説明

車両のバンパ構造及びエネルギ吸収体

【課題】衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを抑制できる。
【解決手段】バンパアブソーバ16では、上壁部18の凸部18A(第1高剛性部)と下壁部20の凹部20B(第2低剛性部)とが車両上下方向に並んで配置され、上壁部18の凹部18B(第1低剛性部)と下壁部20の凸部20A(第2高剛性部)とが車両上下方向に並んで配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のバンパ構造及び車両のバンパリインフォースメントなどに取り付けられるエネルギ吸収体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のバンパリインフォースメントに取り付けられ、車両衝突時に圧縮変形されるエネルギ吸収体においては、車幅方向から見た断面形状が略ハット形に形成されると共に、上下面に凸凹が設けられたタイプのものがある(例えば、特許文献1参照)。このようなエネルギ吸収体では、上下面を構成する板状部分の剛性を、上述の凸凹(リブ)によって確保するようにしている。
【特許文献1】特表2005−536392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の如きエネルギ吸収体では、上下面の凸部(高剛性部)が車幅方向において同じ位置に配置されると共に、上下面の凹部(低剛性部)が車幅方向において同じ位置に配置されている。このため、上下面に凸部が設けられた部位では剛性が高く、上下面に凹部が設けられた部位では剛性が低くなっており、衝突部位によって荷重特性が大きく異なるという問題がある。
【0004】
本発明は上記事実を考慮し、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを抑制できる車両のバンパ構造及びエネルギ吸収体を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明に係る車両のバンパ構造は、車両のバンパリインフォースメントに取り付けられて車両前後方向の衝突荷重により圧縮変形されるバンパアブソーバを備え、前記バンパアブソーバは、第1高剛性部と第1低剛性部とが車幅方向に交互に並んで設けられた上壁部、及び、第2高剛性部と第2低剛性部とが車幅方向に交互に並んで設けられた下壁部を有し、前記上壁部と前記下壁部とが車両上下方向に対向して配置されると共に、前記第1高剛性部と前記第2高剛性部とが車幅方向にずれて配置され、前記第1低剛性部と前記第2低剛性部とが車幅方向にずれて配置されていることを特徴としている。
【0006】
なお、請求項1において、第1高剛性部は、第1低剛性部に対して高剛性であればよく、第2高剛性部は、第2低剛性部に対して高剛性であればよい。また、第1高剛性部、第1低剛性部、第2高剛性部、及び第2低剛性部の剛性については、様々な設定が可能である。例えば、第1高剛性部及び第2高剛性部の剛性を、第1低剛性部及び第2低剛性部の剛性よりも大きく設定してもよい。また例えば、「第1高剛性部の剛性>第1低剛性部の剛性>第2高剛性部の剛性>第2低剛性部の剛性」となるように設定してもよいし、或いは「第2高剛性部の剛性>第2低剛性部の剛性>第1高剛性部の剛性>第2低剛性部の剛性」となるように設定してもよい。但しこの場合、第1高剛性部と第1低剛性部との剛性差と、第2高剛性部と第2低剛性部との剛性差とが、ほぼ等しくなるように設定することが好ましい。以上の点は、後で説明する請求項4においても同様である。
【0007】
請求項1に記載の車両のバンパ構造では、バンパアブソーバは、上壁部の第1高剛性部と下壁部の第2高剛性部とが車幅方向にずれて配置されると共に、上壁部の第1低剛性部と下壁部の第2低剛性部とが車幅方向にずれて配置されている。すなわち、上壁部の第1高剛性部の全部又は一部と下壁部の第2低剛性部の全部又は一部とが車両上下方向に並んで配置されると共に、上壁部の第1低剛性部の全部又は一部と下壁部の第2高剛性部の全部又は一部とが車両上下方向に並んで配置されている。このため、上壁部及び下壁部(バンパアブソーバ)が車両前後方向の衝突荷重によって圧縮変形する際には、上壁部の高剛性を下壁部の低剛性によって相殺することができると共に、下壁部の高剛性を上壁部の低剛性によって相殺することができる。したがって、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを抑制できる。
【0008】
請求項2に記載の発明に係る車両のバンパ構造は、請求項1に記載の車両のバンパ構造において、前記第1高剛性部と前記第2低剛性部とが車両上下方向に並んで配置されると共に、前記第1低剛性部と前記第2高剛性部とが車両上下方向に並んで配置されていることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の車両のバンパ構造では、バンパアブソーバは、上壁部の第1高剛性部と下壁部の第2低剛性部とが車両上下方向に並んで配置されると共に、上壁部の第1低剛性部と下壁部の第2高剛性部とが車両上下方向に並んで配置されている。このため、上壁部及び下壁部(バンパアブソーバ)が車両前後方向の衝突荷重によって圧縮変形する際には、上壁部の高剛性を下壁部の低剛性によって効果的に相殺することができると共に、下壁部の高剛性を上壁部の低剛性によって効果的に相殺することができる。したがって、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを効果的に抑制できる。
【0010】
請求項3に記載の発明に係る車両のバンパ構造は、請求項1又は請求項2に記載の車両のバンパ構造において、前記第1高剛性部と前記第1低剛性部との剛性差と、前記第2高剛性部と前記第2低剛性部との剛性差とが、等しく設定されていることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の車両のバンパ構造では、バンパアブソーバは、上壁部の第1高剛性部と第1低剛性部との剛性差と、下壁部の第2高剛性部と第2低剛性部との剛性差とが等しく設定されている。このため、バンパアブソーバが圧縮変形する際に、上壁部及び下壁部の剛性差をバランス良く効率的に相殺することができ、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを効果的に抑制できる。特に、請求項2に記載の発明に係る車両のバンパ構造に対して本発明を適用した場合には、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを最大限に抑制できる。
【0012】
請求項4に記載の発明に係るエネルギ吸収体は、第1高剛性部と第1低剛性部とが交互に並び方向に並んで設けられた一方の壁部、及び、第2高剛性部と第2高剛性部とが交互に前記並び方向に並んで設けられた他方の壁部を有し、前記一方の壁部と前記他方の壁部とが前記並び方向と直交する対向方向に対向して配置されると共に、前記第1高剛性部と前記第2高剛性部とが前記並び方向にずれて配置され、前記第1低剛性部と前記第2低剛性部とが前記並び方向にずれて配置されると共に、前記並び方向及び前記対向方向に平行な面と交差する方向の衝突荷重によって圧縮変形されることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載のエネルギ吸収体では、一方の壁部には、第1高剛性部と第1低剛性部とが交互に並び方向に並んで設けられ、一方の壁部に対向する他方の壁部には、第2高剛性部と第2高剛性部とが交互に前記並び方向に並んで設けられている。そして、一方の壁部の第1高剛性部と他方の壁部の第2高剛性部とが前記並び方向にずれて配置されると共に、一方の壁部の第1低剛性部と他方の壁部の第2低剛性部とが前記並び方向にずれて配置されている。すなわち、一方の壁部の第1高剛性部の全部又は一部と、他方の壁部の第2低剛性部の全部又は一部とがこれらの壁部の対向方向に並んで配置されると共に、一方の壁部の第1低剛性部の全部又は一部と、他方の壁部の第2高剛性部の全部又は一部とが前記対向方向に並んで配置されている。このため、一方の壁部及び他方の壁部が前記並び方向及び前記対向方向に平行な面と交差する方向の衝突荷重によって圧縮変形する際には、一方の壁部の高剛性を他方の壁部の低剛性によって相殺することができると共に、他方の壁部の高剛性を一方の壁部の低剛性によって相殺することができる。したがって、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを抑制できる。
【0014】
請求項5に記載の発明に係るエネルギ吸収体は、請求項4に記載のエネルギ吸収体において、前記第1高剛性部と前記第2低剛性部とが前記対向方向に並んで配置されると共に、前記第1低剛性部と前記第2高剛性部とが前記対向方向に並んで配置されていることを特徴としている。
【0015】
請求項5に記載のエネルギ吸収体では、一方の壁部の第1高剛性部と他方の壁部の第2低剛性部とがこれらの壁部の対向方向に並んで配置されると共に、一方の壁部の第1低剛性部と他方の壁部の第2高剛性部とが前記対向方向に並んで配置されている。このため、一方の壁部及び他方の壁部が前述した衝突荷重によって圧縮変形する際には、一方の壁部の高剛性を他方の壁部の低剛性によって効果的に相殺することができると共に、他方の壁部の高剛性を一方の壁部の低剛性によって効果的に相殺することができる。したがって、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを効果的に抑制できる。
【0016】
請求項6に記載の発明に係るエネルギ吸収体は、請求項4又は請求項5に記載のエネルギ吸収体において、前記第1高剛性部と前記第1低剛性部との剛性差と、前記第2高剛性部と前記第2低剛性部との剛性差とが、等しく設定されていることを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載のエネルギ吸収体では、一方の壁部の第1高剛性部と第1低剛性部との剛性差と、他方の壁部の第2高剛性部と第2低剛性部との剛性差とが等しく設定されている。このため、本エネルギ吸収体が圧縮変形する際に、一方の壁部及び他方の壁部の剛性差をバランス良く効率的に相殺することができ、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを効果的に抑制できる。特に、請求項5に記載の発明に係るエネルギ吸収体に対して本発明を適用した場合には、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを最大限に抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、請求項1に記載の発明に係る車両のバンパ構造では、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを抑制できる。
【0019】
請求項2に記載の発明に係る車両のバンパ構造では、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを効果的に抑制できる。
【0020】
請求項3に記載の発明に係る車両のバンパ構造では、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを効果的に抑制できる。
【0021】
請求項4に記載を発明に係るエネルギ吸収体では、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを抑制できる。
【0022】
請求項5に記載を発明に係るエネルギ吸収体では、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを効果的に抑制できる。
【0023】
請求項6に記載を発明に係るエネルギ吸収体では、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを効果的に抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
<第1の実施形態>
図1には、本発明の第1の実施形態に係る車両のバンパ構造が適用されて構成されたフロントバンパ10の構成が概略的な縦断面図にて示されている。また、図2には、このフロントバンパ10を構成するバンパアブソーバ16(エネルギ吸収体)の部分的な構成が概略的な斜視図にて示されている。なお、図1は、図2の1−1線に対応している。また、図中矢印FRは車両前方向を示し、矢印UPは車両上方向を示し、矢印Wは車幅方向を示している。
【0025】
図1に示されるように、本第1の実施形態に係るフロントバンパ10は、自動車車体(図示省略)の前端下部に車幅方向に沿って配置されており、車両の意匠を構成するバンパカバー12を備えている。このバンパカバー12は、樹脂材料によって薄肉状に形成されており、図示しないネジ等によって車体の前端下部に固定されている。このバンパカバー12の車両後方側には、金属製のバンパリインフォースメント14(強度部材)が設けられている。
【0026】
バンパリインフォースメント14は、車幅方向に沿って長尺な角筒状に形成されており、車体前部に車両前後方向に沿って延在する左右一対のフロントサイドメンバ(図示省略)の前端部に結合されている。このバンパリインフォースメント14の車両前方側(衝突側)には、エネルギ吸収体としてのバンパアブソーバ16が取り付けられている。
【0027】
バンパアブソーバ16は、例えば樹脂材料を射出成形することで形成されたものであり、バンパリインフォースメント14に比べて十分に低剛性に形成されている。このバンパアブソーバ16は、バンパリインフォースメント14と略同じ長さ寸法に形成されており、長手方向がバンパリインフォースメント14の長手方向(車幅方向)に沿う状態で配置されている(なお、図2では説明の都合上、バンパアブソーバ16の長さ寸法を短く記載してある)。
【0028】
図1に示されるように、バンパアブソーバ16は、バンパリインフォースメント14側が開口する開断面形状(中空状)に形成されており、車両上下方向に対向する上壁部18及び下壁部20と、これらの上壁部18及び下壁部20の車体前方側の端部を車両上下方向に連結する縦壁部22とを備えている。なお、上壁部16Aは、車体後方側へ向かうに従い上昇するように傾斜しており、下壁部16Bは、車体後方側へ向かうに従い下降するように傾斜している。これにより、バンパアブソーバ16を成形する際の成形性(型抜き性)を向上させている。
【0029】
また、上壁部18の車体後方側の端部には、車体上方側へ向けて突出するフランジ部24が設けられており、下壁部20の車体後方側の端部には、車体下方側へ向けて突出するフランジ部26が設けられている。このため、バンパアブソーバ16は、車幅方向から見た断面形状が略ハット形に形成されている。フランジ部24、26は、例えばクリップ等によってバンパリインフォースメント14の前壁部14Aに係止されており、これにより、バンパアブソーバ16がバンパリインフォースメント14に保持されている。
【0030】
一方、図2に示されるように、バンパアブソーバ16の上壁部18には、当該上壁部18を補強するための複数の凸部18A(リブ)が設けられている。これらの凸部18Aは、正面視で台形状に形成されており、車幅方向(バンパアブソーバ16の長手方向)に等間隔に並んで配置されている。このため、上壁部18は凸凹状に形成されており、凸部18Aが設けられた部位の剛性が高く、凹部18Bが設けられた部位(隣り合う凸部18Aの間の部位)の剛性が低く設定されている。すなわち、この上壁部18には、凸部18A(第1高剛性部)と凹部18B(第1低剛性部)とが車幅方向に交互に並んで設けられている。
【0031】
また同様に、バンパアブソーバ16の下壁部20には、当該下壁部20を補強するための複数の凸部20A(リブ)が設けられている。これらの凸部20Aは、正面視で逆台形状に形成されており、車幅方向(バンパアブソーバ16の長手方向)に等間隔に並んで配置されている。このため、下壁部20は凸凹状に形成されており、凸部20Aが設けられた部位の剛性が高く、凹部20Bが設けられた部位(隣り合う凸部20Aの間の部位)の剛性が低く設定されている。すなわち、この下壁部20には、凸部20A(第2高剛性部)と凹部20B(第2低剛性部)とが車幅方向に交互に並んで設けられており、上壁部18と下壁部20は、第1高剛性部及び第1低剛性部の並び方向と、第2高剛性部及び第2低剛性部の並び方向を互いに沿わせた状態で車両上下方向(前記並び方向と直交する方向)に対向している。なお、本第1の実施形態では、凸部18A、20A、及び凹部18B、20Bは、何れも同じ大きさに形成されており、凸部18Aと凸部20との剛性が等しく設定され、凹部18Bと凹部20Bとの剛性が等しく設定されている。換言すれば、凸部18Aと凹部18Bとの剛性差と、凸部20Aと凹部20Bとの剛性差とが等しく設定されている。
【0032】
ここで、本第1の実施形態では、上壁部18の凸部18Aと下壁部20の凸部20Aとが車幅方向(凸部18A、20A及び凹部18B、20Bの並び方向)にずれて配置されており、凸部18Aと凹部20Bとが車両上下方向(上壁部18と下壁部20との対向方向)に並んで配置されている(車両上下方向にオーバーラップ(重合)している)。また、上壁部18の凹部18Bと下壁部20の凹部20Bとが車幅方向にずれて配置されており、凹部18Bと凸部20Aとが車両上下方向に並んで配置されている(車両上下方向にオーバーラップ(重合)している)。
【0033】
すなわち、図3(A)に示されるように、凸部18Aの車幅方向中央部と凹部20Bの車幅方向中央部とが、車幅方向において同じ位置に配置され、凹部18Bの車幅方向中央部と凸部20Aの車幅方向中央部とが、車幅方向において同じ位置に配置されている。
【0034】
上記構成のバンパアブソーバ16は、車両の正面衝突時に、バンパカバー12から入力される車両後方向きの衝突荷重F(車幅方向及び車両上下方向に平行な面と交差する方向の衝突荷重)によってバンパカバー12とバンパリインフォースメント14との間で圧縮変形されることで、当該衝突荷重Fを吸収する。
【0035】
次に、本第1の実施形態の作用について説明する。
【0036】
上記構成のフロントバンパ10では、バンパカバー12とバンパリインフォースメント14との間には、バンパリインフォースメント14よりも剛性が低いバンパアブソーバ16が介在されている。このため、車両の正面衝突時にバンパカバー12に対して車両後方向きの衝突荷重F(図1参照)が入力されると、バンパアブソーバ16がバンパカバー12とバンパリインフォースメント14との間で車両前後方向に圧縮変形され、上記衝突荷重Fを吸収する。
【0037】
ここで、本第1の実施形態では、バンパアブソーバ16が断面略ハット形(中空状)に形成されているが、バンパアブソーバ16の上壁部18及び下壁部20は複数の凸部18A、20Aによって補強されている。このため、上壁部18及び下壁部20の板厚を薄く設定した場合でも、上壁部18及び下壁部20の剛性を確保することができる。したがって、バンパアブソーバ16の軽量化と剛性の確保(エネルギ吸収量の確保)とを両立させることができる。
【0038】
しかも、本第1の実施形態では、図3(A)に示されるように、上壁部18の凸部18Aと下壁部20の凹部20Bとが車両上下方向に並んで配置され、上壁部18の凹部18Bと下壁部20の凸部20Aとが車両上下方向に並んで配置されている。このため、図3(B)に示されるように、バンパアブソーバ16の断面の上下方向寸法L1は、車幅方向の全域において略一定に設定されており、バンパアブソーバ16の断面積が車幅方向において殆ど変化しない構成になっている。これにより、このバンパアブソーバ16では、車幅方向のどの部位においても略一定の荷重特性を得ることができる。
【0039】
すなわち、図4(A)に示される従来のバンパアブソーバ100のように、上壁部18の凸部18Aと下壁部20の凸部20Aとが車両上下方向に並んで配置されると共に、上壁部18の凹部18Bと下壁部20の凹部20Bとが車両上下方向に並んで配置されている場合には、図4(B)に示されるように、凸部18A、20A同士が対向する部位では断面の上下方向寸法L2が大きくなり、剛性が高くなる。また、凹部18B、20B同士が対向する部位では断面の上下方向寸法L3が小さくなり、剛性が低くなる。このため、衝突部位によって荷重特性が大きく異なってしまう。
【0040】
これに対し、本バンパアブソーバ16では、上壁部18の凸部18Aと下壁部20の凹部20Bとが車両上下方向に並んで配置されると共に、上壁部18の凹部18Bと下壁部20の凸部20Aとが車両上下方向に並んで配置されているため、上壁部18の凸部18Aの高剛性を下壁部20の凹部20Bの低剛性によって相殺することができると共に、下壁部20の凸部20Aの高剛性を上壁部18の凹部18Bの低剛性によって相殺することができる。したがって、車幅方向のどの部位においても均一な荷重特性を得ることができる。このため、例えば、車両に比べて車幅方向寸法が小さい歩行者等と車両が正面衝突した場合でも、バンパアブソーバ16の圧縮変形によって、歩行者の衝撃を安定的に吸収することができ、歩行者を良好に保護することができる。
【0041】
また、本バンパアブソーバ16では、上壁部18の凸部18Aと下壁部20の凹部20Bとが車体上下方向に並んで配置され、下壁部20の凸部20Aと上壁部の凹部18Bとが車両上下方向に並んで配置されると共に、凸部18Aと凹部18Bとの剛性差と、凸部20Aと凹部20Bとの剛性差とが等しく設定されている。このため、本バンパアブソーバ16が圧縮変形する際には、上壁部18及び下壁部20の剛性差をバランス良く効率的に相殺することができ、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを最大限に抑制できる。
【0042】
なお、上記第1の実施形態において、例えば上壁部18及び下壁部20の一方にバンパリインフォースメント14への取付部などが設けられることで、当該一方の剛性が部分的に増加したような場合には、上記取付部に対向する下壁部20の一部を低剛性に形成すれば、この下壁部20の低剛性によって、上記取付部による上壁部18の剛性増加を相殺することができる。
【0043】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、前記第1の実施形態と基本的に同様の構成・作用については、前記第1の実施形態と同符号を付与し、その説明を省略する。
<第2の実施形態>
図5(A)及び図5(B)には、本発明の第2の実施形態に係るエネルギ吸収体としてのバンパアブソーバ30の部分的な構成が正面図にて示されている。このバンパアブソーバ30は、前記第1の実施形態に係るバンパアブソーバ16と基本的に同様の構成とされている。
【0044】
但し、このバンパアブソーバ30では、上壁部18の凸部18A(第1高剛性部)と下壁部20の凸部20A(第2高剛性部)とが、各々の車幅方向寸法の2分の1程度車幅方向にずれて配置されており、上壁部18の凸部18Aの一部と、下壁部20の凹部20Bの一部とが車両上下方向に並んで配置されている。また、上壁部18の凹部18B(第1低剛性部)と下壁部20の凹部20B(第2低剛性部)とが、各々の車幅方向寸法の2分の1程度車幅方向にずれて配置されており、上壁部18の凹部18Bの一部と下壁部20の凸部20Aの一部とが車両上下方向に並んで配置されている。このため、図5(B)に示されるように、断面の上下方向寸法が徐々に変化するように構成されている。なお、図5(B)において、断面の上下方向寸法L2、L3、L4の関係は、L3<L4<L2とされている。
【0045】
上記構成のバンパアブソーバ30においても、衝突荷重Fによる圧縮変形時には、上壁部18の凸部18Aの高剛性が下壁部20の凹部20Bの低剛性によって相殺され、下壁部20の凸部20Aの高剛性が上壁部18の凹部18Bの低剛性によって相殺される。したがって、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを抑制できるので、車幅方向のどの位置でも略一定の荷重特性を得ることができ、前記第1の実施形態に係るバンパアブソーバ16と基本的に同様の作用効果を奏する。
<第3の実施形態>
図6には、本発明の第3の実施形態に係るエネルギ吸収体としてのバンパアブソーバ40の構成が概略的な斜視図にて示されている。また、図7には、このバンパアブソーバ40の部分的な構成が概略的な正面図にて示されている。なお、図6では説明の都合上、バンパアブソーバ40の車幅方向の長さ寸法を短く記載してある。
【0046】
このバンパアブソーバ40は、前記第1の実施形態に係るバンパアブソーバ16と基本的に同様の構成とされている。但し、このバンパアブソーバ40では、前記第1の実施形態に係る凸部18A、20Aが省略されており、上壁部18及び下壁部20が平板状に形成されている。そして、これらの上壁部18及び下壁部20には、複数の板状のリブ42、44が設けられている。
【0047】
上壁部18に設けられた複数のリブ42は、上壁部18から上方に突出しており、後端部がフランジ部24に結合されている。これら複数のリブ42は、上壁部18を補強するためのものであり、車幅方向(バンパアブソーバ40の長手方向)に等間隔に並んで配置されている。このため、上壁部18は、リブ42が設けられた部位の剛性が高く、リブ42が設けられていない部位(一般部46)の剛性が低く設定されている。すなわち、この上壁部18には、リブ42(第1高剛性部)と一般部46(第1低剛性部)とが車幅方向に交互に並んで設けられている。
【0048】
一方、下壁部20に設けられた複数のリブ44は、下壁部20から下方に突出しており、後端部がフランジ部26に結合されている。これら複数のリブ44は、下壁部20を補強するためのものであり、車幅方向(バンパアブソーバ40の長手方向)に等間隔に並んで配置されている。このため、下壁部20は、リブ44が設けられた部位の剛性が高く、リブ44が設けられていない部位(一般部48)の剛性が低く設定されている。すなわち、この下壁部20には、リブ44(第2高剛性部)と一般部48(第2低剛性部)とが車幅方向に交互に並んで設けられている。
【0049】
ここで、本第3の実施形態では、図7に示されるように、上壁部18のリブ42と下壁部20のリブ44とが車幅方向にずれて配置されており、上壁部18のリブ42と下壁部20の一般部48とが車両上下方向に並んで配置されると共に、上壁部18の一般部46と下壁部20のリブ44とが車両上下方向に並んで配置されている。
【0050】
上記構成のバンパアブソーバ40においても、衝突荷重Fによる圧縮変形時には、上壁部18のリブ42の高剛性が下壁部20の一般部48の低剛性によって相殺され、下壁部20のリブ44の高剛性が上壁部18の一般部46の低剛性によって相殺される。したがって、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを抑制できるので、車幅方向のどの位置でも略一定の荷重特性を得ることができ、前記第1の実施形態に係るバンパアブソーバ16と基本的に同様の作用効果を奏する。
<第4の実施形態>
図8には、本発明の第4の実施形態に係るエネルギ吸収体としてのバンパアブソーバ50の構成が概略的な斜視図にて示されている。また、図9には、このバンパアブソーバ50の部分的な構成が概略的な正面図にて示されている。なお、図8では説明の都合上、バンパアブソーバ50の車幅方向の長さ寸法を短く記載してある。
【0051】
このバンパアブソーバ50は、前記第1の実施形態に係るバンパアブソーバ16と基本的に同様の構成とされている。但し、このバンパアブソーバ50では、前記第1の実施形態に係る凸部18A、20Aが省略されており、上壁部18及び下壁部20が平板状に形成されている。そして、これらの上壁部18及び下壁部20には、複数の貫通孔52、54が形成されている。
【0052】
上壁部18に設けられた複数の貫通孔52は、車両前後方向に長い矩形状に形成されており、後端側がフランジ部24にまで及んでいる。これら複数の貫通孔52は、上壁部18の剛性を低下させるためのものであり、車幅方向(バンパアブソーバ50の長手方向)に等間隔に並んで配置されている。このため、上壁部18は、貫通孔52が設けられた付近の剛性が低く、貫通孔52が設けられていない部位(一般部56)の剛性が高く設定されている。すなわち、この上壁部18には、一般部56(第1高剛性部)と貫通孔52(第1低剛性部)とが車幅方向に交互に並んで設けられている。
【0053】
一方、下壁部20に設けられた複数の貫通孔54は、上述した貫通孔52と同様に車両前後方向に長い矩形状に形成されており、後端側がフランジ部26にまで及んでいる。これら複数の貫通孔54は、下壁部20の剛性を低下させるためのものであり、車幅方向(バンパアブソーバ50の長手方向)に等間隔に並んで配置されている。このため、下壁部20は、貫通孔54が設けられた付近の剛性が低く、貫通孔54が設けられていない部位(一般部58)の剛性が高く設定されている。すなわち、この下壁部20には、一般部58(第2高剛性部)と貫通孔54(第2低剛性部)とが車幅方向に交互に並んで設けられている。
【0054】
ここで、本第4の実施形態では、図9に示されるように、上壁部18の貫通孔52と下壁部20の貫通孔54とが車幅方向にずれて配置されており、上壁部18の貫通孔52と下壁部20の一般部58とが車両上下方向に並んで配置されると共に、上壁部18の一般部56と下壁部20の貫通孔54とが車両上下方向に並んで配置されている。
【0055】
上記構成のバンパアブソーバ50においても、衝突荷重Fによる圧縮変形時には、上壁部18の一般部56の高剛性が下壁部20の貫通孔54の低剛性によって相殺され、下壁部20の一般部58の高剛性が上壁部18の貫通孔52の低剛性によって相殺される。したがって、衝突部位によって荷重特性に差異が生じることを抑制できるので、車幅方向のどの位置でも略一定の荷重特性を得ることができ、前記第1の実施形態に係るバンパアブソーバ16と基本的に同様の作用効果を奏する。
<第5の実施形態>
図10には、本発明の第5の実施形態に係るエネルギ吸収体としてのバンパアブソーバ60の部分的な構成が概略的な正面図にて示されている。さらに、図11には、このバンパアブソーバ60の部分的な構成が斜視図にて示されている。
【0056】
このバンパアブソーバ60は、前記第1の実施形態に係るバンパアブソーバ16と基本的に同様の構成とされているが、このバンパアブソーバ60では、上壁部18の凹部18B及び下壁部20の凹部20Bには、それぞれ貫通孔62、64が形成されている。このため、このバンパアブソーバ60では、前記第1の実施形態に係るバンパアブソーバ16よりも凹部18B、20Bの剛性が低く設定されている。
【0057】
上記構成のバンパアブソーバ60においても、前記第1の実施形態に係るバンパアブソーバ16と基本的に同様の作用効果を奏する。
【0058】
なお、図12には、このバンパアブソーバ60が車両前方側からの衝突荷重Fによって圧縮変形する際の荷重特性がグラフにて示されている(図12では、図10のA1線に対応する部位の荷重特性が実線で示され、図10のA2線に対応する部位の荷重特性が点線で示されている)。以下、このバンパアブソーバ60と、図13及び図14に示される従来構造のバンパアブソーバ200との荷重特性の違いについて説明する。さらに、図16及び図17に示されるバンパアブソーバ70(本第5の実施形態に係るバンパアブソーバ60の変形例であり本発明が適用されて構成されたもの)との比較についても説明する。
【0059】
図13及び図14に示される従来構造のバンパアブソーバ200は、凸部18Aと凸部20Aとが車両上下方向に並んで配置されると共に、凹部18Bと凹部20Bとが車両上下方向に並んで配置されているが、それ以外の点では、本第5の実施形態に係るバンパアブソーバ60と同様の構成とされている。このバンパアブソーバ200は、図15に示されるような荷重特性を示す(なお、図15では、図13のC1線に対応する部位の荷重特性が実線で示され、図13のC2線に対応する部位の荷重特性が点線で示されている)。
【0060】
図15に示されるように、従来構造のバンパアブソーバ200においては、図13のC1線に対応する部位(凹部18B及び凹部20Bの車幅方向中央部を通る部位)と、図13のC2線に対応する部位(凸部18A及び凸部20Aの車幅方向中央部を通る部位)とで荷重特性が大きく異なっており、衝突部位によって荷重特性が大きく異なることが分かる。
【0061】
一方、図12に示されるように、本第5の実施形態に係るバンパアブソーバ60では、図10のA1線に対応する部位(凸部18A及び凹部20Bの車幅方向中央部を通る部位)と、図10のA2線に対応する部位(凸部18Aと凸部20Aが車両上下方向にオーバーラップした部位)との何れにおいても略同様の荷重特性を示すことが分かり、衝突部位によらず略一定の荷重特性が得られることが分かる。また、特に衝突初期の段階において荷重特性のバラツキが抑制されていることが分かる。
【0062】
また一方、図16及び図17に示されるバンパアブソーバ70(本第5の実施形態の変形例)のように、凸部18Aと凸部20Aとが各々の車幅方向寸法の2分の1程度車幅方向にずれて配置されると共に、凹部18Bと凹部20Bとが各々の車幅方向寸法の2分の1程度車幅方向にずれて配置された構成の場合には、図18に示されるような荷重特性を示す(なお、図18では、図16のB1線に対応する部位の荷重特性が実線で示され、図16のB2線に対応する部位の荷重特性が点線で示されている)。
【0063】
図18から、このバンパアブソーバ70では、従来構造のバンパアブソーバ200に比べて衝突部位による荷重特性の差異が大幅に少なくなっていることが分かり、本第5の実施形態に係るバンパアブソーバ60と基本的に同様の作用効果を奏することが分かる。
【0064】
また、図19には、上述したA1、A2、B1、B2、C1、C2における荷重特性が1枚のグラフにより示されている。図19から、本発明が適用されて構成されたバンパアブソーバ60、70(A1、A2、B1、B2)では、従来構造のバンパアブソーバ200(C1、C2)に比べて、荷重が滑らかに増加することが分かる。
【0065】
なお、前記第1の実施形態〜上記第5の実施形態では、上壁部18及び下壁部20の高剛性部を、凸部18A、20Aやリブ42、44によって構成し、上壁部18及び下壁部20の低剛性部を、凹部18B、20Bや貫通孔52、54、62、64によって構成したが、本発明はこれに限らず、高剛性部及び低剛性部(剛性調整手段)の構成は適宜変更することができる。例えば、上壁部18及び下壁部20の板厚を変化させるようにしてもよい。
【0066】
また、前記第1の実施形態〜上記第5の実施形態では、本発明が車両のフロントバンパに対して適用された場合について説明したが、本発明は車両のリヤバンパに対しても適用することができる。
【0067】
さらに、前記第1の実施形態〜上記第5の実施形態では、本発明に係るバンパアブソーバ(エネルギ吸収体)が車両のバンパリインフォースメントに取り付けられた場合について説明したが、これに限らず、本発明に係るエネルギ吸収体は、衝突荷重が入力される部材を取付対象にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両のバンパ構造が適用されて構成されたフロントバンパの縦断面図である。
【図2】図1に示されるフロントバンパを構成するバンパアブソーバの斜視図である。
【図3】図1に示されるバンパアブソーバの部分的な構成を示し、(A)は凸部と凹部の配置関係を説明するための正面図であり、(B)は各部位における断面の上下方向寸法を説明するための正面図である。
【図4】従来のバンパアブソーバの部分的な構成を示し、(A)は凸部と凹部の配置関係を説明するための正面図であり、(B)は各部位における断面の上下方向寸法を説明するための正面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るバンパアブソーバの部分的な構成を示し、(A)は凸部と凹部の配置関係を説明するための正面図であり、(B)は各部位における断面の上下方向寸法を説明するための正面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るバンパアブソーバの斜視図である。
【図7】図6に示されるバンパアブソーバの部分的な構成を示す正面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るバンパアブソーバの斜視図である。
【図9】図7に示されるバンパアブソーバの部分的な構成を示す正面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係るバンパアブソーバの部分的な構成を示す正面図である。
【図11】図10に示されるバンパアブソーバの部分的な構成を示す斜視図である。
【図12】図10に示されるバンパアブソーバの荷重特性を示すグラフである。
【図13】従来のバンパアブソーバの部分的な構成を示す正面図である。
【図14】図13に示されるバンパアブソーバの部分的な構成を示す斜視図である。
【図15】図13に示されるバンパアブソーバの荷重特性を示すグラフである。
【図16】本発明の第5実施形態の変形例に係るバンパアブソーバの部分的な構成を示す正面図である。
【図17】図16に示されるバンパアブソーバの部分的な構成を示す斜視図である。
【図18】図16に示されるバンパアブソーバの荷重特性を示すグラフである。
【図19】図10、図13、及び図16に示されるバンパアブソーバの荷重特性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0069】
10 フロントバンパ
16 バンパアブソーバ(エネルギ吸収体)
18 上壁部(一方の壁部)
18A 凸部(第1高剛性部)
18B 凹部(第1低剛性部)
20 下壁部(他方の壁部)
20A 凸部(第2高剛性部)
20B 凹部(第2低剛性部)
40 バンパアブソーバ(エネルギ吸収体)
42 リブ(第1高剛性部)
44 リブ(第2高剛性部)
46 一般部(第1低剛性部)
48 一般部(第2低剛性部)
50 バンパアブソーバ(エネルギ吸収体)
52 貫通孔(第1低剛性部)
54 貫通孔(第2低剛性部)
56 一般部(第1高剛性部)
58 一般部(第2高剛性部)
60 バンパアブソーバ(エネルギ吸収体)
62 貫通孔(第1低剛性部)
64 貫通孔(第2低剛性部)
70 バンパアブソーバ(エネルギ吸収体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のバンパリインフォースメントに取り付けられて車両前後方向の衝突荷重により圧縮変形されるバンパアブソーバを備え、
前記バンパアブソーバは、第1高剛性部と第1低剛性部とが車幅方向に交互に並んで設けられた上壁部、及び、第2高剛性部と第2低剛性部とが車幅方向に交互に並んで設けられた下壁部を有し、前記上壁部と前記下壁部とが車両上下方向に対向して配置されると共に、前記第1高剛性部と前記第2高剛性部とが車幅方向にずれて配置され、前記第1低剛性部と前記第2低剛性部とが車幅方向にずれて配置されていることを特徴とする車両のバンパ構造。
【請求項2】
前記第1高剛性部と前記第2低剛性部とが車両上下方向に並んで配置されると共に、前記第1低剛性部と前記第2高剛性部とが車両上下方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のバンパ構造。
【請求項3】
前記第1高剛性部と前記第1低剛性部との剛性差と、前記第2高剛性部と前記第2低剛性部との剛性差とが、等しく設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両のバンパ構造。
【請求項4】
第1高剛性部と第1低剛性部とが交互に並び方向に並んで設けられた一方の壁部、及び、第2高剛性部と第2高剛性部とが交互に前記並び方向に並んで設けられた他方の壁部を有し、前記一方の壁部と前記他方の壁部とが前記並び方向と直交する対向方向に対向して配置されると共に、前記第1高剛性部と前記第2高剛性部とが前記並び方向にずれて配置され、前記第1低剛性部と前記第2低剛性部とが前記並び方向にずれて配置されると共に、前記並び方向及び前記対向方向に平行な面と交差する方向の衝突荷重によって圧縮変形されるエネルギ吸収体。
【請求項5】
前記第1高剛性部と前記第2低剛性部とが前記対向方向に並んで配置されると共に、前記第1低剛性部と前記第2高剛性部とが前記対向方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項4に記載のエネルギ吸収体。
【請求項6】
前記第1高剛性部と前記第1低剛性部との剛性差と、前記第2高剛性部と前記第2低剛性部との剛性差とが、等しく設定されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のエネルギ吸収体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−227037(P2009−227037A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73467(P2008−73467)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000185617)小島プレス工業株式会社 (515)