車両用シートのシート面冷暖房装置
【課題】冷暖房しようとするシート面に温度むらが発生するのを抑制することが可能な車両用シートのシート面冷暖房装置を得る。
【解決手段】シートクッション２のシート面２ａおよびシートバック３のシート面３ａの内部にシート内熱交換器１１を埋設するとともに、シートクッション２の下面２ｂ側にシート外熱交換器１２を配置し、かつ、媒体循環手段１３によってシート内熱交換器１１とシート外熱交換器１２との間で熱交換媒体を循環させるとともに、シート外熱交換器１２に設けた媒体加温ヒータ１４でシート外熱交換器１２からシート内熱交換器１１に供給する熱交換媒体を加温することにより、シート内熱交換器１１を冷却または加温された熱交換媒体が循環されるため、シート面２ａ，３ａをむら無く冷房または暖房することができる。
【解決手段】シートクッション２のシート面２ａおよびシートバック３のシート面３ａの内部にシート内熱交換器１１を埋設するとともに、シートクッション２の下面２ｂ側にシート外熱交換器１２を配置し、かつ、媒体循環手段１３によってシート内熱交換器１１とシート外熱交換器１２との間で熱交換媒体を循環させるとともに、シート外熱交換器１２に設けた媒体加温ヒータ１４でシート外熱交換器１２からシート内熱交換器１１に供給する熱交換媒体を加温することにより、シート内熱交換器１１を冷却または加温された熱交換媒体が循環されるため、シート面２ａ，３ａをむら無く冷房または暖房することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、シートクッションやシートバックからなる車両用シートの表面側となるシート面を冷暖房するシート面冷暖房装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の車両用シートを冷暖房する装置として、冷却または加温機能を有する熱源で発生した熱を、熱伝導部を介してシート面となる被温度調節部に伝熱する一方、送風機から送風される冷温風を対流部を介して前記被温度調節部の全面に形成した多数の吹出し孔より吹き出すことにより、シート面を冷暖房するものが知られている（例えば、特許文献１）。
【特許文献１】特開２００３−４２５９０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、かかる従来のシート面冷暖房装置にあっては、一つの熱源の熱を熱伝導部を介して被温度調節部に伝熱する構造であるため、熱伝導部の温度は熱源に近い部分で高く、かつ、熱源から遠い部分で低くなり、被温度調節部つまりシート面には温度むらが生じてしまうという問題があった。
【０００４】
また、送風機の冷温風を被温度調節部の吹出し孔から吹き出してシート面を冷暖房する場合にも、送風機から吹き出される風の方向によって吹出し孔から吹き出される風量が各吹出し孔によって変化されるため、やはり、シート面には温度むらが発生してしまうという問題もあった。
【０００５】
そこで、本発明は、冷暖房しようとするシート面に温度むらが発生するのを抑制できるようにした車両用シートのシート面冷暖房装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１にかかる発明にあっては、シートクッション（２）やシートバック（３）からなる車両用シート（１）の表面側となるシート面（２ａ，３ａ）の内部に埋設されたシート内熱交換器（１１）と、上記車両用シート（１）の裏面側に配置されたシート外熱交換器（１２）と、上記シート内熱交換器（１１）と上記シート外熱交換器（１２）との間で熱交換媒体を循環させる媒体循環手段（１３）と、上記シート外熱交換器（１２）に設けられて、該シート外熱交換器（１２）から上記シート内熱交換器（１１）に供給する熱交換媒体を加温する媒体加温ヒータ（１４）と、を備え、上記シート面（２ａ，３ａ）の冷房時は上記媒体循環手段（１３）を作動させてシート外熱交換器（１２）の低温媒体をシート内熱交換器（１１）に供給するとともに、暖房時は上記媒体加温ヒータ（１４）を作動させて加温した熱交換媒体をシート内熱交換器（１１）に供給することを特徴とする。
【０００７】
請求項２にかかる発明にあっては、上記シート外熱交換器（１２）の媒体流路（１２ｐ）と、上記媒体加温ヒータ（１４）のヒータ側媒体流路（１４ｐ）と、を並列に配置し、それら媒体流路（１２ｐ）とヒータ側媒体流路（１４ｐ）との分岐部（Ｔ）に流路切換手段（１７）を設けたことを特徴とする。
【０００８】
請求項３にかかる発明にあっては、上記シート外熱交換器（１２）用の冷却ファン（２０）を設けたことを特徴とする。
【０００９】
請求項４にかかる発明にあっては、上記シート外熱交換器（１２）に、車両に搭載した空調装置で温度調和された空調風を導入するダクト（２１）を接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１０】
請求項１の発明によれば、夏期炎天下で駐車して直射日光が車両用シートに照射されている場合には、その車両用シートの表面側となるシート面は高温化される。この場合、車両用シートの裏面側に配置されたシート外熱交換器は直射日光を避けた状態にあるため、そのシート外熱交換器内の熱交換媒体はシート面、つまり、シート内熱交換器よりも低温状態にある。
【００１１】
そして、媒体循環手段を作動させてシート外熱交換器とシート内熱交換器との間で熱交換媒体を循環させることにより、シート外熱交換器の低温状態にある熱交換媒体がシート内熱交換器に供給されるため、このシート内熱交換器を冷却し、ひいては、シート面を冷却することができる。
【００１２】
このとき、シート外熱交換器の熱交換媒体がシート内熱交換器の媒体流路を循環するため、そのシート内熱交換器を全体的に均等に冷却し、ひいては、シート面をむら無く冷却することができる。
【００１３】
また、シート面を暖房する場合は、シート外熱交換器に設けた媒体加温ヒータを作動させて加温した熱交換媒体をシート内熱交換器に供給することによりシート面を暖房することができ、この場合にあっても加温した熱交換媒体がシート内熱交換器の媒体流路を循環するため、そのシート内熱交換器を全体的に均等に加温し、ひいては、シート面をむら無く暖房することができる。
【００１４】
請求項２の発明によれば、媒体流路とヒータ側媒体流路とを並列に設けて、それらの分岐部に設けた流路切換手段を切り換えることにより、冷房時には熱交換媒体を媒体流路のみに流通させるとともに、暖房時には熱交換媒体をヒータ側媒体流路のみに流通させることができるため、冷房および暖房の効果を高めることができる。
【００１５】
請求項３の発明によれば、シート外熱交換器に冷却ファンを設けたので、シート外熱交換器の熱交換媒体の冷却効率を高め、ひいては、シート内熱交換器の冷却効率を高めてシート面の冷房効果をより向上させることができる。
【００１６】
請求項４の発明によれば、シート外熱交換器に、車両に搭載した空調装置で温度調和された空調風を導入するダクトを接続したので、ダクトから供給される空調風でシート外熱交換器の冷却効率を高め、ひいては、シート内熱交換器の冷却効率を高めてシート面の冷房効果をより向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
以下、本発明の実施の形態にかかるシート面冷暖房装置を図面を参照しながら詳細に説明する。
【００１８】
（第１実施形態）図１は、本実施形態にかかるシート面冷暖房装置を搭載した車両用シートの側断面図、図２は、シート面冷暖房装置を展開して示す概略構成図であり、図３は、図２中Ａ−Ａ線に沿った部分拡大断面図である。
【００１９】
本実施形態にかかるシート面冷暖房装置１０が適用される車両用シート１は、図１に示すように、シートクッション２、シートバック３、ヘッドレスト４を備えて概略構成され、シートクッション２は支持脚（例えば、スライド装置）５を介して車体フロア６に設置されている。
【００２０】
そして、車両用シート１は、シートクッション２の表面側となる上面およびシートバック３の表面側となる前面がシート面２ａ，３ａとなる。
【００２１】
そして、シート面冷暖房装置１０は、図２にも示すように、シートクッション２のシート面２ａおよびシートバック３のシート面３ａの内部に埋設されたシート内熱交換器１１と、車両用シート１の裏面となるシートクッション２の下面２ｂ側に配置されたシート外熱交換器１２と、これらシート内熱交換器１１とシート外熱交換器１２との間で熱交換媒体を循環させる媒体循環手段１３と、シート外熱交換器１２に設けられて、該シート外熱交換器１２からシート内熱交換器１１に供給する熱交換媒体を加温する媒体加温ヒータ１４と、を備えて構成される。
【００２２】
そして、シート面２ａ，３ａの冷房時は、媒体循環手段１３を作動させてシート外熱交換器１２の低温媒体をシート内熱交換器１１に供給するとともに、暖房時は媒体加温ヒータ１４を作動させて加温した熱交換媒体をシート内熱交換器１１に供給するようにしてある。
【００２３】
ここで、本実施形態では、シート内熱交換器１１は、図１に示すように、シートクッション２に設けられるシートクッション側熱交換器１１Ａと、シートバック３に設けられるシートバック側熱交換器１１Ｂと、によって構成される。なお、図２では、便宜上、シートクッション側熱交換器１１Ａとシートバック側熱交換器１１Ｂとをまとめて１つのシート内熱交換器１１として示してある。
【００２４】
シート外熱交換器１２は、シートクッション２側のみに設けられるようになっており、そのシート外熱交換器１２と、シートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂ（つまり、シート内熱交換器１１）とは、それぞれエンジン冷却水等の熱交換媒体を循環させるシートクッション側循環径路１５とシートバック側循環径路１６とによって連通されている。
【００２５】
シートクッション側循環径路１５は、シート外熱交換器１２とシートクッション側熱交換器１１Ａとを連通する往路１５ａと復路１５ｂとを備えるとともに、シートバック側循環径路１６は、シート外熱交換器１２とシートバック側熱交換器１１Ｂとを連通する往路１６ａと復路１６ｂとを備えており、それぞれの復路１５ｂ，１６ｂに媒体循環手段１３が配置される。
【００２６】
媒体循環手段１３は、図２に示すように、電動式のウォータポンプ１３ａと、このウォータポンプ１３ａの上流側に直列配置されるリザーバタンク１３ｂと、を備えて構成される。
【００２７】
そして、ウォータポンプ１３ａを作動させることにより、シートクッション側熱交換器１１Ａ内およびシートバック側熱交換器１１Ｂ内の熱交換媒体を、リザーバタンク１３ｂを介して吸引した後、その吸引した熱交換媒体がシート外熱交換器１２に圧送される。シート外熱交換器１２に圧送された熱交換媒体は、シート外熱交換器１２内の蛇腹状に配索された媒体流路１２ｐを流通した後、往路１５ａ，１６ａに分配してシートクッション側熱交換器１１Ａとシートバック側熱交換器１１Ｂとに流入し、それらシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂの蛇腹状に配索された媒体流路１１Ａｐ，１１Ｂｐを流通した後、リザーバタンク１３ｂに集合される。
【００２８】
そして、そのリザーバタンク１３ｂからウォータポンプ１３ａに再度吸引されることにより、その熱交換媒体はシート外熱交換器１２と、シートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂと、の間で循環される。
【００２９】
媒体加温ヒータ１４は、図２に示すように、蛇腹状に配索されたヒータ側媒体流路１４ｐを備えるとともに、このヒータ側媒体流路１４ｐには電熱線１４ｈが設けられ、この電熱線１４ｈに通電することによりヒータ側媒体流路１４ｐ内の熱交換媒体が加温される。
【００３０】
ここで、シート外熱交換器１２の媒体流路１２ｐと、媒体加温ヒータ１４のヒータ側媒体流路１４ｐと、を並列に配置し、それら媒体流路１２ｐとヒータ側媒体流路１４ｐとの分岐部Ｔに流路切換手段としての切換弁１７が設けられる。
【００３１】
すなわち、媒体流路１２ｐと並列配置されたヒータ側媒体流路１４ｐは、分岐部Ｔで復路１５ｂ，１６ｂから分岐された後に往路１５ａ，１６ａに連通されるようになっており、切換弁１７を切り換えることにより、ウォータポンプ１３ａから吐出された熱交換媒体は、媒体流路１２ｐを通過して往路１５ａ，１６ａに供給される径路と、ヒータ側媒体流路１４ｐを通過して往路１５ａ，１６ａに供給される径路と、が形成される。
【００３２】
また、シートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂは、図３に示すように、柔軟な２枚の可撓性シート１８ａ，１８ｂを、それらの間に媒体流路１１Ａｐ，１１Ｂｐを形成しつつ高周波溶着Ｗして接合することにより形成される。可撓性シート１８ａ，１８ｂは、例えば、エーテル系ウレタンを素材とする厚さ０．３ｍｍ程度のシートが用いられる。
【００３３】
以上の構成により、本実施形態の車両用シート１のシート面冷暖房装置１０によれば、夏期炎天下で長時間駐車した場合には、車室内に照射される直射日光によって車両用シート１の表面側となるシートクッション２やシートバック３のシート面２ａ，３ａは高温化される。このとき、車両用シート１の裏面側、つまり、シートクッション２の下面２ｂやシートバック３の後側面、特に、本実施形態ではシートクッション２の下面２ｂは直射日光が遮られて低温状態、つまり、車室内の雰囲気温度と略同等となる。
【００３４】
このため、シートクッション２の下面２ｂ側に配置されたシート外熱交換器１２は、車室内雰囲気温度と略同等の低温状態となる一方、シートクッション２およびシートバック３のシート面２ａ，３ａ側に配置したシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂは高温状態となっている。
【００３５】
このとき、媒体循環手段１３のウォータポンプ１３ａを作動させて、シート外熱交換器１２とシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂとの間で熱交換媒体を循環させることにより、シート外熱交換器１２の低温状態にある熱交換媒体がシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂに供給される。
【００３６】
これによって、シートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂを冷却し、ひいては、シートクッション２のシート面２ａおよびシートバック３のシート面３ａを冷却することができ、乗員は略車室内雰囲気温度まで冷却された車両用シート１に着座することができる。このとき、切換弁１７は媒体流路１２ｐ側に切り換えられている。
【００３７】
そして、このように低温状態にある熱交換媒体がシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂに供給されることにより、その熱交換媒体がそれぞれの媒体流路１１Ａｐ，１１Ｂｐを循環するため、それらシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂを全体的に均等に冷却し、ひいては、シート面２ａ，３ａをむら無く冷却することができる。
【００３８】
また、寒冷時等にあって車室内温度が低温化されてシート面２ａ，３ａが冷たくなっている場合は、切換弁１７を媒体加温ヒータ１４のヒータ側媒体流路１４ｐ側に切り換えて、その媒体加温ヒータ１４を作動させる（つまり、電熱線１４ｈに通電する）ことにより、媒体加温ヒータ１４で加温された熱交換媒体がシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂに供給される。
【００３９】
こうして、シートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂを加温し、ひいては、シートクッション２のシート面２ａおよびシートバック３のシート面３ａを暖房することができる。
【００４０】
そして、このように加温された熱交換媒体がシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂに供給されることにより、熱交換媒体がそれぞれの媒体流路１１Ａｐ，１１Ｂｐを循環するため、それらシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂを全体的に均等に加温し、ひいては、シート面２ａ，３ａをむら無く暖房することができる。
【００４１】
さらにまた、シートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂは、柔軟な可撓性シート１８ａ，１８ｂをそれらの間に媒体流路１１Ａｐ，１１Ｂｐを形成しつつ接合したので、熱交換媒体が供給されない通常時は媒体流路１１Ａｐ，１１Ｂｐを潰れた状態に設定できるため、車両用シート１に違和感無く着座することができるとともに、熱交換媒体が供給された時には媒体流路１１Ａｐ，１１Ｂｐが膨張して媒体流通を円滑に行うことができる。
【００４２】
（第２実施形態）図４は、本実施形態にかかるシート外熱交換器の拡大断面図である。なお、本実施形態にかかるシート面暖房装置は、上記第１実施形態にかかるシート面暖房装置と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素には共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
【００４３】
本実施形態にかかるシート面冷暖房装置は、基本的に第１実施形態のシート面冷暖房装置１０と略同様に、シート外熱交換器１２の熱交換媒体をシート内熱交換器１１に循環させるようになっている。ただし、本実施形態ではシート外熱交換器１２に冷却ファン２０を設けるようになっている。
【００４４】
したがって、本実施形態によれば、シート外熱交換器１２に冷却ファン２０を設けたので、シート外熱交換器１２は、冷却ファン２０の送風により熱交換媒体の冷却効率が高められ、ひいては、シート内熱交換器１１の冷却効率を高めてシート面２ａ，３ａ（図１参照）の冷房効果をより向上させることができる。
【００４５】
（第３実施形態）図５は、本実施形態にかかるシート外熱交換器の拡大断面図である。なお、本実施形態にかかるシート面暖房装置は、上記第１実施形態にかかるシート面暖房装置と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素には共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
【００４６】
本実施形態のシート面冷暖房装置は、基本的に第１実施形態のシート面冷暖房装置１０と略同様に、シート外熱交換器１２の熱交換媒体をシート内熱交換器１１に循環させるようになっている。ただし、本実施形態ではシート外熱交換器１２に、車両に搭載された空調装置（図示省略）で温度調和された空調風を導入するダクト２１を接続してある。なお、本実施形態ではダクト２１の入り口側に開閉ドア２２が設けられている。
【００４７】
したがって、本実施形態によれば、空調装置が作動した状態で、開閉ドア２２を図中実線に示すように開状態にすることにより、ダクト２１から供給される空調風でシート外熱交換器１２の冷却効率を高め、ひいては、シート内熱交換器１１の冷却効率を高めてシート面２ａ，３ａ（図１参照）の冷房効果をより向上させることができる。
【００４８】
特に、本実施形態では空調装置を冷房モードにして、ダクト２１からシート外熱交換器１２に冷房風を供給することにより、そのシート外熱交換器１２の冷房効率をさらに高めて、シート面２ａ，３ａの更なる冷房効果を期待できる。
【００４９】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず種々の変形が可能である。
【００５０】
例えば、上記各実施形態では、シートクッション２のシート面２ａおよびシートバック３のシート面３ａに、シートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂを設けて、シートクッション２とシートバック３の両方を冷暖房するようにした場合を開示したが、シート内熱交換器１１は、シートクッション２のシート面２ａまたはシートバックのシート面３ａのいずれか一方に設けてもよく、さらには、ヘッドレスト４の前面にシート内熱交換器１１を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００５１】
【図１】本発明の第１実施形態にかかるシート面冷暖房装置を搭載した車両用シートの側断面図。
【図２】本発明の第１実施形態にかかるシート面冷暖房装置を展開して示す概略構成図。
【図３】図２中Ａ−Ａ線に沿った部分拡大断面図。
【図４】本発明の第２実施形態にかかるシート外熱交換器の拡大断面図。
【図５】本発明の第３実施形態にかかるシート外熱交換器の拡大断面図。
【符号の説明】
【００５２】
１ 車両用シート
２ シートクッション
２ａ シートクッションのシート面
３ シートバック
３ａ シートバックのシート面
１０ シート面冷暖房装置
１１ シート内熱交換器
１１Ａ シートクッション側熱交換器（シート内熱交換器）
１１Ｂ シートバック側熱交換器（シート内熱交換器）
１２ シート外熱交換器
１２ｐ 流体流路
１３ 媒体循環手段
１４ 媒体加温ヒータ
１７ 切換弁（流路切換手段）
２０ 冷却ファン
２１ ダクト
Ｔ 分岐部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、シートクッションやシートバックからなる車両用シートの表面側となるシート面を冷暖房するシート面冷暖房装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の車両用シートを冷暖房する装置として、冷却または加温機能を有する熱源で発生した熱を、熱伝導部を介してシート面となる被温度調節部に伝熱する一方、送風機から送風される冷温風を対流部を介して前記被温度調節部の全面に形成した多数の吹出し孔より吹き出すことにより、シート面を冷暖房するものが知られている（例えば、特許文献１）。
【特許文献１】特開２００３−４２５９０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、かかる従来のシート面冷暖房装置にあっては、一つの熱源の熱を熱伝導部を介して被温度調節部に伝熱する構造であるため、熱伝導部の温度は熱源に近い部分で高く、かつ、熱源から遠い部分で低くなり、被温度調節部つまりシート面には温度むらが生じてしまうという問題があった。
【０００４】
また、送風機の冷温風を被温度調節部の吹出し孔から吹き出してシート面を冷暖房する場合にも、送風機から吹き出される風の方向によって吹出し孔から吹き出される風量が各吹出し孔によって変化されるため、やはり、シート面には温度むらが発生してしまうという問題もあった。
【０００５】
そこで、本発明は、冷暖房しようとするシート面に温度むらが発生するのを抑制できるようにした車両用シートのシート面冷暖房装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１にかかる発明にあっては、シートクッション（２）やシートバック（３）からなる車両用シート（１）の表面側となるシート面（２ａ，３ａ）の内部に埋設されたシート内熱交換器（１１）と、上記車両用シート（１）の裏面側に配置されたシート外熱交換器（１２）と、上記シート内熱交換器（１１）と上記シート外熱交換器（１２）との間で熱交換媒体を循環させる媒体循環手段（１３）と、上記シート外熱交換器（１２）に設けられて、該シート外熱交換器（１２）から上記シート内熱交換器（１１）に供給する熱交換媒体を加温する媒体加温ヒータ（１４）と、を備え、上記シート面（２ａ，３ａ）の冷房時は上記媒体循環手段（１３）を作動させてシート外熱交換器（１２）の低温媒体をシート内熱交換器（１１）に供給するとともに、暖房時は上記媒体加温ヒータ（１４）を作動させて加温した熱交換媒体をシート内熱交換器（１１）に供給することを特徴とする。
【０００７】
請求項２にかかる発明にあっては、上記シート外熱交換器（１２）の媒体流路（１２ｐ）と、上記媒体加温ヒータ（１４）のヒータ側媒体流路（１４ｐ）と、を並列に配置し、それら媒体流路（１２ｐ）とヒータ側媒体流路（１４ｐ）との分岐部（Ｔ）に流路切換手段（１７）を設けたことを特徴とする。
【０００８】
請求項３にかかる発明にあっては、上記シート外熱交換器（１２）用の冷却ファン（２０）を設けたことを特徴とする。
【０００９】
請求項４にかかる発明にあっては、上記シート外熱交換器（１２）に、車両に搭載した空調装置で温度調和された空調風を導入するダクト（２１）を接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１０】
請求項１の発明によれば、夏期炎天下で駐車して直射日光が車両用シートに照射されている場合には、その車両用シートの表面側となるシート面は高温化される。この場合、車両用シートの裏面側に配置されたシート外熱交換器は直射日光を避けた状態にあるため、そのシート外熱交換器内の熱交換媒体はシート面、つまり、シート内熱交換器よりも低温状態にある。
【００１１】
そして、媒体循環手段を作動させてシート外熱交換器とシート内熱交換器との間で熱交換媒体を循環させることにより、シート外熱交換器の低温状態にある熱交換媒体がシート内熱交換器に供給されるため、このシート内熱交換器を冷却し、ひいては、シート面を冷却することができる。
【００１２】
このとき、シート外熱交換器の熱交換媒体がシート内熱交換器の媒体流路を循環するため、そのシート内熱交換器を全体的に均等に冷却し、ひいては、シート面をむら無く冷却することができる。
【００１３】
また、シート面を暖房する場合は、シート外熱交換器に設けた媒体加温ヒータを作動させて加温した熱交換媒体をシート内熱交換器に供給することによりシート面を暖房することができ、この場合にあっても加温した熱交換媒体がシート内熱交換器の媒体流路を循環するため、そのシート内熱交換器を全体的に均等に加温し、ひいては、シート面をむら無く暖房することができる。
【００１４】
請求項２の発明によれば、媒体流路とヒータ側媒体流路とを並列に設けて、それらの分岐部に設けた流路切換手段を切り換えることにより、冷房時には熱交換媒体を媒体流路のみに流通させるとともに、暖房時には熱交換媒体をヒータ側媒体流路のみに流通させることができるため、冷房および暖房の効果を高めることができる。
【００１５】
請求項３の発明によれば、シート外熱交換器に冷却ファンを設けたので、シート外熱交換器の熱交換媒体の冷却効率を高め、ひいては、シート内熱交換器の冷却効率を高めてシート面の冷房効果をより向上させることができる。
【００１６】
請求項４の発明によれば、シート外熱交換器に、車両に搭載した空調装置で温度調和された空調風を導入するダクトを接続したので、ダクトから供給される空調風でシート外熱交換器の冷却効率を高め、ひいては、シート内熱交換器の冷却効率を高めてシート面の冷房効果をより向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
以下、本発明の実施の形態にかかるシート面冷暖房装置を図面を参照しながら詳細に説明する。
【００１８】
（第１実施形態）図１は、本実施形態にかかるシート面冷暖房装置を搭載した車両用シートの側断面図、図２は、シート面冷暖房装置を展開して示す概略構成図であり、図３は、図２中Ａ−Ａ線に沿った部分拡大断面図である。
【００１９】
本実施形態にかかるシート面冷暖房装置１０が適用される車両用シート１は、図１に示すように、シートクッション２、シートバック３、ヘッドレスト４を備えて概略構成され、シートクッション２は支持脚（例えば、スライド装置）５を介して車体フロア６に設置されている。
【００２０】
そして、車両用シート１は、シートクッション２の表面側となる上面およびシートバック３の表面側となる前面がシート面２ａ，３ａとなる。
【００２１】
そして、シート面冷暖房装置１０は、図２にも示すように、シートクッション２のシート面２ａおよびシートバック３のシート面３ａの内部に埋設されたシート内熱交換器１１と、車両用シート１の裏面となるシートクッション２の下面２ｂ側に配置されたシート外熱交換器１２と、これらシート内熱交換器１１とシート外熱交換器１２との間で熱交換媒体を循環させる媒体循環手段１３と、シート外熱交換器１２に設けられて、該シート外熱交換器１２からシート内熱交換器１１に供給する熱交換媒体を加温する媒体加温ヒータ１４と、を備えて構成される。
【００２２】
そして、シート面２ａ，３ａの冷房時は、媒体循環手段１３を作動させてシート外熱交換器１２の低温媒体をシート内熱交換器１１に供給するとともに、暖房時は媒体加温ヒータ１４を作動させて加温した熱交換媒体をシート内熱交換器１１に供給するようにしてある。
【００２３】
ここで、本実施形態では、シート内熱交換器１１は、図１に示すように、シートクッション２に設けられるシートクッション側熱交換器１１Ａと、シートバック３に設けられるシートバック側熱交換器１１Ｂと、によって構成される。なお、図２では、便宜上、シートクッション側熱交換器１１Ａとシートバック側熱交換器１１Ｂとをまとめて１つのシート内熱交換器１１として示してある。
【００２４】
シート外熱交換器１２は、シートクッション２側のみに設けられるようになっており、そのシート外熱交換器１２と、シートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂ（つまり、シート内熱交換器１１）とは、それぞれエンジン冷却水等の熱交換媒体を循環させるシートクッション側循環径路１５とシートバック側循環径路１６とによって連通されている。
【００２５】
シートクッション側循環径路１５は、シート外熱交換器１２とシートクッション側熱交換器１１Ａとを連通する往路１５ａと復路１５ｂとを備えるとともに、シートバック側循環径路１６は、シート外熱交換器１２とシートバック側熱交換器１１Ｂとを連通する往路１６ａと復路１６ｂとを備えており、それぞれの復路１５ｂ，１６ｂに媒体循環手段１３が配置される。
【００２６】
媒体循環手段１３は、図２に示すように、電動式のウォータポンプ１３ａと、このウォータポンプ１３ａの上流側に直列配置されるリザーバタンク１３ｂと、を備えて構成される。
【００２７】
そして、ウォータポンプ１３ａを作動させることにより、シートクッション側熱交換器１１Ａ内およびシートバック側熱交換器１１Ｂ内の熱交換媒体を、リザーバタンク１３ｂを介して吸引した後、その吸引した熱交換媒体がシート外熱交換器１２に圧送される。シート外熱交換器１２に圧送された熱交換媒体は、シート外熱交換器１２内の蛇腹状に配索された媒体流路１２ｐを流通した後、往路１５ａ，１６ａに分配してシートクッション側熱交換器１１Ａとシートバック側熱交換器１１Ｂとに流入し、それらシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂの蛇腹状に配索された媒体流路１１Ａｐ，１１Ｂｐを流通した後、リザーバタンク１３ｂに集合される。
【００２８】
そして、そのリザーバタンク１３ｂからウォータポンプ１３ａに再度吸引されることにより、その熱交換媒体はシート外熱交換器１２と、シートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂと、の間で循環される。
【００２９】
媒体加温ヒータ１４は、図２に示すように、蛇腹状に配索されたヒータ側媒体流路１４ｐを備えるとともに、このヒータ側媒体流路１４ｐには電熱線１４ｈが設けられ、この電熱線１４ｈに通電することによりヒータ側媒体流路１４ｐ内の熱交換媒体が加温される。
【００３０】
ここで、シート外熱交換器１２の媒体流路１２ｐと、媒体加温ヒータ１４のヒータ側媒体流路１４ｐと、を並列に配置し、それら媒体流路１２ｐとヒータ側媒体流路１４ｐとの分岐部Ｔに流路切換手段としての切換弁１７が設けられる。
【００３１】
すなわち、媒体流路１２ｐと並列配置されたヒータ側媒体流路１４ｐは、分岐部Ｔで復路１５ｂ，１６ｂから分岐された後に往路１５ａ，１６ａに連通されるようになっており、切換弁１７を切り換えることにより、ウォータポンプ１３ａから吐出された熱交換媒体は、媒体流路１２ｐを通過して往路１５ａ，１６ａに供給される径路と、ヒータ側媒体流路１４ｐを通過して往路１５ａ，１６ａに供給される径路と、が形成される。
【００３２】
また、シートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂは、図３に示すように、柔軟な２枚の可撓性シート１８ａ，１８ｂを、それらの間に媒体流路１１Ａｐ，１１Ｂｐを形成しつつ高周波溶着Ｗして接合することにより形成される。可撓性シート１８ａ，１８ｂは、例えば、エーテル系ウレタンを素材とする厚さ０．３ｍｍ程度のシートが用いられる。
【００３３】
以上の構成により、本実施形態の車両用シート１のシート面冷暖房装置１０によれば、夏期炎天下で長時間駐車した場合には、車室内に照射される直射日光によって車両用シート１の表面側となるシートクッション２やシートバック３のシート面２ａ，３ａは高温化される。このとき、車両用シート１の裏面側、つまり、シートクッション２の下面２ｂやシートバック３の後側面、特に、本実施形態ではシートクッション２の下面２ｂは直射日光が遮られて低温状態、つまり、車室内の雰囲気温度と略同等となる。
【００３４】
このため、シートクッション２の下面２ｂ側に配置されたシート外熱交換器１２は、車室内雰囲気温度と略同等の低温状態となる一方、シートクッション２およびシートバック３のシート面２ａ，３ａ側に配置したシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂは高温状態となっている。
【００３５】
このとき、媒体循環手段１３のウォータポンプ１３ａを作動させて、シート外熱交換器１２とシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂとの間で熱交換媒体を循環させることにより、シート外熱交換器１２の低温状態にある熱交換媒体がシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂに供給される。
【００３６】
これによって、シートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂを冷却し、ひいては、シートクッション２のシート面２ａおよびシートバック３のシート面３ａを冷却することができ、乗員は略車室内雰囲気温度まで冷却された車両用シート１に着座することができる。このとき、切換弁１７は媒体流路１２ｐ側に切り換えられている。
【００３７】
そして、このように低温状態にある熱交換媒体がシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂに供給されることにより、その熱交換媒体がそれぞれの媒体流路１１Ａｐ，１１Ｂｐを循環するため、それらシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂを全体的に均等に冷却し、ひいては、シート面２ａ，３ａをむら無く冷却することができる。
【００３８】
また、寒冷時等にあって車室内温度が低温化されてシート面２ａ，３ａが冷たくなっている場合は、切換弁１７を媒体加温ヒータ１４のヒータ側媒体流路１４ｐ側に切り換えて、その媒体加温ヒータ１４を作動させる（つまり、電熱線１４ｈに通電する）ことにより、媒体加温ヒータ１４で加温された熱交換媒体がシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂに供給される。
【００３９】
こうして、シートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂを加温し、ひいては、シートクッション２のシート面２ａおよびシートバック３のシート面３ａを暖房することができる。
【００４０】
そして、このように加温された熱交換媒体がシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂに供給されることにより、熱交換媒体がそれぞれの媒体流路１１Ａｐ，１１Ｂｐを循環するため、それらシートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂを全体的に均等に加温し、ひいては、シート面２ａ，３ａをむら無く暖房することができる。
【００４１】
さらにまた、シートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂは、柔軟な可撓性シート１８ａ，１８ｂをそれらの間に媒体流路１１Ａｐ，１１Ｂｐを形成しつつ接合したので、熱交換媒体が供給されない通常時は媒体流路１１Ａｐ，１１Ｂｐを潰れた状態に設定できるため、車両用シート１に違和感無く着座することができるとともに、熱交換媒体が供給された時には媒体流路１１Ａｐ，１１Ｂｐが膨張して媒体流通を円滑に行うことができる。
【００４２】
（第２実施形態）図４は、本実施形態にかかるシート外熱交換器の拡大断面図である。なお、本実施形態にかかるシート面暖房装置は、上記第１実施形態にかかるシート面暖房装置と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素には共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
【００４３】
本実施形態にかかるシート面冷暖房装置は、基本的に第１実施形態のシート面冷暖房装置１０と略同様に、シート外熱交換器１２の熱交換媒体をシート内熱交換器１１に循環させるようになっている。ただし、本実施形態ではシート外熱交換器１２に冷却ファン２０を設けるようになっている。
【００４４】
したがって、本実施形態によれば、シート外熱交換器１２に冷却ファン２０を設けたので、シート外熱交換器１２は、冷却ファン２０の送風により熱交換媒体の冷却効率が高められ、ひいては、シート内熱交換器１１の冷却効率を高めてシート面２ａ，３ａ（図１参照）の冷房効果をより向上させることができる。
【００４５】
（第３実施形態）図５は、本実施形態にかかるシート外熱交換器の拡大断面図である。なお、本実施形態にかかるシート面暖房装置は、上記第１実施形態にかかるシート面暖房装置と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素には共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
【００４６】
本実施形態のシート面冷暖房装置は、基本的に第１実施形態のシート面冷暖房装置１０と略同様に、シート外熱交換器１２の熱交換媒体をシート内熱交換器１１に循環させるようになっている。ただし、本実施形態ではシート外熱交換器１２に、車両に搭載された空調装置（図示省略）で温度調和された空調風を導入するダクト２１を接続してある。なお、本実施形態ではダクト２１の入り口側に開閉ドア２２が設けられている。
【００４７】
したがって、本実施形態によれば、空調装置が作動した状態で、開閉ドア２２を図中実線に示すように開状態にすることにより、ダクト２１から供給される空調風でシート外熱交換器１２の冷却効率を高め、ひいては、シート内熱交換器１１の冷却効率を高めてシート面２ａ，３ａ（図１参照）の冷房効果をより向上させることができる。
【００４８】
特に、本実施形態では空調装置を冷房モードにして、ダクト２１からシート外熱交換器１２に冷房風を供給することにより、そのシート外熱交換器１２の冷房効率をさらに高めて、シート面２ａ，３ａの更なる冷房効果を期待できる。
【００４９】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず種々の変形が可能である。
【００５０】
例えば、上記各実施形態では、シートクッション２のシート面２ａおよびシートバック３のシート面３ａに、シートクッション側熱交換器１１Ａおよびシートバック側熱交換器１１Ｂを設けて、シートクッション２とシートバック３の両方を冷暖房するようにした場合を開示したが、シート内熱交換器１１は、シートクッション２のシート面２ａまたはシートバックのシート面３ａのいずれか一方に設けてもよく、さらには、ヘッドレスト４の前面にシート内熱交換器１１を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００５１】
【図１】本発明の第１実施形態にかかるシート面冷暖房装置を搭載した車両用シートの側断面図。
【図２】本発明の第１実施形態にかかるシート面冷暖房装置を展開して示す概略構成図。
【図３】図２中Ａ−Ａ線に沿った部分拡大断面図。
【図４】本発明の第２実施形態にかかるシート外熱交換器の拡大断面図。
【図５】本発明の第３実施形態にかかるシート外熱交換器の拡大断面図。
【符号の説明】
【００５２】
１ 車両用シート
２ シートクッション
２ａ シートクッションのシート面
３ シートバック
３ａ シートバックのシート面
１０ シート面冷暖房装置
１１ シート内熱交換器
１１Ａ シートクッション側熱交換器（シート内熱交換器）
１１Ｂ シートバック側熱交換器（シート内熱交換器）
１２ シート外熱交換器
１２ｐ 流体流路
１３ 媒体循環手段
１４ 媒体加温ヒータ
１７ 切換弁（流路切換手段）
２０ 冷却ファン
２１ ダクト
Ｔ 分岐部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
シートクッション（２）やシートバック（３）からなる車両用シート（１）の表面側となるシート面（２ａ，３ａ）の内部に埋設されたシート内熱交換器（１１）と、
前記車両用シート（１）の裏面側に配置されたシート外熱交換器（１２）と、
前記シート内熱交換器（１１）と前記シート外熱交換器（１２）との間で熱交換媒体を循環させる媒体循環手段（１３）と、
前記シート外熱交換器（１２）に設けられて、該シート外熱交換器（１２）から前記シート内熱交換器（１１）に供給する熱交換媒体を加温する媒体加温ヒータ（１４）と、
を備え、
前記シート面（２ａ，３ａ）の冷房時は前記媒体循環手段（１３）を作動させてシート外熱交換器（１２）の低温媒体をシート内熱交換器（１１）に供給するとともに、暖房時は前記媒体加温ヒータ（１４）を作動させて加温した熱交換媒体をシート内熱交換器（１１）に供給することを特徴とする車両用シートのシート面冷暖房装置。
【請求項２】
前記シート外熱交換器（１２）の媒体流路（１２ｐ）と、前記媒体加温ヒータ（１４）のヒータ側媒体流路（１４ｐ）と、を並列に配置し、それら媒体流路（１２ｐ）とヒータ側媒体流路（１４ｐ）との分岐部（Ｔ）に流路切換手段（１７）を設けたことを特徴とする請求項１に記載の車両用シートのシート面冷暖房装置。
【請求項３】
前記シート外熱交換器（１２）用の冷却ファン（２０）を設けたことを特徴とする請求項１または２に記載の車両用シートのシート面冷暖房装置。
【請求項４】
前記シート外熱交換器（１２）に、車両に搭載した空調装置で温度調和された空調風を導入するダクト（２１）を接続したことを特徴とする請求項１〜３のうちいずれか一つに記載の車両用シートのシート面冷暖房装置。
【請求項１】
シートクッション（２）やシートバック（３）からなる車両用シート（１）の表面側となるシート面（２ａ，３ａ）の内部に埋設されたシート内熱交換器（１１）と、
前記車両用シート（１）の裏面側に配置されたシート外熱交換器（１２）と、
前記シート内熱交換器（１１）と前記シート外熱交換器（１２）との間で熱交換媒体を循環させる媒体循環手段（１３）と、
前記シート外熱交換器（１２）に設けられて、該シート外熱交換器（１２）から前記シート内熱交換器（１１）に供給する熱交換媒体を加温する媒体加温ヒータ（１４）と、
を備え、
前記シート面（２ａ，３ａ）の冷房時は前記媒体循環手段（１３）を作動させてシート外熱交換器（１２）の低温媒体をシート内熱交換器（１１）に供給するとともに、暖房時は前記媒体加温ヒータ（１４）を作動させて加温した熱交換媒体をシート内熱交換器（１１）に供給することを特徴とする車両用シートのシート面冷暖房装置。
【請求項２】
前記シート外熱交換器（１２）の媒体流路（１２ｐ）と、前記媒体加温ヒータ（１４）のヒータ側媒体流路（１４ｐ）と、を並列に配置し、それら媒体流路（１２ｐ）とヒータ側媒体流路（１４ｐ）との分岐部（Ｔ）に流路切換手段（１７）を設けたことを特徴とする請求項１に記載の車両用シートのシート面冷暖房装置。
【請求項３】
前記シート外熱交換器（１２）用の冷却ファン（２０）を設けたことを特徴とする請求項１または２に記載の車両用シートのシート面冷暖房装置。
【請求項４】
前記シート外熱交換器（１２）に、車両に搭載した空調装置で温度調和された空調風を導入するダクト（２１）を接続したことを特徴とする請求項１〜３のうちいずれか一つに記載の車両用シートのシート面冷暖房装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００８−８０９６６（Ｐ２００８−８０９６６Ａ）
【公開日】平成２０年４月１０日（２００８．４．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２６３２８９（Ｐ２００６−２６３２８９）
【出願日】平成１８年９月２７日（２００６．９．２７）
【出願人】（０００００４７６５）カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年４月１０日（２００８．４．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年９月２７日（２００６．９．２７）
【出願人】（０００００４７６５）カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]