車両用はしご装置
【課題】はしごユニットの上下移動に必要なスペースを抑えつつ、常に昇降可能な状態にするとともに、はしごユニットの移動長さ方向の仕様変更を容易に行なえる車両用はしご装置を提供する。
【解決手段】上下に間隔をあけて複数のステップ部3を架設したはしごユニット2の左右のフレーム部4に、上下方向に延びる上下移動用スリット5、6を形成し、車体側から突設されたガイドピン7を上下移動用スリット5、6に挿通させることにより、はしごユニット2を上下に移動可能にするとともに、車体の側面に取付けた際に、すべてのステップ部3が昇降可能なステップ奥行きDを有する構成にした。
【解決手段】上下に間隔をあけて複数のステップ部3を架設したはしごユニット2の左右のフレーム部4に、上下方向に延びる上下移動用スリット5、6を形成し、車体側から突設されたガイドピン7を上下移動用スリット5、6に挿通させることにより、はしごユニット2を上下に移動可能にするとともに、車体の側面に取付けた際に、すべてのステップ部3が昇降可能なステップ奥行きDを有する構成にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用はしご装置に関し、さらに詳しくは、はしごユニットの上下移動に必要なスペースを抑えつつ、常に昇降可能な状態にするとともに、はしごユニットの移動長さや移動方向の仕様変更を容易に行なうことができる車両用はしご装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レスキュー自動車(救助工作車)、消防自動車等の各種作業自動車には、車体を昇降するために、はしごが車体の側面に取付けられている。このような車両用はしごとしては、走行中等のはしごを使用しない場合には地面との接触を回避し、はしごを使用する場合には地面からの昇降を容易にするために、車体に上下移動可能に取付けられているものがある。例えば、レスキュー自動車等には、車体に固定した支点部材にリンク部材の一端部を回転可能に連結し、リンク部材の他端部にはしごを軸支するものが知られている。
【0003】
しかしながら、この構造の車両用はしごでは、リンク部材を介してはしごが回転するので、はしごを上下移動させる際に大きなスペースが必要であり、リンク部材を長くする程、より大きなスペースが必要になるという問題があった。また、はしごの移動長さや移動方向の仕様変更をするには、リンク部材の長さや取り付け角度を変えるなど煩雑な作業が必要であった。さらには、はしごを車体の側面に近づけて収納している状態では、はしごのステップ部には、足を載せるための十分なステップ奥行きがないため、リンク部材を突出させるようにしてはしごを下方移動させなければ、昇降することができないという問題があった。
【0004】
他の車両用はしごとしては、車体の荷台から吊設した吊り枠にタラップ本体を水平移動可能に支持して、伸縮構造のはしご本体をタラップ本体の前端部に回転可能に連結する構造が提案されている(特許文献1参照)。この構造では、はしごを使用しない場合は、はしご本体をタラップ本体とともに、荷台の下方に水平移動させて収納するため、昇降可能な状態を常に確保できるものではなかった。また、はしごを使用する場合には、タラップ本体とともに、はしご本体を荷台の下から引出した後、はしご本体を回転させるので、はしごを上下移動させるスペースを小さくするには限界があった。
【0005】
レスキュー自動車や消防自動車等の緊急車両では、狭い場所においても、はしごを上下移動させる必要が生じるので、なるべく小さなスペースではしごを上下移動できる構造が望ましく、また、はしごを常に昇降できる状態にしておくことが望ましい。製造上の観点からは、はしごを取付ける車両の構造等に応じて、はしごユニットの移動長さや移動方向の仕様変更を容易に行なえるものが求められていた。
【特許文献1】特開2003−312366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、はしごユニットの上下移動に必要なスペースを抑えつつ、常に昇降可能な状態にするとともに、はしごユニットの移動長さや移動方向の仕様変更を容易に行なうことができる車両用はしご装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の車両用はしご装置は、対向する左右のフレーム部の間に、上下に間隔をあけて複数のステップ部を架設したはしごユニットを備え、このはしごユニットを、車体の側面に上下移動可能に取付ける構成にした車両用はしご装置において、前記左右のフレーム部に上下方向に延びる上下移動用スリットを形成し、車体側から突設されたガイドピンを上下移動用スリットに挿通させることにより、はしごユニットを上下に移動可能にするとともに、車体の側面に取付けた際に、前記ステップ部が昇降可能なステップ奥行きを有する構成にしたことを特徴とするものである。
【0008】
ここで、前記ガイドピンを係合させてはしごユニットの上下移動を規制するロック用スリットを、前記上下移動用スリットに連続させて形成することもできる。このロック用スリットを、上下方向に間隔をあけて複数形成することもできる。車体外側方向に延びる前後移動用スリットを、前記上下移動用スリットに連続させて形成することもできる。前記上下移動用スリットを、下方が車体外側に向かって傾斜するように形成することもできる。また、前記上下移動用スリットに並行するスリットを分岐させることにより、複数の上下移動用スリットを形成することもできる。この複数の上下移動用スリットを、それぞれ異なる長さにすることもできる。前記左右のフレーム部に、前記上下移動用スリットと上下方向に間隔をあけて別の上下移動用スリットを形成するとともに、この別の上下移動用スリットに、車体側から突設させた前記ガイドピンとは別のガイドピンを挿通させた構成にすることもできる。前記左右のフレーム部の左右方向外側で車体に固定されるフレーム部を有するブラケットを設け、このブラケットのフレーム部から前記ガイドピンを突設させてもよい。前記はしごユニットの上端部に固定はしごを設け、はしごユニットと固定はしごとがオーバーラップする構成にすることもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上下に間隔をあけて複数のステップ部を架設する左右のフレーム部に、上下方向に延びる上下移動用スリットを形成し、この上下移動用スリットに車体側から突設されたガイドピンを挿通させることにより、はしごユニットを上下に移動可能に取付ける構成にしたので、はしごユニットを上下移動させる際に必要なスペースを小さくすることが可能になる。そして、車体の側面に取付けた際に、ステップ部が昇降可能なステップ奥行きを有しているので、はしごユニットの上下方向位置に関わらず、常にステップ部を利用して車体を昇降することができる。また、はしごユニットの移動長さや移動方向の仕様変更をするには、上下移動用スリットの長さや向きを変更するだけで容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の車両用はしご装置を実施形態に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図5に例示するように、この実施形態の車両用はしご装置1(以下、はしご装置1という)は、はしごユニット2とブラケット8とを備えている。はしご装置1は、車体11の側面に取付けられて、はしごユニット2が上下移動する構成になっている。車体11の側面とは、車体11の左右側面、前面または後面のいずれかの面を意味する。
【0012】
はしごユニット2は、対向する左右のフレーム部4の間に、上下に間隔をあけて、逆L字状断面の複数のステップ部3を架設している。左右のそれぞれのフレーム部4には、上下方向に延びる上部スリット5および下部スリット6が、上下方向に間隔をあけて形成されている。これら上部スリット5および下部スリット6が上下移動用スリットになる。上部スリット5および下部スリット6は、下方が車体11外側に向かって傾斜した直線状に形成され、同じ傾斜角度になっている。
【0013】
下部スリット6の下端部には、車体11外側方向に延びる前後移動用スリット6aが連続して形成されている。また、前後移動用スリット6aの前方端部(図4では左側端部)には、上方に延びるロック用スリット6bが連続して形成されている。
【0014】
ブラケット8は、はしごユニット2の左右のフレーム部4の左右方向外側で車体11に固定されるフレーム部9を有している。それぞれのフレーム部9には、上下に間隔をあけてネジ穴9aが設けられている。
【0015】
はしごユニット2は、左右のフレーム部4がそれぞれ、ブラケット8の左右のフレーム部9に対向するようにして、ブラケット8の内側に配置される。このように配置された左右のフレーム部4の上部スリット5および下部スリット6には、車体11側から突設されたガイドピン7が挿通する構造になっている。
【0016】
この実施形態では、上部スリット5および下部スリット6に、ガイドピン7を挿通させ、このガイドピン7を、ブラケット8の左右のフレーム部9に設けたネジ穴9aに螺合させて固定している。本発明では、ブラケット8を省略して、車体11に設けた固定手段(ネジ穴等)を用いてガイドピン7を固定して突設することもできる。
【0017】
実施形態のように、はしごユニット2とブラケット8をセット組みして、ブラケット8のフレーム部9から突設させたガイドピン7を、上部スリット5および下部スリット6に挿通させた構造では、ブラケット8を車体11の側面に固定するだけで、はしご装置1を取付けることができる。そのため、複雑な取付け作業が不要になり、取付け作業効率を向上させることが可能になる。
【0018】
図1に例示するように、車体11に取り付けたはしご装置1のはしごユニット2が、上方位置にある場合には、下部スリット6においては図4に例示するように、ガイドピン7がロック用スリット6bに係合して、スリット6bの上面に当接した位置にあり、はしごユニット2が固定された状態になっている。このようにガイドピン7を係合させてはしごユニット2の上下移動を規制するロック用スリット6bを設けることにより、複雑なロック装置を設けることなく、上方位置にあるはしごユニット2を確実に固定することができる。ロック用スリット6bは、前後移動用スリット6aを介することなく、直接、上下移動用スリット6に連続させて形成することもできる。
【0019】
この状態で、すべてのステップ部3では、昇降する人の足を載せるために必要なステップ奥行きDが確保されている。この実施形態では、昇降可能なステップ奥行きDは、ステップ部3の前端からはしごユニット2の背面までの距離であり、すべてのステップ部3において、昇降するために必要な最低限のステップ奥行きDを有するようになっている。
【0020】
昇降可能なステップ奥行きDは、例えば、8cm〜20cmm程度である。8cm未満のステップ奥行きDでは、ステップ部3に、足をしっかりと載せることができず、20cm超のステップ奥行きDでは、はしご装置1を取付けるためのスペースが過大になるという問題が生じる。特に好ましいステップ奥行きDは、10cm〜15cm程度である。
【0021】
はしごユニット2を図6に例示するように下方移動させるには、まず、図4の状態のはしごユニット2を持ち上げて、ロック用スリット6bに係合しているガイドピン7を、前後移動スリット6aの位置まで相対的に下方移動させる。
【0022】
次いで、はしごユニット2を前面に引出して、ガイドピン7を相対的に後方移動させる。この際に、上部スリット5にもガイドピン7が挿通しているので、はしごユニット2は、上部スリット5を挿通するガイドピン7を中心にして回転するように動く。
【0023】
はしごユニット2を前面に引出して、ガイドピン7を下部スリット6の下端部の位置まで相対的に後方移動させた後は、はしごユニット2を下方に引き出して、ガイドピン7を相対的に上方移動させる。この際に、上部スリット5においても、挿通するガイドピン7が相対的に上方移動する。
【0024】
上記の手順によって、図1、図4に例示するように上方位置にあったはしごユニット2が、図7に例示するように二点鎖線で示す位置から下方移動した状態になる。はしごユニット2が下方移動した位置では、挿通するガイドピン7が上部スリット5および下部スリット6の上面に当接して、はしごユニット2が固定された状態になる。
【0025】
はしごユニット2が下方移動した際には、上部スリット5と下部スリット6の少なくとも一方の上面にガイドピン7を当接させて、下方移動を規制させればよい。或いは、はしごユニット2が下方移動した場合であっても、それぞれのガイドピン7が上部スリット5および下部スリット6の上面に当接しないように、上部スリット5および下部スリット6の長さを設定することにより、はしごユニット2の下端が地面に当接するまで下方移動させることもできる。
【0026】
下方移動させたはしごユニット2を上方移動させる場合には、下方移動させる場合と逆の手順を行なう。
【0027】
したがって、車両走行時に、地面に接触しないように上方位置に固定しているはしごユニット2を、車両停止時に下方移動させて最下段のステップ部3の位置を低くして、地面とはしごユニット2との間の昇降を容易にすることができる。
【0028】
このように、本発明では、はしごユニット2が、ガイドピン7を上下移動用スリット(上部スリット5および下部スリット6)に沿って相対的に移動させることによって移動する。そのため、はしごユニット2を上下移動させる際に必要なスペースを小さくすることができる。この実施形態では、上部スリット5および下部スリット6を、下方が車体11外側に向かって傾斜するように形成しているが、傾斜させずに垂直に延設することにより、はしごユニット2の上下移動に必要なスペースを最小限にすることができる。
【0029】
また、はしごユニット2の移動長さや移動方向の仕様変更をするには、上下移動用スリットの長さや向きを変更するだけでよい。そのため、容易に、車体11の側面形状や構造に応じた適切な仕様にすることができる。例えば、上記した実施形態のように、傾斜した上部スリット5および下部スリット6にすると、下方移動した際に、はしごユニット2の下端部が車体11の外側に突出するので昇降し易くなる。
【0030】
また、前後移動用スリット6aを形成することにより、はしごユニット2を前後方向(車体11に対して近接離反する方向)に移動させることができる。例えば、取付けたはしご装置1の下方に車体11外側に突出する構造を有する車種の場合には、前後移動用スリット6aを設けることで、下方移動するはしごユニット2と車体11との干渉を回避することができる。
【0031】
さらに、車体11の側面に取付けたはしご装置1は、はしごユニット2のすべてのステップ部3が、昇降可能なステップ奥行きDを有しているので、はしごユニット2が上方移動した位置にあっても、下方移動した位置にあっても、その上下方向位置に関わらず、常にステップ部3を利用して車体11を昇降することができる。したがって、このはしご装置1を、レスキュー自動車や消防自動車等の緊急車両に取付けることにより、常時、地上から車体11の上部に昇って作業をしたり、車体11の上部に搭載した機材を下ろすことができる状態を確保することができる。
【0032】
はしごユニット2は、移動操作を容易に行なえるように、アルミニウムやアルミニウム合金等の軽量金属材等で構成するとよい。本発明では、フレーム部4に上下移動用スリットを形成するので、はしごユニット2を軽量化するには有利な構造になっている。ガイドピン7の頭部は、上部スリット5、下部スリット6の幅よりも大径にしておくとよい。このようにガイドピン7の頭部を大径化することにより、はしごユニット2の左右移動が規制され、がたつきを抑制することができる。
【0033】
上下移動用スリットは、上部スリット5と下部スリット6のいずれか一方にすることもできる。例えば、上部スリット5を省略した仕様にすることもできるが、上下方向に離れた上部スリット5と下部スリット6とを設けて、それぞれにガイドピン7を挿通させることによって、はしごユニット2を一段と安定して保持することができる。
【0034】
図8に、はしごユニット2の変形例を示す。このはしごユニット2は、図4に例示したはしごユニット2に対して、左右のフレーム部4に形成した下部スリット6の仕様を変更したものである。
【0035】
この下部スリット6には、前後移動用スリット6aを介して連続させて形成したロック用スリット6bに加えて、下部スリット6の長手方向中途に、車体11外側に突出するロック用スリット6bが形成されている。このように上下方向に間隔をあけて複数のロック用スリット6bを設けた構造にすると、はしごユニット2を上下移動させる際に、ガイドピン7を係合させるロック用スリット6cを変えることにより、はしごユニット2の上下移動長さを変えることができる。
【0036】
図9に例示するはしごユニット2は、図4に例示したはしごユニット2に対して、左右のフレーム部4の下部スリット6に並行する分岐スリット6Aを形成して複数の上下移動用スリット6、6Aを設けたものである。下部スリット6と分岐スリット6Aとは同じ長さになっている。このように、下部スリット6から分岐スリット6Aを分岐させることにより、いずれかの上下移動用スリット6、6Aが変形や異物詰まり等で使用できなくなった場合であっても、残りの正常な上下移動用スリットを利用することにより、はしごユニット2を上下移動させることができる。
【0037】
図10に例示するように、下部スリット6から分岐する分岐スリット6Bの長さを、下部スリット6の長さとは異なるようにすることもできる。この構造によれば、ガイドピン7を挿通させる上下移動用スリット6、6Bを選択することにより、はしごユニット2の上下移動長さを変えることができる。尚、分岐スリット6A、6Bにロック用スリット6bを形成することもできる。
【0038】
図11に例示するように、はしごユニット2の上端部に、車体11に固定される固定はしご10を設け、はしごユニット2と固定はしご10とがオーバーラップする構成にすることもできる。この実施形態では、上方位置に固定された状態のはしごユニット2の最上段のステップ部3と固定はしご10のステップ部10aとが重なる位置にある。固定はしご10のステップ部10aも昇降可能なステップ奥行きDを有している。
【0039】
はしごユニット2を下方移動させた場合には、図12に例示するように、はしごユニット2の最上段のステップ部3と固定はしご10のステップ部10aとが、昇降可能な上下間隔で配置された状態になる。したがって、この実施形態によれば、はしごユニット2を下方移動させることにより、地面とはしごユニット2との間の昇降が容易になるとともに、はしご装置1と車体11の上面との間の昇降も容易になる。
【0040】
固定はしご10のステップ部10aは、1つに限らず複数にすることもできる。複数のステップ部10aを有する場合には、下方移動したはしごユニット2の最上段のステップ部3と、固定はしご10の最下段のステップ部10aとが昇降可能な上下間隔になるように設定する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】車体に取付けた本発明のはしご装置を例示する正面図である。
【図2】図1の車両用はしご装置を例示する正面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図2のはしごユニットを例示する側面図である。
【図5】図2のブラケットを例示する側面図である。
【図6】図1のはしごユニットを下方移動させた状態を例示する正面図である。
【図7】図6のはしごユニットの移動状態を例示する側面図である。
【図8】はしごユニットの変形例を示す側面図である。
【図9】はしごユニットの別の変形例を示す側面図である。
【図10】はしごユニットの別の変形例を示す側面図である。
【図11】はしごユニットの上部に固定はしごを設けた実施形態を例示する正面図である。
【図12】図11のはしごユニットを下方移動させた状態を例示する正面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 はしご装置
2 はしごユニット
3 ステップ部
4 フレーム部
5 上部スリット
6 下部スリット
6A、6B 分岐スリット
6a 前後移動用スリット
6b ロック用スリット
7 ガイドピン
8 ブラケット
9 フレーム部
9a ネジ穴
10 固定はしご
10a ステップ部
11 車体
D ステップ奥行き
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用はしご装置に関し、さらに詳しくは、はしごユニットの上下移動に必要なスペースを抑えつつ、常に昇降可能な状態にするとともに、はしごユニットの移動長さや移動方向の仕様変更を容易に行なうことができる車両用はしご装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レスキュー自動車(救助工作車)、消防自動車等の各種作業自動車には、車体を昇降するために、はしごが車体の側面に取付けられている。このような車両用はしごとしては、走行中等のはしごを使用しない場合には地面との接触を回避し、はしごを使用する場合には地面からの昇降を容易にするために、車体に上下移動可能に取付けられているものがある。例えば、レスキュー自動車等には、車体に固定した支点部材にリンク部材の一端部を回転可能に連結し、リンク部材の他端部にはしごを軸支するものが知られている。
【0003】
しかしながら、この構造の車両用はしごでは、リンク部材を介してはしごが回転するので、はしごを上下移動させる際に大きなスペースが必要であり、リンク部材を長くする程、より大きなスペースが必要になるという問題があった。また、はしごの移動長さや移動方向の仕様変更をするには、リンク部材の長さや取り付け角度を変えるなど煩雑な作業が必要であった。さらには、はしごを車体の側面に近づけて収納している状態では、はしごのステップ部には、足を載せるための十分なステップ奥行きがないため、リンク部材を突出させるようにしてはしごを下方移動させなければ、昇降することができないという問題があった。
【0004】
他の車両用はしごとしては、車体の荷台から吊設した吊り枠にタラップ本体を水平移動可能に支持して、伸縮構造のはしご本体をタラップ本体の前端部に回転可能に連結する構造が提案されている(特許文献1参照)。この構造では、はしごを使用しない場合は、はしご本体をタラップ本体とともに、荷台の下方に水平移動させて収納するため、昇降可能な状態を常に確保できるものではなかった。また、はしごを使用する場合には、タラップ本体とともに、はしご本体を荷台の下から引出した後、はしご本体を回転させるので、はしごを上下移動させるスペースを小さくするには限界があった。
【0005】
レスキュー自動車や消防自動車等の緊急車両では、狭い場所においても、はしごを上下移動させる必要が生じるので、なるべく小さなスペースではしごを上下移動できる構造が望ましく、また、はしごを常に昇降できる状態にしておくことが望ましい。製造上の観点からは、はしごを取付ける車両の構造等に応じて、はしごユニットの移動長さや移動方向の仕様変更を容易に行なえるものが求められていた。
【特許文献1】特開2003−312366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、はしごユニットの上下移動に必要なスペースを抑えつつ、常に昇降可能な状態にするとともに、はしごユニットの移動長さや移動方向の仕様変更を容易に行なうことができる車両用はしご装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の車両用はしご装置は、対向する左右のフレーム部の間に、上下に間隔をあけて複数のステップ部を架設したはしごユニットを備え、このはしごユニットを、車体の側面に上下移動可能に取付ける構成にした車両用はしご装置において、前記左右のフレーム部に上下方向に延びる上下移動用スリットを形成し、車体側から突設されたガイドピンを上下移動用スリットに挿通させることにより、はしごユニットを上下に移動可能にするとともに、車体の側面に取付けた際に、前記ステップ部が昇降可能なステップ奥行きを有する構成にしたことを特徴とするものである。
【0008】
ここで、前記ガイドピンを係合させてはしごユニットの上下移動を規制するロック用スリットを、前記上下移動用スリットに連続させて形成することもできる。このロック用スリットを、上下方向に間隔をあけて複数形成することもできる。車体外側方向に延びる前後移動用スリットを、前記上下移動用スリットに連続させて形成することもできる。前記上下移動用スリットを、下方が車体外側に向かって傾斜するように形成することもできる。また、前記上下移動用スリットに並行するスリットを分岐させることにより、複数の上下移動用スリットを形成することもできる。この複数の上下移動用スリットを、それぞれ異なる長さにすることもできる。前記左右のフレーム部に、前記上下移動用スリットと上下方向に間隔をあけて別の上下移動用スリットを形成するとともに、この別の上下移動用スリットに、車体側から突設させた前記ガイドピンとは別のガイドピンを挿通させた構成にすることもできる。前記左右のフレーム部の左右方向外側で車体に固定されるフレーム部を有するブラケットを設け、このブラケットのフレーム部から前記ガイドピンを突設させてもよい。前記はしごユニットの上端部に固定はしごを設け、はしごユニットと固定はしごとがオーバーラップする構成にすることもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上下に間隔をあけて複数のステップ部を架設する左右のフレーム部に、上下方向に延びる上下移動用スリットを形成し、この上下移動用スリットに車体側から突設されたガイドピンを挿通させることにより、はしごユニットを上下に移動可能に取付ける構成にしたので、はしごユニットを上下移動させる際に必要なスペースを小さくすることが可能になる。そして、車体の側面に取付けた際に、ステップ部が昇降可能なステップ奥行きを有しているので、はしごユニットの上下方向位置に関わらず、常にステップ部を利用して車体を昇降することができる。また、はしごユニットの移動長さや移動方向の仕様変更をするには、上下移動用スリットの長さや向きを変更するだけで容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の車両用はしご装置を実施形態に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図5に例示するように、この実施形態の車両用はしご装置1(以下、はしご装置1という)は、はしごユニット2とブラケット8とを備えている。はしご装置1は、車体11の側面に取付けられて、はしごユニット2が上下移動する構成になっている。車体11の側面とは、車体11の左右側面、前面または後面のいずれかの面を意味する。
【0012】
はしごユニット2は、対向する左右のフレーム部4の間に、上下に間隔をあけて、逆L字状断面の複数のステップ部3を架設している。左右のそれぞれのフレーム部4には、上下方向に延びる上部スリット5および下部スリット6が、上下方向に間隔をあけて形成されている。これら上部スリット5および下部スリット6が上下移動用スリットになる。上部スリット5および下部スリット6は、下方が車体11外側に向かって傾斜した直線状に形成され、同じ傾斜角度になっている。
【0013】
下部スリット6の下端部には、車体11外側方向に延びる前後移動用スリット6aが連続して形成されている。また、前後移動用スリット6aの前方端部(図4では左側端部)には、上方に延びるロック用スリット6bが連続して形成されている。
【0014】
ブラケット8は、はしごユニット2の左右のフレーム部4の左右方向外側で車体11に固定されるフレーム部9を有している。それぞれのフレーム部9には、上下に間隔をあけてネジ穴9aが設けられている。
【0015】
はしごユニット2は、左右のフレーム部4がそれぞれ、ブラケット8の左右のフレーム部9に対向するようにして、ブラケット8の内側に配置される。このように配置された左右のフレーム部4の上部スリット5および下部スリット6には、車体11側から突設されたガイドピン7が挿通する構造になっている。
【0016】
この実施形態では、上部スリット5および下部スリット6に、ガイドピン7を挿通させ、このガイドピン7を、ブラケット8の左右のフレーム部9に設けたネジ穴9aに螺合させて固定している。本発明では、ブラケット8を省略して、車体11に設けた固定手段(ネジ穴等)を用いてガイドピン7を固定して突設することもできる。
【0017】
実施形態のように、はしごユニット2とブラケット8をセット組みして、ブラケット8のフレーム部9から突設させたガイドピン7を、上部スリット5および下部スリット6に挿通させた構造では、ブラケット8を車体11の側面に固定するだけで、はしご装置1を取付けることができる。そのため、複雑な取付け作業が不要になり、取付け作業効率を向上させることが可能になる。
【0018】
図1に例示するように、車体11に取り付けたはしご装置1のはしごユニット2が、上方位置にある場合には、下部スリット6においては図4に例示するように、ガイドピン7がロック用スリット6bに係合して、スリット6bの上面に当接した位置にあり、はしごユニット2が固定された状態になっている。このようにガイドピン7を係合させてはしごユニット2の上下移動を規制するロック用スリット6bを設けることにより、複雑なロック装置を設けることなく、上方位置にあるはしごユニット2を確実に固定することができる。ロック用スリット6bは、前後移動用スリット6aを介することなく、直接、上下移動用スリット6に連続させて形成することもできる。
【0019】
この状態で、すべてのステップ部3では、昇降する人の足を載せるために必要なステップ奥行きDが確保されている。この実施形態では、昇降可能なステップ奥行きDは、ステップ部3の前端からはしごユニット2の背面までの距離であり、すべてのステップ部3において、昇降するために必要な最低限のステップ奥行きDを有するようになっている。
【0020】
昇降可能なステップ奥行きDは、例えば、8cm〜20cmm程度である。8cm未満のステップ奥行きDでは、ステップ部3に、足をしっかりと載せることができず、20cm超のステップ奥行きDでは、はしご装置1を取付けるためのスペースが過大になるという問題が生じる。特に好ましいステップ奥行きDは、10cm〜15cm程度である。
【0021】
はしごユニット2を図6に例示するように下方移動させるには、まず、図4の状態のはしごユニット2を持ち上げて、ロック用スリット6bに係合しているガイドピン7を、前後移動スリット6aの位置まで相対的に下方移動させる。
【0022】
次いで、はしごユニット2を前面に引出して、ガイドピン7を相対的に後方移動させる。この際に、上部スリット5にもガイドピン7が挿通しているので、はしごユニット2は、上部スリット5を挿通するガイドピン7を中心にして回転するように動く。
【0023】
はしごユニット2を前面に引出して、ガイドピン7を下部スリット6の下端部の位置まで相対的に後方移動させた後は、はしごユニット2を下方に引き出して、ガイドピン7を相対的に上方移動させる。この際に、上部スリット5においても、挿通するガイドピン7が相対的に上方移動する。
【0024】
上記の手順によって、図1、図4に例示するように上方位置にあったはしごユニット2が、図7に例示するように二点鎖線で示す位置から下方移動した状態になる。はしごユニット2が下方移動した位置では、挿通するガイドピン7が上部スリット5および下部スリット6の上面に当接して、はしごユニット2が固定された状態になる。
【0025】
はしごユニット2が下方移動した際には、上部スリット5と下部スリット6の少なくとも一方の上面にガイドピン7を当接させて、下方移動を規制させればよい。或いは、はしごユニット2が下方移動した場合であっても、それぞれのガイドピン7が上部スリット5および下部スリット6の上面に当接しないように、上部スリット5および下部スリット6の長さを設定することにより、はしごユニット2の下端が地面に当接するまで下方移動させることもできる。
【0026】
下方移動させたはしごユニット2を上方移動させる場合には、下方移動させる場合と逆の手順を行なう。
【0027】
したがって、車両走行時に、地面に接触しないように上方位置に固定しているはしごユニット2を、車両停止時に下方移動させて最下段のステップ部3の位置を低くして、地面とはしごユニット2との間の昇降を容易にすることができる。
【0028】
このように、本発明では、はしごユニット2が、ガイドピン7を上下移動用スリット(上部スリット5および下部スリット6)に沿って相対的に移動させることによって移動する。そのため、はしごユニット2を上下移動させる際に必要なスペースを小さくすることができる。この実施形態では、上部スリット5および下部スリット6を、下方が車体11外側に向かって傾斜するように形成しているが、傾斜させずに垂直に延設することにより、はしごユニット2の上下移動に必要なスペースを最小限にすることができる。
【0029】
また、はしごユニット2の移動長さや移動方向の仕様変更をするには、上下移動用スリットの長さや向きを変更するだけでよい。そのため、容易に、車体11の側面形状や構造に応じた適切な仕様にすることができる。例えば、上記した実施形態のように、傾斜した上部スリット5および下部スリット6にすると、下方移動した際に、はしごユニット2の下端部が車体11の外側に突出するので昇降し易くなる。
【0030】
また、前後移動用スリット6aを形成することにより、はしごユニット2を前後方向(車体11に対して近接離反する方向)に移動させることができる。例えば、取付けたはしご装置1の下方に車体11外側に突出する構造を有する車種の場合には、前後移動用スリット6aを設けることで、下方移動するはしごユニット2と車体11との干渉を回避することができる。
【0031】
さらに、車体11の側面に取付けたはしご装置1は、はしごユニット2のすべてのステップ部3が、昇降可能なステップ奥行きDを有しているので、はしごユニット2が上方移動した位置にあっても、下方移動した位置にあっても、その上下方向位置に関わらず、常にステップ部3を利用して車体11を昇降することができる。したがって、このはしご装置1を、レスキュー自動車や消防自動車等の緊急車両に取付けることにより、常時、地上から車体11の上部に昇って作業をしたり、車体11の上部に搭載した機材を下ろすことができる状態を確保することができる。
【0032】
はしごユニット2は、移動操作を容易に行なえるように、アルミニウムやアルミニウム合金等の軽量金属材等で構成するとよい。本発明では、フレーム部4に上下移動用スリットを形成するので、はしごユニット2を軽量化するには有利な構造になっている。ガイドピン7の頭部は、上部スリット5、下部スリット6の幅よりも大径にしておくとよい。このようにガイドピン7の頭部を大径化することにより、はしごユニット2の左右移動が規制され、がたつきを抑制することができる。
【0033】
上下移動用スリットは、上部スリット5と下部スリット6のいずれか一方にすることもできる。例えば、上部スリット5を省略した仕様にすることもできるが、上下方向に離れた上部スリット5と下部スリット6とを設けて、それぞれにガイドピン7を挿通させることによって、はしごユニット2を一段と安定して保持することができる。
【0034】
図8に、はしごユニット2の変形例を示す。このはしごユニット2は、図4に例示したはしごユニット2に対して、左右のフレーム部4に形成した下部スリット6の仕様を変更したものである。
【0035】
この下部スリット6には、前後移動用スリット6aを介して連続させて形成したロック用スリット6bに加えて、下部スリット6の長手方向中途に、車体11外側に突出するロック用スリット6bが形成されている。このように上下方向に間隔をあけて複数のロック用スリット6bを設けた構造にすると、はしごユニット2を上下移動させる際に、ガイドピン7を係合させるロック用スリット6cを変えることにより、はしごユニット2の上下移動長さを変えることができる。
【0036】
図9に例示するはしごユニット2は、図4に例示したはしごユニット2に対して、左右のフレーム部4の下部スリット6に並行する分岐スリット6Aを形成して複数の上下移動用スリット6、6Aを設けたものである。下部スリット6と分岐スリット6Aとは同じ長さになっている。このように、下部スリット6から分岐スリット6Aを分岐させることにより、いずれかの上下移動用スリット6、6Aが変形や異物詰まり等で使用できなくなった場合であっても、残りの正常な上下移動用スリットを利用することにより、はしごユニット2を上下移動させることができる。
【0037】
図10に例示するように、下部スリット6から分岐する分岐スリット6Bの長さを、下部スリット6の長さとは異なるようにすることもできる。この構造によれば、ガイドピン7を挿通させる上下移動用スリット6、6Bを選択することにより、はしごユニット2の上下移動長さを変えることができる。尚、分岐スリット6A、6Bにロック用スリット6bを形成することもできる。
【0038】
図11に例示するように、はしごユニット2の上端部に、車体11に固定される固定はしご10を設け、はしごユニット2と固定はしご10とがオーバーラップする構成にすることもできる。この実施形態では、上方位置に固定された状態のはしごユニット2の最上段のステップ部3と固定はしご10のステップ部10aとが重なる位置にある。固定はしご10のステップ部10aも昇降可能なステップ奥行きDを有している。
【0039】
はしごユニット2を下方移動させた場合には、図12に例示するように、はしごユニット2の最上段のステップ部3と固定はしご10のステップ部10aとが、昇降可能な上下間隔で配置された状態になる。したがって、この実施形態によれば、はしごユニット2を下方移動させることにより、地面とはしごユニット2との間の昇降が容易になるとともに、はしご装置1と車体11の上面との間の昇降も容易になる。
【0040】
固定はしご10のステップ部10aは、1つに限らず複数にすることもできる。複数のステップ部10aを有する場合には、下方移動したはしごユニット2の最上段のステップ部3と、固定はしご10の最下段のステップ部10aとが昇降可能な上下間隔になるように設定する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】車体に取付けた本発明のはしご装置を例示する正面図である。
【図2】図1の車両用はしご装置を例示する正面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図2のはしごユニットを例示する側面図である。
【図5】図2のブラケットを例示する側面図である。
【図6】図1のはしごユニットを下方移動させた状態を例示する正面図である。
【図7】図6のはしごユニットの移動状態を例示する側面図である。
【図8】はしごユニットの変形例を示す側面図である。
【図9】はしごユニットの別の変形例を示す側面図である。
【図10】はしごユニットの別の変形例を示す側面図である。
【図11】はしごユニットの上部に固定はしごを設けた実施形態を例示する正面図である。
【図12】図11のはしごユニットを下方移動させた状態を例示する正面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 はしご装置
2 はしごユニット
3 ステップ部
4 フレーム部
5 上部スリット
6 下部スリット
6A、6B 分岐スリット
6a 前後移動用スリット
6b ロック用スリット
7 ガイドピン
8 ブラケット
9 フレーム部
9a ネジ穴
10 固定はしご
10a ステップ部
11 車体
D ステップ奥行き
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する左右のフレーム部の間に、上下に間隔をあけて複数のステップ部を架設したはしごユニットを備え、このはしごユニットを、車体の側面に上下移動可能に取付ける構成にした車両用はしご装置において、前記左右のフレーム部に上下方向に延びる上下移動用スリットを形成し、車体側から突設されたガイドピンを上下移動用スリットに挿通させることにより、はしごユニットを上下に移動可能にするとともに、車体の側面に取付けた際に、前記ステップ部が昇降可能なステップ奥行きを有する構成にした車両用はしご装置。
【請求項2】
前記ガイドピンを係合させてはしごユニットの上下移動を規制するロック用スリットを、前記上下移動用スリットに連続させて形成した請求項1に記載の車両用はしご装置。
【請求項3】
前記ロック用スリットを、上下方向に間隔をあけて複数形成した請求項2に記載の車両用はしご装置。
【請求項4】
車体外側方向に延びる前後移動用スリットを、前記上下移動用スリットに連続させて形成した請求項1〜3のいずれかに記載の車両用はしご装置。
【請求項5】
前記上下移動用スリットを、下方が車体外側に向かって傾斜するように形成した請求項1〜4のいずれかに記載の車両用はしご装置。
【請求項6】
前記上下移動用スリットに並行するスリットを分岐させることにより、複数の上下移動用スリットを形成した請求項1〜5のいずれかに記載の車両用はしご装置。
【請求項7】
前記複数の上下移動用スリットを、それぞれ異なる長さにした請求項6に記載の車両用はしご装置。
【請求項8】
前記左右のフレーム部に、前記上下移動用スリットと上下方向に間隔をあけて別の上下移動用スリットを形成するとともに、この別の上下移動用スリットに、車体側から突設させた前記ガイドピンとは別のガイドピンを挿通させた請求項1〜7のいずれかに記載の車両用はしご装置。
【請求項9】
前記左右のフレーム部の左右方向外側で車体に固定されるフレーム部を有するブラケットを設け、このブラケットのフレーム部から前記ガイドピンを突設させた請求項1〜8のいずれかに記載の車両用はしご装置。
【請求項10】
前記はしごユニットの上端部に固定はしごを設け、はしごユニットと固定はしごとがオーバーラップする構成にした請求項1〜9のいずれかに記載の車両用はしご装置。
【請求項1】
対向する左右のフレーム部の間に、上下に間隔をあけて複数のステップ部を架設したはしごユニットを備え、このはしごユニットを、車体の側面に上下移動可能に取付ける構成にした車両用はしご装置において、前記左右のフレーム部に上下方向に延びる上下移動用スリットを形成し、車体側から突設されたガイドピンを上下移動用スリットに挿通させることにより、はしごユニットを上下に移動可能にするとともに、車体の側面に取付けた際に、前記ステップ部が昇降可能なステップ奥行きを有する構成にした車両用はしご装置。
【請求項2】
前記ガイドピンを係合させてはしごユニットの上下移動を規制するロック用スリットを、前記上下移動用スリットに連続させて形成した請求項1に記載の車両用はしご装置。
【請求項3】
前記ロック用スリットを、上下方向に間隔をあけて複数形成した請求項2に記載の車両用はしご装置。
【請求項4】
車体外側方向に延びる前後移動用スリットを、前記上下移動用スリットに連続させて形成した請求項1〜3のいずれかに記載の車両用はしご装置。
【請求項5】
前記上下移動用スリットを、下方が車体外側に向かって傾斜するように形成した請求項1〜4のいずれかに記載の車両用はしご装置。
【請求項6】
前記上下移動用スリットに並行するスリットを分岐させることにより、複数の上下移動用スリットを形成した請求項1〜5のいずれかに記載の車両用はしご装置。
【請求項7】
前記複数の上下移動用スリットを、それぞれ異なる長さにした請求項6に記載の車両用はしご装置。
【請求項8】
前記左右のフレーム部に、前記上下移動用スリットと上下方向に間隔をあけて別の上下移動用スリットを形成するとともに、この別の上下移動用スリットに、車体側から突設させた前記ガイドピンとは別のガイドピンを挿通させた請求項1〜7のいずれかに記載の車両用はしご装置。
【請求項9】
前記左右のフレーム部の左右方向外側で車体に固定されるフレーム部を有するブラケットを設け、このブラケットのフレーム部から前記ガイドピンを突設させた請求項1〜8のいずれかに記載の車両用はしご装置。
【請求項10】
前記はしごユニットの上端部に固定はしごを設け、はしごユニットと固定はしごとがオーバーラップする構成にした請求項1〜9のいずれかに記載の車両用はしご装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−18959(P2010−18959A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177930(P2008−177930)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000215822)帝国繊維株式会社 (24)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000215822)帝国繊維株式会社 (24)
【Fターム(参考)】
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