超音波診断撮像システムのための設定可能なマイクロビームフォーマ回路
マイクロビームフォーマ集積回路は、64又は128要素アレイトランスデューサとともに使用される64個のマイクロビームフォーマチャネルを有する。各マイクロビームフォーマチャネルは、トランスミッタと、トランスミッタを1以上のトランスデューサ要素に選択的に結合する複数の接続点と、トランスミッタの出力部に結合される送信/受信スイッチと、可変遅延を有する受信チャネルとを有する。接続点は、トランスデューサ要素に結合されるただ1つの接続点、同じトランスデューサ要素に結合される2つの接続点、又は複数のトランスデューサ要素に結合される複数の接続点を有して構成されてよい。また、トランスミッタは、各接続点に結合される別個のパルサーを有してもよい。受信チャネルは、部分的にビーム形成された信号をシステムビームフォーマのチャネルに供給するよう2つのチャネルドライバの一方に選択的に結合される16個から成るグループにまとめられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療診断用超音波システム、特に、種々のトランスデューサアレイとともに使用可能である設定可能なマイクロビームフォーマ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波撮像における用語「マイクロビームフォーマ」は、超音波プローブ内に含まれ、超音波プローブにおいてアレイトランスデューサのためのビーム形成の少なくとも一部を実行する遅延及び加算回路をいう。プローブは手に持たれ、ソノグラファによる使用にとって使いやすく且つ快適であるように小さく且つ軽い必要があるので、マイクロビームフォーマは、一般に、集積回路の形で実施される。例えば、米国特許第7439656号明細書(特許文献1)を参照されたい。米国特許第5997479号明細書(特許文献2)によって例示されるような2次元トランスデューサアレイによる3D撮像のために元々は設計されているが、マイクロビームフォーマは、2D撮像に使用される1次元トランスデューサアレイとともに使用されてもよい。米国特許第6705995号明細書(特許文献3)を参照されたい。マイクロビームフォーマは、米国特許第6102863号明細書(特許文献4)によって例示されるようにプローブにおけるビーム形成の全てを行うよう使用されてよく、あるいは、米国特許第5229933号明細書(特許文献5)によって例示されるようにシステムメインフレームで行われるビーム形成の平衡性を有してビーム形成の最初の部分のみを行うよう使用されてよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7439656号明細書
【特許文献2】米国特許第5997479号明細書
【特許文献3】米国特許第6705995号明細書
【特許文献4】米国特許第6102863号明細書
【特許文献5】米国特許第5229933号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビーム形成を実行する集積回路チップは、もはや完全カスタム設計であり、標準化されつつある。例えば、8個のチャネルビームフォーマチップは、現在、標準的な部品として提供されている。このようなICの欠点は、それらが、1チップ内で8個のチャネルに対してしか遅延及び加算を行えないことである。これは、多くのICが、典型的な64要素、128要素、又はそれ以上の1次元トランスデューサアレイからの信号をビーム形成するためには必要であり、ビームフォーマチップの出力が、完全ビーム形成信号を形成するために依然として結合されなければならないことを意味する。なお、従前の回路がわずか8個の部分的にビーム形成された総和(sum)の部分的なビーム形成を行う場合に、8チャネルビームフォーマチップが最終のビーム形成を行うために使用されてよい。しかし、これは、全ての要素からの全ての信号を8個の部分的にビーム形成された総和へと処理し、且つ、様々な数のトランスデューサ要素のアレイに適応する効率的且つ経済的な方法でそれを行わなければならないという課題を示す。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の原理によれば、超音波プローブのためのビームフォーマ回路が提供され、該ビームフォーマ回路は、64要素及び128要素トランスデューサアレイのような様々なサイズのアレイについて送信及び受信ビーム形成を行うよう構成可能である。後述される1つの例では、プローブビームフォーマの送信器及び受信器は、異なるトランスデューサ要素に交互に接続されてよい。これは、開口トランスレーション及びアポディゼーション制御により64要素アレイの全開口及び128要素アレイの半開口を有して送信及び受信を行うことを可能にする。他の例では、ビームフォーマ回路は、64要素アレイからの全開口受信及び128要素アレイからの変形可能な半開口受信を有して、64要素又は128要素アレイの全開口により送信することができる。第3の例では、マイクロビームフォーマ受信チャネルは、8チャネルビームフォーマICのような、チャネル総数が少ない最終のビームフォーマによる動作のために、異なるチャネルドライバに制御可能に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】8チャネル最終ビームフォーマに部分的にビーム形成された総和を供給する64チャネルアレイトランスデューサのためのビームフォーマをブロック図で表す。
【図2】2つのトランスデューサ要素の間で切替可能である第1のトランスミッタ及び前置増幅器結合を部分的にブロック図で表す。
【図3】64要素トランスデューサアレイにより送信及び受信を行うための、図2のトランスミッタ及び前置増幅器結合の複数個の使用を表す。
【図4】128要素トランスデューサアレイにより送信及び受信を行うための、図2のトランスミッタ及び前置増幅器結合の複数個の使用を表す。
【図5】図2のトランスミッタ及び前置増幅器結合の複数個による送信開口トランスレーション及び合成開口受信を表す。
【図6】2つのトランスデューサ要素の間で切替可能である第2のトランスミッタ及び前置増幅器結合を部分的にブロック図で表す。
【図7】64要素トランスデューサアレイにより送信及び受信を行うための、図6のトランスミッタ及び前置増幅器結合の複数個の使用を表す。
【図8】128要素トランスデューサアレイにより送信及び受信を行うための、図6のトランスミッタ及び前置増幅器結合の複数個の使用を表す。
【図9】2つのチャネルドライバに選択的に結合される複数のマイクロビームフォーマ受信チャネルをブロック図で表す。
【図10】64要素トランスデューサアレイを8チャネルビームフォーマに結合するための図9のマイクロビームフォーマ受信チャネル及びチャネルドライバの使用を表す。
【図11】128要素トランスデューサアレイを8チャネルビームフォーマに結合するための図9のマイクロビームフォーマ受信チャネル及びチャネルドライバの使用を表す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
最初に図1を参照して、64要素トランスデューサアレイのためのマイクロビームフォーマ配置がブロック図の形で示されている。64要素トランスデューサアレイ12は、トランスデューサアレイ12の要素1〜8、29〜36及び57〜64の夫々を表すブロックによって表現されている。送信のために、各要素はパルサー16によって駆動される。パルサー16は、各要素を、その要素に関して適切にタイミングを合わせられた所望のパルス又は波形により駆動する。各パルサーのタイミングは、パルサー制御部18によって制御される。本例では、16個のパルサーが存在し、各パルサーは64個のトランスデューサ要素の夫々を駆動する。この配置は、超音波送信のために64要素開口の全体の完全使用を可能にする。アレイ12のトランスデューサ要素によって受信されるエコー信号は、8個のマイクロビームフォーマ14に結合される。各マイクロビームフォーマは、8個のトランスデューサ要素から受信される信号を処理するよう8個のチャネルを有する。各マイクロビームフォーマチャネルは、そのトランスデューサ要素から受信されたエコー信号を増幅して、適切に遅延させ、次いで、8個のチャネルからの8個の増幅され遅延された信号は、8個のトランスデューサ要素からの一部ビーム形成信号を形成するよう結合される。マイクロビームフォーマ14からの8個の一部ビーム形成信号は、システムビームフォーマ10の8個のチャネルの入力部に結合される。システムビームフォーマ10の各チャネルは共通(バルク)遅延を一部ビーム形成信号に適用し、次いで、8個のチャネル信号は結合されて、完全ビーム形成出力信号を形成する。マイクロビームフォーマ及びシステムビームフォーマは、様々な方法で分割されてよい。特許文献2及び5と同じように、システムビームフォーマが超音波システムのメインフレーム内にあり、マイクロビームフォーマがプローブ内にある場合、プローブケーブル8は、システムメインフレームにおいてマイクロビームフォーマ信号をシステムビームフォーマに結合する。特許文献4に示されるように、全てのビーム形成がプローブにおいて行われる場合は、システムビームフォーマがプローブ内にあるので、ケーブル8はプローブにおいて印刷回路基板トレース又は他の導体であってよい。携帯型又は手持ち式の超音波システムに関し、一般的に、後者の実施が好まれる。
【0008】
図1の配置は、トランスデューサアレイ12の各要素ごとに別々のトランスミッタ及びマイクロビームフォーマチャネルを設ける。従って、全ての要素は送信及び受信の間並行して同時に動作することができるので、性能における妥協は存在しない。しかしながら、本発明の目的の1つは、このような条件の下で許容可能なトレードオフを有して様々なトランスデューサアレイとともに使用可能なマイクロビームフォーマ構成を提供することである。
【0009】
図2を参照して、本発明の原理に従って構成されるマイクロビームフォーマチャネルのトランスミッタ及び前置増幅器部分が略ブロック図の形で示されている。この例では、トランスミッタは、参照により本願に援用される国際公開第2010/055427号パンフレットでより完全に記載されているようなデュアルレベル・パルサーである。デュアルレベル・パルサー28は、トランジスタ112及び118を有し、バイポーラ高電圧供給レベルHV1+又はHV1−の1つで出力パルスを生成する1つの出力段110を有する。第2の出力段120は、トランジスタ122及び128を有し、バイポーラ高(ハイ)電圧供給レベルHV2+又はHV2−の1つで出力パルスを生成する。パルサー制御部100は、出力段の1つを選択し、生成されるパルス極性を制御する。アクティブ・プル・ツー・グランド(active pill-to-ground)段106は、トランジスタ102及び104を有し、高電圧パルスが生成されていない場合に出力を接地レベル又は他の基準電位に引っ張る。2つの出力レベルは、異なるレベルの送信波形が生成されること、及びサイドローブ制御のための送信アポディゼーション(apodization)を可能にする。パルサーの2つの出力段は、両方とも、スイッチ22及び24に結合される。スイッチ22及び24は、IC実施においては、半導体スイッチとして実装される。スイッチ22及び24は、本例ではボンドパッド30a及び30bとして示される、1又はそれ以上のトランスデューサ要素のための接続点に結合されている。本発明の集積回路実施では、ボンドパッドは、ICの回路がアレイトランスデューサの要素等の外部回路又はデバイスに接合され又は電気的に接続され得るところの集積回路パッケージの外部における電気接点である。トランスデューサがCMUT又はPMUTアレイ等の半導体の形で製造される場合、トランスデューサアレイ及びマイクロビームフォーマは、共通のIC上に製造されてよい。その場合に、接続点はICの内部である。2つのスイッチの分岐は、送信/受信(T/R)スイッチ26によって、マイクロビームフォーマ受信チャネルの前置増幅器20の入力部に結合されている。パルスの送信の間、T/Rスイッチ26は開いており、高電圧送信信号から前置増幅器を保護する。そして、送信後、エコーが受信されているとき、T/Rスイッチ26は閉じられ、受信信号ビーム形成のために、エコー信号をマイクロビームフォーマチャネルに結合する。前置増幅器20によって増幅されたエコー信号は、遅延され、次いで、ビーム形成のために、他のトランスデューサ要素からの他の遅延されたエコー信号と積算される。
【0010】
図3は、図2及び各マイクロビームフォーマチャネルの他の関連する構成要素の64個の組合せによって動作する64要素トランスデューサアレイ12の第1の例を表す。この実施では、スイッチ22及び24は両方とも同じトランスデューサ要素に結合され、あるいは、代替的に、ただ1つのスイッチのみがトランスデューサ要素に結合され、他のスイッチは使用されない。本実施ではスイッチ22及び24を開閉する必要がない。すなわち、それらは常に閉じられている。従って、64要素アレイは、要素1〜64に結合されているチャネル区間によって例示されるように、64個のマイクロビームフォーマチャネルによって動作する。これらの64個のマイクロビームフォーマチャネルは単一のIC上に実装されてよい。送信の間、64個のトランスデューサ要素の全部又は一部は、マイクロビームフォーマチャネルの64個のパルサー28によって駆動される。エコー受信の間、64個のT/Rスイッチは閉じられており、アレイ全体によって受信されるエコー信号は64個の前置増幅器20によって増幅されて、遅延及びその後の積算のために残りのマイクロビームフォーマチャネルに転送される。それによって、64要素アレイは、位相配列として、又は、アクティブ開口がラインごとにアレイに沿って進められる段階的な直線配列として、動作することができる。
【0011】
図4は、図2及び図3の64個のマイクロビームフォーマチャネルが128要素アレイトランスデューサ32とともに使用される例を表す。この実施形態では、スイッチ22及び24は異なるトランスデューサ要素に結合されている。128要素開口全体が同じ送信−受信サイクルの間に使用され得ない点で、トレードオフが生じる。しかし、スイッチ22及び24は、開口がトランスデューサアレイに沿って段階的であることを可能にし、それにより、全体の開口が段階的に利用され得る。例えば、スイッチ22の全てが閉じられる場合、要素1〜64が送信のために使用される。これは、ビームB1の送信によって、図5に表されている。次いで、開口は、要素#1に接続されているスイッチ22を開き、同じマイクロビームフォーマチャネルにあるスイッチ24を閉じて、そのマイクロビームフォーマチャネルのパルサーを送信のために要素#65に結合することによって、アレイに沿って1つの要素ごとに段階的にされる。このスイッチ変化によって、この場合に、送信開口は、図5に示されるように、ビームB2を生成するよう要素2〜65を有する。送信ビームは、最後の64要素送信開口が図5に示されるように要素65〜128を用いる送信ビームB65に達するまで、このように段階的にされてよい。更なるビームは、より小さい送信開口をビームB2及びビームB65の左右に対して用いることで、ビームB1の左及び/又はビームB65の右に送信されてよい。
【0012】
この例で、受信開口は、各前置増幅器20がスイッチ22及び24の分岐に結合されているので、送信開口とともに段階的である。全128要素開口が受信のために望まれる場合は、T/Rスイッチはスイッチ22、24の一方の出力(スイッチ及びトランスデューサ要素の分岐)に結合され、第2のT/Rスイッチ、前置増幅器20及び関連する受信遅延は、他方のスイッチの出力に結合される。これは、全128要素受信開口を、64要素送信開口による各送信の間利用可能にする。
【0013】
なお、付加的な受信コンポーネントは、合成開口実施のために必要でない。合成開口イメージングでは、同じ送信ビームが二度送信される。第1の送信に続いて、受信は受信開口の半分において行われ、第2の送信に続いて、受信は残り半分の受信開口において行われる。夫々の半分の開口から二度の送信−受信サイクルにおいて受信される信号は、次いで、全開口受信ビームを生成するようビーム形成される。要素1〜64によるビームB1の第1送信の間、エコー信号は要素1〜64から受信され、セーブされ、又は部分的にビーム形成されて、受信ビームR1aとしてセーブされる。ビームB1が二度目に送信されるが、受信のために、送信に用いられたスイッチ22は開かれ、スイッチ24が閉じられ、それにより、エコー信号は要素65〜128から受信され、先と同じくセーブされ、又は部分的にビーム形成されて、受信ビームR1bとしてセーブされ、あるいは、第1ビーム送信による記憶されたエコー信号とともにビーム形成される。部分ビームR1a及びR1bは、全開口受信信号を形成するよう結合される。このようにして、全128要素受信開口は、図3で用いられたような同じマイクロビームフォーマチャネル・アーキテクチャを用いる合成開口ビーム形成の使用によって、64要素送信開口とともに使用されてよい。
【0014】
図6は、本発明の前置増幅器及びマイクロビームフォーマチャネルトランスミッタの第2の例の部分的な略ブロック図である。この実施形態で、高電圧出力段110及び120は分離されており、第2のプル・ツー・グランド段106’が付加されており、それにより、夫々の別個の出力段はそれ自体のプル・ツー・グランド回路を有する。各出力段は、同じバイポーラ高電圧供給HV1+及びHV1−によって給電されているが、異なる供給が、望まれるならば、使用されてよい。段110の出力はトランスデューサ要素#mに接続されてよく、もう一方の段120の出力は異なるトランスデューサ要素#nに接続されてよい。各トランスデューサ要素接続は、受信信号処理のためにT/Rスイッチ26及び26’によって前置増幅器20に結合される。この実施は、図2のデュアルレベル・パルサーと略同じだけIC面積を使用するパルサーを有して全128要素送信開口を駆動する能力を提供する。更に、スイッチ22及び24によって用いられるIC面積及び信号経路抵抗は取り除かれる。
【0015】
図6における回路の代替の使用は、2つのパルサー110及び120が異なる電源を用いる場合に得られる、図2に関して記載されたものと同じデュアルレベル・パルサーをもたらす。この場合に、2つのボンドパッド30a及び30bは単一のアレイ要素に接続される。デュアルレベル・パルサーは、サイドローブ制御のための送信開口アポディゼーションを提供するために使用される。このようにして、同じ回路が、特定の用途の必要条件に依存して、開口トランスレーション又はアポディゼーションを提供するために使用されてよい。
【0016】
図7は、64要素トランスデューサアレイ12を有する図6のマイクロビームフォーマチャネル構成の使用を表す。この実施では、64個のマイクロビームフォーマチャネルが存在し、各マイクロビームフォーマチャネルは2つのパルサー110及び120を有する。これらのパルサーのうちの半分しか64要素アレイを駆動するためには必要とされず、図7は、アレイ12の要素を駆動するよう結合された全てのパルサー110を表す。パルサー120は、この実施では使用されない。送信に続いて、接続されるトランスデューサ要素と夫々の前置増幅器20の入力部との間のT/Rスイッチは全チャネルにおいて閉じられ、64個のトランスデューサ要素の受信エコー信号は、増幅及びその後の受信ビーム形成のために64個の前置増幅器に結合される。
【0017】
図8では、同じ64チャネルマイクロビームフォーマが128要素トランスデューサアレイ32とともに使用される。パルサー110はアレイ32の要素1〜64を駆動するよう結合され、パルサー120はアレイ32の要素65〜128を駆動するよう結合されている。これは、送信のための全128要素開口の使用を可能にする。受信時に、各チャネルにおけるT/Rスイッチの1つは、受信エコー信号をそのチャネルのトランスデューサ要素の1つからそのチャネルの前置増幅器20に向けるよう閉じられる。この動作は、最大64個の要素が同時に受信のために結合される図4のそれと同じであり、合成開口受信ビーム形成は、全128要素開口の残り半分において引き続き受信することによって可能である。
【0018】
図9は、マイクロビームフォーマが全開口ビーム形成のために64要素又は128要素アレイとともに使用されるマイクロビームフォーマ受信チャネルの構成要素の配置を表す。この例では、各マイクロビームフォーマ受信チャネルは、遅延40に結合されている前置増幅器20を有する。この例では、遅延は、上記特許文献2及び3で記載されるアナログ・ランダムアクセスメモリ(ARAM)遅延によって提供される。遅延40によって生成される遅延されたエコー信号は、次いで、スイッチ42又は44によって、2つのチャネルドライバの一方50a又は50bの入力部に導かれる。チャネルドライバは、1又はそれ以上のマイクロビームフォーマチャネル受信信号を、システムビームフォーマのチャネル等の後続のプロセッサに結合する働きをする。所与の実施において、チャネルドライバは複雑であり、積算及び増幅等の機能を提供してよく、あるいは、それは、信号を後続のチャネルに結合する導体のように単純であってよく、また、加算ノードとしても機能してよい。複数のエコー信号が同時のチャネルドライバの入力部に結合される場合、それらは、その接合点において有効に足し合わされる。チャネルドライバの入力部で結合されたエコー信号は、エコー信号が部分的にビーム形成された信号である場合にはビーム形成の完了等の後続の処理に対してチャネルドライバによって結合されてよい。図9の配置は、2つのチャネルドライバ50a及び50bに選択的に結合される16個のマイクロビームフォーマチャネルを有するよう表されている。16個全てのスイッチ42が閉じられる場合は、16個全ての受信チャネルはチャネルドライバ50aに結合され、16個全てのスイッチ44が閉じられる場合は、16個全ての受信チャネルはチャネルドライバ50bに結合される。スイッチ閉成の他の組合せは、2つのチャネルドライバの間で然るべくチャネルを割り当てる。
【0019】
図10は、8チャネルシステムビームフォーマ10とともに図9の配置を4つ有するマイクロビームフォーマの使用の例を表す。4受信チャネル配置は夫々2つのチャネルドライバを有し、従って、図10では50a〜50hによって識別される全部で8個のチャネルドライバが設けられている。各グループでは、8個のスイッチ42が閉じられて、8個のマイクロビームフォーマチャネルの遅延されたエコー信号を2つのチャネルドライバのうちの一方に結合し、8個のスイッチ44が閉じられて、残り8個のマイクロビームフォーマチャネルから他のチャネルドライバの入力部にエコー信号を結合する。例えば、図10のいちばん上のチャネルグループにおいて、上側8個の受信チャネルはチャネルドライバ50aの入力部に結合され、下側8個の受信チャネルはチャネルドライバ50bの入力部に結合される。このように設定される16個のチャネルから成る各グループのスイッチにより、64要素アレイの8個の要素からの8個のマイクロビームフォーマチャネルは、64個の要素からのエコー信号を8個のチャネルドライバに等しく分配するように、各チャネルドライバ50a〜50hの入力部に結合されることが分かる。各チャネルドライバの出力部は、8チャネルシステムビームフォーマ10の異なるチャネルに結合される。システムビームフォーマ10は、チャネルドライバの一部ビーム形成信号を、システムビームフォーマ10の出力部において、完全ビーム形成信号へと結合する。
【0020】
図11の例では、図9の受信マイクロビームフォーマチャネル配置は128要素トランスデューサ配置とともに使用される。この例のために、図10の右側に示される4つのマイクロビームフォーマチャネルグループは1つのIC上に集積されているとする。そのICは、図11の右側に示されているマイクロビームフォーマチャネルグループを提供するために使用される。既に述べたように、このようなマイクロビームフォーマチャネルグループは、本例では128要素アレイトランスデューサの要素1〜64を有する64個のトランスデューサ要素からエコー信号を受信して処理する。128要素アレイによる使用において、図面に示されているように、各グループにおけるスイッチ42の全ては閉じられ、スイッチ44の全ては開いたままである。このようなスイッチ設定は、16個の前置増幅器20に結合されている16個の要素から単一のチャネルドライバに16個全てのエコー信号を適用する。図11における16個のマイクロビームフォーマチャネルの上側のグループにおいて、128要素アレイの要素1〜16のエコー信号は全て、チャネルドライバ50aの入力部に適用される。チャネルドライバ50bは、この実施では働かない。図示されるようにスイッチ42の全てが閉じられることで、チャネルドライバ50a、50c、50e及び50gの夫々は、16個のマイクロビームフォーマチャネルの部分的にビーム形成された総和をシステムビームフォーマ10のチャネル1〜4の1つへ提供することが分かる。
【0021】
ここまで記載された図11は、どのように128要素アレイの64個の要素(本例では、要素1〜64)のエコー信号が、図11の右側に示されている受信チャネルグループを含むICによって扱われるのかを示す。残り64個の要素を扱うよう、これと同じ第2のICが同じように残り64個の要素からエコー信号を受信するよう構成される。図11が示すように、システムビームフォーマのチャネル5〜8に対する信号は、この第2のICによって提供される。第2のICは、図11において詳細に示される64個のマイクロビームフォーマチャネルと同じように、トランスデューサ要素65〜128からのエコー信号を処理するよう結合される。
【0022】
上述されるマイクロビームフォーマトランスミッタ及び受信チャネル配置の種々の組合せが様々なサイズのトランスデューサアレイ(特に、64要素アレイ又は128要素アレイ)とともに使用されるよう、結合されて、ICに集積されることは明らかである。従って、いずれのサイズのアレイに係る必要性にも対応するただ1つのICを製造するのに費用を拠出する必要がある。また、当業者は容易に変形例に想到可能であることも明らかである。例えば、図2、6及び9に示される並列な単極単投スイッチの組は夫々、同じ目的を果たす単極双投スイッチとして作られてよい。異なる又はより高度の集積化は、別の目標サイズのトランスデューサアレイ及びシステムビームフォーマのための望まれることがある。
【0023】
本発明のマイクロビームフォーマIC実装が、様々なチャネルの数及び組合せを達成するよう拡大又は縮小されてよいことは明らかである。64/128チャネル組合せについて記載してきたが、チャネル数がより多い実施はチャネル数がより少ないICにおけるチャネル数の整数倍である限り、48/192チャネル又は32/128チャネル等の他の組合せが実施されてもよいことは明らかである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療診断用超音波システム、特に、種々のトランスデューサアレイとともに使用可能である設定可能なマイクロビームフォーマ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波撮像における用語「マイクロビームフォーマ」は、超音波プローブ内に含まれ、超音波プローブにおいてアレイトランスデューサのためのビーム形成の少なくとも一部を実行する遅延及び加算回路をいう。プローブは手に持たれ、ソノグラファによる使用にとって使いやすく且つ快適であるように小さく且つ軽い必要があるので、マイクロビームフォーマは、一般に、集積回路の形で実施される。例えば、米国特許第7439656号明細書(特許文献1)を参照されたい。米国特許第5997479号明細書(特許文献2)によって例示されるような2次元トランスデューサアレイによる3D撮像のために元々は設計されているが、マイクロビームフォーマは、2D撮像に使用される1次元トランスデューサアレイとともに使用されてもよい。米国特許第6705995号明細書(特許文献3)を参照されたい。マイクロビームフォーマは、米国特許第6102863号明細書(特許文献4)によって例示されるようにプローブにおけるビーム形成の全てを行うよう使用されてよく、あるいは、米国特許第5229933号明細書(特許文献5)によって例示されるようにシステムメインフレームで行われるビーム形成の平衡性を有してビーム形成の最初の部分のみを行うよう使用されてよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7439656号明細書
【特許文献2】米国特許第5997479号明細書
【特許文献3】米国特許第6705995号明細書
【特許文献4】米国特許第6102863号明細書
【特許文献5】米国特許第5229933号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビーム形成を実行する集積回路チップは、もはや完全カスタム設計であり、標準化されつつある。例えば、8個のチャネルビームフォーマチップは、現在、標準的な部品として提供されている。このようなICの欠点は、それらが、1チップ内で8個のチャネルに対してしか遅延及び加算を行えないことである。これは、多くのICが、典型的な64要素、128要素、又はそれ以上の1次元トランスデューサアレイからの信号をビーム形成するためには必要であり、ビームフォーマチップの出力が、完全ビーム形成信号を形成するために依然として結合されなければならないことを意味する。なお、従前の回路がわずか8個の部分的にビーム形成された総和(sum)の部分的なビーム形成を行う場合に、8チャネルビームフォーマチップが最終のビーム形成を行うために使用されてよい。しかし、これは、全ての要素からの全ての信号を8個の部分的にビーム形成された総和へと処理し、且つ、様々な数のトランスデューサ要素のアレイに適応する効率的且つ経済的な方法でそれを行わなければならないという課題を示す。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の原理によれば、超音波プローブのためのビームフォーマ回路が提供され、該ビームフォーマ回路は、64要素及び128要素トランスデューサアレイのような様々なサイズのアレイについて送信及び受信ビーム形成を行うよう構成可能である。後述される1つの例では、プローブビームフォーマの送信器及び受信器は、異なるトランスデューサ要素に交互に接続されてよい。これは、開口トランスレーション及びアポディゼーション制御により64要素アレイの全開口及び128要素アレイの半開口を有して送信及び受信を行うことを可能にする。他の例では、ビームフォーマ回路は、64要素アレイからの全開口受信及び128要素アレイからの変形可能な半開口受信を有して、64要素又は128要素アレイの全開口により送信することができる。第3の例では、マイクロビームフォーマ受信チャネルは、8チャネルビームフォーマICのような、チャネル総数が少ない最終のビームフォーマによる動作のために、異なるチャネルドライバに制御可能に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】8チャネル最終ビームフォーマに部分的にビーム形成された総和を供給する64チャネルアレイトランスデューサのためのビームフォーマをブロック図で表す。
【図2】2つのトランスデューサ要素の間で切替可能である第1のトランスミッタ及び前置増幅器結合を部分的にブロック図で表す。
【図3】64要素トランスデューサアレイにより送信及び受信を行うための、図2のトランスミッタ及び前置増幅器結合の複数個の使用を表す。
【図4】128要素トランスデューサアレイにより送信及び受信を行うための、図2のトランスミッタ及び前置増幅器結合の複数個の使用を表す。
【図5】図2のトランスミッタ及び前置増幅器結合の複数個による送信開口トランスレーション及び合成開口受信を表す。
【図6】2つのトランスデューサ要素の間で切替可能である第2のトランスミッタ及び前置増幅器結合を部分的にブロック図で表す。
【図7】64要素トランスデューサアレイにより送信及び受信を行うための、図6のトランスミッタ及び前置増幅器結合の複数個の使用を表す。
【図8】128要素トランスデューサアレイにより送信及び受信を行うための、図6のトランスミッタ及び前置増幅器結合の複数個の使用を表す。
【図9】2つのチャネルドライバに選択的に結合される複数のマイクロビームフォーマ受信チャネルをブロック図で表す。
【図10】64要素トランスデューサアレイを8チャネルビームフォーマに結合するための図9のマイクロビームフォーマ受信チャネル及びチャネルドライバの使用を表す。
【図11】128要素トランスデューサアレイを8チャネルビームフォーマに結合するための図9のマイクロビームフォーマ受信チャネル及びチャネルドライバの使用を表す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
最初に図1を参照して、64要素トランスデューサアレイのためのマイクロビームフォーマ配置がブロック図の形で示されている。64要素トランスデューサアレイ12は、トランスデューサアレイ12の要素1〜8、29〜36及び57〜64の夫々を表すブロックによって表現されている。送信のために、各要素はパルサー16によって駆動される。パルサー16は、各要素を、その要素に関して適切にタイミングを合わせられた所望のパルス又は波形により駆動する。各パルサーのタイミングは、パルサー制御部18によって制御される。本例では、16個のパルサーが存在し、各パルサーは64個のトランスデューサ要素の夫々を駆動する。この配置は、超音波送信のために64要素開口の全体の完全使用を可能にする。アレイ12のトランスデューサ要素によって受信されるエコー信号は、8個のマイクロビームフォーマ14に結合される。各マイクロビームフォーマは、8個のトランスデューサ要素から受信される信号を処理するよう8個のチャネルを有する。各マイクロビームフォーマチャネルは、そのトランスデューサ要素から受信されたエコー信号を増幅して、適切に遅延させ、次いで、8個のチャネルからの8個の増幅され遅延された信号は、8個のトランスデューサ要素からの一部ビーム形成信号を形成するよう結合される。マイクロビームフォーマ14からの8個の一部ビーム形成信号は、システムビームフォーマ10の8個のチャネルの入力部に結合される。システムビームフォーマ10の各チャネルは共通(バルク)遅延を一部ビーム形成信号に適用し、次いで、8個のチャネル信号は結合されて、完全ビーム形成出力信号を形成する。マイクロビームフォーマ及びシステムビームフォーマは、様々な方法で分割されてよい。特許文献2及び5と同じように、システムビームフォーマが超音波システムのメインフレーム内にあり、マイクロビームフォーマがプローブ内にある場合、プローブケーブル8は、システムメインフレームにおいてマイクロビームフォーマ信号をシステムビームフォーマに結合する。特許文献4に示されるように、全てのビーム形成がプローブにおいて行われる場合は、システムビームフォーマがプローブ内にあるので、ケーブル8はプローブにおいて印刷回路基板トレース又は他の導体であってよい。携帯型又は手持ち式の超音波システムに関し、一般的に、後者の実施が好まれる。
【0008】
図1の配置は、トランスデューサアレイ12の各要素ごとに別々のトランスミッタ及びマイクロビームフォーマチャネルを設ける。従って、全ての要素は送信及び受信の間並行して同時に動作することができるので、性能における妥協は存在しない。しかしながら、本発明の目的の1つは、このような条件の下で許容可能なトレードオフを有して様々なトランスデューサアレイとともに使用可能なマイクロビームフォーマ構成を提供することである。
【0009】
図2を参照して、本発明の原理に従って構成されるマイクロビームフォーマチャネルのトランスミッタ及び前置増幅器部分が略ブロック図の形で示されている。この例では、トランスミッタは、参照により本願に援用される国際公開第2010/055427号パンフレットでより完全に記載されているようなデュアルレベル・パルサーである。デュアルレベル・パルサー28は、トランジスタ112及び118を有し、バイポーラ高電圧供給レベルHV1+又はHV1−の1つで出力パルスを生成する1つの出力段110を有する。第2の出力段120は、トランジスタ122及び128を有し、バイポーラ高(ハイ)電圧供給レベルHV2+又はHV2−の1つで出力パルスを生成する。パルサー制御部100は、出力段の1つを選択し、生成されるパルス極性を制御する。アクティブ・プル・ツー・グランド(active pill-to-ground)段106は、トランジスタ102及び104を有し、高電圧パルスが生成されていない場合に出力を接地レベル又は他の基準電位に引っ張る。2つの出力レベルは、異なるレベルの送信波形が生成されること、及びサイドローブ制御のための送信アポディゼーション(apodization)を可能にする。パルサーの2つの出力段は、両方とも、スイッチ22及び24に結合される。スイッチ22及び24は、IC実施においては、半導体スイッチとして実装される。スイッチ22及び24は、本例ではボンドパッド30a及び30bとして示される、1又はそれ以上のトランスデューサ要素のための接続点に結合されている。本発明の集積回路実施では、ボンドパッドは、ICの回路がアレイトランスデューサの要素等の外部回路又はデバイスに接合され又は電気的に接続され得るところの集積回路パッケージの外部における電気接点である。トランスデューサがCMUT又はPMUTアレイ等の半導体の形で製造される場合、トランスデューサアレイ及びマイクロビームフォーマは、共通のIC上に製造されてよい。その場合に、接続点はICの内部である。2つのスイッチの分岐は、送信/受信(T/R)スイッチ26によって、マイクロビームフォーマ受信チャネルの前置増幅器20の入力部に結合されている。パルスの送信の間、T/Rスイッチ26は開いており、高電圧送信信号から前置増幅器を保護する。そして、送信後、エコーが受信されているとき、T/Rスイッチ26は閉じられ、受信信号ビーム形成のために、エコー信号をマイクロビームフォーマチャネルに結合する。前置増幅器20によって増幅されたエコー信号は、遅延され、次いで、ビーム形成のために、他のトランスデューサ要素からの他の遅延されたエコー信号と積算される。
【0010】
図3は、図2及び各マイクロビームフォーマチャネルの他の関連する構成要素の64個の組合せによって動作する64要素トランスデューサアレイ12の第1の例を表す。この実施では、スイッチ22及び24は両方とも同じトランスデューサ要素に結合され、あるいは、代替的に、ただ1つのスイッチのみがトランスデューサ要素に結合され、他のスイッチは使用されない。本実施ではスイッチ22及び24を開閉する必要がない。すなわち、それらは常に閉じられている。従って、64要素アレイは、要素1〜64に結合されているチャネル区間によって例示されるように、64個のマイクロビームフォーマチャネルによって動作する。これらの64個のマイクロビームフォーマチャネルは単一のIC上に実装されてよい。送信の間、64個のトランスデューサ要素の全部又は一部は、マイクロビームフォーマチャネルの64個のパルサー28によって駆動される。エコー受信の間、64個のT/Rスイッチは閉じられており、アレイ全体によって受信されるエコー信号は64個の前置増幅器20によって増幅されて、遅延及びその後の積算のために残りのマイクロビームフォーマチャネルに転送される。それによって、64要素アレイは、位相配列として、又は、アクティブ開口がラインごとにアレイに沿って進められる段階的な直線配列として、動作することができる。
【0011】
図4は、図2及び図3の64個のマイクロビームフォーマチャネルが128要素アレイトランスデューサ32とともに使用される例を表す。この実施形態では、スイッチ22及び24は異なるトランスデューサ要素に結合されている。128要素開口全体が同じ送信−受信サイクルの間に使用され得ない点で、トレードオフが生じる。しかし、スイッチ22及び24は、開口がトランスデューサアレイに沿って段階的であることを可能にし、それにより、全体の開口が段階的に利用され得る。例えば、スイッチ22の全てが閉じられる場合、要素1〜64が送信のために使用される。これは、ビームB1の送信によって、図5に表されている。次いで、開口は、要素#1に接続されているスイッチ22を開き、同じマイクロビームフォーマチャネルにあるスイッチ24を閉じて、そのマイクロビームフォーマチャネルのパルサーを送信のために要素#65に結合することによって、アレイに沿って1つの要素ごとに段階的にされる。このスイッチ変化によって、この場合に、送信開口は、図5に示されるように、ビームB2を生成するよう要素2〜65を有する。送信ビームは、最後の64要素送信開口が図5に示されるように要素65〜128を用いる送信ビームB65に達するまで、このように段階的にされてよい。更なるビームは、より小さい送信開口をビームB2及びビームB65の左右に対して用いることで、ビームB1の左及び/又はビームB65の右に送信されてよい。
【0012】
この例で、受信開口は、各前置増幅器20がスイッチ22及び24の分岐に結合されているので、送信開口とともに段階的である。全128要素開口が受信のために望まれる場合は、T/Rスイッチはスイッチ22、24の一方の出力(スイッチ及びトランスデューサ要素の分岐)に結合され、第2のT/Rスイッチ、前置増幅器20及び関連する受信遅延は、他方のスイッチの出力に結合される。これは、全128要素受信開口を、64要素送信開口による各送信の間利用可能にする。
【0013】
なお、付加的な受信コンポーネントは、合成開口実施のために必要でない。合成開口イメージングでは、同じ送信ビームが二度送信される。第1の送信に続いて、受信は受信開口の半分において行われ、第2の送信に続いて、受信は残り半分の受信開口において行われる。夫々の半分の開口から二度の送信−受信サイクルにおいて受信される信号は、次いで、全開口受信ビームを生成するようビーム形成される。要素1〜64によるビームB1の第1送信の間、エコー信号は要素1〜64から受信され、セーブされ、又は部分的にビーム形成されて、受信ビームR1aとしてセーブされる。ビームB1が二度目に送信されるが、受信のために、送信に用いられたスイッチ22は開かれ、スイッチ24が閉じられ、それにより、エコー信号は要素65〜128から受信され、先と同じくセーブされ、又は部分的にビーム形成されて、受信ビームR1bとしてセーブされ、あるいは、第1ビーム送信による記憶されたエコー信号とともにビーム形成される。部分ビームR1a及びR1bは、全開口受信信号を形成するよう結合される。このようにして、全128要素受信開口は、図3で用いられたような同じマイクロビームフォーマチャネル・アーキテクチャを用いる合成開口ビーム形成の使用によって、64要素送信開口とともに使用されてよい。
【0014】
図6は、本発明の前置増幅器及びマイクロビームフォーマチャネルトランスミッタの第2の例の部分的な略ブロック図である。この実施形態で、高電圧出力段110及び120は分離されており、第2のプル・ツー・グランド段106’が付加されており、それにより、夫々の別個の出力段はそれ自体のプル・ツー・グランド回路を有する。各出力段は、同じバイポーラ高電圧供給HV1+及びHV1−によって給電されているが、異なる供給が、望まれるならば、使用されてよい。段110の出力はトランスデューサ要素#mに接続されてよく、もう一方の段120の出力は異なるトランスデューサ要素#nに接続されてよい。各トランスデューサ要素接続は、受信信号処理のためにT/Rスイッチ26及び26’によって前置増幅器20に結合される。この実施は、図2のデュアルレベル・パルサーと略同じだけIC面積を使用するパルサーを有して全128要素送信開口を駆動する能力を提供する。更に、スイッチ22及び24によって用いられるIC面積及び信号経路抵抗は取り除かれる。
【0015】
図6における回路の代替の使用は、2つのパルサー110及び120が異なる電源を用いる場合に得られる、図2に関して記載されたものと同じデュアルレベル・パルサーをもたらす。この場合に、2つのボンドパッド30a及び30bは単一のアレイ要素に接続される。デュアルレベル・パルサーは、サイドローブ制御のための送信開口アポディゼーションを提供するために使用される。このようにして、同じ回路が、特定の用途の必要条件に依存して、開口トランスレーション又はアポディゼーションを提供するために使用されてよい。
【0016】
図7は、64要素トランスデューサアレイ12を有する図6のマイクロビームフォーマチャネル構成の使用を表す。この実施では、64個のマイクロビームフォーマチャネルが存在し、各マイクロビームフォーマチャネルは2つのパルサー110及び120を有する。これらのパルサーのうちの半分しか64要素アレイを駆動するためには必要とされず、図7は、アレイ12の要素を駆動するよう結合された全てのパルサー110を表す。パルサー120は、この実施では使用されない。送信に続いて、接続されるトランスデューサ要素と夫々の前置増幅器20の入力部との間のT/Rスイッチは全チャネルにおいて閉じられ、64個のトランスデューサ要素の受信エコー信号は、増幅及びその後の受信ビーム形成のために64個の前置増幅器に結合される。
【0017】
図8では、同じ64チャネルマイクロビームフォーマが128要素トランスデューサアレイ32とともに使用される。パルサー110はアレイ32の要素1〜64を駆動するよう結合され、パルサー120はアレイ32の要素65〜128を駆動するよう結合されている。これは、送信のための全128要素開口の使用を可能にする。受信時に、各チャネルにおけるT/Rスイッチの1つは、受信エコー信号をそのチャネルのトランスデューサ要素の1つからそのチャネルの前置増幅器20に向けるよう閉じられる。この動作は、最大64個の要素が同時に受信のために結合される図4のそれと同じであり、合成開口受信ビーム形成は、全128要素開口の残り半分において引き続き受信することによって可能である。
【0018】
図9は、マイクロビームフォーマが全開口ビーム形成のために64要素又は128要素アレイとともに使用されるマイクロビームフォーマ受信チャネルの構成要素の配置を表す。この例では、各マイクロビームフォーマ受信チャネルは、遅延40に結合されている前置増幅器20を有する。この例では、遅延は、上記特許文献2及び3で記載されるアナログ・ランダムアクセスメモリ(ARAM)遅延によって提供される。遅延40によって生成される遅延されたエコー信号は、次いで、スイッチ42又は44によって、2つのチャネルドライバの一方50a又は50bの入力部に導かれる。チャネルドライバは、1又はそれ以上のマイクロビームフォーマチャネル受信信号を、システムビームフォーマのチャネル等の後続のプロセッサに結合する働きをする。所与の実施において、チャネルドライバは複雑であり、積算及び増幅等の機能を提供してよく、あるいは、それは、信号を後続のチャネルに結合する導体のように単純であってよく、また、加算ノードとしても機能してよい。複数のエコー信号が同時のチャネルドライバの入力部に結合される場合、それらは、その接合点において有効に足し合わされる。チャネルドライバの入力部で結合されたエコー信号は、エコー信号が部分的にビーム形成された信号である場合にはビーム形成の完了等の後続の処理に対してチャネルドライバによって結合されてよい。図9の配置は、2つのチャネルドライバ50a及び50bに選択的に結合される16個のマイクロビームフォーマチャネルを有するよう表されている。16個全てのスイッチ42が閉じられる場合は、16個全ての受信チャネルはチャネルドライバ50aに結合され、16個全てのスイッチ44が閉じられる場合は、16個全ての受信チャネルはチャネルドライバ50bに結合される。スイッチ閉成の他の組合せは、2つのチャネルドライバの間で然るべくチャネルを割り当てる。
【0019】
図10は、8チャネルシステムビームフォーマ10とともに図9の配置を4つ有するマイクロビームフォーマの使用の例を表す。4受信チャネル配置は夫々2つのチャネルドライバを有し、従って、図10では50a〜50hによって識別される全部で8個のチャネルドライバが設けられている。各グループでは、8個のスイッチ42が閉じられて、8個のマイクロビームフォーマチャネルの遅延されたエコー信号を2つのチャネルドライバのうちの一方に結合し、8個のスイッチ44が閉じられて、残り8個のマイクロビームフォーマチャネルから他のチャネルドライバの入力部にエコー信号を結合する。例えば、図10のいちばん上のチャネルグループにおいて、上側8個の受信チャネルはチャネルドライバ50aの入力部に結合され、下側8個の受信チャネルはチャネルドライバ50bの入力部に結合される。このように設定される16個のチャネルから成る各グループのスイッチにより、64要素アレイの8個の要素からの8個のマイクロビームフォーマチャネルは、64個の要素からのエコー信号を8個のチャネルドライバに等しく分配するように、各チャネルドライバ50a〜50hの入力部に結合されることが分かる。各チャネルドライバの出力部は、8チャネルシステムビームフォーマ10の異なるチャネルに結合される。システムビームフォーマ10は、チャネルドライバの一部ビーム形成信号を、システムビームフォーマ10の出力部において、完全ビーム形成信号へと結合する。
【0020】
図11の例では、図9の受信マイクロビームフォーマチャネル配置は128要素トランスデューサ配置とともに使用される。この例のために、図10の右側に示される4つのマイクロビームフォーマチャネルグループは1つのIC上に集積されているとする。そのICは、図11の右側に示されているマイクロビームフォーマチャネルグループを提供するために使用される。既に述べたように、このようなマイクロビームフォーマチャネルグループは、本例では128要素アレイトランスデューサの要素1〜64を有する64個のトランスデューサ要素からエコー信号を受信して処理する。128要素アレイによる使用において、図面に示されているように、各グループにおけるスイッチ42の全ては閉じられ、スイッチ44の全ては開いたままである。このようなスイッチ設定は、16個の前置増幅器20に結合されている16個の要素から単一のチャネルドライバに16個全てのエコー信号を適用する。図11における16個のマイクロビームフォーマチャネルの上側のグループにおいて、128要素アレイの要素1〜16のエコー信号は全て、チャネルドライバ50aの入力部に適用される。チャネルドライバ50bは、この実施では働かない。図示されるようにスイッチ42の全てが閉じられることで、チャネルドライバ50a、50c、50e及び50gの夫々は、16個のマイクロビームフォーマチャネルの部分的にビーム形成された総和をシステムビームフォーマ10のチャネル1〜4の1つへ提供することが分かる。
【0021】
ここまで記載された図11は、どのように128要素アレイの64個の要素(本例では、要素1〜64)のエコー信号が、図11の右側に示されている受信チャネルグループを含むICによって扱われるのかを示す。残り64個の要素を扱うよう、これと同じ第2のICが同じように残り64個の要素からエコー信号を受信するよう構成される。図11が示すように、システムビームフォーマのチャネル5〜8に対する信号は、この第2のICによって提供される。第2のICは、図11において詳細に示される64個のマイクロビームフォーマチャネルと同じように、トランスデューサ要素65〜128からのエコー信号を処理するよう結合される。
【0022】
上述されるマイクロビームフォーマトランスミッタ及び受信チャネル配置の種々の組合せが様々なサイズのトランスデューサアレイ(特に、64要素アレイ又は128要素アレイ)とともに使用されるよう、結合されて、ICに集積されることは明らかである。従って、いずれのサイズのアレイに係る必要性にも対応するただ1つのICを製造するのに費用を拠出する必要がある。また、当業者は容易に変形例に想到可能であることも明らかである。例えば、図2、6及び9に示される並列な単極単投スイッチの組は夫々、同じ目的を果たす単極双投スイッチとして作られてよい。異なる又はより高度の集積化は、別の目標サイズのトランスデューサアレイ及びシステムビームフォーマのための望まれることがある。
【0023】
本発明のマイクロビームフォーマIC実装が、様々なチャネルの数及び組合せを達成するよう拡大又は縮小されてよいことは明らかである。64/128チャネル組合せについて記載してきたが、チャネル数がより多い実施はチャネル数がより少ないICにおけるチャネル数の整数倍である限り、48/192チャネル又は32/128チャネル等の他の組合せが実施されてもよいことは明らかである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスデューサアレイの要素のための複数のトランスミッタ及び受信チャネルと、マイクロビームフォーマ送信及び受信チャネルとを有するマイクロビームフォーマ集積回路であって、異なるサイズのトランスデューサアレイを有して動作可能であるマイクロビームフォーマ集積回路において、
トランスデューサ駆動信号が生成される出力部を有し、他のトランスミッタ回路と時間において制御可能な関係で前記駆動信号を生成するトランスミッタ回路と、
前記トランスミッタ出力部が、選択されたトランスデューサ要素にトランスデューサ駆動信号を選択的に結合するよう1又はそれ以上のトランスデューサ要素に選択的に結合される複数の接続点と、
エコー受信の間は閉じられ、前記接続点に結合される送信/受信スイッチと、
前記送信/受信スイッチに結合される可制御チャネル遅延を有する受信チャネルと
を有するマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項2】
前記接続点は、前記トランスデューサ駆動信号を第1の接続点に結合するよう閉じられる第1のスイッチと、前記トランスデューサ駆動信号を第2の接続点に結合するよう閉じられる第2のスイッチとを更に有する、
請求項1に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項3】
前記第1の接続点及び前記第2の接続点は、ただ1つのトランスデューサ要素に結合される、
請求項2に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項4】
前記トランスデューサアレイは、64要素トランスデューサアレイを更に有し、
当該マイクロビームフォーマ集積回路は、64個のマイクロビームフォーマチャネルを更に有し、各マイクロビームフォーマチャネルは、トランスミッタ回路と、該トランスミッタ回路の出力部に結合される少なくとも1つの接続点と、送信/受信スイッチと、該送信/受信スイッチに結合される受信チャネルとを有し、
各マイクロビームフォーマチャネルの接続点は、64個のトランスデューサ要素の異なる1つの要素に結合される、
請求項3に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項5】
前記第1の接続点及び前記第2の接続点は、異なるトランスデューサ要素に結合される、
請求項2に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項6】
前記トランスデューサアレイは、128要素トランスデューサアレイを更に有し、
当該マイクロビームフォーマ集積回路は、64個のマイクロビームフォーマチャネルを更に有し、各マイクロビームフォーマチャネルは、トランスミッタ回路と、該トランスミッタ回路の出力部に選択的に結合される少なくとも2つの接続点と、送信/受信スイッチと、該送信/受信スイッチに結合される受信チャネルとを有し、
各マイクロビームフォーマチャネルの接続点は、128個のトランスデューサ要素の異なる1つの要素に結合される、
請求項5に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項7】
前記トランスミッタ回路は、
第1の接続点に結合され且つ第1のトランスデューサ駆動信号が生成される出力部を有する第1のパルサーと、
第2の接続点に結合され且つ第2のトランスデューサ駆動信号が生成される出力部を有する第2のパルサーと
を更に有し、
前記送信/受信スイッチは、
前記第1の接続点と受信チャネルへの入力部とに間に結合される第1の送信/受信スイッチと、
前記第2の接続点と前記受信チャネルへの入力部との間に結合される第2の送信/受信スイッチと
を更に有する、
請求項1に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項8】
前記トランスデューサアレイは、64要素トランスデューサアレイを更に有し、
当該マイクロビームフォーマ集積回路は、64個のマイクロビームフォーマチャネルを更に有し、各マイクロビームフォーマチャネルは、複数のトランスミッタ回路と、各トランスミッタ回路の出力部に結合される少なくとも1つの接続点と、複数の送信/受信スイッチと、該送信/受信スイッチに結合される受信チャネルとを有し、
各マイクロビームフォーマチャネルの接続点は、64個のトランスデューサ要素の異なる1つの要素に結合される、
請求項7に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項9】
前記トランスデューサアレイは、128要素トランスデューサアレイを更に有し、
当該マイクロビームフォーマ集積回路は、64個のマイクロビームフォーマチャネルを更に有し、各マイクロビームフォーマチャネルは、複数のトランスミッタ回路と、各トランスミッタ回路の出力部に結合される接続点と、複数の送信/受信スイッチと、該送信/受信スイッチに結合される受信チャネルとを有し、
各マイクロビームフォーマチャネルの接続点は、128個のトランスデューサ要素の異なる1つの要素に結合される、
請求項7に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項10】
前記受信チャネルは、前記チャネル遅延に結合される出力部と、前記送信/受信スイッチに結合される入力部とを更に有し、
トランスデューサ要素からエコー信号を受信するよう結合される入力部と、チャネル遅延に結合される出力部とを有する増幅器を各自が有する複数の追加的な受信チャネルと、
複数のチャネルドライバと、
前記受信チャネルのチャネル遅延と前記チャネルドライバとの間に結合され、遅延されたエコー信号をチャネルドライバに選択的に適用する複数のスイッチと
を更に有する、請求項1に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項11】
前記トランスデューサアレイは、64要素トランスデューサアレイを更に有し、
当該マイクロビームフォーマ集積回路は、64個のマイクロビームフォーマチャネルを更に有し、各マイクロビームフォーマチャネルは、トランスミッタ回路と、該トランスミッタ回路の出力部に結合される少なくとも1つの接続点と、送信/受信スイッチと、該送信/受信スイッチに結合される受信チャネルとを有し、
前記64個のマイクロビームフォーマチャネルは、16個のチャネルのグループにおいて構成され、各グループのチャネルは、複数のスイッチによって2つのチャネルドライバのうちの一方に選択的に結合され、
前記チャネルドライバは、システムビームフォーマのチャネルの入力部に結合される、
請求項10に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項12】
前記複数のスイッチは、8個のマイクロビームフォーマチャネルを各チャネルドライバに結合するよう設定される、
請求項11に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項13】
前記トランスデューサアレイは、128要素トランスデューサアレイを更に有し、
当該マイクロビームフォーマ集積回路は、64個のマイクロビームフォーマチャネルを更に有し、各マイクロビームフォーマチャネルは、トランスミッタ回路と、該トランスミッタ回路の出力部に結合される少なくとも1つの接続点と、送信/受信スイッチと、該送信/受信スイッチに結合される受信チャネルとを有し、
前記64個のマイクロビームフォーマチャネルは、16個のチャネルのグループにおいて構成され、各グループのチャネルは、複数のスイッチによって2つのチャネルドライバのうちの一方に選択的に結合され、
前記複数のチャネルは、各グループのチャネルを1つのチャネルドライバに結合するよう設定され、
前記スイッチによってマイクロビームフォーマチャネルに結合されるチャネルドライバは、システムビームフォーマのチャネルの入力部に結合される、
請求項10に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項14】
前記第1のマイクロビームフォーマ集積回路と同じスイッチ設定を有して同じように構成される、64個のマイクロビームフォーマチャネルの第2のマイクロビームフォーマ集積回路を更に有し、
前記第2のマイクロビームフォーマ集積回路のスイッチによって該第2のマイクロビームフォーマ集積回路のマイクロビームフォーマチャネルに結合されるチャネルドライバは、前記システムビームフォーマのチャネルの入力部に結合される、
請求項13に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項1】
トランスデューサアレイの要素のための複数のトランスミッタ及び受信チャネルと、マイクロビームフォーマ送信及び受信チャネルとを有するマイクロビームフォーマ集積回路であって、異なるサイズのトランスデューサアレイを有して動作可能であるマイクロビームフォーマ集積回路において、
トランスデューサ駆動信号が生成される出力部を有し、他のトランスミッタ回路と時間において制御可能な関係で前記駆動信号を生成するトランスミッタ回路と、
前記トランスミッタ出力部が、選択されたトランスデューサ要素にトランスデューサ駆動信号を選択的に結合するよう1又はそれ以上のトランスデューサ要素に選択的に結合される複数の接続点と、
エコー受信の間は閉じられ、前記接続点に結合される送信/受信スイッチと、
前記送信/受信スイッチに結合される可制御チャネル遅延を有する受信チャネルと
を有するマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項2】
前記接続点は、前記トランスデューサ駆動信号を第1の接続点に結合するよう閉じられる第1のスイッチと、前記トランスデューサ駆動信号を第2の接続点に結合するよう閉じられる第2のスイッチとを更に有する、
請求項1に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項3】
前記第1の接続点及び前記第2の接続点は、ただ1つのトランスデューサ要素に結合される、
請求項2に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項4】
前記トランスデューサアレイは、64要素トランスデューサアレイを更に有し、
当該マイクロビームフォーマ集積回路は、64個のマイクロビームフォーマチャネルを更に有し、各マイクロビームフォーマチャネルは、トランスミッタ回路と、該トランスミッタ回路の出力部に結合される少なくとも1つの接続点と、送信/受信スイッチと、該送信/受信スイッチに結合される受信チャネルとを有し、
各マイクロビームフォーマチャネルの接続点は、64個のトランスデューサ要素の異なる1つの要素に結合される、
請求項3に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項5】
前記第1の接続点及び前記第2の接続点は、異なるトランスデューサ要素に結合される、
請求項2に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項6】
前記トランスデューサアレイは、128要素トランスデューサアレイを更に有し、
当該マイクロビームフォーマ集積回路は、64個のマイクロビームフォーマチャネルを更に有し、各マイクロビームフォーマチャネルは、トランスミッタ回路と、該トランスミッタ回路の出力部に選択的に結合される少なくとも2つの接続点と、送信/受信スイッチと、該送信/受信スイッチに結合される受信チャネルとを有し、
各マイクロビームフォーマチャネルの接続点は、128個のトランスデューサ要素の異なる1つの要素に結合される、
請求項5に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項7】
前記トランスミッタ回路は、
第1の接続点に結合され且つ第1のトランスデューサ駆動信号が生成される出力部を有する第1のパルサーと、
第2の接続点に結合され且つ第2のトランスデューサ駆動信号が生成される出力部を有する第2のパルサーと
を更に有し、
前記送信/受信スイッチは、
前記第1の接続点と受信チャネルへの入力部とに間に結合される第1の送信/受信スイッチと、
前記第2の接続点と前記受信チャネルへの入力部との間に結合される第2の送信/受信スイッチと
を更に有する、
請求項1に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項8】
前記トランスデューサアレイは、64要素トランスデューサアレイを更に有し、
当該マイクロビームフォーマ集積回路は、64個のマイクロビームフォーマチャネルを更に有し、各マイクロビームフォーマチャネルは、複数のトランスミッタ回路と、各トランスミッタ回路の出力部に結合される少なくとも1つの接続点と、複数の送信/受信スイッチと、該送信/受信スイッチに結合される受信チャネルとを有し、
各マイクロビームフォーマチャネルの接続点は、64個のトランスデューサ要素の異なる1つの要素に結合される、
請求項7に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項9】
前記トランスデューサアレイは、128要素トランスデューサアレイを更に有し、
当該マイクロビームフォーマ集積回路は、64個のマイクロビームフォーマチャネルを更に有し、各マイクロビームフォーマチャネルは、複数のトランスミッタ回路と、各トランスミッタ回路の出力部に結合される接続点と、複数の送信/受信スイッチと、該送信/受信スイッチに結合される受信チャネルとを有し、
各マイクロビームフォーマチャネルの接続点は、128個のトランスデューサ要素の異なる1つの要素に結合される、
請求項7に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項10】
前記受信チャネルは、前記チャネル遅延に結合される出力部と、前記送信/受信スイッチに結合される入力部とを更に有し、
トランスデューサ要素からエコー信号を受信するよう結合される入力部と、チャネル遅延に結合される出力部とを有する増幅器を各自が有する複数の追加的な受信チャネルと、
複数のチャネルドライバと、
前記受信チャネルのチャネル遅延と前記チャネルドライバとの間に結合され、遅延されたエコー信号をチャネルドライバに選択的に適用する複数のスイッチと
を更に有する、請求項1に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項11】
前記トランスデューサアレイは、64要素トランスデューサアレイを更に有し、
当該マイクロビームフォーマ集積回路は、64個のマイクロビームフォーマチャネルを更に有し、各マイクロビームフォーマチャネルは、トランスミッタ回路と、該トランスミッタ回路の出力部に結合される少なくとも1つの接続点と、送信/受信スイッチと、該送信/受信スイッチに結合される受信チャネルとを有し、
前記64個のマイクロビームフォーマチャネルは、16個のチャネルのグループにおいて構成され、各グループのチャネルは、複数のスイッチによって2つのチャネルドライバのうちの一方に選択的に結合され、
前記チャネルドライバは、システムビームフォーマのチャネルの入力部に結合される、
請求項10に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項12】
前記複数のスイッチは、8個のマイクロビームフォーマチャネルを各チャネルドライバに結合するよう設定される、
請求項11に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項13】
前記トランスデューサアレイは、128要素トランスデューサアレイを更に有し、
当該マイクロビームフォーマ集積回路は、64個のマイクロビームフォーマチャネルを更に有し、各マイクロビームフォーマチャネルは、トランスミッタ回路と、該トランスミッタ回路の出力部に結合される少なくとも1つの接続点と、送信/受信スイッチと、該送信/受信スイッチに結合される受信チャネルとを有し、
前記64個のマイクロビームフォーマチャネルは、16個のチャネルのグループにおいて構成され、各グループのチャネルは、複数のスイッチによって2つのチャネルドライバのうちの一方に選択的に結合され、
前記複数のチャネルは、各グループのチャネルを1つのチャネルドライバに結合するよう設定され、
前記スイッチによってマイクロビームフォーマチャネルに結合されるチャネルドライバは、システムビームフォーマのチャネルの入力部に結合される、
請求項10に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【請求項14】
前記第1のマイクロビームフォーマ集積回路と同じスイッチ設定を有して同じように構成される、64個のマイクロビームフォーマチャネルの第2のマイクロビームフォーマ集積回路を更に有し、
前記第2のマイクロビームフォーマ集積回路のスイッチによって該第2のマイクロビームフォーマ集積回路のマイクロビームフォーマチャネルに結合されるチャネルドライバは、前記システムビームフォーマのチャネルの入力部に結合される、
請求項13に記載のマイクロビームフォーマ集積回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−508054(P2012−508054A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535188(P2011−535188)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054754
【国際公開番号】WO2010/055428
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054754
【国際公開番号】WO2010/055428
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]