属製のスプリング力で5:計量槽形状に合わせた4点で保持する。
【実施例5】
【0029】
図6は、本発明装置に5:計量槽を戻した状態で漏斗上端に14:気液変換液の液面があることを確認します。
【実施例6】
【0030】
図7は、本発明装置から溶存炭酸ガス液をサンプリングする目的で7:サンプリングボトルを取り外した状態を示す図である。7:サンプリングボトルは下部から超音波振動を与える構造のため上方に抜き取る構造になっている。
【実施例7】
【0031】
図8は、15:サンプリング液である溶存炭酸ガス液を規定量サンプリングした7:サンプリングボトルを本発明装置にセットした状態を示す図である。
【実施例8】
【0032】
図9は、14:気液変換液の注入と7:サンプリング液の準備が整い3:バイパスパイプ内蔵上蓋を閉じた状態を示し、これによって4:漏斗付気液変換槽の液面上部空間と7:サンプリングボトルのサンプリング液面上部とが外気と気密を保たれながらバイパスパイプを通して通じ、4:漏斗付気液変換槽の漏斗側とは14:気液変換液で封水されている状態を示す図である。
【実施例9】
【0033】
図10は、10:超音波発振スイッチを押した状態を示し、サンプリングされた溶存炭酸ガス液に7:サンプリングボトル下部から容器を通しサンプリング液に超音波が伝達し液内部から溶存炭酸ガスが発泡し増加した気体がバイパスパイプを通り4:漏斗付気液変換槽の液面上部空間に到達水面を押し下げ漏斗から5:計量槽に14:気液変換液が滴下中の状態を示す図である。溶存炭酸ガスが発泡し全量ガス化し14:気液変換液が5:計量槽に滴下完了に要する時間は数秒以内である。
【実施例10】
【0034】
図11は、15:サンプリング液から炭酸ガスの発泡が終わり超音波発振を終了し、5:計量槽の液面を目盛から読み取ることによって濃度がわかる状態を示す図である。
【数1】
【0035】
数1の式2から1,000ppmの溶解濃度の場合サンプリング容積の約半分の炭酸ガス容積が発泡するので1,000ppm前後の溶解濃度を測定することを目的とする場合サンプリング容積とほぼ同じ容積の計量槽を用意することが望ましい、と同時に発泡実験から気液変換槽の気液貯留溶液量はその測定精度を維持するためにサンプリング容積の2倍以上の容積とすること分かった。更に2桁以上の精度を得るためにはサンプリング容積を10立方センチ以上が適当であることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の超音波式溶存炭酸ガス検知器によれば、数秒で溶存炭酸ガス濃度の測定が出来、また計量槽の気液変換液を廃棄するまでその値を維持でき更に計量槽を気液変換液ごと重量測定することによってより精度の高い測定結果を得ることが可能な超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器である。
【符号の説明】
【0037】
1 上蓋開閉用蝶番
2 上蓋用パッチン錠
3 バイパスパイプ内蔵上蓋
4 漏斗付気液変換槽
5 計量槽
6 計量槽ストッパー
7 サンプリングボトル
8 サンプリングボトル用ホルダー
9 超音波振動子
10 超音波発振スイッチ
11 超音波振動子励起電子回路
12 電子回路用電池
13 スタンド
14 気液変換液
15 サンプリング液
16 発泡溶存ガス
17 計量液
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能なバイパスパイプ内蔵上蓋を開け漏斗付気液変換槽内部に気液変換液を規定量注入後、外部に取外し可能なサンプリングボトルに溶存炭酸ガス液を規定量サンプリングし装置の定位置にセットしバイパスパイプ内蔵上蓋を閉じることによってサンプリングボトル液面上部空間と漏斗付気液変換槽の気液変換液上部の空間とをバイパスパイプ内蔵上蓋に設けられたパイプを経由し大気から気密に連絡する構造をもち、漏斗付気液変換槽の漏斗側とは気液変換液で封水状態となり、この状態からサンプリングボトル下部に超音波振動子で超音波を伝達することによって溶存炭酸ガス溶液から発泡する炭酸ガスがバイパスパイプ内蔵上蓋のパイプを経由し漏斗付気液変換槽の気液変換液液面を押し、それによって漏斗から気液変換液が計量槽に溢れ出る構造をもち、計量槽に溢れ出た気液変換液の容積を計量槽に目盛られた目盛で溶存炭酸ガス濃度を読み取ることができる特徴をもった超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器。
【請求項2】
前記計量槽は装置から取外し可能な構造であることから、予め気液変換液の比重を測定することによって計量槽の目盛を読み取るだけでなく計量槽の重量を計ることによってより正確な溶存炭酸ガス濃度を計算から算出できることが可能なことを特徴とする、請求項1に記載の超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器。
【請求項1】
開閉可能なバイパスパイプ内蔵上蓋を開け漏斗付気液変換槽内部に気液変換液を規定量注入後、外部に取外し可能なサンプリングボトルに溶存炭酸ガス液を規定量サンプリングし装置の定位置にセットしバイパスパイプ内蔵上蓋を閉じることによってサンプリングボトル液面上部空間と漏斗付気液変換槽の気液変換液上部の空間とをバイパスパイプ内蔵上蓋に設けられたパイプを経由し大気から気密に連絡する構造をもち、漏斗付気液変換槽の漏斗側とは気液変換液で封水状態となり、この状態からサンプリングボトル下部に超音波振動子で超音波を伝達することによって溶存炭酸ガス溶液から発泡する炭酸ガスがバイパスパイプ内蔵上蓋のパイプを経由し漏斗付気液変換槽の気液変換液液面を押し、それによって漏斗から気液変換液が計量槽に溢れ出る構造をもち、計量槽に溢れ出た気液変換液の容積を計量槽に目盛られた目盛で溶存炭酸ガス濃度を読み取ることができる特徴をもった超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器。
【請求項2】
前記計量槽は装置から取外し可能な構造であることから、予め気液変換液の比重を測定することによって計量槽の目盛を読み取るだけでなく計量槽の重量を計ることによってより正確な溶存炭酸ガス濃度を計算から算出できることが可能なことを特徴とする、請求項1に記載の超音波式溶存炭酸ガス濃度検知器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−112860(P2012−112860A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263284(P2010−263284)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(502020951)
【出願人】(591045839)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(502020951)
【出願人】(591045839)
【Fターム(参考)】
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