説明

超音波画像生成装置及び超音波画像生成方法

【課題】穿刺針の繋がりが分かりやすく表示された超音波画像を生成する。
【解決手段】超音波画像から穿刺針等の穿刺器具の候補点を抽出し、候補点に対してハフ変換を行うことで穿刺器具および穿刺器具の延長線を表す直線を生成する。さらに、生成した穿刺器具および穿刺器具の延長線を表す直線を含む領域を穿刺器具存在領域として特定し、穿刺器具存在領域内における穿刺器具の候補点の強度分布に基づいて穿刺器具の先端位置を特定することで、超音波画像中の穿刺針の位置を特定することができる。特定した穿刺器具の位置を基に生成した穿刺器具を表す画像と、超音波画像とを重畳表示することで、穿刺器具の位置をユーザーに分かりやすく表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波画像生成装置及び超音波画像生成方法に関し、特に生体組織と共に穿刺器具を画面上に表示する超音波画像生成装置及び超音波画像生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において、超音波画像生成装置は診察や検査に広く用いられている。超音波画像生成装置とは、超音波探触子と共に用いられ、超音波探触子から被検者に超音波を照射し、そのエコー(反響)に由来する信号(以下、エコー信号という)から被検者の超音波断層画像(以下、超音波画像という)を生成する装置のことである。
【0003】
超音波探触子は、アレイ状に配列された複数の圧電素子からなる圧電素子アレイを有し、圧電素子アレイから被検者に超音波を照射するとともに、被検者からのエコーを受信する。超音波画像生成装置は、エコーを受信した超音波探触子が出力するエコー信号に基づいて、被検者の超音波画像を生成してモニタに表示する。
【0004】
また、超音波画像生成装置は、穿刺器具として、例えば穿刺針を所望の部位に穿刺して細胞組織診断のための組織サンプルを採取する穿刺術を行う場合に用いられる。
【0005】
穿刺術においては、モニタ上、すなわち画像上で穿刺針を確認できること、及び目的物まで穿刺針を到達させることが重要である。確実に目的物まで穿刺針を到達させるため、超音波画像を見ながら予め決められた刺入経路(穿刺針が被検者中を刺入される経路)通りに穿刺針を刺入させる必要がある。また、生検等による細胞組織診断などの癌の確定診断において、穿刺針を目的物に刺した画像を残すことも重要である。
【0006】
穿刺針を刺入するためのガイドとなる穿刺ガイドラインを表示する装置として、所定長さ以上の直線上の超音波エコー信号から穿刺針が進行する角度を算出し、進行角度に応じた穿刺ガイドラインを、エコー信号から生成された超音波画像であるBモード画像に重畳表示する超音波診断装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0007】
また、穿刺針が刺入する刺入経路と、予め決められた穿刺ガイドラインとのずれ量を検出し、ガイドラインを穿刺針の基準位置に対応する基準軌跡から移動して、穿刺針の超音波画像とガイドラインとを一致させることにより、ずれを補正した穿刺ガイドラインを表示する超音波診断装置が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−346477号公報
【特許文献2】特開平8−299344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の超音波診断装置においては、超音波画像上に穿刺針を描出するのは難しく、穿刺針が途切れ途切れで表示され、穿刺針の正確な位置が不明となるという問題がある。この問題には様々な原因が考えられるが、例えば穿刺針の表面はなめらかで超音波の散乱が起こりにくいため、超音波の照射方向に対して斜めに刺入される穿刺針から探触子に戻ってくるエコーが僅かとなっていることが考えられる。
【0010】
特許文献1及び特許文献2に記載の超音波診断装置は、穿刺ガイドラインを表示するのみであり、穿刺針が途切れる点については考慮されていない。特に、特許文献1では、穿刺針の超音波画像とガイドラインとを補正する機能がないし、特許文献2では、基準位置を更新することがない。このため、穿刺ガイドラインを表示した場合であっても、硬い組織を刺入していく過程で、穿刺針が撓むことにより、穿刺ガイドラインに沿って穿刺針が描出されないという問題が生じる場合がある。また、両者とも、刺入経路のガイドラインを示すものではあるが、証拠画像として残すような場合を考慮しておらず、超音波画像上のどの輝度が針を表わす輝度であるかを示すものではない。
【0011】
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、穿刺針等の穿刺器具の位置を正確かつ確実にユーザに知らせるための画像を生成することができる超音波画像生成装置及び超音波画像生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明に係る超音波画像生成装置は、穿刺器具が刺入された被検体に探触子から超音波を照射し、前記被検体及び前記穿刺器具から反射されるエコーを探触子で受信し、探触子から出力されるエコー信号から超音波画像を生成する超音波画像生成装置であって、超音波画像に基づいて穿刺器具の候補点を抽出する候補点抽出手段と、候補点抽出手段によって抽出された複数の候補点の分布から、超音波画像において穿刺器具が存在する可能性のある穿刺器具存在領域を特定する穿刺器具存在領域特定手段と、穿刺器具存在領域特定手段によって特定された穿刺器具存在領域における穿刺器具を含む直線上の強度分布に基づいて、穿刺器具の先端位置を特定する穿刺器具先端位置特定手段と、を備える。
【0013】
穿刺器具が刺入された被検体に探触子から超音波を照射し、被検体及び穿刺器具から反射されるエコーを探触子で受信し、探触子から出力されるエコー信号から超音波画像を生成する超音波画像生成方法であって、超音波画像に基づいて穿刺器具の候補点を抽出する候補点抽出ステップと、候補点抽出手段によって抽出された複数の候補点の分布から、超音波画像において穿刺器具が存在する可能性のある穿刺器具存在領域を特定する穿刺器具存在領域特定ステップと、穿刺器具存在領域特定手段によって特定された穿刺器具存在領域における穿刺器具を含む直線上の強度分布に基づいて、穿刺器具の先端位置を特定する穿刺器具先端位置特定ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、穿刺針等の穿刺器具の位置を正確かつ確実にユーザに知らせるための画像を生成することができ、穿刺針等の穿刺器具の正確な位置を確実に特定することができる。
また、本発明によれば、穿刺器具である穿刺針上の特徴点を検出し、これらを直線や曲線等の線で結ぶことができるので、穿刺針が途切れて表示されても、穿刺針の繋がりを分かり易くすることができる。
また、本発明によれば、穿刺器具である穿刺針の線を時系列で補正することができるので、穿刺針の撓みや、硬い組織の存在やプローブのずれなどにより、刺入経路が変わった場合でも精度よく穿刺針の線を描出することができる。
また、本発明によれば、繋いだ線は、超音波画像の輝度を参考に、グラデーション表示もすることができるので、超音波画像の輝度情報を残しつつ、穿刺器具である穿刺針針のつながりをわかりやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1に係る超音波画像生成装置の機能ブロック図である。
【図2】図1に示す超音波画像生成装置の穿刺針領域特定部及び穿刺針先端位置特定部の詳細な構成を示した機能ブロック図である。
【図3】(A)は、本発明におけるBモード画像の一例を表した図、(B)は、(A)に示すBモード画像に閾値処理をした後のエッジ画像を表す図、(C)は、(B)に示すエッジ画像にハフ変換を行って特定した直線を重畳表示したエッジ画像を表す図、(D)は、(C)に示すエッジ画像に穿刺針存在領域を重畳表示したエッジ画像を表す図である。
【図4】(A)は、図3(D)に示す穿刺針存在領域における先端位置特定方法を示す模式図、(B)は、(A)による穿刺針の先端位置と穿刺針の始点とを結んだ直線を表す模式図である。
【図5】実施の形態1に係る超音波画像生成装置において穿刺針画像を重畳表示する動作に係わる一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1に係る超音波画像生成装置の穿刺針候補点の抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】(A)は、Bモード画像中の穿刺ガイドラインを表す模式図、(B)は、予測刺入領域が狭範囲に設定された場合の予測刺入領域を表す模式図、(C)は、予測刺入領域が平均範囲に設定された場合の予測刺入領域を表す模式図、(D)は、予測刺入領域が広範囲に設定された場合の予測刺入領域を表す模式図である。
【図8】Bモード画像中の注目領域を表した模式図である。
【図9】(A)は、穿刺針を表す直線をBモード画像に重畳表示した図、(B)は、穿刺針を表す直線を半透明にしてBモード画像に重畳表示した図、(C)は、穿刺針候補点に色を付してBモード画像に重畳表示した図、(D)は、穿刺針を表す輪郭をBモード画像に重畳表示した図である。
【図10】(A)は、過去3点の穿刺針の先端位置に基づいて予測刺入領域を決定する場合を示した図、(B)は、過去4点の穿刺針の先端位置に基づいて予測刺入領域を決定する場合を示した図である。
【図11】(A)は、穿刺針候補直線を上下等しい幅だけ広げて穿刺針存在領域を作成した図、(B)は、穿刺針存在領域を上側にずらした図、(C)は、穿刺針存在領域を下側にずらした図、(D)は、穿刺針候補直線の傾きと、穿刺針存在領域の傾きとが異なる場合を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る超音波画像生成装置100の主要な構成を示した機能ブロック図である。
同図に示す超音波画像生成装置100は、送受信制御部102、画像生成部104、穿刺針候補点抽出部106、穿刺針情報記憶部108、候補点位置記憶部110、穿刺針領域特定部112、穿刺針先端位置特定部114、穿刺針画像生成部116、画像合成部118及び画像表示制御部120を有する。超音波画像生成装置100は、探触子122及び画像表示部124と電気的に接続されて使用される。
【0018】
探触子122は、図示しないが、複数の圧電素子を有し、複数の圧電素子から被検者に向けて超音波を送信するとともに、被検者から反射したエコーを受信する。圧電素子は、エコーを受信するとエコー信号を発生する。探触子122は、エコー信号を送受信制御部102へ出力する。
【0019】
送受信制御部102は、図示しないが、高電圧の電気信号を発生するパルサ、探触子122から入力されたエコー信号を増幅する増幅器、エコー信号の高周波成分をカットするローパスフィルタ及びアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部を有する。パルサが発生した高電圧の電気パルス信号を探触子122内の圧電素子に印加することにより探触子122から超音波が送信される。
【0020】
送信制御部102は、探触子122から出力されたエコー信号を増幅器において増幅し、ローパスフィルタで高周波成分をカットした後、A/D変換を行って、画像生成部104へ出力する。
【0021】
画像生成部104は、図示しないが、遅延回路、加算回路及びSTC(自己補正型タイミング制御:Sensitivity Time Control)回路を有する。画像生成部104は、送受信制御部102から出力されたエコー信号を、圧電素子の位置に応じて遅延させて加算し、音線信号を形成する。画像生成部104は、音線信号をSTC回路によって、超音波の反射位置の深度に応じて距離による減衰の補正をした後、Bモード画像データを生成する。ここで、Bモード画像データとは、いわゆる超音波画像データであり、音線信号の振幅を輝度により表した画像データをいい、Bモード画像とは、いわゆる超音波画像をいう。
【0022】
穿刺針情報記憶部108は、穿刺器具である穿刺針に関する情報を記憶しておく記憶部である。ここで、穿刺針に関する情報とは、穿刺針の種類、太さ、刺入位置(穿刺針が被検者に刺入される位置)、刺入角度(穿刺針が被検者に刺入される角度)及び刺入経路等である。穿刺針情報記憶部108は、ユーザからの入力等により穿刺針に関する情報を取得して記憶する。
【0023】
穿刺針候補点抽出部106は、穿刺針情報記憶部108に記憶された穿刺針に関する情報及び画像生成部104によって生成されたBモード画像データを用いて、穿刺針の特徴点を抽出する。具体的には、Bモード画像データに対してエッジ抽出フィルタを適用し、CFAR(一定誤警報率:Constant False Alarm Rate)処理等を行い、閾値処理を行ってエッジ画像データを作成して、エッジ画像データから穿刺針の候補点を穿刺針上の特徴点として抽出する。穿刺針は、表面がなめらかで超音波の散乱が起こりにくいため、Bモード画像中においては途切れ途切れで表示される。従って、穿刺針が存在するBモード画像データに対して閾値処理を行えば、途切れ途切れとなった穿刺針の一部を表す点が抽出できる。穿刺針の候補点を抽出する時間間隔は、ユーザが変更できる。なお、Bモード画像中には、組織等の穿刺針以外に由来する高輝度点も存在するため、閾値処理で抽出される特徴点は、穿刺針由来のものだけではない。組織等に由来する穿刺針候補点は、エッジ画像に基づいて穿刺針の位置を特定する場合にノイズとなる。なお、穿刺針の候補点の抽出は、1フレームから検出しても良いし、複数フレームを検出しても良い。複数フレームを検出する場合には、利用するフレーム数は5フレーム程度で、新しいものを上書きしていったものを使用すれば良い。
【0024】
候補点位置記憶部110は、穿刺針候補点抽出部106によって抽出された全ての穿刺針候補点の位置を記憶し、穿刺針候補点の位置を穿刺針領域特定部112へ出力する。
【0025】
穿刺針領域特定部112は、候補点位置記憶部110に記憶された複数の穿刺針候補点の分布に基づき、穿刺針及び穿刺針の延長線を表す直線(穿刺針候補直線)を生成する。穿刺針領域特定部112は、生成した直線を含む領域を穿刺針が存在する領域として特定する。
【0026】
穿刺針先端位置特定部114は、穿刺針領域特定部112によって特定された穿刺針が存在する可能性が高い領域の輝度情報に基づいて穿刺針の先端位置を特定し、特定した先端位置を穿刺針画像生成部116へ出力する。
【0027】
穿刺針画像生成部116は、穿刺針領域特定部112によって生成された穿刺針及び穿刺針の延長線を表す直線と、穿刺針先端位置特定部114によって特定された穿刺針の先端位置とに基づいて、穿刺針を表す画像を生成して画像合成部118へ出力する。穿刺針を表す画像は、様々な形態からユーザが選択することができる。例えば、穿刺針を直線で表す形態、穿刺針の輪郭を表す形態、点の集合として穿刺針を表す形態等である。穿刺針の輪郭を表す場合は、穿刺針情報記憶部108から穿刺針情報を読み出すことで、穿刺針の輪郭を生成する。また、穿刺針を表す画像の色や輝度等は、ユーザが設定することができる。例えば、ユーザが好みの色を設定しても良いし、色を半透明としても良い。穿刺針を表す画像の輝度は、ユーザが好みの輝度としても良いし、Bモード画像中にある穿刺針と思われる部分の輝度と同等程度の輝度としても良い。
なお、上述した穿刺針候補点抽出部106、穿刺針情報記憶部108、候補点位置記憶部110、穿刺針領域特定部112、穿刺針先端位置特定部114及び穿刺針画像生成部116は、穿刺針検出回路を構成する。
【0028】
画像合成部118は、画像生成部104から出力されたBモード画像データと、穿刺針画像生成部116によって生成された穿刺針を表す画像とが重畳表示される合成Bモード画像データを生成する。画像合成部118は、合成Bモード画像データを画像表示制御部120へ出力する。
【0029】
画像表示制御部120は、DSC(デジタルスキャンコンバータ:digital scan converter)を有する。画像表示制御部120は、画像合成部118によって合成された合成Bモード画像データを、DSCによって、通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像データに変換し、階調処理等の必要な画像処理を施して、画像表示部124へ出力する。超音波画像生成装置100は、Bモード画像から穿刺針の先端位置を特定して穿刺針を表す画像を作成し、Bモード画像と合成して、画像表示部124に表示させる。
【0030】
以上において、送受信制御部102、画像生成部104、穿刺針候補点抽出部106、候補点位置記憶部110、穿刺針領域特定部112、穿刺針先端位置特定部114、穿刺針画像生成部116、画像合成部118及び画像表示制御部120は、中央演算装置(CPU)と、CPUに各種の処理を行わせるためのソフトウェア(プログラム)とによって構成してもよい。
【0031】
図2は、図1に示す穿刺針領域特定部112及び穿刺針先端位置特定部114のより詳細な構成を示した機能ブロック図である。
【0032】
穿刺針領域特定部112は、穿刺針直線生成部126及び穿刺針領域生成部128を有する。
【0033】
穿刺針直線生成部126は、候補点位置記憶部110から出力されたBモード画像中に分布した穿刺針候補点に対してハフ変換を行い、穿刺針候補直線を生成する。穿刺針候補直線は、穿刺針候補点を最も多く通る直線である。穿刺針直線生成部126は、生成した穿刺針候補直線上にある点の位置座標を穿刺針領域生成部128へ出力する。
【0034】
穿刺針領域生成部128は、穿刺針直線生成部126によって生成された穿刺針候補直線を所定の幅に広げ、穿刺針候補直線に含まれる領域を穿刺針が存在する領域(穿刺針存在領域)として特定する。穿刺針領域生成部128は、特定した穿刺針存在領域に含まれる点の位置座標を穿刺針先端位置特定部114へ出力する。
【0035】
穿刺針先端位置特定部114は、平均輝度演算部130、最大輝度特定部132、最小輝度特定部134及び穿刺針先端位置演算部136を有する。
【0036】
図3(A)〜(D)及び図4(A)〜(B)を用いて、超音波画像生成装置100がBモード画像から穿刺針先端位置の求める方法及び穿刺針を表す画像を生成する方法をより詳細に説明すると共に、穿刺針先端位置特定部114の各構成要素の機能についても説明する。
図3(A)において、Bモード画像の左上端部を原点とし、左上端部から右上端部への横軸をX軸、左上端部から左下端部への縦軸をY軸としたXY直交座標系に画像が位置する場合を考える。Bモード画像の左上端部から右上端部への方向をX軸の正の方向、Bモード画像の左上端部から左下端部への方向をY軸の正の方向とする。以下、特に説明がなければ、画像に対するXY直交座標系の定義は同様のものとする。
【0037】
図3(A)は、穿刺針を含む被検者のBモード画像を示す。図3(A)中の穿刺針は、途切れ途切れで表示され、ユーザは、穿刺針の正確な位置が分かりにくい。そこで、超音波画像生成装置100は、まず、図3(A)のようなBモード画像から穿刺針が存在する可能性が高い領域を特定し、その領域内における穿刺針を含む直線上の強度分布から、穿刺針の先端位置を特定する。また、超音波画像生成装置100は、穿刺針の先端位置を基に穿刺針を表す画像を生成し、Bモード画像と共に画像表示部124に表示する。すなわち、超音波画像生成装置100は、ユーザにとって穿刺針が見えにくいBモード画像と共に、穿刺針の位置を特定して生成した穿刺針の画像を表示することで、穿刺針の正確な位置をユーザに把握させる。
【0038】
穿刺針候補点抽出部106は、図3(A)に示すBモード画像に対し、穿刺針の刺入角度に応じたエッジ抽出フィルタ(重み付け加算フィルタ)の適用を行って、穿刺針の刺入角度方向に画像の繋がりを良くする。また、穿刺針候補点抽出部106は、CFAR処理等の層構造除去処理を行い、図面下部においてX軸方向に伸びる明るい線を除去する。また、穿刺針候補点抽出部106は、エッジ抽出フィルタを適用したBモード画像に対して閾値処理を行い、閾値以上の輝度を持った特徴点(穿刺針候補点)のみが白く残るエッジ画像(図3(B)参照)を作成する。穿刺針直線生成部126は、エッジ画像中の穿刺針候補点の分布から、穿刺針候補直線の位置を求める。
【0039】
図3(B)に示すエッジ画像には、Bモード画像中で高輝度に表示されていた複数の穿刺針候補点が分布している。エッジ画像中に分布した各穿刺針候補点は、穿刺針が存在する位置に表れるものが、主に穿刺針に由来する点であり、穿刺針が存在する位置に関係なく、画面全体に表れるものが、組織等の穿刺針以外に由来する点である。組織等に由来する穿刺針候補点は、エッジ画像に基づいて穿刺針の位置を特定する場合にノイズとなる。そこで、穿刺針直線生成部126は、図3(B)に示すようなノイズを含んだエッジ画像に対してハフ変換を行い、穿刺針に由来する穿刺針候補点を最も多く通る穿刺針候補直線を生成する。エッジ画像がノイズを含んでいても、穿刺針に由来する穿刺針候補点は直線的な繋がりがあるため、ハフ変換により穿刺針由来の穿刺針候補点による直線的な繋がりに沿った直線が生成できる。生成した穿刺針候補直線138をエッジ画像データに重ねて表示した画像が、図3(C)に示される。図3(C)の穿刺針候補直線138が、穿刺針及び穿刺針の延長線を表す。
【0040】
穿刺針及び穿刺針の延長を表した穿刺針候補直線138は、穿刺針と、穿刺針でない部分との境界が不明なため、穿刺針候補直線138上における穿刺針と穿刺針でない部分との境界位置、すなわち穿刺針の先端位置を求める。図3(D)は、ハフ変換によって生成した穿刺針候補直線138を、穿刺針領域生成部128によって所定の幅に広げて領域140を重畳表示したエッジ画像を表す。領域140は、穿刺針候補直線138を含んだ領域である。穿刺針領域生成部128は、領域140を穿刺針が存在する穿刺針存在領域と特定する。ハフ変換によって抽出された穿刺針候補直線138は、穿刺針由来の穿刺針候補点を多数通る直線であるため、多数の穿刺針候補点が含まれる領域が穿刺針存在領域140として特定される。超音波画像生成装置100は、このようにして領域140を作成し、穿刺針が存在する可能性が高い領域を絞りこむ。ここで穿刺針候補直線138を広げる所定の幅とは、穿刺針情報記憶部108から読みだした穿刺針の太さとしても良いし、Bモード画像またはエッジ画像を見ながらユーザが設定しても良い。
【0041】
次に、穿刺針先端位置特定部114の平均輝度演算部130は、領域140の長手方向が水平となるまで図3(D)に示すエッジ画像を回転させ、領域140の長手方向をX’軸、領域140の短手方向をY’軸としてX’Y’直交座標系を定義する。平均輝度演算部130は、領域140内において、Y’座標方向に並んだ点(X’座標の値が同じ点)の加算平均を行う。図4(A)は、領域140から先端位置を特定する方法を示すため、エッジ画像中の領域140と、領域140内の穿刺針を含む直線上(領域140内のX’座標の値が同じ点を加算平均した結果1次元となった領域140)の平均輝度の分布を示すグラフとを対応させて描いた図である。図4(A)に示すグラフは、横軸をX’座標上の位置、縦軸を平均輝度として領域140における走査方向(X’方向)から見た平均輝度分布を表したグラフである。最大輝度特定部132及び最小輝度特定部134は、図4(A)に示すグラフに基づいて、平均輝度の最大値及び最小値を求める。なお、図4(A)に示すグラフは、説明を分かりやすくするために簡略化して描かれている。
【0042】
穿刺針先端位置演算部136は、図4(A)に示す領域140内におけるX’座標上の位置と平均輝度との関係を表したグラフに対し、X’座標の最大値側から原点側に向かって平均輝度の値を調べ、穿刺針の先端位置を特定する。具体的には、穿刺針先端位置演算部136は、穿刺針が存在しないため最小値付近の値を示していた平均輝度が、大きく増加して最大値と最小値との差分に対して初めて8割の輝度となった点142を穿刺針の先端位置として特定する。ここで、X’座標の最大値側から調べる理由は、穿刺針が存在しないと予想される側から調べることで、輝度の大幅な変化を穿刺針の先端位置として特定することができるためである。原点側から調べると、穿刺針が途切れる位置で平均輝度は最小値付近の値を示し、その次に穿刺針が検出された点を先端と特定する可能性がある。なお、ここでは穿刺針の先端を実質的に特定できる点として経験的に望ましい点である、最大値と最小値との差分に対して8割の点を穿刺針の先端位置としたが、必ずしも8割でなくても良い。しかし、あまり平均輝度の最小値側に近い点を設定すると、ノイズを先端位置としてしまう可能性があるため、平均輝度の最大値と最小値の差分に対して5割以上の点が望ましい。
【0043】
領域140内において、穿刺針が存在しない領域の平均輝度は、おおよそ0となる。そのため、穿刺針が存在しないX’座標の最大値側から0側に向かって平均輝度の値を調べると、しばらく0付近の値が続く。穿刺針が存在しない領域から穿刺針が存在する領域に入ると、平均輝度は、急激に大きくなる。これは、穿刺針が、高輝度で検出されるためである。穿刺針先端位置演算部136は、このような穿刺針の有無による平均輝度の変化に基づいて穿刺針の先端位置である点142を特定する。穿刺針の先端位置である点142を特定した穿刺針先端位置演算部136は、X’Y’直交座標系をXY直交座標系に変換し、点142のX座標及びY座標を求める。
【0044】
穿刺針画像生成部116は、穿刺針候補直線138と、穿刺針の先端位置142とに基づいて、穿刺針を表す直線を生成する。具体的には、穿刺針候補直線138を、X座標0の位置から、穿刺針の先端位置142のX座標と同じX座標を持つ穿刺針候補直線138上の点144までの線分として、穿刺針を表す直線である線分148を生成する。図4(B)は、穿刺針画像生成部116が生成した線分148を描いた模式図である。図4(B)中の点146は、穿刺針候補直線138がエッジ画像の左辺と交わる点である。
【0045】
超音波画像生成装置100は、穿刺針の先端位置の検出及び穿刺針を表す画像の生成を所定の時間間隔で繰り返し、最も新しく生成した穿刺針を表す画像を画像表示部124に表示する。超音波画像生成装置100は、穿刺針の先端位置を特定し、生成した穿刺針画像(穿刺針を表す画像)をBモード画像と重畳表示することで、穿刺針の位置をユーザに分かりやすく表示することができる。
【0046】
以下に、図5を参照して、本発明の超音波画像生成装置の作用及び本発明の超音波画像生成方法について説明する。
図5は、本発明の超音波画像生成方法を実施する超音波画像生成装置100において、穿刺針画像を重畳表示する動作に係わる一連の処理の流れを示すフロー図である。超音波画像の取得後、ステップST400で、ユーザが穿刺針候補点を検出する時間間隔の設定を行う。ステップST402で穿刺針候補点抽出部106が穿刺針候補点の抽出を行い、ステップST404で穿刺針候補点の座標を候補点位置記憶部110に保存する。ステップST406で穿刺針候補点の分布に基づいて穿刺針領域特定部112が穿刺針及び穿刺針の延長線を表す穿刺針候補直線の特定を行い、ステップST408で穿刺針先端位置特定部114が穿刺針の先端位置の特定を行う。ステップST410で穿刺針画像生成部116が穿刺針を表す画像を生成し、ステップST412で画像合成部118がBモード画像と穿刺針を表す画像との合成を行い、画像表示制御部120がBモード画像と穿刺針を表す画像との重畳表示を画像表示部124に行わせる。
【0047】
ステップST414で、重畳表示方式を変更するかユーザに問い、YesであればステップST410へ戻り、重畳表示方式を変更した穿刺針を表す画像とBモード画像とを重畳表示する。ステップST414で重畳表示方式を変更しない場合は、ステップST416へ進む。ステップST416で穿刺針候補点を抽出する時間間隔を変更するかユーザに問い、YesであればステップST400へ戻り、新たな抽出時間間隔を設定して穿刺針候補点の抽出を行う。ステップST416で、穿刺針候補点を抽出する時間間隔の変更がNoであれば、ステップST418へ進む。ステップST418で、次のフレームも処理を続行するかユーザに問い、YesであればステップST400へ戻る。ステップST418でNoであれば、処理を終了する。
【0048】
図6は、ステップST402の動作をより詳細に説明したフロー図である。ステップST500で、予測刺入領域(穿刺針が刺入されると推定される領域)を設定するかユーザに問い、YesであればステップST502へ進んで予測刺入領域を設定し、ステップST504へ進む。ステップST500で予測刺入領域を設定しない場合は、ステップST504へ進む。ステップST504で、ユーザが特に詳細に見たい領域(以下、注目領域という)を高画質化するかユーザに問い、YesであればステップST506へ進んでユーザが注目領域の設定を行い、ステップST508で注目領域の高画質化処理を行ってステップST510へ進む。ステップST504で注目領域を高画質化処理しない場合は、ステップST510へ進む。ステップST510でエッジ抽出フィルタを適用し、ステップST512で閾値処理を行う。ステップST514で閾値処理を行ったエッジ画像に対して穿刺針候補点の抽出を行ってステップST402へ進む。
【0049】
ステップST502の予測刺入領域の設定について、図7(A)〜(D)を用いて説明する。図7(A)〜(D)において、それぞれ画像の左上端部を原点とし、左上端部から右上端部への横軸をX軸、左上端部から左下端部への縦軸をY軸としたXY直交座標系にBモード画像151が位置する場合を考える。図7(A)において、破線150は、穿刺ガイドラインを表す。穿刺針候補点抽出部106は、穿刺ガイドライン150を基準にして予測刺入領域の設定を行う。探触子に穿刺アダプタを装着した場合は、穿刺アダプタによって穿刺針の刺入経路がある程度決まるため、穿刺ガイドラインを表示することができる。
【0050】
本実施の形態では、予測刺入領域の設定は、3種類の広さを持つ領域からユーザが選択することができる。予測刺入領域の形状は、穿刺ガイドラインを基準にしてY軸方向に幅を広げた形状とする。例えば、乳がんなどの浅部に対して穿刺を行う場合は、狭領域(ほぼ穿刺ガイドラインの幅を持つ領域)、平均領域(穿刺ガイドラインを中心としてY軸方向上下に+0.5cmずつ広げた領域)、広領域(穿刺ガイドラインを中心としてY軸方向上下に+1cmずつ広げた領域)とする。穿刺ガイドラインのY軸方向上下に穿刺ガイドラインから所定距離を離した複数の直線情報を記憶させ、その複数の直線に挟まれる画像領域を予測刺入領域として、予測刺入領域を生成する。深部に対して穿刺を行う場合ほど穿刺ガイドラインに対して穿刺針がずれる可能性が高く、ずれ量も大きくなるので、予測刺入領域の面積を大きくしても良い。例えば、広領域においては、穿刺ガイドラインを中心に上下に1.5cmずつ広げた領域とする。
【0051】
予測刺入領域を狭範囲に設定した場合を図7(B)に示す。図7(B)において、領域152が予測刺入領域を表す。
【0052】
予測刺入領域を平均範囲に設定した場合を図7(C)に示す。図7(C)において、領域154が予測刺入領域を表す。領域154は、領域152より広い領域である。
【0053】
予測刺入領域を広範囲に設定した場合を図7(D)に示す。図7(D)において、領域156が予測刺入領域を表す。領域156は、領域154より広い領域である。
【0054】
穿刺針候補点抽出部106は、予測刺入領域が設定された場合には、予測刺入領域内に対してのみ閾値処理等を行い、予測刺入領域内から穿刺針候補点を抽出する。予測刺入領域内のみから穿刺針候補点を抽出すると、予測刺入領域から生成されたエッジ画像において、組織等に由来する穿刺針候補点が減少し、全穿刺針候補点に対する穿刺針由来の穿刺針候補点の割合が高くなるため、より高精度に穿刺針候補直線を生成することができる。
【0055】
ステップST506で説明した、高画質化する注目領域の設定について図8を用いて説明する。ユーザは、Bモード画像162を見て穿刺針158の位置を確認して注目領域を設定する。具体的には、ユーザは、目視により穿刺針158の位置を確認し、穿刺針158の全体が含まれる領域を注目領域160として設定する。なお、図8では、説明を分かりやすくするために穿刺針158を途切れさせずに描いてある。また、ここでは、注目領域の設定をユーザが行ったが、必ずしもユーザが行う必要はない。例えば、穿刺針画像生成部116によって生成された穿刺針を表す画像が全て含まれる領域を注目領域として、超音波画像生成装置100が自動設定する態様としても良い。
【0056】
送受信制御部102は、注目領域に対して高画質化処理を行う。具体的には、注目領域の音線増加処理を探触子122に行わせて、注目領域以外の領域と比較して、注目領域が高画質となる高画質化処理を行う。音線増加処理とは、超音波を照射する距離間隔を狭くすることでより細かくエコー信号を取得する処理である。音線増加処理を行った領域は、高精細な画像が得られる。なお、ここでは注目領域に対して音線増加処理を行ったが、注目領域の高画質化処理は音線増加処理に限られない。例えば、ステアビーム処理(穿刺針の長軸方向に垂直な方向に向けて超音波を照射することで、穿刺針によって反射されるエコーを増加させる処理)、周波数コンパウンド処理(送信及び受信の信号を広帯域化して帯域内をいくつかに分割して画像を複数形成し、それらの画像を加算平均することで、スペックルノイズを減少させる処理)等を行っても良い。
【0057】
事前に注目領域の設定を行い、高画質化処理を行った注目領域から穿刺針候補点の抽出を行えば、ノイズが減少した穿刺針候補点を用いてハフ変換を行うことができるため、穿刺針の位置を特定する精度が向上する。例えば、周波数コンパウンドを行えばスペックルノイズを減少させることができるため、閾値処理を行った場合、穿刺針に由来する穿刺針候補点の割合が増加する。なお、図8では、説明を分かりやすくするために注目領域160の枠線とBモード画像162の枠線とが重ならないように描いてあるが、注目領域160は、Bモード画像162より外側は含まないことは言うまでもない。
【0058】
Bモード画像と穿刺針画像とを重畳表示する方法の変形例について、図9(A)〜(D)を用いて説明する。図9(A)〜(D)は、Bモード画像に重畳表示される穿刺針の表示方式をそれぞれ異ならせてある。ユーザは、図9(A)〜(D)に示す穿刺針を表す画像の表示方式から、所望の表示方式を選択することができる。なお、本変形例は、Bモード画像に重畳表示される穿刺針を表す直線や線分や点を、所定の色、例えば緑色に彩色して示すものであるが、図9(A)〜(D)では、Bモード画像に重畳表示される穿刺針を表す、彩色された直線や線分や点を黒線や黒線分や黒点で示す。
【0059】
図9(A)は、Bモード画像に用いられるグレースケールとは異なり、彩度を有する線分(図9(A)では濃い黒線分で示されている)で穿刺針を表し、Bモード画像に重畳表示した図である。このように表示すると、Bモード画像とは明らかに異なった態様で穿刺針を表す直線を表示することができ、ユーザに穿刺針の位置を分かりやすく知らせることができる。
【0060】
図9(B)は、図9(A)における穿刺針を表す直線に透過処理し、半透明にして重畳表示した(図9(B)では薄い黒線で示されている)ものである。例えば、透過割合を50%にして表示する。このように穿刺針を半透明としてBモード画像に重畳表示すると、穿刺針を表す直線によりBモード画像が隠されることがないため、ユーザが穿刺針及びBモード画像の双方を見ることができる。
【0061】
図9(C)は、穿刺針を表す画像を直線とせず、穿刺針候補点にBモード画像とは異なる色を付してBモード画像に重畳表示した(図9(C)では薄い黒点で示されている)ものである。重畳表示した穿刺針候補点は、穿刺針存在領域内に存在する穿刺針候補点のうち、穿刺針を表す直線の先端位置である点144のX座標以下のX座標を持つ穿刺針候補点のみである。このように、穿刺針を直線では表さず、穿刺針候補点のみに色を付してBモード画像に重畳表示すると、直線がBモード画像の描出を損なうことがない。
【0062】
図9(D)は、穿刺針を表す直線に対し、穿刺針の形状を表す輪郭をフィッティングさせて穿刺針を表す画像とした(図9(C)では濃い黒線分で示されている)ものである。このように穿刺針の形状を表す輪郭をBモード画像に重畳表示すると、ユーザが直感的に針の形を把握することができる。なお、穿刺針の輪郭は、穿刺針情報記憶部108に記憶されている穿刺針情報として穿刺針の太さ又は形状が分かっていれば、その太さまたは形状を持った輪郭としても良いし、ユーザが設定しても良い。
【0063】
以上、説明したように、本発明の実施の形態1に係る超音波画像生成装置100によれば、Bモード画像から穿刺針候補点を抽出し、ハフ変換を行うことで穿刺針及び穿刺針の延長線を表す穿刺針候補直線を特定することができる。さらに、超音波画像生成装置100は、特定した穿刺針候補直線を含む領域を穿刺針存在領域として特定し、穿刺針存在領域内の輝度情報に基づいて穿刺針の先端位置を特定することで、Bモード画像中の穿刺針の先端位置を特定することができる。また、超音波画像生成装置100は、特定した穿刺針の位置を基に、穿刺針を表す画像と、Bモード画像とを重畳表示することで、穿刺針の正確な位置をユーザに分かりやすく表示することができる。
【0064】
なお、本実施の形態では、予測刺入領域の設定において、穿刺アダプタに基づいて穿刺ガイドラインの位置を決定したが、本発明では、必ずしも穿刺アダプタを使用しなくても良い。例えば、ユーザが自分で穿刺ガイドラインを作成しても良いし、超音波画像のフレーム差分を取って、穿刺針が被検者に刺入される角度または位置を求めて穿刺ガイドラインを作成しても良い。この場合、新たに作成した穿刺ガイドラインに沿って予測刺入領域を決定する。また、過去の穿刺針の先端位置を記憶する記憶部を設けて過去の穿刺針の先端位置と検出タイミングを記憶し、過去の穿刺針の先端位置及び検出タイミングに基づいて予測刺入領域を設定しても良い。また、穿刺針の先端位置のみではなく、穿刺針を表す画像を記憶しておいても良い。
【0065】
図10(A)及び(B)は、過去の穿刺針の複数の先端位置を用いて予測刺入領域を決定する方法を表した図である。図10においても、画像の左上端部を原点とし、画像の左上端部から右上端部への横軸をX軸、左上端部から左下端部への縦軸をY軸としたXY直交座標系に画像が位置する場合を考える。画像の左上端部から右上端部への方向をX軸の正の方向、画像の左上端部から左下端部への方向をY軸の正の方向とする。
図10(A)において、Bモード画像172中に穿刺針の過去の先端位置を表す複数の点174、点176及び点178がある場合を考える。ここでは、点174が最も過去に特定された穿刺針の先端位置である。点176は、点174の次に検出された穿刺針の先端位置であり、点178が最も新しい穿刺針の先端位置である。点174、点176及び点178の3点が直線182a上に並んでいるため、次の穿刺針の先端位置は、3点を通る直線の延長線である破線182b上にあることが予測される。
【0066】
そのため、図10(A)中で最もY座標が大きい点178より下部で、破線182bを含みかつ穿刺針が撓む幅を考慮してサイズを設定した領域180を、予測刺入領域として決定する。ここで、領域180の形状は、破線182bをX軸方向に広げた平行四辺形の形状とする。破線182bが領域180の上辺及び下辺と接する点178と点181との距離間隔(点178と点181のy座標の差)は、過去の穿刺針の先端位置の距離間隔(例えば点176と点178との距離間隔)の2〜3倍とする。ここで、過去の穿刺針の先端位置の距離間隔(位置)を基に領域180の大きさを決定する理由は、過去に穿刺針が刺入された速さ及び角度を確認して、穿刺針の進行方向を推定するためである。過去に穿刺針が刺入された速さ及び角度を確認すれば、次の先端位置検出タイミングにおいても、過去と大きく異ならない速さ及び角度で穿刺針が刺入される(すなわち過去の先端位置の距離間隔と大体同じ間隔となる)と推定されるため、穿刺針の進行方向を推定できる。ここでは少し余裕を持たせて、過去の穿刺針の先端位置の距離間隔の2〜3倍としたが、必ずしも2〜3倍である必要はない。
【0067】
穿刺針候補点抽出部106は、領域180内において穿刺針候補点の抽出を行う。このように過去の穿刺針の複数の先端位置を用いて予測刺入領域を決定すると、予測刺入領域のサイズを、より小さく絞ることができ、予測刺入領域内における穿刺針由来の穿刺針候補点の割合をさらに大きくすることができるため、穿刺針候補直線を高精度に生成することができる。なお、領域180の形状は平行四辺形に限られず、例えば、Y座標が減少するにしたがってX座標方向に広がる台形のような形状であっても良い。
【0068】
図10(B)は、図10(A)の次のタイミングで穿刺針の先端位置を検出する場合における予測刺入領域の決定方法を表した図である。図10(B)は、図10(A)に対して、Bモード画像190中に最新の穿刺針の先端位置を表す点184が追加された図である。この場合においても、点174、点176、点178及び点184を通る直線188aの延長線である破線188bを含む領域186を、予測刺入領域と設定する。このように、記憶した過去の穿刺針の先端位置が増加しても、それらの位置を基に予測刺入領域を設定することができる。また、硬い組織の存在による穿刺針の撓みや、プローブのずれなどにより、穿刺途中で当初の予測刺入領域からずれた場合においても、精度良く穿刺針候補直線を検出することができる。
【0069】
なお、図10(A)及び(B)では、過去の穿刺針の複数の先端位置が一直線上に並ぶ場合を例に取って説明したが、必ずしも過去の穿刺針の複数の先端位置が一直線上に並ぶ必要はない。例えば、過去の穿刺針の複数の先端位置を折れ線グラフのように繋ぎ、最新の2点を繋ぐ直線の傾きに基づいて次の予測刺入領域を設定しても良いし、最新の3点に対して最小二乗法等を行って直線の傾きを求めて予測刺入領域を設定しても良い。
【0070】
また、予測刺入領域の幅は、穿刺ガイドラインに対する穿刺針のズレ幅を事前に調べ、そのズレ幅に従って決定しても良いし、予め用意された幅を調整可能であっても良い。超音波画像の取得中であっても予測刺入領域の幅を調整可能としても良い。その場合は、本体のファンクションキー等に、予測刺入領域の幅を調整する機能を割り当てることが望ましい。
【0071】
また、本実施の形態では、予測刺入領域の幅の設定が3段階であったが、必ずしも3段階に限られない。さらに細かく設定できるものにすれば、それだけユーザが希望に合った範囲を設定できる。
【0072】
なお、本実施の形態では、予測刺入領域が設定された場合、予測刺入領域内に対して閾値処理を行ったが、画像全体に対して閾値処理を行い、予測刺入領域内にある穿刺針候補点のみを用いてハフ変換を行う態様としても良い。このような態様にすると、ハフ変換の演算が容易になる。
【0073】
また、本実施の形態では、穿刺針直線生成部126によって生成された穿刺針候補直線を所定の幅に広げ、穿刺針候補直線上の領域を穿刺針存在領域としたが、穿刺針存在領域の求め方は、この方法に限らず、穿刺針候補直線を含む領域をユーザが手動で決めても良い。例えば、図11(A)〜(D)に示すように決定することもできる。
【0074】
図11(A)は、Bモード画像192中に穿刺針候補直線194があり、穿刺針候補直線194の幅を広げることで穿刺針存在領域196を作成した場合を示す図である。図11においても、Bモード画像192の画像の左上端部を原点とし、左上端部から右上端部への横軸をX軸、左上端部から左下端部への縦軸をY軸としたXY直交座標系にBモード画像192が位置する場合を考える。Bモード画像192の左上端部から右上端部への方向をX軸の正の方向、エッジ画像の左上端部から左下端部への方向をY軸の正の方向とする。図11(A)を基に、ユーザが穿刺針存在領域196をY座標が減少する方向に動かして穿刺針存在領域198を作成した場合を示す図が図11(B)である。図11(A)を基に、ユーザが穿刺針存在領域196をY座標が増加する方向に動かして穿刺針存在領域200を作成した場合を示す図が図11(C)である。穿刺針候補直線194と異なる傾きを持った穿刺針存在領域202をユーザが作成した場合を示す図が図11(D)である。このように穿刺針存在領域は、ユーザが調節可能であっても良い。穿刺針存在領域がユーザによって調節可能であれば、ユーザが、エッジ画像を見ながら、穿刺針を表すと考えられる穿刺針候補点を多く含む領域を穿刺針存在領域として手動で設定することができる。ユーザが設定した穿刺針存在領域に対して平均輝度を求め、穿刺針の先端位置を検出することで、穿刺針の先端位置を検出する精度を向上させることができる。
【0075】
なお、本実施の形態では、X’座標上の位置と平均輝度との関係を表したグラフに基づいて平均輝度の変化を調べる方向を決定したが、穿刺は、探触子に一般的に付されているプローブマーク(スキャン方向を表すマーク)がある方向から穿刺することが多いため、注目領域の設定は、プローブマークがある方に設定しても良い。
【0076】
なお、本実施の形態では、穿刺針の先端位置を特定することによって注目領域の設定を行ったが、必ずしも穿刺針の先端位置を特定して、注目領域を設定する必要はない。例えば、ユーザが目視でBモード画像中の穿刺針の位置を確認し、穿刺針を含む領域を注目領域としてユーザが設定しても良い。
【0077】
なお、本実施の形態では、穿刺針候補直線138と、穿刺針の先端位置として特定した点142と同じX座標を持つ穿刺針候補直線138上の点144とを用いて穿刺針を表す直線を生成したが、穿刺針を表す直線は、必ずしもこのように生成する必要はない。例えば、穿刺針の先端位置である点142を終点として、始点はユーザが決定して始点と終点から線分を生成する態様にしても良い。
【0078】
なお、本実施の形態では、穿刺針を表す画像をBモード画像に重畳表示する表示方式について4つのバリエーションを示したが、表示方式はこれらに限られない。例えば、穿刺針を表す直線と、穿刺針候補点を同時に表示する態様であっても良いし、穿刺針候補点に透過処理を行って表示しても良い。また、穿刺針を表す直線の色は均一な一色である必要はない。例えばグラデーション等で表示しても良いし、2色で表現しても良い。
【0079】
また、穿刺針を表す直線の太さは、ユーザが所望の太さを選択できることが望ましい。例えば、細、並、太等の事前設定してある太さから選択できても良いし、ユーザが自分で太さを入力しても良い。使用した穿刺針の太さが分かっている場合は、穿刺針の太さと同じ太さで直線を表示しても良い。
【0080】
また、穿刺針を表す直線の透過処理は、ユーザが透過の割合を設定できることが望ましい。例えば、コントロールパネル等に用意されている入力ボタンに機能を割り当て、ユーザが透過の割合を自由に設定できるようにする。
【0081】
また、穿刺針を表す直線の輝度は、超音波画像生成装置が自動で計算して決定しても良い。例えば、閾値処理を行う前のBモード画像内の最大輝度を用いて、階調値(たとえば100)で正規化し、Bモード画像を表す輝度に上乗せすることで決定する。
【0082】
また、穿刺針を表す画像の輝度は、超音波画像生成装置が自動で設定しても良い。例えば、穿刺針を表す画像を重畳表示するBモード画像上の周囲何画素かの平均値を利用して自動で穿刺針を表す画像の輝度を設定することができる。
【0083】
また、穿刺針の先端位置の検出及び穿刺針を表す画像の生成を行う所定の時間間隔は、ユーザが設定できることが好ましい。例えば、細(1秒間隔)、並(2秒間隔)、粗(3秒間隔)等から選択する。これらの時間間隔の設定は、事前にシステム設定で設定しても良いし、コントロールパネル等に用意されているボタンに機能を割り当てても良い。穿刺針を被検者に刺入させる速度はユーザによって異なるため、穿刺針を刺入させる速度に合った時間間隔で、穿刺針の先端位置の検出及び穿刺針を表す画像の生成を行うようにユーザが設定すれば良い。穿刺針を刺入させる速度に合った時間間隔で穿刺針の先端位置の検出及び穿刺針を表す画像の生成を行うようにユーザが所望の時間間隔を設定すると、穿刺針の位置があまり変わらない時に穿刺針の先端位置の検出等を行うことが減少し、装置の処理負荷を低減させることができる。
【0084】
なお、本実施の形態では、エコー信号を輝度情報で表したBモード画像に対して閾値処理等を行って穿刺針の先端位置を特定したが、必ずしもBモード画像に対して閾値処理等を行う必要はない。
【0085】
本実施の形態における各構成は、主に、中央演算装置(CPU)とCPUに各種の処理を行わせるためのソフトウェアとによって構成されるが、これらをデジタル回路またはアナログ回路で構成しても良い。なお、ソフトウェアは、図示しない内部メモリに記憶される。
【0086】
また、本発明に係る超音波画像生成方法のアルゴリズムをプログラミング言語によって記述し、必要に応じてコンパイルし、超音波画像生成方法プログラムをメモリ(記録媒体)に記憶して他の装置の情報処理手段によって実行させれば、本発明に係る超音波診断装置と同様の機能を実現することができる。すなわち、本発明の超音波画像生成方法をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラムであっても、そのプログラムを記録した記録媒体であっても、本発明の実施形態に含まれるのは言うまでもない。
【0087】
なお、以上説明した本発明に係る実施の形態は、本発明の一例を示すものであり、本発明の構成を限定するものではない。本発明に係る超音波画像生成装置及び超音波画像生成方法は、上記実施の形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明に係る超音波画像生成装置及び超音波画像生成方法は、超音波を用いて穿刺器具を刺入した被検体の断層画像を取得する場合に用いることができる。
【符号の説明】
【0089】
100 超音波画像生成装置
104 画像生成部
106 穿刺針候補点抽出部
110 候補点位置記憶部
112 穿刺針領域特定部
114 穿刺針先端位置特定部
116 穿刺針画像生成部
126 穿刺針直線生成部
130 平均輝度演算部
136 穿刺針先端位置演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿刺器具が刺入された被検体に対して探触子から超音波を照射し、前記被検体および前記穿刺器具から反射されるエコーを前記探触子で受信し、前記探触子から出力されるエコー信号から超音波画像を生成する超音波画像生成装置であって、
前記超音波画像に基づいて前記穿刺器具の候補点を抽出する候補点抽出手段と、
該候補点抽出手段によって抽出された複数の候補点の分布から、前記超音波画像において前記穿刺器具が存在する可能性のある穿刺器具存在領域を特定する穿刺器具存在領域特定手段と、
該穿刺器具存在領域特定手段によって特定された前記穿刺器具存在領域における前記穿刺器具を含む直線上の強度分布に基づいて、前記穿刺器具の先端位置を特定する穿刺器具先端位置特定手段と、
を備えることを特徴とする超音波画像生成装置。
【請求項2】
さらに、前記穿刺器具先端位置特定手段によって特定された前記穿刺器具の先端位置に基づいて前記穿刺器具を表す穿刺器具画像を生成する穿刺器具画像生成手段と、
該穿刺器具画像生成手段によって生成された前記穿刺器具画像を前記超音波画像に重畳表示する画像合成手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波画像生成装置。
【請求項3】
前記穿刺器具存在領域特定手段は、
前記候補点抽出手段によって抽出された複数の候補点から穿刺器具候補直線を生成し、該穿刺器具候補直線が含まれる領域を前記穿刺器具存在領域と特定するものであり、
前記穿刺器具画像生成手段は、
前記穿刺器具の先端位置と、前記穿刺器具候補直線とから、前記穿刺器具画像を生成することを特徴とする請求項2に記載の超音波画像生成装置。
【請求項4】
さらに、前記穿刺器具の情報を記憶する穿刺器具情報記憶手段を備え、
前記穿刺器具画像生成手段は、前記穿刺器具情報記憶手段に記憶された前記穿刺器具に関する情報を用いて前記穿刺器具画像の形状を決定することを特徴とする請求項2または3に記載の超音波画像生成装置。
【請求項5】
前記穿刺器具先端位置特定手段は、
前記穿刺器具存在領域における前記穿刺器具を含む直線上の強度分布の最大値および最小値に基づいて、前記穿刺器具の先端位置を特定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超音波画像生成装置。
【請求項6】
前記穿刺器具存在領域特定手段は、
前記候補点抽出手段によって抽出された複数の候補点に対してハフ変換を行って穿刺器具候補直線の生成を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の超音波画像生成装置。
【請求項7】
前記候補点抽出手段は、
前記超音波画像に対して閾値処理を行うことで、前記穿刺器具の候補点を抽出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の超音波画像生成装置。
【請求項8】
さらに、前記超音波画像において前記穿刺器具が刺入される可能性が高い予測刺入領域を設定する予測刺入領域設定手段を備え、
前記候補点抽出手段は、前記予測刺入領域設定手段によって設定された領域から前記穿刺器具の候補点を抽出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の超音波画像生成装置。
【請求項9】
さらに、前記超音波画像において前記穿刺器具が刺入される可能性が高い予測刺入領域を設定する予測刺入領域設定手段を備え、
前記穿刺器具存在領域特定手段は、前記候補点抽出手段によって抽出された前記穿刺器具の候補点のうち、前記予測刺入領域設定手段によって設定された予測刺入領域に含まれる前記候補点から、前記穿刺器具存在領域を特定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の超音波画像生成装置。
【請求項10】
前記予測刺入領域設定手段は、前記穿刺器具が前記被検体に刺入される角度およびまたは位置に基づき、前記予測刺入領域を設定することを特徴とする請求項8または9の超音波画像生成装置。
【請求項11】
さらに、前記穿刺器具先端位置特定手段によって特定された前記穿刺器具の過去における複数の先端位置を記憶する先端位置記憶手段を備え、
前記予測刺入領域設定手段は、
前記先端位置記憶手段によって記憶された前記穿刺器具の複数の先端位置から、前記穿刺器具の進行方向を推定し、前記穿刺器具の進行方向にある領域を前記予測刺入領域として設定することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の超音波画像生成装置。
【請求項12】
さらに、前記穿刺器具が存在する注目領域を設定する注目領域設定手段と、
該注目領域設定手段が設定する前記注目領域を注目領域以外の領域に対して高画質化処理する高画質化処理手段と、
を備える請求項1乃至11のいずれか1項に記載の超音波画像生成装置。
【請求項13】
穿刺器具が刺入された被検体に対して探触子から超音波を照射し、前記被検体および前記穿刺器具から反射されるエコーを前記探触子で受信し、前記探触子から出力されるエコー信号から超音波画像を生成する超音波画像生成方法であって、
前記超音波画像に基づいて前記穿刺器具の候補点を抽出する候補点抽出ステップと、
該候補点抽出ステップで抽出された複数の候補点の分布から、前記超音波画像において前記穿刺器具が存在する可能性のある穿刺器具存在領域を特定する穿刺器具存在領域特定ステップと、
該穿刺器具存在領域特定ステップで特定された前記穿刺器具存在領域における前記穿刺器具を含む直線上の強度分布に基づいて、前記穿刺器具の先端位置を特定する穿刺器具先端位置特定ステップと、
を備えることを特徴とする超音波画像生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図3】
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【図4】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−70837(P2012−70837A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216764(P2010−216764)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】