説明

身体用手入れ具

【課題】 従来よりも使い勝手がよく、洗浄剤を十分に泡立てることが可能で、しかも身体のマッサージのために使用することも可能な身体用手入れ具を提供すること。
【解決手段】 この発明の身体用手入れ具は、柔軟性を有する薄板状の本体1の外面2に多数の突起3から構成されるブラシ部4を設けた身体洗浄部材5と、柔軟性を有する薄板状の本体6の外面7に多数の凸部8を設けたマッサージ部材9との間に、含ませた洗浄剤を泡立てられるようにした泡立て部材10を設けたものとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、身体、特に首から下の身体全身体を洗ったりマッサージしたりするための身体用手入れ具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、シャワーを浴びたりお風呂に入る際には、手ぬぐいや垢すりに石鹸を付けて身体の表面を擦って洗う。しかし、手ぬぐいは使用後の水切れが悪く、絞らずにそのままにしておいたら雑菌が繁殖して清潔に保管できない。
【0003】
一方、特許文献1に記載のような、入浴用のボディブラシとしてハンドル部51と毛部52とを有するものがあった。このボディブラシは、毛部52に石鹸を付けハンドル部51を握って身体を洗うことができる。ところが、使用後に水で洗って振っても密集した毛の間の水はなかなか切れにくく雑菌が繁殖するおそれがある。そのため、ブラシの毛部52とハンドル部51に抗菌防臭加工が施され衛生面の工夫がなされているものの、雑菌のおそれはなおも残っている。
【0004】
そして、このボディブラシは身体を洗う際に力を入れにくく、あまり使い勝手がよくないという問題があった。
【0005】
また、身体の汚れをよく落とすために、石鹸等の洗浄剤をよく泡立てて使用できるものが望まれていた。さらに、身体を洗浄するだけでなく、マッサージを行うことができるものも望まれていた。
【特許文献1】実開平6−44429号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこでこの発明は、従来よりも使い勝手がよく、洗浄剤を十分に泡立てることが可能で、しかも身体のマッサージのために使用することも可能な身体用手入れ具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
【0008】
(1) この発明の身体用手入れ具は、柔軟性を有する薄板状の本体1の外面2に多数の突起3から構成されるブラシ部4を設けた身体洗浄部材5と、柔軟性を有する薄板状の本体6の外面7に多数の凸部8を設けたマッサージ部材9との間に、含ませた洗浄剤を泡立てられるようにした泡立て部材10を設けたものとしている。
【0009】
この身体用手入れ具は、全身体的に柔軟性を有しており、身体表面に沿ってしならせることが可能で、従来のハンドル部を握って洗うボディブラシとは異なり、直接握って身体洗浄部材5で身体を擦ることができるので、擦る場所などに応じて力の入れ具合の調整や加減を行いやすい。しかも、泡立て部材10により、洗浄剤を十分に泡立てて使用することができ、また、マッサージ部材9により身体のマッサージのために使用することもできる。
【0010】
ここで、ブラシ部4の突起3の長さを約3〜20mm程度に設定すると、身体を洗いやすく且つマッサージ効果がある。
【0011】
身体洗浄部材5とマッサージ部材9の材質として、シリコンエラストマー、シリコンゴム、スチレンゴム、二トリルゴム、アクリルゴム、エチレン酢酸ビニルゴムなどのゴム系のもの、シリコン樹脂やポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの軟質合成樹脂などを用いることができる。
【0012】
(2) 前記ブラシ部4の突起3は長さが異なるように設定したこととしてもよい。
【0013】
ブラシ部4の突起3の長さは全身体を同じに設定してもよいが、このように構成すると、長い突起3はソフトタッチとして足の指の間などに入れることができ、短い突起3で身体を強く擦りマッサージ効果を付与することができる。また、異なる長さとすると長い突起3と短い突起3とで肌触りが変わることとなり、さらに長い突起3と短い突起3とで身体の凹凸にうまくフィットさせることができる。
【0014】
(3) 前記突起3は握った際の長手方向に向けて同じ長さのものが並ぶように設定したこととしてもよい。
【0015】
このように構成すると、身体表面の起伏に沿わせて身体を擦り易い。
【0016】
(4) 身体洗浄部材5とマッサージ部材9とが、泡立て部材10を貫通する接続部材12により接続されたものとしてもよい。
【0017】
このように構成すると、身体洗浄部材5、マッサージ部材9及び泡立て部材10が一身体的にしっかりと連結され、使い勝手のよいものとなる。
【0018】
(5) 身体洗浄部材5に、泡立てられた洗浄剤が通る孔11を設けてもよい。
【0019】
このように構成すると、泡立て部材10で泡立てられた洗浄剤が前記孔11を通って身体洗浄部材5のブラシ部4に出てくるようになる。
【発明の効果】
【0020】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
【0021】
擦る場所などに応じて力の入れ具合の調整や加減を行いやすいので、従来よりも使い勝手がよく、また、洗浄剤をよく泡立てて使用することができ、しかも身体のマッサージのために使用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明の身体用手入れ具は、柔軟性を有する薄板状の本体1の外面2に多数の突起3から構成されるブラシ部4を設けた身体洗浄部材5と、柔軟性を有する薄板状の本体6の外面7に多数の凸部8を設けたマッサージ部材9との間に、含ませた洗浄剤を泡立てられるようにした泡立て部材10を設けたものである。
【0023】
以下、この発明の好適な実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
図1はこの発明の実施形態の身体用手入れ具の正面図(身体洗浄部材5を設けた側)、図2は背面図(マッサージ部材9を設けた側)、図3は右側面図、図4は泡立て部材10の斜視図である。
【0025】
身体洗浄部材5は、ブラシ部4を設けた面を身体表面に沿ってしならせることができるように柔軟性を有するものとしており、その材質として硬度が50度程度のシリコンエラストマーを用い一身体成型したが、シリコンゴム、スチレンゴム、二トリルゴム、アクリルゴム、エチレン酢酸ビニルゴムなどのゴム系のもの、シリコン樹脂やポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの軟質合成樹脂などを用いることができる。
【0026】
前記ブラシ部4の突起3の長さは約3〜20mm程度に設定しており、身体を洗いやすく且つマッサージ効果がある。また、前記ブラシ部4の突起3は長さが異なるように設定したこととしている。具身体的には8mm、12mm〜12.8mmの2種類に設定している。前記突起3は、握った際の長手方向に向けて同じ長さのものが並ぶように設定している。
【0027】
前記本体1は、先端側が薄く(2mm程度)後端側が厚い(10mm程度)形状としている。また、身体洗浄部材5には、泡立てられた洗浄剤が通る孔11が設けられている。
【0028】
マッサージ部材9は、身体洗浄部材5の本体1と同様の素材で同形状に構成した本体6の片面に、多数の凸部8を設けたものとしている。凸部8は、縦、横、高さがそれぞれ数mm程度で、本体6と一体成形されている。
【0029】
身体洗浄部材5とマッサージ部材9とは、互いの内面側に形成された接続部材12で接続されたものとなっており、一体成形により製造することができる。接続部材12は丸棒状で泡立て部材10の厚みに対応した長さを有するものとしている。
【0030】
泡立て部材10はスポンジ製で、連続気泡を有するものとしている。この泡立て部材10は、水や湯で濡らして洗顔剤を含ませた状態にし、そして両側の身体洗浄部材5とマッサージ部材9を手で押すことにより、きめ細かい泡ができるようになっている。
【0031】
泡立て部材10の素材は発泡ウレタンとすることができる。泡立て部材10は、横断面が身体洗浄部材5及びマッサージ部材9の本体1、6と同形状で、厚みが数cmとしている。
【0032】
泡立て部材10の中央の前部、後部には、上面から後面に貫通する取付孔13が設けられており、この取付孔13に前記接続部材12を通している。泡立て部材10は、図4に示したように、前端部、後端部からそれぞれ前記取付孔13へ達する切れ込み14が形成されており、泡立て部材10を前後方向に縮めた状態にして、各接続部材12を前記切れ込み14から取付孔13に入れることにより、身体洗浄部材5とマッサージ部材9との間に固定されるようにしている。
【0033】
次に、この実施形態の身体用手入れ具の使用状態を説明する。
【0034】
この身体用手入れ具は、身体洗浄部材5、マッサージ部材9及び泡立て部材10がいずれも柔軟性を有しており、身体洗浄部材5を身体表面に沿ってしならせることができる。そのため、従来のハンドル部を握って洗うボディブラシとは異なり、直接握って身体を擦ることができるので、擦る場所などに応じて力の入れ具合の調整や加減を行いやすく、従来よりも使い勝手がよいという利点がある。
【0035】
ブラシ部4の突起3の長さは全身体を同じに設定してもよいが、長さが異なるように設定すると、長い突起3(図1の網点で示した箇所)はソフトタッチとして足の指の間などに入れることができ、短い突起3(図1の白抜きで示した箇所)で身体を強く擦りマッサージ効果を付与することができる。また、異なる長さとすると長い突起3と短い突起3とで肌触りが変わることとなり、さらに長い突起3と短い突起3とで身体の凹凸にうまくフィットさせることができるという利点がある。
【0036】
また、前記突起3は長手方向に向けて同じ長さのものが並ぶように設定しており、身体表面の起伏に沿わせて身体を擦り易いという利点がある。
【0037】
身体洗浄部材5、マッサージ部材9の本体1、6は先端側が薄く後端側が厚い形状としており、握ったときの安定感がありまた指先で先端側を曲げて洗う部分にフィットさせることができるという利点がある。
【0038】
この身体用手入れ具は、手のひらにフィットして収まるサイズで適度な重さで使い易く、身体洗浄部材5やマッサージ部材9は首から下の全身の洗浄に使用できる柔らかいシリコンエラストマー製のものであり、ブラシ状の突起3で足の裏などをごしごし擦ることができ、肌表面の汚れや古い角質を無理なく除去することができる。タオルや従来のボディブラシよりも水切れがよく、清潔で洗いやすい。
【0039】
さらに、両側の身体洗浄部材5とマッサージ部材9を手で押すことにより、泡立て部材10からきめ細かい洗浄剤の泡が発生し、前記孔11を通ってブラシ部4に出てくるので、身体の汚れをよく落とすことができる。
【0040】
また、マッサージ部材9で身体をマッサージすることにより、血行をよくしてセリュライト(皮下組織の脂肪細胞に水分や老廃物がたまったもの)を縮小させることができる。
【0041】
なお、身体洗浄部材5、マッサージ部材9及び泡立て部材10は、後端部の左右に突出部15を設けている。この身体用手入れ具は、後端部を下にして立てられるようになっており、その際、前記突出部15によって、身体用手入れ具と床面との間に隙間ができるので、身体用手入れ具の水切りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の実施形態の身体用手入れ具の正面図である。
【図2】この発明の実施形態の身体用手入れ具の背面図である。
【図3】この発明の実施形態の身体用手入れ具の右側面図である。
【図4】この発明の実施形態の身体用手入れ具の泡立て部材の斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 身体洗浄部材の本体
2 身体洗浄部材の外面
3 突起
4 ブラシ部
5 身体洗浄部材
6 マッサージ部材の本体
7 マッサージ部材の外面
8 凸部
9 マッサージ部材
10 泡立て部材
11 洗浄剤が通る孔
12 接続部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性を有する薄板状の本体(1)の外面(2)に多数の突起(3)から構成されるブラシ部(4)を設けた身体洗浄部材(5)と、柔軟性を有する薄板状の本体(6)の外面(7)に多数の凸部(8)を設けたマッサージ部材(9)との間に、含ませた洗浄剤を泡立てられるようにした泡立て部材(10)を設けたことを特徴とする身体用手入れ具。
【請求項2】
ブラシ部(4)の突起(3)は長さが異なるように設定した請求項1記載の身体用手入れ具。
【請求項3】
突起(3)は握った際の長手方向に向けて同じ長さのものが並ぶように設定した請求項2記載の身体用手入れ具。
【請求項4】
身体洗浄部材(5)とマッサージ部材(9)とが、泡立て部材(10)を貫通する接続部材(12)により接続されている請求項1、2又は3記載の身体用手入れ具。
【請求項5】
身体洗浄部材(5)に、泡立てられた洗浄剤が通る孔(11)を設けた請求項1、2、3又は4記載の身体用手入れ具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−6598(P2006−6598A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187476(P2004−187476)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000138934)株式会社ラッキーコーポレーション (5)
【Fターム(参考)】