説明

超音波撮像方法および超音波撮像装置

【課題】頭蓋骨内における超音波エコーの多重反射を抑制することができる超音波撮像方法を提供することにある。
【解決手段】予め測定された頭蓋骨内における骨構造からの超音波エコーに基づいて伝達関数算出部8が頭蓋骨による超音波の伝達関数を求め、伝達関数に基づいて打ち消し用送信信号生成部6が頭蓋骨の内面で反射する超音波エコーと逆位相の打ち消し用超音波ビームを生成し、打ち消し用プローブ2から打ち消し用超音波ビームを撮像用超音波ビームと共に送信することにより超音波エコーを打ち消しながら撮像を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波画像を生成する超音波撮像方法および超音波撮像装置に係り、特に、頭蓋骨内の超音波画像を生成する超音波撮像方法および超音波撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波プローブから被検体に向けて撮像用超音波ビームを送信すると共に被検体で反射した超音波エコーを受信して超音波画像を生成する超音波撮像が知られている。近年、超音波撮像は、頭蓋骨内の観察にも応用されており、例えばこめかみなどの頭蓋骨の薄い箇所から被検体に向けて撮像用超音波ビームを送信することで頭蓋骨内の超音波画像が生成されている。
このような、頭蓋骨内の超音波撮像では、頭蓋骨内に送信された撮像用超音波ビームの一部が頭蓋骨の内面などで繰り返し反射される多重反射が引き起こされることがある。撮像用超音波ビームの多重反射は、生成された超音波画像のノイズとなると共に脳組織に影響を及ぼすおそれもある。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、超音波プローブの表面と生体内の間での多重反射において、超音波プローブで反射して再度生体内に送られる反射波を打ち消すことで超音波画像のノイズを減少させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−117165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、超音波プローブの表面における反射波を打ち消しても頭蓋骨の内面で引き起こされる超音波エコーの多重反射は残存するため、残存した超音波エコーが脳組織に影響を及ぼすおそれがある。
【0006】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、頭蓋骨内における超音波エコーの多重反射を抑制することができる超音波撮像方法および超音波撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る超音波撮像方法は、撮像用プローブのアレイトランスデューサから被検体に向けて撮像用超音波ビームが送信されると共に被検体による超音波エコーを受信した前記撮像用プローブのアレイトランスデューサから出力された受信信号に基づいて超音波画像を生成する超音波撮像方法であって、予め頭蓋骨内における骨構造からの超音波エコーを測定し、測定された前記超音波エコーに基づいて頭蓋骨による超音波の伝達関数を求め、前記伝達関数に基づいて頭蓋骨の内面で反射する超音波エコーと逆位相の打ち消し用超音波ビームを生成し、前記撮像用超音波ビームに起因する頭蓋内における骨構造からの超音波エコーに合わせて前記打ち消し用超音波ビームを送信することにより前記超音波エコーを打ち消しながら撮像を行うものである。
【0008】
ここで、前記撮像用超音波ビームを送信した際の頭蓋内の画像表示領域の最深部からの超音波エコーより後の超音波エコーに合わせて前記打ち消し用超音波ビームを送信することができる。
【0009】
また、骨構造からの超音波エコーのうち第1エコーを画像化に必要な程度残すように前記打ち消し用超音波ビームを送信するのが好ましい。
また、前記撮像用プローブとは異なる打ち消し用プローブから前記打ち消し用超音波ビームを送信してもよい。また、前記撮像用プローブのアレイトランスデューサのうち一部のトランスデューサから前記打ち消し用超音波ビームを送信してもよい。
【0010】
また、本発明に係る超音波撮像装置は、撮像用プローブのアレイトランスデューサから被検体に向けて撮像用超音波ビームが送信されると共に被検体による超音波エコーを受信した前記撮像用プローブのアレイトランスデューサから出力された受信信号に基づいて超音波画像を生成する超音波撮像装置であって、予め頭蓋骨内における骨構造からの超音波エコーを測定するエコー測定手段と、前記エコー測定手段で測定された前記超音波エコーに基づいて頭蓋骨による超音波の伝達関数を求める伝達関数算出手段と、前記伝達関数に基づいて頭蓋骨の内面で反射する超音波エコーと逆位相の打ち消し用超音波ビームを生成して前記撮像用超音波ビームに起因する頭蓋内における骨構造からの超音波エコーに合わせて送信する打ち消し用超音波ビーム送信手段とを備えたものである。
【0011】
前記打ち消し用超音波ビーム送信手段は、前記撮像用超音波ビームを送信した際の頭蓋内の画像表示領域の最深部からの超音波エコーより後の超音波エコーに合わせて前記打ち消し用超音波ビームを送信することができる。
【0012】
また、前記打ち消し用超音波ビーム送信手段は、骨構造からの超音波エコーのうち第1エコーを画像化に必要な程度残すように前記打ち消し用超音波ビームを送信するのが好ましい。
また、前記打ち消し用超音波ビーム送信手段は、前記撮像用プローブとは異なる打ち消し用プローブから前記打ち消し用超音波ビームを送信してもよい。前記打ち消し用超音波ビーム送信手段は、前記撮像用プローブのアレイトランスデューサのうち一部のトランスデューサから前記打ち消し用超音波ビームを送信してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、頭蓋骨内における超音波エコーの多重反射を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態で用いられたプローブの配置位置を示す図である。
【図3】プレスキャン時における超音波ビームの伝搬の様子を示す図である。
【図4】頭蓋骨からの超音波エコーを打ち消す様子を示す図である。
【図5】撮像時における超音波ビームの伝搬の様子を示す図である。
【図6】変形例におけるプローブの配置位置を示す図である。
【図7】他の変形例におけるプローブの配置位置を示す図である。
【図8】さらに他の変形例で用いられるプローブを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、添付の図面に示す好適な実施形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
【0016】
図1に、本発明の一実施形態に係る超音波撮像装置の構成を示す。超音波撮像装置は、撮像用プローブ1と、打ち消し用プローブ2と、装置本体3とを有する。
撮像用プローブ1および打ち消し用プローブ2は、アレイ状に配列された複数の超音波トランスデューサをそれぞれ有する。撮像時において、撮像用プローブ1は被検体に向けて撮像用超音波ビームを送信すると共に被検体による超音波エコーを受信し、打ち消し用プローブ2は頭蓋骨内に向けて打ち消し用超音波ビームを送信する。また、プレスキャン時において、撮像用プローブ1は、頭蓋骨内に向けてプレスキャン用超音波ビームを送信すると共に頭蓋骨内における骨構造からの超音波エコーを受信する。
【0017】
装置本体3は、撮像用プローブ1に接続された受信信号処理部4と、撮像用プローブ1に接続された撮像用送信信号生成部5と、打ち消し用プローブ2に接続された打ち消し用送信信号生成部6とを有する。
受信信号処理部4には、撮像用プローブ1で受信された超音波エコーに応じた受信信号が撮像用プローブ1から入力される。撮像用送信信号生成部5は、撮像用送信信号およびプレスキャン用送信信号をそれぞれ生成して撮像用プローブ1に出力する。打ち消し用送信信号生成部6は、伝達関数に基づいて頭蓋骨の内面で反射する超音波エコーと逆位相の打ち消し用超音波ビームに応じた打ち消し用送信信号を生成して打ち消し用プローブ2に出力する。
【0018】
受信信号処理部4、撮像用送信信号生成部5、および打ち消し用送信信号生成部6に、制御部7が接続されている。制御部7は、装置本体3内の各部に対して入力および出力の制御を行う。
【0019】
制御部7には、さらに伝達関数算出部8および表示部9がそれぞれ接続されている。伝達関数算出部8は、プレスキャン時に予め得られた頭蓋骨内における骨構造からの超音波エコーに基づいて、頭蓋骨による超音波の伝達関数を求める。ここで、伝達関数は、頭蓋骨のそれぞれの位置における頭蓋骨の厚さに起因した超音波の伝搬遅延量および波形の変形量(振幅、位相等を含む)を含むものである。
表示部9は、受信信号処理部4で受信された超音波エコーに応じた受信信号に基づいて生成された超音波画像を表示する。
【0020】
上述した撮像用プローブ1、受信信号処理部4、および撮像用送信信号生成部5により本発明のエコー測定手段が構成され、打ち消し用プローブ2および打ち消し用送信信号生成部6により本発明の打ち消し用超音波ビーム送信手段が構成されている。
【0021】
次に、図1に示した超音波撮像装置の動作を説明する。
【0022】
まず、図2に示すように、頭部の所定の位置に撮像用プローブ1を配置すると共に打ち消し用プローブ2を撮像用プローブ1と隣接する位置に配置する。撮像用プローブ1および打ち消し用プローブ2が配置されると、撮像用送信信号生成部5がプレスキャン用送信信号を生成して撮像用プローブ1に出力する。これにより、撮像用プローブ1からプレスキャン用超音波ビームが頭蓋骨の内面に向けて送信され、頭蓋骨内における骨構造のプレスキャンが行われる。
【0023】
撮像用プローブ1から送信されたプレスキャン用超音波ビームは、図3に示すように、頭蓋骨Hを伝搬し、頭蓋骨内面のA点で反射して戻る超音波エコーEaが撮像用プローブ1で受信される。ここで、超音波は、頭蓋骨Hを伝搬する時に、頭蓋骨Hの厚みに起因して伝搬遅延および減衰による波形の変形を生じている。
一方、頭蓋骨HのA点を通過したプレスキャン用超音波ビームの一部は、撮像用プローブ1が配置された側とは反対側の頭蓋骨内面のB点に到達し、その骨構造から反射された超音波エコーEbが再び頭蓋骨HのA点に到達する。頭蓋骨HのA点を通過した超音波エコーEbは撮像用プローブ1で受信される。また、超音波エコーEbの一部は頭蓋骨HのA点でさらに反射され、これが繰り返されることで多重反射が引き起こされる。
【0024】
撮像用プローブ1で受信された骨構造からの超音波エコーEaおよびEbの受信信号は、受信信号処理部4に入力される。受信信号処理部4は入力された超音波エコーEaおよびEbに応じた受信信号を制御部7に出力すると、制御部7がその受信信号を伝達関数算出部8に出力する。
【0025】
伝達関数算出部8は、受信された骨構造からの超音波エコーEaの受信信号に基づいて頭蓋骨Hにおける超音波の伝達関数を求める。すなわち、伝達関数算出部8は、撮像用プローブ1から送信されたプレスキャン用超音波ビームの送信時刻と波形ならびに撮像用プローブ1で受信された超音波エコーEaの受信時刻と波形に基づき、頭蓋骨Hにおける超音波の伝達関数を求める。また、伝達関数算出部8は、撮像用プローブ1で受信された超音波エコーEaおよびEbの受信時刻に基づき、撮像用プローブ1から送信された超音波が頭蓋骨HのB点で反射されて頭蓋骨HのA点に到達するまでの到達時間を求める。このようにして求められた伝達遅延量、波形の変形量、および到達時間は、制御部7に出力され、制御部7から打ち消し用送信信号生成部6に出力される。
【0026】
次に、頭蓋骨H内の被検体の撮像について説明する。図4に示すように、撮像用送信信号生成部5が撮像用送信信号Stを生成して撮像用プローブ1に出力し、撮像用プローブ1から撮像用超音波ビームが時刻T0に送信される。
撮像用超音波ビームは頭蓋骨Hを伝搬して頭蓋骨HのA点を通って頭蓋骨H内の血管等の被検体に到達し、被検体により反射された超音波エコーSrが再び頭蓋骨HのA点を通って撮像用プローブ1で受信される。一方、被検体を伝搬した撮像用超音波ビームの一部は、頭蓋骨HのB点に到達し、その骨構造から反射された第1エコーE1が時刻T1に再び頭蓋骨HのA点に到達する。
【0027】
この時、打ち消し用送信信号生成部6は、伝達関数算出部8から制御部7を介して入力された伝搬遅延量と到達時間に基づいて、超音波が打ち消し用プローブ2から頭蓋骨HのA点に到達する時間Δtを求めると共に第1エコーE1が頭蓋骨HのA点に到達する時刻T1を求め、第1エコーが頭蓋骨HのA点に到達する時刻T1からΔtだけ早い時刻T1aに打ち消し用プローブ2から打ち消し用超音波ビームを送信させる。ここで、打ち消し用送信信号生成部6は、伝達関数算出部8で求められた頭蓋骨Hにおける超音波の波形の変形量に基づいて、第1エコーE1と逆位相で且つ第1エコーE1を画像化に必要な程度残すような振幅の打ち消し用超音波ビームC1を送信している。なお、画像化に必要な程度とは、画像化において周囲のノイズに埋もれることなく骨構造の位置を確認できる量である。
このようにして、打ち消し用プローブ2から第1エコーE1と逆位相で送信された打ち消し用超音波ビームは、図5に示すように、頭蓋骨Hを減衰しながら伝播し、頭蓋骨HのA点において第1エコーE1と逆位相で且つ第1エコーE1を画像化に必要な程度残すような振幅の波形で第1エコーE1と干渉する。
【0028】
また、第1エコーE1が頭蓋骨HのA点で反射された後に再び頭蓋骨HのB点で反射された第2エコーE2が時刻T2に頭蓋骨HのA点に到達するが、同様にして、打ち消し用送信信号生成部6が、第2エコーE2を全て打ち消すような打ち消し用超音波ビームC2を第2エコーE2が頭蓋骨HのA点に到達する時刻T2よりもΔtだけ早い時刻T2aに打ち消し用プローブ2から送信することで、頭蓋骨HのA点に到達した第2エコーE2を全て打ち消す。なお、その後第3エコーE3,第4エコーE4,・・・が発生する場合には、第3エコーE3,第4エコーE4,・・・が頭蓋骨HのA点に到達する時刻T3,T4,・・・よりもΔtだけ早い時刻T3a,T4a,・・・に第3エコーE3,第4エコーE4,・・・を全て打ち消すような打ち消し用超音波ビームC3,C4,・・・を打ち消し用プローブ2から送信することで同様に打ち消すことができる。
【0029】
このようにして、第1エコーE1を減少させると共に第2エコーE2以降のエコーE3,E4,・・・を全て打ち消すことで、頭蓋骨H内における超音波エコーの多重反射を抑制することができる。
【0030】
このようにして打ち消し用超音波ビームを送信することにより、頭蓋骨HのB点で反射して戻ってくるエコーは、その大部分が打ち消され、これらエコーの残差信号は図4に示されるように、第1エコーE1と打ち消し用超音波ビームC1との差分に相当するもののみとなる。この残差信号は、撮像用プローブ1から受信信号処理部4に出力され、受信信号処理部4が制御部7に出力する。制御部7は入力された被検体の超音波エコーSrに応じた受信信号および残差信号を表示部9に出力し、表示部9が入力信号に基づいて超音波画像を生成して表示する。このようにして、表示部9には、頭蓋内の画像表示領域の最深部からのエコーより後の第1エコーE1を減少させると共に第2エコーE2,第3エコーE3,第4エコーE4,・・・を打ち消して得られた画像が表示される。
【0031】
本実施形態の超音波撮像装置によれば、第1エコーE1を減少させると共に第2エコーE2以降のエコーE3,E4,・・・を全て打ち消すことで、頭蓋骨H内における超音波エコーの多重反射を抑制することができる。
【0032】
なお、本実施形態において、頭部における打ち消し用プローブ2の配置は、撮像用プローブ1から撮像用超音波ビームが送信されて頭蓋骨H内の骨構造からの超音波エコーを打ち消し用プローブ2からの打ち消し用超音波ビームにより打ち消すことができれば特に限定されない。例えば、図6に示すように、打ち消し用プローブ2は、頭部に配置された撮像用プローブ1と相対する位置に配置することができる。また、図7に示すように、打ち消し用プローブ2を頭部に配置された撮像用プローブ1に隣接して2つ配置することで、頭蓋骨H内で拡散して伝搬する骨構造からの超音波エコーを精度よく打ち消すこともできる。
また、打ち消し用プローブ2を省略して撮像用プローブ1と打ち消し用送信信号生成部6を接続し、打ち消し用送信信号生成部6が、撮像用プローブ1の複数のトランスデューサのうち一部の超音波トランスデューサから打ち消し用超音波ビームを送信してもよい。例えば、図8に示すように、撮像用プローブ10は、複数の撮像用トランスデューサ11を中央に配置し、打ち消し用トランスデューサ12を複数の撮像用トランスデューサ11を挟む両側に配置することができる。これにより、撮像用プローブ10のみで頭蓋骨H内における超音波エコーの多重反射を抑制することができる。また、撮像用プローブ10は、複数の撮像用トランスデューサ11の一方にのみ複数の打ち消し用トランスデューサ12が隣接するような配置とすることもできる。
【0033】
また、本実施形態においては、撮像用プローブ1から撮像用超音波ビームおよびプレスキャン用超音波ビームが送信され、打ち消し用プローブ2から打ち消し用超音波ビームが送信されているが、第1エコーを打ち消し用超音波ビームで打ち消すことができれば超音波を送信する方法は特に限定されない。例えば、撮像用プローブ1から撮像用超音波ビームを送信し、打ち消し用プローブ2からプレスキャン用超音波ビームおよび打ち消し用超音波ビームを送信してもよい。
【符号の説明】
【0034】
1,10 撮像用プローブ、2 打ち消し用プローブ、3 装置本体、4 受信信号処理部、5 撮像用送信信号生成部、6 打ち消し用送信信号生成部、7 制御部、8 伝達関数算出部、9 表示部、11 撮像用トランスデューサ、12 打ち消し用トランスデューサ、H 頭蓋骨。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像用プローブのアレイトランスデューサから被検体に向けて撮像用超音波ビームが送信されると共に被検体による超音波エコーを受信した前記撮像用プローブのアレイトランスデューサから出力された受信信号に基づいて超音波画像を生成する超音波撮像方法であって、
予め頭蓋骨内における骨構造からの超音波エコーを測定し、
測定された前記超音波エコーに基づいて頭蓋骨による超音波の伝達関数を求め、
前記伝達関数に基づいて頭蓋骨の内面で反射する超音波エコーと逆位相の打ち消し用超音波ビームを生成し、
前記撮像用超音波ビームに起因する頭蓋内における骨構造からの超音波エコーに合わせて前記打ち消し用超音波ビームを送信することにより前記超音波エコーを打ち消しながら撮像を行うことを特徴とする超音波撮像方法。
【請求項2】
前記撮像用超音波ビームを送信した際の頭蓋内の画像表示領域の最深部からの超音波エコーより後の超音波エコーに合わせて前記打ち消し用超音波ビームを送信する請求項1に記載の超音波撮像方法。
【請求項3】
骨構造からの超音波エコーのうち第1エコーを画像化に必要な程度残すように前記打ち消し用超音波ビームを送信する請求項1または2に記載の超音波撮像方法。
【請求項4】
前記撮像用プローブとは異なる打ち消し用プローブから前記打ち消し用超音波ビームを送信する請求項1〜3のいずれかに記載の超音波撮像方法。
【請求項5】
前記撮像用プローブのアレイトランスデューサのうち一部のトランスデューサから前記打ち消し用超音波ビームを送信する請求項1〜3のいずれかに記載の超音波撮像方法。
【請求項6】
撮像用プローブのアレイトランスデューサから被検体に向けて撮像用超音波ビームが送信されると共に被検体による超音波エコーを受信した前記撮像用プローブのアレイトランスデューサから出力された受信信号に基づいて超音波画像を生成する超音波撮像装置であって、
予め頭蓋骨内における骨構造からの超音波エコーを測定するエコー測定手段と、
前記エコー測定手段で測定された前記超音波エコーに基づいて頭蓋骨による超音波の伝達関数を求める伝達関数算出手段と、
前記伝達関数に基づいて頭蓋骨の内面で反射する超音波エコーと逆位相の打ち消し用超音波ビームを生成して前記撮像用超音波ビームに起因する頭蓋内における骨構造からの超音波エコーに合わせて送信する打ち消し用超音波ビーム送信手段と
を備えたことを特徴とする超音波撮像装置。
【請求項7】
前記打ち消し用超音波ビーム送信手段は、前記撮像用超音波ビームを送信した際の頭蓋内の画像表示領域の最深部からの超音波エコーより後の超音波エコーに合わせて前記打ち消し用超音波ビームを送信する請求項6に記載の超音波撮像方法。
【請求項8】
前記打ち消し用超音波ビーム送信手段は、骨構造からの超音波エコーのうち第1エコーを画像化に必要な程度残すように前記打ち消し用超音波ビームを送信する請求項6または7に記載の超音波撮像装置。
【請求項9】
前記打ち消し用超音波ビーム送信手段は、前記撮像用プローブとは異なる打ち消し用プローブから前記打ち消し用超音波ビームを送信する請求項6〜8のいずれかに記載の超音波撮像装置。
【請求項10】
前記打ち消し用超音波ビーム送信手段は、前記撮像用プローブのアレイトランスデューサのうち一部のトランスデューサから前記打ち消し用超音波ビームを送信する請求項6〜8のいずれかに記載の超音波撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−212047(P2011−212047A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80234(P2010−80234)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】