説明

超音波洗浄装置

【課題】 洗浄槽内を真空にするために、常圧戻し弁の精度が要求され、又、何度も使用するとパッキンが劣化するという問題があった。
【解決手段】 1はハウジング、2は洗浄槽、3はパッキン、4は把手、5は蓋、6は超音波振動子、7は制御回路、8は排気管、9は電磁弁、10は真空ポンプ、11は洗浄液で、これらの構成は上記従来例と同じであるので説明は省略するが、本実施例では、洗浄槽2に接続した接続管13に接続した電磁弁14に排気管15を接続し、又、ハウジング1の前面に常圧戻しスイッチ16を設け、この常圧戻しスイッチ16の動作を制御回路7で検出して、制御回路7から駆動信号で電磁弁14を駆動するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄槽内を真空にして洗浄するようにした超音波洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄槽内を真空にして洗浄するようにした超音波洗浄装置は、図2に示すように、ハウジング1の上部に洗浄槽2が装着され、洗浄槽2内を密閉するために、洗浄槽2の上端にパッキン3を介して把手4を持った蓋5が設けられ、洗浄槽2の底面に超音波振動子6が装着され、この超音波振動子6に制御回路7に内蔵された発振回路から発振出力が印可され、又、洗浄槽2の上部に空気を排気する排気管8が接続され、排気管8に電磁弁9を介して真空ポンプ10が接続され、電磁弁9及び真空ポンプ10に制御回路7から電力が供給されている。
【0003】
この従来の超音波洗浄装置では、洗浄槽2内に洗浄液11及び被洗浄物を入れ、制御回路7からの電力で真空ポンプ10を駆動し、電磁弁9で排気管8を開き、予め決められた真空状態になったときに、制御回路7からの発振出力を超音波振動子6に印可すると、超音波振動子6から超音波が洗浄槽2内に照射されることにより洗浄槽2内の被洗浄物が洗浄される。
【0004】
この超音波洗浄装置では、洗浄が終わったときに洗浄槽2の蓋5を開くには、蓋5に下側の弁12aがバネ12bで上方に引っ張られ、下側の弁12aと蓋5の間にパッキン12cを設け、下側の弁12aと一体となった押圧弁12cからなる常圧戻し弁12が装着され、常圧戻し弁12の押圧弁12cを押すことにより、洗浄槽2内の空気を入れることにより蓋5を開けて被洗浄物をとりだすことができる。
【0005】
しかしながら、このように構成された従来の超音波洗浄装置では、真空を保持したり、真空を戻したりするために、機械式の常圧戻し弁12が使用されているが、このような常圧戻し弁12では、パッキン12cが劣化するという問題があり、又、洗浄槽2内の真空漏れを防ぐために、精度が要求されるという問題があった。
【特許文献1】特開平
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、洗浄槽内を真空にするために、常圧戻し弁の精度が要求され、又、何度も使用するとパッキンが劣化するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、洗浄槽はハウジングの上部に装着され、密閉する蓋が設けられ、電磁弁は洗浄槽を真空にするために、洗浄槽に接続された接続管に空気を引き抜く排気管と空気を入れる吸入管とが接続され、真空ポンプは電磁弁に接続した排気管に接続され、電磁弁を切り替えるスイッチはハウジングの前面に装着され、制御回路はスイッチのオン−オフによって、電磁弁に切り替え信号を出力するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の超音波洗浄装置では、ハウジングの前面に装着されたスイッチによって電磁弁を切り替えることにより、洗浄槽内の真空を解除するようにしたので、電磁弁は劣化する部分がなく、又、常圧戻し弁のように、真空を解除するときに解除する力を必要としないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明では、ハウジングの前面に常圧戻しスイッチを設け、又、電磁弁に排気管を設けたので、簡単に洗浄槽の真空を解除することができた。
【実施例】
【0010】
図1は本発明の実施例の超音波洗浄装置の側面断面図で、1はハウジング、2は洗浄槽、3はパッキン、4は把手、5は蓋、6は超音波振動子、7は制御回路、10は真空ポンプ、11は洗浄液で、これらの構成は上記従来例と同じであるので説明は省略するが、本実施例では、洗浄槽2に接続した接続管13に電磁弁14を接続し、電磁弁14に排気管15を接続し、又、ハウジング1の前面に常圧戻しスイッチ16を設け、この常圧戻しスイッチ16の動作を制御回路7で検出して、制御回路7から駆動信号で電磁弁14を駆動するように構成する。
【0011】
このように構成された本実施例の超音波洗浄装置では、洗浄槽2内に洗浄液11とともに被洗浄物を入れ、常圧戻しスイッチ16をオフにすると、真空ポンプ10が駆動され、洗浄槽2内の空気を吸引して洗浄槽2内を真空にし、そこで、超音波振動子6を駆動すると、被洗浄物は超音波振動子6からの超音波によって洗浄され、予め決められた時間が経過後に洗浄が終了すると、常圧戻しスイッチ16を押すことによって、制御回路7はこの動作を検出し、制御回路7から電磁弁14に駆動信号を出力し、電磁弁14を切り替えて、洗浄槽2に接続された接続管13を排気管15に接続して、洗浄槽2内の空気を排出し、常圧に戻すことにより、洗浄槽2の蓋5を開き、被洗浄物をとりだすことができる。
【0012】
本発明は、このように常圧戻しスイッチ16を押すことにより、簡単な回路で洗浄槽2内を常圧にすることができるので、耐久性が長くなり、又、従来の常圧戻し弁のように、押した状態によって洗浄槽内の真空圧が異なることがなく、均一性が得られるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0013】
なお、本発明の小型洗浄機は、ピペットなどの細管の洗浄や目くら孔の洗浄又は加工油で張り付いた部品の洗浄に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例の超音波洗浄装置の側面断面図である。
【図2】従来の超音波洗浄装置の側面断面図である。
【符号の説明】
【0015】
1 ハウジング
2 洗浄槽
3 パッキン
4 把手
5 蓋
6 超音波振動子
7 制御回路
10 真空ポンプ
11 洗浄液
13 接続管
14 排気管
16 常圧戻しスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの上部に装着され、密閉する蓋を設けた洗浄槽と、該洗浄槽を真空にするために、前記洗浄槽に接続された接続管に空気を引き抜く排気管と空気を入れる吸入管とを接続した電磁弁と、該電磁弁に接続した前記排気管に接続された真空ポンプと、前記ハウジングの前面に装着された前記電磁弁を切り替えるスイッチと、該スイッチのオン−オフによって、前記電磁弁に切り替え信号を出力する制御回路とからなることを特徴とする超音波洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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