説明

超音波洗浄装置および超音波洗浄方法

【課題】 油分、フラックスなどの異物が付着したり、バリが残っている被洗浄物を超音波によって効果的に洗浄、バリ取りなどを行うことを可能にする。
【解決手段】 洗浄液10を収容して、該洗浄液10に被洗浄物11を浸漬して洗浄する洗浄槽1と、洗浄槽1内の洗浄液10に超音波振動を与える超音波発生手段5、7と、洗浄液10に時間とともに強さが変化する磁場を作用させる磁場発生手段2を備える。または、洗浄液10を収容して、該洗浄液10に被洗浄物11を浸漬して洗浄する洗浄槽1と、洗浄槽1内の洗浄液10に超音波振動を与える超音波発生手段5、7を備え、該超音波発生手段は、基本波と該基本波の4〜20倍の周波数を有する高周波を合成した多重波からなる超音波を発生可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被洗浄物を浸漬した洗浄液に超音波振動を与えて、被洗浄物の洗浄、バリ取り等を行う超音波洗浄装置および超音波洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、機械部品や電子部品等の表面には、その製造工程で、油分、フラックスなどの異物が付着したり、加工の際に形成されたバリが残っており、これらの異物等を除去した後に最終製品としている。前記付着物やバリを除去する方法の一つとして、従来から、超音波洗浄装置が用いられている。基本的な超音波洗浄装置では、洗浄槽内に収められた水等の洗浄液に部品等の被洗浄物を浸漬し、洗浄槽底部に設置された超音波振動子から前記洗浄液中に超音波を放射する。この超音波によって洗浄液中にキャビテーションが生じる。このキャビテーションが崩壊するときに生じる衝撃波が被洗浄物の表面に作用することにより前記洗浄やバリ取り等の加工がなされる。したがって、超音波によってキャビテーションを効果的に生成することにより洗浄作用を高めることが可能である。従来、このような観点に基づいて洗浄効果を高めた洗浄装置が提案されている。例えば、洗浄液中には、空気等の気体が混入して溶存空気が増えてしまう。溶存空気が多いと水の分子が分解しにくくなり、超音波振動が与えられた際に水の分子分解にパワーを消耗してキャビテーションが発生しにくくなる。特許文献1において提案されている超音波洗浄装置では、超音波洗浄槽に供給される洗浄液に溶存する気体を脱気手段によって脱気することで、超音波振動によるキャビテーションの発生をし易くし、よって洗浄効果の向上を図っている。
【特許文献1】特開平1−34647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような従来の超音波洗浄装置、洗浄方法においては、使用する洗浄液の水分子がクラスタ構造を有しており、その状態で前記超音波振動が伝達されているので、クラスタ構造の大きな分子の塊が被洗浄物にぶつかることになり、超音波を強力なものとすると、被洗浄物の表面に傷を付けてしまう問題がある。そのため、被洗浄物に付着した油分、フラックスなどの異物を十分に除去する力の超音波を放出できない場合がある。
なお、超音波洗浄装置においてクラスターを細分化するものも提案されているが(例えば特開平7−144180号公報、特開2002−65606号公報)、細分化されたクラスタが容易に再結合してしまうという問題がある。
【0004】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、被洗浄物に損傷などを与えることなく洗浄効果を向上させた洗浄装置および洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明の超音波洗浄装置のうち、請求項1記載の発明は、洗浄液を収容して、該洗浄液に被洗浄物を浸漬して洗浄する洗浄槽と、前記洗浄槽内の洗浄液に超音波振動を与える超音波発生手段と、前記洗浄液に時間とともに強さが変化する磁場を作用させる磁場発生手段とを備えることを特徴とする
【0006】
請求項2記載の超音波洗浄装置の発明は、請求項1記載の発明において、前記磁場発生手段が、磁場を発生させる電磁石と、該電磁石に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、該電圧印加手段では、周波数が500KHzから1MHzの電圧を前記電磁石に印加可能であることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の超音波洗浄装置の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記超音波発生手段は、基本波と該基本波の4〜20倍の周波数を有する高周波を合成した多重波からなる超音波を発生可能であることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の超音波洗浄装置の発明は、洗浄液を収容して、該洗浄液に被洗浄物を浸漬して洗浄する洗浄槽と、前記洗浄槽内の洗浄液に超音波を放射する超音波発生手段とを備え、前記超音波発生手段は、基本波と該基本波の4〜20倍の周波数を有する高周波を合成した多重波からなる超音波を発生可能であることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の超音波洗浄装置の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載の発明において、前記高周波は、スイープ波からなることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の超音波洗浄方法の発明は、洗浄液に時間とともに強さが変化する磁場を作用させることにより洗浄液の脱気とクラスターの細分化を行い、さらに該洗浄液に被洗浄物を浸漬するとともに該洗浄液に超音波振動を与えて前記非洗浄物の洗浄を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明の超音波洗浄装置のうち、一の形態によれば、前記洗浄液に時間とともに強さが変化する磁場を作用させる磁場発生手段を備えるので、水等の洗浄液は磁場の作用によりそのクラスタ構造が細分化され、かつ細分化構造が維持される。該洗浄液に浸漬した被洗浄物に超音波振動を与えて超音波洗浄を行うことによって、被洗浄物に付着した異物の除去やフラックス、バリ取りなどの除去などが効果的になされる。そしてクラスタ構造が細分化されていることから、被洗浄物表面は、局部的な損傷を受けにくくなっており、超音波の出力を強くして、より大きな洗浄効果を得ることも可能になる。
【0012】
なお、上記磁場は、時間とともに強さが変化するものであり、時間経過に従って連続的に強さが変化するもの、磁場が断続するもの、磁場のNS方向が変化するもの、またこれらの組合せのものが挙げられる。なお、これらのうち、細分化したクラスタの再結合を効果的に防止するためには、磁場が断続しているものが望ましい。
断続的な磁場が洗浄液に作用すると、洗浄液中の水分子のクラスタの細分化をより効率的に行うことが可能となる。一定の磁場を作用させると磁場の作用が安定して細分化した水分子が再度結合してしまう問題があるが、断続した磁場の作用を与えることで、細分化されたクラスタの再結合がより効果的に抑制される。
【0013】
前記磁場発生手段において、周波数が500KHzから1MHzの範囲内の電圧を電磁石に印加して磁場を発生させるものとすれば、クラスタの細分化作用が十分に得られるとともに、該作用に加えて洗浄液の脱気作用が十分に得られ、洗浄効果が一層向上する。この範囲を外れた周波数の電圧を印加して発生させた磁場によっては脱気作用に関し十分な効果が得られない。
【0014】
前記磁場発生手段は、時間とともに強さが変化する磁場を洗浄液に作用させている。この磁場発生手段は、電磁石と、その電磁石にパルス波形など、時間とともに大きさが変化する電圧を印加する電圧印加手段とを備えたもので構成することができる。電圧印加手段は、脈流、交流、パルス波、鋸波などの電圧を発生させるもので構成することができ、その出力波は、磁場を時間とともに変化させることができるものであれば特定のものに限定されない。ただし、磁場の変化を顕著にする(断続的に行う)ために、出力波をパルス波とするのが望ましい。
【0015】
前記磁場発生手段で使用する電磁石は、通常、洗浄槽に洗浄液を供給する流路の途中や、洗浄槽に向けて設置する。なお、好適には、洗浄槽に洗浄液が収容される前に、洗浄液の供給路などにおいて磁場を作用させるのが望ましい。上記電磁石の配置においては、例えば、中心部に前記流路を貫通させるための空洞部を有する円盤状の磁場発生手段本体に少なくとも1個の電磁石を設ける。この際に、電磁石の磁極面は、磁場発生手段本体の中心部、すなわち流路の中心に向かうように配置するのが望ましい。このような配置にすれば、流路を囲むようにして流路に向かって効果的に磁場を作用させることができる。複数個の電磁石は、電気的に直列接続、並列接続またはこれらを混合した接続状態とすることができる。さらに、複数個の電磁石を個別に制御可能とし、各電磁石に対する電圧印加の時期をずらして磁場を発生させることもできる。例えば、電磁石を3つ設置して、1つの電磁石が磁場を発生する状態である間、他の二つの電磁石は磁場を発生しない状態にして、磁場を発生させる電磁石を順次切り替える設定することも可能である。
【0016】
また、磁場発生手段本体を流路の流れ方向に間隔を置いて複数配置することもでき、各磁場発生手段本体にそれぞれ電磁石を配置することで流路に、より効果的に磁場を作用させることができる。さらに、磁場発生手段本体を複数配置する際に、隣接する磁場発生手段本体間において、電磁石の設置位置が、流路方向を基準にして、中心軸の周りに回転方向に相互にずれていることが好ましい。例えば磁場発生手段本体にそれぞれ4個の電磁石を有して、各磁場発生手段本体で、配置角度を30°間隔でずらして電磁石を配置すると、流路を流れる洗浄液に磁場を均等かつ効果的に作用させることができる。
【0017】
次に、本発明の超音波洗浄装置のうち、他の形態によれば、前記超音波発生手段は、基本波と該基本波の4〜20倍の周波数を有する高周波を合成した多重波からなる超音波を作用させることができ、基本周波のみからなる超音波に比べて被洗浄物の細部に亘って超音波が当たり、洗浄作用を顕著に高めることができる。高周波の周波数が基本波の周波数に対し上記範囲内にないと、多重波による洗浄作用の向上効果が十分に得られない。なお、基本波に対する高周波の強さは、本発明としては特に規定していないが、例えば基本波の強さの1/6〜1/4を例示することができる。高周波の相対的な強さを適切に定めることで洗浄効果を高めることができる。
なお、基本波と高周波とを合成する際に、基本波の振動方向と同じ振動方向成分のみを有する高周波を合成するのが望ましい。これにより、超音波振動による洗浄効果を一層高めることができる。
【0018】
また、上記多重波において、高周波をスイープ波(波長を連続的に変化させる)とするのが望ましい。周波数が一定の多重波では、被洗浄物の同一箇所に超音波が当たる状態になるが、高周波をスイープすることで超音波振動が作用する箇所が代わり、洗浄効果を高める。なお、スイープに際しては、洗浄効果をより高めるために波長をランダムに変化させるのが望ましい。スイープ波は、基本波の周波数の4〜20倍の範囲内で周波数をスイープさせるのが望ましい。
【0019】
前記超音波手段は、例えば、1または複数の超音波振動子と、交流信号を生成する回路を内蔵する発振器とを有し、該発振器によって交流電圧を該超音波振動子に印可し、該超音波振動子を作動させることにより、洗浄液中に超音波を放射する。放射された超音波は洗浄液に浸漬された被洗浄物にあたり、被洗浄物が洗浄される。
【0020】
前記発振器は、超音波振動子に印可する電圧の周波数を有する矩形波の電圧を生成する回路と、前記生成された矩形波の電圧を正弦波の電圧に変換し、変換後の電圧を超音波振動子に印可するコイルとを備えるものにより構成することができる。前記コイルのインダクタンス値は、該インダクタンス値は、超音波振動子の振動周波数と超音波振動子が有する静電容量から算出されるインダクタンス値と異なるものとするのが望ましい。好適には、算出インダクタンス値に対し、上記コイルのインダクタンス値を1/32〜2/16にするのが望ましい。上記コイルのインダクタンス値の設定により、特にバリの除去作用が向上する。特に好適には、上記比は1/16である。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明の超音波洗浄装置のうち一の形態によれば、洗浄液を収容して、該洗浄液に被洗浄物を浸漬して洗浄する洗浄槽と、前記洗浄槽内の洗浄液に超音波振動を与える超音波発生手段と、前記洗浄液に時間とともに強さが変化する磁場を作用させる磁場発生手段とを備えるので、洗浄液が安定的に細分化され、超音波振動の付与によって被洗浄物を効果的に洗浄することができる。また、クラスタが細分化されていることにより、被洗浄物表面へのクラスタによる損傷が回避されるので、超音波をより強めて洗浄作用を高めることが可能になる。
また、磁場の時間変化を適切な周波数に定めると、洗浄液の脱気作用が十分に得られ、超音波振動によってキャビテーションが良好に生成されて洗浄作用をさらに高めることができる。
【0022】
また、本発明の超音波洗浄装置の他の形態によれば、洗浄液を収容して、該洗浄液に被洗浄物を浸漬して洗浄する洗浄槽と、前記洗浄槽内の洗浄液に超音波を放射する超音波発生手段とを備え、前記超音波発生手段は、基本波と該基本波の4〜20倍の周波数を有する高周波を合成した多重波からなる超音波を発生可能であるので、基本波と高周波の超音波振動による作用がそれぞれ得られ、さらに基本波に高周波が合成されていることにより、被洗浄物の細部に至るまで超音波振動の作用を与えることができる。
【0023】
また、上記高周波をスイープ波とすると、基本波に合成される高周波の振動位置が、基本波に対し変動するので、被洗浄物全体に超音波振動の作用を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(実施形態1)
以下、本発明の一実施形態を添付図に基づいて説明する。図1は、本発明を適用した超音波洗浄・バリ取り装置の実施形態に係る概略の構成図である。
図1に示す本発明の超音波洗浄装置100は、洗浄水10内に超音波を放射して、洗浄水10に浸漬された被洗浄物11の洗浄及びバリ取り等の加工を行うための装置である。
超音波洗浄装置100は、洗浄槽1、洗浄水処理装置2、洗浄水供給装置(3、4)、発振器5、超音波振動子7を大きな分類として構成されている。洗浄槽1は、その中に被洗浄物11を洗浄するための洗浄水10を収容するタンクである。洗浄水供給装置は、前記洗浄槽1に洗浄水10を供給するための装置であり、洗浄水供給管3及び洗浄水ポンプ4で構成され、本発明の磁場発生手段に相当する洗浄水処理装置2が付設されている。洗浄水処理装置2は、洗浄槽1に供給する洗浄水10のクラスタ構造を分解して細分化するための装置である。
また、発振器5は、超音波振動子7に対して所定の波形の電圧を印可するための装置である。超音波振動子7は、洗浄槽1の下部に設置され、発振器5から印可される電圧によって振動して、洗浄水10中に超音波を放射する装置である。超音波振動子7には、複数の振動素子70が備えられ、これらが振動することにより超音波振動子7から洗浄水10中に超音波が放射される。上記発振器5と超音波振動子7とによって超音波発生手段が構成されている。
【0025】
このように構成される本発明の超音波洗浄装置100では、被洗浄物11として洗浄やバリ取りを必要とする機械部品や電子部品等が対象とされ、洗浄槽10の中に入れられる。なお、被洗浄物11は金属である必要はなく、洗浄やバリ取り等を必要とするものであればどのような材質のものでもよい。洗浄やバリ取り等を行う際には、洗浄槽1に所定量の洗浄水10が収められ、その洗浄水10は、洗浄やバリ取りの最中に洗浄水供給装置により常に循環している。洗浄槽1から抜き取られた洗浄水10は、洗浄水供給管3を介して洗浄水ポンプ4に導かれ、そこから洗浄水処理装置2に送液される。洗浄水処理装置2では、洗浄水10が分子の集合が細分化され、その状態で洗浄槽1に供給されている。なお、本実施形態例では、超音波洗浄装置の洗浄液として洗浄水10が用いられているが、洗浄液としては、水ではなく、洗浄剤等を用いてもよい。
また、被洗浄物11の洗浄やバリ取りを行う際には、洗浄水10中に超音波を放射するので、発振器5が起動され、そこで生成された所定波形の電圧が振動素子70に印可され、超音波振動子7が振動し超音波が放射される。放射された超音波により洗浄水10中にキャビテーションが生じ、その作用を利用して被洗浄物11の洗浄やバリ取りが行われる。
【0026】
前記のように作用する本発明の超音波洗浄装置100では、洗浄槽1に供給する洗浄水10のクラスタ構造を分解する処理を行う洗浄水処理装置2と、超音波放射のために超音波振動子7に電圧を印可する発振器5に以下のような特徴がある。
【0027】
まず、洗浄水処理装置2について説明する。図2は、本実施形態に掛かる洗浄水処理装置2の一部構成(磁場発生装置20)を示す構成図である。同図において、磁場発生装置20は、4個の電磁石を固定する円盤状の磁場発生装置本体21(基板)と該磁場発生装置本体21の中央部に設けた洗浄水供給管用空洞部21aと磁場発生装置本体21に固定された電磁石22〜25とを備えて構成されている。
電磁石22〜25は、隣接する電磁石同士が磁場発生装置本体21の中心に対し、回転方向に対しそれぞれ90°の角度をなすように配置されている。電磁石22〜25は、鉄心入りの電磁石である。電磁石22〜25は、本実施形態では、これら電磁石を同時に作用させるために、電気的には全て直列接続されているものであるが、本発明では、一般に、全てを並列接続することを含めた任意の電気的接続が可能であり、また、電磁石同士を電気的に接続せずに個別に励磁することもできる。
また、電磁石22〜25の磁極の配置は、図2では電流を流した際にN極側が、全て洗浄水供給管用空洞部21aの方向に対向するように示されている。本発明では、通常、電磁石22〜25の磁極の配置は任意とすることができる。ただし、いずれの場合であっても、N極の中央とS極の中央とを結ぶ線分は、磁場発生装置本体21の中心に向いていることが望ましい。
【0028】
また、本実施形態では、電磁石を4つとしているが、1つ以上であればよく、任意の個数とすることができる。複数とした場合には、形成される磁場が均一に洗浄水供給管3内の水に作用するように、等角度で配置されることが好ましい。なお、図2では省略しているが、上記の構成要素の他にも、磁場発生装置本体21には、電磁石22〜25に印可する電圧を供給するためのコネクタ端子や電気配線が存在する。
また、磁場発生装置本体21は、洗浄供給管3を洗浄水供給管用空洞部21aに通すために、2個の半円板に分離することができて、さらに、洗浄水供給管3を洗浄水供給管用空洞部21aに通した後では、上記の分離された半円板を電気的一体性を確保するためのピンコネクタなどにより相互に嵌合して、再び元の円盤にすることができる構造となっている。磁場発生装置本体21を形成する材質は、例えば、合成樹脂、ガラス、金属とすることができる。洗浄水供給管用空洞部21aの直径は、洗浄水供給管3の外径に対応している。
【0029】
上記洗浄水供給管3には、洗浄槽1に供給される水が通過するが、この水の種類といえば、例えば、純水、DIウオーター(不純物の少ない水)および水道水が可能である。電磁石22〜25の磁力の強さは、洗浄水10の種類、流量、及び洗浄水供給管3の径などによって最適値を選択して設定することができる。また、実験による1つの好適な実施形態として、220ターン(巻き数)による280μHを得て使用することができる。
【0030】
図3は、本実施形態に係わる磁場発生装置に印可される電圧の波形例を示す波形図である。図2に示す磁場発生装置(電磁石22〜25)には、パルス電圧が印可される。図3(a)は、デューティ比が1対1ではない場合(ケース1)の波形であり、図3(b)は、デューティー比が1対1である場合(ケース2)の波形である。なお、本実施形態例では、磁場発生装置に印可される電圧のデューティ比を任意に設定することができる。
【0031】
なお、上記パルス電圧の周波数は、洗浄水10の種類、流量、及び洗浄水供給管3の径などによって適正範囲が上下するが、10KHz〜20GHzの範囲、特に、500KHzから1MHzの範囲(最適には約800KHz)でパルス状に断続することにより、水の流路(洗浄液流路)に設置された上記磁場発生装置を通過する水分子のクラスタ構造を効果的に分解して細分化し、さらに脱気作用を得ることができる。
【0032】
図4は、本実施形態に係わる洗浄水処理装置2のパルス電圧発生回路(電圧印加手段に相当)を含む構成を示す構成図である。図4において、本実施形態のパルス電圧発生回路は、直流電源供給部200と、CR発振器201と、電流増幅回路203を具備して構成される。これら構成によって本発明の電圧印加手段が構成されている。なお、符号20は、前記した磁場発生装置(磁場発生装置20の回路要素)を示す。
直流電源供給部200から供給される電力の入力源は、直流安定化電源とする。さらに、専用の電池を使用することも可能である。CR発振器201の主要な構成要素は、抵抗とコンデンサから成るCR発信回路であり、直流電源供給部200から供給される直流電圧をパルス電圧に変換する。電流増幅回路203は、CR発振器201から出力されるパルス電圧を増幅する。磁場発生手段20の電気的に主要な構成要素は、本実施形態では、図2に示す電磁石22〜25を直列接続したものである。
【0033】
以上のように、この実施形態例の洗浄水処理装置2によれば、水流路(洗浄水供給管3)を流れる水が、水分子のクラスタ構造を有している場合にも、この水を磁場発生手段を通過させることにより、断続する磁気の作用によりクラスタを細分化することができ、さらに適切な周波数の電圧を印加して磁場の強さを変化させることで脱気作用が得られる効果がある。
【0034】
図5は、洗浄水処理装置2の他の実施形態を示す構成図である。図5において、3つの磁場発生装置X30、Y30、Z30が水流路(洗浄水供給管3)に沿って一定の間隔で配置されている。磁場発生装置X30、Y30、Z30の構成は、図5(b)に示すように、磁場発生装置X30では磁場発生装置本体X31に電磁石X32〜X35が中心軸に対し等角度間隔で配置されており、磁場発生装置Y30、Z30においても同様に磁場発生装置本体X31、Z31に電磁石Y32〜Y35、電磁石Y32〜Y35が中心軸に対し等角度間隔で配置されている。
さらに、磁場発生装置X30、Y30、Z30では、磁石の配置において、磁場発生装置本体の中心と各永久磁石の磁極中心とを結ぶ線分が、30度ずつずれて配置している。すなわち、磁場発生装置Y30の磁石は、上記線分が磁場発生手段X30の磁石に比べて30度右回転した位置に配置され、磁場発生装置Z30の磁石は、上記線分が磁場発生装置Y30の磁石に比べて30度右回転した位置に配置されている。
【0035】
本実施形態では、磁場発生装置本体の個数を3としたが、本発明では、1または2もしくは4以上の個数とすることもできる。なお、上記の回転角度は、各磁場発生装置本体に嵌合される電磁石の数を4個とした場合には、本体の設置個数をnとする時、(90/n)度とすることにより、水流路を通過する水に対して、均等な回転磁場を与えることになり、最も良好な水質向上効果を得ることができるが、隣接する磁場発生装置間の回転角度はそれぞれ異なるものとすることも可能である。
【0036】
なお、磁場発生装置X30、Y30、Z30の水流路上の配置間隔は、各磁場発生装置が発生する磁力の強さ(磁束の実行到達距離に関係する)と、各磁場発生装置を通過した水のクラスタが再結合を開始する距離とを考慮して設定することができるが、磁束の実行到達距離(例えば10cm)の1.0倍〜2.0倍(例えば15cm)とすることができる。また、本実施形態にあっては、配置間隔を一定としているが、各磁場発生装置間の距離を異なったものとすることができる。
【0037】
次に、図6は、図5に示す実施形態の磁場発生装置に印可される電圧の波形例を示す波形図である。図5に示す磁場発生装置X30、Y30、Z30には、図6に示すパルス電圧が印可される。すなわち、このパルス電圧のデューティ比は、ローレベル状態の時間帯がハイレベル状態の時間帯の2倍の長さに設定されている。また、その位相に関し、磁場発生装置Y30に印可されるパルス電圧は、磁場発生装置X30に印可されるパルス電圧よりもハイレベル状態1つ分(1/3周期)の時間長だけに遅らされており、また、磁場発生手段Z30に印可されるパルス電圧は、磁場発生装置Y30に印可されるパルス電圧よりもハイレベル状態1つ分(1/3周期)の時間長だけ遅らされている。
【0038】
なお、上記パルス電圧の周波数は、処理する水の種類、流量、及び水流路(洗浄水供給管3)の径等によって適正周波数範囲は上下するが、10KHz〜20GHz、特に、500KHzから1MHz(最適には約800KHz)の範囲とすることで、高い水質向上効果を達成することができる。
図5に示す磁場発生装置X30、Y30、Z30には、図6に示すパルス電圧が印可されるので、磁場発生装置X30、Y30、Z30に保持されている電磁石X22〜X25、Y22〜Y25、Z22〜Z25の磁力発生は、パルス状に断続することになるとともに、図5(a)に示すような回転角が与えられ、さらに、図6に示す印可電圧の波形により、磁場発生装置X30、Y30、Z30の磁力発生時刻が異なることになるので、これにより、水流路に設置された上記磁場発生装置X30、Y30、Z30を通過する分子のクラスタ構造を、いっそう細かく分解して、細分化されたクラスタにすることができると共に、水分子の再結合による再クラスタ化を防止することができる。
【0039】
なお、本実施形態では、磁場発生装置X30、Y30、Z30に印可されるパルス電圧を図6に示すもの(すなわち、3系統のパルス電圧のハイレベル状態が連続しているもの)としたが、本発明では、複数形等のパルス電圧のハイレベル状態間にローレベル状態が介在するものとすること(すなわち、図6においては、磁場発生装置X30への各パルス電圧の終了と同時に磁場発生装置Y30への各パルス電圧に開始されているが、磁場発生装置X30への各パルス電圧の終了から所定時間経過度に磁場発生装置Y30へのパルス電圧が介するものとすること)も可能である。
【0040】
次に、図7は、図5に示す実施形態の洗浄水処理装置2の電圧印加手段に相当するパルス電圧発生回路を示す構成図である。
図7において、本パルス電圧発生回路は、直流電源供給部300とCR発振器301と、シフトレジスタ302と、電流増幅回路303とを具備して構成される。なお、符号X30〜Y30は、磁場発生装置(図5に示す磁場発生装置X30〜Z30の回路要素)を示す。直流電源供給部300から供給される電力入力源は、直流安定化電源及び専用の電池を使用することも可能である。CR発振器301の主要な構成要素は、抵抗とコンデンサから成るCR発信回路であり、直流電源供給部300から供給される直流電圧をパルス電圧に変換する。
シフトレジスタ302は、CR発振器301から供給されるパルス電圧を、図6に示すような磁場発生装置X30、Y30、Z30に印可される複数出力(複数系統)のパルス電圧に変換する。電流増幅回路43は、シフトレジスタ302から出力される磁場発生手段X30、Y30、Z30向けのパルス電圧を増幅する。各磁場発生装置X30〜磁場発生装置Z30の電気的に主要な構成要素は、本実施形態では、図5に示す電磁石X32〜X35、Y32〜Y35、Z32〜Z35を直列接続にしたものである。
【0041】
以上のように、この実施形態によれば、水流路を流れる水が、水分子のクラスタ構造を有している場合にも、この水を、前述の磁場発生装置X30、Y30、Z30を通過させることにより、水流路を通過する水分子のクラスタ構造を、パルス状に断続する磁気の作用により一層細かく細分化することができるとともに、水分子の再結合による再クラスタ化を防止することができる効果がある。
【0042】
なお、この実施形態にあっては、4個の電磁石を備えた、3つの磁場発生装置を用いているが、磁場発生装置本体に嵌合される電磁石の数を、5以上、または、3以下とすることも可能であり、ここの磁場発生装置本体に嵌合される電磁石の数を、磁場発生装置毎に異なるものとし、あるいは、同数とすることも可能である。また、それぞれの磁石発生装置における電磁石の配置は、図5に示すように、本体の中心軸の同心円上に等角度間隔で配置することが好ましいが、等角度間隔の配置からずれた位置に配置してもかまわない。
さらに、この実施形態の変形例として、この実施形態のおけるパルス電圧の印可の方法をそのままに、隣接する電磁石同士が円盤状の磁場発生装置本体の中心に関して、30°の角度をなす12個の電磁石を有する単一の磁場発生装置により洗浄水処理装置2を構成することもできる。
【0043】
この場合、互いに90°の角度をなす4個の電磁石から成る第1グループが最初に励磁され、ついで第1グループの電磁石に対して30°回転した4個の電磁石からなる第2グループが励磁され、最後に第2グループの電磁石に対して30°回転した4個の電磁石からなる第3のグループが励磁されて、再び第1グループの4個の電磁石の励磁に戻り、以降これを繰り返すことになる。これにより、一の磁場発生装置において回転する磁場が形成され、回転磁場の作用のもと、水分子を一層効果的に細分化できる。
【0044】
さらなる変形例として、単一、あるいは、3つの円盤状の本体に嵌合される12個の電磁石をグループ化することなく、全ての電磁石に対して一方の回転方向で順次パルス電圧を印可して磁場が360°回転するようにしてもよい。
なお、上記2つの変形例においても、電磁石の個数は本発明の本質ではなく、13以上、または、11以下の電磁石を使用した洗浄水処理装置2とすることも可能である。
更に、前述した2番目の実施形態、及び、その変形例では、水分子に対して一定方向に回転する磁場が作用するようにここの電磁石に印可するパルス電圧のタイミングが制御される場合について説明したが磁場の回転方向が所定のタイミングで反転する態様でパルス電圧のタイミングを制御することも可能である。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態例に係わる超音波洗浄装置100の洗浄水処理装置2(磁場発生手段)によれば、水分子のクラスタを効果的に細分化でき、また、一旦細分化された水分子のクラスタが再結合することを防ぐことができる。従って、クラスタ構造が細分化された洗浄水10が洗浄槽1に提供され、洗浄水に被洗浄物11の表面のキズを防げるので、放射する超音波を従来より強くすることができ、洗浄力を向上させることが可能となる。また、磁場の強さを適切な周波数によって時間とともに変化させることで、洗浄液の脱気作用を十分に得ることも可能になる。さらに、本洗浄水処理装置2は、構造が簡単で、かつ水流路の任意の箇所に簡単に設置することができるという利点がある。
【0046】
次に、本実施の形態例に係わる超音波洗浄装置100の発振器5について説明する。図8は、発振器5の概略の回路構成を示した構成図である。前述のように、発振器5は、超音波振動子7に印可する所定波形の電圧を生成する部分であり、図8に示すように、フィルタ回路51、整流回路52、インバータ回路53、パルス発生回路A54、パルス発生回路B55、及び2次回路56を主として構成される。
【0047】
当該発振器5では、一般の電源50などから入力された電力に対して、フィルタ回路51及び整流回路52においてフィルタリング及び整流の処理がなされ、矩形波となった電圧がインバータ回路53に入力される。インバータ回路53、パルス発生回路A54およびパルス発生回路B55では、超音波振動子7に出力する電圧の周波数と矩形波での波形が決定される。その後、2次回路56との間で変圧され、更に、矩形波であった電圧が正弦波に変換されて超音波振動子7に出力される。なお、超音波洗浄装置における超音波振動子に対しては、矩形波の電圧を印可するよりも正弦波の電圧を印可する方が効果を得ることが知られている。
【0048】
本発振器5における一つの特徴は、超音波振動子7に出力される電圧が多重波であるということである。図9は、本発振器50から出力される電圧の波形を例示した図である。図9は、基本波である正弦波(図9(a))に基本波より周波数が大きい高周波(図9(b))が加えられて上記多重波(図9(c))を形成している例である。なお、この例では、高周波は基本波の出力の正負に同期して整流されている。上記多重波は、例えば、25kHzの基本波に25kHz〜535kHz(好適には100〜500kHz、基本波の4〜20倍の周波数)の波形が加えられて生成される。
この多重波の内、基本波の部分は、前述したパルス発生回路A54に基づいて生成され、この基本波に加えられる波は、パルス発生回路B55に基づいて生成される。従来の発振器においては、通常、このパルス発生回路B55を有しておらず、本発振器5において本回路を有し、これに基づいて前述した多重波の電圧が超音波振動子7に印可されることが本発明の特徴の一つである。
【0049】
このように、前述したような多重波の電圧が超音波振動子7に印可されると、単なる基本波(図9の(a))のみの電圧を印可する場合よりも、被洗浄物11に対する洗浄及びバリ取りの能力が向上することが実験により得られ、本発振器5を用いることにより、従来よりも、洗浄及びバリ取りの効果を向上させることが可能となる。
【0050】
次に、本発振器5におけるもう一つの特徴について説明する。発振器5の2次回路においては、前述のように、周波数と電圧値の決定された電圧を正弦波に変換する処理を行うが、変換処理のために設置されるチョークコイル561のインダクタンスL値に特徴がある。
図10は、本発振器5における2次回路56周辺の概略の回路を示した図である。図10のチョークコイル561が前述の2次回路56におけるチョークコイルであり、ここで、超音波振動子7に出力する電圧が正弦波に変換される。本発振器5では、このチョークコイル561のインダクタンスL値に特徴がある。従来は、超音波振動子7での静電容量Cと超音波振動子7の振動周波数f(すなわち、前記発振器5から出力される多重波における基本波の周波数)が決まると、2次回路におけるチョークコイルのインダクタンスLは、下記式(1)によって求めている。
f=1/(2π(LC)1/2) (1)
この(1)式によるfは、通常、共振周波数と呼ばれるものであり、従って、従来は、超音波振動子7の振動周波数がこの共振周波数となるようにインダクダンスLの値を設定していた。
【0051】
しかしながら、本発振器5では、このインダクタンスLを(1)式から求まる値とは異なる値としている。具体的には、(1)式から求まる値の1/32〜2/16(最適には1/16程度)の値としている。このような値とすることにより、同仕様の超音波振動子7について、従来よりもバリ取りの能力が向上することが実験により得られており、本発振器5を用いることで、特に、バリ取りの効力を向上させることが可能となる。なお、本実施の形態例においては、図10に示すように、チョークコイル561を二つのコイルから構成している。
【0052】
以上説明したように、本実施形態例に係わる発振器5は大きく二つの特徴を有し、これらの特徴により、洗浄、バリ取りの効力を向上させることができる。
このように、本超音波洗浄装置100を用いることにより、洗浄水10のクラスタが細分化され、また、洗浄、バリ取りにとって有効な超音波振動子7の振動が行われる。従って、従来よりも、洗浄、バリ取りの効力を向上させることが可能となる。
【0053】
さらに、本発明の他の形態では、高周波をスイープ波とすることができる。この場合、前記したパルス発生回路Bに既知のスイープ回路を包含することでスイープ波を生成することができる。スイープ波は、基本波の周波数に対し、4〜20倍の周波数でスイープするのが望ましい。
図11は、基本波(図11(a))に、高周波としてスイープ波(図11(b))を合成して生成した多重波(図11(c))を示すものである。高周波をスイープさせると、基本波に重ねられている高周波の振動成分の位相位置が変動し、被洗浄物に対する超音波振動の作用を被洗浄物全体に対し隈無く及ばせることができ、洗浄作用をさらに向上させることができる。
【0054】
なお、本実施の形態例に係わる超音波洗浄装置100では、洗浄水処理装置2を備えた装置としたが、洗浄水処理装置2を備えていない構成とし、前述した発振器5における特徴を主とする装置(すなわち、多重波の超音波を使用する)とすることができる。この場合には、主に、バリ取り装置として使用されることが好ましい。一方、逆に、洗浄水処理装置2を備える(時間とともに強さが変化する磁場を洗浄液に作用させる)が、前記発振器5の特徴を備えない構成(多重波の超音波を必須としない)とすることもできる。すなわち、従来の超音波洗浄装置に洗浄水処理装置2を追加した構成である。この場合には、主に、洗浄装置として使用されることが好ましい。
なお、上記実施形態に基づいて本発明の説明を行ったが、本発明は上記実施形態の説明に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲において変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態の超音波洗浄装置を示す概略の構成図である。
【図2】同じく、磁場発生装置の一部構成図である。
【図3】同じく、磁場発生装置に印加する電圧の波形を示す図である。
【図4】同じく、磁場発生手段における電圧印加手段の構成を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態における磁場発生装置の一部を示す構成図である。
【図6】同じく、磁場発生装置に印可される電圧の波形を示す図である。
【図7】同じく、磁場発生手段における電圧印加手段の構成を示す図である。
【図8】同じく、超音波発生手段における発振器の概略の回路構成を示した図である。
【図9】同じく、発振器から出力される電圧の波形を示す図である。
【図10】同じく、本発振器における2次回路周辺の概略の回路を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態における超音波発生手段で出力される電圧の波形を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1 洗浄槽
2 洗浄水処理装置
3 洗浄水供給管
4 洗浄水ポンプ
5 発振器
7 超音波振動子
70 振動素子
10 洗浄液
11 被洗浄物
20 磁場発生装置
21 磁場発生装置本体
21a 洗浄水供給管用空洞部
22、23、24、25 電磁石
200、300 直流電源供給部
201、301 CR発振器
302 シフトレジスタ
203、303 電流増幅回路
X30、Y30、Z30 磁場発生装置
X31、Y31、Z31 磁場発生装置本体
X32、X33、X34、X35 電磁石
Y32、Y33、Y34、Y35 電磁石
Z32、Z33、Z34、Z35 電磁石
51 フィルタ回路
52 整流回路
53 インバータ回路
54 パルス発生回路A
55 パルス発生回路B
56 2次回路
561 チョークコイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液を収容して、該洗浄液に被洗浄物を浸漬して洗浄する洗浄槽と、前記洗浄槽内の洗浄液に超音波振動を与える超音波発生手段と、前記洗浄液に時間とともに強さが変化する磁場を作用させる磁場発生手段とを備えることを特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項2】
前記磁場発生手段は、磁場を発生させる電磁石と、該電磁石に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、該電圧印加手段では、周波数が500KHzから1MHzの電圧を前記電磁石に印加可能であることを特徴とする請求項1記載の超音波洗浄装置。
【請求項3】
前記超音波発生手段は、基本波と該基本波の4〜20倍の周波数を有する高周波を合成した多重波からなる超音波を発生可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波洗浄装置。
【請求項4】
洗浄液を収容して、該洗浄液に被洗浄物を浸漬して洗浄する洗浄槽と、前記洗浄槽内の洗浄液に超音波を放射する超音波発生手段とを備え、前記超音波発生手段は、基本波と該基本波の4〜20倍の周波数を有する高周波を合成した多重波からなる超音波を発生可能であることを特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項5】
前記高周波は、スイープ波からなることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
【請求項6】
洗浄液に時間とともに強さが変化する磁場を作用させることにより洗浄液の脱気とクラスターの細分化を行い、さらに該洗浄液に被洗浄物を浸漬するとともに該洗浄液に超音波振動を与えて前記非洗浄物の洗浄を行うことを特徴とする超音波洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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