車両用ホイール
【課題】 生産性が高く、溶接不良を低減でき、十分な接合強度を有した車両用ホイールを提供する。
【解決手段】ドロップ部を有するリム2と、板材を一体成形してなるディスク10とを溶接してなり、ディスクは、ハブ取付け部10aと、ハブ取付け部からディスクの外周縁へ向かって放射状に延びる複数のスポーク部10bと、スポーク部の外周端がホイール軸方向に折り返されてなる曲面接続部Rを介してスポーク部に接続されるリング状のディスクフランジ10cとを有し、ディスクフランジはホイールの軸方向に沿って延び、隣接するスポーク部とハブ取付け部とディスクフランジとで囲まれる部分で飾り穴20が画成され、リムの内周面とディスクフランジの外周面との嵌合部のうち、スポーク部の先端部12に対向する部分が溶接されている。
【解決手段】ドロップ部を有するリム2と、板材を一体成形してなるディスク10とを溶接してなり、ディスクは、ハブ取付け部10aと、ハブ取付け部からディスクの外周縁へ向かって放射状に延びる複数のスポーク部10bと、スポーク部の外周端がホイール軸方向に折り返されてなる曲面接続部Rを介してスポーク部に接続されるリング状のディスクフランジ10cとを有し、ディスクフランジはホイールの軸方向に沿って延び、隣接するスポーク部とハブ取付け部とディスクフランジとで囲まれる部分で飾り穴20が画成され、リムの内周面とディスクフランジの外周面との嵌合部のうち、スポーク部の先端部12に対向する部分が溶接されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、農耕用車両、産業用車両等の車両用ホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
スチールホイールは安価で低コストであるため広く普及しているが、アルミホイールに比べて意匠性が劣るという問題がある。そこで、近年、細いスポーク部と大きな飾り穴とを有し、アルミホイールに似た外観を呈するスチールホイールが開発されている(特許文献1〜3参照)。
このうち、特許文献1には、スポークを一体形成し全周にリング部を有する打ち抜きディスクをリムに溶接し、上記リング部をリムのショルダ部に溶接する際、リムの空気軸(バルブ穴)と干渉しないようリング部に切り欠きを設けることが記載されている。
又、特許文献2には、ディスクの飾り穴の周縁をしごいて立壁を設けて強度を確保することで飾り穴の間のスポーク幅を細くし、かつ周方向に形成したディスクフランジをリムと溶接することが記載されている。
特許文献3には、一体の金属シートからディスク部を形成し、ディスク部が複数のスポーク装置と各スポーク装置の外端を連結するリング状のディスクエッジを備えたことが記載されている。そして、この文献には、スポーク装置は2本のスポークバー(補強リブ)から形成され、ディスクエッジをリムウェル(ドロップ部)の内周に接合することが記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−1704号公報
【特許文献2】特開2005−119355号公報
【特許文献3】欧州特許第1262333号明細書(特許請求の範囲1、3項)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の技術の場合、ディスクのリング部に切り欠きを設けるため、生産性の点で問題がある。又、特許文献2記載の技術はホイールキャップ(装飾キャップ)を取付けることを前提としており、ホイール自体の意匠性をさらに改善する余地がある。
一方、このような細いスポーク部と大きな飾り穴を一体成形してディスクを構成する場合、飾り穴部分でリング部(ディスクフランジ、ディスクエッジ)の幅が最も狭くなり強度が低くなるため、この部分が成型加工時に変形し、リング部端縁がうねるようになることがある。その結果、飾り穴部分でリング部を溶接しようとすると、溶接不良が生じたり、十分な接合強度が得られなかったりする。
従って本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、スポーク部と大きな飾り穴を一体形成したディスクをリムに溶接して成る車両用ホイールにおいて、生産性が高く、溶接不良を低減でき、十分な接合強度を有した車両用ホイールの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の車両用ホイールは、ドロップ部を有するリムと、板材を一体成形してなるディスクとを溶接してなり、前記ディスクは、ハブ取付け部と、該ハブ取付け部から前記ディスクの外周縁へ向かって放射状に延びる複数のスポーク部と、前記スポーク部の外周端がホイール軸方向に折り返されてなる曲面接続部を介して前記スポーク部に接続されるリング状のディスクフランジとを有し、前記ディスクフランジはホイールの軸方向に沿って延び、隣接する前記スポーク部と前記ハブ取付け部と前記ディスクフランジとで囲まれる部分で飾り穴が画成され、前記リムの内周面と前記ディスクフランジの外周面との嵌合部のうち、前記スポーク部の先端部に対向する部分が溶接されていることを特徴とする。
このようにすると、スポーク部の延長部分にある曲面接続部では材料の幅が広く、強度も高いため、折り返し加工によって端縁がうねることが少ない。従って、この部分に相当するスポーク部の先端部に対向する嵌合面を溶接位置とすることにより、溶接不良がなく、確実に溶接することができる。又、リムとハブとの間の力の伝達は、主にスポーク部を介して行われ、飾り穴に隣接するディスクフランジには材料の幅が狭い場合に殆ど力が伝達されず、この部分で溶接してもホイール強度は殆ど向上せずに無駄となる。そのため、スポーク部の先端部に対向する嵌合面を溶接することで、溶接の無駄がなくなり生産性も向上する。
【0006】
又、本発明の車両用ホイールは、ドロップ部を有するリムと、板材を一体成形してなるディスクとを溶接してなり、前記ディスクは、ハブ取付け部と、該ハブ取付け部から前記ディスクの外周縁へ向かって放射状に延びる複数のスポーク部と、前記スポーク部の外周端がホイール軸方向に折り返されてなる曲面接続部を介して前記スポーク部に接続されるリング状のディスクフランジとを有し、前記ディスクフランジはホイールの軸方向に沿って延び、隣接する前記スポーク部と前記ハブ取付け部と前記ディスクフランジとで囲まれる部分で飾り穴が画成され、前記リムの内周面と前記ディスクフランジの外周面との嵌合部のうち、飾り穴に隣接する部分が溶接されていることを特徴とする。
通常、リムとハブとの間の力の伝達は、リムから順に溶接部、ディスクフランジ、スポーク部を経てハブ取付け部に至る経路をとる。このため、スポーク部の剛性が高すぎる場合等に、スポーク部の先端部に対向する部分のディスクフランジを避けて溶接することにより、ディスクフランジのうちスポーク部の先端部に比較して剛性の低い部分で溶接することができ、応力集中が緩和され、溶接部近傍の疲労耐久性が向上する。
【0007】
前記ディスクフランジの外周面との嵌合部が、前記リムのドロップ部の内周面であってもよい。
このようにすると、リムのビードシートで嵌合する場合に比べて、ディスクの外形を小さくできるため軽量にできるとともに、ディスクフランジとバルブ穴との干渉を容易に防止することができる。
【0008】
前記嵌合部のホイール軸方向外側部分が溶接されていてもよい。
このようにすると、回転中のディスクが楕円状にゆがむため、ディスクの径方向にディスクとリムの嵌合部を広げる応力が作用するが、嵌合部の外側を溶接した場合には、この応力は嵌合部の外側の溶接部に直接負荷されるだけであり、内側を溶接した場合に比べて溶接部に掛かる応力が低くなる。
【0009】
前記嵌合部のホイール軸方向内側部分が溶接されていてもよい。
このようにすると、溶接部が外部から見え難いため、見栄えが良くなる。
【0010】
前記飾り穴に隣接する前記ディスクフランジのホイール軸方向外側端縁が前記ドロップ部のホイール軸方向外側端縁よりホイール軸方向内側に位置してもよい。
このようにすると、ディスクフランジがリムよりホイール軸方向内側に引っ込み、ディスクフランジの外側端縁が外から見え難くなるので、スポーク部が直接リムに接続しているように見え、意匠性が向上する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スポーク部と大きな飾り穴を一体形成したディスクをリムに溶接して成る車両用ホイールにおいて、生産性を向上し、溶接不良を低減するとともに、十分な接合強度を有した車両用ホイールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明ではスチールホイールを例示するが、本発明はスチールホイールの他、円盤状板材の外周を絞り加工等によって折り返してフランジを形成して、ディスクに成形できる材料(例えば、チタン、チタン合金)を対象とすることができる。
一方、アルミニウム、マグネシウム等はスチール等に比べて材料強度が低いため、鋳造によって厚肉のディスクを一体に製造するのが通常であり、ディスクとリムの溶接構造は問題とならない。本発明ではこのような厚肉に一体成形された鋳造(鍛造)ディスクを対象としない。
又、本発明によるホイールは、公式な耐久強度の規定を満たすものであることが好ましい。但し、公式な耐久強度の規定を有しない産業車両用(農耕用)ホイールや応急使用ホイール(自動車用テンパーホイールを含む)等であっても本発明を適用することができる。
ここで、公式な耐久強度は我国のJIS D 4103「自動車部品―ディスクホイール―性能及び表示」 であるが、将来、規格が変わった場合は、その時点で我国の日本工業規格JIS(及び/又は国際標準化機構ISO)が定めるホイールの公式な耐久強度をいう。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用ホイールの第1実施形態を示す正面図である。本発明の実施形態の車両用(スチール)ホイールは、スチール製のリム2とスチール製のディスク10とをリムのドロップ部2cに嵌合し、溶接して成るホイールである。
なお、以下の説明で「外側」とは、ホイールを車両に取付けた際、ホイールの軸方向から見て外側となる部分をいい、「内側」とは内側となる部分をいう。但し、トラックのダブルタイヤのように、2個のホイールを軸方向に連結して使用する場合、内側に位置するホイールの「外側」と「内側」は上記の通りであるが、外側に位置するホイールの「外側」と「内側」は上記と逆になる。これは、ダブルタイヤの場合、外側に位置するホイールの表裏を逆にして内側ホイールと連結するためである。例えば、内側ホイールの場合、図2の上側部分が外側となるが、外側ホイールの場合は図2の下側部分が外側となる。
また、リム及びディスクの径方向については、「内周」又は「外周」と表記する。
【0014】
図1において、リム2は略円筒状をなし、その両端に形成された外側フランジ及び内側フランジの間にタイヤを収容するようになっている。
ディスク10は鋼板を一体成形してなり、ディスクの中心にハブ穴10dが開口され、ハブ穴10dより外周側にハブを取付けるための複数のボルト孔10eが同心円上に形成されている。ハブ穴10dとボルト孔10eが形成された略円盤状部分をハブ取付け部10aと称する。
ハブ取付け部10aからディスクの外周縁へ向かって5個の長片状のスポーク部10bが放射状に延びている。各スポーク部10bの幅方向端部の両側には、それぞれ第1補強部11aおよび第2補強部11b(図3参照)からなり長手方向(外周方向)に延びる2つの補強部11、11が形成されている。なお、第2補強部11bがスポーク部10bの中央から外側に立ち上がり、第1補強部11aにつながっている。第1補強部11aはハブ取付け部10aとほぼ平行に延び、スポーク部10bの端縁を形成する。
【0015】
各スポーク部10bの外周端はホイールの内側に折り返されて曲面接続部Rを形成し、曲面接続部Rを介してスポーク部10bにリング状のディスクフランジ10cが接続されている。ディスクフランジ10cはホイールの軸方向に沿って延び、当該軸方向においてリム2との嵌合面を形成すると共に、各スポーク部10bを連結して強度を確保する機能を有する。
そして、隣接する2つのスポーク部10b、10bと、ハブ取付け部10aの外周端と、ディスクフランジ10cの外側端部との間に略三角形の飾り穴20が5個画成されている。飾り穴20は通常、軽量化及び放熱のために形成される。
【0016】
スポーク部10bの幅方向端部の延長線L、Lがリム2と接する部分(この実施形態ではドロップ部2c)によってスポーク部の先端部12が規定され、後述するリム2(ドロップ部2c)の内周面とディスクフランジ10cの外周面との嵌合部のうち、先端部12に対向する部分が溶接されて溶接部5を形成している。
なお、リム2のサイドウォール部(ドロップ部より外周側)にはバルブ穴15が形成されているが、図2の例ではディスクとリムとをドロップ部で溶接するため、バルブ穴15とディスク10は干渉せず、ディスク10に切り欠きを形成する必要がない。
【0017】
図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。図2において、リム2の外側フランジの内側にはタイヤのビードを受ける外側ビードシートが形成されている。外側ビードシートより内側には最も小径のドロップ部2cが形成され、外側ビードシートと(外側の)ドロップ部2cはサイドウォール部2aを介して滑らかに接続されている。つまり、ドロップ部2cとサイドウォール部2aとは断面が半円状の湾曲部2bを介して接続されている。ドロップ部2cより内側にはサイドウォール部を介して内側ビードシートが形成され、内側ビードシートは内側フランジに接続されている。以下の説明では、「ドロップ部」は、ドロップ部の外側部分(外側ビードシートに接続する部分)をいう。
リム2は、例えば所定形状の圧延形鋼を円筒形に丸めて製造することができ、又は、鋼板を丸めて円筒形にした後、ロール成形等によって所定の断面形状としてもよいが、これらの方法に限られない。
【0018】
一方、ディスク10のハブ取付け部10aはほぼ平面をなすが、スポーク部10bはハブ取付け部10aから外側に湾曲した後、ハブ取付け部10aとほぼ平行にホイール径方向外側に延び、曲面接続部Rで内側に湾曲してディスクフランジ10cにつながっている。なお、スポーク部10bの補強部11で囲まれたスポークの幅方向中央部13は補強部11よりホイール内側に位置している。
ディスク10は、例えば正方形の鋼板の四隅を円形に打ち抜き、かつ飾り穴部分を開けたものを絞り加工(プレス加工)して折り返し、ディスクフランジ部を成形して製造することができる。なお、後述するように、加工時にディスクフランジ10cの端縁がうねるように変形する場合、予め材料の流動や変形を考慮した異型ブランクをディスク材料として用いてもよい。
【0019】
図3はディスク10の斜視図である。図3において、ディスクのハブ取付け部10aの外周縁には、スポーク部10bの第2補強部11bに連続する立ち上がり部14及び立ち上がり部14につながる接続部15が形成され、これらの一体化したリブが飾り穴20の2辺とその頂点を囲むようになっている。なお、接続部15はハブ取付け部10aとほぼ平行に延び、隣接するスポーク部の第1補強部11aの間を接続する。
一方、曲面接続部Rは始端から外周側へ向かって幅が広がってディスクフランジ部10cに接続されるため、斜めから見ると飾り穴20は略五角形をなしている。
ここで、飾り穴20に隣接するディスクフランジ10cで材料の幅が最も狭くなり、強度が最も低くなる。このため、折り返し加工によってディスクフランジ10cを形成する時、この部分が図3の破線に示すように下方(折り返し加工方向)に変形し、ディスクフランジ10c端縁がうねるようになることがある。その結果、飾り穴部分でリング部を溶接すると、溶接不良が生じたり、充分な接合強度が得られなかったりする場合がある。
【0020】
一方、スポーク部10bの延長部分にある曲面接続部R近傍では材料の幅が広く、強度も高いため、折り返し加工によってディスクフランジ10c端縁がうねることが少ない。従って、この部分に相当するスポーク部の先端部12付近で嵌合面を溶接することにより、溶接不良がなくなり、確実に溶接することができる。
又、リムとハブとの間の力の伝達は、主にスポーク部10bを介して行われ、飾り穴20に隣接するディスクフランジ10cの材料の幅が狭い場合は殆ど力が伝達されず、この部分で溶接してもホイール強度は殆ど向上せずに無駄となる。
このようなことから、スポーク部の先端部12に対向する嵌合面を溶接することにより、溶接不良がなくなると共に、溶接の無駄がないので生産性も向上する。
【0021】
なお、溶接方法は特に制限されず、例えば、レーザー溶接、プラズマ溶接、CO2−アーク溶接、MAG溶接、サブマージアーク溶接、及びTIG溶接等を用いることができる。但し、溶接部分がホイール外面になる場合は、溶接ビード表面がきれいなレーザー溶接、プラズマ溶接、又はTIG溶接を用いることが外観上好ましい。特に、コスト、溶接強度信頼性、外観の点からは、ホットワイヤーTIG溶接又はサブマージアーク溶接が好ましい。
【0022】
又、ディスクフランジ10cは、リムのドロップ部2cと平行となるようホイールの軸方向に延びていればよいが、ディスクフランジ10cをドロップ部2cにきつく嵌合させるため、ディスクフランジ10cの先端がやや拡径となるようにしてもよい。
【0023】
次に、リム2とディスク10との嵌合及び溶接の態様について、図2の部分拡大図である図4を参照して説明する。図4において、リム2のドロップ部2cの内周面にディスクフランジ10cの外周面が嵌合されて嵌合部が形成される。そして、嵌合部の外側部分が溶接されて溶接部5を形成し、リム2とディスク10が接合される。
【0024】
ここで、嵌合部の外側部分を溶接する場合、嵌合部の内側(図4の溶接部5b)を溶接した場合に比べ、溶接部の強度が向上する。この理由としては以下のことが考えられる。まず、回転中のディスクは楕円状にゆがむため、ディスクの径方向(図4の左右方向)に、ディスク10とリム2の嵌合部を広げる(左右に開く)応力が作用する。このため、嵌合部の内側を溶接した場合、嵌合部を広げる応力は嵌合部の外側から溶接部(図4の溶接部5b)に伝達し、この際、梃子の原理により溶接部に掛かる応力が高くなると考えられる。
一方、嵌合部の外側を溶接した場合、嵌合部を広げる応力は嵌合部の外側の溶接部に直接負荷されるだけであり、溶接部に掛かる応力は内側を溶接した場合に比べて低くなる。
【0025】
なお、嵌合部の内側を溶接する場合、上記した梃子の原理が生じ難くなるよう、溶接部をホイール外側に近付けることが好ましく、ディスクフランジの内側端縁10c(in)がドロップ部2cの軸方向中央部CEより外側に位置することが好ましい。このようにすることによって、材料重量軽減も可能となる。
ここで、ドロップ部2cの軸方向中央部CEは、ドロップ部2cの外側端縁2c(out)と内側端縁2c(in)との間の距離の中点で表される。又、各端縁2c(out)、2c(in)は、ホイールの軸方向に平行なドロップ部2cのリム内周面が湾曲し終わり、サイドウォール内周面16、16と接して曲率が大きく変化する接点または変曲点で表される。
なお、ディスクフランジ10cとリム2との嵌合長さ(軸方向の長さ)を短くし過ぎると、継手構造全体が短くなって強度が低下するとともに、振れが生じ易くなる。
ディスクフランジの内側端縁10c(in)がうねりを有する場合、最も内側に位置する部分を内側端縁10c(in)とみなす。
【0026】
飾り穴20に隣接するディスクフランジ10cの外側端縁10c(out)が、ドロップ部2cの外側端縁2c(out)より内側に位置すると、ディスクフランジ10cがリム2より内側に引っ込み、図5に示すように外側端縁10c(out)が外から見え難くなるので、スポーク部が直接リムに接続しているように見え、意匠性が向上する。
なお、ディスク外周端の折り返しの度合によっては、曲面接続部Rとディスクフランジの外側端縁10c(out)との間に、ホイール軸方向に平行な中間部分が存在することがある。この場合、ディスクフランジの外側端縁10c(out)は飾り穴20に隣接する部分で規定され、又、ドロップ部の内周面とディスクフランジの外周面との嵌合部は、ドロップ部の内周面と上記中間部分を含むディスクフランジの外周面との嵌合部で規定される。
又、ディスクフランジの外側端縁10c(out)がうねりを有する場合、最も外側に位置する部分を外側端縁10c(out)とみなす。
【0027】
図5は、本発明の第2実施形態に係る車両用ホイールを示す正面図である。第2実施形態の車両用(スチール)ホイールは、スチール製のリム2とスチール製のディスク10とをリムのドロップ部2cに嵌合し、溶接して成るホイールである。また、図6は、図5のVI-VI線に沿う断面図である。
第2実施形態の場合、第1実施形態と比較して、ディスクフランジ10cの幅が広くなっている。図6の例では、ディスクフランジ10cのホイールの軸方向内側端縁10c(in)がドロップ部2cの中央部CEを越え、ドロップ部の内側端2c(in)近傍に延びている。しかし、ディスクフランジ10cの幅が十分確保できれば、例えばドロップ部2c自体の長さが長い場合のように、必ずしもディスクフランジの内側端縁10c(in)がドロップ部の中央部CEを越えていなくてもよい。
【0028】
前記ドロップ部2cの内周面とディスクフランジ10cの外周面との嵌合部のうち、飾り穴に隣接する部分が溶接されて溶接部6を形成している。ここで、飾り穴に隣接する(嵌合)部分とは、少なくとも前記スポーク部の先端部に対向する部分を除いた嵌合部分をいう。なお、飾り穴の隅部R2は加工上、曲線になっており、隅部R2におけるディスクフランジ10cの幅は飾り穴の中央部のディスクフランジ10cの幅より広い。従って、以下に述べるようにディスクフランジのうち剛性の低い部分で溶接するという観点からは、嵌合部分のうち、スポーク部の先端部に対向する部分を除くだけでなく、飾り穴の隅部R2に対向する部分を除いた部分を溶接するのが好ましい。
なお、飾り穴の隅部R2の終点は隅部が湾曲し終わった点で表され、隅部R2の終点から飾り穴の中央部を経て他の隅部R2の終点に至る嵌合部分を溶接するのが好ましいことになる。
【0029】
通常、リム2とハブ(図示略)との間の力の伝達は、リム2から順に溶接部6、ディスクフランジ10c、スポーク部10bを経てハブ取付け部10aに至る経路をとる。従って、スポーク部の先端部12で溶接する場合、スポーク部の剛性が高すぎて溶接部に応力集中が生じることがある。そこで、先端部12以外の嵌合部分で溶接することによって、スポーク部10bに比較して剛性の小さいディスクフランジ10c部分が溶接されることになり、応力集中が緩和され、溶接部近傍の疲労耐久性が向上する。
【0030】
次に、リム2とディスク10との嵌合及び溶接の態様について、図6の部分拡大図である図7を参照して説明する。図7において、リム2のドロップ部2cの内周面にディスクフランジ10cの外周面が嵌合されて嵌合部が形成される。そして、嵌合部の外側部分が溶接されて溶接部6を形成し、リム2とディスク10が接合される。
【0031】
ここで、嵌合部の外側部分6を溶接する場合、嵌合部の内側(図7の溶接部6b)を溶接した場合に比べ、溶接部の強度が向上する。この理由は第1実施形態の場合と同様である。
なお、第1実施形態において、スポークの先端部に対向する部分以外の嵌合部分は溶接されていない。又、第2実施形態において、スポークの先端部に対向する嵌合部分は溶接されていない。
【0032】
本発明において、嵌合部の外側部分に加え、嵌合部の内側部分を溶接してもよく、強度及び剛性向上の点からはこのようにすると好ましい。
【0033】
図2および図6の例では、ディスクフランジ10cがリム2のドロップ部で嵌合しているが、図9に示すように、リム2のビードシート部2fなどのドロップ部以外の部分でディスクフランジ10cが嵌合していても良い。ビードシート部2fで嵌合している場合、ドロップ部2cで嵌合している場合に比較して、ホイールの意匠面を大きくできるとともに、ブレーキなどを収納するホイールの内部空間を広くできる。
【0034】
又、図10に示すように、ディスクフランジ10cが、対応するリム2の嵌合部分と平行な嵌合ディスクフランジ部10cpと、スポークの補強部11および飾り穴20と接続する接続ディスクフランジ部10ctとからなっていてもよい。この場合、接続ディスクフランジ部10ctの先端がスポークの補強部11および飾り穴20に向けて拡径しており、接続ディスクフランジ部10ctの先端にスポークの補強部11および飾り穴20が接続されている。
図11に示すように、ディスクフランジ10cが、対応するリム2の嵌合部分と平行な嵌合ディスクフランジ部10cpと、スポークの補強部11および飾り穴20と接続する接続ディスクフランジ部10ct2とからなっていてもよい。この場合、接続ディスクフランジ部10ct2の先端がスポークの補強部11および飾り穴20に向けて縮径しており、接続ディスクフランジ部10ctの先端にスポークの補強部11および飾り穴20が接続されている。
【0035】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、スポーク部や飾り穴の形状は限定されず、これらの個数も複数であれば制限はない。又、スポーク部の補強部の形状や個数も限定されず、補強部の突出方向も制限はなく、例えばスポークの幅方向中央部13が補強部11よりホイール軸方向外側に位置しても良い。さらに、スポーク部に軽量化のための穴が開口していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用スチールホイールの一例を示す正面図である。
【図2】図1のII-II線に沿う断面図である。
【図3】ディスクを示す斜視図である。
【図4】図2の部分拡大図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る車両用スチールホイールの一例を示す正面図である。
【図6】図5のVI-VI線に沿う断面図である。
【図7】図6の拡大図である。
【図8】ディスクとリムの嵌合部の形態を示す斜視図である。
【図9】リムとディスクがドロップ部以外で嵌合している例を示す断面図である。
【図10】リムとディスクの嵌合部の別の実施形態を示す断面図である。
【図11】リムとディスクの嵌合部のさらに別の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0037】
2 リム
2a 外側サイドウォール
2b 湾曲部
2c (外側)ドロップ部
5、6 溶接部
10 ディスク
10a 中心部
10b スポーク部
10c ディスクフランジ
11 補強部
12 スポーク部の先端部
16 サイドウォール内周面
20 飾り穴
R 曲面接続部
R2 飾り穴の隅部
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、農耕用車両、産業用車両等の車両用ホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
スチールホイールは安価で低コストであるため広く普及しているが、アルミホイールに比べて意匠性が劣るという問題がある。そこで、近年、細いスポーク部と大きな飾り穴とを有し、アルミホイールに似た外観を呈するスチールホイールが開発されている(特許文献1〜3参照)。
このうち、特許文献1には、スポークを一体形成し全周にリング部を有する打ち抜きディスクをリムに溶接し、上記リング部をリムのショルダ部に溶接する際、リムの空気軸(バルブ穴)と干渉しないようリング部に切り欠きを設けることが記載されている。
又、特許文献2には、ディスクの飾り穴の周縁をしごいて立壁を設けて強度を確保することで飾り穴の間のスポーク幅を細くし、かつ周方向に形成したディスクフランジをリムと溶接することが記載されている。
特許文献3には、一体の金属シートからディスク部を形成し、ディスク部が複数のスポーク装置と各スポーク装置の外端を連結するリング状のディスクエッジを備えたことが記載されている。そして、この文献には、スポーク装置は2本のスポークバー(補強リブ)から形成され、ディスクエッジをリムウェル(ドロップ部)の内周に接合することが記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−1704号公報
【特許文献2】特開2005−119355号公報
【特許文献3】欧州特許第1262333号明細書(特許請求の範囲1、3項)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の技術の場合、ディスクのリング部に切り欠きを設けるため、生産性の点で問題がある。又、特許文献2記載の技術はホイールキャップ(装飾キャップ)を取付けることを前提としており、ホイール自体の意匠性をさらに改善する余地がある。
一方、このような細いスポーク部と大きな飾り穴を一体成形してディスクを構成する場合、飾り穴部分でリング部(ディスクフランジ、ディスクエッジ)の幅が最も狭くなり強度が低くなるため、この部分が成型加工時に変形し、リング部端縁がうねるようになることがある。その結果、飾り穴部分でリング部を溶接しようとすると、溶接不良が生じたり、十分な接合強度が得られなかったりする。
従って本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、スポーク部と大きな飾り穴を一体形成したディスクをリムに溶接して成る車両用ホイールにおいて、生産性が高く、溶接不良を低減でき、十分な接合強度を有した車両用ホイールの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の車両用ホイールは、ドロップ部を有するリムと、板材を一体成形してなるディスクとを溶接してなり、前記ディスクは、ハブ取付け部と、該ハブ取付け部から前記ディスクの外周縁へ向かって放射状に延びる複数のスポーク部と、前記スポーク部の外周端がホイール軸方向に折り返されてなる曲面接続部を介して前記スポーク部に接続されるリング状のディスクフランジとを有し、前記ディスクフランジはホイールの軸方向に沿って延び、隣接する前記スポーク部と前記ハブ取付け部と前記ディスクフランジとで囲まれる部分で飾り穴が画成され、前記リムの内周面と前記ディスクフランジの外周面との嵌合部のうち、前記スポーク部の先端部に対向する部分が溶接されていることを特徴とする。
このようにすると、スポーク部の延長部分にある曲面接続部では材料の幅が広く、強度も高いため、折り返し加工によって端縁がうねることが少ない。従って、この部分に相当するスポーク部の先端部に対向する嵌合面を溶接位置とすることにより、溶接不良がなく、確実に溶接することができる。又、リムとハブとの間の力の伝達は、主にスポーク部を介して行われ、飾り穴に隣接するディスクフランジには材料の幅が狭い場合に殆ど力が伝達されず、この部分で溶接してもホイール強度は殆ど向上せずに無駄となる。そのため、スポーク部の先端部に対向する嵌合面を溶接することで、溶接の無駄がなくなり生産性も向上する。
【0006】
又、本発明の車両用ホイールは、ドロップ部を有するリムと、板材を一体成形してなるディスクとを溶接してなり、前記ディスクは、ハブ取付け部と、該ハブ取付け部から前記ディスクの外周縁へ向かって放射状に延びる複数のスポーク部と、前記スポーク部の外周端がホイール軸方向に折り返されてなる曲面接続部を介して前記スポーク部に接続されるリング状のディスクフランジとを有し、前記ディスクフランジはホイールの軸方向に沿って延び、隣接する前記スポーク部と前記ハブ取付け部と前記ディスクフランジとで囲まれる部分で飾り穴が画成され、前記リムの内周面と前記ディスクフランジの外周面との嵌合部のうち、飾り穴に隣接する部分が溶接されていることを特徴とする。
通常、リムとハブとの間の力の伝達は、リムから順に溶接部、ディスクフランジ、スポーク部を経てハブ取付け部に至る経路をとる。このため、スポーク部の剛性が高すぎる場合等に、スポーク部の先端部に対向する部分のディスクフランジを避けて溶接することにより、ディスクフランジのうちスポーク部の先端部に比較して剛性の低い部分で溶接することができ、応力集中が緩和され、溶接部近傍の疲労耐久性が向上する。
【0007】
前記ディスクフランジの外周面との嵌合部が、前記リムのドロップ部の内周面であってもよい。
このようにすると、リムのビードシートで嵌合する場合に比べて、ディスクの外形を小さくできるため軽量にできるとともに、ディスクフランジとバルブ穴との干渉を容易に防止することができる。
【0008】
前記嵌合部のホイール軸方向外側部分が溶接されていてもよい。
このようにすると、回転中のディスクが楕円状にゆがむため、ディスクの径方向にディスクとリムの嵌合部を広げる応力が作用するが、嵌合部の外側を溶接した場合には、この応力は嵌合部の外側の溶接部に直接負荷されるだけであり、内側を溶接した場合に比べて溶接部に掛かる応力が低くなる。
【0009】
前記嵌合部のホイール軸方向内側部分が溶接されていてもよい。
このようにすると、溶接部が外部から見え難いため、見栄えが良くなる。
【0010】
前記飾り穴に隣接する前記ディスクフランジのホイール軸方向外側端縁が前記ドロップ部のホイール軸方向外側端縁よりホイール軸方向内側に位置してもよい。
このようにすると、ディスクフランジがリムよりホイール軸方向内側に引っ込み、ディスクフランジの外側端縁が外から見え難くなるので、スポーク部が直接リムに接続しているように見え、意匠性が向上する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スポーク部と大きな飾り穴を一体形成したディスクをリムに溶接して成る車両用ホイールにおいて、生産性を向上し、溶接不良を低減するとともに、十分な接合強度を有した車両用ホイールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明ではスチールホイールを例示するが、本発明はスチールホイールの他、円盤状板材の外周を絞り加工等によって折り返してフランジを形成して、ディスクに成形できる材料(例えば、チタン、チタン合金)を対象とすることができる。
一方、アルミニウム、マグネシウム等はスチール等に比べて材料強度が低いため、鋳造によって厚肉のディスクを一体に製造するのが通常であり、ディスクとリムの溶接構造は問題とならない。本発明ではこのような厚肉に一体成形された鋳造(鍛造)ディスクを対象としない。
又、本発明によるホイールは、公式な耐久強度の規定を満たすものであることが好ましい。但し、公式な耐久強度の規定を有しない産業車両用(農耕用)ホイールや応急使用ホイール(自動車用テンパーホイールを含む)等であっても本発明を適用することができる。
ここで、公式な耐久強度は我国のJIS D 4103「自動車部品―ディスクホイール―性能及び表示」 であるが、将来、規格が変わった場合は、その時点で我国の日本工業規格JIS(及び/又は国際標準化機構ISO)が定めるホイールの公式な耐久強度をいう。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用ホイールの第1実施形態を示す正面図である。本発明の実施形態の車両用(スチール)ホイールは、スチール製のリム2とスチール製のディスク10とをリムのドロップ部2cに嵌合し、溶接して成るホイールである。
なお、以下の説明で「外側」とは、ホイールを車両に取付けた際、ホイールの軸方向から見て外側となる部分をいい、「内側」とは内側となる部分をいう。但し、トラックのダブルタイヤのように、2個のホイールを軸方向に連結して使用する場合、内側に位置するホイールの「外側」と「内側」は上記の通りであるが、外側に位置するホイールの「外側」と「内側」は上記と逆になる。これは、ダブルタイヤの場合、外側に位置するホイールの表裏を逆にして内側ホイールと連結するためである。例えば、内側ホイールの場合、図2の上側部分が外側となるが、外側ホイールの場合は図2の下側部分が外側となる。
また、リム及びディスクの径方向については、「内周」又は「外周」と表記する。
【0014】
図1において、リム2は略円筒状をなし、その両端に形成された外側フランジ及び内側フランジの間にタイヤを収容するようになっている。
ディスク10は鋼板を一体成形してなり、ディスクの中心にハブ穴10dが開口され、ハブ穴10dより外周側にハブを取付けるための複数のボルト孔10eが同心円上に形成されている。ハブ穴10dとボルト孔10eが形成された略円盤状部分をハブ取付け部10aと称する。
ハブ取付け部10aからディスクの外周縁へ向かって5個の長片状のスポーク部10bが放射状に延びている。各スポーク部10bの幅方向端部の両側には、それぞれ第1補強部11aおよび第2補強部11b(図3参照)からなり長手方向(外周方向)に延びる2つの補強部11、11が形成されている。なお、第2補強部11bがスポーク部10bの中央から外側に立ち上がり、第1補強部11aにつながっている。第1補強部11aはハブ取付け部10aとほぼ平行に延び、スポーク部10bの端縁を形成する。
【0015】
各スポーク部10bの外周端はホイールの内側に折り返されて曲面接続部Rを形成し、曲面接続部Rを介してスポーク部10bにリング状のディスクフランジ10cが接続されている。ディスクフランジ10cはホイールの軸方向に沿って延び、当該軸方向においてリム2との嵌合面を形成すると共に、各スポーク部10bを連結して強度を確保する機能を有する。
そして、隣接する2つのスポーク部10b、10bと、ハブ取付け部10aの外周端と、ディスクフランジ10cの外側端部との間に略三角形の飾り穴20が5個画成されている。飾り穴20は通常、軽量化及び放熱のために形成される。
【0016】
スポーク部10bの幅方向端部の延長線L、Lがリム2と接する部分(この実施形態ではドロップ部2c)によってスポーク部の先端部12が規定され、後述するリム2(ドロップ部2c)の内周面とディスクフランジ10cの外周面との嵌合部のうち、先端部12に対向する部分が溶接されて溶接部5を形成している。
なお、リム2のサイドウォール部(ドロップ部より外周側)にはバルブ穴15が形成されているが、図2の例ではディスクとリムとをドロップ部で溶接するため、バルブ穴15とディスク10は干渉せず、ディスク10に切り欠きを形成する必要がない。
【0017】
図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。図2において、リム2の外側フランジの内側にはタイヤのビードを受ける外側ビードシートが形成されている。外側ビードシートより内側には最も小径のドロップ部2cが形成され、外側ビードシートと(外側の)ドロップ部2cはサイドウォール部2aを介して滑らかに接続されている。つまり、ドロップ部2cとサイドウォール部2aとは断面が半円状の湾曲部2bを介して接続されている。ドロップ部2cより内側にはサイドウォール部を介して内側ビードシートが形成され、内側ビードシートは内側フランジに接続されている。以下の説明では、「ドロップ部」は、ドロップ部の外側部分(外側ビードシートに接続する部分)をいう。
リム2は、例えば所定形状の圧延形鋼を円筒形に丸めて製造することができ、又は、鋼板を丸めて円筒形にした後、ロール成形等によって所定の断面形状としてもよいが、これらの方法に限られない。
【0018】
一方、ディスク10のハブ取付け部10aはほぼ平面をなすが、スポーク部10bはハブ取付け部10aから外側に湾曲した後、ハブ取付け部10aとほぼ平行にホイール径方向外側に延び、曲面接続部Rで内側に湾曲してディスクフランジ10cにつながっている。なお、スポーク部10bの補強部11で囲まれたスポークの幅方向中央部13は補強部11よりホイール内側に位置している。
ディスク10は、例えば正方形の鋼板の四隅を円形に打ち抜き、かつ飾り穴部分を開けたものを絞り加工(プレス加工)して折り返し、ディスクフランジ部を成形して製造することができる。なお、後述するように、加工時にディスクフランジ10cの端縁がうねるように変形する場合、予め材料の流動や変形を考慮した異型ブランクをディスク材料として用いてもよい。
【0019】
図3はディスク10の斜視図である。図3において、ディスクのハブ取付け部10aの外周縁には、スポーク部10bの第2補強部11bに連続する立ち上がり部14及び立ち上がり部14につながる接続部15が形成され、これらの一体化したリブが飾り穴20の2辺とその頂点を囲むようになっている。なお、接続部15はハブ取付け部10aとほぼ平行に延び、隣接するスポーク部の第1補強部11aの間を接続する。
一方、曲面接続部Rは始端から外周側へ向かって幅が広がってディスクフランジ部10cに接続されるため、斜めから見ると飾り穴20は略五角形をなしている。
ここで、飾り穴20に隣接するディスクフランジ10cで材料の幅が最も狭くなり、強度が最も低くなる。このため、折り返し加工によってディスクフランジ10cを形成する時、この部分が図3の破線に示すように下方(折り返し加工方向)に変形し、ディスクフランジ10c端縁がうねるようになることがある。その結果、飾り穴部分でリング部を溶接すると、溶接不良が生じたり、充分な接合強度が得られなかったりする場合がある。
【0020】
一方、スポーク部10bの延長部分にある曲面接続部R近傍では材料の幅が広く、強度も高いため、折り返し加工によってディスクフランジ10c端縁がうねることが少ない。従って、この部分に相当するスポーク部の先端部12付近で嵌合面を溶接することにより、溶接不良がなくなり、確実に溶接することができる。
又、リムとハブとの間の力の伝達は、主にスポーク部10bを介して行われ、飾り穴20に隣接するディスクフランジ10cの材料の幅が狭い場合は殆ど力が伝達されず、この部分で溶接してもホイール強度は殆ど向上せずに無駄となる。
このようなことから、スポーク部の先端部12に対向する嵌合面を溶接することにより、溶接不良がなくなると共に、溶接の無駄がないので生産性も向上する。
【0021】
なお、溶接方法は特に制限されず、例えば、レーザー溶接、プラズマ溶接、CO2−アーク溶接、MAG溶接、サブマージアーク溶接、及びTIG溶接等を用いることができる。但し、溶接部分がホイール外面になる場合は、溶接ビード表面がきれいなレーザー溶接、プラズマ溶接、又はTIG溶接を用いることが外観上好ましい。特に、コスト、溶接強度信頼性、外観の点からは、ホットワイヤーTIG溶接又はサブマージアーク溶接が好ましい。
【0022】
又、ディスクフランジ10cは、リムのドロップ部2cと平行となるようホイールの軸方向に延びていればよいが、ディスクフランジ10cをドロップ部2cにきつく嵌合させるため、ディスクフランジ10cの先端がやや拡径となるようにしてもよい。
【0023】
次に、リム2とディスク10との嵌合及び溶接の態様について、図2の部分拡大図である図4を参照して説明する。図4において、リム2のドロップ部2cの内周面にディスクフランジ10cの外周面が嵌合されて嵌合部が形成される。そして、嵌合部の外側部分が溶接されて溶接部5を形成し、リム2とディスク10が接合される。
【0024】
ここで、嵌合部の外側部分を溶接する場合、嵌合部の内側(図4の溶接部5b)を溶接した場合に比べ、溶接部の強度が向上する。この理由としては以下のことが考えられる。まず、回転中のディスクは楕円状にゆがむため、ディスクの径方向(図4の左右方向)に、ディスク10とリム2の嵌合部を広げる(左右に開く)応力が作用する。このため、嵌合部の内側を溶接した場合、嵌合部を広げる応力は嵌合部の外側から溶接部(図4の溶接部5b)に伝達し、この際、梃子の原理により溶接部に掛かる応力が高くなると考えられる。
一方、嵌合部の外側を溶接した場合、嵌合部を広げる応力は嵌合部の外側の溶接部に直接負荷されるだけであり、溶接部に掛かる応力は内側を溶接した場合に比べて低くなる。
【0025】
なお、嵌合部の内側を溶接する場合、上記した梃子の原理が生じ難くなるよう、溶接部をホイール外側に近付けることが好ましく、ディスクフランジの内側端縁10c(in)がドロップ部2cの軸方向中央部CEより外側に位置することが好ましい。このようにすることによって、材料重量軽減も可能となる。
ここで、ドロップ部2cの軸方向中央部CEは、ドロップ部2cの外側端縁2c(out)と内側端縁2c(in)との間の距離の中点で表される。又、各端縁2c(out)、2c(in)は、ホイールの軸方向に平行なドロップ部2cのリム内周面が湾曲し終わり、サイドウォール内周面16、16と接して曲率が大きく変化する接点または変曲点で表される。
なお、ディスクフランジ10cとリム2との嵌合長さ(軸方向の長さ)を短くし過ぎると、継手構造全体が短くなって強度が低下するとともに、振れが生じ易くなる。
ディスクフランジの内側端縁10c(in)がうねりを有する場合、最も内側に位置する部分を内側端縁10c(in)とみなす。
【0026】
飾り穴20に隣接するディスクフランジ10cの外側端縁10c(out)が、ドロップ部2cの外側端縁2c(out)より内側に位置すると、ディスクフランジ10cがリム2より内側に引っ込み、図5に示すように外側端縁10c(out)が外から見え難くなるので、スポーク部が直接リムに接続しているように見え、意匠性が向上する。
なお、ディスク外周端の折り返しの度合によっては、曲面接続部Rとディスクフランジの外側端縁10c(out)との間に、ホイール軸方向に平行な中間部分が存在することがある。この場合、ディスクフランジの外側端縁10c(out)は飾り穴20に隣接する部分で規定され、又、ドロップ部の内周面とディスクフランジの外周面との嵌合部は、ドロップ部の内周面と上記中間部分を含むディスクフランジの外周面との嵌合部で規定される。
又、ディスクフランジの外側端縁10c(out)がうねりを有する場合、最も外側に位置する部分を外側端縁10c(out)とみなす。
【0027】
図5は、本発明の第2実施形態に係る車両用ホイールを示す正面図である。第2実施形態の車両用(スチール)ホイールは、スチール製のリム2とスチール製のディスク10とをリムのドロップ部2cに嵌合し、溶接して成るホイールである。また、図6は、図5のVI-VI線に沿う断面図である。
第2実施形態の場合、第1実施形態と比較して、ディスクフランジ10cの幅が広くなっている。図6の例では、ディスクフランジ10cのホイールの軸方向内側端縁10c(in)がドロップ部2cの中央部CEを越え、ドロップ部の内側端2c(in)近傍に延びている。しかし、ディスクフランジ10cの幅が十分確保できれば、例えばドロップ部2c自体の長さが長い場合のように、必ずしもディスクフランジの内側端縁10c(in)がドロップ部の中央部CEを越えていなくてもよい。
【0028】
前記ドロップ部2cの内周面とディスクフランジ10cの外周面との嵌合部のうち、飾り穴に隣接する部分が溶接されて溶接部6を形成している。ここで、飾り穴に隣接する(嵌合)部分とは、少なくとも前記スポーク部の先端部に対向する部分を除いた嵌合部分をいう。なお、飾り穴の隅部R2は加工上、曲線になっており、隅部R2におけるディスクフランジ10cの幅は飾り穴の中央部のディスクフランジ10cの幅より広い。従って、以下に述べるようにディスクフランジのうち剛性の低い部分で溶接するという観点からは、嵌合部分のうち、スポーク部の先端部に対向する部分を除くだけでなく、飾り穴の隅部R2に対向する部分を除いた部分を溶接するのが好ましい。
なお、飾り穴の隅部R2の終点は隅部が湾曲し終わった点で表され、隅部R2の終点から飾り穴の中央部を経て他の隅部R2の終点に至る嵌合部分を溶接するのが好ましいことになる。
【0029】
通常、リム2とハブ(図示略)との間の力の伝達は、リム2から順に溶接部6、ディスクフランジ10c、スポーク部10bを経てハブ取付け部10aに至る経路をとる。従って、スポーク部の先端部12で溶接する場合、スポーク部の剛性が高すぎて溶接部に応力集中が生じることがある。そこで、先端部12以外の嵌合部分で溶接することによって、スポーク部10bに比較して剛性の小さいディスクフランジ10c部分が溶接されることになり、応力集中が緩和され、溶接部近傍の疲労耐久性が向上する。
【0030】
次に、リム2とディスク10との嵌合及び溶接の態様について、図6の部分拡大図である図7を参照して説明する。図7において、リム2のドロップ部2cの内周面にディスクフランジ10cの外周面が嵌合されて嵌合部が形成される。そして、嵌合部の外側部分が溶接されて溶接部6を形成し、リム2とディスク10が接合される。
【0031】
ここで、嵌合部の外側部分6を溶接する場合、嵌合部の内側(図7の溶接部6b)を溶接した場合に比べ、溶接部の強度が向上する。この理由は第1実施形態の場合と同様である。
なお、第1実施形態において、スポークの先端部に対向する部分以外の嵌合部分は溶接されていない。又、第2実施形態において、スポークの先端部に対向する嵌合部分は溶接されていない。
【0032】
本発明において、嵌合部の外側部分に加え、嵌合部の内側部分を溶接してもよく、強度及び剛性向上の点からはこのようにすると好ましい。
【0033】
図2および図6の例では、ディスクフランジ10cがリム2のドロップ部で嵌合しているが、図9に示すように、リム2のビードシート部2fなどのドロップ部以外の部分でディスクフランジ10cが嵌合していても良い。ビードシート部2fで嵌合している場合、ドロップ部2cで嵌合している場合に比較して、ホイールの意匠面を大きくできるとともに、ブレーキなどを収納するホイールの内部空間を広くできる。
【0034】
又、図10に示すように、ディスクフランジ10cが、対応するリム2の嵌合部分と平行な嵌合ディスクフランジ部10cpと、スポークの補強部11および飾り穴20と接続する接続ディスクフランジ部10ctとからなっていてもよい。この場合、接続ディスクフランジ部10ctの先端がスポークの補強部11および飾り穴20に向けて拡径しており、接続ディスクフランジ部10ctの先端にスポークの補強部11および飾り穴20が接続されている。
図11に示すように、ディスクフランジ10cが、対応するリム2の嵌合部分と平行な嵌合ディスクフランジ部10cpと、スポークの補強部11および飾り穴20と接続する接続ディスクフランジ部10ct2とからなっていてもよい。この場合、接続ディスクフランジ部10ct2の先端がスポークの補強部11および飾り穴20に向けて縮径しており、接続ディスクフランジ部10ctの先端にスポークの補強部11および飾り穴20が接続されている。
【0035】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、スポーク部や飾り穴の形状は限定されず、これらの個数も複数であれば制限はない。又、スポーク部の補強部の形状や個数も限定されず、補強部の突出方向も制限はなく、例えばスポークの幅方向中央部13が補強部11よりホイール軸方向外側に位置しても良い。さらに、スポーク部に軽量化のための穴が開口していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用スチールホイールの一例を示す正面図である。
【図2】図1のII-II線に沿う断面図である。
【図3】ディスクを示す斜視図である。
【図4】図2の部分拡大図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る車両用スチールホイールの一例を示す正面図である。
【図6】図5のVI-VI線に沿う断面図である。
【図7】図6の拡大図である。
【図8】ディスクとリムの嵌合部の形態を示す斜視図である。
【図9】リムとディスクがドロップ部以外で嵌合している例を示す断面図である。
【図10】リムとディスクの嵌合部の別の実施形態を示す断面図である。
【図11】リムとディスクの嵌合部のさらに別の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0037】
2 リム
2a 外側サイドウォール
2b 湾曲部
2c (外側)ドロップ部
5、6 溶接部
10 ディスク
10a 中心部
10b スポーク部
10c ディスクフランジ
11 補強部
12 スポーク部の先端部
16 サイドウォール内周面
20 飾り穴
R 曲面接続部
R2 飾り穴の隅部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドロップ部を有するリムと、板材を一体成形してなるディスクとを溶接してなる車両用ホイールであって、
前記ディスクは、ハブ取付け部と、該ハブ取付け部から前記ディスクの外周縁へ向かって放射状に延びる複数のスポーク部と、前記スポーク部の外周端がホイール軸方向に折り返されてなる曲面接続部を介して前記スポーク部に接続されるリング状のディスクフランジとを有し、
前記ディスクフランジはホイールの軸方向に沿って延び、隣接する前記スポーク部と前記ハブ取付け部と前記ディスクフランジとで囲まれる部分で飾り穴が画成され、
前記リムの内周面と前記ディスクフランジの外周面との嵌合部のうち、前記スポーク部の先端部に対向する部分が溶接されていることを特徴とする車両用ホイール。
【請求項2】
ドロップ部を有するリムと、板材を一体成形してなるディスクとを溶接してなる車両用ホイールであって、
前記ディスクは、ハブ取付け部と、該ハブ取付け部から前記ディスクの外周縁へ向かって放射状に延びる複数のスポーク部と、前記スポーク部の外周端がホイール軸方向に折り返されてなる曲面接続部を介して前記スポーク部に接続されるリング状のディスクフランジとを有し、
前記ディスクフランジはホイールの軸方向に沿って延び、隣接する前記スポーク部と前記ハブ取付け部と前記ディスクフランジとで囲まれる部分で飾り穴が画成され、
前記リムの内周面と前記ディスクフランジの外周面との嵌合部のうち、飾り穴に隣接する部分が溶接されていることを特徴とする車両用ホイール。
【請求項3】
前記ディスクフランジの外周面との嵌合部が、前記リムのドロップ部の内周面である請求項1または2に記載の車両用ホイール。
【請求項4】
前記嵌合部のホイール軸方向外側部分が溶接されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用ホイール。
【請求項5】
前記嵌合部のホイール軸方向内側部分が溶接されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用ホイール。
【請求項6】
前記飾り穴に隣接する前記ディスクフランジのホイール軸方向外側端縁が前記ドロップ部のホイール軸方向外側端縁より内側に位置することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両用ホイール。
【請求項1】
ドロップ部を有するリムと、板材を一体成形してなるディスクとを溶接してなる車両用ホイールであって、
前記ディスクは、ハブ取付け部と、該ハブ取付け部から前記ディスクの外周縁へ向かって放射状に延びる複数のスポーク部と、前記スポーク部の外周端がホイール軸方向に折り返されてなる曲面接続部を介して前記スポーク部に接続されるリング状のディスクフランジとを有し、
前記ディスクフランジはホイールの軸方向に沿って延び、隣接する前記スポーク部と前記ハブ取付け部と前記ディスクフランジとで囲まれる部分で飾り穴が画成され、
前記リムの内周面と前記ディスクフランジの外周面との嵌合部のうち、前記スポーク部の先端部に対向する部分が溶接されていることを特徴とする車両用ホイール。
【請求項2】
ドロップ部を有するリムと、板材を一体成形してなるディスクとを溶接してなる車両用ホイールであって、
前記ディスクは、ハブ取付け部と、該ハブ取付け部から前記ディスクの外周縁へ向かって放射状に延びる複数のスポーク部と、前記スポーク部の外周端がホイール軸方向に折り返されてなる曲面接続部を介して前記スポーク部に接続されるリング状のディスクフランジとを有し、
前記ディスクフランジはホイールの軸方向に沿って延び、隣接する前記スポーク部と前記ハブ取付け部と前記ディスクフランジとで囲まれる部分で飾り穴が画成され、
前記リムの内周面と前記ディスクフランジの外周面との嵌合部のうち、飾り穴に隣接する部分が溶接されていることを特徴とする車両用ホイール。
【請求項3】
前記ディスクフランジの外周面との嵌合部が、前記リムのドロップ部の内周面である請求項1または2に記載の車両用ホイール。
【請求項4】
前記嵌合部のホイール軸方向外側部分が溶接されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用ホイール。
【請求項5】
前記嵌合部のホイール軸方向内側部分が溶接されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用ホイール。
【請求項6】
前記飾り穴に隣接する前記ディスクフランジのホイール軸方向外側端縁が前記ドロップ部のホイール軸方向外側端縁より内側に位置することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両用ホイール。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【図8】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【図8】
【公開番号】特開2009−113798(P2009−113798A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268174(P2008−268174)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(000110251)トピー工業株式会社 (255)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(000110251)トピー工業株式会社 (255)
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