説明

超音波霧化による栽培装置

【課題】 解決しようとする問題点は、容器Aの大きさによって栽培される植物Fの数が決まってしまい、多数の植物を栽培するには、大きな容器を必要とし、又、超音波振動子Dも多数必要とするという問題があった。
【解決手段】 第1の長尺の栽培管1は送風ダクト5を介して超音波霧化装置6に連結され、第1の栽培管1の他端は連結ダクト7を介して第2の栽培管8に連結され、第2の栽培管8は戻りダクト9を介して、肥料液タンク10に連結され、超音波霧化装置6で発生した霧化粒子12bは送風機15からの送風とともに送風ダクト5から第1の栽培管1に送出され、連結ダクト7を介して第2の栽培管8に送風され、戻りダクト9を介して肥料液タンク10に戻る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波によって肥料液(培養液)を霧化して栽培管の中を循環させ、栽培植物の根毛から肥料液を吸収させるようにした超音波霧化による栽培装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の超音波霧化を使用した栽培装置としては、図5に示すように、霧化する液体Bを入れた容器Aの上部に植物保持体Cを装着し、底部に超音波振動子Dを装着し、この超音波振動子Dに発振器Eから高周波電圧を印加することによって、液体Bを霧化し、霧化した微小水滴が充満することによって植物保持体Cに保持されている植物Fの根毛F1から養液を吸収させるようにしたものが提案されている。
【0003】
しかしながら、従来の超音波霧化による栽培装置で、容器Aの大きさによって栽培される植物Fの数が決まってしまい、多数の植物を栽培するには、大きな容器を必要とし、又、超音波振動子Dも多数必要とするという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−169655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、容器Aの大きさによって栽培される植物Fの数が決まってしまい、多数の植物を栽培するには、大きな容器を必要とし、又、超音波振動子Dも多数必要とするという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水平に保持され、かつ多数の植物保持穴を設けた第1の長尺の栽培管と、前記植物保持穴にそれぞれ装着される多数の植物保持部材と、前記栽培管の一端に送風ダクトを介して接続される霧化粒子発生槽を設けた超音波霧化装置と、前記霧化粒子発生槽に循環空気を送風するファンと、前記霧化粒子発生槽に肥料液を送る肥料液タンクとからなり、該肥料液タンクに接続された循環ダクトを前記第1の長尺の栽培管の他端に接続するものであり、又、前記循環ダクトに第2の長尺の栽培管を接続し、該第2の長尺の栽培管に他の循環ダクトを介して前記肥料液タンクに接続し、さらに、前記第1の長尺の栽培管に溜まった肥料液を回収する回収ダクトを接続し、該回収ダクトを前記肥料液タンクに接続するものであり、又、前記第2の長尺の栽培管に溜まった肥料液を回収する回収ダクトを接続し、該回収ダクトを前記肥料液タンクに接続する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の超音波霧化を使用した栽培装置では、第1の長尺の栽培管に多数の植物保持穴を設け、これらの保持穴にそれぞれ植物保持部材を装着し、これらの植物保持部材にそれぞれ植物を保持し、長尺の栽培管に超音波霧化装置を接続し、肥料液タンクからの肥料液を霧化粒子発生槽で霧化して、送風ダクトから長尺の栽培管に送風することにより、栽培管に保持された多数の植物を栽培することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は本発明の実施例の超音波霧化による栽培装置の構成図である。
【図2】図2は図1の栽培管の一部の拡大斜視図である。
【図3】図3は図1の超音波霧化装置の断面図である。
【図4】図4は図1の栽培管の拡大断面図である。
【図5】図5は従来の養液栽培装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明では、第1の長尺の栽培管は水平に保持され、かつ多数の植物保持穴が設けられ、これらの植物保持穴にそれぞれ多数の植物保持部材が装着され、栽培管の一端に送風ダクトを介して霧化粒子発生槽を設けた超音波霧化装置が接続され、霧化粒子発生槽にファンが循環空気を送風するように装着され、肥料液タンクから霧化粒子発生槽に肥料液を送り、肥料液タンクに接続された循環ダクトを前記第1の長尺の栽培管の他端に接続するものである。
【実施例】
【0010】
図1は本発明の実施例の超音波霧化による栽培装置の構成図で、第1の長尺の栽培管1に、図2に示すように、多数の植物保持穴2が形成され、これらの植物保持穴2に植物保持部材3が装着され、植物保持部材3にそれぞれ植物4が保持され、又、第1の栽培管1の一端は送風ダクト5を介して超音波霧化装置6に連結され、第1の栽培管1の他端は連結ダクト7を介して第2の栽培管8に連結され、第2の栽培管8は戻りダクト9を介して、肥料液タンク10に連結され、図3に示すように、超音波霧化装置6は霧化粒子発生槽11に肥料液12が入れられ、霧化粒子発生槽11の底部に超音波振動子13が装着され、超音波振動子13の下部に装着された発振器14から発振出力が超音波振動子13に印加されることにより、超音波振動子13で発生した超音波により、肥料液12から水柱12aが噴出し、この水柱12aから霧化粒子12bが発生され、この発生した霧化粒子12bは送風機15からの送風とともに送風ダクト5から第1の栽培管1に送出され、連結ダクト7を介して第2の栽培管8に送風され、戻りダクト9を介して肥料液タンク10に戻る。
【0011】
さらに、第1の栽培管1は、図4に示すように、上面1aが平らで、断面が5角形の形状からなり、底部1bに霧化粒子12bが栽培管1の内壁に衝突して液化した肥料液12が栽培管1の底部1bを流れ、第1の栽培管1の底部1bに接続した回収ダクト16を介して肥料液タンク10に送られ、さらに、第2の栽培管8も第1の栽培管1と同様に構成され、第2の栽培管8の底部に接続された回収ダクト17を介して肥料液タンク10で回収される。
【0012】
このように構成された本実施例の超音波霧化による栽培装置では、発振器14から発振出力が超音波振動子13に入力されると、超音波振動子13で発生した超音波によって肥料液12が霧化され、霧化された肥料液12は第1、第2の栽培管1,8の植物保持穴2に装着された植物保持部材3の植物4の根毛4aで吸収され、肥料液12の吸収されない霧化粒子12bは肥料液タンク10で回収され、再び送風機15で送風ダクト5に送風され、第1、第2の栽培管1,8を循環し、栽培管1,8の中で内壁に衝突して液体化された肥料液12は第1、第2の栽培管1,8に接続された回収ダクト16、17を介して肥料液タンク10で回収される。
【0013】
本発明は、このように第1,第2の長尺の栽培管1,8に霧化した肥料液12を循環させることにより、第1,第2の長尺の栽培管1,8にそれぞれ装着された植物保持穴2の植物保持部材3で保持された多数の植物4に肥料液12を途切れること無く送ることができるので、肥料液12を無駄にすることなく、大量の植物を育成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
なお、上記実施例では、第1,第2の栽培管1,8を接続したが、第1の栽培管1に送風ダクト5戻りダクト9を設けても良いし、超音波霧化装置6を多数設けて、第1,第2の栽培管1,8を多数設けても良いし、又、上記実施例では、第1,第2の栽培管1,8の断面形状を5角形に構成したが、断面が円形でも良い。
【符号の説明】
【0015】
1 第1の栽培管
2 植物保持穴
3 植物保持部材
4 植物
5 送風ダクト
6 超音波霧化装置
7 連結ダクト
8 第2の栽培管
9 戻りダクト
10 肥料液タンク
11 霧化粒子発生槽
12 肥料液
13 超音波振動子
14 発振器
15 送風機
16、17 回収ダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に保持され、かつ多数の植物保持穴を設けた第1の長尺の栽培管と、前記植物保持穴にそれぞれ装着される多数の植物保持部材と、前記栽培管の一端に送風ダクトを介して接続される霧化粒子発生槽を設けた超音波霧化装置と、前記霧化粒子発生槽に循環空気を送風するファンと、前記霧化粒子発生槽に肥料液を送る肥料液タンクとからなり、該肥料液タンクに接続された循環ダクトを前記第1の長尺の栽培管の他端に接続することを特徴とする超音波霧化による栽培装置。
【請求項2】
前記循環ダクトに第2の長尺の栽培管を接続し、該第2の長尺の栽培管に他の循環ダクトを介して前記肥料液タンクに接続することを特徴とする請求項1記載の超音波霧化装置。
【請求項3】
前記第1の長尺の栽培管に溜まった肥料液を回収する回収ダクトを接続し、該回収ダクトを前記肥料液タンクに接続することを特徴とする請求項1記載の超音波霧化装置。
【請求項4】
前記第2の長尺の栽培管に溜まった肥料液を回収する回収ダクトを接続し、該回収ダクトを前記肥料液タンクに接続することを特徴とする請求項1記載の超音波霧化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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