説明

車両用信号灯装置

【課題】間近の後方車両以外の後方車両にも信号を伝達することを目的とする。
【解決手段】自車両の下面を介して車両後方路面へ光を投影する後方信号灯18をフロントバンパ下部に設け、ブレーキスイッチがオンされた場合に、制動灯に連動して後方信号灯18を点灯する。また、路面の投影像として、例えば、「STOP」の文字となるように光を投影する。これによって、間近の後方車両以外の後方車両に対して自車両のブレーキ操作を報知することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用信号灯装置にかかり、特に、自車両の後方に光を投映する車両用信号灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用信号灯としては、例えば、制動灯が一例として挙げられる。制動灯は、自車両のブレーキ操作を後方車両等に報知するために設けられており、ブレーキ操作が行われた場合に赤色のランプを点灯することによって、ブレーキ操作が行われたことを周囲に報知する。
【0003】
また、制動灯等の車両用信号灯装置に関する技術としては、種々の技術が提案されており、例えば、特許文献1〜3に記載の技術が提案されている。
【0004】
特許文献1に記載の技術では、バンパの前面の一部に、若干凹んだ状態で着脱可能にあるいは一体に組み込まれた制動表示灯を設けることが提案されている。これによって、バンパーの前面を直視できる範囲において、子供等の背の低い歩行者等の低い位置からの視野内においても、ブレーキ操作を目視することができる。
【0005】
また、特許文献2に記載の技術では、ドアミラーの周縁部に方向指示点滅ランプまたはブレーキランプを設けることが提案されており、ミラーの周縁部にランプが設けられているため、ミラーによって反射され、夜間、日中共に、他の車両に十分注意を喚起させることができる。
【0006】
また、特許文献3に記載の技術では、警報ランプを車両の後部に設置し、自車の車速、後続車との車間距離、後続車の車速、空走時間、ブレーキ補償特性等を加味して、車間距離が短い場合に、制御手段によって警報ランプを点灯させることが提案されており、これによって、種々の走行状態に応じて警告を後続車に発することができる。
【特許文献1】特開平6−286522号公報
【特許文献2】特開昭64−16443号公報
【特許文献3】特開平4−306796号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の制動灯装置では、間近の後方車両に対してブレーキ操作を報知するが、間近の後方車両がトラックなどの大きな車両の場合には、そのさらに後方車両は、ブレーキ操作を認識できない場合があり、改善の余地がある。
【0008】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、間近の後方車両以外の後方車両にも信号を伝達することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、自車両の後方路面に向かって光を投映する投映手段と、自車両の動きを検出する検出手段の検出結果に応じて、前記検出手段の検出結果を表す投映像を路面に投映するように前記投映手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、投映手段では、自車両の後方路面に向かって光が投映される。
【0011】
検出手段では、自車両の動きが検出され、制御手段では、検出手段の検出結果に応じて、検出手段の検出結果を表す投映像を路面に投影するように投映手段が制御される。
【0012】
このように路面に投映像が投映されるので、後方車両以外の後方車両は、制動灯が直接確認できないような状況であっても、路面に投映された投映像を確認することが可能となる。すなわち、後方車両以外の後方車両では、投映手段によって路面に投映された投映像によって自車両の動きを検出することが可能となるので、自車両の動きを間近の後方車両以外の後方車両に対して自車両の動きを報知することができる。従って、間近の後方車両以外の後方車両にも信号を伝達することできる。
【0013】
投映手段は、例えば、請求項2に記載の発明のように、自車両の前方下面(例えば、フロントバンパの下部付近等)または自車両の側方(例えば、ドアミラー等)に配置され、後方路面に向かって光を投映するようにしてもよいし、請求項3に記載の発明のように、間近の後方車両の側方または下部を通って路面に投映された投映像を間近の後方車両のさらに後方の車両が認識できる位置に設けるようにしてもよい。
【0014】
また、投映手段、検出手段及び制御手段は、例えば、請求項4に記載の発明のように、投映手段が、ブレーキ操作を表す投映像を路面に投映し、検出手段が、ブレーキ操作を検出し、制御手段が、検出手段によってブレーキ操作を検出した場合に、投映像が路面に投映されるように投映手段を制御するようにしてもよいし、請求項5に記載の発明のように、投映手段が、方向指示操作を表す投映像となる光を路面に投映し、検出手段が、方向指示操作を検出し、制御手段が、検出手段によって方向指示操作を検出した場合に、投映像が路面に投映されるように投映手段を制御するようにしてもよい。
【0015】
また、投映手段は、請求項6に記載の発明のように、制動灯及び方向指示灯の少なくとも一方に連動して、路面に向かって光を投映するようにしてもよい。これによってブレーキ操作や方向指示操作を間近の後方車両以外の後方車両に報知することができる。
【0016】
さらに、投映手段及び制御手段は、請求項7に記載の発明のように、投映手段が、路面への光の投映位置が変更可能とされ、制御手段が、自車両の車速に応じて投映位置を変更するように、前記投映手段を制御するようにしてもよい。これによって車速に応じた自車両の動きの報知が可能となる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、自車両の後方路面に向かって光を投映して、自車両の動きを表す投映像を投映することによって、路面に投映された投映像によって自車両の動きを報知することが可能となるので、間近の後方車両以外の後方車両にも信号を伝達することできる、という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0019】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係わる車両用信号灯装置について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係わる車両用信号灯装置の構成を示すブロック図である。
【0020】
本発明の第1実施形態に係わる車両用信号灯装置10は、点灯制御部12、ブレーキスイッチ14、制動灯16、及び後方信号灯18を備えている。
【0021】
ブレーキスイッチ14は、ブレーキ操作に応じてオンオフするスイッチであり、ブレーキ操作を検出し、検出結果を点灯制御部12に出力する。なお、本実施形態では、ブレーキ操作が行われた場合に、ブレーキスイッチ14がオンするものとして説明するが、ブレーキ操作が行われた場合に、ブレーキスイッチが14がオフするものを適用するようにしてもよい。
【0022】
制動灯16は、車両後端に設けられ、ブレーキスイッチ14によるブレーキ操作の検出に応じて点灯され、後方車両に自車両のブレーキ操作を報知する。
【0023】
後方信号灯18は、制動灯16とは別に設けられ、ブレーキスイッチ14によるブレーキ操作の検出に応じて点灯され、車両後方路面へ光を投映して間近の後方車両の後方の車両に対して自車両のブレーキ操作を報知する。
【0024】
点灯制御部12は、ブレーキスイッチ14によるブレーキ操作の検出に応じて、制動灯16及び後方信号灯18を連動して点灯する。
【0025】
図2(A)は、本発明の第1実施形態に係わる車両用信号灯装置10の後方信号灯18の概略車両搭載位置を示す図であり、図2(B)は、後方信号灯18の搭載位置を示す拡大図である。
【0026】
後方信号灯18は、図2(A)に示すように、車両前側に設けられ、車両後方へ光を照射する位置に設けられている。さらに詳細には、図2(B)に示すように、フロントバンパ20の下部に設けられて、自車両の下面を介して車両後方路面へ光を投映可能な位置に設けられている。
【0027】
また、後方信号灯18は、図3に示すように、自車両の下面、及び間近の後方車両の下面を介して、自車両後方の路面に光を投映する。これによって、間近の後方車両の後方の車両に対して自車両のブレーキ操作を報知することができる。
【0028】
後方信号灯18から路面に投映される光は、例えば、図3に示すように、自車両から10m程度後方の路面に光を投映することで、間近の後方車両のさらに後方の車両に対して自車両のブレーキ操作を報知することが可能である。なお、後方信号灯18の投映距離は、10mに限るものではない。
【0029】
図4は、後方信号灯18から路面に投映される投映像の一例を示す図である。
【0030】
後方信号灯18から路面に投映される投映像としては、例えば、図4に示すように、ブレーキ操作が行われていることを表す文字(図4では「STOP」)が投映されるようにしてもよい。例えば、後方信号灯18の光源の光照射面等に切り抜き文字の形状のレンズを設けたり、光源として複数のLED等を用いて、マトリクス状に配列して文字配列に合わせてLDEを点灯したりすることによって種々の文字を路面に投映することができる。
【0031】
続いて、上述のように構成された本発明の第1実施形態に係わる車両用信号灯装置10の作用について説明する。
【0032】
ブレーキ操作が行われると、ブレーキスイッチ14がオンし、当該信号がブレーキ操作検出したことを表す信号として点灯制御部12に入力される。
【0033】
点灯制御部12では、ブレーキスイッチ14のオン信号が入力されると、ブレーキ操作を検出したものとして、制動灯16及び後方信号灯18を点灯する。すなわち、間近の後方車両に対しては、制動灯16の点灯によって自車両のブレーキ操作が報知される。
【0034】
また、後方信号灯18は、フロントバンパ下部に設けられていることにより、後方車両以外の後方車両が確認可能な路面位置に光を投映することができるので、後方信号灯18が点灯されると、後方信号灯18から照射される光は、図3に示すように、自車両の下面、及び間近の後方車両の下面を介して、路面に光が投映される。これによって、後方車両以外の後方車両は、制動灯16が直接確認できないような状況(トラックなどの大きな車両がある場合等)であっても、路面に投映された投映像を確認することが可能となる。
【0035】
このとき、例えば、図4に示すように、「STOP」の形状を表す光が路面に投映されるので、間近の後方車両の更に後方の車両に対して、自車両のブレーキ操作を報知することができる。従って、間近の後方車両以外の後方車両にも自車両のブレーキ操作を表す信号を伝達することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、制動灯16に連動して後方信号灯18を点灯するようにしたが、これに限るものではなく、自車両の動きに応じて後方信号灯18を点灯するようにしてもよい。例えば、方向指示灯に連動して後方信号灯18を点灯するようにしてもよい。また、後方信号灯18は点灯ではなく、点滅するようにしてもよい。
【0037】
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態に係わる車両用信号灯について説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係わる車両用信号灯装置の構成を示すブロック図である。なお、第1実施形態と同一構成については同一符号を付して説明する。
【0038】
本発明の第2実施形態に係わる車両用信号灯装置30は、点灯制御部32、ブレーキスイッチ14、方向指示スイッチ34、制動灯16、方向指示灯36、後方信号灯(制動)38、後方信号灯(方向指示)40を備えている。
【0039】
ブレーキスイッチ14は、ブレーキ操作に応じてオンオフするスイッチであり、ブレーキ操作を検出し、検出結果を点灯制御部32に出力する。なお、本実施形態では、ブレーキ操作が行われた場合に、ブレーキスイッチ14がオンするものとして説明するが、ブレーキ操作が行われた場合に、ブレーキスイッチが14がオフするものを適用するようにしてもよい。
【0040】
方向指示スイッチ34は、ステアリング周辺に設けられ、右左折時に乗員によって操作され、操作に応じて、右または左を表す信号を点灯制御部32に出力する。
【0041】
制動灯16は、車両後端に設けられ、ブレーキスイッチ14によるブレーキ操作の検出に応じて点灯され、後方車両に自車両のブレーキ操作を報知する。
【0042】
方向指示灯36は、車両前側、側面、及び後側等の各部位に設けられ、方向指示スイッチ34の操作に応じて対応する箇所のランプが点滅される。
【0043】
後方信号灯(制動)38は、制動灯16とは別に設けられ、ブレーキスイッチ14によるブレーキ操作の検出に応じて点灯され、車両後側方路面へ光を投映して間近の後方車両の後方の車両に対して自車両のブレーキ操作を報知する。
【0044】
後方信号(方向指示)40は、方向指示灯36とは別に設けられ、方向指示スイッチ34の操作に応じて点灯されて、車両後側方へ光を投映して間近の後方車両の後方の車両に対して自車両の曲がる方向を報知する。
【0045】
後方信号灯(制動)38及び後方信号灯(方向指示)40は、例えば、車両のドアミラー等に設け、自車両の後方路面に光を照射するように配置されている。
【0046】
点灯制御部32は、ブレーキスイッチ14によるブレーキ操作の検出に応じて、制動灯16及び後方信号灯(制動)38を連動して点灯すると共に、方向指示スイッチ34の操作に応じて、方向指示灯36の点滅及び後方信号灯(方向指示)40を点灯する。なお、本実施形態では、後方信号灯(方向指示)40は、点灯するものとして説明するが、方向指示灯36と連動して点滅するようにしてもよい。
【0047】
図6は、本発明の第2実施形態に係わる車両用信号灯装置30の後方信号灯から路面に投映される投映像の一例を示す図である。
【0048】
本実施形態の後方信号灯(制動)38及び後方信号灯(方向指示)40は、上述したように、ドアミラー等に設けられており、車両側方を通って車両後方の路面に光を投映する。
【0049】
また、光を投映する際に、図6に示すように、所定の放射角度で車両から離れる方向に光が照射され、自車両の間近の後方車両の更に後方の車両が路面に投映された投映像を確認できるようになっている。
【0050】
後方信号灯(制動)38及び後方信号灯(方向指示)40は、一体構成でもよいし、別々の構成としてもよい。
【0051】
後方信号灯(制動)38から路面に投映される光は、例えば、第1実施形態と同様に、「STOP」の形状を表す光が路面に投映され、後方信号灯(方向指示)40から路面に投映される光は、例えば、方向指示を表す矢印などの形状の光が路面に投映される。すなわち、後方信号灯(制動)38から路面に投映される光によって、自車両のブレーキ操作を報知することができ、後方信号灯(方向指示)40から路面に投映される光によって、自車両の右左折方向を報知することができる。また、それぞれの後方信号灯は、間近の後方車両のさらに後方の車両に認識可能な路面に光を投映するので、間近の後方車両以外の後方車両にも自車両の動きを表す信号を伝達することができる。
【0052】
なお、各投映像は、第1実施形態と同様に、例えば、後方信号灯18の光源の光照射面等に切り抜き文字の形状のレンズを設けたり、光源として複数のLED等を用いて、マトリクス状に配列して文字配列に合わせてLDEを点灯したりすることによって種々の文字を路面に投映することができる。また、後方信号灯(制動)38と後方信号灯(方向指示)40は、本実施形態では、別々の構成として説明するが、一体構成としてもよい。この場合には、例えば、複数のLEDをマトリクス状に配列して、ブレーキ操作を表す文字や方向指示操作を表す文字となるように、各LEDの点灯を行うことで実現可能である。
【0053】
続いて、上述のように構成された本発明の第2実施形態に係わる車両用信号灯装置30の作用について説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係わる車両用信号灯装置30の点灯制御部32で行われる制御の流れを示すフローチャートである。
【0054】
まず、ステップ100では、ブレーキスイッチ14がオンされたか否か点灯制御部32で判定され、該判定が肯定された場合にはステップ102へ移行し、否定された場合にはステップ104へ移行する。
【0055】
ステップ104では、方向指示スイッチ34がオンされたか否か点灯制御部32で判定され、該判定が肯定された場合にはステップ106へ移行し、否定された場合にはステップ116へ移行する。
【0056】
ステップ106では、ブレーキスイッチ14が既にオンされているか否か点灯制御部32によって判定され、該判定が否定された場合にはステップ108へ移行し、肯定された場合にはステップ110へ移行する。
【0057】
ステップ108では、方向指示スイッチ34が操作された方向に対応する方向の方向指示灯が点滅されると共に、後方信号灯(方向指示)40が点灯されてステップ116へ移行する。
【0058】
一方、ステップ110では、方向指示スイッチ34が操作された方向に対応する方向の方向指示灯36が点滅されてステップ112へ移行する。
【0059】
ステップ112では、方向指示スイッチが操作された方向に対応する方向の後方信号灯(制動)38が消灯されてステップ114へ移行する。
【0060】
ステップ114では、方向指示スイッチ34が操作された方向に対応する方向の後方信号灯(方向指示)40が点灯されてステップ116へ移行する。
【0061】
ステップ116では、イグニッションスイッチがオフされたか否か判定され、該判定が否定さた場合にはステップ100に戻って上述の処理が繰り返され、ステップ116の判定が肯定されたところで一連の処理を終了する。
【0062】
このように第2実施形態では、ブレーキが操作された場合には、後方信号灯(制動)38から車両側方の後方路面にブレーキ操作を表す投映像が投映され、方向指示操作が行われた場合には、後方信号灯(方向指示)40から車両側方の後方路面に方向指示操作を表す投映像が投映される。そして、それぞれの後方信号灯は、図6に示すように、自車両の間近の後方車両のさらに後方の車両が認識可能な車両側方の後方路面に投映像を投映するので、間近の後方車両以外の後方車両にも自車両のブレーキ操作や方向指示操作を表す信号を伝達することができる。
【0063】
なお、本実施形態では、後方信号灯(制動)38と後方信号灯(方向指示)40を共に点灯する際には、方向指示スイッチ34の操作方向に対応する方向の後方信号灯(制動)40を消灯して方向指示スイッチ34の操作方向に対応する方向の後方信号灯(方向指示)40を点灯するようにしたが、これに限るものではなく、例えば、後方信号灯(制動)38と後方信号灯(方向指示)40のそれぞれの路面に光を投映する位置が重ならない位置とし、それぞれを同時に点灯するようにしてもよい。
【0064】
(第3実施形態)
続いて、本発明の第3実施形態に係わる車両用信号灯装置7について説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係わる車両用信号灯装置50の構成を示すブロック図である。なお、第1実施形態と同一構成については同一符号を付して説明する。
【0065】
本発明の第3実施形態に係わる車両用信号灯装置50は、点灯制御部52、車速センサ54、ブレーキスイッチ14、制動灯16、及び後方信号灯18を備えている。
【0066】
車速センサ54は、車速を検出して、検出結果を点灯制御部52に出力する。なお、本実施形態では、点灯制御部52に車速センサ54を直接接続した例を示すがこれに限るものではなく、例えば、エンジンを制御するエンジンECU等に入力される車速センサ54の検出結果をエンジンECU等の他の制御部から間接的に点灯制御部52に入力するようにしてもよい。
【0067】
ブレーキスイッチ14は、ブレーキ操作に応じてオンオフするスイッチであり、ブレーキ操作を検出し、検出結果を点灯制御部52に出力する。なお、本実施形態では、ブレーキ操作が行われた場合に、ブレーキスイッチ14がオンするものとして説明するが、ブレーキ操作が行われた場合に、ブレーキスイッチが14がオフするものを適用するようにしてもよい。
【0068】
制動灯16は、車両後端に設けられ、ブレーキスイッチ14によるブレーキ操作の検出に応じて点灯され、後方車両に自車両のブレーキ操作を報知する。
【0069】
後方信号灯18は、制動灯16とは別に設けられ、ブレーキスイッチ14によるブレーキ操作の検出に応じて点灯され、車両後方路面へ光を投映して間近の後方車両の後方の車両に対して自車両のブレーキ操作を報知する。なお、後方信号灯18は、第1実施形態と同一部位に配置したものを適用することができる。
【0070】
また、本実施形態の後方信号灯18は、路面の投映位置が変更可能とされている。路面の投映位置の変更は、例えば、投映位置の異なる複数の光源を備えて点灯する光源を切り換えるようにしてもよいし、後方信号灯18の光軸を移動する移動手段を備えて、光軸を移動することによって投映する路面位置を変更するようにしてもよい。
【0071】
点灯制御部52は、ブレーキスイッチ14によるブレーキ操作の検出に応じて、制動灯16及び後方信号灯18を連動して点灯する。また、点灯制御部52は、本実施形態では、車速センサ54によって検出した車速に応じて、後方信号灯18から路面に投映する光の位置を変更するようになっている。例えば、予め定めた車速未満の低速の場合には、図9(A)に示すように、自車両から所定の距離となる路面に光を投映し、予め定めた車速以上の高速の場合には、図9(B)に示すように、低速時よりも自車両から遠い距離となる路面に光を投映する。
【0072】
なお、後方信号灯18は、第1実施形態と同様に、図2(B)に示すように、フロントバンパの下部に設け、自車両の下面を介して車両後方路面へ光を投映可能な位置に設けるものとして説明するが、第2実施形態のようにドアミラーに設け、自車両の側方を通って、後方の路面に投映像を投映するようにしてもよい。
【0073】
続いて、上述のように構成された本発明の第3実施形態に係わる車両用信号灯装置50の作用について説明する。図10は、本発明の第3実施形態に係わる車両用信号灯装置50の点灯制御部52で行われる制御の流れを示すフローチャートである。
【0074】
まず、ステップ200では、車速が検出されてステップ202へ移行する。すなわち、車速センサ54の検出結果が点灯制御部52に入力される。
【0075】
ステップ202では、ブレーキスイッチ14がオンされたか否か点灯制御部52で判定され、該判定が否定された場合にはステップ204へ移行し、否定された場合にはステップ210へ移行する。
【0076】
ステップ204では、高速か否か点灯制御部52によって判定される。該判定は、車速センサ54によって検出した車速が予め定めた車速以上か否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ206へ移行し、肯定された場合にはステップ208へ移行する。
【0077】
ステップ206では、制動灯16が点灯されると共に、後方信号灯18が低速用投映位置となるように点灯されてステップ210へ移行する。すなわち、間近の後方車両に対しては、制動灯16の点灯によって自車両のブレーキ操作が報知され、間近の後方車両のさらに後方の車両に対しては、自車両の下面及び後方車両の下面を介して路面に投映される投映像によって自車両のブレーキ操作が報知される。
【0078】
一方、ステップ208では、制動灯16が点灯されると共に、後方信号灯18が高速用投映位置となるように点灯されてステップ210へ移行する。すなわち、間近の後方車両に対しては、制動灯16の点灯によって自車両のブレーキ操作が報知され、間近の後方車両のさらに後方の車両に対しては、後方信号灯18によって自車両の下面及び後方車両の下面を介して路面に投映像が投映されることによって自車両のブレーキ操作が報知される。
【0079】
ステップ210では、イグニッションスイッチがオフされたか否か判定され、該判定が否定さた場合にはステップ200に戻って上述の処理が繰り返され、ステップ210の判定が肯定されたところで一連の処理を終了する。
【0080】
このように本実施形態では、車速に応じて後方信号灯18から路面に投映される投映像の位置が変化するので、走行速度に応じたブレーキ操作の報知ができる。
【0081】
なお、第3実施の形態では、第1実施形態の車両用信号灯装置10において、車速に応じて後方信号灯18の光の投映位置を変更する場合について説明したが、これに限るものではなく、第2実施形態の車両用信号灯装置30において、車速に応じて後方信号灯(制動)38の光の投映位置を変更するようにしてもよいし、車速に応じて後方信号灯(方向指示)40の光の投映位置を変更するようにしてもよいし、車速に応じて、後方信号灯(制動)38と後方信号灯(方向指示)40の双方の投映像の投映位置を変更するようにしてもよい。また、車速の上昇と共に自車両から遠い位置に投映位置を変更するようにしてもよいし、車速の低下と共に自車両に近い位置に投映位置を変更するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる車両用信号灯装置の構成を示すブロック図である。
【図2】(A)は本発明の第1実施形態に係わる車両用信号灯装置の後方信号灯の概略車両搭載位置を示す図であり、(B)は後方信号灯の搭載位置を示す拡大図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係わる車両用信号灯の後方信号灯から路面に投映される投映像の位置を示す図である。
【図4】後方信号灯から路面に投映される投映像の一例を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係わる車両用信号灯装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係わる車両用信号灯装置の後方信号灯から路面に投映される投映像の一例を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係わる車両用信号灯装置の点灯制御部で行われる制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態に係わる車両用信号灯装置の構成を示すブロック図である。
【図9】(A)は低速時の後方信号灯から路面に投映される投映像の位置を示す図であり、(B)は高速時の後方信号灯から路面に投映される投映像の位置を示す図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係わる車両用信号灯装置の点灯制御部で行われる制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
10 車両用信号灯装置
12、32、52 点灯制御部
14 ブレーキスイッチ
16 制動灯
18 後方信号灯
34 方向指示スイッチ
36 方向指示灯
38 後方信号灯(制動)
40 後方信号灯(方向指示)
54 車速センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の後方路面に向かって光を投映する投映手段と、
自車両の動きを検出する検出手段の検出結果に応じて、前記検出手段の検出結果を表す投映像を路面に投映するように前記投映手段を制御する制御手段と、
を備えた車両用信号灯装置
【請求項2】
前記投映手段は、自車両の前方下面または自車両の側方に配置され、後方路面に向かって光を投映することを特徴とする請求項1に記載の車両用信号灯装置。
【請求項3】
前記投映手段は、間近の後方車両の側方または下部を通って路面に投映された投映像を前記間近の後方車両のさらに後方の車両が認識できる位置に設けることを特徴とする請求項1に記載の車両用信号灯装置。
【請求項4】
前記投映手段が、ブレーキ操作を表す投映像を路面に投映し、前記検出手段が、ブレーキ操作を検出し、前記制御手段が、前記検出手段によってブレーキ操作を検出した場合に、前記投映像が路面に投映されるように前記投映手段を制御することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用信号灯装置。
【請求項5】
前記投映手段が、方向指示操作を表す投映像を路面に投映し、前記検出手段が、方向指示操作を検出し、前記制御手段が、前記検出手段によって方向指示操作を検出した場合に、前記投映像が路面に投映されるように前記投映手段を制御することを特徴とする請求項1〜3に記載の車両用信号灯装置。
【請求項6】
前記投映手段は、制動灯及び方向指示灯の少なくとも一方に連動して、路面に向かって光を投映することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用信号灯装置。
【請求項7】
前記投映手段が、路面への光の投映位置が変更可能とされ、前記制御手段が、自車両の車速に応じて前記投映位置を変更するように、前記投映手段を制御することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両用信号灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−113540(P2009−113540A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−285893(P2007−285893)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】