説明

超音波組織処理ための方法およびシステム

【課題】非侵襲性の組織治療の方法とシステム(100)を提供すること。
【解決手段】典型的な方法および治療システムは、例えばSMAS領域、光老化組織、にきび、脂腺、および/または汗腺などの組織領域(106)を治療するための、画像化、監視、および焼灼のために構成される。典型的な実施例に基づき、典型的な方法およびシステムは、第一に治療部および周囲構造の特定のために関心領域を画像化し、第二に目的とする治療効果を得るための深度、分布、タイミング、エネルギーレベルで超音波エネルギーを導入し、第三に成果の計画と判定、および/またはフィードバックの提供のため、治療前、治療中、治療後に処置領域の監視を行うことにより、組織領域を治療するよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波治療および画像化システムに関するものであり、具体的には、フェイスリフト、深部組織引き締め、および/または光老化組織、にきび、脂腺、および汗腺などの処置に使用する非侵襲性の組織処置の方法とシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
きめが粗く、たるんだ皮膚と顔面筋肉組織は、重力および一般的に老化に関連する結合組織の慢性的変化により、時間と共に徐々に発生する。例えばフェイスリフト処理による、そのような組織を引き締める侵襲性外科処置は一般的である。結合組織のたるみに対するこれらの処置では通常、組織の一部を除去し、たるんだ組織構造を縫合や他の留め具によって吊り下げる。顔面において、浅筋膜組織(SMAS)は、表面から表情筋、および皮膚と皮下脂肪の下までの連続的な層を形成する。従来のフェイスリフト手術では、こういった縫合および留め具処置によりSMASの吊り下げを必要とする。
【0003】
現在、下部の皮膚および皮下脂肪へアブレーション(焼灼)の誘導が可能な特定の温度領域への、標的化、正確性、局部的加熱を兼ね備えた処置は未だ開発されていない。外科的リフト処置に代わる非侵襲性の処置としてある程度の限られた成果を収めてきた顔面の皮膚の加熱と収縮を実現するために使用される無線周波(RF)機器の使用を含む試みは行われている。しかし、RFはエネルギー付与の分散した形態である。RFエネルギーによる抵抗加熱は、組織を通る電気伝導の全経路に沿って発生するため、RFエネルギーを加熱された組織の容量および深度で正確にコントロールすることは不可能である。その他、SMASの非侵襲性引き締めに対するRFエネルギーの使用を制限するものとしては、下部の脂肪と皮膚の層の不要な破壊がある。収縮を目的とする吊り下げの結合構造の上にある脂肪内でのRFへの電気インピーダンスにより、脂肪内における温度が、標的とする吊り下げ構造においてよりも高くなる。同様に、中赤外レーザーおよびその他の光源も、真皮の結合組織を非侵襲性に加熱、収縮するために使用され、同じくその成果は限られてきた。しかし、光はSMASにおいて局所加熱を行うのに十分な深度にまで浸透しないため、光で非侵襲性SMAS処置を行うことは不可能である。深度約1mmより下部では、光エネルギーは多重に散乱し、集光して正確な局所加熱を得ることができない。
【0004】
加齢者の関心領域である皮膚と顔面筋肉領域のたるみに加え、人間の皮膚の光老化は、長期にわたる太陽光暴露による炎症、酸化損傷、また細胞および細胞外変化による複合応答である。主な原因はUV波長と考えられている。主な皮膚層である表皮および真皮の双方が影響を受ける。表皮性の光老化には、そばかす(ephilides)と呼ばれる色素病変、および日光黒子(大きなしみ)に加え、光線角化症を呼ばれる角化細胞の前癌性クローン病変が含まれる。最も外側の皮膚の細胞層である厚さ約0.1mmの表皮の一部または全ての熱破壊は、表皮性の光老化に対する効果的な処置である。例えば、表皮を蒸散させるレーザーは、レーザー皮膚再生と呼ばれる処置において非常に効果的である。しかし、レーザー皮膚再生は、感染の危険のある重大な皮膚創傷を起こし、また治癒を長引かせる。光老化の真皮変化には、日光弾性線維症(真皮上部網状層における異常形成弾力繊維の集積)、弛緩、弾力性喪失、縮緬皺と粗い皺が含まれる。真皮表皮接合部よりも深部へのレーザー皮膚再生は、促進した創傷治癒の過程を通して、真皮の光老化に対し非常に効果がある。深部の化学薬品による剥離、皮膚剥離、およびその他の表皮および/または真皮破壊の方法も効果的であるが、これもまた感染の危険があり、治癒が長引く重大な皮膚創傷も引き起こす。
【0005】
表皮および/または真皮に誘発する熱損傷パターンもまた、光老化の処置に効果的である。近年、中赤外レーザーを利用して表皮と真皮の双方を含む焼灼域の微視的配置を形成する、「微量光熱分解」は、光老化の処置に効果的であり、また忍容性が高いと報告されている(D.Mansteinら、「微量光熱分解:焼灼の微視的パターンを使用した皮膚再生の新構想」(非特許文献1)。微量光熱分解の主な利点は、それぞれの焼灼域が肉眼で簡単に見ることのできない大きさであり、また速やかな治癒反応を誘導する正常な組織域に囲まれていることである。Mansteinが述べるように、表皮は速やかに治癒するよう刺激され、また開放創を形成しない。焼灼された表皮の微視域は、数日から数週間で皮膚表面から無害に脱落し、光老化による変化が軽減し若返った表皮が残る。忍容性が高い反復処置は、目的とする成果が得られるまで行うことができる。微量光熱分解による焼灼の微視域は、真皮内にも拡張可能である。真皮は、一般的に表皮ほど速く治癒しない。しかし、処置後、数週間から数ヶ月かけて、光老化による異常のある真皮が再形成され、弛緩、皺、および肌のきめは改善される。
【0006】
微量光熱分解(FP)は、本質的に皮膚の上部約1ミリメートルの領域に制限される。このため、よく制御による焼灼の配置を形成する基本概念は、微量光熱分解では光老化の表面に制限される。皮膚の弛緩をも招く加齢、および光老化は、真皮のさらに深層にも関与する。日光弾性線維症は、真皮全体に約3mm以上にまで伸びることがある。加齢による弛緩および弾力性の喪失は、真皮の大部分における問題である。
【0007】
組織内に伝播し、吸収される放射エネルギーを利用して小さな焼灼域の配置を形成するための基本要件は、放射エネルギー源が、配置が必要な組織の深度に的確に導入されることが可能であることである。皮膚表面近くで、微量光熱分解のように光を使用することができる。しかし、皮膚内に約1mm以上伝播した光は散乱を重ね、もはや集光、あるいは導入が不可能である。
【0008】
尋常性座瘡(にきび)は、最も一般的な皮膚疾患である。にきびは一時的または生涯にわたり美観を損ねる。通常、にきびは副腎皮質徴候発現期、つまり思春期に近いの少年および少女の両者において性ホルモンが活発化する時期に始まり、顔面および/または胸部に発症する。にきびは、毛嚢の疾患であり、毛嚢の流出路内に栓が形成される。各毛嚢に付随する脂腺の油状生成物である皮脂、および細胞残屑が、その栓を形成する。炎症、またしばしば毛嚢の破裂が続いて起こり、ひどい炎症、膿(「ホワイトヘッド」)、痛み、出血を起こし、および/または、最終的に傷跡を残す。にきび病変が、毛嚢内の累積した未破裂の栓からなる場合、「ブラックヘッド」を形成する。毛包が表面的に破裂した場合、小膿疱を形成し、多くの場合傷跡を残すことなく数週間後に治癒する。毛包が真皮中層あるいは深層で破裂した場合、痛みを伴う嚢胞性膿瘍を形成する。嚢胞性にきびは通常、やや美観を損なう生涯的な傷跡を残し治癒する。
【0009】
にきびのはっきりした病態生理学は、複雑で完全には理解されていない。しかし、にきび病変を形成するにはいくつかの基本的要素が必要であり、にきび治療はこれらの基本要素の一つ以上に取り組むことを基礎としている。第一に、活発な脂腺が必要である。最も有力なにきびの処置は、脂腺の機能を阻害するレチノイン酸(アキュテイン)などの経口レチノイドである。脂腺の活性は、アンドロゲンおよびその他の性ステロイドホルモンに促進される。多くの女性は、低量のプロゲスチンを含有する経口避妊薬による処置に反応して起こることがある、周期依存的にきびを経験する。第二に、栓は漏斗と呼ばれる毛嚢の流出路に形成されなければならない。特に皮脂および毛包の残骸を分解する細菌、特にプロピオン酸菌にきび(Pアクネ)は、閉塞の原因となる。外用レチノイド、弱酸、および過酸化ベンゾイルが、毛包の閉塞を軽減する処置に使用される。Pアクネに対し効果のある抗生物質は、外用あるいは経口で投与されるが、耐抗生物質のPアクネの有病率が伸びてきている。第三に、炎症は、栓を有する毛包の壁を破壊する過程に関連し、皮膚への刺激性物質の放出、膿瘍形成、および傷跡の形成を伴う毛包の破裂を引き起こす。ある種の抗生物質を含有する抗炎症薬は、にきびの処置に有益である。
【0010】
現在にきびに対する最も有力な処置は、経口レチノイド治療である。残念ながら、これは毒性で催奇形性の処置である。アキュテインを服用する女性の計画外妊娠は、高い確率で胎児の先天異常につながる。米国では、これを回避するための積極的なプトグラムが実施されたが、問題の回避には至らなかった。レチノイドによる全身療法も、処置中の極度の乾燥、肝炎のリスク、骨変化、情緒の変化、その他を含む重大な副作用を引き起こす。嚢胞性にきびの処置に対する経口レチノイドのこの高い効果と高い毒性は、脂腺を標的とする代替処置の必要性を強く示唆している。
【0011】
身体における汗腺は、アポクリン腺とエクリン腺に分類される。アポクリン腺は、脂腺と類似していて、主に腋窩部に存在する。脂腺などのこれらの腺は、毛包に油状のタンパク性生成物を分泌する。アポクリン汗の細菌分解は、脇の下の「体臭」に大きく関与する。同様に、エクリン汗腺は、手のひら、足の裏、および脇の下の真皮深部に存在し、発汗による体温調節に関与する。また、これらの腺の過剰活性は、主として自律神経の制御による大量の異常発汗(「多汗症」)にもつながる。脇の下およびその他の部位からの発汗の減少は、現代社会においては特に好ましい効果である。現在、個人衛生の手段として化学的発汗抑制剤および体臭防止剤が頻繁に使用されている。発汗抑制剤は、汗腺管を塞ぐアルミニウム系の塩である。体臭防止剤は、皮膚環境のpHを変化させ、それにより(臭いの原因となる)細菌を最低限に抑える。しかし、これら両成分の効果は一時的であり、またこれらの多くの使用者の化学物質は皮膚を刺激することが知られている。
【0012】
さらに、現在、化膿性汗腺炎(炎症性の感染した脇の下)の結果としての過剰発汗と付随する臭気に関する課題に対処するに当たって、満たされていない重大な需要がある。アポクリン毛包における、このにきびに類似の過程も、化膿性汗腺炎の原因となり、多くの場合、腋窩部において強い痛みを伴う嚢胞と傷跡の形成が繰り返し発生する重大な症状となる。この臨床症状の原因論(理由)は、まだはっきりと解明されていない。しかし、この症状に対処する効果的な方法は多数存在する。レチノイドによる薬物療法はわずかに効果があるが、深刻な毒性を付随する。使用できる発汗抑制剤の処方製剤はあるが、特に有効ではない。これらの処方は、イオン導入装置とともに適用することができる。しかし、この技術が製剤以上に効果的であるかは知られていない。汗腺は、脇の下から手術により除去することができ、および/または、手術により交感神経の支配を遮断することができる。この方法は、病的状態、傷跡の形成、および費用の面での欠点を伴う。BOTOX(登録商標)は、脇の下に過剰発汗を発生させる神経接続を無効にするために、これまで以上に使用されている。しかし、この新しい方法は、まだ完全には検証されていない。この技術は頻回注射(痛みを伴う)および効果は数ヶ月(3〜4ヶ月)しか持続せず、そのため繰返し実行する必要がある。この技術は、症状に伴う臭気は解消しない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】「Fractional Photothermolysis:a new concept for cutaneous remodeling using microscopic patterns of thermal injury.」、Lasers Surg Med 2004、34:426−438
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
フェイスリフトおよび深部組織引き締め、および/または光老化した組織、にきび、脂腺、および/または汗腺の処置などに使用する非侵襲性の組織処置ための方法およびシステムが提供される。
【0015】
例えば、フェイスリフトおよび深部組織引き締めのために、典型的な方法と処置システムは、SMAS領域の処置のための画像化、監視、および焼灼を行うよう構成することができる。典型的な実施例によると、典型的な方法とシステムは、第一に治療部周囲構造を特定するために関心領域を画像化し、第二に目的とする治療効果を得るための深度、分布、タイミング、エネルギーレベルで超音波エネルギーを導入し、第三に成果の計画と判定、および/またはフィードバックの提供のため、治療前、治療中、治療後に治療部の監視を行うことにより、SMAS領域を処置するよう構成される。
【0016】
典型的な実施例によると、典型的な処置システムは、画像化/治療プローブ、制御システム、および表示システムを備える。画像化/治療プローブは、様々なプローブおよび/またはトランスデューサ構成を備えることができる。例えばプローブは、結合したデュアルモード画像化/治療トランスデューサ、連結あるいは共格納された画像化/治療トランスデューサ、あるいは単なる治療プローブと画像化プローブを構成することができる。また、制御システムおよび表示システムは、プローブとシステムの機能性を制御する様々な構成も備えることができる。これには例えば、特に、ソフトウェアと複数の入力/出力装置を備えるマイクロプロセッサ、電子的および/または機械的走査、および/またはトランスデューサの多重化を制御するシステム、パワー導入システム、監視システム、プローブおよび/またはトランスデューサの空間位置の感知システム、またユーザ入力を処理し、処置成果を記録するシステムが含まれる。
【0017】
典型的な実施例によると、超音波画像化は、特に、顔面神経(運動神経)、耳下腺、顔面動脈、および三叉神経(感覚機能を果たす)などの重要な構造の損傷を避けるなどの安全目的で使用することができる。例えば、超音波画像化は、顔面筋肉上層のエコーによって明確に定められる表層としてSMASを識別するために使用することができる。このような筋肉は、動かすことにより容易に観察し、またより明確に識別することができ、また信号および画像処理によって、それらの画像をさらに向上することができる。
【0018】
典型的な実施例によると、一つの要素、複数の要素、環状配置、一次元、二次元、または三次元配置、広帯域トランスデューサ、および/またはその組み合わせからの集束超音波、焦点の配置、焦点の位置、線焦点、および/または回折パターンによる、レンズ、音響要素、機械的および/または電子的集束を有する、または有しない超音波治療は、一定および/または可変深度、あるいは動的に制御可能な深度でのSMAS領域の処置に使用される。
【0019】
フェイスリフトおよび深部組織引き締めに加え、光老化組織の超音波処置を行う方法とシステムが提供される。例えば、典型的な方法と処置システムは、第一に治療部を特定するために関心領域の超音波画像化を行い、第二に目的とする治療効果を得るための深度およびパターンで超音波エネルギーを導入し、第三に成果の判定、および/またはフィードバックの提供のため、治療中、治療後に治療部の監視を行うよう構成することができる。典型的な処置の方法およびシステムは、表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層の光老化組織の構成部を処置するために、サブミリメートル以上の熱剥離域の配置を形成するよう構成することができる。
【0020】
典型的な実施例によると、処置の方法とシステムは、集束、非集束、および/または発散超音波を使用して、強度、深度、および/または集束の種類、エネルギーレベル、およびタイミング合わせを調整し、表皮、真皮上層、真皮、真皮中層、および/または真皮深層の光老化組織の構成部を処置する。例えば、集束超音波は、皮膚の奥深くまたは皮下組織内にまで微視的熱損傷の正確な配置を作成するために使用できる。超音波の反響の変化検知は、組織における目的とする効果を検知するためのフィードバック制御に使用することができ、また暴露の強度、時間および/または位置の制御にも使用できる。
【0021】
典型的な実施例によると、典型的な処置システムは、画像化/治療プローブ、制御システム、および表示システムを備える。画像化/治療プローブは、様々なプローブおよび/またはトランスデューサ構成を備えることができる。例えば、プローブは、結合したデュアルモード画像化/治療トランスデューサ、連結あるいは共格納された画像化/治療トランスデューサ、分離した治療プローブと画像化プローブ、あるいは単一の治療プローブを構成することができる。制御システムおよび表示システムは、プローブおよびシステムの機能性を制御する様々な構成も備えることができる。これには例えば、特に、ソフトウェアと複数の入力/出力およびコミュニケーション装置を備えるマイクロプロセッサ、電子的および/または機械的走査、および/またはトランスデューサの多重化を制御するシステム、パワー導入システム、監視システム、プローブの空間位置および/またはトランスデューサの時間パラメータの感知システム、またユーザ入力を処理し、処置入力および成果を記録するシステムが含まれる。
【0022】
にきびおよび脂腺の超音波処置のための方法とシステムが提供される。典型的な方法とシステムは、治療のみ、治療と監視、画像化と治療、または治療と画像化と監視を行うなど、様々な方法で脂腺の標的化処置を行うよう構成される。脂腺の標的化治療は、様々な空間および時間的エネルギー設定において、集束、非集束、または分散超音波を利用することで実行できる。
【0023】
典型的な方法とシステムは、様々な方法で、加熱および損傷領域を形成するよう構成される。例えば、処置される腺に関連するユーザ指定の処置層深度内で脂腺の機能を破壊することで加熱および損傷領域を形成するようよう構成され得る。また、典型的な方法とシステムは、組織の対象層の全体を加熱し破壊するのではなく、空間的に定められたパターンで処置層内に加熱および損傷領域を形成するようよう構成され得る。さらに、典型的な方法とシステムは、処置層内においてそのような加熱および損傷領域に特定的に照準を合わせ、脂腺の腺体と同位置で発生するよう構成することができる。
【0024】
典型的な実施例によると、典型的な処置システムは、制御システム、画像化/治療プローブ、および表示システムを備える。画像化/治療プローブは、様々なプローブおよび/またはトランスデューサ構成を備えることができる。例えば、プローブは、結合したデュアルモード画像化/治療トランスデューサ、連結または共格納された画像化/治療トランスデューサ、治療プローブ、あるいは単なる治療プローブと画像化プローブを構成するとこができる。制御システムおよび表示システムは、プローブおよびシステムの機能性を制御する様々な構成も備えることができる。これには例えば、特に、ソフトウェアと複数の入力/出力装置を備えるマイクロプロセッサ、電子的および/または機械的走査、および/またはトランスデューサの多重化を制御するシステム、パワー導入システム、監視システム、プローブおよび/またはトランスデューサの空間位置の感知システム、またユーザ入力を処理し、処置成果を記録するシステムが含まれる。
【0025】
典型的な実施例によると、超音波の画像化は、安全目的で、すなわち重要な構造の損傷を避けるために使用することができる。別の典型的な実施例によると、超音波の画像化は、関心領域における脂腺の位置および/または脂腺の深度を定めるために使用することができる。そのような腺は毛嚢に沿って見られ、それらの画像は信号および画像処理によってさらに向上することが可能である。
【0026】
典型的な実施例によると、一つの要素、複数の要素、環状配置、一次元、二次元、または三次元配置、広帯域トランスデューサ、および/またはその組み合わせからの焦点の配置または処置域の配置、焦点または処置域の配置、線焦点または線状処置域、表面的または容積的焦点あるいは表面的または容積的処置域、および/または回折パターンにより導入される、レンズ、音響要素、機械的および/または電子的集束または分散を有する、または有しない集束、非集束、あるいは分散超音波による超音波治療は、一定および/または可変深度、あるいは動的に制御可能な深度および位置での脂腺の処置に使用される。
【0027】
本発明は、汗腺疾患による症状の処置のために治療的超音波エネルギーを使用する非侵襲性の方法とシステムについて述べている。超音波システムおよび方法は、皮膚表面下で異常な数の感染が存在する特定の深度においてエネルギーを付与するように、超音波エネルギーを表面組織(例えば皮膚)の領域に導入するよう構成されるトランスデューサプローブおよび制御システムを備える。
【0028】
様々な典型的な実施例によると、超音波トランスデューサは、エネルギー集中の深度と形状が処置領域に一致するように、多数の異なる周波数体制において実行することができる。さらに、トランスデューサから放射する超音波源またはビームは、円筒状または球状の幾何学的構成の高集束、低集束、あるいは発散型とすることができ、および/または平面的に指向性ビームを組織、あるいはその他様々な構成中に放射することもできる。さらに、超音波領域は、汗腺の処置にあたって最適な組織への効果、および/または共形病変の種類を得るのに適した方法で、空間的および時間的に可変である。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
非侵襲性のフェイスリフトおよび深部組織を引き締めるように構成される超音波治療システムであって、
該超音波治療システムの制御を促進するための制御システムと、
関心領域におけるSMAS層の画像を表示するための表示システムであって、該制御システムと連結される表示システムと、
組織を破壊し、該SMAS層の収縮を誘導するために、超音波エネルギーの該SMAS層内への標的化導入を行なうよう構成されるプローブシステムと、
を備える超音波治療システム。
(項目2)
前記制御システムは、前記プローブシステムによる前記SMAS層へのエネルギーの標的化導入を制御し、また該SMAS層の監視をするために、エネルギー導入前に画像化によって該SMAS層を特定するよう構成される、項目1に記載の超音波治療システム。
(項目3)
前記制御システムは、前記SMAS層への超音波エネルギーの導入前、導入中、および導入後に、該SMAS層を監視するように構成される画像化システムを備える、項目2に記載の超音波治療システム。
(項目4)
前記画像化システムは、前記SMAS層近位の深部組織構造の損傷を解消するよう構成される、項目3に記載の超音波治療システム。
(項目5)
前記画像化システムは、三次元画像化情報を作成するよう構成される、項目3に記載の超音波治療システム。
(項目6)
前記表示システムは、前記SMAS層に対応する画像の表示を備える、項目1に記載の超音波治療システム。
(項目7)
前記プローブシステムは、前記SMAS層内へ除去超音波の標的化を導入するよう構成される画像化/治療トランスデューサを備える、項目1に記載の超音波治療システム。
(項目8)
前記画像化/治療トランスデューサは、一つの変換要素内に複合トランスデューサを備える、項目7に記載の超音波治療システム。
(項目9)
前記画像化/治療トランスデューサは、集束、分散、および平面のうち一つの超音波エネルギー分布を実現する電子相遅延のために構成される電子開口の配置を備える、項目7に記載の超音波治療システム。
(項目10)
前記治療システムは、補助画像化および処置監視装置ならびに二次的な治療システムと結合した画像化、治療、および処置監視システムを備える、項目8に記載の超音波治療システム。
(項目11)
前記補助画像化装置は、撮影装置および光学モダリティーのうち少なくとも一つを備える、項目10に記載の超音波治療システム。
(項目12)
前記プローブシステムは、組織を破壊し、前記SMAS層の収縮を誘導するために、該SMAS層に加え、皮膚、真皮、顔面筋肉、および脂肪のうち少なくとも一つへの超音波エネルギーの標的化導入を行うよう構成される、項目1に記載の超音波治療システム。
(項目13)
非侵襲性のフェイスリフトおよび深部組織引き締めを提供するための方法であって、
関心領域におけるSMAS様筋膜層を特定するステップと、
除去超音波エネルギーの該SMAS様筋膜層への導入の標的化を行うステップと、
処置を引き続き計画するため、該SMAS様筋膜層内における該標的化導入中および導入後の該標的化導入成果を監視するステップと、
を含む、方法。
(項目14)
前記特定するステップは、前記SMAS様筋膜層を描写するための関心領域の画像化を含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記SMAS様筋膜層を特定する前記ステップは、そのようなSMAS様筋膜層下の顔面筋肉を動かすことを含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記導入の標的化を行うステップは、前記SMAS様筋膜層位置の画像化に基づく空間および時間パラメータの調整を含む、項目13に記載の方法。
(項目17)
前記成果の監視を行うステップは、除去超音波の前記標的化導入中および後における、可視化された前記SMAS様筋膜層の収縮の検知を含む、項目13に記載の方法。
(項目18)
前記SMAS様筋膜層への除去超音波エネルギー導入を標的化するステップは、該SMAS様筋膜層に加え、皮膚、真皮、筋膜層、および脂肪のうち少なくとも一つへの除去超音波の導入の標的化をさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目19)
前記SMAS様筋膜層への除去超音波エネルギー導入を標的化するステップは、広頸筋、側頭筋膜、および/または後頭筋膜のうち少なくとも一つへの除去超音波の導入の標的化を含む、項目13に記載の方法。
(項目20)
前記導入を標的化するステップは、処置を促進するための皮膚および前記SMAS様筋膜層を含み両者間に位置する任意の組織領域の冷却も含む、項目13に記載の方法。
(項目21)
組織における光老化の影響を処置するよう構成される超音波治療システムであって、
該超音波治療システムの制御を促進するための制御システムと、
関心領域における表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうちの少なくとも一つの画像を表示するための表示システムであって、該制御システムと連結される表示システムと、
該表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうち該少なくとも一つを処置し、組織における光老化の影響を軽減させるために、サブミリメートル以上の熱剥離域の配置を実現する超音波エネルギーの標的化導入を行うよう構成されるプローブシステムと、
を備える、超音波治療システム。
(項目22)
前記制御システムが、前記プローブシステムにより表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうち少なくとも一つへのエネルギーの標的化導入を制御し、また該標的化導入後に該表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうち前記少なくとも一つの監視を行うために、該表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうち該少なくとも一つを、エネルギー導入前に画像化によって特定するよう構成される、項目21に記載の超音波治療システム。
(項目23)
前記制御システムは、前記表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうち前記少なくとも一つへの超音波エネルギーの導入前、導入中、および導入後に、該表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうちの前記少なくとも一つを監視するよう構成される画像化システムを備える、項目22に記載の超音波治療システム。
(項目24)
前記画像化システムは、前記標的化導入を促進するフィードバックを提供するよう構成される、項目23に記載の超音波治療システム。
(項目25)
前記表示システムは、前記表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうち前記少なくとも一つに対応する画像の表示を含む、項目21に記載の超音波治療システム。
(項目26)
前記プローブシステムは、前記表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうち前記少なくとも一つにおいて、除去超音波の標的化導入を行うよう構成される画像化/治療トランスデューサを備える、項目21に記載の超音波治療システム。
(項目27)
前記画像化/治療トランスデューサは、一つの変換要素内に複合トランスデューサを備える、項目26に記載の超音波治療システム。
(項目28)
前記画像化/治療トランスデューサは、複数の除去域を生成するよう構成される一つの変換要素と複数のマスクを含む一つの要素配置を備え、該複数の除去域のそれぞれは、集束、分散、および平面のうち少なくとも一つの超音波エネルギー分布を備える、項目26に記載の超音波治療システム。
(項目29)
前記処置システムは、補助画像化および処置監視装置ならびに二次的な治療システムのうち少なくとも一つと結合した画像化、治療、および処置監視システムを備える、項目21に記載の超音波治療システム。
(項目30)
前記補助画像化は、撮影装置および光学モダリティーのうちの少なくとも一つを備える、項目21に記載の超音波治療システム。
(項目31)
光老化組織の処置を提供する方法であって、
関心領域における表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうち少なくとも一つを特定するステップと、
トランスデューサプローブから該表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうち該少なくとも一つへの除去超音波エネルギー導入の標的化を行なうステップと、
処置を引き続き計画するため、該表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうちの該少なくとも一つにおける、該標的化導入中および導入後の該標的化導入成果を監視するステップと、
を含む方法。
(項目32)
前記特定するステップは、前記表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうちの前記少なくとも一つを識別するための関心領域の画像化を含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
除去超音波エネルギー導入を標的化する前記ステップは、前記表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうちの前記少なくとも一つにおいて、サブミリメートル以上の熱剥離域の配置形成を含む、項目31に記載の方法。
(項目34)
前記標的化を導入するステップは、前記表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織位置のうちの前記少なくとも一つの画像化に基づく空間および時間パラメータの調整を含む、項目31に記載の方法。
(項目35)
前記成果の監視を行うステップは、除去超音波の前記標的化導入中および導入後における、可視化された前記表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうちの前記少なくとも一つの処置の成果測定を含む、項目31に記載の方法。
(項目36)
サブミリメートル以上の熱剥離域の配置形成を行う前記ステップは、間隔のあいた処置地点のマトリックスを形成するために、前記光老化組織上の線上での前記トランスデューサプローブの走査を含む、項目31に記載の方法。
(項目37)
間隔のあいた処置地点のマトリックスを形成する前記ステップは、前記関心領域における処置深度の調整を含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記特定するステップは、三次元画像化情報を生成する、項目31に記載の方法。
(項目39)
前記標的化するステップは、三次元処置領域の処置を含む、項目31に記載の方法。
(項目40)
前記導入の標的化を行うステップは、処置を促進するため、前記表皮、真皮上層、真皮中層、および真皮深層組織のうちの前記少なくとも一つを含む組織領域の冷却をさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目41)
にきびおよび脂腺を処置するよう構成される超音波治療システムであって、
該超音波治療システムの制御を促進するための制御システムと、
超音波エネルギーを標的化導入し、脂腺の機能を破壊する処置領域を形成するよう構成されるプローブシステムと、
を備える、超音波治療システム。
(項目42)
前記プローブシステムは、前記脂腺の特定によって識別される特定の処置深度において、前記脂腺の機能破壊を行うよう構成される、項目41に記載の超音波治療システム。
(項目43)
前記プローブは、空間的に定められたパターンで前記処置領域を形成し、組織の治癒を促進するよう構成される、項目41に記載の超音波治療システム。
(項目44)
前記空間的に定められたパターンは、十字型、葉巻型、楕円形、キノコ型、およびくさび型病変のうちの少なくとも一つを含む、間隔のあいた病変の離散位置を含む、項目43に記載の超音波治療システム。
(項目45)
前記制御システムは、前記脂腺への超音波エネルギー導入前、導入中、導入後に前記処置領域を監視するよう構成される画像化システムを備える、項目41に記載の超音波治療システム。
(項目46)
前記画像化システムは、フィードバックを提供し、前記標的化導入を促進するよう構成される、項目45に記載の超音波治療システム。
(項目47)
前記表示システムは、前記処置領域の温度プロフィールに対応する画像の表示を備える、項目41に記載の超音波治療システム。
(項目48)
前記プローブシステムは、前記処置領域において除去超音波の標的化導入を行うよう構成される画像化/治療トランスデューサを備える、項目41に記載の超音波治療システム。
(項目49)
前記画像化/治療トランスデューサは、変換要素の電子配置において、複合トランスデューサを備える、項目48に記載の超音波治療システム。
(項目50)
前記画像化/治療トランスデューサは、複数の除去域を生成するよう構成される一つの変換要素と複数のマスクを含む一つの要素配置を備え、前記複数の除去域のそれぞれは、集束、分散、および平面のうちの少なくとも一つの超音波エネルギー分布を備える、項目48に記載の超音波治療システム。
(項目51)
前記プローブは、該プローブの空間パラメータおよび時間パラメータが調整可能な制御によって超音波エネルギーの標的化導入を行い、具体的に標的化された形状、大きさ、および方向性の共形病変を生成するよう構成される、項目41に記載の超音波治療システム。
(項目52)
前記処置システムは、補助画像化および処置監視装置ならびに二次的な治療システムと結合した画像化、治療、および処置監視システムを備える、項目41に記載の超音波治療システム。
(項目53)
前記補助画像化装置は、撮影装置および光学モダリティーのうち少なくとも一つを備える、項目52に記載の超音波治療システム。
(項目54)
にきびおよび脂腺の処置を提供する方法であって、
関心領域における少なくとも一つの標的化領域を特定するステップであって、少なくとも一つの脂腺を識別するよう構成されるステップと、
トランスデューサプローブから該少なくとも一つの脂腺への除去超音波エネルギー導入の標的化を行うステップと、
処置を引き続き計画するため、該少なくとも一つの脂腺における該標的化導入中および導入後の該標的化導入成果を監視するステップと、
を備える方法。
(項目55)
前記特定するステップは、前記少なくとも一つの脂腺を識別するための関心領域の画像化を含む、項目54に記載の方法。
(項目56)
超音波エネルギーの導入を標的化する前記ステップは、前記脂腺の特定によって識別される特定の深度における前記脂腺の機能破壊を含む、項目54に記載の方法。
(項目57)
前記導入を標的化するステップは、具体的に標的化された形状、大きさ、および方向性の共形病変を生成するための前記トランスデューサプローブの空間パラメータおよび時間パラメータの調節可能な制御を含む、項目54に記載の方法。
(項目58)
前記導入を標的化するステップは、組織の治癒を促進するための、空間的に定められたパターンでの前記処置領域形成を含む、項目54に記載の方法。
(項目59)
前記空間的に定められたパターンを形成するステップは、十字型、葉巻型、およびくさび型病変のうちの少なくとも一つを含む間隔のあいた病変の離散位置の形成を含む、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記成果の監視を行うステップは、除去超音波の前記標的化導入中および後における、可視化された前記少なくとも一つの脂腺の処置成果測定を含む、項目54に記載の方法。
(項目61)
前記監視を行うステップは、前記標的化領域の温度プロフィールの監視を含む、項目54に記載の方法。
(項目62)
前記標的化導入は、前記トランスデューサプローブの走査により作成された走査パターンにそって、病変の二次元および三次元マトリックスのうちの少なくとも一つを有する間隔のあいた処置地点のマトリックスの形成を含む、項目54に記載の方法。
(項目63)
前記空間的に定められたパターンの形成は、空間および時間パラメータの制御に基づく間隔のあいた共形病変の離散位置形成を含む、項目58に記載の方法。
(項目64)
前記特定するステップは、三次元画像化情報の生成を含み、前記標的化を行うステップは、三次元処置領域の処置を含む、項目54に記載の方法。
(項目65)
前記導入を標的化するステップは、処置を促進するための皮膚および前記少なくとも一つの脂腺を含み両者間に位置する任意の組織領域の冷却をさらに含む、項目53に記載の方法。
(項目66)
汗腺を処置するよう構成される超音波治療システムであって、
該超音波治療システムの制御を促進するための制御システムと、
超音波エネルギーを標的化導入し、該汗腺を破壊するための処置領域を形成するよう構成されるプローブシステムと、
を備える、超音波治療システム。
(項目67)
前記プローブシステムは、前記汗腺の特定により識別される特定の処置深度で前記汗腺を破壊するよう構成される、項目66に記載の超音波治療システム。
(項目68)
前記空間的に定められたパターンは、十字型、葉巻型、楕円形、キノコ型、およびくさび型病変のうちの少なくとも一つを有する間隔のあいた病変の離散位置を含む、項目66に記載の超音波治療システム。
(項目69)
前記制御システムは、前記汗腺への超音波エネルギーの導入前、導入中、および導入後に、前記処置領域を監視するよう構成される画像化システムを備える、項目66に記載の超音波治療システム。
(項目70)
前記画像化システムは、前記標的化導入を促進するために、フィードバックを提供するよう構成される、項目69に記載の超音波治療システム。
(項目71)
前記表示システムは、前記処置領域の温度プロフィールに対応する画像の表示を備える、項目66に記載の超音波治療システム。
(項目72)
前記プローブシステムは、前記汗腺内に除去超音波を標的化導入するよう構成される画像化/治療トランスデューサを備える、項目66に記載の超音波治療システム。
(項目73)
前記画像化/治療トランスデューサは、変換要素の電子配置内に結合したトランスデューサ備える、項目72に記載の超音波治療システム。
(項目74)
前記画像化/治療トランスデューサは、複数の除去域を生成するよう構成される一つの変換要素と複数のマスクを有する一つの要素配置を備え、該複数の除去域のそれぞれが集束、分散、および平面のうちの少なくとも一つの超音波エネルギー分布を備える、項目72に記載の超音波治療システム。
(項目75)
前記プローブは、具体的に標的化された形状、大きさ、および方向性の共形病変を生成するために、該プローブの空間パラメータおよび時間パラメータの調整可能な制御によって超音波エネルギーを標的化導入するよう構成される、項目66に記載の超音波治療システム。
(項目76)
前記処置システムは、補助画像化および処置監視装置ならびに二次的な治療システムと結合した画像化、治療および処置監視システムを備え、また該補助画像化装置は、撮影装置および光学モダリティーのうちの少なくとも一つを備える、項目66に記載の超音波治療システム。
(項目77)
前記制御システムは、一次元、二次元、および三次元のうちの少なくとも一つの画像化あるいは治療を促進するよう構成される画像化システムを備える、項目66に記載の超音波治療システム。
(項目78)
にきびおよび汗腺の処置を提供する方法であって、
関心領域において少なくとも一つの標的化領域を特定するステップであって、少なくとも一つの汗腺を識別するよう構成されたステップと、
トランスデューサプローブから該少なくとも一つの汗腺に除去超音波エネルギー導入の標的化を行うステップと、
処置を引き続き計画するため、該標的化導入中および導入後に、該少なくとも一つの汗腺において該標的化導入の成果を監視するステップと、
を含む方法。
(項目79)
前記特定するステップは、前記少なくとも一つの汗腺を識別するための関心領域の画像化を含む、項目78に記載の方法。
(項目80)
超音波エネルギー導入の標的化を行う前記ステップは、前記汗腺の特定によって識別される特定の処置深度における該汗腺の破壊を含む、項目78に記載の方法。
(項目81)
前記導入の標的化は、具体的に標的化された形状、大きさ、および方向性の共形病変を生成するため、前記トランスデューサプローブの空間パラメータと時間パラメータの調整可能な制御を含む、項目78に記載の方法。
(項目82)
前記成果を監視するステップは、除去超音波の前記標的化導入中および導入後における、可視化された前記少なくとも一つの汗腺処置の成果測定を備える、項目78に記載の方法。
(項目83)
前記監視するステップは、前記標的化領域の前記温度プロフィールの監視を備える、項目78に記載の方法。
(項目84)
前記標的化導入は、前記トランスデューサプローブの走査により作成された走査パターンにそって、病変の二次元および三次元マトリックスのうち少なくとも一つを有する間隔のあいた処置地点のマトリックスの形成を含む、項目78に記載の方法。
(項目85)
前記空間的に定められたパターンの形成は、空間および時間パラメータの制御に基づく間隔のあいた共形病変の離散位置の形成を含む、項目84に記載の方法。
(項目86)
前記特定するステップは三次元画像化情報の生成を含み、また前記標的化を行うステップは三次元処置領域の処置を含む、項目78に記載の方法。
(項目87)
前記導入の標的化を行うステップは、処置を促進するための、皮膚および前記少なくとも一つの汗腺を含み両者間に位置する任意の組織領域の冷却をさらに含む、項目78に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の対象は、明細書の結末部に具体的に指摘される。しかしながら、本発明は、実施の組織および方法の双方に関して、以下の記述を添付の図と併せて参照することにより最もよく理解される。図において、類似部分は類似番号によって記載される。
【図1】図1は、本発明の典型的な実施例による、処置システムブロック図を示す。
【図2A】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2B】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2C】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2D】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2E】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2F】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2G】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2H】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2I】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2J】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2K】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2L】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2M】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2N】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2O】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2P】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図2Q】図2A〜2Qは、本発明の様々な典型的な実施例による、組織処置のための超音波画像化/治療および監視システムの概略図を示す。
【図3A】図3Aおよび3Bは、本発明の典型的な実施例による、典型的な制御システムのブロック図を示す。
【図3B】図3Aおよび3Bは、本発明の典型的な実施例による、典型的な制御システムのブロック図を示す。
【図4A】図4Aおよび4Bは、本発明の典型的な実施例による、典型的なプローブシステムのブロック図を示す。
【図4B】図4Aおよび4Bは、本発明の典型的な実施例による、典型的なプローブシステムのブロック図を示す。
【図5】図5は、本発明の典型的な実施例による、典型的なトランスデューサの断面図を示す。
【図6A】図6Aおよび6Bは、本発明の典型的な実施例による、典型的なトランスデューサの断面図を示す。
【図6B】図6Aおよび6Bは、本発明の典型的な実施例による、典型的なトランスデューサの断面図を示す。
【図7】図7は、本発明の典型的な実施例による、超音波処置を行うよう構成される典型的なトランスデューサを示す。
【図8】図8Aおよび8Bは、本発明の別の典型的な実施例による、典型的なトランスデューサの断面図を示す。
【図9】図9は、本発明の典型的な実施例による、超音波処置のための二次元配置として構成される典型的なトランスデューサを示す。
【図10A】図10A〜10Fは、本発明の典型的な実施例による、典型的なトランスデューサの断面図を示す。
【図10B】図10A〜10Fは、本発明の典型的な実施例による、典型的なトランスデューサの断面図を示す。
【図10C】図10A〜10Fは、本発明の典型的な実施例による、典型的なトランスデューサの断面図を示す。
【図10D】図10A〜10Fは、本発明の典型的な実施例による、典型的なトランスデューサの断面図を示す。
【図10E】図10A〜10Fは、本発明の典型的な実施例による、典型的なトランスデューサの断面図を示す。
【図10F】図10A〜10Fは、本発明の典型的な実施例による、典型的なトランスデューサの断面図を示す。
【図11】図11は、本発明の典型的な実施例による、音響結合および冷却システムの概略図を示す。
【図12】図12は、本発明の典型的な実施例による、付加サブシステムと結合した超音波処置サブシステムと処置監視および/または処置画像化の方法を備え、さらに補助処置サブシステムを備える処置システムのブロック図を示す。
【図13】図13は、本発明の典型的な実施例による、一つ以上の能動的または受動的経口挿入によって提供される画像化、治療、あるいは監視の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、様々な機能要素および処理ステップに関してこの文書に記述される。当然のことながら、かかる構成要素およびステップは、特定の機能を実行するよう構成される任意の数のハードウェアコンポーネントによって実現することができる。例えば、本発明は、一つ以上の制御システムまたはその他の制御装置の制御による様々な機能を実施することのできる様々な医療用治療装置、視覚画像化および表示装置、入力端子などを使用することができる。さらに本発明は、あらゆる医療状況において実施することができ、ここに記述する非侵襲性のフェイスリフトおよび深部組織引き締め、光老化組織、にきびおよび脂腺、また汗腺に対する方法とシステムに関する典型的な実施例は、本発明の典型的な適用を示すに過ぎない。例えば、前述の原理、特徴、および方法は、あらゆる筋膜、腺、またはその他の組織領域、あるいはその他の応用に適用することができる。また、本発明の様々な側面は、他の応用に適切に適用してもよい。
【0031】
本発明の様々な側面により、組織処置の方法とシステムが提供される。例えば、典型的な実施例によると、図1に示すように、典型的な処置システム100は、関心領域106を処置するよう構成され、制御システム102、音響結合104を有する画像化/治療プローブ、および表示システム108を備える。制御システム102および表示システム108は、プローブ102と全システム100の機能性を制御する様々な構成を備えることができる。これは例えば、特に、ソフトウェアと複数の入力/出力装置を備えるマイクロプロセッサ、電子的および/または機械的走査、および/またはトランスデューサの多重化を制御するシステムおよび装置、パワー導入システム、監視システム、プローブおよび/またはトランスデューサの空間位置の感知システム、および/またはユーザ入力を処理し、処置成果を記録するシステムが含まれる。画像化/治療プローブ104は、様々なプローブおよび/またはトランスデューサ構成を備えることができる。例えば、プローブ104は、結合したデュアルモード画像化/治療トランスデューサ、連結または共格納された画像化/治療トランスデューサ、あるいは単なる分離した治療プローブと画像化プローブを構成することができる。
【0032】
典型的な実施例により、処置システム100は、第一に治療部および周囲構造の特定のために関心領域106を画像化し、第二に目的とする治療効果を得るための深度、分布、タイミング、およびエネルギーレベルで超音波エネルギーを導入し、第三に成果を計画および判定し、および/またはフィードバックを提供するために、治療前、治療中、治療後に治療部の監視を行うことにより、組織領域を治療するよう構成される。
【0033】
フェイスリフトの処置について、SMAS領域および結合組織は、約60℃以上での熱処置により、恒久的に引き締めることができる。除去時、コラーゲン繊維が速やかに長さ約30%収縮する。この収縮した繊維が組織の引き締めを実現するが、この収縮はコラーゲン繊維の優位方向に沿って行われなければならない。身体全体において、コラーゲン繊維は、常在ストレス(張力)のラインに沿って結合組織に存在する。加齢した顔面においては、SMAS領域のコラーゲン繊維は、主に重力による張力のラインに沿う方向に配置される。これらの繊維の収縮は、加齢による弛緩とたるみの矯正が必要とされる方向のSMASの引き締めにつながる。この処置は、SMAS領域および類似の吊り下げられた結合組織の特定の領域の除去を含む。
【0034】
さらに、SMAS領域は位置によって深度と厚みが、0.5mmから5mm以上など様々である。顔面においては、神経、耳下腺、動脈、および静脈などの重要な構造が、SMAS領域の上下あるいは近隣に存在する。顎の垂れ肉を形成する頬のたるみに係る耳介前部、額のたるみに係る前頭部、首のたるみに係る下顎部などの特定の位置において、SMASの引き締めを行うことができる。上層あるいは遠位/下層組織(近位組織)に重大な損傷を与えることなくSMASまたは吊り下げられた皮下結合組織構造の領域を局部的に60〜90℃にまで加熱する処置、またSMAS領域への治療用エネルギーの正確な導入、処置前、処置中、処理後の関心領域からのフィードバックの取得は、処置システム100によって適切に遂行される。
【0035】
典型的な方法とシステム200をさらに詳しく説明すると、図2に示すように、領域222を画像化し関心領域206の画像224を表示208に表示するなどによる、治療部および周囲構造の特定を促進するための関心領域206の画像化が、最初に実行される。続いて、SMAS領域216の処置のための焼灼または除去の目的とする治療効果を得るための適切な深度、分布、タイミング、およびエネルギーレベルでの超音波エネルギー220の導入が、制御システム202の制御でプローブ204により適切に行われる。治療前、治療中、および治療後、すなわちSMAS領域216への超音波エネルギーの導入前、導入中、および導入後の治療部と周囲構造の監視は、成果を計画および判定し、および/または制御システム202とシステムユーザにフィードバックを提供するために実行される。
【0036】
超音波画像化および画像224の提供は、SMAS層216の安全な標的化を促進する。例えば、図2Bに示すように、エネルギー導入の明確な標的化は、特に、顔面神経(運動神経)234、耳下腺(唾液を生成する)236、顔面動脈238、および三叉神経(感覚機能を果たす)232などの重要な構造の加熱を避けるために、より促進するができる。さらに、限定され、制御された処置深度を提供する標的化エネルギー導入での画像化の使用により、例えば通常10mmの厚さがある耳下腺下に存在する顔面神経などの深部組織を損傷する可能性を最低限に抑えることができる。
【0037】
典型的な実施例によると、図2Cに示すように、関心領域206の領域222の超音波画像化は、SMAS層216を顔面筋肉218の上層の表面高エコー層として描写するためにも使用できる。このような筋肉は、例えば概ね方向250および252に向けて筋肉層218を伸ばして曲げるなど、筋肉218を動かして、領域222を画像化することにより観察することができる。このような領域222の画像化は、信号および画像処理によってさらに向上することができる。SMAS層216の特定および/または識別がなされると、SMAS層216に処置を行うことができる。
【0038】
SMAS領域216を処置するための焼灼の目的とする治療効果を得るために、適切な深度、分布、タイミング、およびエネルギーレベルでの超音波エネルギーの導入220が、制御システム202が制御する操作でプローブ204によって実行される。操作中、広域を処置するために、プローブ204を組織表面領域226内で機械的におよび/または電子的に走査することもできる。さらに、処置深度220の空間的制御は、約0〜15mmの広範囲でなど様々な範囲において適切に調整し、約3mm〜9mmなどの細かい範囲に限定した調整によっていくつかの離散した深度に固定し、および/または処置中に動的に調整することで、通常約5mm〜7mmの深度に存在するSMAS層216を処置することができる。SMAS領域216への超音波エネルギーの導入前、導入中、および導入後、成果を計画および判定し、および/または制御システム202とシステムユーザにフィードバックを提供するために、治療部と周囲構造の監視を行うことができる。
【0039】
例えば、典型的な実施例によると、図2Dにさらに示されるように、領域222の超音波画像化は、実時間、準実時間、領域220へのエネルギー導入中、また導入後などに、部位260および262の方向へのSMAS層216の収縮を観察することにより処置を監視するために使用することができる。SMAS層216のほぼ即座の収縮開始は、領域222の超音波画像化により検知可能で、また信号および画像処理によってさらに向上することができる。そのような収縮の監視は、非侵襲性のリフトおよび組織引き締めの意図する治療目的を確認できるため理想的であり、さらにそのような監視は、システムフィードバックにも利用することができる。画像監視に加え、その他の様々な典型的な実施例により適切な監視が可能な追加の処置パラメータは、温度、映像、測定、ひずみ画像化、および/またはゲージ、またはその他の適切な空間、時間および/またはその他の組織パラメータを含んでよい。
【0040】
例えば、本発明の典型的な実施例によると、図2Eにさらに示されるように、典型的な監視方法およびシステム200は、関心領域206の温度プロフィール、または処置領域222の音波の減衰や速度などその他の組織パラメータを適切に監視し、超音波治療トランスデューサプローブ204の空間的および/または時間的特徴とエネルギーレベルを適切に調整することができる。そのような監視法の結果は、例えば、監視結果270の一次元、二次元、または三次元画像などの様々な方法で表示208に示すことが可能であり、また成功、失敗、および/または、完了/終了のような指示、あるいはその組み合わせなどの指示器272を備えることができる。
【0041】
別の典型的な実施例によると、図2Fに示されるように、SMAS層216内での特定の領域220の標的化は、関心領域206内で適切に拡大し、皮膚210、真皮212、脂肪組織214、SMAS/筋膜/および/またはその他の吊り下げられた組織216、および筋肉218などの組織の組み合わせを含むことができる。処置を受けるそのような組織および/または筋膜の組み合わせには、SMAS層216あるいはその他の筋膜層のうち少なくとも一つと、筋肉組織、脂肪組織、SMASおよび/またはその他の筋膜、皮膚、および真皮のうち少なくとも一つとの組み合わせが含まれ、処置は処置システム200により適切に実行される。例えば、SMAS層216の処置は、処置システム200におけるプローブ204の空間および時間パラメータを適切に調整し、真皮280の処置との組み合わせで行われる。
【0042】
光老化組織の処置については、皮膚表面付近のみでなく、真皮中層、および/または真皮深層における、焼灼の微視域のよく制御された配置を形成することが可能であることが望ましい。組織の変性を行うことが可能な60℃以上の温度での真皮の熱剥離も、熱損傷のそのような配置におけることが望ましい。熱作用による真皮の収縮は、レーザー皮膚再生中の皮膚の引き締めに起因する。
【0043】
光学的またはRFによる方法とは対照的に、超音波エネルギーは、比較的分散が少ない波動として、超音波の周波数に応じて組織内に数センチまでの深度に伝播する。任意の伝播波エネルギーで得られる焦点サイズは、波長により異なる。超音波波長は、音速を超音波周波数で割ったものに等しい。組織による超音波の減衰(主に吸収)も、周波数により異なる。
【0044】
典型的な実施例によると、表皮、真皮上層、真皮、真皮中層、および真皮深層の光老化組織の要素の処置での集束、非集束、または分散超音波の使用は、集束の強度、深度、および種類、エネルギーレベル、およびタイミング合わせの調整による。例えば、集束超音波は、微量光熱分解(FP)に勝るいくつかの利点を有する微視的熱剥離域の正確な配置を形成するために使用できる。表面集束あるいは回折パターンを有する高周波数では、超音波除去はFPとよく似ているが、より簡易な除去装置を使用する。微量光熱分解とは異なり、超音波は、皮膚内あるいは皮下組織内にまで達するはるか深部に除去域の配置を形成することができる。超音波の反響の変化検知は、組織における目的とする効果を検知するためのフィードバック制御に使用することができ、また暴露の強度、時間および/または位置の制御にも使用できる。
【0045】
光老化組織の処置での超音波の使用をさらに詳しく説明すると、図2Gに示すように、典型的な方法とシステムは、まず関心領域206の領域222を画像化し、治療部および周囲構造の特定を行う間にその領域224を表示するよう構成される。特定の後、表皮層212、真皮上層214、真皮中層216、および/または真皮深層218を処置するための熱剥離の目的とする治療効果を得るための深度、分布、タイミング、およびエネルギーレベルでの超音波エネルギーの導入220を行うことができる。治療前、治療中、および治療後、つまり超音波エネルギーの導入220前、導入中、および導入後、典型的な方法とシステム200は、治療部および周囲構造を適切に監視し、成果の計画と判定、および/または制御システム202および/またはシステムユーザへのフィードバックの提供を行うことができる。
【0046】
関心領域の画像化を促進するために、制御システム202内に画像化機能を構成することができるが、別の典型的な実施例によると、典型的な処置システム200は、画像化機能を伴わず、治療のみあるいは治療と監視を行うよう構成することもできる。そのような場合、既知の関心領域の深度(約0〜5mm以下)を採用し、光老化した皮膚における処置域を得る。
【0047】
プローブ204および/または内部のトランスデューサを方向226に機械的および/または電子的に走査し、間隔の狭い処置地点のマトリックスを作るラインなどの広い範囲に処置域260を配置することができる。処置深度220は、約0〜5mm、または真皮深層の深度までの範囲で調整することができる。処置は、一定の深度あるいはいくつかの離散した深度に限定してよく、または細かい範囲に限定する調整とすることができるが、これは例えば約0〜5mmあるいは真皮深層に最大深度から、または処置中に動的に調整する深度から、皮下脂肪領域250上に位置する処置関心領域206までなどである。
【0048】
本発明の別の典型的な実施例によると、図2Hに示すように、処置された区域260は、真皮の領域全体に拡張することができ、また表皮262にまで拡張することもできる。さらに、処置された区域の深度が増加すると、その断面は、表皮上あるいは近隣の浅部領域における小サイズ264(サブミリメートル)から、真皮中層上あるいは近隣の中間域における中サイズ266(サブミリメートルからミリメートルサイズ)、真皮深層上あるいは近隣の深部域における大サイズ268(ミリメートルサイズ)まで増加する。さらに、一つの処置された区域は、深度にともない断面が拡大する形状を有することができ、および/またはいくつかの小さい処置域の融合から成ることができる。処置域の間隔取りは、処置域のサイズに類似することが可能である。超音波ビームは、制御システムによってランスデューサの位置、その周波数、処置深度、駆動振幅、およびタイミングを変更することで、空間的および/または時間的に制御することができる。例えば、超音波ビームは、米国特許出願番号 (2005年10月6日出願)に記載の、参照することによりここに組み込まれる、「ヒト表面組織の焼灼を制御する方法とシステム」(METHOD AND SYSTEM FOR COTROLLED THERMAL INJURY OF HUMAN SUPERFICIAL TISSUE)のように制御される。
【0049】
本発明の別の典型的な実施例によると、図21に示すように、典型的な処置の方法とシステム200は、超音波治療の空間的および/または時間的特徴とエネルギーレベルを適切に調整するために、関心領域206の温度プロフィールまたは処置領域の音波の減衰や速度などその他の組織パラメータを適切に監視するよう構成してよい。そのような監視法の結果は、監視結果270の一次元、二次元、または三次元画像などによって、表示208に示すことができ、また成功、失敗、および/または、完了/終了のような指示、あるいはその組み合わせなどの指示器272を備えることができる。さらに、処置監視方法は、温度、映像、測定、ひずみ画像化、および/またはゲージ、またはその他の適切な感知方法のうち一つ以上に基づくことができる。
【0050】
別の典型的な実施例によると、図2Jに示すように、広範囲の関心領域280は、皮下脂肪組織250などの組織の組み合わせを適切に含むことができる。そのような組織の組み合わせには、表皮212、真皮上層214、真皮中層216、または真皮深層218のうち少なくとも一つと、筋肉組織、脂肪組織、または処置に有用なその他の組織のうち少なくとも一つとの組み合わせが含まれる。例えば、真皮上層の処置260は、プローブ204のトランスデューサの空間および時間パラメータを適切に調整することにより、皮下脂肪250の処置220と組み合わせて行うことができる。
【0051】
にきびおよび脂腺の処置に関しては、にきび患者において、一時的にあるいは永久的に脂腺を破壊することが望ましい。これらの腺が存在する深度は、皮膚の厚さおよび身体部位によって約1〜7mmと様々である。本発明の様々な側面により、にきびおよび脂腺の処置の方法とシステムが提供される。例えば、典型的な実施例によると、図1に示すように、関心領域(ROI)106を処置するよう構成される典型的な処置システム100は、制御システム102、音響結合104を有する画像化/治療プローブ、および表示システム108を備える。
【0052】
制御システム102および表示108は、プローブ104とシステム100の機能性を制御する様々な構成を備えることができる。これには例えば、特に、ソフトウェアと複数の入力/出力およびコミュニケーション装置を備えるマイクロプロセッサ、電子的および/または機械的走査および/またはトランスデューサの多重化を制御するシステム、パワー導入システム、監視システム、プローブの空間的位置および/またはトランスデューサの時間パラメータの感知システム、および/またはユーザ入力を処理し、処置入力および成果を記録するシステムが含まれる。画像化/治療プローブ104は、様々なプローブおよび/またはトランスデューサ構成を備えることができる。例えば、プローブ104は、結合したデュアルモード画像化/治療トランスデューサ、連結または共格納された画像化/治療トランスデューサ、分離した治療プローブと分離した画像化プローブ、あるいは単一の治療プローブを構成することができる。典型的な実施例によると、画像化トランスデューサは、約2〜75MHz以上の周波数で操作することができ、治療エネルギーは、約2〜50MHz、通常2MHz〜25MHzの周波数で導入される。
【0053】
図2Aに示すように、典型的な処置の方法とシステムは、まず関心領域206における領域222を画像化し、例えば脂腺232の識別などの治療部および周囲構造の特定を促進するために、その領域224を表示208に表示するよう構成される。特定の後、脂腺232を処置するための熱剥離の目的とする治療効果を得るための深度、分布、タイミング、およびエネルギーレベルでの超音波エネルギーの導入220が行われる。治療前、治療中、および/または治療後、つまり超音波エネルギーの導入前、導入中、および/または導入後、治療部および周囲構造の監視を行い、より詳しい成果の計画と判定、および/または制御システム202およびシステムオペレータへのフィードバックを提供することができる。
【0054】
典型的な実施例によると、特定は、関心領域にわたる脂腺の位置および/または脂腺の深度を定めるために使用できる超音波画像化により促進される。このような腺は、毛嚢に沿って見られ、それらの画像は、信号および画像処理によってされに向上することができる。超音波画像化は、安全目的、すなわち重要な構造の損傷を避けるために使用することができる。典型的な実施例によると、特定は、領域222の画像化を伴わずに完了することもできるが、代わりに既知の脂腺またはその他の対象領域の深度に基づくことができる。
【0055】
超音波エネルギー導入を行うために、プローブ204および/または画像化/治療トランスデューサを、例えば方向226に沿って機械的および/または電子的に走査し、広範囲にわたる処置域を設定することができる。処置深度220は、約1〜7mmの範囲で調整でき、および/または脂腺232の最大深度とすることができる。このようなエネルギーの導入は、反復的な「画像化と焼灼」法、つまり標的化された脂腺を画像化し、その後超音波エネルギーを付与することよって、あるいは「無差別照射」法、つまり初期のあるいは継続中の画像化を行わず、既知の深度で広範囲にわたり超音波エネルギーを付与することによって実行される。
【0056】
図2Bに示すように、処置された区域242は、ライン、平面、あるいは表面に及ぶ、または通常約1〜7mmの範囲となる脂腺深度240を渡る区域に及ぶことがある。プローブ204を例えば方向226に沿って機械的および/または電子的に走査し、処置域242を広範囲に拡大することができる。プローブ204は、長いほうの矢印線228に沿ってさらに走査あるいは移動して、処置域242をさらに拡大することができる。あらゆる処置された区域242に関し、処置された区域242が関心領域206における深度を増すと、処置された区域242の断面積のサイズが、小サイズから中サイズ、大サイズへと増加する。つまり、より深部においては、処置された病変のサイズが増加する。さらに、処置された区域242は、深度にともない断面が拡大する病変形状を有することができ、および/またはいくつかの小さい処置域の融合から成ることができる。例えば、病変「十字型」連続、病変のくさび形連続、または任意の適切に形成された共形病変が、処置された区域242に沿って作成される。
【0057】
プローブ204からの超音波ビームは、配置、間隔、処置深度、およびトランスデューサ構造などのトランスデューサの空間パラメータを変更し、また周波数、駆動振幅、およびタイミングなどのトランスデューサの時間パラメータを変更することで、制御システム202が制御する、かかる制御により、空間的および/または時間的に制御することができる。このような空間および時間パラメータは、処置システム200内の開ループおよび/または閉ループフィードバックシステムにおいて適切に監視および/または使用することができる。このような空間的および/または時間的制御の結果、様々な、特異的に標的化された形状、サイズ、方向性の共形病変を処置域242に沿って構成することができる。
【0058】
典型的な実施例によると、図2Cに示すように、一つ以上の処置された区域242は、組織の対象層の全体を加熱し破壊するのではなく、間隔のあいた処置地点の離散した位置、あるいは例えば十字型、楕円/葉巻型、くさび型、およびキノコ型、またはその他の共形病変のマトリックスなどの損傷または破壊組織の二次元または三次元マトリックスなど、空間的に定められるパターンで処置層内で加熱および損傷の領域を形成するよう構成することができる。周囲領域が損傷を受けない処置では、周囲の損傷を行けていない組織が迅速な治癒と回復を助長する。
【0059】
本発明の別の典型的な実施例によると、図2Dに示すように、典型的な監視方法は、関心領域206における温度プロフィールあるいは、音波の減衰、速度、または処置領域の剛性やひずみなどの機械的特性などその他の組織パラメータを備えることができ、またプローブ204の超音波治療トランスデューサの空間的および/または時間的特徴、およびエネルギーレベルを適切に調整することができる。そのような監視法の結果は、監視結果250の一次元、二次元、または三次元画像によって表示208に示すことが可能であり、あるいは単に成功または失敗などの指示器252、またはその組み合わせを備えることができる。さらなる処置監視法は、温度、映像、測定、および/または剛性またはひずみゲージ、またはその他の適切な感知法のうち一つ以上に基づくことができる。
【0060】
別の典型的な実施例によると、図2Eに示すように、処置システム200は、特に皮下脂肪組織216と筋肉218などの組織の組み合わせを含む広範囲の処置関心領域252に及ぶ処置を行うよう構成することができる。複数のそのような組織は、脂腺との組み合わせで、表皮212、真皮214、脂肪組織216、筋肉組織上の筋膜218、粘膜、毛球230、毛幹234、毛球230と表皮212の間の毛嚢、血管、アポクリン汗腺、真皮214、脂肪216または筋肉218内のエクリン腺、および/またはその他のあらゆる関心組織のうち少なくとも一つを含んで処置することができる。例えば、脂腺232の領域220の処置は、プローブ204のトランスデューサの処置空間および/または時間パラメータを適切に調節することにより、毛の領域260の処置との組み合わせで行うことができる。
【0061】
汗腺を処置する非侵襲性の方法とシステムについては、典型的な実施例によると、超音波トランスデューサプローブおよび制御システムは、汗腺群の処置が必要である標的化された/特定された深度および区域に超音波エネルギーを導入するよう構成される。トランスデューサプローブからの超音波ビームは、関心領域における汗腺の適正な処置に適合するよう、空間的および/または時間的に調整、変更、または制御することができる。
【0062】
典型的な実施例によると、画像化トランスデューサは、約2MHz〜75MHz以上の周波数で操作することができ、治療エネルギーは、約500kHz〜15MHz、通常2MHz〜25MHzの周波数で導入される。
【0063】
図2Aに示すように、汗腺230は、普通真皮層214内の毛球236に近い深度に位置する。例えば腋窩部(脇の下)、手のひら、および足の裏などだがこれに限らない特定の解剖学的位置における処置が必要な汗腺を処置するために、超音波トランスデューサプローブは、水、鉱物油、ゲルなど多数の結合媒体のうちの一つを使用して皮膚組織に結合することができる。
【0064】
例えば、図2Bに示すように、典型的な実施例によると、典型的な処置の方法とシステムは、まず関心領域206における領域222を画像化し、例えば汗腺230の識別などの治療部および周囲構造の特定を促進するために、その領域224を表示208に表示するよう構成される。特定の後、汗腺230を処置するための熱剥離の目的とする治療効果を得るための深度、分布、タイミング、およびエネルギーレベルでの超音波エネルギーの導入220が行われる。治療前、治療中、および/または治療後、つまり超音波エネルギーの導入前、導入中、および/または導入後、治療部および周囲構造の監視を行い、より詳しい成果の計画と判定、および/または制御システム202およびシステムオペレータへのフィードバックを提供することができる。
【0065】
典型的な実施例によると、特定は、対象領域220における定められたパターンでの付与前に、関心領域にわたる汗腺230の位置および/または汗腺230の深度を定めるために使用できる超音波画像化により促進される。このような腺は、毛嚢232と毛球236に沿って見られ、それらの画像は、信号および画像処理によってされに向上することができる。超音波画像化は、安全目的、すなわち神経終末240などの重要な構造の損傷を避けるために使用することができる。別の典型的な実施例によると、特定は、領域222の画像化を伴わずに完了することもできるが、代わりに既知の汗腺またはその他の対象領域の深度に基づくことができ、そのため、皮膚表面210下の特定の既知の深度で対象領域220にエネルギーを選択的に付与するよう、幾何学的および/または電子的に構成することができる。
【0066】
プローブ204からの超音波ビームは、配置、間隔、処置深度、およびトランスデューサ構造などのトランスデューサの空間パラメータを変更し、また周波数、駆動振幅、およびタイミングなどのトランスデューサの時間パラメータを変更することで、制御システム202が制御する、かかる制御により、空間的および/または時間的に制御することができる。例えば、いくつかの応用では、一つの地点での時間的エネルギー照射は、約40ミリ秒〜40秒で変動することができ、対応する供給源の周波数は、約500kHz〜15MHzで適切に変動することができる。このような空間および時間パラメータは、処置システム200内の開ループおよび/または閉ループフィードバックシステムにおいて適切に監視および/または使用することができる。このような空間的および/または時間的制御の結果、様々な、特異的に標的化された形状、サイズ、方向性の共形病変を対象領域220内に構成することができる。
【0067】
典型的な実施例によると、汗腺230の領域における超音波エネルギー導入による処置は、表皮下の領域(0.5〜10mm直径域)の領域を選択的に除去するために使用するこ
とができる。例えば、一つ以上の処置された区域242は、組織の対象層の全体を加熱し破壊するのではなく、間隔のあいた処置地点の離散した位置、あるいは例えば十字型、楕円/葉巻型、くさび型、およびキノコ型、またはその他の共形病変のマトリックスなどの損傷または破壊組織の二次元または三次元マトリックスなど、空間的に定められるパターンで除去損傷の領域を形成するよう構成することができる。周囲領域が損傷を受けない処置では、周囲の損傷を行けていない組織が迅速な治癒と回復を助長する。
【0068】
別の典型的な実施例によると、治療部の近接する面全体を処置し、前記範囲における汗腺を全て除去することができる。汗腺領域の選択的処置に加え、別の典型的な実施例によると、処置システム200は、生理学的に全く問題なく、例えば脇の下の汗腺のうち最大90%を除去するなど、深度約1〜7mmで脂肪層を「無差別照射」するよう構成することができる。
【0069】
本発明の別の典型的な実施例によると、典型的な監視方法は、関心領域206における温度プロフィールあるいは、音波の減衰、速度、または処置領域の剛性やひずみなどの機械的特性などその他の組織パラメータを備えることができ、またプローブ204の超音波治療トランスデューサの空間的および/または時間的特徴、およびエネルギーレベルを適切に調整することができる。そのような監視法の結果は、監視結果250の一次元、二次元、または三次元画像によって表示208に示すことが可能であり、あるいは単に成功または失敗のような指示器252、またはその組み合わせを備えることができる。さらなる処置監視法は、温度、映像、測定、および/または剛性またはひずみゲージ、またはその他の適切な感知法のうち一つ以上に基づくことができる。音場からの非熱効果は、汗を生成するアポクリンおよびエクリン細胞に「ショックを与え」、活性を低下させることもできる。例としてここに記述するこれらの効果には、音響キャビテーション、音響ストリーミング、細胞間せん断効果、細胞共鳴効果などがあるが、これに限定されるものではない。
【0070】
典型的な実施例によると、集束または指向性超音波エネルギーは、脇の下の汗腺の処置に使用することができる(薬理学的処方との併用なしで)。例えば、臨床的適応では、汗腺膿瘍の処置に使用することができる。選択的深度で付与される超音波エネルギーは、腋窩部、手のひら、および足の裏における汗腺の過剰活性の処置として現在処方されている多数の製剤処方と併用することもできる。BOTOX(登録商標)やレチノイドなどの医薬品との併用で、対象領域に導入される超音波エネルギーは、(1)熱的および非熱的機構による薬剤の有効性を高め、(2)全体としての薬物容量を減らし、薬物毒性も減じ、(3)部位選択的方法で薬物の局所効果を高めることによって汗腺領域を相乗的に処置するのに役立つ。
【0071】
典型的な制御システム202および表示システム208は、様々な方法でプローブとシステムの機能性を制御するよう構成することができる。図3Aおよび3Bに示すように、典型的な実施例によると、典型的な制御システム300は、組織処置における治療上の処置過程全体を調整し、また制御するよう構成することができる。例えば、制御システム300は、電源要素302、感知と監視要素304、冷却と結合制御306、および/または処理と制御論理要素308を適切に備えることができる。制御システム300は、様々な方法で、組織処置の治療システムを実行するための何らかのサブシステムと要素によって構成し、最適化することができ、また図3Aおよび3Bに示す実施例は例示のために過ぎない。
【0072】
例えば、電源要素302については、制御システム300は、トランスデューサ電子増幅器/ドライバ312が必要とする電力を含み制御システム300全体に電気的エネルギーを供給するよう構成される一つ以上の直流(DC)電源303を備えることができる。DC電流感知装置305を備えることで、安全および監視目的での増幅器/ドライバ312に入る電力レベル確認を行うこともできる。
【0073】
増幅器/ドライバ312は、マルチチャンネルあるいはシングルチャンネルパワー増幅器および/またはドライバを備えることができる。トランスデューサ配置構成の典型的な実施例によると、増幅器/ドライバ312は、ビーム形成器を備えて配置集束を促進することもできる。典型的なビーム形成器は、関連切替論理を有する発振器/デジタル制御波形合成器310によって電気的に興奮させることができる。
【0074】
電源要素は、様々なフィルター構成314を含むこともできる。例えば、増幅器/ドライバ312の出力において切替可能な高調波フィルターおよび/または整合を使用し、駆動効率と有効性を高めることができる。適当な操作および較正を確認するためのパワー検知要素316を含んでもよい。例えば、電力およびその他のエネルギー検知要素316は、典型的なプローブシステムに送られるパワー量の監視に使用できる。
【0075】
様々な感知および監視要素304は、制御システム300内に適切に組み込むこともできる。例えば、典型的な実施例によると、監視、感知、およびインターフェース制御要素324を構成し、トランスデューサプローブ204に組み込まれた様々な運動検知システムによって操作し、関心領域からの音響のあるいはその他の空間的および時間的情報などの情報を受け取って処理することができる。感知および監視要素は、様々な制御、インターフェース接続、および切替309および/またはパワー検知316を含むこともできる。そのような感知および監視要素304は、処置システム200内で開ループおよび/または閉ループフィードバックシステムを促進することができる。
【0076】
冷却/結合制御システム306は、典型的なプローブ204から余熱を除去するために備えられ、表面組織インターフェースおよびさらに深部の組織内での温度の制御を行い、および/またはトランスデューサプローブ204から関心領域206への音響結合を行うことができる。このような冷却/結合制御システム306は、様々な結合およびフィードバック要素により、開ループおよび/または閉ループフィードバック配列の双方において操作するよう構成することもできる。
【0077】
処理と制御論理要素308は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンピュータボード、および関連要素のうち一つ以上など、様々なシステム処理装置およびデジタル制御論理307を備えることができる。これにはファームウェアと制御ソフトウェア326が含まれ、これはユーザ制御およびインターフェース回路だけでなく、コミュニケーション、表示、インターフェース接続、保存、文書化、およびその他の有用な機能のための入力/出力回路およびシステムにインターフェースで接続する。システムソフトウェアとファームウェア326は、全ての初期化、タイミング、レベルセット、監視、安全監視、およびユーザ定義の処置目標を達成するために必要なその他全てのシステム機能を制御する。さらに、様々な制御切替308は、操作を制御するよう適切に構成することもできる。
【0078】
典型的なトランスデューサプローブ204は、様々な方法で構成し、様々な実施例において、操作を促進するために、多数の再利用可能なおよび/または使い捨ての要素および部品を備えることもできる。例えば、トランスデューサプローブ204は、あらゆる種類のトランスデューサプローブ筐体あるいは配置において、様々な形状、外形、および構成を有する、かかる筐体によって、トランスデューサの組織インターフェースとの結合を促進するよう構成することができる。トランスデューサプローブ204は、あらゆる種類の整合を備えることができる。例えば、電気的に切替可能な電気整合、マルチプレクサ回路および/または開口/要素選択回路、および/または一つ以上のシリアルEEPROM(メモリー)などのプローブ操作、電気整合、トランスデューサ使用履歴および較正を認証するプローブ識別装置などである。トランスデューサプローブ204は、ケーブルおよびコネクター;運動機構、運動センサーおよびエンコーダ;熱モニタリングセンサー;および/または制御および状態関連スイッチ、そしてLEDなどの指示器を備えてもよい。例えば、プローブ204における運動機構は、制御可能に複数の病変を作成するために使用することができ、またはプローブの運動自体を制御可能に複数の病変を作成するためおよび/またはプローブ204が突然動かされたり落下したりした際の安全の理由などで病変の作成を中止するために使用することができる。さらに、使用中にプローブを保持するために、外部動作エンコーダアームを使用してもよい。それにより、プローブ104の空間的位置および態勢が制御システムに送信され、制御可能に病変を作成する援助をする。さらに、表面形状測定装置あるいはその他の画像化モダリティーなどのその他の感知機能性を様々な典型的な実施例により、プローブに組み込んでもよい。なお、ここで意図される治療は、例えば米国特許出願番号10/944,499(2004年9月16日出願)、「多方向性トランスデューサによる超音波治療の方法とシステム」(METHOD AND SYSTEM FOR ULTRASOUND TREATMENT WITH A
MULTI−DIRECTIONAL TRANSDUCER)、および米国特許出願番号10/944,500(2004年9月16日出願)、「深度可変超音波治療のシステムと方法」(SYSTEM AND METHOD FOR VARIABLE DEPTH ULTRASOUND TREATMENT,)に開示されるトランスデューサによって実現することもできる。これらは、参照することによりここに組み込まれる。
【0079】
図4Aおよび4Bに示すように、典型的な実施例によると、トランスデューサプローブ400は、制御インターフェース402、トランスデューサ404、結合要素406、および監視/感知要素408、および/または運動機構410を備えることができる。ただし、トランスデューサプローブ400は、焼灼を制御する超音波エネルギーを供給するために、なんらかの部品および要素によって、様々な方法で構成および最適化することができる。なお、図4Aおよび4Bにおける実施例は、例示のために過ぎない。
【0080】
制御インターフェース402は、トランスデューサプローブ400の制御を促進するために、制御システム300とインターフェース接続するよう構成される。制御インターフェース要素402は、マルチプレクサ/開口選択424、切替可能電気整合ネットワーク426、シリアルEEPROM、および/またはその他の処理要素、および整合とプローブ使用情報430、およびインターフェースコネクタ432を備えることができる。
【0081】
結合要素406は、トランスデューサプローブ400の関心領域への結合を促進するために、様々な装置を備えることができる。例えば、結合要素406は、超音波エネルギーと信号を音響結合するよう構成される冷却と音響結合システム420を備えることができる。マニホールドなどの可能な接続を有する音響冷却/結合システム420を使用し、関心領域内に音波を結合し、インターフェースとより深部の組織内で温度を制御し、液体入りレンズ集束を提供し、および/またはトランスデューサの余熱を除去することができる。結合システム420は、空気およびその他のガス、水およびその他の液体、ゲル、固体、および/またはその任意の組み合わせ、またはトランスデューサ活性要素412と関心領域との間に信号を伝達できるその他の媒体を含む様々な結合媒体を使用することにより、そのような結合を促進することができる。結合機能を備えるだけでなく、典型的な実施例によると、結合システム420は処置適用中の温度制御を行うよう構成することもできる。例えば、結合システム420は、結合媒体の温度を適切に制御することにより、インターフェース表面あるいはトランスデューサプローブ400と関心領域間の領域およびそれ以上に対し、制御による冷却を行うよう構成することができる。そのような結合媒体の適切な温度は、様々な方法により得ることができ、熱電対、サーミスタ、または結合媒体の温度測定を行うよう構成されるその他のあらゆる装置あるいはシステムなどの様々なフィードバックシステムを使用することができる。そのような制御による冷却は、トランスデューサプローブ400の空間的および/または熱エネルギー制御をさらに促進するよう構成することができる。
【0082】
典型的な実施例によると、図11にさらに示すように、音響結合と冷却1140を備え、音響的にエネルギーとトランスデューサプローブ1104から関心領域1106へのまたは関心領域1106からの画像化信号を結合し、関心領域インターフェース1110とより深部の組織へのプローブにおいて熱制御を行い、また領域1144においてトランスデューサプローブから潜在的余熱を除去することができる。熱センサー1146により結合インターフェースにおいて温度監視を行い、温度測定の機構1148を提供し、制御システム1102および熱制御システム1142によって制御することができる。熱制御は、ヒートシンクあるいは自然の伝導と対流などの受動的冷却、またはペルチェ熱電クーラ、冷媒、あるいはポンプ、液だめ、バブル検出、流量センサー、流路/流管1144および熱制御1142を備える液体ベースのシステムによるなどの能動冷却から構成することができる。
【0083】
引き続き図4に示すように、監視と感知要素408は、様々な運動および/または位置センサー416、温度監視センサー418、ユーザ制御/フィードバック切替414、および例えば空間的および時間的特徴を監視する開ループおよび閉ループフィードバック配列その他類似の制御システム300によって空間的および/または時間的制御を促進するなどの、その他類似の制御を促進するための要素を備えることができる。
【0084】
運動機構410は、手動操作、機械的配列、あるいはその組み合わせを備えることができる。例えば、運動機構422は、加速度計、エンコーダ、またはその他の位置/方向性装置416を使用してトランスデューサプローブ400の動作と位置を決定し有効にするなど、制御システム300によって適切に制御することができる。線形、回転、または可変運動は、例えば、処置用途および組織外形表面に応じて、促進することができる。
【0085】
トランスデューサ404は、SMAS層を標的化された領域を処置するよう構成される一つ以上のトランスデューサを備えることができる。トランスデューサ404は、一つ以上の変換要素および/またはレンズ412も備えることができる。変換要素は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電活性素材、または圧電セラミック、結晶、プラスチック、および/または複合素材、またニオブ酸リチウム、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、および/またはメタニオブ酸鉛などその他任意の圧電活性素材を備えることができる。圧電活性素材に加え、またはその代わりに、トランスデューサ404は、放射および/または音響エネルギーを生成するよう構成される任意の素材を備えることができる。トランスデューサ404は、圧電活性素材に結合された変換要素とともに構成される一つ以上の整合層を備えることもできる。音響整合層および/または減衰は、目的の電気音響応答を得るために必要に応じて使用することができる。
【0086】
典型的な実施例によると、トランスデューサ404の変換要素の厚みは均一に構成することができる。つまり、変換要素412は、全体を通しほぼ同様の厚みを有するよう構成することができる。別の典型的な実施例によると、変換要素412の厚みは、可変に構成することもできる。例えば、トランスデューサ404の変換要素412は、例えば画像化用途などで、約2kHz〜75MHzの中心動作周波数を供給するよう選択された第一の厚みを有するよう構成することができる。変換要素412は、約2〜400MHzであり通常は4MHz〜15MHzの治療用途の中心動作周波数を供給するよう選択された第二の厚みを有するよう構成することもできる。トランスデューサ404を単一の二つ以上の周波数によって励起する広帯域トランスデューサとして構成し、目的の応答が得られる適正な出力を供給することができる。トランスデューサ404は、各トランスデューサが一つ以上の変換要素を備える、二つ以上の個々のトランスデューサとして構成することもできる。変換要素の厚みは、目的の処置範囲における中心動作周波数を供給するよう構成することができる。
【0087】
トランスデューサ404は、1次元、2次元、および環状配列;線状、曲線状、扇状、または球状の配列;球状、円筒状および/または電子的に集束、分散した、および/またはレンズによる供給源を含む配列トランスデューサの任意の組み合わせで一つ以上の個々のトランスデューサから構成することができる。例えば、図5に示す典型的な実施例によると、トランスデューサ500は、位相合わせを促進するために音響配列として構成することができる。すなわち、トランスデューサ500は、可変の電子的時間遅延を介する様々な相によって実行される電子開口配列として構成することができる。「実行される」という表現によって、トランスデューサ500の電子開口は、操作、駆動、使用、および/または構成され、電子的時間遅延によって発生する相変異に対応したエネルギービームを形成および/または導入する。例えばこれらの相変異を利用して、関心領域510におけるそれぞれ異なる生理学的効果を得るための組み合わせで利用できる分散ビーム、平面ビーム、および/または集束ビームを導入することができる。トランスデューサ500は、さらに一つ以上の電子的時間遅延を有する位相開口配列を生成、形成、および/または駆動するための任意のソフトウェアおよび/またはその他のハードウェアを備えてもよい。
【0088】
トランスデューサ500は、様々な周波数を利用して、一つ以上の関心領域に対する集中的な処置を行うよう構成することもできる。集中的な処置を行うために、トランスデューサ500が、処置を促進する一つ以上の可変深度装置を有するよう構成することができる。例えば、トランスデューサ500は、2004年9月16日出願の米国特許出願10/944,500「可変深度超音波のためのシステムと方法」(「System and Method for Variable Depth Ultrasound」)に開示される可変深度装置を備えて構成することができる。この出願は、少なくとも一人の発明者と一人の譲受人を本発明と共有し、参照することにより、本文書に組み込まれる。さらに、トランスデューサ500は、2004年9月16日出願の米国特許出願10/944,499「多方向性トランスデューサによる超音波治療の方法とシステム」(「Method and System for Ultrasound Treatment
with a Multi−directional Transducer」)に開示されるように、低調波あるいはパルス反射の画像化を可能にすることによって、一つ以上の追加のROI510を治療するよう構成することができる。この出願は、少なくとも一人の発明者と一人の譲受人を本発明と共有し、参照することにより、本文書に組み込まれる。
【0089】
さらに、液体入りレンズなど、あらゆる種類の機械的レンズあるいは可変焦点レンズを使用して音場の焦点を合わせるおよび/または分散してもよい。例えば、図6Aおよび6Bに示す典型的な実施例によると、トランスデューサ600は、ROI610の処置で柔軟性の向上を促進するために、電子集束配置604を一つ以上の変換要素606と併せて備えるよう構成してもよい。配置604は、トランスデューサ502に類似の方法で構成してもよい。つまり、配置604は、例えばT、T−Tなど可変の電子的時間遅延を介して様々な相によって実行される電子開口の配置として構成することができる。「実行される」という表現によって、電子開口の配置604は、電子的時間遅延によって発生する相変異に対応した方法で、操作、駆動、使用、および/またはエネルギーを形成および/または導入するよう構成されてよい。例えばこれらの相変異を利用してROI610におけるそれぞれ異なる生理学的効果を得るための組み合わせで利用できる分散ビーム、平面ビーム、および/または集束ビームを導入することができる。
【0090】
変換要素606は、凹面、凸面、および/または平面に構成することができる。例えば、図6Aに示す典型的な実施例において、変換要素606Aは、ROI610の処置で集束エネルギーを供給するために凹面となるよう構成されている。さらなる実施例は、米国特許出願10/944,500「可変深度トランスデューサのシステムと方法」(「Variable Depth Transducer System and Method」)に開示されており、参照することによりここに組み込まれる。
【0091】
図6Bに示す別の典型的な実施例において、変換要素606Bは、ROI610にほぼ均一なエネルギーを供給するために、ほぼ平面になるよう構成することができる。図6Aおよび6Bはそれぞれ凹面および平面の変換要素604を備える典型的な実施例を示すが、変換要素604は凹面、凸面、および/またはほぼ平面となるよう構成することができる。さらに、変換要素604は、凹面、凸面、および/またはほぼ平面構造の任意の組み合わせとなるよう構成することができる。例えば、第一の変換要素を凹面となるよう構成し、第二の変換要素をほぼ平面となるように構成することが可能である。
【0092】
図8Aおよび8Bに示すように、トランスデューサ404は、単一要素配置として構成することができ、例えば様々な構造と素材の交換要素などの単一要素802は、複数のマスク804を備えるよう構成することができる。そのようなマスクは、要素802からのエネルギー分布をマスキング、あるいは変更するセラミック、金属、あるいはその他のあらゆる素材と構造を有し、エネルギー分布の配置808を作成する。マスク804は、要素802と直接結合、あるいは任意の適切な固体または液体素材の隔離碍子806によって分離することができる。
【0093】
典型的なトランスデューサ404は、平面、集束および/または分散音響エネルギーを提供する環状配置として構成することもできる。例えば、図1OAおよび1OBに示すように、典型的な実施例によると、環状配置1000は、複数のリング1012、1014、1016からNまでを備えることができる。リング1012、1014、1016からNは、機械的あるいは電気的に一連の個々の要素内に隔離し、平面、集束、または分散波動を生成することができる。例えば、そのような波動は、対応する伝達および/または受信遅延、τ、τ、τ3・・・τを調整する方法などにより軸上を中心とすることができる。電子焦点は、様々な深度位置に沿って適切に移動でき、また可変の強度または耐ビーム性を可能にするが、一方電子焦点分散は、各種量の分散を含むことができる。典型的な実施例によると、レンズおよび/または凸または凹形状の環状配置1000を備え、あらゆる時間遅延差を減少するために、集束または分散を補佐することもできる。プローブおよび/または従来のあらゆるロボットアーム機構の使用による一次元、二次元、または三次元における、あるいは任意の経路に沿っての環状配置800の運動を実行し、関心領域内の部分あるいは任意の対応する空間を走査および/または処置してもよい。
【0094】
トランスデューサ404は、画像化/治療機能のその他の環状あるいは非配置構成で構成することもできる。例えば、図10C〜10Fに示すように、トランスデューサは、治療要素1014によって構成される画像化要素1012を備えることができる。要素1012および1014は、例えば結合画像化/トランスデューサ要素などの単一変換要素、あるいは分離要素を備えることができ、同じ変換要素内または分離した画像化と治療の要素間で電気的に隔離する(1022)ことができ、および/または隔離碍子1024またはその他の整合層、あるいはその組み合わせを備えることができる。例えば、図10Fに特に示すように、トランスデューサは、集束、分散、または平面のエネルギー分布を行うよう構成された段のある形状のレンズを含む治療要素1014により、集束、分散、または平面のエネルギー分布を行うよう構成される表面1028を有する画像化要素1012を備えることができる。
【0095】
本発明の様々な典型的な実施例によると、トランスデューサ404は、一次元、二次元、および/または三次元の処置で集束音響エネルギーを一つ以上の関心領域へ適用するよう構成してよい。例えば、上述のように、トランスデューサ404は、サブ変換要素の単一配列を有するトランスデューサ602など、一次元配置を形成するよう適切に角切りにすることができる。
【0096】
別の典型的な実施例によると、トランスデューサ404は、二次元配置を形成するよう二次元で適切に角切りにしてもよい。例えば、図9に示すように、典型的な二次元配置900は、複数の二次元部902になるよう適切に角切りにすることができる。二次元部902は、特定の深度で処置領域に焦点を合わせ、それにより処置領域のそれぞれのスライス904を備えることができるよう適切に構成することができる。その結果、二次元配置900は、処置領域の画像位置の二次元的スライスを行い、それにより二次元処置を行うことができる。
【0097】
別の典型的な実施例によると、トランスデューサ404は、三次元処置を行うよう適切に構成してもよい。例えば、再び図1に示すように、関心領域の三次元処置を行うために、三次元システムは、例えば、制御システム102などの制御システムに含まれ、使用している一つの三次元グラフィックソフトウェアなどの適合アルゴリズムによって構成されるプローブ104内にトランスデューサを備えることができる。適合アルゴリズムは、二次元画像化、温度および/または処置、あるいはその他の関心領域に係る組織パラメータ情報を受信し、受信した情報を処理し、また対応する三次元画像化、温度および/または処置情報を提供するよう適切に構成される。
【0098】
典型的な実施例によると、図9に示すように、典型的な三次元システムは、適合アルゴリズムにより構成される二次元配置900を有し、処置領域の異なる画像面から適切にスライスを受信し904、受信した情報を処理し、また例えば三次元画像化、温度および/または処置情報などの容量情報906を提供することができる。さらに、適合アルゴリズムによる受信した情報の処理後、二次元配置900は、必要に応じ容積領域906に対し治療的加熱を適切に行ってよい。典型的な実施例によると、三次元ソフトウェアなどの適合アルゴリズムを使用して三次元画像化および/または温度情報を提供するのではなく、典型的な三次元システムは、プローブ配置内に備えられた単一のトランスデューサ404を備え、対象領域に関連する様々な回転および/または翻訳位置から実行することができる。
【0099】
トランスデューサ404の様々な構造をさらに詳しく説明すると、図7に示すように、超音波治療トランスデューサ700は、単一焦点、焦点の配置、焦点の位置、線焦点、および/または回折パターンを構成することができる。トランスデューサ700は、単一要素、複数要素、環状配置、一次元、二次元、または三次元配置、広帯域トランスデューサ、および/またはその組み合わせを、レンズ、音響要素、および機械的および/または電子的集束を伴って、あるいは伴わずに備えることもできる。球状集束の単一要素702、環状配置704、減衰領域を有する環状配置706、線集束の単一要素708、一次元線状配置710、凹または凸型の一次元曲線状配置として、トランスデューサのエレベーションフォーカス、二次元配置、および三次元空間的配置を伴い、または伴わずに構成されるトランスデューサは、治療および/または画像化、および音響監視機能を実行するために使用してもよい。あらゆるトランスデューサ構成について、集束および/または分散は、機械的集束720、凸レンズ722、凹レンズ724、複合あるいは多重レンズ726、平面型728、または図10Fに示すような段のある形状を介し、一面あるいは二面において行うことができる。全てのトランスデューサあるいはトランスデューサの組み合わせを処置に使用してよい。例えば、環状トランスデューサは、画像化トランスデューサおよび治療トランスデューサが図10C〜10Fに示すような異なる音響レンズとデザインを有する治療専用の外側部および広帯域画像化専用の内部ディスクと併用してよい。
【0100】
さらに、そのような変換要素700は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電活性素材、または圧電セラミック、結晶、プラスチック、および/または複合素材、またニオブ酸リチウム、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、および/またはメタニオブ酸鉛などその他の任意の圧電活性素材を備えてもよい。変換要素700は、圧電活性素材とともに構成される一つ以上の整合層も備えてよい。圧電活性素材に加え、あるいはそれに代わり、変換要素700は、放射および/または音響エネルギーを生成するよう構成されるその他のあらゆる素材を備えることができる。エネルギーを関心領域のトランスデューサから、またトランスデューサへ転送する手段が提供される。
【0101】
別の典型的な実施例によると、図12に示すように、典型的な処置システム200を様々な補助システムとともに構成および/または結合し、追加機能を備えることができる。例えば、関心領域1206を処置する典型的な処置システム1200は、制御システム1202、プローブ1204、および表示1208を備えることができる。さらに補助画像化モダリティー1274および/または補助監視モダリティー1272も備える処置システム1200は、撮影およびその他の視覚的光学的方法、磁気共鳴画像化法(MRI)、コンピュータ断層撮影法(CT)、光コヒーレンス断層映像法(OCT)、電磁、マイクロ波、または無線周波(RF)法、陽電子放出断層撮影法(PET)、赤外線、超音波、音響、または関心領域1206内の画像化/監視強化を含む、SMAS層の可視化、特定、または監視のその他任意の適切な方法のうち少なくとも一つに基づいてよい。プローブ1204と制御システム1202を介した超音波画像化のそのような画像化/監視強化は、特にMモード、残像、フィルタリング、カラー、ドップラー、および高調波画像化を備えることができ、さらに処置の一次供給源としての超音波処置システム1270は、無線周波数(RF)、超短パルス光(IPL)、レーザー、赤外線レーザー、マイクロ波、またはその他任意の適切なエネルギー源を含む処置の二次供給源1276と結合してもよい。
【0102】
別の典型的な実施例によると、図13に示すように、関心領域に対する画像化、監視、および/または治療から成る処置は、口腔内の受動または能動素子1304によって補佐、増補、および/または供給されてもよい。例えば、受動または能動素子1304が、頬の内側に音響的に連結された第二のトランスデューサまたは音響反射器である場合、音の音響速度および減衰を測定するなどの処置監視に有用な、温度依存性の伝達、断層、または往復音波により獲得することが可能である。さらにそのようなトランスデューサは、処置および/または画像化に使用することができる。さらに、能動、受動、あるいは能動/受動物体1304は、皮膚を平らにするために使用してもよく、および/または位置の決定を補佐するために画像化グリッド、マーカー、またはビーコンとして使用してもよい。受動または能動素子1304は、冷却または温度制御を補佐するためにも使用してよい。口腔内の天然の空気を受動素子1304とし、厚さ測定および監視機能を補佐する音響反射器として使用してもよい。
【0103】
本発明は、様々な典型的な実施例に関連して記述されてきた。ただし、この発明の要旨を逸脱しない範囲でこれらの典型的な実施例に変更および修正を行うことが可能であることは当技術に精通したものなら言うまでもない。例えば、様々な操作上のステップ、また操作上のステップを実行するための要素は、特定の用途により、あるいはシステムの操作に関する任意の数の費用関数考慮して、代替の方法で実施してよい。例えば様々なステップは、削除、修正、または他のステップと結合してもよい。これらまたはその他の変更あるいは修正は、本発明の範囲内に含まれるよう意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汗腺を処置するよう構成される超音波治療システムであって、
体外表面に結合可能であり、超音波エネルギーを標的化導入し、該汗腺を破壊するための処置領域を形成するよう構成されるトランスデューサを備える、プローブシステムであって、該プローブシステムは、該汗腺を破壊するための超音波エネルギーの該標的化導入を選択的かつ可変的に生じるために、空間パラメータおよび時間パラメータを該トランスデューサに通信するように構成された通信インターフェースを備える、プローブシステムと、
ソフトウェアを備えるマイクロプロセッサと複数の通信装置とを備える制御システムであって、該通信装置の少なくとも一つは該通信インターフェースに結合されて該通信インターフェースと通信しており、該制御システムは、該トランスデューサの該空間パラメータを検知し、調整可能に制御するためのサブシステムと、該トランスデューサの該時間的パラメータを検知し、調整可能に制御するための第二のサブシステムとを備える、制御システムと、
を備える、超音波治療システム。
【請求項2】
前記標的化導入は、十字型、葉巻型、楕円形、キノコ型、球形およびくさび型の病変のうちの少なくとも一つを有する間隔のあいた病変の離散位置を含む空間的に定められたパターンを含む、請求項に記載の超音波治療システム。
【請求項3】
前記空間パラメータおよび前記時間パラメータの調整可能な制御は、前記汗腺の領域において具体的に標的化された形状、大きさ、および方向性の共形病変を生成する、請求項に記載の超音波治療システム。
【請求項4】
関心領域に対する制御された熱損傷を用いる汗腺の非侵襲性処置を行うように構成される超音波処置システムであって、
超音波エネルギーを放射するように動作可能なトランスデューサを備えるプローブであって、該トランスデューサは、該汗腺の一部分の画像化および熱破壊のうち少なくとも一方を制御可能である、プローブと、
該プローブに連結され、該プローブの画像化機能を制御するように動作可能な第一のサブシステムと、該プローブの熱破壊機能を制御するように動作可能な第二のサブシステムとを備える、制御装置と、
該制御装置および該トランスデューサに連結された表示装置であって、該表示装置は、神経、組織の一部分、毛包、毛立筋、血管および表面下の該汗腺の深部のうちの一つの画像のうちの少なくとも一つを表示するように動作可能な第一の表示装置と、該汗腺の熱破壊された部分の画像を表示するように動作可能な第二の表示装置とを備える、表示装置と、
汗腺の一部分の該熱破壊の状態を通信する指示器と、
を備える、システム。
【請求項5】
汗腺の非侵襲性処置を行うように動作可能な治療処置システムであって、
表面下の汗腺の少なくとも一部分に超音波エネルギーの標的化導入を行うように構成されるプローブシステムと、
該プローブに連結される制御システムであって、該制御システムは、該汗腺の該部分への超音波エネルギーの少なくとも該標的化導入を制御するように動作可能な伝送サブシステムを備え、該制御システムは、該表面下の処置領域内の温度を制御するように動作可能な熱サブシステムを備える、制御システムと、
該制御システムに連結され、該汗腺および周囲の関心領域を表示するように動作可能な表示システムと、
温度センサーを備え、該制御システムに連結される監視システムであって、該監視システムは、該汗腺の該少なくとも一部分への超音波エネルギーの該標的化送達の間に、処置領域の該温度を監視するように動作可能であり、そして、該温度を制御するための該熱サブシステムに該温度を報告する、監視システムと、
を備える、システム。
【請求項6】
にきびおよび脂腺の処置のためのシステムであって、
約1mm〜約7mmの深度において除去超音波エネルギーを導入するように構成されたトランスデューサプローブと、
該除去超音波エネルギーを導入される関心領域において少なくとも一つの標的化領域を特定するための手段であって、少なくとも一つの脂腺を識別するよう構成される、手段と、
処置を引き続き計画するため、該標的化導入中および導入後に、該少なくとも一つの脂腺において該標的化導入の成果を監視するための手段と、
を備える、システム。
【請求項7】
前記少なくとも一つの標的化領域を特定するための手段は、前記少なくとも一つの汗腺を識別するための関心領域を画像化するための手段を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記切除超音波エネルギーは、前記脂腺を特定するための手段によって識別される特定の処置深度における該脂腺の機能を破壊し、前記トランスデューサプローブは、さらに、具体的に標的化された形状、大きさ、および方向性の共形病変を形成するため、空間パラメータと時間パラメータの調整可能な制御を可能にするように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
にきびおよび脂腺の処置のためのシステムであって、
約1mm〜約7mmの深度において除去超音波エネルギーを導入するように構成されたトランスデューサプローブであって、さらに、十字型、葉巻型およびくさび型の病変のうち少なくとも一つを有する間隔のあいた病変の離散位置を形成する、空間的に定められるパターンで該除去超音波エネルギーを生じるように構成される、トランスデューサプローブと、
該除去超音波エネルギーを導入される少なくとも一つの脂腺を識別するために少なくとも一つの標的化領域を特定するための手段と、
処置を引き続き計画するため、該標的化導入中および導入後に、該少なくとも一つの脂腺において該標的化導入の成果を監視するための手段と、
を備える、システム。
【請求項10】
前記少なくとも一つの標的化領域における前記空間的に定められたパターンの形成は、組織の治癒を促進する、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
毛嚢脂腺の機能を低下させることにより、にきびを処置するためのシステムであって、
超音波エネルギーを導入するように構成されたトランスデューサプローブと、
皮膚表面下の処置領域を画像化するための手段であって、該処置領域が、該毛嚢脂腺の少なくとも一部分を含む、手段と、
該処置領域において該毛嚢脂腺の少なくとも一部分を特定するための手段と、
該毛嚢脂腺の該少なくとも一部分を凝固するための手段と、
該毛嚢脂腺を、機能の低下について監視するための手段と、
を備える、システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図2J】
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【図2K】
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【図2L】
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【図2M】
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【図2N】
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【図2O】
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【図2P】
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【図2Q】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−212490(P2011−212490A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−169651(P2011−169651)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【分割の表示】特願2007−535880(P2007−535880)の分割
【原出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(507084604)ガイデッド セラピー システムズ, エル.エル.シー. (15)
【Fターム(参考)】