説明

超音波画像診断装置

【課題】簡単な操作で、Bモード診断画像上に任意方向のMモードカーソルを設定する。
【解決手段】操作検出部6aは、操作部7において任意方向Mモードカーソルを選択する操作が行われた場合、その操作内容を表す信号を任意方向Mモードカーソル制御部6bに供給する。任意方向Mモードカーソル制御部6bは、操作検出部6aから供給された操作内容に基づいて、任意方向Mモードカーソル設定位置情報記憶部6cから、Bモード画像の走査断面毎にプリセットされている任意方向Mモードカーソル設定位置情報を読み出す。任意方向Mモードカーソル画像生成部6dは、任意方向Mモードカーソル制御部6bで読み出された任意方向Mモードカーソル設定位置情報に基づいて、任意方向Mモードカーソル画像を表示するデータを生成する。この生成された任意方向Mモードカーソル画像がBモード診断画像に重畳表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波画像診断装置に関し、特に、簡単な操作で、Bモード診断画像上に任意方向のMモードカーソルを設定することができる超音波画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波診画像断装置による画像診断では、診断部位のBモード画像(断層像)により疾患の有無や部位を把握し、Mモード画像によって計測を行い、重症度を定量的に評価している。このMモード画像は、Bモード画像の走査線方向の輝度レベルの時間変化を描出するものであって、走査線方向のラインを、横軸に時間、縦軸に深度で表したものである。
【0003】
例えば、特許文献1および特許文献2には、Bモード画像の任意方向のラインを使ったMモード画像の技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−296609号公報
【特許文献2】特開平8−38470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、任意方向のMモード画像表示の際には、Bモード画像上に表示したMモード画像用カーソル(Mモード画像用抽出ラインとも言う)の中心位置、長さ、および角度を設定する必要がある。
【0006】
ここで、Mモード画像用カーソルの設定方法について説明する。まず、被検体内を診断のため、モニタにBモード診断画像を表示させる。次に、操作者は、入力部を操作して、Bモード診断画像上に表示されているMモード画像用カーソルの位置(中心位置、長さ、および角度)を設定する。このとき、カーソルの中心位置や長さを調整して所望の位置に設定したり、あるいは適宜回転したりして診断部位に対して任意の方向にMモード画像用カーソルを設定する。
【0007】
以上のようにして、操作者は、Bモード診断画像上でMモード画像用カーソルを設定するが、Bモード診断画像の走査断面(四腔像、長軸像、短軸像など)の変更によって、カーソルの中心位置、長さ、角度をその都度再設定する必要があった。
【0008】
すなわち、操作者が、Bモード診断画像の走査断面を変更した際に、一方の手で被検体に超音波プローブを当接させながら、他方の手でカーソルの中心位置、長さ、および角度を再設定することになり、操作者の負担となる課題があった。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な操作で、Bモード診断画像上に任意方向のMモードカーソルを設定することができる超音波画像診断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明の特徴は、被検体を超音波で走査して得られるエコー信号に基づいてBモード診断画像を生成するBモード診断画像生成手段と、任意方向Mモードカーソルの設定位置情報に基づいて、任意方向Mモード診断画像を生成する任意方向Mモード診断画像生成手段と、任意方向Mモードカーソルの設定位置情報を1回の操作で選択するための任意方向Mモードカーソル設定位置情報選択手段と、任意方向Mモードカーソル設定位置情報選択手段に関連付けて、任意方向Mモードカーソルの設定位置情報を記憶する記憶手段と、選択された任意方向Mモードカーソル設定位置情報選択手段に関連付けられている任意方向Mモードカーソルの設定位置情報に基づいて、任意方向Mモードカーソル画像を生成する任意方向Mモードカーソル画像生成手段とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡単な操作で、Bモード診断画像上に任意方向のMモードカーソルを設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る超音波画像診断装置の構成例を示す図である。
【図2】画像処理部の内部の構成例を示すブロック図である。
【図3】システム制御部の内部の構成例を示すブロック図である。
【図4】Mモード診断画像用カーソル選択画面の表示例である。
【図5】Bモード診断画像上に表示する任意方向Mモード診断画像用カーソルの選択処理を説明するフローチャートである。
【図6】Bモード診断画像上に任意方向Mモードカーソル画像を重畳表示させた場合のB/Mモード表示画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、超音波画像診断装置の構成例を示すブロック図である。
【0015】
超音波探触子1は、被検体の体表面にその先端面を接触させて超音波の送受波を行うものである。超音波探触子1は、複数個の圧電振動子を有しており、それらは先端面に1次元的または2次元的に配列される。超音波探触子1は、被検体を超音波で走査して得られるエコー信号を受信して送受信部2へ出力する。
【0016】
送受信部2は、超音波を発生させるための超音波駆動信号を生成して超音波探触子1に出力したり、超音波探触子1の圧電振動子から得られる複数チャンネルの超音波受信信号に対して整相加算を行い、整相加算によって得られたエコー信号を信号処理部3に出力したりする。
【0017】
信号処理部3は、Bモード処理部、ドプラ処理部、およびカラーモード処理部を有する。Bモード処理部は、送受信部2から供給されたエコー信号の振幅情報の映像化を行い、映像化を行うことによって生成されたBモード超音波ラスタデータを画像処理部4に出力する。ドプラ処理部は、送受信部2から供給されたエコー信号からドプラ偏移周波数成分を取り出し、さらにFFT(Fast Fourier Transform)処理などを施すことによって生成された血流情報を画像処理部4に出力する。カラーモード処理部は、送受信部2から供給されたエコー信号に基づいて、血流情報の映像化を行い、映像化を行うことによって生成されたカラー超音波ラスタデータを画像処理部4に出力する。
【0018】
画像処理部4は、図2に示すように、DSC(Digital Scan Converter)4a、Bモード診断画像生成部4b、Mモード診断画像生成部4c、および画像合成部4dを有する。
【0019】
DSC4aは、スキャンコンバージョン処理を行うことによって、信号処理部3から供給されたデータを、直交座標で表される情報に変換し、座標変換された情報をBモード診断画像生成部4bおよびMモード診断画像生成部4cに供給する。
【0020】
Bモード診断画像生成部4bは、DSC4aから供給された座標変換された情報からBモード診断画像を生成し、生成したBモード診断画像のデータを画像合成部4dに供給する。
【0021】
Mモード診断画像生成部4cは、システム制御部6から供給された任意方向Mモードカーソル設定位置情報(後述)に基づいて、DSC4aから供給された座標変換された情報から任意方向Mモード診断画像を生成し、生成した任意方向Mモード診断画像のデータを画像合成部4dに出力する。
【0022】
画像合成部4dは、Bモード診断画像生成部4bから供給されたBモード診断画像のデータ、Mモード診断画像生成部4cから供給されたMモード診断画像のデータ、および、システム制御部6から供給された任意方向Mモードカーソル画像のデータ(後述)を合成し、表示部5に出力する。
【0023】
表示部5は、例えば、液晶ディスプレイで構成されており、画像処理部4から供給されたデータに基づいて、各種の操作画面や画像を表示する診断画像表示手段として機能する。
【0024】
システム制御部6は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk)からなり、操作部7からの入力信号に基づいて、メモリに記憶されているプログラムなどを読み出して実行することにより各部の制御を行う。
【0025】
システム制御部6は、図3に示されるように、操作検出部6a、任意方向Mモードカーソル制御部6b、任意方向Mモードカーソル設定位置情報記憶部6c、任意方向Mモードカーソル画像生成部6d、および任意方向Mモードカーソル操作部表示制御部6eを有する。
【0026】
操作検出部6aは、操作部7からの入力信号に基づいて、操作者により入力される所定の操作を検出する検出手段として機能する。操作検出部6aは、操作部7において各種の操作画面(例えば、診断部位に対するMモードカーソル選択アイコン表示)や画像の表示を指示する操作(例えば、Mモードカーソル設定操作)が行われた場合、あるいは、Bモード表示からB/Mモード表示へ切り替える操作が行われた場合、その操作内容を表す信号を任意方向Mモードカーソル制御部6bに供給する。
【0027】
また操作検出部6aは、操作部7において任意方向Mモードカーソルを選択する操作が行われた場合、その操作内容を表す信号を任意方向Mモードカーソル制御部6bに供給する。
【0028】
任意方向Mモードカーソル制御部6bは、操作検出部6aから供給された操作内容に基づいて、各種の操作画面や画像を表示部5へ表示させるように制御したり、あるいは、表示部5に表示されているBモード表示画面を、B/Mモード表示画面に切り替えるように制御したりする。
【0029】
任意方向Mモードカーソル制御部6bは、操作検出部6aから供給された操作内容に基づいて、任意方向Mモードカーソル設定位置情報記憶部6cから、Bモード画像の走査断面毎にプリセットされている任意方向Mモードカーソル設定位置情報を読み出す。読み出された任意方向Mモードカーソル設定位置情報は、任意方向Mモードカーソル画像生成部6dおよび任意方向Mモードカーソル操作部表示制御部6e、並びに画像処理部4のMモード診断画像生成部4cに供給される。
【0030】
任意方向Mモードカーソル設定位置情報記憶部6cは、Bモード画像の走査断面毎にプリセットされている任意方向Mモードカーソル設定位置情報(カーソルの中心位置、カーソルの長さ、カーソルの角度など)を記憶する記憶手段として機能する。例えば、左室長軸像、心尖部四腔像、心尖部二腔像、心尖部長軸像、および左室短軸像のBモード画像の走査断面に関連付けて、任意方向Mモードカーソル設定位置情報が記憶される。
【0031】
任意方向Mモードカーソル画像生成部6dは、任意方向Mモードカーソル制御部6bから供給された任意方向Mモードカーソル設定位置情報に基づいて、任意方向Mモードカーソル画像(ライン)を表示するデータを生成し、生成した任意方向Mモードカーソル画像のデータを画像合成部4dに出力する。
【0032】
任意方向Mモードカーソル操作部表示制御部6eは、任意方向Mモードカーソル制御部6bから供給された任意方向Mモードカーソル設定位置情報に基づいて、任意方向Mモードカーソル操作部としての選択アイコン(後述の図4)を操作部7のタッチコマンドスクリーン上に表示させるとともに、その選択アイコン上に、Bモード診断画像の走査断面毎にプリセットされている任意方向Mモードカーソルを重畳表示させる。
【0033】
操作部7は、超音波画像診断装置の操作者が各種の操作を入力するキーボードやマウスなどの入力デバイス、およびタッチコマンドスクリーンにより構成されており、操作者の操作に基づいてシステム制御部6への入力信号を生成して送信する。タッチコマンドスクリーンとは、画面上に表示されたアイコンなどを直接押下することで、操作を行うことができるようになされている。
【0034】
本実施の形態では、操作部7でB/M同時モード(Bモード画像とMモード画像の同時表示)が選択されたとき、表示部5にBモード診断画像とMモード診断画像を同時に表示させるとともに、タッチコマンドスクリーン上に、例えば、図4に示すように、Bモード画像の走査断面毎にプリセットされた任意方向のMモードカーソルを選択するためのカーソル選択画面W1を表示させる。
【0035】
図4の表示例では、カーソル選択画面W1上に、任意方向のMモード画像用カーソルを選択するためのアイコンA0乃至A6が配置されている。これらアイコンA0乃至A6が、任意方向のMモード画像用カーソルを選択するための選択手段として機能する。
【0036】
アイコンA0には、「デフォルト」の文字が表示されている。アイコンA1には、Bモードにおける左室長軸像を表す形態画像とそのBモード左室長軸形態画像上に設定するための任意方向のMモード画像用カーソル(図中における太線)が視覚的に表示されている。アイコンA2には、Bモードにおける心尖部四腔像を表す形態画像とそのBモード心尖部四腔形態画像上に設定するための任意方向のMモード画像用カーソルが視覚的に表示されている。アイコンA3には、Bモードにおける心尖部二腔像を表す形態画像とそのBモード心尖部二腔形態画像上に設定するための任意方向のMモード画像用カーソルが視覚的に表示されている。
【0037】
またアイコンA4には、Bモードにおける左室長軸像を表す形態画像とそのBモード左室長軸形態画像上に設定するための任意方向のMモード画像用カーソルが視覚的に表示されている。アイコンA5には、Bモードにおける心尖部長軸像を表す形態画像とそのBモード心尖部長軸形態画像上に設定するための任意方向のMモード画像用カーソルが視覚的に表示されている。アイコンA6には、Bモードにおける左室短軸像を表す形態画像とそのBモード左室短軸形態画像上に設定するための任意方向のMモード画像用カーソルが視覚的に表示されている。
【0038】
これらアイコンA0乃至A6には、それぞれ、任意方向Mモードカーソル設定位置情報記憶部6cに記憶されている、Bモード診断画像の走査断面に対する任意方向Mモードカーソル設定位置情報がプリセットされている(関連付けられている)。
【0039】
なお、アイコンA0にプリセットされている任意方向Mモードカーソル設定位置情報は、デフォルト(例えば、超音波ビームの照射位置と深度をほぼ鉛直方向に結ぶラインを形成する情報)であるが、操作者によって、いつでも設定変更可能である。またアイコンA1乃至A6にプリセットされている任意方向Mモードカーソル設定位置情報も、操作者によって、いつでも設定変更可能であり、そこに表示されるMモード画像用カーソルの表示位置も設定変更可能である。
【0040】
操作者は、検査中の診断部位に応じて(被検体に超音波探触子1を当てている位置に応じて)、タッチコマンドスクリーンに表示されたカーソル選択画面W1上のアイコンA0乃至A6のいずれかを押下するだけで、任意方向Mモードカーソル設定位置情報記憶部6cから任意方向Mモードカーソル設定位置情報が読み出され、簡単に、任意方向Mモードカーソルを設定することができる。
【0041】
次に、図5のフローチャートを参照して、Bモード診断画像上に表示する任意方向Mモードカーソルの選択処理について説明する。この処理を開始するにあたり、表示部5には、Bモード診断画像が表示されている。
【0042】
ステップS1において、操作検出部6aは、操作部7でB/M同時モードが選択されたか否かを判定し、操作部7でB/M同時モードが選択されるまで待機する。そして、ステップS1において、操作検出部6aは、操作部7でB/M同時モードが選択されたと判定した場合、その操作内容を表す信号を任意方向Mモードカーソル制御部6bに供給し、ステップS2に進む。
【0043】
ステップS2において、任意方向Mモードカーソル制御部6bは、操作検出部6aから供給された操作内容に基づいて、任意方向Mモードカーソル設定位置情報記憶部6cからデフォルトの任意方向Mモードカーソル設定位置情報を読み出す。読み出したデフォルトの任意方向Mモードカーソル設定位置情報は、任意方向Mモードカーソル画像生成部6d、任意方向Mモードカーソル操作部表示制御部6e、およびMモード診断画像生成部4cへ供給される。
【0044】
ステップS3において、Mモード診断画像生成部4cは、任意方向Mモードカーソル制御部6bから供給されたデフォルトの任意方向Mモードカーソル設定位置情報に基づいて、デフォルトのMモード診断画像を生成する。
【0045】
ステップS4において、任意方向Mモードカーソル画像生成部6eは、任意方向Mモードカーソル制御部6bから供給されたデフォルトの任意方向Mモードカーソル設定位置情報に基づいて、Bモード診断画像上に合成するためのデフォルトの任意方向Mモードカーソル画像を生成する。
【0046】
ステップS5において、画像合成部4dは、Bモード診断画像生成部4bで生成されたBモード診断画像、ステップS3の処理でMモード診断画像生成部4cによって生成されたデフォルトのMモード診断画像、および、ステップS4の処理で任意方向Mモードカーソル画像生成部6eによって生成されたデフォルトの任意方向Mモードカーソル画像を合成し、表示部5に同時に表示させる。
【0047】
ステップS6において、任意方向Mモードカーソル操作部表示制御部6eは、任意方向Mモードカーソル制御部6bから供給された任意方向Mモードカーソル設定位置情報に基づいて、操作部7のタッチコマンドスクリーン上に任意方向Mモードカーソル選択アイコンを表示させる。
【0048】
これにより、操作部7のタッチコマンドスクリーン上には、図4に示したような、Bモード画像の走査断面毎にプリセットされた任意方向Mモードカーソルを選択するためのカーソル選択画面W1(任意方向Mモードカーソル選択アイコン)が表示される。また選択アイコン上には、任意方向Mモードカーソル設定位置情報に基づいた任意方向Mモードカーソル画像が合成される。さらにアイコンA0(デフォルト)がハイライト表示される。
【0049】
ステップS7において、操作検出部6aは、タッチコマンドスクリーンのカーソル選択画面W1上に配置されているアイコンA1乃至A6のいずれかが押下されたか否かを判定し、アイコンA1乃至A6のいずれかが押下されるまで待機する。そして、ステップS7において、操作検出部6aは、アイコンA1乃至A6のいずれかが押下されたと判定した場合、その操作内容を表す信号を任意方向Mモードカーソル制御部6bに供給し、ステップS8に進む。
【0050】
ステップS8において、任意方向Mモードカーソル制御部6bは、操作検出部6aから供給された操作内容に基づいて、任意方向Mモードカーソル設定位置情報記憶部6cから、選択された任意方向Mモードカーソル設定位置情報を読み出して、任意方向Mモードカーソル画像生成部6d、任意方向Mモードカーソル操作部表示制御部6e、およびMモード診断画像生成部4cへ供給する。
【0051】
ステップS9において、Mモード診断画像生成部4cは、任意方向Mモードカーソル制御部6bから供給された任意方向Mモードカーソル設定位置情報に基づいて、選択された任意方向のMモード診断画像を生成する。
【0052】
ステップS10において、任意方向Mモードカーソル画像生成部6eは、任意方向Mモードカーソル制御部6bから供給された任意方向Mモードカーソル設定位置情報に基づいて、Bモード診断画像上に合成するための任意方向Mモードカーソル画像を生成する。
【0053】
ステップS11において、画像合成部4dは、Bモード診断画像生成部4bで生成されたBモード診断画像、ステップS9の処理でMモード診断画像生成部4cによって生成されたMモード診断画像、および、ステップS10の処理で任意方向Mモードカーソル画像生成部6eによって生成された任意方向Mモードカーソル画像を合成し、表示部5に同時に表示させる。
【0054】
ステップS12において、任意方向Mモードカーソル操作部表示制御部6eは、操作部7のタッチコマンドスクリーン上に表示されている任意方向Mモードカーソル選択アイコンのうち、ステップS7の処理で選択されたアイコンをハイライト表示させる。
【0055】
図6は、B/M同時モードにおいて、Bモード診断画像上に任意方向Mモードカーソル画像を重畳表示させた場合のB/Mモード表示画面W2の表示例を示す図である。
【0056】
図6に示すように、B/Mモード表示画面W2の画面右側のBモード診断画像表示領域には、被検体内の診断部位QについてBモード診断画像P1が表示されており、そのBモード診断画像P1上に、任意方向Mモードカーソル画像Cが表示されている。画面左側のMモード診断画像表示領域には、Bモード診断画像の任意方向Mモードカーソル画像C上における任意方向Mモード診断画像P2が表示されている。
【0057】
このように、タッチコマンドスクリーン上に表示されたカーソル選択画面W1に配置されているアイコンA1乃至A6のいずれかを選択するといった簡単な操作で、Bモード診断画像P1上に、任意方向Mモードカーソル画像Cを設定することができる。
【0058】
ステップS13において、操作検出部6aは、タッチコマンドスクリーンのカーソル選択画面W1上に配置されているアイコンA1乃至A6のいずれかが押下されたか否かを判定する。すなわち、操作検出部6aは、操作者によって、超音波探触子1の当接位置が変更され、タッチコマンドスクリーンの選択画面W1上に配置されているアイコンA1乃至A6のいずれかが押下されたか否かを判定する。
【0059】
ステップS13において、操作検出部6aは、アイコンA1乃至A6のいずれかのアイコンが選択されたと判定した場合、ステップS8に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。これによって、新たに選択された走査断面に基づく任意方向Mモードカーソル設定位置情報が読み出され(ステップS8)、新たに選択された走査断面に対する任意方向のMモード診断画像が生成され(ステップS9)、新たに選択された走査断面に対する任意方向Mモードカーソル画像が生成され(ステップS10)、Bモード診断画像、Mモード診断画像、および、任意方向Mモードカーソル画像が合成されて表示される(ステップS11)。
【0060】
ステップS13において、アイコンA1乃至A6のいずれのアイコンも選択されていないと判定された場合、ステップS14に進み、操作検出部6aは、操作部7で検査終了や表示終了を指示する操作が行われたか否かを判定し、まだ検査終了や表示終了ではないと判定した場合、ステップS13に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0061】
そして、ステップS14において、検査終了や表示終了であると判定された場合、任意方向Mモードカーソルの選択処理は終了される。
【0062】
以上のように、操作者は、被検体に超音波探触子1を当接させながら、タッチコマンドスクリーンに表示されたアイコンを1回押下するといった簡単な操作で、Bモード診断画像上に、任意方向Mモードカーソル(中心位置、長さ、角度)を設定することができる。
【0063】
また、走査断面を変更した場合にも、タッチコマンドスクリーンに表示されたアイコンを1回押下するといった簡単な操作で、任意方向Mモードカーソルを再設定することができる。従って、操作者の負担を軽減するとともに検査効率の向上および検査時間の短縮を図ることが可能となる。
【0064】
なお、以上においては、Bモード診断画像の走査断面に対する任意方向Mモードカーソルを選択するための選択手段として、タッチコマンドスクリーン上にアイコンを表示させることで実現したが、これに限らず、例えば、操作部7に、任意方向Mモードカーソル選択手段として機能するボタンまたはスイッチなどを設けるようにしてもよい。
【0065】
この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化したり、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせたりすることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0066】
3 信号処理部
4 画像処理部
4a DSC
4b Bモード診断画像生成部
4c Mモード診断画像生成部
4d 画像合成部
6 システム制御部
6a 操作検出部
6b 任意方向Mモードカーソル制御部
6c 任意方向Mモードカーソル設定位置情報記憶部
6d 任意方向Mモードカーソル画像生成部
6e 任意方向Mモードカーソル操作部表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を超音波で走査して得られるエコー信号に基づいてBモード診断画像を生成するBモード診断画像生成手段と、
任意方向Mモードカーソルの設定位置情報に基づいて、任意方向Mモード診断画像を生成する任意方向Mモード診断画像生成手段と、
前記任意方向Mモードカーソルの設定位置情報を1回の操作で選択するための任意方向Mモードカーソル設定位置情報選択手段と、
前記任意方向Mモードカーソル設定位置情報選択手段に関連付けて、前記任意方向Mモードカーソルの設定位置情報を記憶する記憶手段と、
選択された前記任意方向Mモードカーソル設定位置情報選択手段に関連付けられている前記任意方向Mモードカーソルの設定位置情報に基づいて、任意方向Mモードカーソル画像を生成する任意方向Mモードカーソル画像生成手段と
を備えることを特徴とする超音波画像診断装置。
【請求項2】
前記Bモード診断画像生成手段により生成された前記Bモード診断画像上に、前記任意方向Mモードカーソル画像生成手段により生成された前記任意方向Mモードカーソル画像を重畳表示するとともに、前記任意方向Mモード診断画像生成手段により生成された前記任意方向Mモード診断画像を表示する診断画像表示手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波画像診断装置。
【請求項3】
前記任意方向Mモードカーソル設定位置情報選択手段は、タッチコマンドスクリーン上に表示されたアイコン、または、操作部上に設けられたスイッチやボタンである
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波画像診断装置。
【請求項4】
前記アイコン上には、診断部位を表すBモード形態画像と、そのBモード形態画像上に設定するための任意方向Mモードカーソルが視覚的に表示されている
ことを特徴とする請求項3に記載の超音波画像診断装置。
【請求項5】
前記任意方向Mモードカーソル設定位置情報は、少なくとも、前記任意方向Mモードカーソルの中心位置、長さ、および角度を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−41593(P2011−41593A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189863(P2009−189863)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】