説明

車上設置型アクティブ消音制御装置

【課題】走行する車両そのものの車両下部から直接見通せる空間へ放射される騒音を、走行しながら自らアクティブ消音制御する装置に関する。
【解決手段】騒音の拡散を抑制する防音カバーと、騒音の信号波を焦点へ集める音波反射板と、該音波反射板の焦点に配置された騒音検出用マイクロホンと、該騒音検出用マイクロホン出力により騒音と逆位相・同音圧の音波を放射する逆相スピーカと、該逆相スピーカから放射される音波の進行方向を制限するフードとによって構成され、騒音源から放射される音波と上記逆相スピーカより放射される騒音と逆位相・同音圧の音波との干渉面を上記防音カバーのエッジの近傍に設け、双方の音波伝播のタイミングを合わせるとともに、双方の音波の波束の進行方向が上記干渉面で効果的に波動吸収される干渉限界角が与えられるようにして上記逆相スピーカを設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行する車両そのものの車両下部から直接見通せる空間へ放射される騒音を、走行しながら自らアクティブ消音制御する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道騒音問題は、新幹線騒音ばかりでなく在来線騒音も環境問題として大きく取り上げられている。これらの騒音問題に対処するために、これまで、鉄道路線を安全面も考慮して高架にしたり、鉄道沿線を防音壁で囲ったりして対策が施されてきてはいるが、騒音を低減するための有効な新技術の出現は乏しく、騒音問題が抜本的に解消されるまでには至っていない。防音壁は最も一般的に用いられる対策工法といえるが、これに要する費用は莫大なものであり、また、防音壁の先端を回り込み騒音が壁の裏側へ漏れ出してしまうという欠点がある。これを補い防音壁の防音性能を改善するために、防音壁の先端に能動的な消音制御装置(アクティブノイズコントロール)を設置して回折騒音を低減する技術が開発されるようになった。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)
【0003】
一方、車両下部の側面全体に遮音・吸音性能のある防音カバーを装着して、走行車両の動力やギヤ、冷却用送風ファンなどの駆動系の騒音が外部へ拡散しないようにした車両が試験的に運行されるようにもなった。(例えば、非特許文献1参照。)
【特許文献1】特開平7−234689号公報
【特許文献2】特開平8−237056号公報
【特許文献3】特開平9−54593号公報
【非特許文献1】「3000形防音カバー試験装着車両」小田急電鉄
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来の能動的な消音制御装置による騒音の低減は、三次元空間へ拡散する騒音を低減する技術に関するものではあるものの、防音壁エッジを回折する音、すなわち音源を見通すことのできない音を対象としたものであった。また、地上に設置された壁面を利用するという前提が伴うこともあって、必要とされる地域全体にこの装置を設置するとなると、コストや景観上の問題、電源供給や保守管理の問題など、実用化の観点からは非常に大きな課題を抱えることになる。
【0005】
また、車両下部の側面全体に遮音・吸音性能のある防音カバーを装着する場合は、防音カバーはポイント通過時にレールに接触しない程度の高さを限度として立ち下げることができるが、完全に塞ぐことはできない。レールから見通せる空間、すなわち防音カバー下端と地面とで挟まれた空間から放射される車輪やレールからの放射音は、外部へ漏出する。
【0006】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、走行する車両から放射・拡散される騒音を走行しながら自ら効果的に消音し、静かな走行車両を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、本発明は上述の目的を達成するために、騒音源から放射される騒音の拡散を抑制する防音カバーと、該防音カバー下端と地面とで挟まれた空間から放射される騒音の信号波を焦点へ集める第1の音波反射板と、該第1の音波反射板の焦点に配置された第1の騒音検出用マイクロホンと、該第1の騒音検出用マイクロホン出力により騒音と逆位相・同音圧の音波を放射する第1の逆相スピーカと、該第1の逆相スピーカから放射される音波の進行方向を制限する第1のフードとによって構成され、騒音源から放射される音波と上記第1の逆相スピーカより放射される騒音と逆位相・同音圧の音波とが合流する干渉面を上記防音カバー下端エッジの近傍に設定するとき、上記騒音源と干渉面、および、上記騒音源から放射された音波が上記第1の集音マイクロホンに入り、上記第1の逆相スピーカから放射されて干渉面に至る2つのルートを進む音波の伝播経路の光学的な距離関係を等距離とするとともに、双方の音波の波束の進行方向が上記干渉面で効果的に波動吸収される干渉限界角となるように上記第1の逆相スピーカを設置することによって、騒音源から見通せる空間へ放射される騒音を低減する車上設置型アクティブ消音制御装置である。
【0008】
また、上記記載の車上設置型アクティブ消音制御装置において、上記防音カバー下端エッジを回折する騒音の信号波を焦点へ集める第2の音波反射板と、該第2の音波反射板の焦点に配置された第2の騒音検出用マイクロホンと、該第2の騒音検出用マイクロホン出力により回折音と逆位相・同音圧の音波を放射する第2の逆相スピーカと、スリット状の開口を有する第2のフードとによって構成され、上記防音カバー下端エッジを回折する音波と上記第2のフードのスリット状の開口より放射される回折音と逆位相・同音圧の音波とが干渉によって波動吸収し、騒音源の直接見通せるエリアと防音カバーの裏側となるエリアを合わせた三次元空間の広いエリアの騒音の波動エネルギーを効率よく低減するものである。
【0009】
上記の車上設置型アクティブ消音制御装置を複数個隣り合わせに並べて車上設置型アクティブ消音制御システムを構成するとき、任意の複数個の車上設置型アクティブ消音制御装置を1ユニットとして、対応する複数個の逆相スピーカエンクロージャーの個々のバックキャビティ部を、ユニットごとに全体を一まとめにした容積の大きな共通のバックキャビティとすることによって、個々のキャビティを大きくせずに低い周波数帯域の音まで余裕をもって出力できるスピーカエンクロージャーを得るものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明による車上設置型アクティブ消音制御装置は、騒音放射体となる車輪とレールから放射される騒音の拡散を抑制する防音カバーを利用しながら、防音カバー下端エッジで陰とならない騒音源を直接見通せる位置であっても音源から放射された音がそのまま減音されずに到達することのないエリアをつくることができ、かつ防音カバー下端エッジを回折して防音カバーの裏側へ回り込む騒音についても低減できるため、騒音による影響の弱められた静音域を三次元の広いエリアの空間に創出できるものである。
【0011】
また、本発明は、個々の移動する車両そのものに設置して発生騒音を自ら消音するものであるため、鉄道車両という長大な大量交通機関への搭載は、電気供給は容易であり、設備投資のコスト面からみても非常に大きなメリットがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面に基づき詳細に説明する。
なお、各図中、同一部分は同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【実施例1】
【0013】
図1は、実施例1の構成および作用を示す断面図である。実施例1は、本発明を在来線鉄道の移動する車両そのものに用いたものである。
図1において、21は騒音源、22は干渉面、25は車輪、26はレール、27は地面である。
防音カバー1は、車両の外側下面にレール26の高さの少し上まで下げて設けられ、車両走行時に車輪25およびレール26から放射される騒音の拡散を抑制する。第1の音波反射板2は、走行車両の主たる騒音の発生源となる車輪25およびレール26より放射される騒音の成分を高い精度で集音するための焦点を有するパラボラ反射板で、騒音源21となる車輪25およびレール26の直近に設置されている。第1の騒音検出用マイクロホン3は、第1の音波反射板2の焦点に配置された無指向性のマイクロホンであり、第1の逆相スピーカ4は、第1の騒音検出用マイクロホン3で検出された情報を基に、騒音源21より放射される騒音の伝播性状と干渉面22において逆位相・同音圧の音波を放射するスピーカである。第1のフード5は、形状が下面の一部を切り欠いた変則的な筒状であって、第1の逆相スピーカ4から放射される音波の波束の進行方向を制限し、第1の逆相スピーカ4の守備範囲外への拡散を防止する。
【0014】
以下、その動作について図1に示した図と共に説明する。
在来線鉄道の車両走行時に発生する騒音のうち車輪25がレール26に接触することによって発生する転動音および継ぎ目衝撃音について、車両の外側下面に防音カバー1を立ち下げるとき、この防音カバー1の立ち下がり限界は、レール26の表面に接触することのない余裕を持たせた上方の位置となる。この防音カバー1の下端と鉄道軌道の地面27に挟まれた開放部、すなわち車輪25の一部とレール26を見通せる空間からは、直接外部へ騒音源21からの騒音が放射される。
【0015】
ここで、防音カバー1の下端と鉄道軌道の地面27に挟まれた車両下部の開放面を通過する音波の性状について考察する。
騒音源21の音波放射面が点音源でなく平面的な大きさを有し、この平面的な広がりのある各部を構成する各点から放射状に放射された音波の包絡面からなる波面が車両下部の開放面を通過するとき、車両下部の開放面に各方面から入射される音波の進行方向に対して平均的かつ近似的に垂直な面を想定できるものとして、この面の最大長径がこの面を通過する音波の波長の1/2以内であるとき、通過する音波の振幅と位相は、面内の各部分の全域にわたって特性上の差異や乱れの少ない比較的に安定した特性を有する。以下、このときの音波の波長または周波数について、干渉限界波長または干渉限界周波数という。
【0016】
騒音源21より放射され、防音カバー1の下端と地面27に挟まれた車両下部の開口面を通過する騒音の信号は、車輪25およびレール26の直近に設置されている第1の音波反射板2の焦点へ集められ、この焦点に設置されている第1の騒音検出用マイクロホン3に入力された信号により抽出される。第1の逆相スピーカ4からは、騒音源21より放射された騒音が干渉面22へ到達するときの音波の波面と逆位相・同音圧となるような波面が電気的に加工されて出力される。このとき、騒音源21より放射された音波が干渉面22へ至る伝播経路と、騒音源21から第1の音波反射板2、第1の騒音検出用マイクロホン3、第1の逆相スピーカ4、および干渉面22へ至る2つのルートを進む音波の伝播経路を光学的に等距離とすることで、双方の音波伝播のタイミングを一致させるとともに、音響的ブリッジによるハウリングの発生を抑止する。
【0017】
騒音源21より放射された騒音の進行方向は、地面27の面に沿って干渉面22の方向へ一次元的な波面で進行し、これに対して、第1の逆相スピーカ4からは、地面27の面に対して波動吸収効率の劣化が大きくならない一定の角度、以下これを干渉限界角と呼ぶことにして、たとえば20°以内の放射角が与えられて、干渉面22の方向へ騒音と逆位相・同音圧の一次元的な波面を有する音波を放射する。地面27は双方の音波伝播の拘束面となり、進行方向のほぼ一致しかつ逆位相関係で同音圧の音波が干渉面22で合流すると、双方の音波のエネルギーは効率良く波動吸収され、波動としてのエネルギーが瞬時かつ劇的に消散される。一たん消失した騒音のエネルギーは干渉面22以遠の下流側全域で再び出現することはなく、騒音源21を見通せる空間へ放射される騒音を一様に低減する。
【0018】
また、実施例1は、在来線鉄道を想定して、高速で移動する車両自体に本装置を搭載し、移動物体そのものが発生する騒音を移動しながら自らアクティブ消音制御するものであるが、音場が移動する場合の消音制御の可能性については、速度100km/hでもマッハ数は0.08程度で、静止時のHelmholtzの波動方程式が近似的に成立するので準静止状態として扱うことができる。
【実施例2】
【0019】
図2に基づいて実施例2を説明する。
図2は実施例2の構成および作用を示す断面図である。実施例2は、本発明を、在来線鉄道の移動する車両に適用させた例である。図1と共通の部分は、同一の符号を付してある。
第2の音波反射板12は、防音カバー1の下端エッジ23を回折する音の信号波を得るための焦点を有する反射板で、防音カバー1の下端エッジ23の直近に設置されている。第2の騒音検出用マイクロホン13は、第2の音波反射板12の焦点に配置されたマイクロホンであり、第2の逆相スピーカ14は、第2の騒音検出用マイクロホン13により検出された情報によりエッジ23を回折する騒音と逆位相・同音圧の音を放射する。第2のフード15は、第2の逆相スピーカ14から出力される音波をスリット状の開口を介してエッジ23を回折する回折波を干渉消音できる性状の音を放射できるように先端がスリット状に絞り込まれた形状となっている。
6は、車上設置型アクティブ消音制御装置本体、7は、第1の逆相スピーカ4のバックキャビティ、8は、第2の逆相スピーカ14のバックキャビティである。
【0020】
以下、その動作について図2に示した図と共に説明する。
地面27の面より垂直に立ち上げられた干渉面22へ騒音源21からの騒音が放射されるが、干渉面22と第1の逆相スピーカ4の音波放射面との間には一定の干渉限界角が与えられ、干渉面22の大きさの最大長径を干渉効果の劣化の生じない干渉限界波長の1/2波長以下とする。走行車両や敷設レール等の寸法関係から、防音カバー1の下端と地面27に挟まれた車両下部の開放面の大きさは200mm程度に、また防音カバー1とレール26との間隔を900mm程度と設定することが可能であり、干渉限界周波数は850Hzとすることができる。これら各種の制約を考慮に入れると、干渉面22の位置は防音カバー1の外側近傍に設定することになるが、防音カバー1の下端直下は干渉作用による騒音のエネルギーの実質的かつ効果的に低減される干渉面22より手前の位置となるため、防音カバー1の裏側へは回折騒音が漏出する。
これは、第1の逆相スピーカ4を防音カバー1に沿って上方に必要な距離を確保した位置に設置できる場合には、反射板を設けて逆相波の向きを変えて防音カバー1の内側の干渉面22に到達させることによって回避できるが、常にこのスペースを確保できるとは限らない。このような制約があることを想定すれば、一般性の観点から回折音を無視することはできない。この回折騒音はエッジ23を線音源のようにして筒状の二次元的に拡散する波面となって放射される。この騒音による回折音と逆位相・同音圧の音波を、第2のフード15のスリットの幅が干渉限界波長の1/20程度の開口より放射し、防音カバー1を回折して拡散しようとする騒音を低減する。
その他の各部の動作は、実施例1と同様である。
【0021】
このように、本発明の実施例2によれば、干渉面22へ直進する騒音の直射音とエッジ23を回折する騒音の回折音との双方の音波のエネルギーをそれぞれ別々のアクチュエータを用いて効率よく制御するため、三次元空間の広いエリアに騒音からガードされた静音域をつくり出すことができる。
【0022】
また、防音カバー1の下端に複数個の車上設置型アクティブ消音制御装置を隣り合わせに並べて用いるとき、それぞれ隣り合わせの車上設置型アクティブ消音制御装置本体6の第1の逆相スピーカ4のバックキャビティ7および第2の逆相スピーカ14のバックキャビティ8を、必要に応じて任意の複数セット分を一体とした容積の大きなバックキャビティとすることによって、個々のスピーカエンクロージャーの容積を大きく変更することなく扱い得る周波数帯域が低い周波数帯域まで拡張されたアクティブ消音制御用のスピーカエンクロージャーを得ることもできる。勿論、第1、第2の音波反射板2、12と、第1、第2の騒音検出用マイクロホン3、13を、それぞれ同様に任意の複数個を一体として用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0023】
上記実施形態においては本発明を、在来線鉄道の移動する車両に適用した場合について説明したが、本発明は、騒音源を見通せる空間すなわち直射騒音をアクティブ消音制御すると同時に回折騒音も合わせてアクティブ消音制御し、また移動する車両等そのものが発生する騒音を自らアクティブ消音制御することで、三次元の広いエリアに静音域を創出するものであり、産業上の利用の可能性は多岐にわたる。たとえば、非接触可動部分との間にどうしても空隙を設けなければならない機器、騒音を発生する機械や設備を囲う防音室の開口部、換気、廃熱などのためどうしても密閉することのできない通気口、あるいは送風ダクトなど、非接触可動部や通気性は必要だが音は遮断したいといった用途に上記実施形態と同様に本発明を適用することが可能である。そして、このように本発明を適用した場合においても、上記実施形態と同様な作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】在来線鉄道の移動する車両の第1の実施方法を示した説明図である。
【図2】在来線鉄道の移動する車両の第2の実施方法を示した説明図である。
【符号の説明】
【0025】
1 防音カバー
2 第1の音波反射板
3 第1の騒音検出用マイクロホン
4 第1の逆相スピーカ
5 第1のフード
6 車上設置型アクティブ消音制御装置本体
7 第1の逆相スピーカ4のバックキャビティ
8 第2の逆相スピーカ14のパックキャビティ
12 第2の音波反射板
13 第2の騒音検出用マイクロホン
14 第2の逆相スピーカ
15 第2のフード
21 騒音源
22 干渉面
23 エッジ
25 車輪
26 レール
27 地面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
騒音源から放射される騒音の拡散を抑制する防音カバーと、該防音カバー下端と地面とで挟まれた空間から放射される騒音の信号波を焦点へ集める第1の音波反射板と、該第1の音波反射板の焦点に配置された第1の騒音検出用マイクロホンと、該第1の騒音検出用マイクロホン出力により騒音と逆位相・同音圧の音波を放射する第1の逆相スピーカと、該第1の逆相スピーカから放射される音波の進行方向を制限する第1のフードとによって構成され、騒音源から放射される音波と上記第1の逆相スピーカより放射される騒音と逆位相・同音圧の音波とが合流する干渉面を上記防音カバー下端エッジの近傍に設定するとき、上記騒音源と干渉面、および、上記騒音源から放射された音波が上記第1の集音マイクロホンに入り、上記第1の逆相スピーカから放射されて干渉面に至る2つのルートを進む音波の伝播経路の光学的な距離関係を等距離とするとともに、双方の音波の波束の進行方向が上記干渉面で効果的に波動吸収される干渉限界角となるように上記第1の逆相スピーカを設置することを特徴とする車上設置型アクティブ消音制御装置。
【請求項2】
上記請求項1記載の車上設置型アクティブ消音制御装置において、上記防音カバー下端エッジを回折する騒音の信号波を焦点へ集める第2の音波反射板と、該第2の音波反射板の焦点に配置された第2の騒音検出用マイクロホンと、該第2の騒音検出用マイクロホン出力により回折音と逆位相・同音圧の音波を放射する第2の逆相スピーカと、スリット状の開口を有する第2のフードとによって構成され、上記防音カバー下端エッジを回折する音波と上記第2のフードのスリット状の開口より放射される回折音と逆位相・同音圧の音波とが干渉によって波動吸収されることを特徴とする請求項1記載の車上設置型アクティブ消音制御装置。
【請求項3】
上記記載の車上設置型アクティブ消音制御装置を複数個隣り合わせに並べて車上設置型アクティブ消音制御システムを構成するとき、任意の複数個の車上設置型アクティブ消音制御装置を1ユニットとして、対応する複数個の逆相スピーカエンクロージャーの個々のバックキャビティ部を、ユニットごとに全体を一まとめにした容積の大きな共通のバックキャビティとしたことを特徴とする請求項1および請求項2記載の車上設置型アクティブ消音制御装置。

【図1】
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【図2】
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