説明

超音波診断装置

【課題】 クオリティが高い3次元弾性画像を観察することができる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】 超音波探触子2と、超音波探触子2を介して受信された反射エコー信号によって算出された弾性情報に基づく2次元弾性画像によって弾性ボリュームデータを作成する弾性ボリュームデータ作成部20と、弾性ボリュームデータに基づいて3次元弾性画像を構成する3次元弾性画像構成部21と、3次元弾性画像を表示する画像表示部13とを備えた超音波診断装置であって、ノイズ画像を含む複数の2次元弾性画像によって構成された弾性ボリュームデータをノイズボリュームとして判定するノイズ判定部30を備え、画像表示部はノイズボリュームと判定された弾性ボリュームデータによる3次元弾性画像を非表示にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用して被検体内の診断部位について断層画像を表示する超音波診断装置に関し、特に歪み或いは弾性率などの弾性情報による弾性画像を表示する超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は超音波を利用して被検体内の生体組織の超音波反射率を計測し、それを輝度とし診断部位の断層画像を表示していた。さらに、近年では超音波診断装置において、画像相関を取り、生体組織の移動量例えば変位を空間微分して歪みを計測したり、組織状診断として生体組織に対して圧力変化を与えて弾性率を計測したりし、歪み、或いは弾性率などの弾性情報による弾性画像を表示することが行われている。弾性画像は、生体組織の歪みや弾性率に応じて赤や青その他の色相情報を付与して、表示されるものである。弾性画像によって主に生体組織の硬い部位を表示させることにより、容易に腫瘍の広がりや大きさを診断することができる(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、3次元断層画像に3次元弾性画像を重ねて表示する際に、3次元弾性画像の硬い部位又は軟らかい部位の形状や容積を認識できるように3次元断層画像の不透明度を設定することが行なわれている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-60853号公報
【特許文献2】特開2008-259605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
3次元弾性画像を得るためには、3次元スキャンを行い、2次元弾性画像を複数収集して弾性ボリュームデータを構成する必要がある。しかし、収集した2次元弾性画像にノイズ画像が含まれた場合、ボリュームレンダリングにより構成した3次元弾性画像にノイズ画像(例えば、スジ状のノイズ画像)が表示されてしまう。
【0006】
このようなノイズ画像を含む3次元弾性画像を表示すると、操作者にとって不要な情報を与え、3次元弾性画像の観察を煩雑にする要因となる。また、リアルタイムではなく長時間の3次元スキャンを行う場合は、3次元スキャンをやり直す必要があり、操作者の検査時間を浪費させてしまう。
【0007】
本発明の目的は、クオリティが高い3次元弾性画像を観察することができる超音波診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を達成するため、超音波探触子と、超音波探触子を介して受信された反射エコー信号によって算出された弾性情報に基づく2次元弾性画像によって弾性ボリュームデータを作成する弾性ボリュームデータ作成部と、弾性ボリュームデータに基づいて3次元弾性画像を構成する3次元弾性画像構成部と、3次元弾性画像を表示する画像表示部とを備えた超音波診断装置であって、ノイズ画像を含む複数の2次元弾性画像によって構成された弾性ボリュームデータをノイズボリュームとして判定するノイズ判定部を備え、画像表示部はノイズボリュームと判定された弾性ボリュームデータによる3次元弾性画像を非表示にする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、クオリティが高い3次元弾性画像を観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る超音波診断装置を示すブロック図
【図2】本発明に係る画像表示部13の一表示形態を示す図
【図3】本発明に係る画像表示部13の一表示形態を示す図
【図4】本発明に係る画像表示部13の一表示形態を示す図
【図5】本発明に係る実施例2を示す図
【図6】本発明に係る実施例2を示す図
【図7】本発明に係る実施例3を示す図
【図8】本発明に係る実施例3を示す図
【図9】本発明に係る実施例4を示す図
【図10】本発明に係る実施例4を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0012】
図1に示すように、超音波診断装置には、被検体1に当接させて用いる探触子2と、探触子2を介して被検体1に時間間隔をおいて超音波を繰り返し送信する送信部3と、被検体1から発生する時系列の反射エコー信号を受信する受信部4と、受信された反射エコーを整相加算してRF信号データを時系列に生成する整相加算部6とが設けられている。
【0013】
また、超音波診断装置には、整相加算部6で生成されたRF信号フレームデータに基づいて2次元断層画像を構成する断層画像構成部7と、断層画像構成部7で構成された2次元断層画像を取得位置と合わせて記憶する2次元断層画像記憶部8と、2次元断層画像記憶部8に記憶した2次元断層画像と2次元断層画像の取得位置に基づいて3次元座標変換を行ない、断層ボリュームデータを生成する断層ボリュームデータ作成部9と、断層ボリュームデータの輝度と不透明度に基づいてボリュームレンダリングを行ない、3次元断層画像を構成する3次元断層画像構成部10と、断層ボリュームデータ作成部9で作成された断層ボリュームデータから任意断面の白黒断層画像を作成する断層マルチフレーム構成部11とが設けられている。
【0014】
また、超音波診断装置には、整相加算部6から出力されるRF信号フレームデータを記憶するRF信号フレームデータ記憶部14と、少なくとも2枚のRF信号フレームデータを選択するRF信号フレームデータ選択部15と、選択されたRF信号フレームデータを用いて被検体1の生体組織の変位を計測する変位計測部16と、変位計測部16で計測された変位から弾性情報を求める弾性情報演算部17と、弾性情報演算部17で演算した弾性情報から2次元弾性画像を構成する弾性画像構成部18と、弾性画像構成部18で構成される2次元弾性画像とその取得位置を記憶する2次元弾性画像記憶部19と、2次元弾性画像記憶部19に記憶された2次元弾性画像とその取得位置に基づいて3次元座標変換を行ない、弾性ボリュームデータを生成する弾性ボリュームデータ作成部20と、弾性ボリュームデータの弾性情報と不透明度に基づいてボリュームレンダリングを行い、3次元弾性画像を構成する3次元弾性画像構成部21と、弾性ボリュームデータ作成部20で作成された弾性ボリュームデータから任意断面の2次元弾性画像を作成する弾性マルチフレーム構成部22と、2次元断層画像と2次元弾性画像とを合成したり、3次元断層画像と3次元弾性画像とを合成したりする切替合成部12と、切替合成部12で合成された合成画像、2次元断層画像等を表示する画像表示部13とが備えられている。
【0015】
さらに、超音波診断装置には、ノイズ画像を含む複数の2次元弾性画像によって構成された弾性ボリュームデータをノイズボリュームとして判定するノイズ判定部30が備えられている。
【0016】
そして、超音波診断装置には、それぞれの構成要素を制御するCPUからなる制御部25と、制御部25に指示を与える操作部24が設置されている。操作者は操作部24で弾性画像の色合い、弾性画像を表示する関心領域(ROI)、断層画像又は弾性画像のフレームレート等を指示することができる。
【0017】
探触子2は、複数の振動子を配設して形成されており、電子的にビーム走査を行って被検体1に振動子を介して超音波を送受信する機能を有している。探触子2は、矩形又は扇形をなす複数の振動子からなる探触子ヘッドを備え、複数の振動子の配列方向と直交する方向に探触子ヘッドを機械的に振り、超音波を3次元に送受信することができる。なお、超音波探触子2は、複数の振動子が2次元配列され、超音波の送受信を電子的に制御することができるものでもよい。
【0018】
送信部3は、探触子2を駆動して超音波を発生させるための送波パルスを生成するとともに、送信される超音波の収束点をある深さに設定する機能を有している。また、受信部4は、探触子2で受信した反射エコー信号について所定のゲインで増幅してRF信号すなわち受波信号を生成するものである。整相加算部6は、受信部4で増幅されたRF信号を入力して位相制御し、複数の収束点に対し収束した超音波ビームを形成してRF信号フレームデータを生成するものである。
【0019】
断層画像構成部7は、整相加算部6からのRF信号フレームデータに基づいて被検体の濃淡断層画像、例えば白黒の2次元断層画像を構成する。断層画像構成部7は、制御部25における設定条件に基づいて、整相加算部6から出力されるRF信号フレームデータを入力してゲイン補正、ログ圧縮、検波、輪郭強調、フィルタ処理等の信号処理を行ない、2次元断層画像を構成する。
【0020】
RF信号フレームデータ選択部15は、RF信号フレームデータ記憶部14に格納された整相加算部6からの複数のRF信号データから1組すなわち2つのRF信号フレームデータを選び出すものである。例えば、RF信号フレームデータ記憶部14は、整相加算部6から時系列すなわち画像のフレームレートに基づいて生成されるRF信号データをフレームメモリ内に順次確保し、制御部25からの指令に応じて現在確保されたRF信号フレームデータ(N)を第1のデータとしてRF信号フレームデータ選択部15で選択すると同時に、時間的に過去に確保されたRF信号フレームデータ群(N-1、N-2、N-3・・・N-M)の中から1つのRF信号フレームデータ(X)を選択するものである。なお、ここでN、M、XはRF信号フレームデータに付されたインデックス番号であり、自然数とする。
【0021】
変位計測部16は、1組のRF信号フレームデータから生体組織の変位などを求めるものである。例えば、変位計測部16は、RF信号フレームデータ選択部15により選択された1組のデータすなわちRF信号フレームデータ(N)及びRF信号フレームデータ(X)から1次元或いは2次元相関処理を行って、断層画像の各点に対応する生体組織おける変位や移動ベクトルすなわち変位の方向と大きさに関する1次元又は2次元変位分布を求める。ここで、移動ベクトルの検出にはブロックマッチング法を用いる。ブロックマッチング法とは、画像を例えばN×N画素からなるブロックに分け、関心領域内のブロックに着目し、着目しているブロックに最も近似しているブロックを前のフレームから探し、これを参照して予測符号化すなわち差分により標本値を決定する処理を行う。
【0022】
弾性情報演算部17は、変位計測部16から出力される計測値、例えば変位と、圧力計測部(図示しない)から出力される圧力値とから断層画像上の各点に対応する生体組織の弾性情報を演算するものである。弾性情報とは、歪み、弾性率、変位、粘性、歪み比等のいずれかである。例えば、歪みは、生体組織の移動量例えば変位を空間微分することによって算出される。
【0023】
弾性画像構成部18は、フレームメモリと画像処理部とを含んで構成されており、弾性情報演算部17から時系列に出力される弾性フレームデータをフレームメモリに確保し、確保されたフレームデータを画像処理部により画像処理を行うものである。
【0024】
弾性画像は、弾性フレームデータに基づいて光の3原色すなわち赤(R)、緑(G)、青(B)に変換されカラー像として画像表示部13で表示される。例えば、歪みが大きい弾性データを赤色コードに変換すると同時に、歪みが小さい弾性データを青色コードに変換する。なお、赤(R)緑(G)青(B)の階調は256段階有し、255は最大輝度で表示すること、逆に0は全く表示されないことを意味する。
【0025】
探触子2は、超音波の送受信と同時に送受信方向(θ、φ)を計測することができ、断層ボリュームデータ作成部9は、2次元断層画像の取得位置に相当する送受信方向(θ、φ)に基づいて、複数の2次元断層画像について3次元変換を行ない、断層ボリュームデータを生成する。
【0026】
3次元断層画像構成部10は、断層ボリュームデータから3次元断層画像を構成する次式(1)〜(3)を用いてボリュームレンダリングを行なう。
【0027】
Cout(i) = Cout(i-1)+(1−Aout(i-1))・A(i)・C(i)・S(i)・・・(1)
Aout(i) = Aout(i-1)+(1−Aout(i-1))・A(i) ・・・(2)
A(i) = BOpacity[C(i)] ・・・(3)
C(i)は作成される2次元投影面上のある点から3次元断層画像を見た場合、視線上i番目に存在するボクセルの輝度値である。Cout(i)は、出力されるピクセル値である。例えば、視線上にNボクセルの輝度値が並んだとき、i =0〜N-1までを積算した輝度値Cout(N-1)が最終的に出力されるピクセル値となる。Cout(i-1)はi-1番目までの積算値を示す。
【0028】
また、A(i)は視線上i番目に存在する輝度値の不透明度であり、上記(3)に示すとおり、0〜1.0の値をとる断層不透明度テーブル(断層オパシティテーブル)である。断層不透明度テーブルは、輝度値から不透明度を参照することによって、出力する2次元投影面(3次元断層画像)上への寄与率を決定する。
【0029】
S(i)は、輝度C(i)とその周辺の画素値より求めた勾配より算定される陰影付けのための重み成分で、たとえば、光源とボクセルiを中心とした面の法線が一致する場合、もっとも強く反射するため1.0が与えられ、光源と法線が直交する場合には0.0が与えられるなどの強調効果を指し示す。
【0030】
Cout(i)Aout(i) は、ともに0を初期値としている。上記(2)に示されるように、Aout(i)はボクセルを通過するたびに積算され1.0に収束される。よって、上記(1)に示されるようにi-1番目までの不透明度の積算値Aout(i-1)が約1.0となった場合、i番目以降の輝度値C(i)は出力画像に反映されない。
【0031】
断層マルチフレーム構成部11は断層ボリュームデータから任意断面位置の任意断面断層画像を構成する。任意断面位置は操作者が操作部24を用いて任意に設定可能であり、設定された任意断面位置は制御部25を通して断層マルチフレーム構成部11に出力される。なお、操作者は任意断面位置を複数設定することができ、断層マルチフレーム構成部11は複数の任意断面位置に対して、複数の任意断面断層画像を構成することができる。
【0032】
3次元走査が可能な探触子では、RF信号フレームデータが複数の振動子の配列方向と直交する方向に空間的に連続して得られるので、弾性画像もそれに応じて得られる。弾性画像構成部18によって空間的に連続して得られた2次元弾性画像とその取得位置を2次元弾性画像記憶部19において記憶する。弾性ボリュームデータ作成部20は、2次元弾性画像記憶部19で記憶された2次元弾性画像と、取得位置に相当する送受信方向(θ、φ)に基づいて、複数の2次元弾性画像について3次元変換を行ない、弾性ボリュームデータを生成する。
3次元弾性画像構成部21は、変換後弾性ボリュームデータについて下記式(4)〜(6)を用いてボリュームレンダリングを行ない、3次元弾性画像を作成する。
【0033】
Eout(i) = Eout(i-1)+(1−Aout(i-1))・A(i)・E (i)・S(i) ・・・(4)
Aout(i) = Aout(i-1)+(1−Aout(i-1))・A(i) ・・・(5)
A(i) = EOpacity[E (i)] ・・・(6)
E(i)は作成される2次元投影面上のある点から3次元弾性画像を見た場合の視線上i番目に存在する弾性情報である。Eout(i)は、出力されるピクセル値である。例えば、視線上にNボクセルの弾性情報が並んだとき、i =0〜N-1まで弾性情報を積算した積算値Eout(N-1)が最終的に出力されるピクセル値となる。Eout(i-1)はi-1番目までの積算値を示す。また、A(i)は視線上i番目に存在する弾性情報の不透明度であり、式(6)に示す弾性不透明度テーブルである。
【0034】
S(i)は弾性情報E(i)とその周辺の弾性情報より求めた勾配より算定される陰影付けのための重み成分で、たとえば、光源とボクセルiを中心とした面の法線が一致する場合、もっとも強く反射するため1.0が与えられ、光源と法線が直交する場合には0.0が与えられるなどの強調効果を指し示す。
【0035】
Eout(i)Aout(i)はともに0を初期値とし、式(5)に示される様にAout(i)はボクセルを通過するたびに積算され1.0に収束する。よって、式(4)に示されるようにi-1番目までのボクセルの不透明度の積算値Aout(i-1)が約1.0となった場合、i番目以降のボクセル値E(i)は出力画像に反映されない。
【0036】
弾性マルチフレーム構成部22は弾性ボリュームデータから任意断面位置の任意弾性断層画像を構成する。任意断面位置は操作者が操作部24を用いて任意に設定可能であり、設定された任意断面位置は制御部25を通して弾性マルチフレーム構成部22に出力される。なお、操作者は任意断面位置を複数設定することができ、弾性マルチフレーム構成部22は複数の任意断面位置に対して、複数の任意弾性断層画像を構成することができる。
【0037】
切替合成部12は、3次元弾性画像と3次元断層画像を合成する。切替合成部12は、フレームメモリと、画像処理部と、画像選択部とを備えて構成されている。ここで、フレームメモリは、3次元断層画像構成部10からの3次元断層画像と、断層マルチフレーム構成部11からの任意断面断層画像と、3次元弾性画像構成部21からの3次元弾性画像と弾性マルチフレーム構成部22からの任意断面弾性画像とを格納するものである。また、画像処理部は、フレームメモリに確保された3次元断層画像と3次元弾性画像とを、または任意断面断層画像と任意断面弾性画像とを制御部25の指令に応じて設定割合で加算して合成するものである。合成画像の各画素の輝度情報及び色相情報は、白黒断層画像とカラー弾性画像の各情報を設定割合で加算したものとなる。さらに、画像選択部は、フレームメモリ内の3次元断層画像と3次元弾性画像とを、または任意断面断層画像と任意断面弾性画像とを及び画像処理部の合成画像データのうちから画像表示部13に表示する画像を制御部25の指令に応じて選択するものである。なお、これらの断層画像と弾性画像とを合成せずに別々に表示させてもよい。
【0038】
次に本発明の特徴部であるノイズ判定部30について説明する。図2は画像表示部13の一表示形態を示している。ここでは、2次元弾性画像50および3次元弾性画像60を並列に表示する画像表示部13の表示状態を示している。なお、本実施例はこの表示形態によらず、直交3断面の複数の2次元弾性画像と3次元弾性画像を同時に表示する表示形態においても有効である。複数の2次元弾性画像は弾性マルチフレーム構成部22によって構成される。
【0039】
図2では、2次元弾性画像50においては軟らかい領域52と硬い領域54を示し、3次元弾性画像60においては軟らかい3次元領域62と硬い3次元領域64を示す。図示は省略するが、2次元弾性画像50と2次元断層画像を合成した2次元合成画像を表示したり、3次元弾性画像60と3次元断層画像との合成した3次元合成画像を表示したりしてもよい。2次元合成画像を表示する際、断層マルチフレーム構成部11によって、2次元弾性画像と同じ断面の2次元断層画像が構成される。
【0040】
図2では弾性ボリュームデータを構成する2次元弾性画像にノイズ画像がない状態を示している。そのため、硬い3次元領域64の球状の硬い3次元弾性画像60が表示されている。3次元弾性画像60に表示されている断面66は、並列して表示されている2次元弾性画像50の断面の位置を示している。
【0041】
2次元弾性画像は圧迫を繰り返しながら取得するため、圧迫が適切でない場合に取得された2次元弾性画像による3次元弾性画像にはノイズ画像が含まれる場合がある。図3に示すように、ノイズ画像が含まれる2次元弾性画像から構成された弾性ボリュームデータをレンダリングすると3次元弾性画像60のように表示される。2次元弾性画像50の断面の位置を示す断面66にはノイズ画像72が含まれている。また、断面68にはノイズ画像74が含まれている。断面70にはノイズ画像78が含まれている。
【0042】
このように、ノイズ画像を含んだ2次元弾性画像が数枚であっても、視線方向手前にノイズを含んだ2次元弾性画像がある場合、奥に存在する所望の硬い3次元領域64を観察できない場合がある。また、リアルタイムに3次元弾性画像を更新する際、圧迫が適切である場合に取得されるノイズ画像がない3次元弾性画像と、圧迫が適切でない場合に取得されるノイズ画像を含む3次元弾性画像が交互に表示されるような状態となる。
【0043】
そこで、本実施例では、ノイズ判定部30は、3次元弾性画像の弾性ボリュームデータを構成するそれぞれの2次元弾性画像にノイズ画像が含まれるか否かの判定を行なう。そして、ノイズ判定部30は、ノイズ画像を含む複数の2次元弾性画像によって構成された弾性ボリュームデータをノイズボリュームとして判定する。
【0044】
ノイズ判定部30は、2次元弾性画像の基となる一対のRF信号フレームデータ間の自己相関値又は2次元弾性画像において表示価値があると判定された領域から求められる評価値に基づいて2次元弾性画像にノイズ画像が含まれるか否かの判定を行なう。例えば、2次元弾性画像の基となった一対のRF信号フレームデータ間の自己相関値が所定値よりも高い場合、この一対のRF信号フレームデータの一致度が高くなり、ノイズ画像が含まれている可能性が低い。
【0045】
そこで、ノイズ判定部30は、一対のRF信号フレームデータの自己相関値が所定値よりも高い場合、安定した計測状態で計測されたと認識し、2次元弾性画像にノイズ画像は含まれないと判定する。ノイズ判定部30は、一対のRF信号フレームデータの自己相関値が所定値よりも低い場合、不安定な計測状態で計測されたと認識し、2次元弾性画像にノイズ画像は含まれると判定する。
【0046】
また、ノイズ判定部30は、2次元弾性画像の各計測点についての弾性情報が正常に計測された結果か否かを判定して、2次元弾性画像にノイズ画像が含まれるか否かの判定を行なうこともできる。ノイズ判定部30は、例えば、各計測点の弾性情報と2次元弾性画像の弾性情報の平均値又は標準偏差値とを比較して、各計測点の弾性情報が正常に計測されたか否かに基づいて表示価値があるか否かを判定する。ノイズ判定部30は、表示価値があると判定された領域が所定領域より小さい場合、2次元弾性画像にノイズ画像は含まれないと判定する。ノイズ判定部30は、表示価値がないと判定された領域が所定領域より大きい場合、2次元弾性画像にノイズ画像は含まれると判定する。
【0047】
このように、ノイズ判定部30は、弾性ボリュームデータを構成する全ての2次元弾性画像におけるノイズ画像の有無を判定し、クオリティの低い2次元弾性画像、つまりノイズ画像を含む2次元弾性画像の枚数を計測するとともに、ノイズ画像を含む2次元弾性画像の枚数を記憶する。
【0048】
そして、ノイズ判定部30は、下記式(7)を用いて3次元弾性画像の弾性ボリュームデータを構成する2次元弾性画像の枚数に対するノイズ画像を含む2次元弾性画像の枚数の割合αを求める。

そして、割合αが任意のしきい値より大きいとき、ノイズ判定部30は、その弾性ボリュームデータをノイズボリュームとして判定し、判定結果を弾性ボリュームデータ作成部20又は3次元弾性画像構成部21に出力する。また、割合αと比較する任意のしきい値は固定値でもよいし、操作者が操作部24を通じて設定可能であってもよい。
【0049】
例えば、弾性ボリュームデータを構成する2次元弾性画像の枚数が100枚とするとノイズ画像を含む2次元弾性画像の枚数が10枚以上である場合、ノイズ判定部30は、その弾性ボリュームデータをノイズボリュームとして判定する。また、全くノイズ画像を含まない3次元弾性画像を表示したい場合、ノイズ画像を含む2次元弾性画像の枚数が1枚以上である場合、ノイズ判定部30は、その弾性ボリュームデータをノイズボリュームとして判定する。操作者は、割合αと比較する任意のしきい値を適宜変更することにより、弾性ボリュームデータの精度を調整することができる。
【0050】
ノイズ判定部30によって弾性ボリュームデータがノイズボリュームと判定された場合、弾性ボリュームデータ作成部20は当該弾性ボリュームデータを出力せず、画像表示部13は、図4に示すように、3次元弾性画像60を表示しない、つまり3次元弾性画像60を非表示にする。また、ノイズ判定部30によって弾性ボリュームデータがノイズボリュームと判定された場合、3次元弾性画像構成部21が3次元弾性画像を出力しないようにしてもよい。
【0051】
また、図4に示すように、ノイズ画像を含む3次元弾性画像を非表示にした際、画像表示部13は警告マーク80を表示することもできる。操作者には警告マーク80によってノイズ画像により3次元弾性画像が表示されないことが伝わり、圧迫手法の修正などが可能となる。なお、本実施例では警告マーク80を示したが、この警告マーク80に限らず、また音声による警告でもあってもよい。画像表示部13には、音声による警告ができるようにスピーカが搭載されている。
【0052】
以上、本実施例によれば、ノイズ画像を含む複数の2次元弾性画像によって構成された弾性ボリュームデータをノイズボリュームとして判定するノイズ判定部30を備え、画像表示部13はノイズボリュームと判定された弾性ボリュームデータによる3次元弾性画像を非表示にした。
【0053】
よって、ノイズ画像が多い3次元弾性画像は表示されず、ノイズのない、または少ない3次元弾性画像のみが表示され、操作者はクオリティが高い3次元弾性画像の観察を行うことができる。
【実施例2】
【0054】
次に実施例2について図5、6を用いて説明する。実施例1と異なる点は、弾性ボリュームデータ若しくは3次元弾性画像を記憶する記憶部23を備え、ノイズ判定部30によって弾性ボリュームデータがノイズボリュームと判定された場合、記憶部23は当該弾性ボリュームデータ若しくは当該弾性ボリュームデータによる3次元弾性画像を読み出さない点である。
【0055】
図5に示すように、超音波診断装置に備えられている記憶部23は、断層画像構成部7からの2次元断層画像と、断層ボリュームデータ作成部9からの断層ボリュームデータと、3次元断層画像構成部10からの3次元断層画像と、断層マルチフレーム構成部11からの任意断面断層画像と、弾性画像構成部18からの2次元弾性画像と、弾性ボリュームデータ作成部20からの弾性ボリュームデータと、3次元弾性画像構成部21からの3次元弾性画像と、弾性マルチフレーム構成部22からの任意断面弾性画像とを記憶するものである。また、記憶部23は制御部25の指令に応じて記憶した画像を読み出し、画像表示部13に画像を再生する。 図6(a)には、時間軸に沿って、表示画面90、表示画面92、表示画面94、表示画面98が順に画像表示部13に表示されたことを示している。表示画面は、図2で示したように、画像表示部13に2次元弾性画像50および3次元弾性画像60を並列に表示する表示形態である。
【0056】
表示画面90、表示画面92、表示画面98にはノイズボリュームでないと判定された3次元弾性画像が、表示画面94にはノイズボリュームと判定された3次元弾性画像が表示されているものとする。そして、記憶部23には時系列に表示画面90〜表示画面98に属する弾性ボリュームデータ若しくは3次元弾性画像が記憶されている。
【0057】
ノイズ判定部30は、記憶部23に弾性ボリュームデータ若しくは3次元弾性画像を記憶する際、ノイズフラグを付加して保存する。ノイズフラグは例えば0と1で表され、ノイズ判定部30によって弾性ボリュームデータがノイズボリュームと判定された場合、ノイズフラグ=1を付加する。ノイズ判定部30によって弾性ボリュームデータがノイズボリュームでないと判定された場合、ノイズフラグ=0を付加する。
【0058】
そして、操作者が記憶部23から記憶した弾性ボリュームデータ若しくは3次元弾性画像を再生する場合、ノイズフラグ=0の弾性ボリュームデータによる3次元弾性画像のみを再生する。よって、図6(b)に示すように、表示画面90、表示画面92、表示画面98が順に再生され、画像表示部13に表示される。ノイズボリュームと判定された3次元弾性画像を含む表示画面94が再生されない。
【0059】
ノイズフラグ=0の弾性ボリュームデータによる3次元弾性画像のみを再生する際には、直近のノイズフラグ=0の弾性ボリュームデータによる3次元弾性画像を表示してもよいし、いくつかのノイズフラグ=0の弾性ボリュームデータによる3次元弾性画像を画像表示部13に表示し、操作者が選択できるようにしてもよい。
【0060】
図6の表示画面94が取得された時点で操作者が記憶部23から記憶した弾性ボリュームデータ若しくは3次元弾性画像を再生しようとした場合、本実施例によれば、直近の弾性ボリュームデータがノイズボリュームでないと判定された3次元弾性画像を表示している表示画面92が再生される。
【0061】
以上、本実施例によれば、操作者はクオリティが高い3次元弾性画像の観察を行うことができる。
【実施例3】
【0062】
次に実施例3について図7、8を用いて説明する。実施例1、2と異なる点は、ノイズ判定部30によって前記弾性ボリュームデータがノイズボリュームではない判定した場合、弾性ボリュームデータ作成部20はノイズ画像を含む2次元弾性画像を隣接するノイズ画像を含まない2次元弾性画像で補間して補間弾性ボリュームデータを作成する点である。
【0063】
ノイズ判定部30において、実施例1と同様に式(7)を用いて割合αを求める。そして割合αが任意のしきい値より小さいとき、その弾性ボリュームデータはノイズを含まない、またはノイズの少ない正常なボリュームデータとして判定し、判定結果を弾性ボリュームデータ作成部20に出力する。
【0064】
しかし、0<α<任意のしきい値のとき、少なからずノイズ画像を含む弾性ボリュームデータが作成され、少量のノイズ画像を含む3次元弾性画像503が表示される。
【0065】
そこで、図7、8に示すように、操作部24で操作することができる補間ON/OFFボタン100が操作者に対して提示されているものとする。操作者が補間ONボタンを押すと、制御部25を通して信号が弾性ボリュームデータ作成部20に送られる。弾性ボリュームデータ作成部20は補間ONボタンの信号を受け取り、かつノイズ判定部30の判定結果では弾性ボリュームデータがノイズボリュームではない場合、すなわち正常なボリュームの場合、ノイズ画像を含む2次元弾性画像を隣接するノイズ画像を含まない弾性画像で補間し、補間弾性ボリュームデータを出力する。そして、3次元弾性画像構成部21は、補間弾性ボリュームデータに対してレンダリングを行い、図8に示すように画像表示部13は補間3次元弾性画像を表示する。
【0066】
ノイズ判定部30の判定結果では弾性ボリュームデータがノイズボリュームではない、すなわち正常な弾性ボリュームデータの場合にのみ、当該補間は有効とする。正常な弾性ボリュームデータと判定された弾性ボリュームデータにおいて、ノイズ画像を含む2次元弾性画像が少なく、最低限の補間処理で自然な補間弾性ボリュームデータを作成できるからである。逆に、ノイズボリュームと判定された弾性ボリュームデータは、ノイズを含む2次元弾性画像が多く、補間を行っても不自然な補間弾性ボリュームデータとなりうる。
【0067】
したがって、補間ON/OFFボタン100は、ノイズ判定部30が正常な弾性ボリュームデータと判定した場合のみ有効になるのものでもよい。また操作者が補間OFFボタンを押せば、図7に示すように、補間前の弾性ボリュームデータによる3次元弾性画像を表示するようにし、切り替え可能としてもよい。
【0068】
補間の方法は例えば、弾性ボリュームデータがN枚の2次元弾性画像から構成されるものとし、a枚目の2次元弾性画像の座標(x,y)における2次元弾性情報の値をE(x,y,a)とする。
【0069】
a枚目、b枚目、c枚目(0<a<b<c<N)の2次元弾性画像が順に隣接し、b枚目の2次元弾性画像がノイズ画像を含むものであった場合、弾性ボリュームデータ作成部20は、以下の式(8)を2次元弾性画像の全(x,y)座標に対して用いることで補間を行う。
【0070】
E(x,y,b) = (E(x,y,a) + E(x,y,c))/2 ・・・(8)
式(8)を用いれば、ノイズ画像を含む2次元弾性画像は、隣接するノイズ画像を含まない2次元弾性画像の平均画像で補間される。
【0071】
また、例えば、a枚目、b枚目、c枚目、d枚目、e枚目(0<a<b<c<N)の2次元弾性画像が順に隣接し、c枚目の2次元弾性画像がノイズ画像を含むものであった場合、弾性ボリュームデータ作成部20は以下の式(9)を2次元弾性画像の全(x,y)座標に対して用いることで補間を行ってもよい。
【0072】
E(x,y,c)
= 0.15×E(x,y,a)+0.35×E(x,y,b)+0.35×E(x,y,d)+0.15×E(x,y,e)・・・(9)
式(9)を用いれば、ノイズ画像を含む2次元弾性画像は、近傍の複数のノイズ画像を含まない2次元弾性画像に重み係数を乗算し、加算した2次元弾性画像で補間される。もちろん、重み係数は式(9)の値に限らない。
【0073】
また、他の補間手法を用いてもよいし、弾性ボリュームデータ作成部20は、ノイズ画像を含む2次元弾性画像を隣接するノイズ画像を含まない2次元弾性画像で置き換えて補間してもよい。
【0074】
以上、本実施例によれば、操作者はノイズ画像を含まない2次元弾性画像によって構成されたクオリティが高い3次元弾性画像の観察を行うことができる。
【実施例4】
【0075】
次に実施例4について図9を用いて説明する。実施例1〜3と異なる点は、弾性ボリュームデータにおけるノイズ画像を含む2次元弾性画像の累積枚数に基づいて、探触子2の複数の振動子からなる探触子ヘッドを3次元スキャンの開始位置に移動させる点である。
【0076】
図9(a)は探触子2を機械的に走査する3次元スキャンの様子を表している。探触子2は探触子ヘッド位置110から探触子ヘッド位置118まで探触子ヘッドをモータで回転させる。その間、探触子ヘッドはスキャンを繰り返し、取得した2次元弾性画像を収集することで、1つの弾性ボリュームデータが作成できる。
【0077】
探触子ヘッド位置110から探触子ヘッド位置118まで探触子ヘッドを動かすことを1往路の3次元スキャン、加えて探触子ヘッド位置118から探触子ヘッド位置110まで探触子ヘッドを動かすことを1往復の3次元スキャンと呼ぶこととする。通常、1往路の3次元スキャンで1つの弾性ボリュームデータが作成される。このとき、探触子ヘッド位置110が3次元スキャンの開始位置であり、探触子ヘッド位置118が3次元スキャンの終了位置である。
【0078】
ノイズ判定部30は1往路の3次元スキャン中に順次取得する2次元弾性画像に対して、ノイズ画像を含む2次元弾性画像と判定した場合はノイズ画像を含む2次元弾性画像の累積枚数βを保持する。そして、例えば、探触子ヘッド位置114の時点でノイズ画像を含む2次元弾性画像の累積枚数βが任意のしきい値より大きくなった場合、ノイズ判定部30は探触子2に対して信号を送り、図9(b)に示すように、探触子2は探触子ヘッドを探触子ヘッド位置114から3次元スキャンの開始位置である探触子ヘッド位置110に戻す。そして、再び1往路の3次元スキャンを行う。また、探触子2は探触子ヘッドを探触子ヘッド位置114から復路の3次元スキャンの開始位置である探触子ヘッド位置118に移動することもできる。そして、1復路の3次元スキャンを行うこともできる。
【0079】
さらに、現在の探触子ヘッド位置から3次元スキャン開始位置である探触子ヘッド位置110への移動距離と、現在の探触子ヘッド位置から探触子ヘッド位置118への移動距離を比較し、探触子2は移動距離が短い方(探触子ヘッド位置110又は探触子ヘッド位置118)に移動させ、3次元スキャンを行うこともできる。
【0080】
なお、任意のしきい値は固定値でもよいし、操作者が操作部24を通して設定できるものでもよい。
【0081】
また、1往復の3次元スキャンで1つの弾性ボリュームデータを作成する場合や、それ以上の3次元スキャンで1つの弾性ボリュームデータを作成する場合にも本実施例は適用することができる。
【0082】
また、探触子2を手動で動かし、1つの弾性ボリュームデータを作成する場合でも、本実施例を適用し、ノイズ画像を含む2次元弾性画像の累積枚数βが任意のしきい値より大きくなった時点でスキャンを中止させることができる。
【0083】
さらに、実施例4における3次元スキャン中の画像表示部13の一表示形態を図10に示す。図10に示すように、ノイズ判定部30は累積枚数βを画像表示部13に出力し、画像表示部13は累積枚数βであるノイズフレーム数120を表示する。このとき、画像表示部13は取得した2次元弾性画像の総数に対するノイズフレーム数120を表示することもできる。操作者はノイズ画像を含む2次元弾性画像の割合を認識することができる。よって、ノイズ画像を含む2次元弾性画像の状況が操作者に伝わり、圧迫手技へのフィードバックにも繋がる。
【0084】
本実施例によれば、例えば探触子を機械的に長時間走査し、弾性ボリュームデータを得る場合や、探触子を手動で走査し弾性ボリュームデータを得る場合において、1往路若しくは1往復の3次元スキャンが終わるまで待たなくても、ノイズ画像の多い弾性ボリュームデータか否かが判定でき、効率的に3次元スキャンをやり直すことができる。
【符号の説明】
【0085】
1 被検体、2 探触子、3 送信部、4 受信部、5 超音波送受信制御部、6 整相加算部、7 断層画像構成部、8 2次元断層画像記憶部、9 断層ボリュームデータ作成部、10 3次元断層画像構成部、11 断層マルチフレーム構成部、12 切替合成部、13 画像表示部、14 RF信号フレームデータ記憶部、15 RF信号フレームデータ選択部、16 変位計測部、17 弾性情報演算部、18 弾性画像構成部、19 2次元弾性画像記憶部、20 弾性ボリュームデータ作成部、21 3次元弾性画像構成部、22 弾性マルチフレーム構成部、23 記憶部、24 操作部、25 御部、30 ノイズ判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波探触子と、前記超音波探触子を介して受信された反射エコー信号によって算出された弾性情報に基づく2次元弾性画像によって弾性ボリュームデータを作成する弾性ボリュームデータ作成部と、前記弾性ボリュームデータに基づいて3次元弾性画像を構成する3次元弾性画像構成部と、前記3次元弾性画像を表示する画像表示部とを備えた超音波診断装置であって、
ノイズ画像を含む複数の2次元弾性画像によって構成された前記弾性ボリュームデータをノイズボリュームとして判定するノイズ判定部を備え、前記画像表示部はノイズボリュームと判定された前記弾性ボリュームデータによる前記3次元弾性画像を非表示にすることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記ノイズ判定部は、前記弾性ボリュームデータを構成するそれぞれの2次元弾性画像に前記ノイズ画像が含まれるか否かの判定を行なうことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記ノイズ判定部は、前記2次元弾性画像の基となる一対のRF信号フレームデータ間の自己相関値、又は前記2次元弾性画像において表示価値があると判定された領域から求められる評価値に基づいて前記2次元弾性画像にノイズ画像が含まれるか否かの判定を行なうことを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記ノイズ判定部は、前記弾性ボリュームデータを構成する2次元弾性画像の枚数に対する前記ノイズ画像を含む2次元弾性画像の枚数の割合がしきい値より大きいとき、前記弾性ボリュームデータをノイズボリュームとして判定することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記画像表示部は、前記3次元弾性画像を非表示にした際、警告マークを表示する、又は音声による警告を行うことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記弾性ボリュームデータ若しくは前記3次元弾性画像を記憶する記憶部を備え、前記ノイズ判定部によって前記弾性ボリュームデータがノイズボリュームと判定された場合、前記記憶部は当該弾性ボリュームデータ若しくは当該弾性ボリュームデータによる3次元弾性画像を読み出さないことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記ノイズ判定部によって前記弾性ボリュームデータがノイズボリュームではない判定した場合、前記弾性ボリュームデータ作成部は、前記ノイズ画像を含む2次元弾性画像を隣接する前記ノイズ画像を含まない2次元弾性画像で補間して補間弾性ボリュームデータを作成することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記弾性ボリュームデータにおける前記ノイズ画像を含む2次元弾性画像の累積枚数に基づいて、前記超音波探触子は複数の振動子からなる探触子ヘッドを3次元スキャンの開始位置に移動させることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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