説明

車両用ワイパウォッシャ制御装置及び車両用ワイパウォッシャ装置

【課題】洗浄液不足の生じる箇所を低減し、その洗浄液を用いた払拭面の汚れ落としを十分に行うことができる車両用ワイパウォッシャ制御装置を提供する。
【解決手段】ウォッシャスイッチ26のオン操作に基づいてワイパ作動判定部14aにてワイパスイッチがオフ状態と判定されると、ウォッシャ作動指令部14bは、ワイパの停止位置を兼ねる第1反転位置において洗浄液の噴射を行うべくウォッシャ駆動部14cを通じてウォッシャモータ13を制御するとともにその噴射に連動させてワイパを数回の往復払拭動作を行わせるべくワイパ駆動制御装置12にその旨の指令を送り、加えて車速が所定速度以上である判定が車速判定部14dでなされた場合では、ワイパが第1反転位置から第2反転位置に向かう途中の中間噴射位置にて洗浄液の追加噴射を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行風を受ける車両のフロントガラス(ウインドシールドガラス)の払拭面への洗浄液の噴射供給とその払拭面のワイパによる払拭とを連動させて制御する車両用ワイパウォッシャ制御装置及びその制御装置を備えた車両用ワイパウォッシャ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用ワイパウォッシャ制御装置において、ウォッシャスイッチのオン操作に基づいてワイパ装置とウォッシャ装置とを連動させて作動させるようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。このワイパウォッシャ制御装置では、ウォッシャスイッチがオン操作されると、ウォッシャ装置から払拭面に洗浄液が噴射供給されると同時にワイパ装置によるワイパの払拭動作が開始される。
【0003】
また、フロントガラスの払拭面に向けて洗浄液を噴射供給するウォッシャノズルをワイパアームやワイパブレードといったワイパ構成部品に直接設けたウォッシャ装置も知られている。このようなウォッシャ装置では、ワイパにウォッシャノズルを設けていることから、払拭面に対して至近距離から洗浄液を噴射できるため、払拭面に洗浄液が着水するまでの間に走行風の影響を受け難く、所望の場所に洗浄液を供給できるというメリットがある。
【特許文献1】特開平5−185908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ウォッシャノズルをワイパアームやワイパブレードに設けたウォッシャ装置に上記した特許文献1のようにワイパ装置と連動させた場合、ワイパブレードの長手方向がフロントガラス下端の車幅方向と平行(走行風に対しては直交)となる下反転位置において洗浄液が払拭面に供給され、次いで払拭作動するワイパの進行方向側に掻き広げられるようになっている。
【0005】
しかしながら、下反転位置から上反転位置に向けてワイパアームが回動し、ワイパブレードの長手方向が車幅方向と直交(走行風に対しては平行)する付近では、ワイパブレードに掻き広げられた洗浄液が該アームの回動による遠心力に加えて走行風の影響を受け、フロントガラスの上端側に上昇することがある。特に、走行風が強くなる高速走行時に顕著に起こっていた。すると、ワイパブレードに沿って該ブレードの先端側に洗浄液が片寄ってしまい、更にはワイパブレードの先端部からフロントガラスの上端部に向けて洗浄液が流れ出てしまう。
【0006】
これにより、ワイパブレードの基端側の洗浄液が不足、特に上記した走行風の強くなる高速走行時にはこのような事態が生じ易く、ワイパブレードの基端側では洗浄液を用いた払拭面の汚れ落としが十分できない虞があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ワイパに設けた噴射手段からフロントガラスの払拭面に洗浄液を噴射供給するとともにその噴射に連動してワイパの払拭動作を行わせる車両用ワイパウォッシャ制御装置及びその制御装置を備えた車両用ワイパウォッシャ装置であって、洗浄液不足の生じる箇所を低減し、その洗浄液を用いた払拭面の汚れ落としを十分に行うことができる車両用ワイパウォッシャ制御装置及び車両用ワイパウォッシャ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両のフロントガラスの払拭面を払拭するワイパに設けられ前記払拭面に洗浄液を噴射する噴射手段からウォッシャスイッチのオン操作に基づいて前記洗浄液を噴射させるべくウォッシャモータを制御するとともに、前記洗浄液の噴射に連動させて前記ワイパを第1及び第2反転位置間で往復払拭動作させるべくワイパモータを制御する機能を備えた車両用ワイパウォッシャ制御装置であって、前記ワイパを払拭動作させるワイパスイッチがオフ状態か否かを判定するワイパ作動判定手段と、車速が所定速度以上か否かを判定する車速判定手段と、前記ウォッシャスイッチのオン操作に基づいて前記ワイパ作動判定手段にて前記ワイパスイッチがオフ状態と判定されると、前記ワイパの停止位置を兼ねる前記第1反転位置において前記洗浄液の噴射を行うとともにその噴射に連動させて前記ワイパを少なくとも1回の往復払拭動作を行わせ、加えて前記判定手段にて前記車速が所定速度以上である判定がなされると、前記ワイパが第1反転位置から第2反転位置に向かう途中の中間位置にて少なくとも1回の前記洗浄液の追加噴射を行わせる連動制御手段とを備えたことをその要旨とする。
【0009】
この発明では、洗浄液の噴射供給とワイパの払拭とを連動させる連動制御手段は、ウォッシャスイッチのオン操作に基づいてワイパスイッチがオフ状態と判定されると、ワイパの停止位置を兼ねる第1反転位置において洗浄液の噴射を行うとともにその噴射に連動させてワイパを少なくとも1回の往復払拭動作を行わせる。加えて、車速が所定速度以上である判定がなされた場合では、連動制御手段は、ワイパが第1反転位置から第2反転位置に向かう途中の中間位置にて少なくとも1回の前記洗浄液の追加噴射を行わせる。これにより、車速が所定速度以上の高速走行時においては、停止位置である第1反転位置で噴射された洗浄液がワイパの払拭途中で強い走行風にてワイパ(ワイパブレード)の先端側に片寄り基端側で洗浄液不足が生じることが懸念されるが、ワイパが第1反転位置から第2反転位置に向かう途中の中間位置にて少なくとも1回の洗浄液の追加噴射が行われるため、洗浄液不足の生じる箇所が低減される。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用ワイパウォッシャ制御装置において、前記連動制御手段では、前記少なくとも1回の追加噴射を行う位置が、前記ワイパを構成するワイパブレードの長手方向が車幅方向と直交する位置から手前位置に設定されていることをその要旨とする。
【0011】
この発明では、連動制御手段は、ワイパを構成するワイパブレードの長手方向が車幅方向と直交する位置から手前位置で少なくとも1回の追加噴射を行わせる。ここで、ワイパを構成するワイパブレードの長手方向が車幅方向と直交、即ち走行風と平行となる位置においては、ワイパにて掻き広げられている洗浄液が走行風の影響を最も受ける位置であって洗浄液不足が生じ易い。そのため、ワイパブレードの長手方向が車幅方向と直交する位置の手前位置に少なくとも1回の追加噴射が行われることで、洗浄液不足の生じる箇所がより確実に低減される。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両用ワイパウォッシャ制御装置において、前記連動制御手段は、前記洗浄液の噴射を終了させてから前記洗浄液の噴射を伴わない前記ワイパの1回以上の往復払拭動作を行わせることをその要旨とする。
【0013】
この発明では、連動制御手段は、洗浄液の噴射を終了させてから洗浄液の噴射を伴わないワイパの1回以上の往復払拭動作を行わせる。これにより、払拭面上の洗浄液の拭き残しや拭き直後の洗浄液の液だれ等の発生が、洗浄液の噴射を伴わない1回以上のワイパの払拭動作にて抑えられる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ワイパウォッシャ制御装置において、前記連動制御手段は、前記ウォッシャスイッチが所定時間以上連続してオン操作されると、そのオン操作期間中、前記洗浄液の噴射を継続させることをその要旨とする。
【0015】
この発明では、連動制御手段は、ウォッシャスイッチが所定時間以上連続してオン操作されると、そのオン操作期間中、洗浄液の噴射を継続させる。つまり、払拭面に落ち難い汚れが付着している場合等、操作者がより多くの洗浄液を必要とするときには、ウォッシャスイッチは長い時間オン操作される。そのため、所定時間以上の長い時間、ウォッシャスイッチがオン操作されたときには、そのオン操作期間中、洗浄液の噴射が継続されることで、操作者の意図に合致した噴射制御となる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、車両のフロントガラスの払拭面を払拭するとともに前記払拭面に洗浄液を噴射する噴射手段が設けられてなるワイパと、前記ワイパに設けた前記噴射手段から前記洗浄液を噴射させるべく駆動されるウォッシャモータと、前記ワイパを第1及び第2反転位置間で往復払拭動作させるべく駆動されるワイパモータと、ウォッシャスイッチのオン操作に基づいて前記洗浄液を噴射させるべく前記ウォッシャモータを制御するとともに、前記洗浄液の噴射に連動させて前記ワイパを往復払拭動作させるべく前記ワイパモータを制御する制御装置とを備えた車両用ワイパウォッシャ装置であって、前記制御装置は、前記ワイパを払拭動作させるワイパスイッチがオフ状態か否かを判定するワイパ作動判定手段と、車速が所定速度以上か否かを判定する車速判定手段と、前記ウォッシャスイッチのオン操作に基づいて前記ワイパ作動判定手段にて前記ワイパスイッチがオフ状態と判定されると、前記ワイパの停止位置を兼ねる前記第1反転位置において前記洗浄液の噴射を行うとともにその噴射に連動させて前記ワイパを少なくとも1回の往復払拭動作を行わせ、加えて前記判定手段にて前記車速が所定速度以上である判定がなされると、前記ワイパが第1反転位置から第2反転位置に向かう途中の中間位置にて少なくとも1回の前記洗浄液の追加噴射を行わせる連動制御手段とを備えたことをその要旨とする。
【0017】
この発明では、上記請求項1と同様の連動制御手段を設けたことで、上記請求項1と同様の作用効果が得られる車両用ワイパウォッシャ装置を提供できる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車両用ワイパウォッシャ装置において、前記ワイパに設けられる噴射手段は、前記ワイパを構成するワイパブレードの先端側よりも基端側の前記洗浄液の噴射量が多くなるように構成されていることをその要旨とする。
【0018】
この発明では、ワイパブレードの基端側の方が先端側よりも洗浄液不足が生じがちであることから、ワイパに設けられる噴射手段をワイパブレードの先端側よりも基端側の洗浄液の噴射量が多くなるように構成することで、洗浄液不足の生じる箇所がより確実に低減される。
【発明の効果】
【0019】
従って、上記記載の発明によれば、洗浄液不足の生じる箇所を低減でき、その洗浄液を用いた払拭面の汚れ落としを十分に行うことができる車両用ワイパウォッシャ制御装置及びその制御装置を備えた車両用ワイパウォッシャ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施の形態の車両用ワイパウォッシャ装置10を示す。本実施の形態のワイパウォッシャ装置10は、ワイパ51を往復払拭動作させて車両のフロントガラス50の払拭面50aを払拭するとともに、その払拭面50aへの洗浄液Wの噴射供給に連動させてワイパ51を払拭させる機能を有している。本実施の形態のワイパウォッシャ装置10は、払拭面50aを払拭するためのワイパ51と、該ワイパ51を往復払拭動作させるワイパモータ11と、該ワイパモータ11を駆動制御するワイパ駆動制御装置12と、ウォッシャタンク55に取り付けられ該タンク55内の洗浄液Wを汲み上げるためのウォッシャモータ13と、該ウォッシャモータ13を駆動制御するウォッシャ駆動制御装置14とを備えてなる。
【0021】
本実施の形態のワイパ51は、ワイパモータ11にて回動されるピボット軸52に基端部が固定されるワイパアーム51aと、該ワイパアーム51aの先端部に取り付けられるワイパブレード51bとを備えてなり、ワイパモータ11の駆動によるピボット軸52の所定角度の回動によりフロントガラス50の払拭面50aの所定角度範囲を払拭する。本実施の形態では、ワイパブレード51bの長手方向がフロントガラス50下端の車幅方向と平行(走行風に対しては直交)となる下反転位置A1から車幅方向と直交(走行風に対しては平行)となる位置を若干超えた上反転位置A2までがワイパ51(ワイパブレード51b)の払拭範囲となっており、ワイパ51の停止位置はその下反転位置A1に設定されている。
【0022】
本実施の形態のワイパブレード51bは、図3に示すように、ワイパアーム51aの先端部に取り付けられ複数のレバーがトーナメント状に連結されてなるレバーアッセンブリ(図示略)にてブレードラバー51xが保持され、そのレバーアッセンブリをカバー部材51yにて覆われて構成されている。また、本実施の形態のワイパブレード51bのカバー部材51yには、払拭面50aに向けて洗浄液Wを噴射供給するための噴射部51cを有するウォッシャノズルが装備されている。ウォッシャノズルの噴射部51cは、本実施の形態ではワイパブレード51bの長手方向に5箇所設けられており(図1においては図面が煩雑になるのを防ぐために3個だけ図示している)、長手方向中央部に1個とそこから長手方向両側に2個ずつ等間隔に設けられている。ウォッシャノズルにはカバー部材51yから露出させたホース連結部51dが備えられ、該ホース連結部51dにはワイパアーム51aに沿って配策されたウォッシャホース56の一端が接続されている。
【0023】
ウォッシャホース56の他端は、図1に示すように、ウォッシャタンク55に併設されるウォッシャモータ13に接続されている。ウォッシャモータ13が駆動されると、ウォッシャタンク55から汲み上げられた洗浄液Wがウォッシャホース56を通じてワイパブレード51bに備えられるウォッシャノズルの各噴射部51cから払拭面50aに至近距離から噴射されるようになっている。
【0024】
前記ワイパ駆動制御装置12において、該装置12の電源用端子12aは、ヒューズ21、イグニッションスイッチ22を介して車載バッテリ23のプラス端子に接続されている。因みに、車載バッテリ23のマイナス端子は車体接地部位(GND)に接続され、ワイパ駆動制御装置12のGND用端子12bもGNDに接続されている。イグニッションスイッチ22がオン状態となっているときには、ワイパ駆動制御装置12に車載バッテリ23から駆動電源が供給されるようになっている。
【0025】
ワイパ駆動制御装置12には、車両運転席に設けられるワイパスイッチ(ワイパSW)25が接続されている。ワイパスイッチ25は、OFF位置、INT(間欠作動)位置、及びON(連続作動)位置の3つの操作位置に切り替え可能に構成されている。ワイパスイッチ25は、INT位置に切り替えられるとワイパ駆動制御装置12のワイパスイッチ用入力端子12cをGNDレベル(Lレベル)とし、ON位置に切り替えられるとワイパ駆動制御装置12のワイパスイッチ用入力端子12dをGNDレベル(Lレベル)とする。これに対し、ワイパスイッチ25は、OFF位置に切り替えられると、ワイパ駆動制御装置12の各ワイパスイッチ用入力端子12c,12dをGNDから切り離してHレベルとする。そして、ワイパ駆動制御装置12は、各ワイパスイッチ用入力端子12c,12dの電位に基づいて、ワイパスイッチ25がOFF位置、INT位置、及びON位置のいずれに切替配置されたかを判定している。
【0026】
また、ワイパ駆動制御装置12には、ワイパモータ11が接続されている。ワイパモータ11は、駆動源として一対のブラシ15a,15bを有する直流駆動モータと該モータの回転を減速する減速機構とが一体に組み付けられるワイパモータ本体15と、ワイパ定位置停止スイッチ16とを備えてなる。
【0027】
ワイパモータ本体15は、一方のブラシ15aがノイズ防止用チョークコイル17を介してワイパ駆動制御装置12の電源供給用端子12eに接続され、他方のブラシ15bが過熱保護素子(ブレーカ)18を介してGND用端子12fに接続されている。ワイパモータ本体15の駆動時には、ワイパ駆動制御装置12の電源供給用端子12eから駆動電源が供給される。ワイパモータ本体15の出力軸には、ピボット軸52を往復回動させるためのリンク機構53が接続される。因みに、リンク機構53は、ワイパモータ本体15の回転運動をピボット軸52の往復回動運動、即ちそのピボット軸52に固定されるワイパ51の往復揺動運動に変換するものである。
【0028】
ワイパ定位置停止スイッチ16は、可動接点16aがワイパモータ本体15の出力軸に連動して回転するように、ワイパモータ本体15に一体に組み付けられている。ワイパ定位置停止スイッチ16は、ワイパ51(ワイパブレード51b)が停止位置である下反転位置A1にあるときには、接点16aと接点16cとが接続(オフ状態)され、ワイパ51が下反転位置A1以外の位置に作動させるべく出力軸が回転したときには、接点16aと接点16bとが接続(オン状態)されるように構成されている。即ち、ワイパ定位置停止スイッチ16の接点16bはワイパ駆動制御装置12の電源供給用端子12gに接続されており、接点16cはワイパ駆動制御装置12の前記GND用端子12fに接続されており、更に接点16aはワイパ駆動制御装置12の停止スイッチ用入力端子12hに接続されている。従って、ワイパ定位置停止スイッチ16は、ワイパ51が停止位置である下反転位置A1にあるときには停止スイッチ用入力端子12hをGNDレベル(Lレベル)とし、ワイパ51が下反転位置A1以外の位置に払拭により移動しているときには停止スイッチ用入力端子12hをHレベルとする。そして、ワイパ駆動制御装置12は、停止スイッチ用入力端子12hの電位に基づいて、ワイパ51が下反転位置A1か、若しくはそれ以外の位置にあるかを判定している。
【0029】
そして、ワイパ駆動制御装置12は、ワイパスイッチ25が操作されてINT位置若しくはON位置に切り替えられたことを検出すると、ワイパモータ11(ワイパモータ本体15)に駆動電源を供給して、該モータ11を回転駆動させる。これにより、ワイパ51が払拭動作を行う。このとき、ワイパ51が停止位置である下反転位置A1を離れると、ワイパモータ11のワイパ定位置停止スイッチ16がオフからオン状態に切り替わる。このワイパ定位置停止スイッチ16がオン状態になると、ワイパ駆動制御装置12は、ワイパ51が払拭動作中にワイパスイッチ25がOFF位置に切り替えられてもワイパ51が往復払拭動作により下反転位置A1に戻るまで(ワイパ定位置停止スイッチ16がオフ状態となるまで)、ワイパモータ11に駆動電源を継続するようになっている。
【0030】
前記ウォッシャ駆動制御装置14において、該装置14は、ヒューズ21、イグニッションスイッチ22を介して車載バッテリ23のプラス端子に接続され、該装置14には、イグニッションスイッチ22がオン状態となっているときに車載バッテリ23から駆動電源が供給されるようになっている。また、ウォッシャ駆動制御装置14には、車両運転席に設けられるウォッシャスイッチ(ウォッシャSW)26が接続され、該装置14に供給される駆動電源電圧が印加されている。ウォッシャスイッチ26は、印加される駆動電源電圧を用いてウォッシャ駆動制御装置14にそのオンオフ信号を出力する。
【0031】
ウォッシャ駆動制御装置14は、具体的には図2に示すように、ワイパ作動判定部14a、ウォッシャ作動指令部14b、ウォッシャ駆動部14c、及び車速判定部14dを備えている。ワイパ作動判定部14aは、前記ワイパスイッチ25に接続されて該スイッチ25によるワイパ51の作動状態を判定し、その判定結果をウォッシャ作動指令部14bに出力する。また、ウォッシャ作動指令部14bは、前記ウォッシャスイッチ26に接続されて該スイッチ26のオンオフ状態を判定し、その判定結果をウォッシャ作動指令部14bに出力する。
【0032】
ウォッシャ作動指令部14bは、ウォッシャスイッチ26のオンに基づいて、ウォッシャ駆動部14cに接続されるウォッシャモータ13を該駆動部14cを通じて駆動電源を供給し、ウォッシャタンク55に貯留される洗浄液Wを汲み上げてワイパ51に備えられるウォッシャノズル(噴射部51c)に向けて圧送すべく作動させる。尚、このウォッシャモータ13に供給する駆動電源の電圧値は前記ワイパ駆動制御装置12のモニタ端子12iにも印加されており(図1参照)、該ワイパ駆動制御装置12にてその駆動電源の電圧値がモニタされている。
【0033】
ウォッシャ作動指令部14bは、ワイパ作動判定部14aの判定にてワイパ51が作動中である場合にウォッシャスイッチ26がオンされたとき、そのスイッチ26をオン操作している間だけウォッシャ駆動部14cを通じてウォッシャモータ13を作動させる。つまり、ワイパ51が作動中では、ウォッシャスイッチ26をオン操作している間だけ洗浄液Wが払拭面50aに噴射供給される。
【0034】
一方、ワイパ作動判定部14aの判定にてワイパ51が作動中でない場合にウォッシャスイッチ26がオン操作されたとき、ウォッシャ作動指令部14bは、ウォッシャモータ13とワイパモータ11とを所定タイミングで作動させ、洗浄液Wの供給とワイパ51による払拭とを連動させる。この際、ウォッシャスイッチ26が所定時間以上連続してオン操作されると、そのオン操作期間中、洗浄液Wの噴射を継続させるが、ウォッシャスイッチ26の所定時間を満たさないオン操作時には、予め設定された洗浄液Wの噴射量及び噴射タイミングで実施される。本実施の形態では、この場合の噴射態様を車速に応じて異ならせている。
【0035】
ここで、ウォッシャ作動指令部14bには、車速判定部14dからの判定結果が入力される。車速判定部14dは、車両に搭載される車速センサ(図示略)からの車速信号が入力され、低速走行中か高速走行中かの判定を行っている。本実施の形態では、この判定の閾値が80[km/h]に設定されている。
【0036】
また、ウォッシャ作動指令部14bには、ワイパモータ本体15を構成する直流駆動モータ内部に備えられる回転検出センサからの回転検出信号が入力される。この回転検出信号は、直流駆動モータの回転軸の回転に同期した信号である。ウォッシャ作動指令部14bは、この回転検出信号に基づいて直流駆動モータの回転軸の回転位置、即ちワイパモータ11にて作動されるワイパ51の払拭位置を検出している。この場合、ワイパ51の下反転位置A1や上反転位置A2、更には図5に示すように本実施の形態で設定された中間噴射位置A3を含めたワイパ51の払拭位置が検出される。因みに、中間噴射位置A3は、例えば車種毎に予め測定や計算等により設定されるものであり、ワイパブレード51bが車幅方向と直交(走行風と平行)となる位置から下反転位置A1(停止位置)側の十数度手前の位置に設定されている。
【0037】
そして、車速が80[km/h]未満の低速走行時において、ワイパ51が非作動でウォッシャスイッチ26がオンされると、ウォッシャ作動指令部14bは、先ず洗浄液Wを所定量(この場合、ワイパ51の払拭により払拭範囲全体に広がるように予め測定や計算等により設定された好適な量)だけ払拭面50aに噴射供給すべくウォッシャ駆動部14cを通じてウォッシャモータ13を所定時間T1作動させる。このとき、ウォッシャ作動指令部14bは、洗浄液Wが所定量噴射されるまでワイパ51の作動は停止させたままとする。
【0038】
所定量の洗浄液Wを噴射させるべくウォッシャモータ13を所定時間T1作動させた後、ウォッシャ作動指令部14bは所定量の洗浄液Wの噴射を完了した旨をワイパ駆動制御装置12に出力する。これにより、ワイパ駆動制御装置12は、ワイパモータ11を作動させてワイパ51の払拭動作を開始させる(このとき本実施の形態では、噴射終了から時間T2だけワイパ51の払拭動作を遅延させている)。このワイパ51の払拭動作に伴って、洗浄液Wが払拭面50a上の払拭方向に掻き広げられていく。そして、ワイパ駆動制御装置12は、ワイパ51を数回(例えば3回)の払拭動作を行わせる。因みに、ウォッシャ駆動制御装置14のウォッシャ作動指令部14bは、ワイパ51の払拭動作の初回だけ洗浄液Wを噴射させ、2回目以降の払拭動作時においては洗浄液Wの噴射を停止させている。
【0039】
これに対し、車速が80[km/h]以上の高速走行時においてワイパ51が非作動でウォッシャスイッチ26がオンされると、ウォッシャ作動指令部14bは、上記した低速走行時と同様に先ず洗浄液Wを所定量(低速走行時と同量)だけ払拭面50aに噴射供給すべくウォッシャ駆動部14cを通じてウォッシャモータ13を所定時間T1作動させる。このときも、洗浄液Wが所定量噴射されるまでは、ワイパ51の作動が停止されている。
【0040】
所定量の洗浄液Wを噴射させるべくウォッシャモータ13を所定時間T1作動させた後、ウォッシャ作動指令部14bは所定量の洗浄液Wの噴射を完了した旨をワイパ駆動制御装置12に出力する。これにより、ワイパ駆動制御装置12は、ワイパモータ11を作動させてワイパ51の払拭動作を開始する。すると、ワイパ51の払拭動作に伴って洗浄液Wが払拭面50a上の払拭方向に掻き広げられていく。
【0041】
やがて、払拭しているワイパ51が中間噴射位置A3に到達すると、ウォッシャ作動指令部14bは、その中間噴射位置A3を検出し、その検出に基づいて洗浄液Wの所定量(予め測定や計算等により設定された追加噴射時に好適な量)の追加噴射を行わせるべくウォッシャ駆動部14cを通じてウォッシャモータ13を所定時間T3作動させる。高速走行時においては、ワイパブレード51bが走行風と平行になるとその走行風の風力が大きく、洗浄液Wがフロントガラス50の上端側に移動してワイパブレード51bの基端側の洗浄液Wが不足する事態が生じるが、ワイパブレード51bが走行風と平行となる手前の中間噴射位置A3において洗浄液Wの追加噴射を行うことで、ワイパブレード51bが走行風と平行となる付近での払拭面50a上の洗浄液Wの片寄りが抑えられている。つまり、本実施の形態では、洗浄液Wの不足する箇所を低減し、その洗浄液Wを用いた払拭面50aの汚れ落としが十分に行えるようにしている。
【0042】
また、このようなワイパブレード51bの先端側に洗浄液Wが片寄り易い状況を考慮し、本実施の形態では図4に示すように、予めワイパブレード51bの先端側から基端側に向かうほど、洗浄液Wが多くなるように、先端側の噴射部51cから基端側の噴射部51cに段階的に噴射量を増加させるべく、噴射孔の口径が大きく若しくは噴射孔の数が多く設定されている。これにより、ワイパブレード51bが走行風と平行となる付近での払拭面50a上の洗浄液Wの片寄りがより一層抑えられるようにしている。
【0043】
そして、ワイパ駆動制御装置12は、この高速走行時においても低速走行時と同様にワイパ51を数回の払拭動作を行わせる一方、ウォッシャ駆動制御装置14のウォッシャ作動指令部14bは、ワイパ51の払拭動作の初回だけ洗浄液Wを噴射させ、2回目以降の払拭動作時においては洗浄液Wの噴射を停止させている。
【0044】
次に、本実施の形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施の形態では、ウォッシャスイッチ26のオン操作に基づいてワイパスイッチ25がオフ状態と判定されると、ワイパ51の停止位置を兼ねる第1反転位置A1において洗浄液Wの噴射を行うとともにその噴射に連動させてワイパ51を数回(例えば3回)の往復払拭動作を行わせている。加えて、車速が80[km/h]以上である判定がなされた場合では、ワイパ51が第1反転位置A1から第2反転位置A2に向かう途中の中間噴射位置A3にて洗浄液Wの追加噴射を行わせるようにした。これにより、車速が80[km/h]以上の高速走行時においては、停止位置である第1反転位置A1で噴射された洗浄液Wがワイパ51の払拭途中で強い走行風にてワイパ51(ワイパブレード51b)の先端側に片寄り基端側で洗浄液Wの不足が生じることが懸念されるが、ワイパ51が第1反転位置A1から第2反転位置A2に向かう途中の中間噴射位置A3にて洗浄液Wの追加噴射が行われるため、洗浄液Wの不足の生じる箇所を低減することができる。従って、その洗浄液Wを用いた払拭面50aの汚れ落としを十分に行うことができる。
【0045】
(2)本実施の形態では、ワイパブレード51bの長手方向が車幅方向と直交する位置から手前位置(手前噴射位置A3)で追加噴射を行わせるようにした。つまり、ワイパブレード51bの長手方向が車幅方向と直交、即ち走行風と平行となる位置においては、ワイパ51(ワイパブレード51b)にて掻き広げられている洗浄液Wが走行風の影響を最も受ける位置であって洗浄液Wの不足が生じ易い。そのため、ワイパブレード51bの長手方向が車幅方向と直交する位置の手前位置(手前噴射位置A3)で追加噴射が行われることで、洗浄液Wの不足の生じる箇所をより確実に低減できる。
【0046】
(3)本実施の形態では、洗浄液Wの噴射を終了させてから洗浄液Wの噴射を伴わないワイパ51の1回以上の往復払拭動作を行わせるようにした。これにより、払拭面50a上の洗浄液Wの拭き残しや拭き直後の洗浄液Wの液だれ等の発生が、洗浄液Wの噴射を伴わない1回以上のワイパ51の払拭動作にて抑えることができる。
【0047】
(4)本実施の形態では、ウォッシャスイッチ26が所定時間以上連続してオン操作されると、そのオン操作期間中、洗浄液Wの噴射を継続させるようにした。つまり、払拭面50aに落ち難い汚れが付着している場合等、操作者がより多くの洗浄液Wを必要とするときには、ウォッシャスイッチ26は長い時間オン操作される。そのため、所定時間以上の長い時間、ウォッシャスイッチ26がオン操作されたときには、そのオン操作期間中、洗浄液Wの噴射が継続されることで、操作者の意図に合致させることができる。
【0048】
(5)本実施の形態では、ワイパブレード51bの基端側の方が先端側よりも洗浄液Wの不足が生じがちであることを考慮し、ワイパ51に設けられる噴射部51cをワイパブレード51bの先端側よりも基端側の洗浄液Wの噴射量が多くなるように構成しているため、洗浄液Wの不足の生じる箇所をより確実に低減することができる。
【0049】
尚、本発明の実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、ワイパモータ本体15内に設けられるモータの回転軸の回転を検出する回転検出センサ(図示略)にてワイパ51の下反転位置A1や上反転位置A2、中間噴射位置A3等のワイパ51の位置検出を行ったが、ワイパ定位置停止スイッチ16に下反転位置A1以外の上反転位置A2や中間噴射位置A3を検出する構成を追加し、該ワイパ定位置停止スイッチ16の位置検出に基づいて各種制御を行うようにしてもよい。
【0050】
・上記実施の形態では、ウォッシャノズルの噴射部51cをワイパブレード51bの長手方向に5箇所設けたが、数及び配置はこれに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。また、噴射部51cをワイパブレード51bの先端側よりも基端側の洗浄液Wの噴射量が多くなるように構成したが、例えば長手方向に噴射量を同じとしてもよい。また、上記実施の形態ではウォッシャノズル(噴射部51c)をワイパブレード51b側に設けたが、ワイパアーム51a側に設けていてもよい。因みに、ワイパ51の構成は適宜変更してもよい。
【0051】
・上記実施の形態では、低速走行中か高速走行中かの判定を行うための閾値を80[km/h]としたが、適宜変更してもよい。
・上記実施の形態では、車速に応じて追加噴射を行うか否かを分けていたが、例えば図2の破線にて示すように、車両に搭載される温度センサからの信号の入力に基づいて外気温を検出する温度判定部14eをウォッシャ駆動制御装置14内に設け、洗浄液Wの蒸発度合いを追加噴射に加味してもよい。
【0052】
・上記実施の形態では、ワイパブレード51bの長手方向が車幅方向と平行となる下反転位置A1(停止位置)から車幅方向と直交となる位置を若干超えた上反転位置A2までの範囲でワイパ51が払拭動作を行うものに適用したが、これ以外の払拭範囲のものに適用してもよい。
【0053】
・上記実施の形態では、洗浄液Wの噴射とワイパ51の払拭との連動を図5に示すタイミングにて行わせたが、洗浄液Wの噴射終了とワイパ51の払拭開始のタイミング、追加噴射の位置やその回数等を適宜変更してもよく、例えば図6に示すように変更してもよい。
【0054】
図6(a)では、下反転位置A1(停止位置)での洗浄液Wの噴射が終了する少し前にワイパ51の払拭を開始させ(上記実施の形態では逆に、噴射終了からワイパ51の払拭動作を遅延させていた)、洗浄液Wの噴射とワイパ51の払拭とを若干オーバーラップさせるようにした形態である。
【0055】
図6(b)では、下反転位置A1(停止位置)での洗浄液Wの噴射が終了すると同時にワイパ51の払拭を開始させている。また、下反転位置A1と上反転位置A2との間の中間噴射位置A3にて追加噴射を行うことに加え、その中間噴射位置A3と下反転位置A1との間の中間噴射位置A4においても追加噴射を行うようにした形態である。この形態では、下反転位置A1と上反転位置A2との間で2度の追加噴射が行われる。
【0056】
・上記実施の形態のワイパアーム51a及びワイパブレード51bは図面等で1本となっているが、ワイパアーム51a及びワイパブレード51bは車幅方向に複数設けられ、リンク機構などにより機械的に同期駆動、若しくは複数のワイパモータによって電気的に同期駆動させる構成や、1本だけ駆動させる構成のいずれであってもよい。
【0057】
次に、上記実施の形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ) 請求項5又は6に記載の車両用ワイパウォッシャ装置において、
前記制御装置の前記連動制御手段では、前記少なくとも1回の追加噴射を行う位置が、前記ワイパを構成するワイパブレードの長手方向が車幅方向と直交する位置から手前位置に設定されていることを特徴とする車両用ワイパウォッシャ装置。
【0058】
このようにすれば、上記請求項2と同様の効果を得ることができる。
(ロ) 請求項5又は6、上記(イ)のいずれか1項に記載の車両用ワイパウォッシャ装置において、
前記制御装置の前記連動制御手段は、前記洗浄液の噴射を終了させてから前記洗浄液の噴射を伴わない前記ワイパの1回以上の往復払拭動作を行わせることを特徴とする車両用ワイパウォッシャ装置。
【0059】
このようにすれば、上記請求項3と同様の効果を得ることができる。
(ハ) 請求項5又は6、上記(イ)(ロ)のいずれか1項に記載の車両用ワイパウォッシャ装置において、
前記制御装置の前記連動制御手段は、前記ウォッシャスイッチが所定時間以上連続してオン操作されると、そのオン操作期間中、前記洗浄液の噴射を継続させることを特徴とする車両用ワイパウォッシャ装置。
【0060】
このようにすれば、上記請求項4と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施の形態における車両用ワイパウォッシャ装置の構成図である。
【図2】ウォッシャ駆動制御装置の構成図である。
【図3】ワイパの構成を説明するための斜視図である。
【図4】(a)は、ワイパから噴射される洗浄液の噴射量を説明するためのワイパの側面図、(b)は、ワイパから噴射される洗浄液の払拭面上での分布を示す図である。
【図5】洗浄液の噴射とワイパの払拭との連動を説明するための図である。
【図6】(a)(b)は、別例における洗浄液の噴射とワイパの払拭との連動を説明するための図である。
【符号の説明】
【0062】
11…ワイパモータ、12…制御装置を構成するワイパ駆動制御装置、13…ウォッシャモータ、14…制御装置を構成するウォッシャ駆動制御装置、14a…ワイパ作動判定手段としてのワイパ作動判定部、14b…連動制御手段を構成するウォッシャ作動指令部、14d…車速判定手段としての車速判定部、25…ワイパスイッチ、26…ウォッシャスイッチ、50…フロントガラス、50a…払拭面、51…ワイパ、51b…ワイパブレード、51c…噴射手段としての噴射部、A1…第1反転位置(停止位置)、A2…第2反転位置、A3…中間位置としての中間噴射位置、A4…中間位置としての中間噴射位置、W…洗浄液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロントガラスの払拭面を払拭するワイパに設けられ前記払拭面に洗浄液を噴射供給する噴射手段からウォッシャスイッチのオン操作に基づいて前記洗浄液を噴射させるべくウォッシャモータを制御するとともに、前記洗浄液の噴射に連動させて前記ワイパを第1及び第2反転位置間で往復払拭動作させるべくワイパモータを制御する機能を備えた車両用ワイパウォッシャ制御装置であって、
前記ワイパを払拭動作させるワイパスイッチがオフ状態か否かを判定するワイパ作動判定手段と、
車速が所定速度以上か否かを判定する車速判定手段と、
前記ウォッシャスイッチのオン操作に基づいて前記ワイパ作動判定手段にて前記ワイパスイッチがオフ状態と判定されると、前記ワイパの停止位置を兼ねる前記第1反転位置において前記洗浄液の噴射を行うとともにその噴射に連動させて前記ワイパを少なくとも1回の往復払拭動作を行わせ、加えて前記判定手段にて前記車速が所定速度以上である判定がなされると、前記ワイパが第1反転位置から第2反転位置に向かう途中の中間位置にて少なくとも1回の前記洗浄液の追加噴射を行わせる連動制御手段と
を備えたことを特徴とする車両用ワイパウォッシャ制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ワイパウォッシャ制御装置において、
前記連動制御手段では、前記少なくとも1回の追加噴射を行う位置が、前記ワイパを構成するワイパブレードの長手方向が車幅方向と直交する位置から手前位置に設定されていることを特徴とする車両用ワイパウォッシャ制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用ワイパウォッシャ制御装置において、
前記連動制御手段は、前記洗浄液の噴射を終了させてから前記洗浄液の噴射を伴わない前記ワイパの1回以上の往復払拭動作を行わせることを特徴とする車両用ワイパウォッシャ制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ワイパウォッシャ制御装置において、
前記連動制御手段は、前記ウォッシャスイッチが所定時間以上連続してオン操作されると、そのオン操作期間中、前記洗浄液の噴射を継続させることを特徴とする車両用ワイパウォッシャ制御装置。
【請求項5】
車両のフロントガラスの払拭面を払拭するとともに前記払拭面に洗浄液を噴射供給する噴射手段が設けられてなるワイパと、
前記ワイパに設けた前記噴射手段から前記洗浄液を噴射させるべく駆動されるウォッシャモータと、
前記ワイパを第1及び第2反転位置間で往復払拭動作させるべく駆動されるワイパモータと、
ウォッシャスイッチのオン操作に基づいて前記洗浄液を噴射させるべく前記ウォッシャモータを制御するとともに、前記洗浄液の噴射に連動させて前記ワイパを往復払拭動作させるべく前記ワイパモータを制御する制御装置と
を備えた車両用ワイパウォッシャ装置であって、
前記制御装置は、
前記ワイパを払拭動作させるワイパスイッチがオフ状態か否かを判定するワイパ作動判定手段と、
車速が所定速度以上か否かを判定する車速判定手段と、
前記ウォッシャスイッチのオン操作に基づいて前記ワイパ作動判定手段にて前記ワイパスイッチがオフ状態と判定されると、前記ワイパの停止位置を兼ねる前記第1反転位置において前記洗浄液の噴射を行うとともにその噴射に連動させて前記ワイパを少なくとも1回の往復払拭動作を行わせ、加えて前記判定手段にて前記車速が所定速度以上である判定がなされると、前記ワイパが第1反転位置から第2反転位置に向かう途中の中間位置にて少なくとも1回の前記洗浄液の追加噴射を行わせる連動制御手段と
を備えたことを特徴とする車両用ワイパウォッシャ装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車両用ワイパウォッシャ装置において、
前記ワイパに設けられる噴射手段は、前記ワイパを構成するワイパブレードの先端側よりも基端側の前記洗浄液の噴射量が多くなるように構成されていることを特徴とする車両用ワイパウォッシャ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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