説明

身長測定装置

【課題】メジャー等を用いずに適正位置に設置可能な身長測定装置に関する技術を提供する。
【解決手段】対象物を模って形成される所定の形状を有し、略鉛直面に設置されて身長を測定する身長測定装置であって、前記略鉛直面上であって床面から間隔をあけた適正位置に設置されるとともに前記所定の形状の一部を形成する本体部と、前記本体部に設けられ、身長を測定するための目盛りを有する目盛り部と、前記本体部の所定の位置に取り付けられることで前記所定の形状のその他の部分のうちの少なくとも一部を形成するとともに前記適正位置を特定し、かつ前記本体部が略鉛直面に設置された後において取り外し可能である位置決め部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身長測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
壁や柱などの鉛直面に設置することで、幼児や子供の身長を測定可能な簡易式の身長計が知られている。例えば、特許文献1に記載の身長計は、デザイン面において、幼児や子供に親しまれ易いよう、ウサギをモチーフとして形成されている。また、機能面においては、収納や運搬時の利便性を考慮して、折り曲げ可能な構成となっている。
【特許文献1】意匠登録第1252122号公報
【特許文献2】意匠登録第1251966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
壁や柱などの鉛直面に設置する身長計によれば、幼児や子供の身長を自宅などにおいて簡易に測定することができる。また、このような身長計を動物等をモチーフとして形成することで、幼児や子供に親しまれ易いデザインとすることができる。ここで、このような従来の身長計は、機能性の面から例えば身長を測定する際の目盛りがゼロからではなく、60cmや70cmといった数字から始まっているのが一般的である。すなわち、0cmから60cmといった、身長計としては実質的に使用しない値に相当する部分を排除して、軽量化や保管時の省スペース化など機能性を重視するためである。
【0004】
しかしながら、このような従来の身長計を壁や柱などの鉛直面に設置する場合、身長計の高さ位置をメジャー等を用いて測る必要があり、非常に煩わしかった。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、メジャー等を用いずに適正位置に設置可能な身長測定装置に関する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上記の課題を解決するため、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、対象物を模って形成される所定の形状を有し、略鉛直面に設置されて身長を測定する身長測定装置であって、前記略鉛直面上であって床面から間隔をあけた適正位置に設置されるとともに前記所定の形状の一部を形成する本体部と、前記本体部に設けられ、身長を測定するための目盛りを有する目盛り部と、前記本体部の所定の位置に取り付けられることで前記所定の形状のその他の部分のうちの少なくとも一部を形成するとともに前記適正位置を特定し、かつ前記本体部が略鉛直面に設置された後において取り外し可能である位置決め部と、を備える。
【0007】
本発明は、本体部の所定の位置に位置決め部を取り付けることで、身長測定装置を設置する適正位置を特定できることを特徴とする。ここで、本発明に係る身長測定装置は、壁や柱といった略鉛直面に設置されて使用される。身長の測定は、被測定者が直立した状態で、床面から被測定者の頂部までの鉛直距離を測定することで行われる。従って、床面などの水平面に自立させて設置する身長測定装置とは異なり、本発明のように鉛直面に設置する身長測定装置では、身長測定装置が設置される適正位置を特定し、適正位置に身長測定装置を設置しなければ正確に身長を測定することができない。この点において、従来の壁掛け式の身長測定装置では、この適正位置の特定をメジャー等を用いて行っていた。しかし、身長測定装置を設置する際にその都度メジャーを用いて設置位置を特定するのは煩わしかった。これに対し、本発明は、位置決め部を備えることから、身長測定装置を設置
する適正位置を特定することができる。従って、従来のように別途メジャー等を用いて測ることなく、身長測定装置を適正位置に設置することができる。
【0008】
また、本発明は、位置決め部の形状が本体部の形状とともに対象物の形状を形成することを特徴とする。すなわち、本発明における位置決め部は、本体部の所定の位置に取り付けられ際に、本体部の形状とともに対象物を模って形成される所定の形状を有する身長測定装置の形状の一部を担っている。これにより、本発明に係る身長測定装置は、優れたデザイン性も有している。
【0009】
ここで、本発明に係る身長測定装置は、対象物を模って形成される所定の形状を有する。対象物には、ユーザに印象を与える様々なものが含まれる。従って、この対象物を模って形成される所定の形状とは、例えば、動物、植物、乗り物、キャラクター、建物等を模って形成される形状である。なお、上述した対象部の形状には、例えば親亀と小亀といったように、実際には複数の対象物から構成されるものも含まれる。更に、本発明における対象物の形状には、例えばロケットとロケットから排出される噴煙といったように対象物そのものだけでなく、これに関連するものを含めてもよい。
【0010】
本体部は、適正位置に設置されるとともに前記所定の形状の一部を形成する。この適正位置は、略鉛直面上であって床面から間隔をあけた位置に設けられる。すなわち、本発明においては、本体部が床面から間隔をあけた上で鉛直面上に設置される。本体部が床面に設置されていると、ユーザが足を引掛けて転倒するといった虞がある。しかし、本発明によれば、本体部が床面から離れた位置に設置されるので、ユーザが転倒するといったことを防止することができる。また、所定の形状の一部を形成するとは、上述した動物、植物、乗り物等の形状の一部を形成することを意味する。なお、本体部は、動物、植物、乗り物といった所定の形状のうち主要な部分によって形成することが好ましい。すなわち、例えば動物でいえば頭部や胴部などで形成すればよい。
【0011】
上述した本体部には、身長を測定する際の目盛りを有する目盛り部が設けられている。目盛り部が有する目盛りの間隔は、特に限定されるものではなく、1ミリメートルごと、1センチメートルごとのいずれであってもよい。また、目盛りには、他の単位系を用いてもよい。また、目盛りに数字を付すことで、より測定を容易にすることができる。そして、このような目盛り部が設けられた本体部が適正位置に設置されることで、身長の測定が可能となる。
【0012】
ここで、本体部は、少なくとも目盛り部の長手方向における長さよりも長い部分を有していることが好ましい。また、本発明に係る身長測定装置は、壁や柱などの鉛直面に設置されて使用されるものであり、この鉛直面への設置は本体部を介して成される。従って、少なくとも本体部の裏面、換言すると壁などの鉛直面と接する側の面は、平面状であることが好ましい。そして、本体部は、位置決め部とともに上述した所定の対象物を模るように形成することができる。
【0013】
位置決め部は、本体部が設置されるべき適正位置を特定する。適正位置の特定は、ある基準点を特定し、適正位置までの距離を特定することで実現することができる。そこで、本発明に係る位置決め部は、身長を測定する際の基準となる水平面から本体部の設置位置までの距離を特定できるものであればよく、位置決め部自体の形態等は特に限定されない。
【0014】
また、位置決め部は、身長測定装置が設置される適正位置を特定する他、本体部とともに対象物を模って形成される所定の形状の一部を形成する。より具体的には、本発明に係る身長測定装置は、前記所定の形状のその他の部分のうちの少なくとも一部を形成する。
これは、本発明に係る身長測定装置の所定の形状が、少なくとも本体部が備える形状と、位置決め部が備える形状とによって形成されることを意味する。そして、対象物の一部とは、上記のような対象物を構成する部位、部品、また、複数の対象物で構成される場合にはそのうちの一つの対象物そのもの、更に、対象物に関連するもの等を意味する。このように、ある対象物をモチーフとして、身長測定装置を形成することで、デザイン性を高めることができる。
【0015】
また、位置決め部は、前記本体部が略鉛直面に設置された後において取り外し可能である。従って、例えば収納時や運搬時には取り外すことで、身長測定装置自体のコンパクト化を図ることができる。
【0016】
以上説明した本発明に係る身長測定装置によれば、位置決め部を備えることで、身長測定装置をメジャー等を用いることなく適正位置に設置することができる。また、本発明に係る身長測定装置は、位置決め部も含めて一つの対象物を模って形成されており、デザイン的にも優れている。
【0017】
なお、本発明は、対象物を模って形成される所定の形状を有し、略鉛直面に設置されて身長を測定する身長測定装置であって、前記略鉛直面上であって床面から間隔をあけた適正位置に設置される本体部と、前記本体部に設けられ、身長を測定するための目盛りを有する目盛り部と、前記本体部に取り付け可能な前記適正位置を特定する位置決め部と、を備え、前記本体部の所定の位置に取り付けられた際、本体部の形状と該位置決め部の形状とによって、前記所定の形状が形成され、前記位置決め部は、前記本体部の所定の位置に取り付けられることで前記適正位置を特定し、かつ前記本体部が略鉛直面に設置された後において取り外し可能としてもよい。
【0018】
本発明も基本的には、上述した発明と同様の構成を有している。すなわち、位置決め部を備えることで、本発明においても、身長測定装置をメジャー等を用いることなく適正位置に設置することができる。なお、本発明では、前記本体部の所定の位置に取り付けられた際、本体部の形状と該位置決め部の形状とによって、前記所定の形状が形成される。これにより、本発明は、デザイン的にも優れている。
【0019】
ここで、本発明において、前記適正位置とは、前記目盛りの値と、床面からの実際の鉛直距離と、が一致する位置とすることができる。これにより、鉛直面に設置された本発明の身長測定装置によって正確に身長を測定することができる。
【0020】
また、本発明において、前記目盛り部の目盛りは、身長を測定するために必要な値から始まり、前記位置決め部は、前記目盛り部の始まりの値に応じた長さを有し、一端が前記本体部の所定の位置に取り付けられ、前記本体部の所定の位置は、前記始まりの値が付された前記目盛り部であり、一端が前記本体部の所定の位置に取り付けられた前記位置決め部が直線状態を形成するとともに他端が床面と接触した状態において、前記適正位置が特定されるようにすることができる。
【0021】
目盛り部の目盛りが身長を測定するために必要な値から始まるとは、一般的に直立して身長測定が可能な被測定者に対して必要のない値が予め省略されていることを意味する。すなわち、本発明で身長を測定可能な被測定者は、特に限定されるものではなく、幼児、子供、又は大人のうちいずれであってもよい。但し、例えば一人歩きができないような乳幼児の身長は測定することができない。従って、本発明では、身長測定装置として必要のない目盛りの値を予め省略することで、身長測定装置のコンパクト化が実現されている。
【0022】
目盛り部の始まりの値に応じた長さとは、例えば目盛りの値が70cmから始まってい
る場合には、目盛り部の長さがおおよそ70cmであることを意味する。このような位置決め部の一端を目盛り部に取り付け、他端が床面に接触するように本体部の高さ方向における位置を調整することで、本発明に係る身長測定装置を適正位置へ設置することができる。なお、位置決め部は、本体部を鉛直面に設置する際に物理的な長さを有する状態を維持できるものであればよい。従って、棒状の部材でもよく、また、折り畳み可能であってもよい。また、例えば紐状の部材であってもよい。紐状の部材によって構成する場合には、例えば先端部に重りを付すことで設置の際、直線状態を形成させることができる。なお、上記位置決め部は、本体部が鉛直面に設置された後において取り外すことができる。従って、位置決め部によってユーザが転倒するといった事態を防止することができる。
【0023】
また、本発明において、前記本体部には、展示物を視認可能に収容する収容部を更に設けてもよい。展示物には、写真、絵画等が例示される。なお、展示物はこれらに限定されるわけではない。写真などのようにシート状のものでもよく、また、例えばユーザが好む美術作品やユーザが作成した創作物といったように立体的なものであってもよい。視認可能とは、収容された展示物が収容部の外部から視認できることを意味する。例えば、収容部の表面を透明の素材で形成すればよい。
【0024】
また、本発明において、前記収容部は、前記目盛り部に沿って所定の間隔をあけて複数設けるようにしてもよい。上述したように収容部には、展示物、例えば写真や絵画等を収容することができる。そこで、本発明のように、目盛りに沿って複数の収容部を設けた場合には、身長を測定した時点における被測定者の写真や被測定者に関連する絵画等を収容部に時系列的に収容することができる。これにより、身長測定の数値結果と思い出の展示物を関連付けて身長測定装置に記録することが可能となる。
【0025】
また、本発明において、本体部の裏面には、本体部を鉛直面に設置するための引掛け部を設けることができる。引掛け部を予め設けることで、本体部を容易に鉛直面に設置することができる。引掛け部を設ける場合、引掛け部は、該本体部の長手方向に沿った重心軸上であって、先端(上部)寄りに設けることが好ましい。これにより、本体部は、鉛直面に引掛け部を支点として吊り下げられることとなり、自重によって鉛直姿勢を形成することができる。本体部が鉛直姿勢を形成することで、本体部に設けられた目盛り部も鉛直姿勢を形成する。すなわち、身長測定装置の向きを本体部を設置するだけで自動的に調整することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、メジャー等を用いずに適正位置に設置可能な身長測定装置に関する技術を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明に係る身長測定装置の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0028】
<構成>
図1は、本実施形態に係る身長測定装置1を示す正面図である。図1に示すように、身長測定装置1は、動物のキリンをモチーフに形成された本体部10と、本体部10の長手方向に沿って設けられた目盛り部20と、キリンの尻尾をモチーフに形成された位置決め部40と、写真などの展示物を収容する収容部30と、を備えている。以下、各構成について更に詳細に説明する。
【0029】
本体部10は、本発明における対象物の形状の一部に相当するキリンの頭部から胴体部をモチーフとして形成されている。本体部10は、このようなキリンの形状をモチーフとして、全体として縦長状に形成されている。また、愛らしいデザインとすることで、本体
部10は、幼児や子供に親しまれ易いデザインとなっている。また、形状だけでなく、模様、色彩といった意匠的な要素も含めてデザインすることで、本体部10のデザイン性をより向上させることができる。なお、本実施形態に係る本体部10は、木製の板部材によって形成さている。但し、これに限定されるものではない。本体部10は、プラスチック等他の素材で形成してもよい。
【0030】
目盛り部20は、本体部10の長手方向に沿って設けられている。ここで、図2は、目盛り部20の下部を示す拡大正面図である。同図に示すように、目盛り部20には、1cm単位で刻まれ、10cm単位ごとに数値が付された目盛り21が設けられている。本実施形態の目盛り21は、目盛り21の始まりの値が70cmから付されている。このように身長測定に不要な目盛りを予め排除することで、目盛り部20の長さによって長手方向の長さが決定される本体部10の長さを短くすることができる。その結果、身長測定装置1のコンパクト化を図ることができる。なお、目盛り21の始まりの値や目盛り21の間隔は、あくまで例示にすぎない。従って、目的に応じて適宜設定すればよい。また、目盛り21の終わりの値も対象となるユーザ層等に応じて適宜設計すればよい。
【0031】
また、目盛り部20には、目盛り21の長手方向に沿って、マーカ取り付け部22が設けられている。マーカ取り付け部22には、身長測定の測定結果位置にマーカ50を取り付けることができる。本実施形態においては、マーカ50の接触面と、マーカ取り付け部22の表面に面ファスナーが設けられている。これにより、マーカ50をマーカ取り付け部22に対して、自由に着脱することができる。なお、例えば、マーカ50を磁石で形成し、マーカ取り付け部22を磁石が接続可能な金属で形成してもよい。
【0032】
収容部30は、目盛り部20に沿って所定の間隔で六つ設けられている。この収容部30には、写真や絵画等といった展示物を収容することができる。本実施形態では、本体部10に収容部30を形成するための略四角形の穴部が設けられ、この穴部を覆うように本体部10の表面側に透明なプラスチック板が設けられている。このような展示物を視認可能な部材によって覆うことで、展示物を保護することができる。そして、本体部10の裏側においては、収容部30に収容された展示物を押さえるための押さえ部31が設けられている。ここで、図3は、本体部10を示す裏面図である。同図に示すように、収容部30の裏面側には、展示物を押さえる押さえ部31、この押さえ部31を固定する爪部32が各辺ごとにそれぞれ設けられている。なお、収容部30は、展示物を収容できる構造であればよく本実施形態に係る構成に限定されるものではない。例えば、収容部30は、矩形状の透明な樹脂製のシートを本体部の表面に配置し、上辺以外の辺、すなわち、左右両辺、下辺を接着してポケットを形成することで設けてもよい。
【0033】
なお、図3に示すように、本体部10には、本体部10を長手方向において折り畳むための折り畳み部33が設けられている。折り畳み部33には、本体部10の幅方向に蝶番34が二つ設けられ、これにより、本体部10が長手方向において折り畳み可能となる。その結果、本体部10、換言すると身長測定装置1のコンパクト化を図ることができるので、本実施形態に係る身長測定装置1によれば、収納時や運搬における利便性をより向上させることができる。
【0034】
また、本体部10の裏面の上部、すなわちキリンの形状の頭部付近には、本体部10を壁などに設置するための引掛け部35が設けられている。この引掛け部35は、本体部10が壁に設置された際に自重によって鉛直になるよう、本体部10の長手方向沿った重心軸上に設けられている。本実施形態に係る引掛け部35には、例えば壁などの垂直面に釘、ねじ、フック等を設け、これに引掛けるための孔部36が設けられている。この孔部36は、上側の幅が狭く形成されることで、壁から脱落しにくい構成となっている。なお、本体部10の表側から引掛け部35の位置が確認できるようにすることが好ましい。例え
ば、キリンの耳と角との間に形成される谷部を通る水平線の線上かつ重心軸上に引掛け部35を形成してもよい。また、本体部10の表側に引掛け部35の位置を示す、模様や色彩を施してもよい。これにより、本体部10を設置する際、壁に設けるフック等のマーキングを容易に行うことができる。
【0035】
図1に戻って説明する。図1に示すように、本体部10の下端部には、キリンの尻尾をモチーフとして形成された位置決め部40が取り付けられている。すなわち、位置決め部40は、キリンという対象物の形状の一部を形成している。位置決め部40は、紐状の部材41によって形成され、その長さが直線状態において略70cmで形成されている。すなわち、位置決め部40の長さは、目盛り21の始まりの値と対応する長さに形成されている。従って、図1に示すように、位置決め部40の上端を本体部10の目盛り21の始まりの値の付近に取り付け、下端を床面と接触するようにすることで、本体部10を適正位置に取り付けることが可能となる。なお、本実施形態の本体部10の下端に沿って位置決め部40を取り付け可能とするための面ファスナーを設けてもよい。これにより、位置決め部40の取り付け位置が、目盛り21の始まりの値の水平方向における延長線上にまで拡張されるので、より利便性を高めることができる。
【0036】
ここで、本実施形態では、位置決め部40は、紐状部材41と、紐状部材41の上端に接続された接続部42と、紐状部材41の下端に接続された重り部43によって形成されている。接続部42は、裏面に面ファスナーが設けられ、目盛り部30のマーカ取り付け部22に脱着可能となっている。また、接続部42は、略円形状で形成されており、直径が本体部10の下端から目盛り21の始まりの値までの距離と一致するように形成されている。これにより、位置決め部40を本体部10の所定の位置に正確に取り付けることが可能となる。なお、本実施形態においては、位置決め部40の最上端(接続部42の上端)から最下端(重り部43の下端)の長さが床面から本体部10の目盛りの開始の値である70cmに設計されている。
【0037】
また、重り部43は、本体部10の設置時において、位置決め部40の紐状部材41が直線状態を形成するのに十分な重さを有する木片によって形成されている。なお、位置決め部40は、本体部10が壁などの垂直面に設置された後は、取り外すことができる。位置決め部40を本体部に取り付けたままにしておくと、子供などが誤って転倒することも想定される。しかし、本実施形態に係る位置決め部40は、取り外すことができるので、このような事態を防止することができる。また、本実施形態に係る位置決め部40は、紐状部材41によって形成されており、折り畳み可能であることから、収納や運搬時の利便性が向上されている。なお、接続部42は本体部の設置後においてマーカとして利用してもよい。また、重り部43にも面ファスナーを設けてもよく、これにより、重り部43もマーカとして利用することが可能となる。
【0038】
<使用方法>
次に、本実施形態に係る身長測定装置1の使用方法について説明する。
【0039】
本実施形態に係る身長測定装置1は、収納時や運搬時は、本体部10に設けられた折り畳み部33で折り畳むことができる。従って、本体部10を折り畳み、位置決め部40は取り外してダンボール等で梱包することができる。そして、使用する際は、この折り畳まれた本体部10を伸ばし、位置決め部40の接続部42を本体部10に設けられた目盛り20の始まりの値である70cm部分に面ファスナーが設けられた面同士を接触させることで取り付ける。
【0040】
次に、位置決め部40の紐状部材41が直線状態を形成し、かつこの紐状部材41の下部に設けられている重り部43の下端が床面と接触するように、位置決め部40が取り付
けられた本体部10を設置する壁に沿って移動させる。そして、位置決めができたら引掛け部35に対応する壁の位置にマーキングを行う。そして、マーキング位置に身長測定装置1を支持するのに十分な強度を有する、釘、ねじ、又はフック等を設置する。釘などの設置が完了したら、本体部10を引掛け部35を介して壁に設置する。なお、位置決め部40は、必要に応じて取り外せばよい。
【0041】
以上説明した身長測定装置1によれば、位置決め部40を備えることで、身長測定装置1をメジャー等を用いることなく壁の適正位置に設置することができる。また、本発明に係る身長測定装置1は、本体部10がキリンの頭部から胴部、位置決め部40がキリンの尻尾をモチーフとして形成されている。すなわち、身長測定装置1は、キリンという一つの対象物の形状を模って形成されているので、デザイン的にも優れている。
【0042】
<その他の実施形態>
ここで、図4にその他の実施形態に係る身長測定装置1aを示す。身長測定装置1aは、基本的には上述した身長測定装置1と同様の構成を有している。すなわち、身長測定装置1aは、本体部10aと、目盛り部20aと、収容部30aと、位置決め部40aとを備えている。なお、上述した身長測定装置1との相違点を中心に説明すると、身長測定装置1aは、乗り物であるロケットの形状をモチーフとして形成されている。本体部10aは、ロケット本体をモチーフとして成形され、位置決め部40aは、接続部42a、紐状部材41a、重り部43aによって形成され、ロケットから排出される噴煙をモチーフとして形成されている。更に、収容部30aは、ロケットの窓をイメージして形成されている。このように、本実施形態に係る身長測定装置1aは、それぞれの構成がロケット又はこれに関連する形状をモチーフとして形成され優れたデザイン構成を有している。また、身長測定は、上述した身長測定装置1と同様の手順により、位置決め部40aによって本体部10aの適正位置を特定することで行うことができる。なお、上述した身長測定装置1は、本体部10が木製部材によって形成されていたが、本実施形態に係る身長測定装置1aでは、本体部10a及び収容部30aがシート状の樹脂製部材によって形成されている。従って、収容時や運搬時は、折り畳むことが可能であり、上述した身長測定装置1よりも更にコンパクト化を図ることが可能である。また、身長測定装置1aは、シート状の樹脂製部材といった木製部材に比べて軽い素材によって形成されている。従って、壁への設置も例えば両面テープといったより簡易的なものによって行うことができる。
【0043】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明に係る身長測定装置はこれに限らず可能な限りこれらの組み合わせを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】身長測定装置を示す正面図である。
【図2】目盛り部の下部を示す拡大正面図である。
【図3】本体部を示す裏面図である。
【図4】その他の実施形態に係る身長測定装置を示す正面図である。
【符号の説明】
【0045】
1、1a・・・身長測定装置
10、10a・・・本体部
20、20a・・・目盛り部
30、30a・・・収容部
40、40a・・・位置決め部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を模って形成される所定の形状を有し、略鉛直面に設置されて身長を測定する身長測定装置であって、
前記略鉛直面上であって床面から間隔をあけた適正位置に設置されるとともに前記所定の形状の一部を形成する本体部と、
前記本体部に設けられ、身長を測定するための目盛りを有する目盛り部と、
前記本体部の所定の位置に取り付けられることで前記所定の形状のその他の部分のうちの少なくとも一部を形成するとともに前記適正位置を特定し、かつ前記本体部が略鉛直面に設置された後において取り外し可能である位置決め部と、
を備える身長測定装置。
【請求項2】
対象物を模って形成される所定の形状を有し、略鉛直面に設置されて身長を測定する身長測定装置であって、
前記略鉛直面上であって床面から間隔をあけた適正位置に設置される本体部と、
前記本体部に設けられ、身長を測定するための目盛りを有する目盛り部と、
前記本体部に取り付け可能な前記適正位置を特定する位置決め部と、を備え、
前記本体部の所定の位置に取り付けられた際、本体部の形状と該位置決め部の形状とによって、前記所定の形状が形成され、
前記位置決め部は、前記本体部の所定の位置に取り付けられることで前記適正位置を特定し、かつ前記本体部が略鉛直面に設置された後において取り外し可能である、身長測定装置。
【請求項3】
前記適正位置とは、前記目盛りの値と、前記床面からの実際の鉛直距離と、が一致する位置である、請求項1又は請求項2に記載の身長測定装置。
【請求項4】
前記目盛り部の目盛りは、身長を測定するために必要な値から始まり、
前記位置決め部は、前記目盛り部の始まりの値に応じた長さを有し、一端が前記本体部の所定の位置に取り付けられ、
前記本体部の所定の位置は、前記始まりの値が付された前記目盛り部であり、
一端が前記本体部の所定の位置に取り付けられた前記位置決め部が直線状態を形成するとともに他端が前記床面と接触した状態において、前記適正位置が特定される、請求項1から請求項3のいずれかに記載の身長測定装置。
【請求項5】
前記所定の形状は、動物又は乗り物を模って形成される、請求項1から請求項4のいずれかに記載の身長測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−188328(P2008−188328A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−27803(P2007−27803)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【出願人】(506011858)株式会社ラドンナ (9)
【Fターム(参考)】