説明

超音波診断装置

【課題】超音波診断装置において、その搬送時に簡易な機構で表示器の動きを確実に止めるようにする。
【解決手段】操作パネル18の奥側であって台座20の上面に、表示器拘束機構228が設けられている。表示器拘束機構228は、表示器に設けられたハンドル本体42Aを受け入れる受入溝234を有する固定部230と、固定部230に対して回転運動する回転部232と、を有する。ハンドル本体42Aが受入溝234に入った状態で、回転部232が回転すると、ハンドル本体42Aの上側がカバー部240で覆われる。その状態では、フック部材242が回転部232から外側へ突出し、上端部38Aに引っ掛かり、突っ張り棒として働く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波診断装置に関し、特に操作パネル及びその支持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
医療の分野において用いられる超音波診断装置は、一般に、本体(カート)と、本体に支持された操作パネルと、を有する。本体内には複数の電子回路基板や電源部が収容される。本体の底部には複数のキャスタが設けられる。操作パネルは、通常、スイッチ、ポインティングデバイス、回転つまみ、サブディスプレイ等を有する。操作パネルには、アーム機構を介して表示器が搭載されることもある。そのような構成では、操作パネル、アーム機構及び表示器が可動部を構成する。
【0003】
上記のような可動部が構成される場合において、超音波診断装置の搬送時(病院内搬送時、車両搬送時等)においては、安全性や装置保護の観点から、可動部を構成する各部材の動きを止めておく必要がある。すなわち、操作パネルが水平運動しないようにその位置や姿勢をロックしておくことが望まれ、加えて表示器が水平運動及び垂直運動しないようにその位置や姿勢をロックしておくことが望まれる。操作パネルの動きの禁止はそれを支持している支持機構が有するロック機構を動作させることによって行い得る。表示器の動きの禁止は従来においてアーム機構を構成する各部の動きを止めることによって間接的に行われている(特許文献1−4参照)。搬送時以外の例えば表示面清掃等のメンテナンス時においても表示器の動きを強制的に止める必要が生じることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007− 97775号公報
【特許文献2】特開2008−142331号公報
【特許文献3】特開2009−125371号公報
【特許文献4】特開2009−136692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アーム機構が有する2つのアームが上下に重なった状態において2つのアーム間に何らかの部材を掛け渡せば2つのアームの動きを止めることが可能である。しかし、その場合、2つのアームより先の運動、つまり表示器のチルト等や旋回までを止めることはできない。そこで、必要な可動箇所にその動きを止める機構を設ければアーム機構の全体にわたってその動きを完全に止めることができ、その結果、表示器の位置及び姿勢を保持することが可能である。しかし、そのような構成を採用すると、表示器の動きをロックするために複雑な機構あるいは多くの部品が必要となってしまうから、装置構成の複雑化、コストアップという問題が生じる。
【0006】
なお、超音波診断装置においては、フラットパネルディスプレイが多用されており、そのような表示器には通常、その前面側に位置や向きをユーザーが調整するためのハンドルを備えている。そのようなハンドルは、ユーザーをしてそれを握り持って表示器の位置及び向きの設定を容易に行えるような形態をもっており、また、そのような操作に耐えうる十分な強度を備えている。フラットパネルディスプレイの大型化傾向も指摘でき、そのような大きな表示器についてその動きを確実に止める手段の実現が要請されている。
【0007】
本発明の目的は、表示器の動きを簡便な機構で止めることができる超音波診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る超音波診断装置は、超音波診断のための複数の入力器を備えた操作パネルと、操作パネルの奥側に設けられた基台と、前記基台に搭載されたアーム機構と、前記アーム機構によって運動可能に支持され、ユーザーによって握られるハンドルを有する表示器と、前記基台あるいは前記操作パネルに設けられ、前記ハンドルを着脱可能に保持して前記表示器の動きを止める表示器拘束機構と、を含むことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、表示器に設けられているハンドルが前記表示器拘束機構によって保持され、それによって表示器が直接的に拘束される。その場合において、アーム機構の動作が別途ロックされてもよいが、そのようなロックがなされなくてもよい。ハンドルは表示器を操作する部材であって、それは一定の強度や剛性を有するから、ハンドルを掴んで表示器を固定する方式は原始的ではあるかも知れないが極めて合理的な方式である。つまり、ハンドルを掴むだけでよいので簡便な機構で表示器を拘束することができる。
【0010】
望ましくは、前記ハンドルは、前記表示器の前面側下部に設けられ前記表示器の左右方向に沿って伸長した棒状のハンドル本体を有し、前記表示器拘束機構は、前記ハンドル本体を受け入れる上方に開いたハンドル溝と、前記ハンドル溝内へ前記ハンドル本体が落とし込まれた場合において当該ハンドル本体の上側に回り込んで当該ハンドル本体を包み込むカバー部材と、を含む。この構成では、棒状のハンドル本体を上方からハンドル溝へ落とし込むだけでハンドルの位置決めを完了することができる。その上でカバー部材によってハンドル本体の上側を覆うことによりハンドルの離脱を防止して安定した保持状態を形成できる。ハンドル本体は例えば棒状であるから、カバー部材を円筒形状で構成し、それを回転運動させるのが望ましい。
【0011】
望ましくは、前記表示器拘束機構は、更に、前記カバー部材が前記ハンドル本体の上側に回り込んだカバー状態となった場合に前記カバー部材の復帰を規制する規制手段を備える。この構成によれば規制手段によってカバー部材の復帰を防止することができるから、超音波診断装置に振動等が生じても、表示器の拘束状態を安定的に維持することが可能となる。
【0012】
望ましくは、前記操作パネルは、手前側の第1操作部とその奥側から立ち上がる第2操作部とで構成され、前記基台は、前記第2操作部の裏面中間位置に連結された引出端部を有し、その引出端部から奥側へ伸長し、前記表示器拘束機構は、前記引出端部の上面と前記第2操作部の上部背面とに挟まれる空間に設置される。この構成によれば、デットスペースを活用でき、またユーザーに対して表示器拘束機構の全部又は一部を隠すことができるから見映えを良くできる。もっとも、ユーザーが立った状態では操作パネルの奥側を視認可能であり、また手をさし入れることも容易である。
【0013】
望ましくは、前記規制手段は、前記カバー状態にあるカバー部材と前記第2操作部の上部とを機械的に連結することによって前記カバー部材の復帰運動を規制する。この構成によれば操作パネルの上端部に他の役割をもたせることができ、上端部と基台とで挟まれる三角形の空間あるいは構造を旨く活用することができる。
【0014】
望ましくは、前記カバー部材は水平回転中心軸回りにおいて回転運動する部材であり、前記規制手段はその作動状態において前記カバー部材の中に収容され、その作動状態において前記カバー部材の中から外側へ突出して前記第2操作部の上部との間で突っ張り部材として働き、前記規制手段を突出方向に付勢する付勢手段が設けられる。
【0015】
本発明に係る装置は、超音波診断のための電子回路が収容された本体と、前記本体に設けられたアーム機構と、前記アーム機構によって運動可能に支持され、ユーザーによって握られるハンドルを有する表示器と、前記本体又は前記本体によって運動可能に支持された可動体に設けられ、前記ハンドルを着脱可能に保持して前記表示器の動きを止める表示器拘束機構と、を含む。望ましくは、本体は、複数のキャスターを備えたカートであり、その上面等にアーム機構(支持機構)が直接的に設けられ、それによって表示器が支持される。表示器のハンドルが表示器拘束機構によって機械的に保持され、それによって表示器が拘束される。表示器拘束機構は本体に設けられ、あるいは、本体に可動に支持された可動部(望ましくは操作パネル又はそれに連なる構造物)に設けられる。前者の場合には例えば本体上面に表示器拘束機構が設けられる。後者の場合には可動部にその動きを止めるロック機構を設けるのが望ましい。すなわち、可動部のロック状態で表示器拘束機構を機能させるのが望ましい。後に詳述する実施形態の変形例として、図1等に示した本体に対して直接的にアーム機構を配置した態様をあげることができ、そのような態様では表示器拘束機構が本体又は可動部に設けられる。いずれにしても表示器のハンドルを表示器の機械的拘束で利用する点において共通の技術的特徴が認められる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、表示器に設けられているハンドルを使って、表示器の動きを簡便な機構で止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態に係る超音波診断装置を示す第1斜視図である。
【図2】実施形態に係る超音波診断装置を示す第2斜視図である。
【図3】可動部の位置及び姿勢を変更する可動機構を示す概略的な側面図である。
【図4】操作パネルが上昇し且つ前進した状態を示す概略的な側面図である。
【図5】斜め上から見た可動機構を示す第1分解斜視図である。
【図6】斜め下から見た可動機構を示す第2分解斜視図である。
【図7】上下反転されている左右スライド機構を示す斜視図である。
【図8】前後スライド機構を示す斜視図である。
【図9】前後スライド運動をロックする機構を示す斜視図である。
【図10】回転運動時に摺動抵抗を与える制動機構を示す斜視図である。
【図11】前後スライド位置に応じた回転可能角度範囲の変化を説明するための図である。
【図12】回転制限機構の動作例を示す図である。
【図13】回転制限機構の他の実施形態を示す斜視図である。
【図14】操作パネル及び表示器の状態の第1例を示す上面図である。
【図15】操作パネル及び表示器の状態の第2例を示す上面図である。
【図16】操作パネル及び表示器の状態の第3例を示す上面図である。
【図17】ホームポジションロック機構を示す断面図である。
【図18】シャッタ機構の断面図である。
【図19】シャッタ機構の下部構造を示す図である。
【図20】シャッタ機構の中間部構造を示す図である。
【図21】シャッタ機構の上部構造を示す図である。
【図22】シャッタ機構の動作を説明するための図である。
【図23】表示器拘束機構の作動前状態を示す断面図である。
【図24】表示器拘束機構の作動状態を示す断面図である。
【図25】姿勢補正機構を示す部分断面図である。
【図26】姿勢補正機構の動作を説明するための図である。
【図27】アーム列の運動端が垂れ下ることによる表示器傾斜と姿勢補正機構の作用とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
(1)超音波診断装置の基本構成(図1−4)
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されている。この超音波診断装置は、医療の分野において用いられ、生体(特に人体)に対して超音波の送受波を行って受信信号を取り込み、その受信信号に基づいて超音波画像を形成する装置である。
【0020】
超音波診断装置10は、本体12、可動部14及び可動機構16を有している。本体12は、箱型の形態を有し、その内部には複数の電子回路基板や電源部が収容されている。本体12の下部は前方へやや突出しており、本体ベース12Aが構成されている。本体ベース12Aの下側には4つのキャスタ26が設けられている。本体ベース12Aにおける張り出し部分は足置きとして機能する。本体12は前面12B、側面12C及び上面12Dを有する。前面12Bから上面12Dにかけて丸みをもった凸型コーナー面が構成されている。前面12Bにはコネクタユニット28が設けられており、そのコネクタユニット28は複数の本体側コネクタによって構成されている。
【0021】
各本体側コネクタにはプローブが着脱自在に装着される。具体的には、プローブは、プローブコネクタ(コネクタボックス)、プローブケーブル、プローブヘッドにより構成される。プローブコネクタがいずれかの本体側コネクタに装着される。本体ベース12Aには後に説明する支柱が設けられており、その支柱は支柱カバー30によって覆われている。支柱は本体12の前面側であって左右方向中央に設けられている。本体12の後端部には取手12Eが設けられている。
【0022】
可動機構16は後に説明するように、昇降機構、左右スライド機構、前後スライド機構及び回転機構を備えている。左右スライド機構、前後スライド機構及び回転機構が階層的関係をもって設けられており、それらが水平運動機構を構成している。図1において、符号34はホーム位置ロック機構の一部を構成するつまみを表している。
【0023】
可動部14は本実施形態において、操作パネル18、台座20、アーム機構22及び表示器24により構成される。操作パネル18は第1操作部36とその奥側から立ち上がった第2操作部38とにより構成されている。第1操作部36は第1操作面を有し、第2操作部38は第2操作面を有する。第1操作面上には複数のスイッチ等が配置されており、第2操作面にはサブディスプレイ等が設けられている。第1操作面の傾斜角度よりも第2操作面の傾斜角度の方が大きい。第1操作部36の前側にはハンドル18Aが設けられている。そのハンドル18Aは手首あるいは手首付近を置くパームレストとしても機能する。
【0024】
操作パネル18の奥側には奥行方向に伸長した台座20が設けられており、その台座20にはアーム機構22が搭載されている。アーム機構22は表示器24の位置及び姿勢(向き)を可変するための機構である。表示器24はフラットパネルディスプレイとして構成されており、符号40は表示器本体を表している。その表示器本体40の前面側下部には弓形を有するハンドル42が設けられている。ユーザはそのハンドル42を握って表示器24を位置決めすることができ、また表示器24を所望の姿勢に定めることが可能である。ちなみに、ハンドル18Aを握ってそれを水平方向に運動させることにより、可動部14の左右方向、前後方向の位置を定めることができ、また、可動部14を所定の回転軸を中心として回転運動をさせることが可能である。なお、第2操作部38の奥側であって、台座20の取付端の上面には表示器拘束機構が設けられている。
【0025】
図2には、図1に示した超音波診断装置を斜め後方から見た状態が示されている。超音波診断装置10は上述したように可動部を有しており、その可動部は操作パネル18、台座20、アーム機構22及び表示器24を有している。可動部は本体12によって支持されるものであり、具体的には、後述する可動機構を介して本体12によって支持されている。
【0026】
アーム機構22について詳述する。台座20の後端部20Aには第1旋回部44が設けられている。第1旋回部44には第1アーム46の一端が設けられており、第1アーム46の他端には第2旋回部48が設けられている。第2旋回部48上には起立した短尺の中間アーム50が搭載されており、中間アーム50の上端は第2アーム52の一端に連結されている。第2アーム52は傾斜運動可能な平行リンクを有するアームであり、その他端には第3旋回部54が設けられている。さらに、第3旋回部54と表示器24との間にはチルト部56が設けられ、そのチルト部56と表示器24との間には後に説明する姿勢補正機構58が設けられている。
【0027】
第1アーム46は水平アームであり、その他端側は上方に若干反り上がっている。アーム機構22において、第1旋回部44からチルト部56までがアーム機構本体を構成しており、その先に上述した姿勢補正機構58が設けられている。姿勢補正機構58は、後に説明するように、アーム機構22において表示器側端部が垂れ下がって見かけ上表示器24が傾斜あるいは回転したような状態になった場合に、そのような傾斜あるいは回転をキャンセルするための機構である。
【0028】
図3には、可動機構16の原理が示されている。図3は概略的な構成を示す図であり、各機構の詳細については図5以降に示されている。本体12は上述したように前面12B及び上面12Dを有し、前面12Bから上面12Dにかけて丸みをもった凸型コーナー面12Fが構成されている。可動機構16は、昇降機構60及び水平運動機構68を有している。水平運動機構68は左右スライド機構62、前後スライド機構64、回転機構66等を有するものである。それらは上述したように積み上げられて階層構造が構成されている。
【0029】
昇降機構60は、固定柱70と可動柱72とからなる支柱を有する。可動柱72は上下方向に運動可能に固定柱70によって保持されている。符号73はそのための保持部材を示している。可動柱72の上端部72Aには昇降運動する可動ベース74が連結されている。可動ベース74は上端部72Aから前方に広がった水平プレートである。
【0030】
可動ベース74上には左右スライド機構62が搭載されている。左右スライド機構62は、前後方向に並んだ一対のレール78とそれらを受け入れて左右方向のスライド運動を許容する一対のレール溝76とを有している。ちなみに符号86はホーム位置ロック機構を表しており、それはつまみ34を有している。ホーム位置ロック機構86については後に詳述する。
【0031】
前後スライド機構64はセンターケース79を有している。その底面は左右スライドベースである。左右スライドベースには一対のレール80が設けられており、その一対のレール80は左右方向に並んで設けられている。一対のレール80上にはスライダ82が搭載されている。そのスライダ82は前後スライドベースを構成するものであり、その前後スライドベース上には回転機構66が搭載されている。ちなみに左右スライドベースと操作パネル18との間には後に説明する回転制限機構65が設けられている。また、センターケース79の上面側に生じる開口部を開閉するためのシャッタ機構84が設けられている。それについても後に詳述する。回転機構66は回転中心軸67周りにおいて操作パネル18すなわち可動部14を回転させる機構である。回転中心軸67は、具体的には、左右スライド機構62及び前後スライド機構64によって定められる左右及び前後のスライド位置(2次元位置)に位置決められる。
【0032】
操作パネル18は、上述したように第1操作部36及び第2操作部38を有し、その前面側にはハンドル18Aが設けられている。操作パネル18の底壁に回転機構66における回転部材(ローター)が連結されている。台座20は取付部20Bと後端部20Aとを有している。取付部20Bは操作パネル18の背面側中間位置に連結されており、そこから台座20が奥側へ伸長し、その端部が上記の後端部20Aである。取付部20Bの上面20Dには後に説明する表示器拘束機構が設置される。台座20の下面20Cは側面方向から見て凹型に湾曲している。
【0033】
図3においては可動部14がホームポジションにあり、すなわち可動部が最下端、後進端、左右方向センター位置にあり、また回転角度は0度である。そのような場合において、本体12における前面12Bから上面12Dにかけての丸みをもった凸型コーナー面12Fに、同じく丸みを持った凹型湾曲面である下面20Cが近接している。このような両者の位置関係により本体12への可動部14の衝突が回避されると同時に操作パネル18を本体12の前面側であってできるだけ下方位置に位置決めることが可能となる。
【0034】
図3において、回転中心軸67から操作パネル18の前端までの長さがL1で示されており、回転中心軸67から台座20の後端までの長さがL2で示されている。図示されるように、L1よりもL2の方が大きい。したがって、操作パネル18について着目した場合に、可動部を回転運動させても操作パネル18を小回りさせることができ、その一方において、台座20を大きく旋回させて表示器の可動領域を大きくすることが可能となる。ちなみに上面12Dから操作パネル18の最下位置までの距離がh1で表されており、上面12Dから可動ベース74の下面位置までの距離がh2で表されている。本実施形態においてはh1及びh2で示されるように操作パネル18の最下位置を引き下げることができ、また水平運動機構68の厚みが小さくされているから、水平運動機構68の下方に常に大きな空間を形成することが可能である。支柱と可動ベース74は側面から見て倒立したL字型を有しており、そのような構成と相まって、水平運動機構68の下方に十分な空間を形成することが可能である。そのような空間にユーザの足を差し込んだりすることができる。
【0035】
上述したように水平運動機構68は階層構造を有している。そのような観点から見て、可動ベース74は最下層を構成し左右スライドベースが下層を構成し、前後スライドベースが中間層を構成し、回転ベースが上層を構成する。そして操作パネル18の底壁が最上層を構成する。本実施形態においては、そのような階層構造を前提として簡易な機構によって回転制限等を行える。これについては後に説明する。
【0036】
図4には、上昇した位置にありかつ前進端にある可動部14が示されている。ちなみに、可動部14の回転角度は0度である。センターケース79の中には前後スライド機構64及び回転機構66の主要部分が収容されている。センターケース79の右側及び左側にはそれぞれサイドケース88が設けられている。サイドケース88は左右スライド機構62の右端部及び左端部を覆うカバーであり、具体的にはサイドケース88は上側カバー88Aと下側カバー88Bとによって構成されている。サイドケース88はセンターケース79に固定されており、センターケース79の左右方向の運動とともにサイドケース88も左右方向に運動する。なお、センターケース79とサイドケース88Aを一体型にすることも可能である。
【0037】
センターケース79の上面は開放されており、その中央部分が回転機構66における回転部材の通路となっている。可動部14が前進端に位置した場合、操作パネル18の後側に大きな開口部79Aが露出することになる。そのような開口部79Aの露出が生じると見栄えが悪いし、また安全性低下あるいは異物進入といった問題が生じることになる。そこで本実施形態においては後に説明するシャッタ機構84が設けられている。そのようなシャッタ機構84によって、露出した開口部79Aを閉じることにより、符号92で示すように外部からの異物の進入が阻止される。左右スライド機構62は上述したようにサイドケース88によって覆われているから、符号90で示されるように、そのような機構も外力等から保護される。
【0038】
このように本実施形態においては、各種機構がセンターケース79及びサイドケース88によって覆われており、それによって安全性等が高められている。また操作パネル18の前進運動にともなって必然的に生じる開口部分については、シャッタ機構84によってそれが特別に閉じられている。
【0039】
(2)可動機構(図5−13)
次に、図5及び図6を用いて可動機構を詳しく説明することにする。まず図5を参照する。
【0040】
昇降機構60は既に説明したように支柱94と可動ベース74とを有している。支柱94は固定柱70と可動柱72とからなるものである。左右スライド機構62はセンターケース79を有し、その右側及び左側には一対の上側部分88bが設けられている。それらはサイドケースの一部分を構成するものである。サイドケースの下側部分については図示省略されている。センターケースとサイドケースとをあわせて機構ケースが構成されている。センターケース79の底壁は左右スライドベース96である。
【0041】
前後スライド機構64は一対の前後スライドレール98を有している。各前後スライドレール98は前後方向に伸長した部材である。一対の前後スライドレール98上には前後スライドベース100が搭載されている。具体的には、一対の前後スライダ102の上に前後スライドベース100が前後方向に移動自在に設けられている。更に説明すると、左右スライドベース96上には上述した一対の前後スライドレール98が固定され、またブロック104及びガイド軸110が固定される。ブロック104は後に説明するように凸部106,108を有している。凸部106,108はそれぞれローラーであって、回転制限機構の一部を構成するものである。
【0042】
回転機構66は、非回転ベース(ステータ)112、回転体(ロータとしての回転ベース)114、非回転ギア116を有している。回転体114は回転中心軸周りにおいて回転運動するものであり、それは操作パネル18の底壁119に連結される。非回転ベース112と非回転ギア116は一体的に連結されている。センターケース79の上面は開放されており、その上面は回転体114を含むアセンブリの運動空間となっている。そのような開口部を必要に応じて塞ぐためにシャッタ機構84が設けられている。図5においてシャッタ機構84は閉状態となっているが、前後スライドベース100が後進端にある場合にはシャッタ機構84は開状態となる。前後スライドベース100が前進端にある場合においてシャッタ機構84は図5に示すように閉状態となる。
【0043】
操作パネル18はパネルフレーム118を有しており、それは底壁119を有している。パネルフレーム118はその前側にハンドル部分118Aを有し、その内部は中空となっている。底壁119の中央のやや後方側には開口部119Aが形成されている。その開口部119Aに回転体114が取り付けられ、開口部119Aを介して非回転ギア116がパネルフレーム118の内部に進入する。
【0044】
取付部20は後端部120を有し、そこには旋回機構を搭載するため及びケーブルを通過させるための開口部20Eが形成されている。開口部20Aに連なって溝としての通路20Fが形成されている。それは本体への可動部の設置後においてケーブルを外部から後端部内に差し込むためのものである。
【0045】
ハンドル部分118が有する中空部分には、リリースレバー124が配置され、また必要に応じてケーブル126,128が配置される。リリースレバー124は、本実施形態において左右スライド機構62及び前後スライド機構64の動作が停止状態すなわちロック状態にある場合においてそのロック状態を解消する際に操作されるものである。ロック状態は軸部材を一定の力をもって掴むことにより形成され、その際において摩擦抵抗を大きくすることによりロック状態が形成されている。制動機構120はパネルフレーム118における底壁119上に設置されるものであり、それは非回転ギア116と係合し、操作パネル18の回転運動にともなって一定の制動力を働かせるものである。その摩擦抵抗は比較的大きく、表示器に対して外力が及んでアーム機構が運動しても、操作パネル18が自然に回転運動することはない。ちなみにケーブル122は制動機構120をロック機構として働かせる場合においてその操作を行うためのものである。
【0046】
図6には、可動機構を斜め下から見た分解斜視図が示されている。既に説明したように、下方から上方にかけて、左右スライド機構、前後スライド機構、回転機構、操作パネルが積み上げられている。左右スライド機構62について説明する。左右スライドベース96は水平プレートであり、その下面側には一対の左右スライドレール130が設けられている。各左右スライドレール130は左右方向に伸長した部材である。また左右スライドベース96にはガイド軸132が取り付けられている。符号134は左右スライドロック機構を表しており、ガイド軸132を掴むことにより左右方向のスライド運動がロックされている。また符号136はホームポジションロック機構を示しており、これについては後に説明する。符号128はレール台を有しており、そのレール台は可動ベース74に固定されるものである。レール台128上において左右スライドベース96が左右方向に自在に運動する。その左右スライドベース96上において前後スライド機構64によって回転機構が前後方向に自在にスライド運動する。
【0047】
操作パネルの底壁119にはその下面側から下方に突出した枠体140が形成されている。すなわち底面119B上には枠体140が形成されている。枠体140は運動子としての凸部ペア138を収容しかつ運動させる運動領域142を画定するものである。この枠体140と凸部ペアとしての運動子138とにより回転制限機構が構成されている。回転制限機構は操作パネルの前後方向のスライド位置に応じて回転可能角度範囲を可変設定する機構である。本実施形態においては後進端に操作パネルがある場合に回転可能角度範囲がゼロとされており、そこから前進端にかけて回転可能角度範囲が徐々に増大されている。そのような変化を規定するために枠体140は前側から後側にかけて徐々に広がった左右幅を有している。なお、図6においてもシャッタ機構84はその閉状態が示されている。前後スライド機構64において前後スライドベースが後進端にある場合、シャッタ機構84は上述したように開状態となる。底壁116には開口部119Aが形成されており、その中には回転体114の一部が差し込まれる。
【0048】
次に図7〜図11を用いて上述した各機構の個別説明を行う。
【0049】
図7には左右スライド機構62が示されている。ただし左右スライドベース96は上下に反転して表されている。左右スライドベース96の下面側には上述したように一対の左右スライドレール130が設けられている。一対の左右スライドレール130は前後方向に一定の間隔をもって設けられている。一対の左右スライドレール130はレール台128と係合しており、レール台128に対して左右スライドベース96が左右方向に運動可能である。レール台128には左右スライドロック機構134 が搭載されている。左右スライドロック機構134はガイド軸132を掴むことにより左右方向のスライド運動をロックするための機構である。その操作力はケーブル136によって与えられ、あるいはバネ等によって与えられる。実際にはケーブル136によってリリース力が与えられる。左右スライドロック機構134はガイド軸132を掴むためのスライドブロック138を有し、その前面側は係合面140となっている。係合面140はホームポジションロック機構が有する水平ピンを受け入れる係合孔を有している。その係合孔の右側及び左側は斜面となっている。
【0050】
図8には前後スライド機構64が示されている。前後スライド機構64は一対の前後スライドレール98を有する。それらは左右方向に一定の距離をおいて設けられている。また前後スライド機構64はガイド軸110を有している。ガイド軸110の前端側にはブロック104が設けられ、当該ブロック104は左右スライドベースに固定される。前後スライドレール98上には一対のスライダ142を介して前後スライドベース100が搭載されており、その前後スライドベース100は前後方向に運動可能である。前後スライドベース100上には非回転ベース112が搭載されている。非回転ベース112の中央部分には空洞部が形成され、そこには前後スライドロック機構144が配置されている。前後スライドロック機構144は図9に示すようにガイド軸110を掴むことにより前後方向のスライド運動をロックする機構である。そのような操作力を与えるためにケーブル146が設けられ、あるいはバネ機構が設けられ、具体的にはケーブル146はリリース力を伝達している。
【0051】
図8に戻って、前後スライドベース100上には、左右方向に一定の距離をおいて一対のスライドピン220が突出形成されている。各スライドピン220はシャッタ機構の重要な要素を成すものであり、それは上方に突出した部材である。前後スライドベース100が前後方向に運動すると、それに伴って一対のスライドピン220が前後方向に運動し、前後方向のスライド位置に応じて一対のスライドピン220が作用してシャッタプレートの開き度合いを決定する。これについては後に説明する。
【0052】
図10には制動機構120の一例が示されている。回転体114は底壁に固定連結される。すなわち回転体114とともに操作パネルは自在に回転運動することが可能である。非回転ギア116には一対のラック、すなわち第1ラック148及び第2ラック150が係合している。第2ラック150はブロック151によって軸方向に運動可能に保持されている。第2ラック150には一対のアーム部材152を介してガイド軸154が連結されており、ガイド軸154上には一対のスライダ156が設けられている。それらのスライダ156には第1ラック148が固定されている。ガイド軸154の中央部分には掴み部158が設けられ、その掴み部158は第1ラック148に固定されている。
【0053】
操作パネルが回転すると非回転ギア116に係合している第1ラック148及び第2ラック150が相対的に逆方向にスライド運動する。その場合においては掴み部158に対してガイド軸154もスライド運動することになる。掴み部158において一定の制動力を働かせれば、ガイド軸154のスライド運動が制限されることになり、すなわち操作パネル回転運動に対して制動力が及ぶことになる。ケーブル122は掴み部158の動作を制御するためのものであるが、掴み部158において常時、制動力を働かせる場合にはそのようなケーブル122は不要である。2つのラックではなく、1つのラックを設けてもよい。
【0054】
図11にはリリースレバー124が示されている。リリースレバー124はユーザによって操作される部材であり、複数のロック機構を一括してリリース(アンロック動作)させることが可能である。すなわちワイヤ160,162がガイド164を介してリリースレバー124の回転軸に巻き付けられており、同じくワイヤ166がガイド168を介してリリースレバー124の回転軸に巻き付けられている。したがって、リリースレバー124を握れば3つのロック機構を同時にリリース状態にすることができる。ただし本実施形態においては回転機構については常時制動力が及ぼされており、リリース機構が実際に機能するのは左右スライド機構及び前後スライド機構である。すなわち、実際には2つのワイヤだけがリリースレバー124の回転軸に巻き付けられている。もちろん、リリースレバー124の動作によりロック動作を行わせることもできる。いずれにしてもこのような構成により1つのアクションで複数のロック(アンロック)動作を行わせることができるから簡便であり操作性がよい。
【0055】
図12には回転制限機構の作用が示されている。(A)には操作パネルが後進端にある状態が示されており、(B)には操作パネルが前後方向における中間位置にある状態が示されており、(C)には操作パネルが前進端にある状態が示されている。ちなみに、図12において、左側が操作パネルの前側に対応しており、右側が操作パネルの後側に対応している。符号67は回転中心軸を表している。
【0056】
(A)において、枠体140は運動子138の運動領域142を画定するものであり、具体的には枠体140は規制壁170によって構成されている。運動領域142に着目した場合、その左右方向の幅dは前側から後側にかけて徐々に増大している。符号142Aは前側位置を示しており、符号142Bは中間位置を示しており、符号142Cは後側位置を示している。(A)においては運動領域142の前端に運動子138が位置しており、それは左右方向に運動できる状態にはなく、すなわちそのようなホームポジションにおいて操作パネルの回転運動は禁止される。換言すれば、回転可能角度範囲がゼロとされる。このように後進端に操作パネルがある場合においてその回転運動が規制されるので、可動部が本体に衝突するといった問題を回避することが可能である。
【0057】
(B)においては運動子138が中間位置にあり、すなわち操作パネルが前方に中間的に引き出されている。そのような状態においては運動子138は一定の範囲にわたって左右方向に具体的には円弧方向に運動することが可能である。(C)においては操作パネルが前進端まで引き出されており、そのような状態においては、運動子138が左右方向に具体的には円弧方向に最大限運動することが可能であり、大きな回転可能角度範囲が設定されている。
【0058】
このように回転制限機構によれば操作パネルの前後方向のスライド位置に応じて回転可能角度範囲を適応的に設定することができるから、可動部と本体との衝突を防止しつつ、スライド位置にふさわしい角度範囲を設定できるという利点が得られる。特に、操作パネルが前進端あるいはその付近にある場合には非常に大きな回転が許容されるので、使い勝手を極めて良くできるという利点が得られる。
【0059】
図13には回転制限機構の他の実施形態が示されている。左右スライドベース172上には一本の前後スライドベース176が設けられ、また所定部材を介して2つのガイド軸178が設けられている。前後スライドレール176上には前後スライドベース174が搭載されている。また左右スライドベース172上には枠体186が設けられている。そのような枠体186は接触子182の運動領域を画定するものである。枠体186の左右方向の幅は後側から前側にかけて増大している。すなわち図12に示した枠体とはサイズの変化が逆となっている。
【0060】
回転体すなわち回転ベース180には連結軸184を介して上記の接触子182が設けられている。図13においては、操作パネルが後進端にある状態が示されており、すなわち接触子182は最も後側の位置にあり、枠体186によって接触子182の左右方向運動が完全に規制されている。すなわち、そのようなホームポジションにある時には操作パネルの回転運動が禁止される。操作パネルを前方にスライド運動させると、接触子182が左右方向に運動することが許容される。つまり、操作パネルの回転が枠体186の左右幅に応じて許容されることになる。
【0061】
(3)セッティング例(図14−16)
次に、図14〜16を用いて各種のセッティング例について説明する。図14において、操作パネル18の前側にはハンドル18Aが設けられており、ユーザーはそのハンドル18Aを握って可動部14を動かすことにより、操作パネル18の位置や姿勢を所望のものにすることができる。また、それとは別に、表示器24にはハンドル42が設けられており、そのハンドル42を握って表示器24を移動させることにより、当該表示器24を所望の位置及び姿勢にすることが可能である。上述したように、可動部14を支持している可動機構は通常時においてロック状態あるいはフリクションが働いた状態とされており、それはアーム機構においても同じではあるが、本実施形態においてはアーム機構における制動力よりも可動機構における制動力の方が常に大きくなるように設定されているため、表示器24を動かした場合において可動部14が自然に動いてしまうことはない。
【0062】
図14においては操作パネル18が左右方向のセンター位置にあり、また前後方向においては後進端にある。旋回角度は0度となっている。すなわち操作パネル18はホームポジションにある。一方、アーム機構22の作用により表示器24は操作パネル18の上方まで引き出されている。
【0063】
図15には、図14に示した可動部の状態から左方向へ当該可動部をスライド運動させた状態が示されている。さらに、図16には、図14に示す状態から操作パネル18を前方にさらに右側に引き出した上で、操作パネル18を反時計回り方向に旋回させた状態が示されている。その他に、操作パネルを右端かつ前進端に位置決めした上で、操作パネル18を時計回り方向に旋回させることにより、本体からある程度離れているユーザーが半身の姿勢になった場合においても、そのユーザーの正面に操作パネルを位置決めし、さらにその操作パネルをユーザーに向けることが可能となる。また、本実施形態においては表示器を本体の後方まで移動させてさらに後側に向けさせることが可能である。また表示器を本体の右側に位置させるとともに、それを引き下げて、ベッド上のユーザーの頭部付近に表示器を位置決めすることも可能である。すなわち本実施形態においては台座が奥行き方向に伸長しており、またアーム機構22におけるそれぞれのアームがある程度の長さを有しているため、表示器24の可動域がかなり大きくなっている。
【0064】
(4)ホーム位置ロック機構(図17)
次に、図17を用いてホームポジション(ホーム位置)ロック機構136について説明する。ホームポジションロック機構136は、操作パネルすなわち可動部がホームポジションにある場合において、左右方向及び前後方向の両方向のスライド運動を禁止するための機構である。この状態においては、リリースレバー124を握っても操作パネルが可動することはない。
【0065】
つまみ34は軸188に繋がっており、つまみ34を回転させると軸188が回転し、その回転によりカム部材190が回転運動する。ちなみにこのカム部材190及びその周辺構造については簡略的に表現されている。カム部材190の作用により水平ピン192が前方へ繰り出される。水平ピン192はバネ196によって前方へ付勢されている。逆に言えば水平ピン192は一定距離後退運動をすることが可能である。
【0066】
可動ベース上にはスライドブロック138が設けられ、その前面は係合面140である。そこには係合孔194が設けられている。係合孔194の右側及び左側は斜面となっている。したがって水平ピン192が突出した状態において、左右スライドベース196が水平に運動してセンター位置に到達すると、係合面140に形成された斜面を水平ピン192の先端部分がせり上がって、最終的に係合孔194内に水平ピン192の先端部分が入り込むことになる。その状態では、左右スライドベース96の左右方向運動を行うことはできず、すなわち左右方向のロック状態となる。
【0067】
一方、軸188の回転運動により、垂直方向に伸びた部材198が上方に突き上げられ、それによって第1垂直ピン202及び第2垂直ピン206が上方に突き上げられる。ただし第1垂直ピン202と第2垂直ピン206との間にはばね204が介在しており、第1垂直ピン202に対して第2垂直ピン206は上方へ付勢されている。このように、ブロック104内には上下方向に貫通する構造が形成されており、第1垂直ピン202の上方への突き上げ運動力がばね204を介して第2垂直ピン206へ与えられている。第2垂直ピン206の上部は突部108となっており、それはローラーである。枠体140は上述したように突部108の運動空間を画定するものであり、枠体140におけるホームポジションに対応する位置には凹部142aが形成されている。凹部142aは窪みであって、すなわち底面119Bよりも上方に引っ込んだ形態を有している。したがって、つまみ34が操作されると、突部108に対しては常時上方への付勢力が働くことになり、突部108は底面119Bに当たりながら水平運動する。そして突部108が凹部142aに入り込んだ時点で突部108の水平運動は禁止され、すなわち左右スライドベース96に対して底壁119が固定されることになる。その状態では前後方向のスライド運動及び回転運動は禁止される。このように、つまみ34の操作を行うだけで、左右方向のロック及び前後方向のロック、加えて回転方向のロックを行うことが可能である。しかもつまみ34の操作はセンター位置あるいは前端位置にない状態においても行うことができ、スライド運動においてセンター位置が得られた場合に自然にロック状態が形成され、また後進端にあって回転角が0度となった時点において自動的に前後方向及び回転方向のロック状態を形成することが可能である。本実施形態においてはこのように階層関係を利用して複数の層を貫通して作用力を及ぼすことにより一括ロック機構が実現されている。
【0068】
(5)シャッタ機構(図18−22)
次に、図18〜図22を用いてシャッタ機構について詳述する。図18において、左右スライドベース96上には一対の前後スライドレール98が設けられ、それらの上には前後スライドベース100が搭載されている。図18においては前後スライドベース100は前進端にある。前後スライドベース100上には回転体114が回転自在に搭載されており、さらに非回転ギア116が設けられている。回転体114は底壁119に形成された円形台座119Bに嵌め込まれており、そのような嵌め込み状態において底壁119と一体化されている。非回転ギア116は開口部119Aを介してパネルフレーム内に進入している。前後スライドベース100と底壁119との間にはわずかな隙間しか存在しておらず本実施形態においてはそのような隙間にシャッタ機構84が配置されている。シャッタ機構84は左右スライドベース96に連結されてもよいし、センターケース内に落とし込まれてもよい。シャッタ機構84は一対の下部プレート208、一対の第1シャッタプレート210、一対の第2シャッタプレート212、一対の上部プレート214を有している。それぞれのプレート208,210,212,214はシート状の薄い部材であり、例えば黒色を有する樹脂によって構成されている。それぞれのプレートが不透明な部材で構成されるのが望ましい。
【0069】
一対の下部プレート208上には一対の回転軸218が設けられている。一対の回転軸218は左右方向に隔てられて設けられている。各回転軸218は第1シャッタプレート210及び第2シャッタプレート212の回転軸として機能するものである。一対の回転軸218と一対の上部プレート214とが固定連結されてもよい。一対の下部プレート208、一対の第1シャッタプレート210、一対の第2シャッタプレート212には後に説明するようにそれぞれのプレートに1つピン溝が形成されており、それぞれのピン溝にはスライドピン220が挿入される。前後スライドベース100には左右方向に隔てられて一対のスライドピン220が設けられている。一対のスライドピン220は前後スライドベース100の前後方向のスライド運動に伴いスライド運動するものである。これに対し、一対の回転軸218は前後方向にはスライド運動しないものである。ただし左右方向にはスライドベース96の運動に伴ってスライド運動する。符号216で示されるように、メインケースの上部開口は回転体114の運動空間とされており、すなわち操作パネルの後側には露出した開口部分が生じ、符号216で示されるようにそのような開口部分を通じて内部機構があらわになってしまうという問題がある。シャッタ機構はそのような開口部分を操作パネルの前後方向のスライド運動に伴って隠蔽する機構である。
【0070】
図19には、一対の下部プレート208が示されている。図19において上側が操作パネルの前方向であり、下側が操作パネルの後側である。図19においては前後スライドベース100が前進端にある。各下部プレート208は直線状のピン溝222を有している。前後スライドベース100には左右方向に隔てられた一対のスライドピン220が設けられている。それとは別に、一対の回転軸218が固定軸として設けられている。
【0071】
図20には、一対の第1シャッタプレート210が示されている。各第1シャッタプレート210は回転軸218を回転中心として回転運動をするものである。それぞれの第1シャッタプレート210にはピン溝224が形成されている。各ピン溝224は屈曲した形態を有しており、図20は直線的な部分とそこから内側に向かった部分とが示されている。図20においては一対の第1シャッタプレート210は閉状態にある。開状態にある一対のシャッタプレートが符号210Aで示されている。一対の第1シャッタプレート210は、露出する空間部分において特に奥側エリアの隠蔽を担当するものである。
【0072】
図21には一対の第2シャッタプレート212が示されている。それぞれの第2シャッタプレート212は回転軸218を回転中心として回転運動するものである。各第2シャッタプレート212はピン溝226を有している。図21に示す状態においてピン溝226は内側に絞り込まれた部分とストレートな部分とにより構成されている。すなわちピン溝226は屈曲した形態を有している。図21においては一対の第2シャッタプレート212の閉状態が示されている。一対の第2シャッタプレート212の開状態が符号212Aで示されている。一対の第2シャッタプレート212は、露出する開口部分において中間的エリアから後側エリアまでを担当するものである。
【0073】
次に図22を用いてシャッタ機構の動作について説明する。(A)には前後スライドベース100が後進端にある状態が示されている。(B)には前後スライドベース100が中間位置にある状態が示されている。(A)には前後スライドベース100が前進端にある状態が示されている。まず(A)に示す状態では、いずれのシャッタプレートも開状態となっている。すなわち操作パネルが後進端にあり、開口部分がその上方における操作パネルによって覆われているため、開口部分の露出といった問題は生じない。ちなみに左右二つの積層体の間が回転軸部材の通路であり、それが、運動する回転軸部材の後方に露出開口部分を生じさせる。
【0074】
(B)においては操作パネルが中間位置にあり、そのような状態においては一対の第1シャッタプレート210だけが閉状態となり、回転軸部材の後側に生じる露出開口部分が部分的に覆われている。(C)に示す状態では、操作パネルが前進端にあり、回転軸部材の後方に大きな露出開口部分が生じている。一対の第2シャッタプレート212が閉状態となることにより、そのような露出開口部分が実質的に覆われることになる。すなわち後進端から前進端へ操作パネルが運動する場合、最初に一対の第1シャッタプレートが閉運動を開始することになり、それに続いて一対の第2シャッタプレートが閉運動を開始することになる。このように上下2つのシャッタプレートペアの動作タイミングをずらすことにより、かつ、それらの担当エリアを分けることにより、比較的大きな露出開口部分が生じるような場合であってもそれを効果的にかつすみやかに隠蔽することが可能となる。
【0075】
上述したシャッタ機構においては、それぞれのシャッタプレートにおいてピン溝が形成されており、そのピン溝内をスライドピンが運動している。そして、ピン溝の横方向の変位すなわちピン溝の形態によって、ピン溝とスライドピンとの当たり関係が変化し、その結果としてシャッタプレートの回転力が生じている。本実施形態においては上下に重なる2重のシャッタプレートを使ってそれらを段階的に動作させることにより、またそれらの担当領域を前後方向に分けることにより、回転軸部材の運動に伴ってタイムリーに露出開口を隠蔽することができ、しかも大きな隠蔽開口部分が生じてもそれ全体に亘って隠蔽効果を発揮させることが可能となっている。
【0076】
上述した一対のカバープレートは必要に応じて設ければよい。そのような一対のカバープレートを設ければシャッタプレートの動きを円滑にすることができ、またそれらを物理的に保護できるという利点が得られる。本実施形態においては上下において一対のプレートで2つのシャッタプレートを挟み込んでいるため、2つのシャッタプレートの水平方向の運動を円滑に行わせることができる。本実施形態のシャッタ機構は以上のようなプレート積層構造をもって構成されているため、シャッタ機構全体としての厚みを非常に小さくすることができ、その結果、水平運動機構の厚みを薄くできるという利点を得られる。
【0077】
(6)表示器拘束機構(図23,24)
次に、図23及び図24を用いて表示器拘束機構について説明する。図23において、操作パネル18は第2操作部38を有しており、図23においては、その上端部38Aが拡大図として示されている。一方、操作パネル18の背面側には台座20が連結されており、図23においては台座20の取付端部が示されている。その上面前端部20Dと上端部38Aの背面38Bとで挟まれる断面三角形の隙間に表示器拘束機構228が設けられている。
【0078】
表示器拘束機構228は、装置搬送時等において、表示器に設けられたハンドル42を掴んで表示器それ自体を拘束するための機構である。表示器拘束機構228は固定部230と回転部232とを有している。固定部230は受入溝234を構成するキャッチ部材236を備えている。キャッチ部材236は上方に開いた開口を有している。そのような開口がハンドル42の受入口として機能する。
【0079】
回転部232は所定の回転中心軸回りにおいて回転運動可能なものである。回転部232はその回転側前方端としてのカバー部240を有している。カバー部240の外側面がやや外側に反って屈曲しており、そこには引っ掛け面240Aが構成されている。その引っ掛け面240Aに指先を引っ掛けてカバー部240を運動させることにより、回転部232全体を回転運動させることができる。
【0080】
回転部232は固定軸244を中心として回転運動をするフック部材242を備えている。フック部材242に対してはバネ248によってそれが起き上がる方向への付勢力が与えられている。フック部材242の外側面はギザギザの凹凸面242Aとなっており、その凹凸面242Aには図23に示す状態において固定ピン246が当接している。フック部材242にはバネ248によって外側への付勢力が働いているため、凹凸面242Aの窪み部分に固定ピン246が落とし込まれ、回転部232を回転させるならば連続的なクリック感が得られることになる。一方、上端部38Aには切欠部が形成され、そこにはフック溝250が形成されている。また、回転部232は図23の位置から容易に飛び出さないよう保持されている。
【0081】
図23には表示器拘束機構228の非作動状態が示されている。これに対し、図24には表示器拘束機構228の作動状態が示されている。図24において、受入溝234内にハンドル本体42Aが落とし込まれている。ハンドル本体42Aは水平方向に伸長した棒状の部材である。ハンドル本体42Aの上方には回転部232におけるカバー部240が回り込んでおり、カバー部240によってハンドル本体42Aの上方への運動が規制されており、すなわち固定部と回転部232との協働によって、ハンドル本体42Aがしっかりと掴まれている。
【0082】
回転部232が図24において時計回り方向に回転した状態においては、フック部材236の起き上がり運動が許容されることになり、その先端236Aがフック溝250に嵌り合うことになる。すなわち、回転部232が反時計回り方向に回転した収納状態においてはフック部材236の起き上がり溝がピンあるいは他の構造体によって禁止されており、その一方において、回転部232を時計回り方向に回転させると、フック部材236が自由運動可能となり、バネ248の作用によってフック部材230が起き上がることになる。その場合に、フック部材236は回転部232の本体と操作パネルとの間におけるつっかえ棒として機能することになり、回転部232が反時計回り方向へ回転することが禁止される。フック部材236の外面を押し込んでフック部材236を倒れた状態にすることにより、回転部232を反時計回り方向に回転させることができ、表示器拘束機構228を非作動状態に復元することができる。その状態において受入溝234からハンドル本体42Aを上方に引き出すことが可能となる。ちなみに、表示器が拘束されている状態においては、表示器はほぼ垂直な状態となる。それがやや前傾姿勢となってもよい。
【0083】
本実施形態においては操作パネルの奥側における三角形の隙間空間に表示器拘束機構228を配置したので、デッドスペースを有効活用できるとともに、ユーザーが座っている状態においてその視線から表示器拘束機構228を隠して見栄えを良好にできるという利点がある。もちろんユーザーが立った姿勢となれば表示器拘束機構228を視認することができ、また手を差し入れることも容易となる。
【0084】
(7)姿勢補正機構(図25−27)
次に姿勢補正機構について図25〜図27を用いて説明する。図25において、アーム機構22の一部分が示されており、すなわち、第2アーム52及び第3旋回部54が模式的に示されている。符号252は第3旋回部54における旋回中心軸を表している。第3旋回部54に対してはチルト部56が連結される。チルト部56はカバー254内に配置されており、チルト部56は水平軸としてのチルト軸254を有している。チルト軸254には金具256が連結されている。金具256の下側には溝256Aが形成されており、その溝256A内には、第3旋回部54に連結された側方突片258が入れられている。すなわち溝256と側方突片258の当たり関係により、チルト部56における最大チルト回転角度が制限されている。
【0085】
チルト部56と表示器24との間に姿勢補正機構58が示されている。姿勢補正機構58は、金具256の前面板に設けられた軸部材262を有する。その軸部材262は、表示器24のケース263内に設けられたフレーム264に連結されており、具体的にはフレーム264に設けられた軸受け266に連結されている。符号268は補正運動中心軸を表している。軸部材262と軸受け266との係合関係により、表示器24は補正運動中心軸268回りにおいて例えば正負5度を最大角度として両方向に回転運動を行うことができる。そのような補正回転範囲については任意に定めることが可能である。本実施形態においては後に詳述するようにアーム機構の端部の垂れ下がりに起因する見掛け上の表示器24の回転を解消するために姿勢補正機構58が設けられているので、最大の補正角度範囲としては望ましくは正負2度〜20度の範囲内で選択され、特に望ましくは正負2度〜10度の範囲内で選択される。逆にあまり大きな回転運動を許容してしまうと、内部の部材を保護することが困難となったりするので、その程度の補正角度範囲とするのが望ましい。ただし、正負90度回転機構を設けてもよい。フレーム264には左右方向に広がった円弧状のスリット264Aが形成されており、そこには金具256の一部としての前方突片260が差し込まれている。すなわち表示器24の相対的な回転運動に伴い前方突片260がスリット264内を左右方向に運動することになり、スリット264Aの左右端まで前方突片260が到達するとそれ以上の回転は禁止される。
【0086】
図25に示す構成において、補正運動中心軸268はチルト軸254が有する水平のチルト中心軸を通過しており、両者は直交関係にある。このような構成によれば、表示器24を両手でもってチルト運動と同時に回転運動を行わせることが容易となる。本実施形態においては、アーム機構22の一部として姿勢補正機構58が設けられている。すなわちアーム機構22におけるアーム機構本体によって生じる見掛け上の表示器回転という問題を解消するために姿勢補正機構58が設けられている。
【0087】
図26には姿勢補正機構の作用が示されている。符号262は軸部材を表しており、また図26においては円弧状の形態をもったスリット264Aと前方突片260の嵌り合い関係も示されている。符号24は表示器を表しており、本実施形態においては軸部材262を中心として表示器24を時計回り方向及び反時計回り方向の両方向に回転運動させることができる。そのような状態が符号24A及び24Bで示されている。
【0088】
図27には姿勢補正機構の具体的な作用が示されている。本体274上に台座276が設けられ、その台座276上にアーム機構270が搭載されている。アーム機構270は複数の旋回機構及び複数のアームを有しており、ここにおいて符号278、282、286は旋回軸を表している。また複数のアームとして第1アーム280及び第2アーム284が示されている。図27においてはそれらのアーム280,284あるいは旋回機構によって生じる、しなりあるいは端部の垂れ下がりが誇張して示されている。すなわち垂直な旋回軸278に対して旋回軸282は若干傾斜している。更に旋回軸286が大きく傾斜している。その傾斜角度はθである。
【0089】
その結果、複数のアームの端部が垂れ下がることになり、その端部との関係においては正しい角度で装着されている表示器272が見掛け上回転したようにあるいは垂れ下がったように見えることになる。複数のアームを本体の右側あるいは左側に大きく伸ばしたような場合にそのような問題が生じ易い。そのような垂れ下がりが生じた場合に、表示器272の上辺及び下辺は水平レベルに対して角度θだけ傾斜した状態となる。したがってユーザーから見てそのような状態は望ましくなく、違和感あるいは不安感を生じさせる。そこで、本実施形態においては補正運動中心軸288を中心として表示器272を若干回転させることができ、具体的には符号272Aで示されるように垂直ラインと平行な姿勢に表示器の姿勢を補正することが可能である。その結果、アーム機構においては垂れ下がりが生じていても表示器それ自体は水平ラインに対して平行な状態になるためユーザーにおける違和感や不安感といった問題を払拭することが可能となる。
【0090】
上述したような姿勢補正機構を設けることにより、一定の端部の垂れ下がりを許容してもユーザーに対して悪影響はなくなるから、アーム機構270の設計等において便益を得られるという利点がある。もちろん、そのような垂れ下がり問題が生じていない場合には姿勢補正機構を実際に動作させる必要はなく、またユーザーにおいて違和感が生じなければ表示器272が見掛け上回転したように見えてもそのままそれを利用すればよい。
【符号の説明】
【0091】
10 超音波診断装置、12 本体、14 可動部、16 可動機構、18 操作パネル、20 台座、22 アーム機構、24 表示器、42 ハンドル、58 姿勢補正機構、60 昇降機構、62 左右スライド機構、64 前後スライド機構、65 回転制限機構、66 回転機構、68 水平運動機構、84 シャッタ機構、136 ホームポジションロック機構、228 表示器拘束機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波診断のための複数の入力器を備えた操作パネルと、
操作パネルの奥側に設けられた基台と、
前記基台に搭載されたアーム機構と、
前記アーム機構によって運動可能に支持され、ユーザーによって握られるハンドルを有する表示器と、
前記基台あるいは前記操作パネルに設けられ、前記ハンドルを着脱可能に保持して前記表示器の動きを止める表示器拘束機構と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記ハンドルは、前記表示器の前面側下部に設けられ前記表示器の左右方向に沿って伸長した棒状のハンドル本体を有し、
前記表示器拘束機構は、
前記ハンドル本体を受け入れる上方に開いたハンドル溝と、
前記ハンドル溝内へ前記ハンドル本体が落とし込まれた場合において当該ハンドル本体の上側に回り込んで当該ハンドル本体を包み込むカバー部材と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置において、
前記表示器拘束機構は、更に、前記カバー部材が前記ハンドル本体の上側に回り込んだカバー状態となった場合に前記カバー部材の復帰を規制する規制手段を備える、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、
前記操作パネルは、手前側の第1操作部とその奥側から立ち上がる第2操作部とで構成され、
前記基台は、前記第2操作部の裏面中間位置に連結された引出端部を有し、その引出端部から奥側へ伸長し、
前記表示器拘束機構は、前記引出端部の上面と前記第2操作部の上部背面とに挟まれる空間に設置された、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項5】
請求項4記載の装置において、
前記規制手段は、前記カバー状態にあるカバー部材と前記第2操作部の上部とを機械的に連結することによって前記カバー部材の復帰運動を規制する、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置において、
前記カバー部材は水平回転中心軸回りにおいて回転運動する部材であり、
前記規制手段はその作動状態において前記カバー部材の中に収容され、その作動状態において前記カバー部材の中から外側へ突出して前記第2操作部の上部との間で突っ張り部材として働き、
前記規制手段を突出方向に付勢する付勢手段が設けられた、ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項7】
超音波診断のための電子回路が収容された本体と、
前記本体に設けられたアーム機構と、
前記アーム機構によって運動可能に支持され、ユーザーによって握られるハンドルを有する表示器と、
前記本体又は前記本体によって運動可能に支持された可動体に設けられ、前記ハンドルを着脱可能に保持して前記表示器の動きを止める表示器拘束機構と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2011−245042(P2011−245042A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121432(P2010−121432)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【特許番号】特許第4797111号(P4797111)
【特許公報発行日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(390029791)日立アロカメディカル株式会社 (899)
【Fターム(参考)】