説明

車両用シート

【課題】よりシンプルな構成によって、良好なサポート力を表皮材に付与することにある。
【解決手段】上方部位6aが、一対の側方部位6bとの連結部分6yからシート幅方向の中央部分6xに向けて後方へしだいに大きく凹まされた湾曲状に形成され、フレーム部材6Fの着座側に表皮材6Sを張設するに際して、起立時のシートバック6を基準として、表皮材6Sの一側をフレーム部材6Fの下部に固定し、表皮材6Sの他側を、上方部位6aからフレーム部材6Fの着座側とは異なる後側に張引しつつ、リクライニング軸Rの配設位置とは異なる部位に設けた固定部4dに固定するとともに、シートクッシクッション4に対するシートバック6の着座側への傾倒動作により、上方部位6aと固定部6dの離間距離が拡大する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠状のフレーム部材と、フレーム部材に張設される表皮材(乗員を支持可能な部材)を備えた車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用シートとして、特許文献1に開示の車両用シートが公知である。この車両用シートは、シートクッションと、シートクッションに対して起倒可能に連結するシートバックと、リクライニング軸を有する。
リクライニング軸は、シート幅方向に長尺な軸状部材であり、シートクッション後部に対してシートバック下部を回転(起倒)可能に連結できる。
またシートクッションとシートバックは、各々、枠状のフレーム部材と、表皮材を有する。表皮材は、フレーム部材に張設される面状部材(ネット状)である。
公知技術では、シートバックの表皮材を、フレーム部材の着座側に配置しつつ、フレーム部材の両端部(上下端)の間に取巻き状に装着する。そして表皮材の両端部を、例えばナイロン製の糸材にて互いに縫い止める。
【0003】
また公知技術では、シートクッションに張力調整装置を取付けて、表皮材の張力を調整することができる。張力調整装置は、シート幅方向に長尺な筒状部材であり、シートクッション前部に回転可能に橋渡される。
公知技術では、シートクッションの表皮材の一端を、張力調整装置(筒状)の周面に巻取可能に取付けるとともに、表皮材の他端をフレーム部材の後端に固定する。そして張力調整装置を回転させて表皮材を巻取る(又は引出す)ことにより、表皮材の張力を調整できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−79840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで公知技術では、シートバックの表皮材の張設形状(張力)がほぼ一定である。このため乗員の体格(大小,太細)が異なると、必要とするサポート力が得られないことがあった。
もっともシートバックに張力調整装置を設けて、シート上下方向に表皮材を張引する(張力を増大させる)こともできる。しかしそうするとシートバックの部品点数が増加するなどしてシート構成が複雑化しがちである。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、よりシンプルな構成によって、良好なサポート力を表皮材に付与することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段として、第1発明の車両用シートは、シートクッションと、シートバックと、シートクッションとシートバックを回転可能に連結するリクライニング軸を有する。そしてシートバックが、シート骨格をなす枠状のフレーム部材と、伸縮可能な面状の表皮材とを有する。
本発明では、フレーム部材に表皮材を張設して乗員を支持可能とする。そしてリクライニング軸を回転中心として、シートクッションに対するシートバックの起倒動作を行うのであるが、この種のシート構成では、よりシンプルな構成によって良好なサポート力を表皮材に付与できることが望ましい。
【0007】
ここで本発明では、上述のフレーム部材が、起立時のシートバックを基準として、シート上下方向に延びる一対の側方部位と、一対の側方部位の上部に跨ってシート幅方向に延びる上方部位とを有する。そして上方部位が、一対の側方部位との連結部分からシート幅方向の中央部分に向けて後方へしだいに大きく凹まされた湾曲状に形成される。
そこで本発明では、フレーム部材の着座側に表皮材を張設するに際して、起立時のシートバックを基準として、表皮材の一側をフレーム部材の下部に固定する。また表皮材の他側を、上方部位からフレーム部材の着座側とは異なる後側に張引しつつ、リクライニング軸の配設位置とは異なる部位に設けた固定部に固定する。
そしてシートクッションに対するシートバックの着座側への傾倒動作により、上方部位と固定部の離間距離が拡大する構成とした。
本発明では、シートバックの傾倒動作にて、上方部位と固定部の離間距離を拡大することにより、シート上下に表皮材を張引する(張力を増大させる)ことができる。このとき表皮材を張引しつつ、フレーム部材(湾曲状の上方部位)の外形形状に沿って張設することにより、乗員を安定的にサポートできる。
【0008】
第2発明の車両用シートは、第1発明の車両用シートであって、上述の表皮材に、張力調整装置を配設することで、シート幅方向における表皮材の張力の調整を行うことができる(更に良好なサポート力を表皮材に付与できる)。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る第1発明によれば、よりシンプルな構成によって、良好なサポート力を表皮材に付与することができる。また第2発明によれば、更に良好なサポート力を表皮材に付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】車両用シートの斜視図である。
【図2】車両用シート後方の一部透視正面図である。
【図3】張力調整装置の縦断面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う横断面図である。
【図5】車両用シートの概略側面図である。
【図6】(a)は、起立時のシートバックの斜視図であり、(b)は、起立時の車両用シート一部の側面図である。
【図7】(a)は、前傾時のシートバックの斜視図であり、(b)は、前傾時の車両用シート一部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図7を参照して説明する。なお各図には、車両用シート前方に符号F、車両用シート後方に符号B、車両用シート上方に符号UP、車両用シート下方に符号DWを適宜付す。
本実施例の車両用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、リクライニング軸Rを有する(図1及び図2を参照)。
リクライニング軸Rは、シート幅方向に長尺な棒状部材であり、シートクッション4に対してシートバック6が起倒(回転運動)する際の回転中心である。
本実施例では、リクライニング軸Rにて、シートクッション4後部とシートバック6下部を回転可能に連結したのち、リクライニング軸Rをシールド部材Srにて被覆する(図5を参照)。
【0012】
[シートバック]
シートバック6は、略長方形状(正面視)の部材であり、フレーム部材6Fと、表皮材6Sと、張力調整装置50を有する(図1及び図2を参照、各部材の詳細は後述)。
本実施例では、表皮材6Sを、フレーム部材6Fに張設して乗員を支持可能とする。そしてリクライニング軸Rを回転中心として、シートクッション4に対するシートバック6の起倒動作を行う。
この種のシート構成では、例えば乗員の体格差に応じて、良好なサポート力(張力)を表皮材6Sに付与できることが望ましい。そこで本実施例では、後述のシンプルな構成によって、良好なサポート力を表皮材6Sに付与することとした。以下、各構成について詳述する。
【0013】
(フレーム部材)
フレーム部材6F(略逆U字状の枠体)は、上方部位6aと、一対の側方部位6bと、下方部位6cを有する(図1及び図2を参照)。
一対の側方部位6bは、それぞれシート側部を構成する部位(パイプ状)であり、起立時のシートバック6を基準としてシート上下方向に延びる。本実施例では、リクライニング軸Rを、一対の側方部位6bの下端付近に橋渡し状に取付けることができる(図2を参照)。
また下方部位6cは、シート下部を構成する部位(平板状)であり、一対の側方部位6bの下部に橋渡し状に取付けられる。
そして上方部位6aは、シート上部を構成する部位(パイプ状)であり、一対の側方部位6bの上部に跨ってシート幅方向に延びる。本実施例の上方部位6a(形状)は、一対の側方部位6bとの連結部分6yからシート幅方向の中央部分6xに向けて後方へしだいに大きく凹まされた湾曲状に形成される(図1及び図5を参照)。そして中央部分6xが、上方部位6aの最上部且つ最後方に位置する。
【0014】
(表皮材)
表皮材6Sは、伸縮可能な面状部材(シート外形に倣った略長方形状)である(図2を参照)。本実施例の表皮材6Sは、第一ワイヤ材11と、一対の第二ワイヤ材12f,12sと、複数の芯材13a〜13cを有する。
表皮材6Sの種類は特に限定しないが、布帛(織物,編物,不織布)、ネット体(繊維を網目状に織製した部材)を例示できる。なおネット体は、繊維(天然繊維や合成繊維)を二次元的に交絡させてもよく、繊維を三次元的に交絡させてもよい。
【0015】
そして第一ワイヤ材11と第二ワイヤ材12f,12sは、ともに伸縮性に乏しい線状部材(例えば樹脂製又は金属製)である。
また複数の芯材(上部芯材13a、一対の側部芯材13b,13c)はいずれも棒状の樹脂部材であり、表皮材6Sの周端に取付けることができる。
本実施例では、表皮材6Sの上側に上部芯材13aを取付けつつ、同芯材13aに第一ワイヤ材11を取付ける。また表皮材6Sの両側(左右)にそれぞれ側部芯材13b,13cを取付ける。そして各芯材13b(13c)に、それぞれ対応する第二ワイヤ材12f(12)を取付けたのち、後述の張力調整装置50に取付ける。
【0016】
(張力調整装置)
張力調整装置50は、ケース51(略円筒状)と、軸部材55と、操作ハンドル55aと、複数の巻取ドラム56,57と、ロック機構(52,53,54)を有する(図2〜図4を参照)。
軸部材55は、ケース51内に回転可能に支持される棒状部材であり、ケース51外の操作ハンドル55aにて回転操作可能である。また複数の巻取ドラム56,57(第一巻取ドラム56,第二巻取ドラム57)はともに円盤状の部材であり、軸部材55の軸周りに配設されて軸部材55と共に回転可能である。
【0017】
そしてロック機構は、ラチェットホイール52と、ロック爪53と、解除部材54を有する。
ラチェットホイール52は円盤状の部材であり、軸部材55の軸周りに配設されて軸部材55と共に回転可能である。またロック爪53(略三角状の部材)は、ラチェットホイール52の外周面(凹凸状)に係脱可能に噛み合うことができる。
本実施例では、ラチェットホイール52に向けて(係合方向に)ロック爪53を付勢する。そしてロック爪53を、ケース51外の解除部材54を回転操作することで、ラチェットホイール52から離間(係脱)させることができる。
【0018】
[シートクッション(固定部)]
シートクッション4は、シート骨格をなすフレーム部材4Fと、シート外形をなすクッション材(図示省略)と、クッション材を被覆する表皮材(図示省略)を有する(図1及び図2を参照)。
フレーム部材4Fは、シート側方の骨格をなす一対の側方フレーム4bと、固定部4dを有する。一対の側方フレーム4bは、ともに平板状の部材(略長方形状)であり、シート側方に対面配置する。一対の側方フレーム4b(後側)には、棒状の後方フレーム(図示省略)を橋渡し状に取付けることができる。
そして固定部4dは、略長方形状の平板部位であり、表皮材6Sの他側(第一ワイヤ材11)を取付けることができる。本実施例では、固定部4dを、例えば後方フレームの中央に固定しつつ、リクライニング軸Rよりもシート下方且つ後方に延設する。そして固定部4dの下部(固定点FP)に、第一ワイヤ材11を取付けることができる。
【0019】
[シートバックの配設作業]
図1及び図2を参照して、フレーム部材6Fの着座側を表皮材6S(ネット体)で被覆する。
本実施例では、表皮材6Sの下側を、下方部位6cの着座側に取付けるとともに、表皮材6Sの上側を、第一ワイヤ材11とともに上方部位6aから折返しつつ、フレーム部材6F後側に張引する。そして第一ワイヤ材11を、固定部4d(固定点FP)に固定して、リクライニング軸Rよりもシート後方且つ下方に配置(リクライニング軸Rの配置位置とは異なる位置に配置)する。
また本実施例では、表皮材6Sの両側を、各第二ワイヤ材12f,12sとともにフレーム部材6Fの後側に張引する(図2を参照)。そして一方の第二ワイヤ材12fを、第一巻取ドラム56に巻取及び引出可能に取付けるとともに、他方の第二ワイヤ材12sを、第二巻取ドラム57に巻取及び引出可能に取付ける。
【0020】
そして図1、図2及び図5を参照して、シートクッション4後部とシートバック6下部を、リクライニング軸Rを介して連結する。
本実施例では、シートバック6を、起立姿勢からシート着座側に傾倒させること(前傾動作)により、上方部位6aが円弧軌跡上を移動する(同図の軌跡T1を参照)。また表皮材6Sの折返し部分(中央部分6xを被覆する部分)が、上方部位6aに追従して軌跡T1上を移動する。
ところで本実施例では、表皮材6Sの回転中心(固定点FP)が、リクライニング軸Rよりも後方且つ下方に位置する。そしてシートバック6の前傾動作における表皮材6Sの本来の円弧軌跡は、固定点FPを回転中心とした円弧軌跡(軌跡T1よりも内側の円弧軌跡)である(図5の軌跡T2を参照)。
このためシートバック6の前傾動作時に、軌跡T1と軌跡T2の間にズレが生ずることにより、上方部位6aと固定部4dの離間距離がしだいに拡大する。そして上方部位6aと固定部4dの離間距離が拡大することにより、シート上下方向に表皮材6Sが張引される(張力が増大する)こととなる。
【0021】
[表皮材の張力調節]
図5及び図6を参照して、大柄の乗員の場合には、シートクッション4に対してシートバック6を起立状態で保持する。
このとき本実施例では、表皮材6Sを、一対の側方部位6bの間に跨って平面に近い湾曲状態で張設できる。
ところで起立状態のシートバック6では、乗員の傾き角度を任意に設定できる。ここで乗員の傾き角度は、例えば三次元マネキンを使用したトルソ角θ1の測定にて規定できる(特開2011−098589号公報を参照)。
ここでトルソ角θ1とは、三次元マネキン(図示省略)のバック角分度器を用いて測定するヒップポイント(図6の仮想ヒップポイントHを参照)を通る垂線とトルソライン(同図の仮想トルソラインTLを参照)の間の角度である。またトルソラインとは、三次元マネキンのプローブを最後方位置に置いたときのその中心線をいう。
【0022】
また図5及び図7を参照して、小柄の乗員の場合には、シートクッション4に対してシートバック6を前傾させる。
本実施例では、シートバック6の前傾動作にて(比較的シンプルな構成にて)、上方部位6aと固定部4dの離間距離を拡大させることができる。これにより表皮材6Sを、シート上下に張引して(表皮材6Sの張力を増大させて)、上方部位6aの湾曲形状に沿ってシート後方に凹んだ湾曲状に張設する。そして表皮材6Sを、乗員を囲むように張設することで、小柄の乗員をしっかりと支持できる(良好なサポート力でサポートできる)。
また本実施例では、表皮材6Sが、(上方部位6aの湾曲形状に沿って)シート後方に凹んだ湾曲状に張設されるため、シートバック6の状態変位にかかわらず、仮想トルソラインTLがほぼ一定に維持される(図6及び図7を参照)。
このため本実施例では、シートバック6前傾時の乗員の傾き角度(トルソ角θ2)が、起立時の傾き角度(トルソ角θ1)とほぼ同一に維持されて、シートの着座性を好適に維持できる。
【0023】
(表皮材の張力の微調整)
さらに本実施例では、乗員の体格に応じて、張力調整装置50によって表皮材6Sの左右方向(シート幅方向)の張力を微調整できる(図2〜図4を参照)。
このときラチェットホイール52が、ロック爪53と噛み合うことがないアンロック方向(図4で時計回り方向)へ回動可能である。そこで操作ハンドル55aを操作してラチェットホイール52(軸部材55)をアンロック方向に回転させることにより、各第二ワイヤ材12f,12sを各巻取ドラムに巻取る。これにより表皮材6Sの左右方向の張力を増大させることができる。
そして操作ハンドル55aを開放することにより、ラチェットホイール52がロック方向(図4で反時計回り方向)に回転する。これによりラチェットホイール52(外周面の凹凸)にロック爪53が噛み合うため(軸部材55の回転がロックされるため)、表皮材6Sの左右方向の張力が調整された状態に保たれる。
【0024】
さらに解除部材54にて、ラチェットホイール52に対するロック爪53の係合を解除すると、表皮材6Sの左右方向の張力によって、複数の巻取ドラム56,57が軸部材55と共に引出し方向(図4で反時計回り方向)に回動する。
このように各第二ワイヤ材12f,12sが各巻取ドラム56,57から引出されることで、表皮材6Sの左右方向の張力を減少させることができる。
【0025】
以上説明したとおり本実施例では、シートバック6の前傾動作にて(比較的シンプルな構成にて)、上方部位6aと固定部4dの離間距離を拡大することにより、表皮材6Sの張力を増大させることができる。
このときシートバック6前傾時における乗員の傾き角度(トルソ角θ2)が、起立時の傾き角度(トルソ角θ1)とほぼ同一に維持されるため、シートの着座性を好適に維持できる。
また本実施例では、表皮材6Sを、フレーム部材6F(湾曲状の上方部位6a)の外形形状に沿って張設することにより、小柄の乗員ほど安定的にサポートできる。
そして本実施例では、張力調整装置50により、シート幅方向における表皮材6Sの張力の微調整を行うことができる。
このため本実施例によれば、よりシンプルな構成によって、良好なサポート力を表皮材6Sに付与することができる。
【0026】
本実施形態の車両用シート2は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)本実施形態では、張力調整装置50により表皮材6Sの張力(シート幅方向の張力)を調整する構成を説明したが、張力調整装置50を省略することもできる。また本実施例では、張力調整装置50の構成を例示したが、同装置の構成を限定する趣旨ではない。例えば周知の張力調整装置50を用いることができる(特開2010−148927号公報等を参照)。
(2)また本実施形態では、フレーム部材4Fに固定部4dを設ける例を説明したが、固定部の形成位置を限定する趣旨ではない。例えば固定部は、車室床面やスライドレール等の各種車両構成(車両に固定される部材)に設けることができる。
(3)また本実施形態では、表皮材6Sを、第一ワイヤ材11を介して固定部4dに取付ける例を説明したが、表皮材自体を固定部4dに取付けることもできる。
【符号の説明】
【0027】
2 車両用シート
4 シートクッション
4d 固定部
6 シートバック
6F フレーム部材
6a 上方部位
6b 側方部位
6c 下方部位
6S 表皮材
11 第一ワイヤ材
12f,12s 第二ワイヤ材
50 張力調整装置
FP 固定点
R リクライニング軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションと、シートバックと、前記シートクッションと前記シートバックを回転可能に連結するリクライニング軸を有するとともに、前記シートバックが、シート骨格をなす枠状のフレーム部材と、伸縮可能な面状の表皮材とを有し、
前記フレーム部材に前記表皮材を張設して乗員を支持可能としつつ、前記リクライニング軸を回転中心として、前記シートクッションに対する前記シートバックの起倒動作を行う構成の車両用シートにおいて、
前記フレーム部材が、起立時の前記シートバックを基準として、シート上下方向に延びる一対の側方部位と、前記一対の側方部位の上部に跨ってシート幅方向に延びる上方部位とを有するとともに、前記上方部位が、前記一対の側方部位との連結部分からシート幅方向の中央部分に向けて後方へしだいに大きく凹まされた湾曲状に形成され、
前記フレーム部材の着座側に前記表皮材を張設するに際して、起立時の前記シートバックを基準として、前記表皮材の一側を前記フレーム部材の下部に固定し、前記表皮材の他側を、前記上方部位から前記フレーム部材の着座側とは異なる後側に張引しつつ、前記リクライニング軸の配設位置とは異なる部位に設けた固定部に固定するとともに、
前記シートクッションに対する前記シートバックの着座側への傾倒動作により、前記上方部位と前記固定部の離間距離が拡大する構成とした車両用シート。
【請求項2】
前記表皮材に、前記表皮材のシート幅方向の張力を調整する張力調整装置が配設される請求項1に記載の車両用シート。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−6442(P2013−6442A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138500(P2011−138500)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】