説明

足用健康器具

【課題】足の筋力の強化とマッサージ効果の促進とを可能とする足用の健康器具を器具本体と伸縮部材により形成することにより、簡易な構成で製造容易且つ廉価な製品を得る。
【解決手段】底板5と、底板5の両端に突設した両端板6,7とにより器具本体2を形成する。両端板6,7間に、弾性変形可能な軟弾性材製のゲル材又はゴム材より成る棒状の伸縮部材3を一定間隔で張設して配置し、伸縮部材3と底板5との間に、伸縮部材3に人体の一部を載置して加圧した際に加圧に応じて伸縮部材3を底板5方向に変形させるための変形間隔15を形成する。伸縮部材3に足裏を載置して変形間隔15への足の踏込みと引上げを連続して行うことにより、足の筋力の強化とマッサージ効果の促進を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足の運動により足の筋力を強化するとともに、足裏をマッサージしてマッサージ効果を促進するための足用健康器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、足用の健康器具、特に歩行訓練用の器具として、特許文献1に示す如きものが公知となっている。この従来技術は、スプリングを内設したシリンダーに接続して上下動可能としたピストンに、上面に多数の突起を設けた踏込板を固定し、この踏込板を足裏で踏み込む動作を連続的に行うことにより、足の筋力を強化するとともに、足裏をマッサージしてマッサージ効果を促進しようとするものである。
【0003】
【特許文献1】実開平7−33367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の従来技術は、スプリング、シリンダー及びピストンを必要とするため、構成が複雑なものとなり製造に手数がかかるとともに、製造コストが高くつくものとなっていた。また、上述の如き構成の複雑化に伴い、器具自体が大がかり且つ重量の重いものとなるため、狭いスペースで使用したり、手軽に持ち運んで使用することができなかった。
【0005】
そこで、本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであり、足の筋力強化と血行促進等のマッサージ機能を兼ね備えた足用の健康器具を、簡易な構成とすることにより製造容易且つ廉価な製品とするとともに、コンパクトで軽量なものとすることを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上述の如き課題を解決するため、載置面に載置して支持するための支持体を足の載置間隔を介して複数配置し、この複数の支持体間に、弾性変形可能な軟弾性材製のゲル材又はゴム材より成る棒状の伸縮部材を一定間隔で張設して配置している。このように、足用の健康器具を支持体と伸縮部材によって形成することにより、スプリング、シリンダー及びピストンを必要とする従来例の場合と比較して、器具の構成を簡易なものとすることが可能となり、製造が容易で、廉価な製品を得ることができる。
【0007】
そして、前記伸縮部材の下方に、伸縮部材に足を載置して加圧した際に、加圧に応じて伸縮部材を変形させるための変形間隔を形成している。そのため、足裏を伸縮部材に載置して下方に足を踏み込むと、伸縮部材が変形間隔に於て下方に弾性変形し、この踏込みの後、足を踏込み前の位置まで持ち上げると、伸縮部材は弾性力により元位置に復帰する。そして、この伸縮部材の踏み込みと足の持ち上げを連続的に行うことにより、足の上下動に伴い筋力を強化することが可能となる。また、踏み込みに際して足裏で伸縮部材の表面を押圧するため、足裏を刺激してマッサージし、血行を促進する等のマッサージ効果を得ることが可能となる。また、伸縮部材は上述の如く、棒状の軟弾性材により形成したものであるため、足を踏み込んだ場合に、足との接触が軟らかで伸縮部材によって足を損傷したりする虞れがないものである。
【0008】
また、複数の支持体は、両端に配置した両端板と、この両端板の配置間隔の中央に配置した、両端板と同一高さの支持板とからなるものであっても良い。このように形成することにより、伸縮部材を安定して支持体間に張設することが可能となるとともに、伸縮部材が支持板により明確に左右に区画されるものとなるため、伸縮部材に両足を載置する際の位置決めが容易なものとなる。
【0009】
また、複数の支持体は、下端を底板にて接続して一体に形成したものであっても良いし、載置間隔の下部両側に接続杆を介在させて連結固定することにより一体に形成したものであっても良い。
【0010】
また、複数の支持体は、角部を円弧状とした三角形に形成したものであっても良い。このように支持体を三角形に形成することにより、支持体を安定した状態で載置面に載置することが可能となる。また、上述の如く角部を円弧状にすれば、角部に足裏を載置して押圧することにより、指圧効果を得ることも可能となる。また、円弧状とすることにより、三角形の鋭角とした場合に比較し、足裏を傷つける虞れがない。
【0011】
また、両端板は、伸縮部材を掛止めるための掛止部を突設し、この突設した掛止部に伸縮部材を掛け止めることにより、伸縮部材の緊張度を調節可能としたものであっても良い。
【0012】
また、伸縮部材は、中空に形成したものであっても良い。このように形成することにより、伸縮部材をむく材にて形成した場合と比較して製造コストを低く抑えることが可能となるとともに、伸縮部材の両端に硬質樹脂または金属製のボールや短い円柱部材等を詰めることにより伸縮部材の両端の径を大きくして、掛止部に伸縮部材の両端を容易に掛止めることが可能となる。
【0013】
また、伸縮部材は、足裏を押圧する押圧駒を1個又は複数個、外周に配置したものであっても良い。このように伸縮部材に押圧駒を配置することにより、足裏の指圧効果及びマッサージ効果を高めることが可能となる。また、押圧駒の下方には、伸縮部材を変形させた際に押圧駒を突き当て可能な位置に、足裏への押圧駒の押圧効果を増大するための突当板を固定配置したものであっても良い。このように突当板を設けることにより、足裏を伸縮部材に載置して下方に踏み込んだ際に、押圧駒が突当板に突き当たり、位置を固定するから、足裏に強く押圧駒を押圧させることが可能となり、足裏の指圧効果及びマッサージ効果を更に高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述の如く構成したものであって、筋力の強化とマッサージ効果の促進とを可能とする足用健康器具を、支持体と伸縮部材によって形成したものである。そのため、スプリング、シリンダー及びピストンを必要とする従来例の場合と比較して、器具の構成を簡易なものとすることが可能となり、製造が容易で、廉価な製品を得ることができるとともに、器具をコンパクトで軽量なものとして、狭いスペースでの利用を可能とするとともに、持ち運びに便利なものとすることができる。
【0015】
また、伸縮部材は上述の如く、棒状の軟弾性材により形成したものであるため、足を踏み込んだ場合に、足との接触が軟らかで伸縮部材によって足を損傷したりする虞れがないものである。
【実施例1】
【0016】
以下、本発明の実施例1を図1、図2に於いて説明すれば、(1)は本実施例に係る足用健康器具であって、載置面に載置して支持するための3個の支持体(2)と、軟弾性材製の棒状の伸縮部材(3)により形成している。なお、本実施例に於て用いるのは、両足を載せて用いるタイプの足用健康器具(1)である。また、本発明の実施例に於て棒状とは、むく材により形成したもの及び管状に形成したものを含む概念で用いている。
【0017】
また、上記3個の支持体(2)は、図1、図2に示す如く、長方形に形成するとともに下端を底板にて接続して一体に形成している。この底板(5)は、平面平板状の略長方形に形成し、使用時に於ける支持体(2)の位置ズレを防止するため、粘着ゲルシート、防振ゴムシート等により形成した固定片(8)を介して載置面(4)に載置している。
【0018】
また、3個の支持体(2)は、両端に配置した両端板(6)(7)と、この両端板(6)(7)の配置間隔の中央に配置した、両端板(6)(7)と同一高さの支持板(10)とからなる。この支持板(10)は、板厚を両端板(6)(7)と略同一とするとともに、図2に示す如く、上端を連続して半円状に切り欠いて、伸縮部材(3)を掛止めるための溝状の掛止部(11)を、等間隔で4個形成している。また、支持体(2)である支持板(10)の上端縁は、断面半円状に湾曲して形成することにより、使用時に於ける足裏や靴下と、上記支持板(10)との引っ掛かりを防止している。
【0019】
また、支持体(2)である一方及び他方の両端板(6)(7)はそれぞれ、図1、図2に示す如く、支持板(10)と同様に上端縁を断面半円状に湾曲して形成することにより、使用時に於ける足裏や靴下と上記一方及び他方の両端板(6)(7)との引っ掛かりを防止している。また、支持体(2)である一方及び他方の両端板(6)(7)には、伸縮部材(3)を挿通して掛止めるための貫通穴にて形成した掛止部(12)を、上部に等間隔で4個ずつ貫通形成している。なお、このように掛止部(12)を貫通穴にて形成した場合には、支持板(10)に設けた掛止部(11)の如く溝状に形成する場合と比較して、伸縮部材(3)の安定した掛止めが可能となるが、掛止め作業はやや煩雑になる。また、本実施例に於ては溝状の掛止部(11)と貫通穴にて形成した掛止部(12)とを使い分けているが、掛止部(11)(12)を溝状又は貫通穴にて統一することも可能である。また、上記一方及び他方の両端板(6)(7)の外側面の下部には、伸縮部材(3)を掛止めるための掛止部(13)をそれぞれ突設している。そして、伸縮部材(3)の折り返し部が1つだけ形成される一方の両端板(6)では掛止部(13)を1個形成するが、伸縮部材(3)の折り返し部が2つ形成される他方の両端板(7)の外側面の下部には、2個の掛止部(13)を折り返し部に対応して形成するのが好ましい。
【0020】
そして、支持体(2)である一方及び他方の両端板(6)(7)に、弾性変形可能な1本の伸縮部材(3)を折返し状に張設している。この伸縮部材(3)は、軟弾性材製のゲル材又はゴム材にて中空な棒状に形成している。このように伸縮部材(3)を中空に形成することにより、同一径及び同一長さのむく材にて形成する場合と比較して、伸縮部材(3)の製造コストを安くすることが可能となるとともに、後述の如く、伸縮部材(3)の両端(16)を支持体(2)である一方及び他方の両端板(6)(7)に掛止める作業を容易なものとすることができる。なお、伸縮部材(3)をむく材にて形成することも可能であり、この場合には、中空に形成した場合と比較して伸縮部材(3)が強い弾性力を持つものとなり、より強い反発力で脚を鍛えようとする場合や、より強いマッサージ効果を得ようとする場合に適したものとなる。しかし、中空に形成した場合と比較して、製造コストが高くなる欠点も有している。
【0021】
また、伸縮部材(3)は、図1、図2に示す如く、支持体(2)である一方及び他方の両端板(6)(7)に設けた貫通穴にて形成した掛止部(12)への挿通と、貫通穴にて形成した掛止部(12)外方での折返しを連続的に行うことにより、支持体(2)である一方及び他方の両端板(6)(7)に折返し状に張設している。そして、このように支持体(2)である一方及び他方の両端板(6)(7)に折返し状に張設することにより、上記一方及び他方の両端板(6)(7)の形成間隔には、伸縮部材(3)の直線部(14)が等間隔に連続して4本形成されるものとなる。また、この直線部(14)は、長さ方向中央に於て支持体(2)である支持板(10)に4個設けた溝状の掛止部(11)に係合している。このように、伸縮部材(3)の直線部(14)を溝状の掛止部(11)に係合させることにより、伸縮部材(3)を支持体(2)である一方及び他方の両端板(6)(7)に安定して張設することが可能となるとともに、伸縮部材(3)の直線部(14)を上記支持板(10)により明確に左右に区画して、伸縮部材(3)に両足を載置する際の位置決めを容易なものとすることができる。
【0022】
そして、上述の如く伸縮部材(3)を支持体(2)である一方及び他方の両端板(6)(7)に張設することにより、伸縮部材(3)の4本の直線部(14)と底板(5)との間には、図1、図2に示す如く、伸縮部材(3)に人体の一部を載置して加圧した際に加圧に応じて伸縮部材(3)を底板(5)方向に変形させるための変形間隔(15)が形成されるものとなる。
【0023】
また、図1、図2に示す如く、支持体(2)である一方の両端板(6)には貫通穴にて形成した掛止部(12)を形成しているが、この貫通穴にて形成した掛止部(12)は、外側を幅広とし内側を幅狭とする円錐状に形成し、内側の直径を伸縮部材(3)の外形とほぼ同一径としている。そして、伸縮部材(3)の両端(16)を貫通穴にて形成した掛止部(12)の外側面に貫通突出し、この両端(16)の内部に、掛止部(12)の内側の直径と同一またはやや小さめのボール(9)を挿入する。このようなボール(9)を挿入することにより、伸縮部材(3)の両端(16)の径が大きくなり、貫通穴にて形成した掛止部(12)に両端(16)が掛け止まるから、伸縮部材(3)の両端(16)が貫通穴にて形成した掛止部(12)の外面に強固に掛止めされるものとなる。
【0024】
そのため、足用健康器具(1)の使用時に於て、図1に示す如く、足の踏み込みにより伸縮部材(3)の両端(16)が変形間隔(15)方向に引っ張られても、伸縮部材(3)の両端(16)が貫通穴にて形成した掛止部(12)に突き当たって、伸縮部材(3)の両端(16)が貫通穴にて形成した掛止部(12)から離脱するのを抑制するため、伸縮部材(3)の支持体(2)である一方及び他方の両端板(6)(7)への張設状態を維持することが可能となる。本実施例に於てはこのように、中空に形成した伸縮部材(3)の両端(16)にボール(9)を挿入するという簡易な方法で、伸縮部材(3)を支持体(2)である一方及び他方の両端板(6)(7)に張設するとともに、その張設状態を維持することが可能となる。
【0025】
また、図2に示す如く、支持体(2)である一方及び他方の両端板(6)(7)に張設した伸縮部材(3)は、一方の両端板(6)の外側面で貫通穴にて形成した掛止部(12)よりも下方に突設した掛止部(13)に掛止めて用いることも可能であり、このように突設した掛止部(13)に伸縮部材(3)の一部を掛止めることにより、伸縮部材(3)を伸張し緊張度を容易に高めることが可能となる。なお、伸縮部材(3)は、一方の両端板(6)に突設した掛止部(13)のみに掛止めるものであっても良いし、支持体(2)である一方及び他方の両端板(6)(7)に突設した掛止部(13)にそれぞれ掛止めるものであっても良い。このように一方及び他方の両端板(6)(7)に突設した掛止部(13)にそれぞれ伸縮部材(3)を掛止めれば、更に緊張度を増すことが可能となる。また、掛止部(13)は支持体(2)である一方及び他方の両端板(6)(7)の上下方向に、図2に示す如く複数ヶ所突設することも可能であり、この場合には、伸縮部材(3)の緊張度を段階的に調節することが可能となる。
【0026】
そして、本発明の足用健康器具(1)を使用するには、まず、足裏を伸縮部材(3)の上面に載置する。そして、この状態で下方に足を踏み込むと、伸縮部材(3)が変形間隔(15)内に於て底板(5)方向に弾性変形する。また、この踏込みの後、足を踏込み前の位置まで持ち上げると、伸縮部材(3)は弾性力により元位置に復帰する。そして、この伸縮部材(3)の踏み込みと足の持ち上げを連続的に行うことにより、足の上下動に伴い筋力を強化することが可能となる。また、踏み込みに際して足裏で伸縮部材(3)の表面を押圧するため、足裏を刺激して、血行を促進する等のマッサージ効果を得ることが可能となる。なお、伸縮部材(3)は上述の如く、棒状の軟弾性材にて形成しているため、足を踏み込んだ場合に、足との接触が軟らかで伸縮部材(3)によって足を損傷したりする虞れがないものである。
【0027】
本発明に於てはこのように、筋力の強化とマッサージ効果の促進とを可能とする足用健康器具(1)を、支持体(2)と伸縮部材(3)によって形成したものである。そのため、スプリング、シリンダー及びピストンを必要とする従来例の場合と比較して、器具の構成を簡易なものとすることが可能となり、製造が容易で、廉価な製品を得ることができるとともに、器具をコンパクトで軽量なものとして、狭いスペースでの利用を可能とするとともに、持ち運びに便利なものとすることができる。
【実施例2】
【0028】
また、前記実施例1に於いては、両足を載置するタイプの足用健康器具(1)を1個形成しているが、本実施例2に於いては図3に示す如く、片足ずつを載置するタイプの足用健康器具(1)を2個別体に形成している。このように形成することにより、両足を器具に載置する際の載置位置の自由度を高めることができる。なお、実施例1に於ては、前述の如くボール(9)を中空部に挿入することにより、伸縮部材(3)の両端(16)を貫通穴にて形成した掛止部(12)に掛止めしているが、本実施例2に於ては、短い円柱部材(17)を伸縮部材(3)の両端(16)に挿入することにより、伸縮部材(3)の両端(16)を貫通穴にて形成した掛止部(12)に掛止めしている。
【実施例3】
【0029】
また、前記実施例1、2に於ては、支持体(2)を平坦で傾斜のない載置面(4)に載置しているが、本実施例3に於ては、図4に示す如く、箱形に形成した載置体(18)に載置面(4)を形成し、この載置面(4)に支持体(2)を載置している。そしてこの載置面(4)は、載置体(18)を載置する床面等から傾斜させて形成する。このように載置面(4)を傾斜させることにより、使用者の好みや用途に合わせて、足用健康器具(1)を傾斜して使用することが可能となる。そのため、例えばイスに座ったまま足を前方に投出して使用する場合に使用感を良くすることも可能となり、足用健康器具(1)を一層使い勝手の良いものとすることができる。
【0030】
なお、本実施例に於て用いる載置体(18)はL字型に形成し、このL字型の上面に各々傾斜角度の異なる載置面(4)を設けており、一方の載置面(4)は傾斜角度を30度、他方の載置面(4)は傾斜角度を15度としている。そして、使用者の好みや使用目的に応じて任意の傾斜角度を選択して使用することができる。
【実施例4】
【0031】
また、上記実施例1〜3に於いては、支持体(2)を四角形に形成しているが、実施例4に於いては図5に示す如く、支持体(2)を、角部(19)を円弧状とした三角形に形成している。また、上記実施例1〜3に於いては、複数の支持体(2)を底板(5)により一体に形成しているが、本実施例4に於いては、複数の支持体(2)の足載置間隔に配置した接続杆(21)により連結し一体に形成している。
【0032】
以下、更に詳細に説明すると、本実施例に於いては、3個の支持体(2)を透明なアクリル板にて、上述の如く角部(19)を円弧状とした三角形に形成している。このように支持体(2)を三角形に形成することにより、支持体(2)を安定した状態で載置面(4)に載置することが可能となる。また、上述の如く角部(19)を円弧状にすれば、上端に位置する角部(20)に足裏を載置して押圧することにより、指圧効果を得ることも可能となる。また、円弧状とすることにより、三角形の鋭角とした場合に比較し、足裏を傷つける虞れがない。
【0033】
そして、この3個の支持体(2)の載置間隔の下部両側に、アクリル管にて形成した接続杆(21)を介在させ、この接続杆(21)に、図5に示す如く金属ボルト(22)を挿通し、この金属ボルト(22)に螺着した蝶ネジ(29)を締め付けることにより3個の支持体(2)を固定している。また、接続杆(21)には金属ボルト(22)を挿通するから、接続杆(21)の剛性を高めることが可能となり、使用時に接続杆(21)に強い負荷がかかった場合にも、接続杆(21)の破損や折曲等の事故を防止することが可能となる。
【0034】
また、上述の如く一体に形成した支持体(2)に、上記実施例1〜3と同様に伸縮部材(3)を張設し、この伸縮部材(3)の足裏を載置する位置に、足裏を押圧するための木製で球状の押圧駒(24)を、図5に示す如く左右にそれぞれ1個ずつ配置している。この押圧駒(24)には、伸縮部材(3)を挿通するための挿通穴(25)を貫通形成しており、この挿通穴(25)の両端に、弾性ゴム材にて形成したオーリング(26)を固定配置し、伸縮部材(3)に対する押圧駒(24)の装着位置のズレを防止している。そして、この挿通穴(25)に上記オーリング(26)を介して伸縮部材(3)を挿通することにより、伸縮部材(3)に押圧駒(24)を装着している。このように伸縮部材(3)に押圧駒(24)を配置することにより、使用時に於ける足裏の指圧効果及びマッサージ効果を高めることが可能となる。
【0035】
また、本実施例に於いては押圧駒(24)を上述の如く木製の球状としているが、押圧駒(24)の材質は木製に限られず、樹脂材製、金属製等とすることも可能であるし、押圧駒(24)の形状も、上述の球状には限られず、円柱、直方体、ソロバン玉等の適宜の形状を用いることが可能である。また、本実施例に於いては、押圧駒(24)を左右に一個ずつ配置しているが、押圧駒(24)を左右に複数個ずつ配置することも可能であり、この場合には、押圧駒(24)による指圧効果及びマッサージ効果を更に高めることが可能となる。
【0036】
また、押圧駒(24)の下方には、図5、図6に示す如く、伸縮部材(3)を変形させた際に押圧駒(24)を突き当て可能な位置に、足裏への押圧駒(24)の押圧効果を増大するための軟弾性の突当板(27)を固定配置している。そのため、使用時に伸縮部材(3)に載置した足を下方に踏み込むと、図7に示す如く、押圧駒(24)が突当板(27)に突き当たり、位置を固定するから、足裏に強く押圧駒(24)を押圧させることが可能となり、足裏の指圧効果及びマッサージ効果を更に高めることができる。
【0037】
また、本実施例に於いては上述の如く、軟弾性の突当板(27)を用いており、この軟弾性の突当板(27)が足の踏み込み時の衝撃を吸収するため、押圧駒(24)の足裏へのあたりを柔らかなものとすることが可能となる。また、突当板(27)を軟弾性とすることにより、使用時に突当板(27)が載置面(4)を傷つけるのを防止することが可能となるとともに、突当板(27)と載置面(4)の接触音を小さくすることも可能となる。一方で、他の異なる実施例に於いては、硬質性の突当板(27)を用いることも可能であり、この場合には、突当板(27)が足の踏み込み時に衝撃を吸収しないため、足裏に押圧駒(24)をより強く押しつけて、強い指圧効果及びマッサージ効果を得ることが可能となるが、踏み込み時の押圧駒(24)と突当板(27)の接触音が大きくなる。また、突当板(27)を設けずに載置面(4)に押圧駒(24)を直接接触させることも可能であるが、押圧駒(24)が載置面(4)を傷つけるおそれがある。
【0038】
また、上記3個の支持体(2)の底面の一側には、図6、7に示す如く、弾性ゴム材にて形成した傾斜片(28)を固定し、この傾斜片(28)を介して支持体(2)を載置面(4)に載置することにより、支持体(2)を載置面(4)から傾斜させて配置している。このように支持体(2)を載置面(4)から傾斜させることにより、上記実施例3の場合と同様に、使用者の好みや用途に合わせて、足用健康器具(1)を傾斜して使用することが可能となる。また、本実施例の如く、この傾斜片(28)を弾性ゴム材にて形成すれば、器具の使用により載置面(4)を傷つけるのを防止することが可能となるとともに、傾斜片(28)と載置面(4)の摩擦抵抗を高めて、使用時に於ける足用健康器具(1)の位置ズレを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例1に於いて、足を踏み込んだ状態を示す足用健康器具の斜視図。
【図2】足用健康器具の斜視図。
【図3】実施例2の足用健康器具の斜視図。
【図4】実施例3の足用健康器具の斜視図。
【図5】実施例4の足用健康器具の斜視図。
【図6】図5のA−A線断面図。
【図7】実施例4に於いて、足を踏み込んだ状態を示す足用健康器具の断面図。
【符号の説明】
【0040】
2 支持体
3 伸縮部材
4 載置面
5 底板
6、7 両端板
10 支持板
13 掛止部
15 変形間隔
20 角部
21 接続杆
24 押圧駒
27 突当板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置面に載置して支持するための支持体を足の載置間隔を介して複数配置し、この複数の支持体間に弾性変形可能な軟弾性材製のゲル材又はゴム材より成る棒状の伸縮部材を一定間隔で張設して配置するとともに、この伸縮部材の下方に、伸縮部材に足を載置して加圧した際に加圧に応じて伸縮部材を変形させるための変形間隔を形成したことを特徴とする足用健康器具。
【請求項2】
複数の支持体は、両端に配置した両端板と、この両端板の配置間隔の中央に配置した、両端板と同一高さの支持板とからなることを特徴とする請求項1の足用健康器具。
【請求項3】
複数の支持体は、下端を底板にて接続して一体に形成したことを特徴とする請求項1又は2の足用健康器具。
【請求項4】
複数の支持体は、載置間隔の下部両側に接続杆を介在させて連結固定することにより一体に形成したことを特徴とする請求項1、2又は3の足用健康器具。
【請求項5】
複数の支持体は、角部を円弧状とした三角形に形成したことを特徴とする請求項1、2、3又は4の足用健康器具。
【請求項6】
複数の支持体の円弧状の角部は、足裏を載置して押圧し、指圧効果を得るものであることを特徴とする請求項5の足用健康器具。
【請求項7】
両端板は、伸縮部材を掛止めるための掛止部を突設し、この突設した掛止部に伸縮部材を掛け止めることにより、伸縮部材の緊張度を調節可能としたことを特徴とする請求項2の足用健康器具。
【請求項8】
伸縮部材は、中空であることを特徴とする請求項1の足用健康器具。
【請求項9】
伸縮部材は、足裏を押圧する押圧駒を1個又は複数個、外周に配置したことを特徴とする請求項1又は8の足用健康器具。
【請求項10】
押圧駒の下方には、伸縮部材を変形させた際に押圧駒を突き当て可能な位置に、足裏への押圧駒の押圧効果を増大するための突当板を固定配置したことを特徴とする請求項9の足用健康器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−307368(P2008−307368A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−21461(P2008−21461)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000130178)株式会社コスモ計器 (10)
【Fターム(参考)】