説明

車両のポストリフト

【課題】簡素な構成で車両を持ち上げることができるポストリフトの提供。
【解決手段】少なくとも1つの支持ポスト2と、ポスト上を略垂直方向に沿って摺動することで車両を持ち上げ且つ位置を固定する支持要素4と、支持要素を駆動する流体アクチュエータ装置7と、アクチュエータ装置に第1の閉回路を通して第1の流体を送り込むポンピング装置8と、操作によって第1の流体をアクチュエータ装置から流出させて支持要素を上昇位置から下降位置に移動させる排出弁と、排出弁に設けた第2の閉回路と、第2の閉回路内部の第2の流体の圧力を排出弁が閉じられている最小圧値と排出弁が開かれている最大圧値との間で変更させる手動装置22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のポストリフトに関する。
【背景技術】
【0002】
既知のように、いわゆる「リフト」装置は一般に、自動車両の車庫/作業場内部で、通常のメンテナンス又は修理作業のために作業員が車両の下部に手が届くようにするために、車両を持ち上げるために使用される。
【0003】
そのような装置の特定の広く使用されるタイプは、「ポストリフト」のタイプである。
【0004】
一般に使用されるポストリフトは、
−互いに離間されて垂直に平行して延びる一対の支持ポストと、
−各ポストにある、1つ又は複数の水平伸縮アームを支持するのに適した垂直に摺動するトロリーであって、自由端部に、持ち上げるべき車両の各下部に接触するように位置決め可能なパッドを有する、トロリーと、
−トロリーの昇降を操作するための操作手段と
を備える。
【0005】
従来の国際安全規制では、ポストリフトに、停止フェーズ中にアームを保持し、係合して、例えば、操作手段の故障によるアームの不意の下降を回避するのに適した装置が必要なことも既知である。
【0006】
保持装置は一般に、トロリーに一体的に関連付けられ、通常の条件では、支持ポストに沿って得られる各シート内部に固定される特定の爪で構成される。
【0007】
特に、そのような爪を各シートから取り外すことは、アームが降下する前に作業員が手動で行うこともでき、又は代替として、アーム支持トロリーの降下制御の動作に続き、自動的に制御することもできる。
【0008】
既知のポストリフトは、特に、電子機械型のものであり得る。
【0009】
この場合、アーム上昇/下降操作手段は、例えば、ポスト内部に収容され、アーム支持トロリーに動作的に関連付けられたウォームスクリューを備える電子機械アクチュエータで構成される。
【0010】
電子機械アクチュエータは、外部電力線に適宜接続され、電子制御ユニットにより制御される。
【0011】
しかし、電子機械型のポストリフトにはいくつかの欠点がある。
【0012】
実際には、アームの移動、保持装置の任意のオートメーション、及び一般に必要なすべての安全対策への準拠には、多くのアクチュエータ及び電子センサを使用し、それらを連係させ、保守することが必要である。
【0013】
これは必然的に複雑な制御電子回路の使用に繋がり、結果として、リフト製造の総コストが増大する。
【0014】
あるいは、電子油圧型ポストリフトの使用が既知である。
【0015】
この場合、操作手段は、支持ポスト内部に収容され、アーム支持トロリーに動作的に関連付けられた一対の油圧シリンダを備える。
【0016】
モータ/ポンプ組立体が、適した流体回路により各油圧シリンダに接続され、アームを持ち上げる電力制御装置により操作することができる。
【0017】
アームの下降は、空気圧により、又は電子的に流体回路の排出弁を開くことにより行われる。
【0018】
爪を解放して、アームを下降させることは、手動で、空気圧により、又は電気的に制御することができる。
【0019】
しかし、手動の場合、手動機構の存在は、通常要求される国際安全要件に準拠しない。
【0020】
一方、空気圧による操作の場合、外部空気供給ラインが使用され、排出弁及び爪を動かす空気圧シリンダに接続される。
【0021】
したがって、特定の制御装置により制御される外部空気供給ラインによる加圧空気の導入により、排出弁を開き、空気圧シリンダを動作させて、爪を解放することができる。
【0022】
しかし、既知のタイプの電子油圧式ポストリフトにも欠点がある。
【0023】
特に、アームを下降させるには、補助的な電子装置を使用する必要があり、又は代替として、外部空気供給ラインを使用する必要がある。
【0024】
補助的な電子装置を使用する場合、これにより必然的に、複雑な制御電子回路を使用することが必要になり、したがって、リフト製造の総コストの増大に繋がる。
【0025】
一方、外部空気供給ラインを使用する場合、リフト使用者は作業場に外部空気供給ラインを装備することが強いられ、これは、使用者にとっての総コストを増大させるのみならず、常に実施が容易なわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明の主な目的は、達成が容易であり、使用が容易且つ効率的であり、安価な解決策の範囲内で車両を昇降させることができる車両のポストリフトを提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、作業員を守るために必要な安全要件に準拠する車両のポストリフトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記目的は、
−少なくとも1つの支持ポストと、
−上記ポストに関連付けられ、略垂直方向に沿って摺動し、持ち上げるべき車両の少なくとも部分に接触して位置決め可能な少なくとも1つの保持要素と、
−上記支持要素に関連付けられた少なくとも1つの流体動作アクチュエータ装置と、
−第1の閉回路を通して上記アクチュエータ装置に関連付けられ、第1の流体を上記アクチュエータ装置に向けてポンピングして、上記支持要素を下降位置から上昇位置に移動させるのに適する少なくとも1つのポンピング装置と、
−上記第1の回路に関連付けられ、操作されて、上記第1の流体を上記アクチュエータ装置から流出させて、上記支持要素を上記上昇位置から上記下降位置に移動させることができる少なくとも1つの排出弁と
を備える、車両の本ポストリフトであって、
上記排出弁に関連付けられた少なくとも1つの第2の閉回路と、上記第2の回路内部の第2の流体の圧力を、上記排出弁が閉じられる最小圧値と上記排出弁が開かれる最大圧値との間で変更する少なくとも1つの手動装置とを備えることを特徴とする、車両の本ポストリフトにより達成される。
【0029】
本発明の他の特徴及び利点が、限定ではなく純粋に例として添付図面に示される車両のポストリフトの好ましいが、唯一ではない実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明によるリフトの不等角投影図である。
【図2】本発明によるリフトのポストのうちの1つの不等角投影側面図である。
【図3】本発明によるリフトのポストのうちの1つの不等角投影正面図である。
【図4】本発明によるリフトのポストのうちの1つの詳細図である。
【図5】停止構成の本発明によるリフトの保持手段を示す側面断面図である。
【図6】解放構成の本発明によるリフトの保持手段を示す側面断面図である。
【図7】本発明によるリフトの第1及び第2の回路を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
そのような図を特に参照すると、1で全体的に示されるのは、通常のメンテナンス又は修理作業のために作業員が車両の下部に手が届くようにするために、車両を持ち上げるために自動車両の車庫/作業場内部で一般に使用されるタイプのポストリフトである。
【0032】
リフト1は、
−地面に固定可能なベース3をそれぞれ有する一対の支持ポスト2と、
−各ポスト2に関連付けられ、略垂直方向に沿って摺動し、持ち上げるべき車両の各部分に接触して位置決め可能な2つの保持要素4と
を備える。
【0033】
特に、図に示されるリフト1の実施形態のみを参照するのではなく、各ポスト2上に、一対の保持要素4の支持に適したトロリー5が、垂直に摺動するように嵌められる。
【0034】
各支持要素4は、調整可能な長さの水平伸縮アームで構成され、水平伸縮アームの一端部は、垂直回転軸を中心としてトロリー5にヒンジ留めされ、他端部は、持ち上げるべき車両の下の予め定義されたエリアに対応して位置決め可能なゴムパッド6を有する。
【0035】
しかし、例えば、1つのみのポスト2があり、ポスト2上で、車両を支持する枠を構成する1つのみの保持要素4が垂直に摺動するリフト1の異なる実施形態を除外することはできない。
【0036】
リフト1は、
−トロリー5に関連付けられた流体動作アクチュエータ装置7と、
−第1の閉回路9を通してアクチュエータ装置7に関連付けられ、第1の流体をアクチュエータ装置7に向けてポンピングして、トロリー5、ひいてはアーム4を下降位置から上昇位置に移動させるのに適したポンピング装置8と、
−第1の回路9に関連付けられ、操作されて、第1の流体をアクチュエータ装置7から流出させて、トロリー5を上昇位置から下降位置に移動させることができる排出弁10と
も備える。
【0037】
特に、図に示されるリフト1の実施形態のみを参照するのではなく、使用される上記第1の流体は、液体、好ましくは油であり、第1の回路9は、ポスト2の内部に収容される一対の油圧シリンダで構成され、トロリー5が関連付けられたアクチュエータ装置7と、電気モータ11及び油圧ポンプ12で構成されるポンピング装置8とを一緒にリンクする流体回路である。
【0038】
各油圧シリンダ7には、可動プーリシステムにより各トロリー5に関連付けられ、可動プーリシステムは、
−油圧シリンダ7のロッドの自由端部に固定されたプーリ13と、
−プーリ13内部に係合し、カラム2のベース3に固定された係留端部15及びトロリー5の内部に固定された、図示されていない他端部を有する鎖14と
を備える。
【0039】
リフト1は、油圧ポンプ12の上流で、第1の回路9に接続された油溜め16も備える。
【0040】
逆止め弁17が、油圧ポンプ12の下流に接続され、油を油圧シリンダ7に向かってのみ流すようにする。
【0041】
油圧ポンプの下流において関連付けられ、油溜め16に接続された最大圧弁18が、第1の回路9内部の最大圧を調整し、油圧シリンダ7の移動中に生成される圧力ピークを制限する。
【0042】
排出弁10は、第1の回路9の逆止め弁17と油圧シリンダ7との間の枝路に関連付けられ、油溜め16に接続される。したがって、排出弁10を開くことにより、油圧シリンダ7の内部に含まれた油を油溜め16に向けて排出することができる。
【0043】
制限弁19が、排出弁10と油溜め16との間に配置され、油溜め16内部に排出された油の流れを制限するのに適する。
【0044】
有用なことに、第1の回路9が破損した場合に油の自由な下降流を止めるために、少なくとも1つの安全弁20を油圧シリンダ7のうちの少なくとも1つに関連付けることができる。
【0045】
有利なことには、図7に示されるように、リフト1は、排出弁10に接続された第2の閉回路21と、排出弁10が閉じられている場合の最小圧弁と、排出弁10が開かれている場合の最大圧弁との間で第2の回路内部の第2の流体の圧力を変更する手動装置22とを備える。
【0046】
特に、図に示されるリフト1の実施形態のみを参照するのではなく、使用される上記第2の流体は空気であり、第2の回路21は、空気圧で動作する弁で構成される排出弁10と手動装置22とを一緒に接続する空気圧回路である。
【0047】
手動装置22は、空気圧式のピストン23を備え、ピストン23は、第2の回路21に接続された内部チャンバ24と、チャンバ24内部に封止され、第1の端部と第2の端部との間で摺動するプランジャ25とを有する。
【0048】
手動装置22は手動制御装置26も備え、手動制御装置26は、プランジャ25に動作的に関連付けられた、プランジャを第1の端部位置と第2の端部位置との間で移動させて、第2の回路21内部の空気圧を上記最小値と最大値との間で変更するのに適する。
【0049】
特に、手動制御装置26は、ポスト2のうちの1つの側壁を中心として回転可能な関連付けられた端部と、グリップである他端部とを有するレバーで構成される。ピストン23はロッド27を有し、ロッド27は、プランジャ25に一体的に関連付けられた端部と、チャンバ24の外部にあり、レバー26の略中間にある部分に対応してヒンジ留めされる他端部とを有する。通常、手動装置22は、バネ等のタイプの、プランジャ25を戻すための弾性戻り手段28を備え、弾性戻り手段28は、プランジャ25を第2の端部位置から第1の端部位置に向けて戻すように動作する。特に、弾性手段28は、例えば、レバー26に関連付けられるか、またはチャンバ24の内部に配置される1つ又は複数のバネで構成し得る。
【0050】
通常の条件では、外部の力がレバー26に及ぼされない場合、プランジャ25は弾性手段28により第1の端部位置に保持され、したがって、第2の回路21内部において、空気圧は最小圧値に等しい。
【0051】
有利なことに、リフト1は、一緒に参照29で示される、トロリー5をポスト2上に保持する保持手段を備え、保持手段は、停止フェーズ中に介入して、例えば、第1の回路9の破損によりアーム4が偶発的に垂れることを防ぐのに適する。
【0052】
特に図5及び図6に示されるリフト1の実施形態を参照するが、それらのみならず、保持手段29は、
−各ポスト2の内部に配置された2つの垂直材31に連続して作られた複数のシート30と、
−各トロリー5に関連付けられる、爪等のタイプの一対の固定装置32であって、シート30の内部で係合して、トロリー5をポスト2上に保持する停止構成(図5)と、シート30から係合解除されて、トロリー5をポスト2上で降下させる解放構成(図6)との間で回転可能な一対の固定装置32と
を備える。
【0053】
保持手段29は、図に示されていない固定装置32の弾性推力手段をさらに備えることができ、弾性推力手段は、例えば、固定装置32を解放構成から停止構成に移動させるように動作する1つ又は複数のバネ等で構成される。
【0054】
特に、各固定装置32は、停止構成において、トロリー5の下方移動中、シート30のうちの1つの内部に係合するのに適する歯32aを有する。
【0055】
有用なことに、各固定装置32は、歯32aの上に作られた湾曲部32bを有し、湾曲部32bは、停止構成において、トロリー5の上昇中、垂直材31の表面に係合して、歯32aをシート30から係合解除するのに適する。したがって、トロリー5の上昇中、固定装置32が解放構成になる必要はない。
【0056】
リフト1は、固定装置32に関連付けられ、上記固定装置を停止構成と解放構成との間で移動させるのに適した流体動作補助アクチュエータ装置33を備える。
【0057】
有利なことに、補助アクチュエータ装置33は、各固定装置32に関連付けられ、第2の回路21に接続された一対の空気圧シリンダで構成される。
【0058】
このようにして、手動装置22により行われる第2の回路21内部の空気圧の最小値から最大値への変動により、空気圧シリンダ33が動作して、固定装置32が停止構成から解放構成に移動させる。保持手段29は、固定装置32に対して各空気圧シリンダ33により生み出される移動を駆動する駆動手段も備える。
【0059】
特に、各ポスト2内部において、これら駆動手段は、ベルト34等を備え、ベルト34は垂直に延び、ポスト2の固定部分に係留された上端部と、略L字形を有し、ベース3に面して係留されるプレート35に固定される下端部とを有する。
【0060】
各ポスト2において、空気圧シリンダ33はベース3に対応して位置決めされ、一旦動作すると、空気圧シリンダ33のロッドは、プレート35の表面上への係合に適し、それにより、プレート自体を傾斜させ、ベルト34に対して下方の牽引力を及ぼす(図6)。
【0061】
第1のプーリ36が固定装置32に一体的に関連付けられ、その一方で、第2及び第3のプーリ37及び38が、第1のプーリ36の上及び下でトロリー5に一体的に関連付けられる。ベルト34は、3個のプーリ36、37、及び38の間に適宜位置決めされる。
【0062】
空気圧シリンダ33の動作により、牽引力がベルト34に対して及ぼされ、ベルト34は伸びて第1のプーリ36に係合し、固定装置32を停止構成(図5)から解放構成(図6)にする。
【0063】
しかし、上記駆動手段の代替の実施形態を除外することはできない。
【0064】
有用なことに、リフト1は、ポスト2に沿ってトロリー5の正確な位置を検出するのに適し、したがって、トロリー5の下方移動中にアーム4の軌跡に沿って障害物が存在することを検出することにも適する少なくとも1つのセンサ装置39を備える。
【0065】
安全装置40がセンサ装置39に接続され、動作して、第2の回路21内部の空気圧を最大圧値から最小圧値に変更することができる。
【0066】
このようにして、障害物がセンサ装置39により検出される場合、油圧シリンダ7が停止し、固定装置32は停止構成に戻る。
【0067】
示される特定の実施形態を参照すると、リフト1は、すべての空気を第2の回路21から逃せるように動作可能な安全弁で構成される各ポスト2の安全装置40を備える。リフト1は、鎖14の係留端部15を固定するブロック41と、バネ等で構成される、ブロック41に向かう係留端部15の牽引弾性手段42とを備える。
【0068】
センサ装置39は、係留端部15とブロック41との間に配置される力変換器で構成される。
【0069】
有用なことに、第2の回路21は、コネクタ44及び逆止め弁45を有する流入枝路43を有する。この流入枝路43は、安全弁40のうちの1つを開いた後に使用して、空気を導入して、第2の回路21内部の通常の動作圧力を復元することができる。
【0070】
本発明によるリフト1の動作は以下である。
【0071】
通常の条件では、レバー26は解放され、したがって、排出弁10が閉じられ、固定装置32は停止構成にある。
【0072】
車両を2本のポスト2の間に位置決めし、車両の下の適した専用エリアに対応してアーム4のパッド6を位置決めした後、電気モータ11が作業員により動作され、油圧ポンプ12が第1の回路9を通して油を油圧シリンダ7に向けてポンピングする。油圧シリンダ7はトロリー5を持ち上げ、したがって、アーム4は車両を必要とされる高さまで持ち上げる。
【0073】
必要とされるメンテナンス又は修理作業が実行された後、作業員は、車両の下方移動を行う。
【0074】
レバー26により、作業員は、第2の回路21内部の空気圧を最小値から最大値に変更する。
【0075】
そのような圧力変化は、空気圧シリンダ33を動作させ、空気圧シリンダ33は固定装置32を停止構成から解放構成に移動させる。
【0076】
さらに、最小値から最大値への第2の回路21内部の空気圧を変更させることにより、排出弁10が開かれ、油を油圧シリンダ7から油溜め16に向けて流出させ、それにより、トロリー5を下降させる。
【0077】
したがって、車両は再び地面に位置決めされ、リフト1から外して移動させることができる。アーム4のうちの1本が、下方移動中に障害物に遭遇した場合、各油圧シリンダ7は引き続きロッドを後退させ、プーリ13を下降させる。
【0078】
これにより、鎖14の張力が低下し、したがって、弾性手段28の動作により、係留端部15が力変換器39に対して及ぼす力が大きくなる。
【0079】
力変換器39は、この力の増大が検出されると、各安全弁40を開くように命令し、したがって、第2の回路21内部の空気圧は最小値に戻る。
【0080】
このようにして、排出弁10は閉じ、トロリー5の下方移動を止め、固定装置32は停止構成に戻る。
【0081】
実際に、説明される本発明がどのようにして提案された目的を達成するかを確認した。
【0082】
特に、手動降下装置の存在及び排出弁に接続するための閉じられた空気回路の存在により、達成しやすく、使用が容易且つ効率的であり、安価な解決策の範囲内で車両を下降できることが強調される。
【0083】
実際には、本発明によるリフトは、複雑な制御電子機器を使用せずに、且つ外部空気供給ラインを使用せずに、車両を効率的に下降できるようにする。
【0084】
手動装置により制御される固定装置の存在及び安全弁による固定装置の動作により、作業員の安全を保証するために必要な安全要件に準拠することも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−少なくとも1つの支持ポスト(2)と、
−前記ポスト(2)に関連付けられ、略垂直方向に沿って摺動し、持ち上げるべき車両の少なくとも部分に接触して位置決め可能な少なくとも1つの支持要素(4)と、
−前記支持要素(4)に関連付けられた少なくとも1つの流体動作アクチュエータ装置(7)と、
−第1の閉回路(9)を通して前記アクチュエータ装置(7)に関連付けられ、第1の流体を前記アクチュエータ装置(7)に向けてポンピングして、前記支持要素(4)を下降位置から上昇位置に移動させるのに適した少なくとも1つのポンピング装置(8)と、
−前記第1の回路(9)に関連付けられ、操作されて、前記第1の流体を前記アクチュエータ装置(7)から流出させて、前記支持要素(4)を前記上昇位置から前記下降位置に移動させることができる、少なくとも1つの排出弁(10)と
を備える車両のポストリフト(1)であって、
前記排出弁(10)に関連付けられた少なくとも1つの第2の閉回路(21)と、前記第2の回路(21)内部の第2の流体の圧力を、前記排出弁(10)が閉じられている最小圧値と、前記排出弁(10)が開かれている最大圧値との間で変化させる少なくとも1つの手動装置(22)とを備えることを特徴とする、リフト(1)。
【請求項2】
前記手動装置(22)が、
−前記第2の回路(21)に関連付けられた内部チャンバ(24)及び前記チャンバ(24)内部に封止され、第1の端部位置と第2の端部位置との間で摺動するプランジャ(25)を有する少なくとも1つのピストン(23)と、
−前記プランジャ(25)に動作的に関連付けられ、前記プランジャ(25)を前記第1の端部位置と前記第2の端部位置との間で移動させて、前記第2の流体の圧力を前記最小値と前記最大値との間で変更させるのに適した少なくとも1つの手動制御装置(26)と
を備えることを特徴とする、請求項1に記載のリフト(1)。
【請求項3】
前記手動装置(22)が、前記プランジャ(25)を前記第2の端部位置から前記第1の端部位置に戻すように動作する、前記プランジャ(25)の弾性戻り手段(28)を備えることを特徴とする、請求項2に記載のリフト(1)。
【請求項4】
前記手動制御装置(26)が、前記プランジャ(25)に関連付けられた少なくとも1つのグリップレバー(26)を備えることを特徴とする、請求項2に記載のリフト(1)。
【請求項5】
前記レバー(26)が、前記ポスト(2)に関連付けられ、回転する端部と、他端のグリップ端部とを備え、前記ピストン(23)が、前記プランジャ(25)と一体的に関連付けられた端部と、前記チャンバ(24)の外部にあり、前記レバー(26)に関連付けられた他端部とを有するロッド(27)を有することを特徴とする、請求項4に記載のリフト(1)。
【請求項6】
−前記ポスト(4)に対する前記支持要素(4)の保持手段(29)と、
−前記保持手段(29)に関連付けられ、前記保持手段(29)を前記支持要素(4)の停止構成要素と前記支持要素(4)の解放構成との間で移動させるのに適した少なくとも1つの流体動作補助アクチュエータ装置(33)と
を備え、
前記補助アクチュエータ装置(33)が前記第2の回路(21)に関連付けられ、前記手動装置(22)が、前記第2の回路(21)内部の前記第2の流体の圧力を前記最小圧力値と最大圧力値との間で変更させて、前記保持手段(29)を前記停止構成と前記解放構成との間で移動させるのに適することを特徴とする、請求項1に記載のリフト(1)。
【請求項7】
前記保持手段(29)が、前記ポスト(2)上で得られる少なくとも1つのシート(30)と、前記支持要素(4)に関連付けられた可動の少なくとも1つの固定装置(32)とを備え、前記固定装置(32)が、前記停止構成において前記シート(30)内部に係合し、前記解放構成において前記シート(30)から係合解除するのに適することを特徴とする、請求項6に記載のリフト(1)。
【請求項8】
前記保持手段(29)が、前記固定装置(32)の弾性推力手段を備え、前記弾性推力手段が、前記固定装置(32)を前記解放構成から前記停止構成にするように動作することを特徴とする、請求項7に記載のリフト(1)。
【請求項9】
前記補助アクチュエータ装置(33)が、少なくとも1つの流体動作シリンダを備えることを特徴とする、請求項6に記載のリフト(1)。
【請求項10】
前記保持手段(29)が、前記補助アクチュエータ装置(33)の前記固定装置(33)への移動を駆動する駆動手段(34、35、36、37、38)を備えることを特徴とする、請求項7に記載のリフト(1)。
【請求項11】
前記駆動手段(34、35、36、37、38)が、
−前記ポスト(2)に沿って伸び、前記補助アクチュエータ装置(33)に関連付けられた端部を有する少なくとも1つの駆動ベルト(34)等と、
−前記固定装置(32)に一体的に関連付けられた少なくとも1つのプーリ(36)等と
を備え、前記ベルト(34)が、前記プーリ(34)に係合して、前記固定装置(32)を前記停止構成から前記解放構成にするのに適することを特徴とする、請求項10に記載のリフト(1)。
【請求項12】
下方摺動中の前記支持要素(4)の正確な位置決めを検出する少なくとも1つのセンサ装置(39)を備え、前記第2の回路(21)が、前記センサ装置(39)に関連付けられ、前記第2の流体の圧力を前記最大値から前記最小値に変更するように動作可能な少なくとも1つの安全装置(40)を有することを特徴とする、請求項1に記載のリフト(1)。
【請求項13】
前記安全装置(40)が、前記第2の流体を前記第2の回路(21)から流出させるように動作可能な少なくとも1つの安全弁(40)を備えることを特徴とする、請求項12に記載のリフト(1)。
【請求項14】
前記第1の流体が液体であり、前記アクチュエータ装置(7)が油圧で操作され、前記第1の回路が油圧回路を構成し、前記ポンピング装置(8)が少なくとも1つの油圧ポンプを備えることを特徴とする、請求項1に記載のリフト(1)。
【請求項15】
前記第2の流体がガスであり、前記排出弁(10)が空気圧で動作する弁で構成され、前記第2の回路(21)が空気回路で構成され、前記補助アクチュエータ装置(22)が空気圧で動作し、前記ピストン(23)が空気圧ピストンで構成されることを特徴とする、請求項2に記載のリフト(1)。
【請求項16】
前記第1の回路(9)に関連付けられ、前記第1の流体を含むことに適した少なくとも1つの油溜め(16)を備え、前記排出弁(10)に前記油溜め(16)が関連付けられることを特徴とする、請求項1に記載のリフト(1)。
【請求項17】
前記ポスト(2)のうちの1つに関連付けられ、略垂直方向に沿って摺動し、前記支持要素(4)のうちの少なくとも1つを支持するのに適した少なくとも1つのトロリー(5)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のリフト(1)。
【請求項18】
前記支持要素(4)のうちの少なくとも1つが、長さが調整可能であり、略垂直な軸を中心として回転する前記トロリー(5)に関連付けられる少なくとも1つの実質的に水平のアーム(2)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のリフト(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−178386(P2011−178386A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38536(P2011−38536)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(511049440)
【Fターム(参考)】