説明

超音波診断装置および医用画像処理装置

【課題】所定の構造物を表す像を特定する機能を有する超音波診断装置および医用画像処理装置を提供することにある。
【解決手段】本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブ12と、前記超音波プローブ12を介して、被検体へ向けて超音波を送信する超音波送信部21と、前記送信された超音波に対応する反射波を受信し、前記受信された反射波に基づいて受信信号を発生する超音波受信部22と、前記受信信号に基づいて、所定の構造物を有する被検体のボリュームデータを発生するボリュームデータ発生部25と、前記所定の構造物に対応する形状を表す3次元データを記憶する形状データ記憶部31と、前記3次元データを用いて、前記ボリュームデータにおける前記所定の構造物を表す像を特定する特定部33と、を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、所定の構造物を表す像を特定する機能を有する超音波診断装置および医用画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、2次元アレイプローブおよびメカニカル4次元プローブなどを使用することにより、時系列に沿ってボリュームデータを収集する超音波診断装置がある。例えばこの超音波診断装置は、時系列に沿って収集されたボリュームデータを用いて、リアルタイムで3次元表示をすること(以下、4次元表示と呼ぶ)ができる。
【0003】
一般に穿刺は、4次元表示におけるガイドの下で実行される。以下、この穿刺を4次元穿刺と呼ぶ。4次元穿刺に用いられる超音波プローブには、穿刺アダプタが装備される。図10は、メカニカル4次元プローブに穿刺アダプタが装着された一例を示す図である。穿刺アダプタにより決定された穿刺経路に沿って、穿刺針は刺入される。このとき超音波診断装置は、継時的に更新されるボリュームデータに基づいて、断面変換(MultiPlanar Reconstruction:以下、MPRと呼ぶ)処理による複数の断面像を、リアルタイムに表示する。超音波診断装置の表示部に表示される断面像は、図11と図12とに示すように、例えば穿刺の対象となる臓器と穿刺針とを含む基準面(A面)と、A面に対して穿刺経路を含む直交断面(B面)と、B面に対する直交断面(C面)との3断面像である。図13は、穿刺治療における複数の断面像の一例を示す図である。
【0004】
しかしながら、穿刺針からの反射エコーが周辺組織に比べて弱いため、断面像において穿刺針の像が表示されない場合がある。また、例えば、肝腫瘍に穿刺する場合、被検体の呼吸により臓器が動くために、穿刺針または穿刺針の先端の像が表示断面から外れることがある。これらにより、断面像には穿刺針の一部が表示され、操作者は、穿刺針または穿刺針の先端位置を見失う問題がある。また、穿刺針の像はボリュームデータ内に存在するにもかかわらず、穿刺針の像を断面像に表示させるためにプローブを操作しなければならないこと、または穿刺針の像が表示される断面を探すためにトラックボールを操作しなければならないことなどの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−287846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
目的は、所定の構造物を表す像を特定する機能を有する超音波診断装置および医用画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブと、前記超音波プローブを介して、被検体へ向けて超音波を送信する超音波送信部と、前記送信された超音波に対応する反射波を受信し、前記受信された反射波に基づいて受信信号を発生する超音波受信部と、前記受信信号に基づいて、所定の構造物を有する被検体のボリュームデータを発生するボリュームデータ発生部と、前記所定の構造物に対応する形状を表す3次元データを記憶する形状データ記憶部と、前記3次元データを用いて、前記ボリュームデータにおける前記所定の構造物を表す像を特定する特定部と、を具備することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す構成図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係り、ボリュームデータに含まれる穿刺針を表す像を特定する処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】図3は、第1の実施形態に係り、3次元走査によるスタックデータの収集からレンダリング画像を表示させる3次元表示までの処理の流れの概要を示す概要図である。
【図4】図4は、第1の実施形態に係る第1ROIを含むボリュームデータの一例を示す図である。
【図5】図5は、第1の実施形態に係る超音波診断装置において、超音波プローブによる3次元走査から直交3断面の表示が実行される処理の流れの概要を示す概要図である。
【図6】図6は、第1の実施形態に係り、穿刺針に対応する形状を表す3次元データの一例を示す図である。
【図7】図7は、第1の実施形態に係る第2ROIを含む3次元データの一例を示す図である。
【図8】図8は、図2における穿刺針の像を特定するための処理(ステップSa5)の詳細を示すフローチャートである。
【図9】図9は、第1の実施形態に係り、座標変換された第2ROIに含まれる3次元データの穿刺針と第1ROIに含まれる穿刺針の像にマーカを重ね合わせた画像との一例を示す図である。
【図10】図10は、穿刺アダプタを装備した従来のメカニカル4次元プローブの一例を示す図である。
【図11】図11は、従来のボリュームデータにおける基準面(A面)と穿刺針の刺入方向に平行な面(B面)とB面に直交する面(C面)との一例を示す図である。
【図12】図12は、図11におけるA、B、C面を穿刺経路とともに表示した従来の表示画面の一例を示す図である。
【図13】図13は、従来の穿刺治療における表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる超音波診断装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図を示している。同図に示すように、超音波診断装置1は、装置本体11、超音波プローブ12、装置本体11に接続され、操作者からの各種指示・命令・情報を装置本体11に取り込むための入力装置13、表示部14を有する。加えて本超音波診断装置1には、心電計、心音計、脈波計、呼吸センサに代表される図示していない生体信号計測部およびネットワークが、インターフェース部30を介して接続されてもよい。
【0011】
装置本体11は、超音波送信部21、超音波受信部22、Bモード処理部23、ドプラ処理部24、ボリュームデータ発生部25、画像発生部26、画像合成部27、形状データ記憶部31、内部記憶装置32、特定部33、シネメモリ29、制御プロセッサ(中央演算処理装置:Central Processing Unit:以下CPUと呼ぶ)28、インターフェース部30を有する。
【0012】
超音波プローブ12は、圧電セラミックス等の音響/電気可逆的変換素子としての圧電振動子を有する。複数の圧電振動子は並列され、超音波プローブ12の先端に装備される。なお、一つの圧電振動子が一チャンネルを構成するものとして説明する。
【0013】
超音波送信部21は、図示していないパルス発生器、送信遅延回路、パルサを有する。パルス発生器は、所定のレート周波数で送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。パルス発生器は、例えば5kHzのレート周波数でレートパルスを繰り返し発生する。このレートパルスは、チャンネル数に分配され、送信遅延回路に送られる。送信遅延回路は、チャンネル毎に超音波をビーム状に収束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間を、各レートパルスに与える。なお、送信遅延回路には、図示していないトリガ信号発生器からのトリガが、タイミング信号として供給される。パルサは、送信遅延回路からレートパルスを受けたタイミングで、超音波プローブ12の振動子ごとに電圧パルスを印加する。これにより、超音波ビームが被検体に送信される。
【0014】
超音波受信部22は、図示していないプリアンプ、受信遅延回路、加算器を有する。プリアンプは、超音波プローブ12を介して取り込まれた被検体からのエコー信号をチャンネル毎に増幅する。受信遅延回路は、ディジタル信号に変換されたエコー信号に、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、後述するCPU28からの受信遅延パターンに従って複数のエコー信号を加算する。この加算により受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。この送信指向性と受信指向性とにより超音波送受信の総合的な指向性が決定される(この指向性により、いわゆる「超音波走査線」が決まる)。超音波受信部22は、超音波送信部21から送信された超音波に対応する受信信号を発生する。なお、超音波受信部22は、1回の超音波送信で複数の走査線上に生じたエコー信号を同時に受信する並列受信機能を有していてもよい。
【0015】
Bモード処理部23は、図示していない包絡線検波器、対数変換器、アナログディジタル変換器を有する。包絡線検波器は、Bモード処理部23への入力信号、即ち、超音波受信部22から出力された受信信号に対して包絡線検波を実行する。対数変換器は、検波信号の振幅を対数変換して弱い信号を相対的に強調する。アナログディジタル変換器は、この対数変換器の出力信号をディジタル信号に変換し、Bモードデータを発生する。Bモード処理部23は、発生したBモードデータをボリュームデータ発生部25へ出力する。
【0016】
ドプラ処理部24は、図示していないドプラ信号発生部とカラードプラデータ生成部とを有する。ドプラ信号発生部は、図示していないミキサーと低域通過フィルタ(以下LPF)を有する。ミキサーは、超音波受信部22から出力された信号に、送信周波数と同じ周波数fを有する基準信号を掛け合わせる。この掛け合わせにより、ドプラ偏移周波数fの成分の信号と(2f+f)の周波数成分を有する信号とが得られる。LPFは、ミキサーからの2種の周波数成分を有する信号のうち、高い周波数成分(2f+f)の信号を取り除く。ドプラ信号発生部は、高い周波数成分(2f+f)の信号を取り除くことにより、ドプラ偏移周波数fの成分を有するドプラ信号を発生する。なお、ドプラ信号発生部として、直交検波方式を採用することも可能である。
【0017】
カラードプラデータ生成部は、2チャンネルから構成される図示していないアナログディジタル(以下A/Dと呼ぶ)変換器、速度/分散/Power演算部を有する。A/D変換器は、ドプラ信号発生部のLPFから出力されたドプラ信号、または、直交検波されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。速度/分散/Power演算部は、図示していないMTI(Moving Target Indicator)フィルタ、自己相関演算器を有する。MTIフィルタは、A/D変換器から出力されたドプラ信号に対して、臓器の呼吸性移動や拍動性移動などに起因するドプラ成分(クラッタ成分)を除去する。自己相関演算器は、MTIフィルタによって血流情報のみが抽出されたドプラ信号に対して、自己相関値を算出する。自己相関演算器は、算出された自己相関値に基づいて、血流の平均速度値および分散値等を算出する。カラードプラデータ生成部は、複数のドプラ信号に基づく血流の平均速度値や分散値等からカラードプラデータを生成する。以下、ドプラ信号発生部により発生されたドプラ信号とカラードプラデータ生成部で生成されたカラードプラデータとをまとめて、ドプラデータと呼ぶ。ドプラ処理部24は、発生したドプラデータを、ボリュームデータ発生部25へ出力する。
【0018】
ボリュームデータ発生部25は、Bモード処理部23から出力されたBモードデータまたは、ドプラ処理部24から出力されたドプラデータを位置情報に従って専用のメモリに配置(配置処理)する。続いて、ボリュームデータ発生部25は、超音波走査線間のBモードデータもしくはドプラデータを補間する(補間処理)。配置処理と補間処理とによって、複数のボクセルから構成されるボリュームデータが発生される。各ボクセルは、由来するBモードデータもしくはドプラデータの強度に応じたボクセル値を有する。なお、ボリュームデータ発生部25へ入力される前のデータを「生データ」と呼ぶ。ボリュームデータ発生部25は、発生したボリュームデータを、後述する画像発生部26と特定部33とへ出力する。なお、ボリュームデータ発生部25は、特定部33により特定された所定の構造物(例えば穿刺針)を表す像または輪郭線に対応するボクセル値を、所定の値に変更してもよい。所定の値は、特定された所定の構造物を表す像または輪郭線を強調するための値である。
【0019】
なお、ボリュームデータ発生部25は、後述する特定部33と形状データ記憶部31からの出力に基づいて、特定された所定の構造物を表す像近傍に、後述する所定の超音波治療に関する治療範囲を設定してもよい。具体的には、ボリュームデータ発生部25は、治療範囲内のボクセル値を、治療範囲外のボクセル値に比べて大きくする。
【0020】
また、ボリュームデータ発生部25は、所定の位置間隔で連続して発生された複数の受信信号に基づいて、複数の受信信号それぞれに対応する複数のボリュームデータセットを発生してもよい。このとき、ボリュームデータ発生部25は、複数のボリュームデータセットを結合させて、ボリュームデータを発生させることができる。なお、所定の位置間隔とは、例えば、ボリュームデータセットを所定の補間処理により結合させることができる程度の位置間隔である。また、複数のボリュームデータセットは、例えば、被検体の特定臓器を網羅するように発生される。ボリュームデータ発生部25は、所定の時間間隔で連続して、複数のボリュームデータセットを発生することができる。なお、所定の位置間隔および所定の時間間隔は、後述する入力装置13を介して適宜設定可能である。
【0021】
なお、ボリュームデータ発生部25は、Bモード処理部23とドプラ処理部24との少なくとも一方から出力された生データに基づいて、造影ボリュームデータ、弾性ボリュームデータを発生することも可能である。
【0022】
画像発生部26は、ボリュームデータに対して3次元画像処理を実行し、2次元の表示画像のデータを発生する。3次元画像処理としては、レイキャスティング法によるボリュームレンダリング(Volum Rndering:以下VRと呼ぶ)およびサーフェスレンダリング(Surface Rendering:以下SRと呼ぶ)などがある。なお、3次元画像処理は、最大値投映法(Maximum Intensity Projection:以下MIPと呼ぶ)および断面変換(MPR)処理でもよい。画像発生部26は、3次元画像処理により発生された超音波スキャンの走査線信号列を、テレビなどに代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換し、投影画像としての超音波画像を発生する。以下、例として、画像発生部26は、VRまたはSRによるレンダリング画像とMPR処理によるMPR画像とを発生するものとする。
【0023】
画像発生部26は、後述する特定部33により特定された所定の構造物(例えば穿刺針)を表す像または輪郭線に対応する画素値に対して、強調処理を実行してもよい。強調処理は、例えば閾値処理である。閾値処理における閾値は、所定の値であって、特定された所定の構造物(例えば穿刺針)を表す像または輪郭線を強調するための値である。
【0024】
なお、画像発生部26は、特定された所定の構造物を表す像近傍に、後述する所定の超音波治療に関する治療範囲を、特定部33と形状データ記憶部31からの出力に基づいて、設定してもよい。具体的には、画像発生部26は、治療範囲内のボクセル値を、治療範囲外のボクセル値と比べて、大きくする。
【0025】
画像発生部26は、ボリュームデータに基づいて、特定部33により特定された所定の構造物を表す像と、所定の構造物の刺入方向に沿った先端の位置とを含むように、MPR画像を発生する。画像発生部26は、発生されたMPR画像を、画像合成部27に出力する。
【0026】
形状データ記憶部31は、所定の構造物に対応する形状を表す3次元データを記憶する。所定の構造物とは、複数種類の穿刺針および焼灼針(例えば、RFA(Radio Frequency Ablation)針)、ステントなどの被検体に刺入または挿入されるものである。形状データ記憶部31は、所定の構造物に加えて、内臓および血管などの特定臓器に対応する形状を表す3次元データを記憶してもよい。特定臓器に対応する形状を表す3次元データは、例えば、予めコンピュータ断層撮影装置などで被検体を撮影することにより得られるデータである。形状データ記憶部31は、所定の構造物または被検体の特定臓器に対応する形状を表すマーカ(以下形状マーカと呼ぶ)を記憶してもよい。
【0027】
上記3次元データは、例えば、所定の構造物の内部領域と外部領域との境界におけるボクセル値を1とし、所定の構造物の内部領域と外部領域とのボクセル値を0としたデータである。なお、形状データ記憶部31は、所定の構造物および特定臓器の断面画像に基づいた2次元データを記憶してもよい。2次元データは、例えば、所定の構造物の内部領域と外部領域との境界におけるピクセル値を1とし、所定の構造物の内部領域と外部領域とのピクセル値を0としたデータである。以下、所定の構造物に対応する形状を表す3次元データは、一本針の穿刺針の形状を表す3次元データであるとする。なお、3次元データは、所定の構造物を表す像の輪郭線に対応するボクセルのみ所定のボクセル値を有してもよい。また、2次元データは、所定の構造物を表す像の輪郭線に対応するピクセルのみ所定のピクセル値を有してもよい。
【0028】
なお、所定の構造物が焼灼針である場合、形状データ記憶部31は、焼灼針による焼灼範囲を記憶していてもよい。また、形状データ記憶部31は、所定の超音波治療に関する治療範囲を記憶してもよい。所定の超音波治療に関する治療範囲とは、例えば、超音波加温装置による加温領域、および体外衝撃波結石破砕装置による結石破砕領域などである。加えて、形状データ記憶部31は、焼灼範囲などの治療範囲に対応するマーカ(以下、範囲マーカと呼ぶ)を記憶してもよい。また、形状データ記憶部31は、3次元データにおけるボクセル値および2次元データにおけるピクセル値のかわりに輝度値を用いてもよい。
【0029】
内部記憶装置32は、フォーカス深度の異なる複数の受信遅延パターン、本超音波診断装置1の制御プログラム、診断プロトコル、送受信条件等の各種データ群、ボリュームデータ発生部25で発生されたボリュームデータ、画像発生部26で発生された超音波画像、画像合成部27で合成された画像等を記憶する。
【0030】
特定部33は、形状データ記憶部31に記憶された3次元データを用いて、ボリュームデータ発生部25から出力されたボリュームデータにおける所定の構造物を表す像を特定する。具体的には、特定部33は、ボリュームデータ発生部25からボリュームデータを読み出す。特定部33は、例えば、入力装置13を介して操作者により選択された所定の構造物に対応する形状を表す3次元データを、形状データ記憶部31から読み出す。特定部33は、入力装置13を介した操作者の指示によりボリュームデータ内に関心領域(Region Of Interest:以下、ROIと呼ぶ)を設定する。ボリュームデータ内に設定されるROI(以下、第1ROIと呼ぶ)は、例えば、穿刺針を含む穿刺針近傍の領域である。なお、特定部33は、所定の規則に従って、ボリュームデータにROIを設定してもよい。特定部33は、ボリュームデータに設定されたROIと同じ大きさのROI(以下、第2ROIと呼ぶ)を、3次元データに設定する。
【0031】
特定部33は、第2ROIに含まれる3次元データを用いて、第1ROIに含まれる穿刺針の像を特定する。特定部33は、第1ROIに含まれる穿刺針の像を特定するために、第1ROIに含まれるボリュームデータと、第2ROIに含まれる3次元データとの類似度を計算する。類似度とは、例えば、第1ROIに含まれるボリュームデータと第2ROIに含まれる3次元データとの相関係数である。なお、相関係数とは異なる類似度の具体例については、以下の構造物特定機能において詳述する。特定部33は、類似度が第1の閾値に達するまで、第2ROIを回転、および平行移動させて、第1ROIに含まれるボリュームデータと第2ROIに含まれる3次元データとの類似度を繰り返し計算する。第1の閾値とは、ボリュームデータにおける穿刺針の像と、3次元データにおける穿刺針の形状との類似性を表す指標である。第1の閾値は、特定部33の図示していないメモリに予め記憶される。
【0032】
特定部33は、ボリュームデータに含まれる穿刺針の像に関して、穿刺針の長さ方向に沿ったボクセル値が第2の閾値以下となったボクセルを特定する。特定部33は、特定されたボクセルの位置情報を、画像合成部27に出力する。なお、特定部33は、ボクセル値のかわりに輝度値を用いて、ボクセルを特定してもよい。ボクセルの特定により、穿刺針の先端の位置が特定される。ここで、第2の閾値とは、例えば、穿刺針が存在しないときのボクセル値である。
【0033】
なお、特定部33は、3次元データを用いて、所定の時間間隔に沿って発生された複数のボリュームデータセット各々における穿刺針を表す像、および穿刺針の先端の位置を特定することができる。
【0034】
画像合成部27は、図示していないフレームメモリ等を有する。画像合成部27は、画像発生部26から出力された超音波画像に、種々のパラメータの文字情報および目盛等を合成する。画像合成部27は、合成した画像を表示部14に出力する。画像合成部27は、超音波画像における特定された穿刺針を表す像に、形状データ記憶部31に記憶された形状マーカを、穿刺針の長さ方向に沿って特定された穿刺針の先端の位置まで重ね合わせる。なお、画像合成部27は、超音波画像における所定の構造物を表す像近傍に、範囲マーカを重ね合わせてもよい。また、画像合成部27は、入力装置13を介して入力された刺入方向を、超音波画像に重ね合わせてもよい。また、被検体に焼灼針が刺入されるとき画像合成部27は、超音波画像に、種々のパラメータの文字情報、目盛、焼灼針の形状マーカ、焼灼範囲の範囲マーカ、焼灼針の刺入方向などを合成する。
【0035】
CPU28は、操作者により入力装置13から入力されたモード選択、第1ROIの設定、受信遅延パターンリストの選択、送信開始・終了に基づいて、内部記憶装置32に記憶された送受信条件と装置制御プログラムを読み出し、これらに従って、本超音波診断装置1を制御する。
【0036】
インターフェース部30は、入力装置13、ネットワーク、図示していない外部記憶装置および生体信号計測部に関するインターフェースである。本超音波診断装置1によって得られた超音波画像等のデータおよび解析結果等は、インターフェース37を介して、ネットワークを介して他の装置に転送可能である。
【0037】
入力装置13は、インターフェース部30に接続され操作者からの各種指示・命令・情報・選択・設定を本超音波診断装置1に取り込む。入力装置13は、図示していないトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の入力デバイスを有する。入力デバイスは、表示画面上に表示されるカーソルの座標を検出し、検出した座標をCPU28に出力する。なお、入力デバイスは、表示画面を覆うように設けられたタッチパネルでもよい。この場合、入力装置13は、電磁誘導式、電磁歪式、感圧式等の座標読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標をCPU28に出力する。また、操作者が入力装置13の終了ボタンまたはFREEZEボタンを操作すると、超音波の送受信は終了し、本超音波診断装置1は一時停止状態となる。入力装置13は、インターフェース部30を介して他の医用画像診断装置から転送された被検体のボリュームデータに関して、断面位置および表示形式、レンダリング処理におけるレイの方向などを入力する。所定の構造物が穿刺針および焼灼針の場合、入力装置13は、穿刺針および焼灼針の刺入方向を入力する。
【0038】
表示部14は、画像合成部27からの出力に基づいて、画像を表示する。表示部14は、インターフェース部30を介して、入力された他の医用画像診断装置におけるレンダリング画像などを表示することも可能である。表示部14は、複数のボリュームデータセット各々に対して特定された穿刺針の像および穿刺針の先端の位置を、時系列に沿って表示することも可能である。なお、表示部14は、刺入方向を重ねあわせた超音波画像を表示してもよい。
【0039】
シネメモリ29は、例えばフリーズする直前の複数のフレームに対応する超音波画像を保存するメモリである。このシネメモリ29に記憶されている画像を連続表示(シネ表示)することで、超音波動画像を表示することも可能である。
【0040】
(構造物特定機能)
構造物特定機能とは、形状データ記憶部31に記憶された3次元または2次元データを用いて、ボリュームデータにおける所定の構造物を表す像を特定する機能である。以下、構造物特定機能に従う処理(以下、構造物特定処理と呼ぶ)を説明する。
【0041】
図2は、構造物特定処理の流れを示すフローチャートである。
被検体に対する超音波送受信に先立って、入力装置13を介した操作者の指示により、患者情報の入力、穿刺針の選択、送受信条件、種々の超音波データ収集条件の設定および更新などが実行される。これらの設定および更新は、内部記憶装置32に記憶される。これらの入力/選択/設定が終了したならば、操作者は超音波プローブ12を被検体体表面の所定の位置に当接する。次いで超音波送信部21が、超音波を被検体に向けて送信する。なお、超音波の送信は、インターフェース部30を介して接続された図示していない心電計の心電波形と同期させて、実行することも可能である。また、この同期は、心音計による心音波形、脈波計による脈波波形および、呼吸計による呼吸曲線などとの同期でもよい。
【0042】
送信された超音波に対応する反射波の受信(すなわち超音波スキャン)に基づいて、受信信号が発生される。発生された受信信号に基づいて、ボリュームデータが発生される(ステップSa1)。図3は、3次元走査(3Dimensional Scan:以下、3Dスキャンと呼ぶ)によるスタックデータの収集からレンダリング画像を表示させる3次元表示までの処理の流れの概要を示す概要図である。3Dスキャンにより、スタックデータが得られる。続いて、ボリュームデータ発生部25において、スタックデータにおける走査面間のデータを補間すること(例えば、リサンプリングなど)により、ボリュームデータが発生される。画像発生部26において、ボリュームデータに対してレンダリング処理を実行することにより、レンダリング画像が表示部14で表示される。表示部14で表示されたレンダリング画像に対して、入力装置13を介して第1ROIが、穿刺針が刺入されている領域を含むように設定される(ステップSa2)。なお、第1ROIの設定は、以下で説明するMPR処理によるMPR画像上に設定されてもよい。図4は、設定された第1ROIを含むボリュームデータの一例を示す図である。
【0043】
図5は、超音波プローブによる3Dスキャンから直交3断面の表示(MPR表示)が実行される処理の流れの概要を示す概要図である。図5における被検体Pに超音波プローブ12が当接され、3Dスキャンが実行される。3Dスキャンの後、上述したようにボリュームデータが発生される。発生されたボリュームデータに対して、画像発生部26でMPR処理が実行される。MPR処理により発生されたMPR画像が、表示部14に表示される。
【0044】
穿刺針の3次元データが、形状データ記憶部31から読み出される(ステップSa3)。図6は、穿刺針に対応する形状を表す3次元データの一例を示す図である。読み出された3次元データに、第1ROIと同じ大きさの第2ROIが設定される(ステップSa4)。図7は、設定された第2ROIを含む3次元データの一例を示す図である。第2ROIに含まれる3次元データを用いて、第1ROIにおける穿刺針の像が特定される(ステップSa5)。
【0045】
図8は、図2における穿刺針の像を特定するための処理(ステップSa5)の詳細を示すフローチャートである。第1ROIに対する第2ROIの位置関係が、特定部33により設定される(ステップSb1)。第1ROIに含まれるボリュームデータと第2ROIに含まれる3次元データとにより類似度が計算される(ステップSb2)。
【0046】
類似度とは、例えば、以下のようにして計算される相互情報量である。なお、類似度は、第1、第2ROIを所定の小領域に分割することにより計算されるエントロピーとしてもよい。まず、第1ROIと第2ROIとに関して、同じ座標を有するボクセル値(または3次元データ)を度数とする2次元ヒストグラムを発生する。なお、2次元ヒストグラムは、第1ROIと第2ROIとに関して、同じ座標を有するピクセル値(または2次元データ)または輝度値を度数として用いてもよい。発生された2次元ヒストグラムの度数に基づいて、確率密度関数を決定する。以下、2次元ヒストグラムに基づいて決定された確率密度関数を、2次元確率密度関数と呼ぶ。第1ROIに含まれるボリュームデータのボクセル値に基づいて、第1の確率密度関数を発生する。第2ROIに含まれる3次元データに基づいて、第2の確率密度関数を発生する。
【0047】
相互情報量は、第1、第2の確率密度関数と、2次元確率密度関数とにより決定される。具体的には、まず、特定部33は、2次元確率密度関数を第1、第2の確率密度関数の積で除すことにより商を計算する。次に特定部33は、この商に対して対数を計算する。続いて特定部33は、この対数に2次元確率密度関数を乗じて、2次元ヒストグラムの度数それぞれについて和を計算する。この和が、相互情報量である。特定部33は、計算された相互情報量が所定の閾値を超えていなければ、相互情報量に基づいて、座標変換を表す行列(以下、変換行列と呼ぶ)を計算する(ステップSb3)。変換行列は、相互情報量に対して、偏角を取ること(argument)により決定される。なお、変換行列は、解析的に計算できないので、所定の最適化法により決定される。
【0048】
特定部33は、決定された変換行列を用いて、第2ROIに含まれる3次元データに対して、座標変換を実行する。この座標変換により、第1ROIと第2ROIとの位置関係が変更される(ステップSb4)。特定部33は、ステップSb2乃至ステップSb4の処理を、相互情報量が所定の閾値を超えるまで繰り返す。なお、この座標変換により第2ROIの一部領域が3次元データからはみ出した場合、この一部領域については、類似度を計算するためのデータとしては用いない。
【0049】
特定部33は、計算された相互情報量が所定の閾値を超えれば、第1ROIに対する第2ROIの位置関係に基づいて、第1ROIに含まれるボリュームデータにおける穿刺針の像を特定する(ステップSb5)。
【0050】
図2に戻って、特定された穿刺針の像に対して、穿刺針の刺入方向に沿った穿刺針の先端位置が特定される(ステップSa6)。画像発生部26により、ボリュームデータに基づいて、超音波画像が発生される(ステップSa7)。このとき、画像発生部26は、特定された穿刺針の像または輪郭線に対応する画素値に対して、強調処理を実行してもよい。強調処理は、例えば閾値処理である。閾値処理における閾値は、所定の値であって、穿刺針を表す像または輪郭線を強調するための値である。ステップSa7の処理の後、形状データ記憶部31から形状マーカが読み出される(ステップSa8)。読み出された形状マーカに対して、所定の閾値を超えた相互情報量に基づいて決定された座標変換が実行される。画像合成部27により、座標変換された形状マーカが発生された超音波画像に重ねられる(ステップSa9)。
【0051】
なお、被検体に焼灼針が刺入されている場合、ステップSa7の処理の後、形状データ記憶部31から焼灼針に対応する形状マーカおよび焼灼範囲を示すマーカ(以下、焼灼マーカと呼ぶ)が読み出される(ステップSa8)。読み出された形状マーカおよび焼灼マーカに対して、所定の閾値を超えた相互情報量に基づいて決定された座標変換が実行される。画像合成部27により、座標変換された形状マーカおよび焼灼マーカが、発生された超音波画像に重ねられる(ステップSa9)。
【0052】
ステップSa9の処理の後、重ねられた画像または穿刺針を強調した画像が、表示部14に表示される。図9は、座標変換された第2ROIに含まれる3次元データと、構造物特定処理により特定された穿刺針の像に形状マーカを重ね合わせた画像との一例を示す図である。図9(a)は、決定された変換行列により座標変換された第2ROIに含まれる3次元データを示す図である。図9(b)は、ボリュームデータにおいて特定された穿刺針の像に、形状マーカを重ね合わせた画像の一例である。
【0053】
(第1の変形例)
第1の実施形態との相違は、特定された所定の構造物を表す像のデータとボリュームデータとに基づいて、所定の構造物に関する所定の断面に対応する超音波画像を発生することである。以下、説明を簡単にするために、所定の構造物は穿刺針とする。
【0054】
形状データ記憶部31は、穿刺針に関する所定の断面を記憶する。所定の断面とは、例えば、穿刺針の長手方向の断面を含む走査面(以下、長手走査面と呼ぶ)である。なお、所定の断面は複数であってもよい。他の所定の断面は、例えば、穿刺針の長手方向の断面を含みかつ穿刺針の刺入方向に平行な面(以下、刺入平行面と呼ぶ)、および穿刺針の刺入方向の先端を含みかつ刺入平行面に垂直な面(以下、刺入垂直面と呼ぶ)などである。以下、長手走査面と刺入平行面と刺入垂直面とをまとめて3断面と呼ぶ。
【0055】
形状データ記憶部31は、穿刺針が刺入される被検体への超音波スキャンに先立って、3断面に関する情報を、画像発生部26に出力する。3断面に関する情報とは、ボリュームデータに基づいて、長手走査面、刺入平行面、刺入垂直面を、MPR処理により発生させるために必要な情報である。なお、所定の断面は、入力装置13を介した操作者の指示により、操作者が所望する断面を設定することも可能である。
【0056】
特定部33は、特定した穿刺針の像と、穿刺針の刺入方向における穿刺針の先端の位置と(以下、特定情報と呼ぶ)を、画像発生部26に出力する。
【0057】
画像発生部26は、特定情報と3断面に関する情報とを用いて、ボリュームデータに基づいて、3断面の断面像を発生する。具体的には、画像発生部26は、ボリュームデータにおける特定された穿刺針の像と穿刺針の刺入方向における穿刺針の先端の位置と長手走査面の位置情報とを用いて、ボリュームデータからMPR処理により、長手走査面の超音波画像を発生する。画像発生部26は、ボリュームデータにおける特定された穿刺針の像と穿刺針の刺入方向における穿刺針の先端の位置と刺入平行面の位置情報とを用いて、ボリュームデータからMPR処理により、刺入平行面の超音波画像を発生する。画像発生部26は、ボリュームデータにおける特定された穿刺針の像と穿刺針の刺入方向における穿刺針の先端の位置と刺入垂直面の位置情報とを用いて、ボリュームデータからMPR処理により、刺入垂直面の超音波画像を発生する。
【0058】
表示部14は、画像発生部26で発生された断面像を表示する。
【0059】
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本超音波診断装置1によれば、形状データ記憶部31に記憶された所定の構造物に対応する形状を表す3次元データまたは2次元データを用いて、ボリュームデータにおける所定の構造物を表す像を特定することができる。加えて、特定された所定の構造物を表す像および治療範囲にマーカを重ね合わせた超音波画像を表示することができる。また、所定の構造物を表す像が存在する複数の断面像を発生することができる。これらのことから、断面像における所定の構造物を表す像が表示されないこと、および所定の構造物における先端の位置に関する像が表示断面から外れることを、解消することができる。この結果、操作者が所定の構造物を表す像または所定の構造物の先端位置を見失う問題を解消することができる。
【0060】
加えて、所定の構造物を表す像を断面像に表示させるためにプローブを操作しなければならないこと、または所定の構造物を表す像が表示される断面を探すためにトラックボールを操作しなければならないことなどが解消され、操作性が向上する。また、操作性の向上により、診断効率が向上する。加えて、穿刺アダプタを用いなくても、例えば穿刺治療を支援することが可能となる。
【0061】
さらに、本超音波診断装置1によれば、形状データ記憶部31に記憶された被検体の特定臓器に対応する形状を表す3次元データまたは2次元データを用いて、ボリュームデータにおける被検体の特定臓器を表す像を特定することができる。加えて、特定された被検体の特定臓器を表す像にマーカを重ね合わせた超音波画像を表示することができる。また、被検体の特定臓器を表す像が存在する複数の断面像を発生することができる。
【0062】
また、本超音波診断装置1は、所定の構造物の像および治療範囲に対応するマーカを、所定の時間間隔で連続的に表示させることで、例えば穿刺治療における穿刺針のナビゲーションとしても使用可能である。上記実施形態の変形例として、本超音波診断装置1の技術的思想を医用画像処理装置50で実現する場合には、例えば図1の構成図における点線内の構成要素を有するものとなる。構造物特定機能における各処理は、第1の実施形態および第1の変形例と同様である。加えて、各実施形態に係る各機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1…超音波診断装置、11…装置本体、12…超音波プローブ、13…入力装置、14…表示部、21…超音波送信部、22…超音波受信部、23…Bモード処理部、24…ドプラ処理部、25…ボリュームデータ発生部、26…画像発生部、27…画像合成部、28…制御プロセッサ(CPU)、29…シネメモリ、30…インターフェース部、31…形状データ記憶部、32…内部記憶装置、33…特定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波プローブと、
前記超音波プローブを介して、被検体へ向けて超音波を送信する超音波送信部と、
前記送信された超音波に対応する反射波を受信し、前記受信された反射波に基づいて受信信号を発生する超音波受信部と、
前記受信信号に基づいて、所定の構造物を有する被検体のボリュームデータを発生するボリュームデータ発生部と、
前記所定の構造物に対応する形状を表す3次元データを記憶する形状データ記憶部と、
前記3次元データを用いて、前記ボリュームデータにおける前記所定の構造物を表す像を特定する特定部と、
を具備することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記3次元データと前記ボリュームデータとの類似度により、前記所定の構造物を表す像を特定すること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記ボリュームデータに基づいて、前記特定された所定の構造物を表す像の画素値を所定の値とする超音波画像を発生する画像発生部と、
前記発生された超音波画像を表示する表示部とをさらに具備すること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記形状データ記憶部は、前記形状を表すマーカをさらに記憶し、
前記ボリュームデータに基づいて、超音波画像を発生する画像発生部と、
前記超音波画像における前記所定の構造物を表す像に前記マーカを重ねる画像合成部と、
前記超音波画像に前記マーカが重ねられた画像を表示する表示部とをさらに具備すること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記画像発生部は、前記特定された所定の構造物を表す像のデータと前記ボリュームデータとに基づいて、前記所定の構造物に関する所定の断面に対応する超音波画像を発生し、
前記発生された超音波画像を表示する表示部をさらに具備すること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記ボリュームデータ発生部は、所定の時間間隔で連続して発生された複数の受信信号に基づいて、複数の受信信号にそれぞれ対応する複数のボリュームデータセットを発生し、
前記特定部は、前記3次元データを用いて、前記複数のボリュームデータセット各々における前記所定の構造物を表す像を特定すること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記所定の構造物は、穿刺針と焼灼針とのうち少なくとも一方であること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記ボリュームデータ発生部は、所定の位置間隔で連続して発生された複数の受信信号に基づいて、複数の受信信号にそれぞれ対応する複数のボリュームデータセットを発生し、前記発生された複数のボリュームデータセットを結合させて、前記ボリュームデータを発生すること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記所定の構造物は焼灼針であり、
前記形状データ記憶部は、前記焼灼針による焼灼範囲を表す焼灼マーカをさらに記憶し、
前記画像合成部は、前記超音波画像における前記所定の構造物を表す像に、前記焼灼マーカを合成すること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
所定の構造物を有する被検体のボリュームデータを記憶する内部記憶装置と、
前記所定の構造物に対応する形状を表す3次元データを記憶する形状データ記憶部と、
前記3次元データを用いて、前記ボリュームデータに含まれる前記所定の構造物を表す像を特定する特定部と、
を具備することを特徴とする医用画像処理装置。
【請求項11】
超音波プローブと、
前記超音波プローブを介して、被検体へ向けて超音波を送信する超音波送信部と、
前記送信された超音波に対応する反射波を受信し、前記受信された反射波に基づいて受信信号を発生する超音波受信部と、
前記受信信号に基づいて、所定の構造物を有する被検体のボリュームデータを発生するボリュームデータ発生部と、
前記所定の構造物に対応する形状を表す2次元データを記憶する形状データ記憶部と、
前記2次元データを用いて、前記ボリュームデータにおける前記所定の構造物を表す像を特定する特定部と、
を具備することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項12】
超音波プローブと、
前記超音波プローブを介して、被検体へ向けて超音波を送信する超音波送信部と、
前記送信された超音波に対応する反射波を受信し、前記受信された反射波に基づいて受信信号を発生する超音波受信部と、
前記受信信号に基づいて、被検体のボリュームデータを発生するボリュームデータ発生部と、
前記被検体の特定臓器に対応する形状を表す3次元データを記憶する形状データ記憶部と、
前記3次元データを用いて、前記ボリュームデータにおける前記特定臓器を表す像を特定する特定部と、
を具備することを特徴とする超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−99386(P2013−99386A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243960(P2011−243960)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】