説明

路面標示施工用天幕装置及び路面標示施工方法

【課題】 路面の標示施工予定箇所に対して雨雪を遮断し、路面の標示施工予定箇所を濡れ難くできる路面標示施工用天幕装置を提供する。
【解決手段】 その長手方向途中に複数の折目を有し、長手方向へ広げたときの面積を調整可能とした帯状の天幕1と、天幕1の幅方向及び長手方向に離隔して配置された4つの杆状の脚部21、及び該脚部21の上端部に結合され、横方向への長さを調整可能とした長さ調整部を有する枠状の天幕支持部22とを備えており、天幕支持部22に天幕の周縁部を支持した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降雨、降雪時にやむを得ず路面標示施工を行うのに好適な路面標示施工用天幕装置及び路面標示施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
路面の標示施工は、移動台車に搭載されたタンクと、該タンクの下部に供給路を介して連結され、タンク内の路面標示材(塗料)を路面上へ排出する排出部と、前記供給路を開閉する弁体とを備えた路面標示施工装置を用い、移動台車を手押操作で移動させつつタンク内の路面標示材(塗料)を排出部から路面上へ自重により落下させることにより適宜厚さの標示線等の標示が施工される(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、降雨、降雪時には路面が濡れており、路面標示材を路面に接着させることができないため、標示線等の路面標示施工を行うことができなかった。また、雨上がり後に路面を自然乾燥、ガスバーナ等の乾燥器具で乾燥させた場合でも、この乾燥後の降雨、降雪により再び路面が濡れた場合、標示施工は実施することができなかった。
【特許文献1】特開2000−136507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
降雨、降雪時に路面標示施工装置を用いて路面標示施工を行うには、例えば標示施工予定箇所をベニヤ板等の板体で覆うことが考えられるが、この板体を路面と離隔した位置に安全に据えることが難しいと言う問題があり、また、比較的長い長さの標示線等を施工する場合は板体を継足すことが難しく、比較的短い標示を施工することができるに過ぎないし、また、板体は一定の大きさに形成されているため、板体の保管スペースが広くなり、また、板体の運搬が行い難いと言う問題がある。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は路面の標示施工箇所を路面と離隔した位置で覆う天幕、及び該天幕を前記標示施工箇所の近傍の路面に支持する支持体を備える構成とすることにより、降雨、降雪時においても、路面の標示施工予定箇所に路面標示施工を実行させることが可能となる路面標示施工用天幕装置及び路面標示施工方法を提供することにある。
【0006】
また、他の目的は横方向へ広げたときの面積を調整可能とした天幕とし、支持体に横方向への長さを調整可能とした長さ調整部を設けることにより、路面の標示施工予定箇所の長さに応じて天幕の面積を変えることができ、また、路面標示施工用天幕装置の持運び、及び収納を容易にできる路面標示施工用天幕装置及び路面標示施工方法を提供することにある。
【0007】
また、他の目的は転動輪を有する複数の脚部と、該脚部を離隔した位置で連結し、引出/収納を可能に継合された複数の継杆とを有する構成とすることにより、長さ調整部の剛性を高めることができ、耐久性を向上できる路面標示施工用天幕装置及び路面標示施工方法を提供することにある。
【0008】
また、他の目的は転動輪を有する複数の脚部と、該脚部を連結した索部材とを有する構成とすることにより、継杆を用いるものに比べて軽量にでき、また、支持体の横方向長さを短くすることができる路面標示施工用天幕装置及び路面標示施工方法を提供することにある。
【0009】
また、他の目的は天幕を支持した枠形の天幕支持部の外側に熱遮蔽板を設けることにより、標示施工予定箇所をガスバーナ等による乾燥器具により乾燥させるとき、乾燥器具による天幕の損傷を防ぐことができる路面標示施工用天幕装置及び路面標示施工方法を提供することにある。
【0010】
また、他の目的は帯形の天幕を繰出し可能に巻取る巻取具を設けることにより、路面の標示施工予定箇所の長さに応じて天幕の面積を変えることができ、また、路面標示施工用天幕装置の持運び、及び収納を容易にできる路面標示施工用天幕装置及び路面標示施工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1発明に係る路面標示施工用天幕装置は、路面の標示施工箇所を路面と離隔した位置で覆う天幕、及び該天幕を前記標示施工箇所の近傍の路面に支持する支持体を備えることを特徴とする。
【0012】
第1発明にあっては、支持体が天幕を支持しており、天幕を路面の上側に安全に広げることができ、路面の標示施工予定箇所を覆うことができるため、標示施工予定箇所に対して雨雪を遮断し、路面の標示施工予定箇所を濡れ難くできる。従って、自然乾燥、ガスバーナ等による乾燥器具により標示施工予定箇所を容易に乾燥させることができ、標示施工予定箇所に標示施工を行うことができる。
【0013】
第2発明に係る路面標示施工用天幕装置は、前記天幕は横方向へ広げたときの面積を調整可能としてあり、前記支持体は横方向への長さを調整可能とした長さ調整部を有することを特徴とする。
【0014】
第2発明にあっては、支持体の横方向への長さを調整することにより、天幕の広げたときの面積を調整することができるため、路面の標示施工予定箇所の長さに応じて天幕の面積を変えることができ、また、路面標示施工用天幕装置の持運び、及び収納を容易にできる。
【0015】
第3発明に係る路面標示施工用天幕装置は、前記支持体は、その下端に転動輪を有する複数の脚部を有しており、前記長さ調整部は前記脚部間に架設され、引出/収納を可能に継合された複数の継杆を有することを特徴とする。
【0016】
第3発明にあっては、転動輪を有するため、支持体を簡易に移動させることができ、しかも、横方向への長さを調整する長さ調整部が複数の継杆を有するため、長さ調整部の剛性を高めることができ、耐久性を向上できる。
【0017】
第4発明に係る路面標示施工用天幕装置は、前記支持体は、その下端に転動輪を有する複数の脚部を有しており、前記長さ調整部は、前記脚部を連結した索部材を有することを特徴とする。
【0018】
第4発明にあっては、転動輪を有するため、支持体を簡易に移動させることができ、しかも、横方向への長さを調整する長さ調整部が索部材を有するため、継杆を用いるものに比べて軽量にでき、また、支持体の横方向長さを短くすることができる。
【0019】
第5発明に係る路面標示施工用天幕装置は、前記支持体は前記天幕を支持した枠形の天幕支持部と、該天幕支持部の外側に、防水性を有する熱遮蔽板を備えることを特徴とする。
【0020】
第5発明にあっては、天幕により雨雪を遮断した標示施工予定箇所をガスバーナ等による乾燥器具により乾燥させる場合、この乾燥器具を熱遮蔽板の下側に配置することができ、乾燥器具による天幕の損傷を防ぐことができる。
【0021】
第6発明に係る路面標示施工用天幕装置は、前記天幕は帯形をなしており、該天幕に結合され、天幕を繰出し可能に巻取る巻取具を備えることを特徴とする。
【0022】
第6発明にあっては、支持体に支持された天幕を巻取具で巻取ることができるため、路面の標示施工予定箇所の長さに応じて天幕の面積を変えることができ、また、路面標示施工用天幕装置の持運び、及び収納を容易にできる。
【0023】
第7発明に係る路面標示施工方法は、第1発明乃至第6発明のいずれかひとつに記載の路面標示施工用天幕装置を用いて路面の標示施工箇所を天幕で覆い、標示材排出部を有する路面標示施工装置の前記標示材排出部を前記天幕の下側に配置し、該標示材排出部から路面へ標示材を排出することにより、前記路面に標示施工することを特徴とする。
【0024】
第7発明にあっては、支持体を路面に自立させることにより天幕を路面の上側に広げ、路面の標示施工予定箇所を覆う。この天幕により標示施工予定箇所に対して雨雪を遮断し、路面の標示施工予定箇所を濡れ難くできる。この結果、自然乾燥、ガスバーナ等による乾燥器具により標示施工予定箇所を容易に乾燥させることができ、標示施工予定箇所に標示施工を行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
第1発明によれば、支持体により天幕を安全に広げることができ、路面の標示施工予定箇所を濡れ難くできる。従って、自然乾燥、ガスバーナ等による乾燥器具により標示施工予定箇所を容易に乾燥させることができ、標示施工予定箇所に標示施工を行うことができる。
【0026】
第2発明によれば、路面の標示施工予定箇所の長さに応じて天幕の面積を変えることができ、しかも、路面標示施工用天幕装置の持運び、及び収納を容易にできる。
【0027】
第3発明によれば、支持体を簡易に移動させることができ、しかも、長さ調整部の剛性を高めることができ、耐久性を向上できる。
【0028】
第4発明によれば、支持体を簡易に移動させることができ、しかも、継杆を用いるものに比べて軽量にでき、また、支持体の横方向長さを短くすることができる。
【0029】
第5発明によれば、ガスバーナ等による乾燥器具を熱遮蔽板の下側に配置することができ、乾燥手段による天幕の損傷を防ぐことができる。
【0030】
第6発明によれば、路面の標示施工予定箇所の長さに応じて天幕の面積を変えることができ、しかも、路面標示施工用天幕装置の持運び、及び収納を容易にできる。
【0031】
第7発明によれば、天幕により標示施工予定箇所に対して雨雪を遮断し、路面の標示施工予定箇所を濡れ難くでき、この状態で自然乾燥、ガスバーナ等による乾燥器具により標示施工予定箇所を容易に乾燥させることができ、標示施工予定箇所に標示施工を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
実施の形態1
図1は本発明に係る路面標示施工用天幕装置の構成を示す概略斜視図、図2は路面標示施工用天幕装置の全長を短くした状態を示す概略斜視図である。
【0033】
この路面標示施工用天幕装置は、路面の標示施工箇所を路面と離隔した位置で覆い、幅寸法に対して数倍の長さとなる帯状の天幕1と、該天幕1を標示施工箇所の近傍の路面に支持する支持体2とを備える。
【0034】
支持体2は、その下端に転動輪3を有し、天幕1の幅方向及び長手方向に離隔して配置された4つの杆状の脚部21と、該脚部21の上端部に結合された枠形の天幕支持部22と、天幕支持部22の長手方向一端側に設けられた防水性を有する熱遮蔽板23と、天幕支持部22の長手方向他端側に上下方向へ揺動可能に枢支された水遮蔽板24とを備えており、天幕支持部22に天幕1の周縁部が支持されている。
【0035】
天幕支持部22は天幕1の長手方向側で脚部21,21間に架設された杆状の長さ調整部22a,22aと、天幕1の幅方向側で脚部21,21間に架設された杆状の連結部22b,22bとを有する。脚部21と、長さ調整部22a及び連結部22bとは、3方向の嵌合孔を有する継手25により夫々取外し可能に結合されている。また、転動輪3の転動を停止するロック手段を有し、該ロック手段を操作することにより転動輪3の転動を停止することができるように構成されている。
【0036】
長さ調整部22a,22aはパイプからなる太径継杆と、該太径継杆内に収納され、互いに継合可能としたパイプからなる複数の中径継杆と、最小径の中径継杆内に収納される小径継杆とを有し、太径継杆、中径継杆、小径継杆を1つの杆体となるように継合しており、太径継杆及び各中径継杆の小径端部に天幕1が支持されている。
【0037】
また、支持体2には長さ調整部22a,22aの一端から外方へ延出された2つの延出杆26,26と、該延出杆26,26の先端を支持し、その下端に転動輪3を有する2つの脚部27,27と、延出杆26,26の先端を連結した連結杆28とが設けられており、延出杆26,26及び連結杆28に熱遮蔽板23が取付けられている。
【0038】
熱遮蔽板23は透光性を有する合成樹脂製シートからなり、天幕1とほぼ等しい高さとなる位置に配置されている。
【0039】
水遮蔽板24は合成樹脂製シートからなり、天幕1とほぼ等しい高さとなる位置にその軸芯が水平的となる枢支部を支点として上下方向へ揺動可能に枢支されている。
【0040】
天幕1は可撓性を有する合成樹脂製シートからなり、長手方向途中に複数の折目1aが離隔して設けられており、1つおきの折目1aの端部を長さ調整部22a,22aに支持することにより、天幕1をジグザグ状に屈曲可能とし、長手方向(横方向)へ広げたときの面積を調整可能としてある。
【0041】
路面に施工する標示線は比較的短い線から比較的長い線まであり、また、標示線は15〜45cmの幅であるため、天幕1及び天幕支持部22は長さが1〜50m、幅が約1mとなる大きさに形成されている。また、支持体2は天幕1の路面からの高さが5〜100cmとなるように形成されている。
【0042】
以上のように構成された路面標示施工用天幕装置は、横に広げられた天幕1が、4つの脚部21と各脚部21を連結した天幕支持部22とを有する支持体2により安定性よく支持されているため、天幕1を路面の標示施工予定箇所の上側に安全に配置することができ、路面の標示施工予定箇所を覆うことができ、標示施工予定箇所を濡れ難くできる。しかも、支持体2は転動輪3を有するため、路面標示施工の進行に伴って路面標示施工用天幕装置を容易に移動させることができる。
【0043】
また、支持体2の天幕支持部22の長さが短くなるように長さ調整部22a,22aを調整することにより天幕1をジグザグ状に屈曲させつつ折畳むことができ、路面標示施工用天幕装置の全長を短くすることができる。また、支持体2の天幕支持部22の長さが長くなるように長さ調整部22a,22aを調整しつつ天幕1を広げることにより、路面標示施工用天幕装置の全長を長くすることができる。
【0044】
また、天幕支持部22の外側に熱遮蔽板23を備えるため、天幕1により覆われた標示施工予定箇所をガスバーナ、赤外線ヒータ等の乾燥器具により強制乾燥させる場合、乾燥器具の放熱部を熱遮蔽板23の下側に配置して標示施工予定箇所を乾燥させることができ、放熱による天幕1の損傷を防ぐことができる。しかも、熱遮蔽板23は透光性を有するため、熱遮蔽板23の下側を覗き込むことなく、熱遮蔽板23の上側から標示施工予定箇所を透視して標示施工予定箇所を透視でき、乾燥作業が行い易い。
【0045】
実施の形態2
図3は本発明に係る路面標示施工用天幕装置の他の構成を示す概略斜視図、図4は路面標示施工用天幕装置の全長を短くした状態を示す概略斜視図である。この路面標示施工用天幕装置は、天幕1の熱遮蔽板23側の端部が結合された巻取軸41を有し、該巻取軸41を手動で回転させることにより天幕1を繰出し可能に巻取る巻取具4を支持体2の天幕支持部22に設けたものである。
【0046】
実施の形態2において、天幕1は柔軟性を有する合成樹脂製シートからなり、支持体2は長さ調整部22a,22aを有する実施の形態1と同様に形成されており、さらに、巻取軸41の両端部を回転可能に支持した軸受部5,5が天幕支持部22の長手方向一端部に設けられている。
【0047】
巻取具4は連結部22bと平行的に配置された巻取軸41と、該巻取軸41の一端に連なるハンドル42とを有しており、軸受部5,5に回転可能に支持されている。
【0048】
実施の形態2にあっては、支持体2の天幕支持部22の長さが短くなるように長さ調整部22a,22aを調整しつつ巻取軸41を回転させることにより天幕1を巻取軸41に巻取ることができ、路面標示施工用天幕装置の全長を短くすることができる。また、支持体2の天幕支持部22の長さが長くなるように長さ調整部22a,22aを調整しつつ天幕1を広げることにより、路面標示施工用天幕装置の全長を長くすることができる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同じであるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0049】
実施の形態3
図5は本発明に係る路面標示施工用天幕装置の他の構成を示す概略斜視図である。この路面標示施工用天幕装置は支持体2の天幕支持部22を長さ調整することができない枠形とし、この天幕支持部22に天幕1を支持したものである。
【0050】
実施の形態3において、支持体2は実施の形態1の長さ調整部22a,22aを、1つの杆部材からなる連結部22c,22cとしてある。脚部21と、連結部22b,22b及び連結部22c,22cとは、3方向の嵌合孔を有する継手25により夫々取外し可能に結合されている。
【0051】
実施の形態3にあっては、横に広げられた天幕1が、4つの脚部21と各脚部21間に架設された4つの連結部22b,22b、22c,22cとを有する支持体2により安定性よく支持されているため、天幕1を路面の標示施工予定箇所の上側に安全に配置することができ、路面の標示施工予定箇所を覆うことができ、標示施工予定箇所を濡れ難くできる。しかも、支持体2は転動輪3を有するため、路面標示施工の進行に伴って路面標示施工用天幕装置を容易に移動させることができる。
尚、実施の形態3では、熱遮蔽板23及び水遮蔽板24を備える構成としてもよい。
【0052】
図6、図7は本発明に係る路面標示施工方法の説明図である。図6は実施の形態1の路面標示施工用天幕装置を用いて標示施工箇所を乾燥している状態を示しており、図7は実施の形態1の路面標示施工用天幕装置を用いて標示施工を行う状況を示している。
【0053】
路面の標示施工箇所に標示施工を行う場合、路面の標示施工箇所の近傍に、天幕1を広げていない路面標示施工用天幕装置を配置し、標示施工箇所を天幕1及び熱遮蔽板23で覆い、標示施工予定箇所に対して雨雪を遮断し、路面の標示施工予定箇所を濡れ難くする。この後、ガスバーナ等の乾燥器具6の放熱部61を熱遮蔽板23の下側に配置して標示施工予定箇所を乾燥させつつ支持体2の熱遮蔽板23側を移動させ、天幕支持部22の長さが順次長くなるように調整し、天幕1を順次広げる。この場合、放熱部61が乾燥させた標示施工箇所を順次天幕1で覆うことができるため、標示施工箇所の乾燥状態を維持することができる。このように標示施工箇所を天幕1が覆った状態で、支持体2の水遮蔽板24側に路面標示施工装置7を配置し、標示材排出部71を標示施工箇所の標示施工開始位置に配置し、該標示材排出部71の上側を水遮蔽板24で覆う。この状態で路面標示施工装置7を移動させ、標示施工を行いつつ支持体2の水遮蔽板24側を移動させ、天幕支持部22の長さを順次短くする。尚、標示施工を行いつつ天幕支持部22の長さを順次短くする代わりに、標示施工を行いつつ支持体2の全体を移動させるようにしてもよい。
【0054】
尚、以上説明した実施の形態では長さ調整部22a,22aを複数の継杆により構成したが、その他、ワイヤ、ロープ等の索部材により構成してもよい。
また、以上説明した実施の形態の支持体2は、帯状の天幕1の両端部側に2つの脚部21を有する構成としたが、その他、天幕1の両端部側に夫々1つの脚部21を有し、倒れ防止部材により各脚部21の倒れを防ぐように構成してもよい。
【0055】
また、以上説明した実施の形態では熱遮蔽板23及び水遮蔽板24を備える構成としたが、その他、熱遮蔽板23及び水遮蔽板24をなくした構成としてもよい。水遮蔽板24をなくした場合、標示材排出部71は天幕の真下又は天幕の斜め下側に配置される。
【0056】
また、以上説明した路面標示施工方法は実施の形態1の路面標示施工用天幕装置を用いた例について説明したが、その他、実施の形態2又は実施の形態3の路面標示施工用天幕装置を用いて路面標示施工を行ってもよい。この場合の路面標示施工方法は上述した方法と同様であるため、方法の詳細な説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る路面標示施工用天幕装置の構成を示す概略斜視図である。
【図2】本発明に係る路面標示施工用天幕装置の全長を短くした状態を示す概略斜視図である。
【図3】本発明に係る路面標示施工用天幕装置の他の構成を示す概略斜視図である。
【図4】本発明に係る路面標示施工用天幕装置の全長を短くした状態を示す概略斜視図である。
【図5】本発明に係る路面標示施工用天幕装置の他の構成を示す概略斜視図である。
【図6】本発明に係る路面標示施工方法の説明図である。
【図7】本発明に係る路面標示施工方法の説明図である。
【符号の説明】
【0058】
1 天幕
2 支持体
21 脚部
22 天幕支持部
22a 長さ調整部
23 熱遮蔽板
3 転動輪
4 巻取具
7 路面標示施工装置
71 標示材排出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面の標示施工箇所を路面と離隔した位置で覆う天幕、及び該天幕を前記標示施工箇所の近傍の路面に支持する支持体を備えることを特徴とする路面標示施工用天幕装置。
【請求項2】
前記天幕は横方向へ広げたときの面積を調整可能としてあり、前記支持体は横方向への長さを調整可能とした長さ調整部を有する請求項1記載の路面標示施工用天幕装置。
【請求項3】
前記支持体は、その下端に転動輪を有する複数の脚部を有しており、前記長さ調整部は前記脚部間に架設され、引出/収納を可能に継合された複数の継杆を有する請求項2記載の路面標示施工用天幕装置。
【請求項4】
前記支持体は、その下端に転動輪を有する複数の脚部を有しており、前記長さ調整部は、前記脚部を連結した索部材を有する請求項2記載の路面標示施工用天幕装置。
【請求項5】
前記支持体は前記天幕を支持した枠形の天幕支持部と、該天幕支持部の外側に、防水性を有する熱遮蔽板を備える請求項1乃至4のいずれかひとつに記載の路面標示施工用天幕装置。
【請求項6】
前記天幕は帯形をなしており、該天幕に結合され、天幕を繰出し可能に巻取る巻取具を備える請求項1乃至5のいずれかひとつに記載の路面標示施工用天幕装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかひとつに記載の路面標示施工用天幕装置を用いて路面の標示施工箇所を天幕で覆い、標示材排出部を有する路面標示施工装置の前記標示材排出部を前記天幕の下側に配置し、該標示材排出部から路面へ標示材を排出することにより、前記路面に標示施工することを特徴とする路面標示施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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