説明

車両用前照灯

【課題】光軸に直交する水平線よりも上を照明することができるようにする。
【解決手段】車両用前照灯1が、発光源52を有したバルブ50と、発光源52又はその近傍に第一焦点F1を有し、第一焦点F1の前方に第二焦点F2を有し、発光源52から発した光を前方に反射する反射面11と、バルブ50の前方に配置され、第二焦点F2又はその近傍に後ろ側焦点F3を有し、その焦点F3から前方に延びる光軸Axを有する投影レンズ60と、投影レンズ60とバルブ50の間に配置され、後ろ側焦点F3又はその近傍で左右に延びた上縁81を有し、反射面11によって反射された光の一部を遮光するシャッター80と、を備える。シャッター80及びその上縁81の左右方向の幅が、投影レンズ60の有効径Dよりも短い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用前照灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプロジェクター型前照灯では、投影レンズが楕円面系リフレクターの前に配置され、シャッターの上縁が投影レンズの後ろ側焦点近傍に配置され、バルブのフィラメントが楕円面系リフレクターの第一焦点近傍に配置され、楕円面系リフレクターの第二焦点が投影レンズの後ろ側焦点近傍に配置されている(例えば、特許文献1参照)。バルブのフィラメントから発した光が楕円面系リフレクターによって前方に反射され、その反射光の一部がシャッターによって遮光され、シャッターの上縁の上を前へ通過した光が投影レンズによって前方に投影される。シャッターの上縁が投影レンズの後ろ側焦点近傍に配置されているから、シャッターの上縁の形状がカットオフラインとして前方に反転投影され、カットオフラインが明部の上限となるすれ違いビーム用配光が形成される。カットオフラインは、車両に正対する仮想スクリーンにおいて、光軸に直交する水平線に沿って形成される。従って、光軸に直交する水平線よりも上には光が照射されず、その水平線よりも上の領域が暗部になり、これにより対向車の運転手の眩惑を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−1306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のプロジェクター型前照灯は、光軸に直交する水平線よりも上に光を照射しないから、車両前方の上の看板や標識を照明することができない。特に自動二輪車の場合、コーナリング時に自動二輪車が左又は右に傾くので、従来のプロジェクター型前照灯によって形成されるカットオフラインが水平線に対して斜めになる。そのため、進行方向がプロジェクター前照灯によって照明されない。進行方向を照明するべく、追加のランプユニットを利用する技術もあるが(例えば、特許文献1参照)、追加のランプユニットの分だけコストが嵩んでしまう。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、光軸に直交する水平線よりも上を照明することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明に係る車両用前照灯は、
発光源を有したバルブと、
前記バルブの前記発光源又はその近傍に第一焦点を有し、前記第一焦点の前方に第二焦点を有し、前記発光源から発した光を前方に反射する反射面と、
前記バルブの前方に配置され、前記第二焦点又はその近傍に後ろ側焦点を有し、その後ろ側焦点から前方に延びる光軸を有する投影レンズと、
前記投影レンズと前記バルブの間に配置され、前記投影レンズの前記後ろ側焦点又はその近傍で左右に延びた上縁を有し、前記反射面によって反射された光の一部を遮光するシャッターと、を備え、
前記シャッター及びその上縁の左右方向の幅が、前記投影レンズの有効径よりも短く、
前記投影レンズが、前記反射面によって反射されて前記シャッターの上縁の上を前に通過する光を、前記光軸に直交する水平線よりも下に照射し、
前記投影レンズが、前記反射面によって反射されて前記シャッターの左右両脇を前に通過する光を、前記光軸に直交する水平線よりも上に照射する。
【0007】
好ましくは、前記投影レンズが、前記反射面によって反射されて前記シャッターの左脇を前に通過する光と、前記反射面によって反射されて前記シャッターの右脇を前に通過する光とのうちの一方を前記光軸に直交する水平線よりも上であって前記光軸に直交する鉛直線よりも右に照射し、他方を前記光軸に直交する水平線よりも上であって前記光軸に直交する鉛直線よりも左に照射する。
【0008】
好ましくは、前記光軸が、前記シャッターの前記上縁の左右方向の中心を通る。
【0009】
好ましくは、前記バルブが、前記発光源が封入されたガラス管と、前記ガラス管の中に封入されているとともに前記発光源の下側を囲うように設けられたフードと、を有したH4バルブであり、
前記バルブは、前記フードが正面視で前記光軸を基準として左右対称となるように配置されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シャッター及びその上縁の左右方向の幅が投影レンズの有効径よりも短いから、反射面によって反射されてシャッターの左右両脇を前に通過する光が投影レンズによって光軸に直交する水平線よりも上に照射される。よって、車両前方の上領域が照明される。そのため、車両が自動二輪車である場合に、自動二輪車が左右に傾いても、進行方向が照明され、安全な走行に貢献することができる。
投影レンズの焦点のすぐ近くの下を前に通過した光ではなく、シャッターの左右両脇を前に通過する光が、投影レンズによって、光軸に直交する水平線よりも上に照射される。そのため、その光によって形成される明部は明るすぎず、対向車の運転手の眩惑要因にならない。
この車両用前照灯によって車両前方の上領域が照明されるから、他の追加ランプを必要とせず、コストアップを招かない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用前照灯の正面図である。
【図2】II−IIに沿った切断面を矢印方向に見て示した断面図である。
【図3】変形例に係る車両用前照灯の正面図である。
【図4】変形例に係る車両用前照灯の正面図である。
【図5】同実施形態に係る車両用前照灯の配光特性を示した図面である。
【図6】自動二輪車が左に傾いた場合の配光特性を示した図面である。
【図7】変形例に係る車両用前照灯の配光特性を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0013】
以下の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、それぞれ、車両用前照灯が装備された車両の「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」である。従って、車両の後ろから前に向かって見て(いわゆる運転手の視点で見て)、「左」、「右」を定める。
【0014】
図1は、車両用前照灯1の正面図である。図2は、図1に示されたII−IIに沿った面を矢印方向に見て示した断面図である。図2に示す断面は、車両用前照灯1の光軸Axを通って水平面に対して直交する鉛直面に沿った断面である。
【0015】
この車両用前照灯1は、プロジェクター型の前照灯であって、特に自動二輪車の前面に取り付けられるものである。また、この車両用前照灯1は車両の前方にすれ違いビーム用の配光を形成するものであり、走行ビーム用配光を形成する灯具とこの車両用前照灯1を組み合わせて用いることで、走行ビーム用配光とすれ違いビーム用配光の切換を行う。
【0016】
図2に示すように、この車両用前照灯1は、リフレクター10、立壁40、バルブ50、投影レンズ60、レンズホルダー70及びシャッター80等を備える。
【0017】
バルブ50はハロゲン電球、白熱電球、放電灯(例えば、高輝度放電灯(HID)、高圧金属蒸気放電灯等)その他のバルブである。バルブ50はガラス管51及び発光源52等を有し、発光源52が筒状のガラス管51内に封入されている。発光源52はフィラメント又は放電部である。
【0018】
リフレクター10及び立壁40が一体成型されて、リフレクター10及び立壁40からなる一体成型品が構成されている。
【0019】
リフレクター10は、バルブ50の発光源52の上下左右及び後ろを囲うように椀状に設けられているとともに、前方に向けて開口している。リフレクター10は楕円面型のリフレクターであり、楕円面型凹面状に形成された反射面11がリフレクター10の前側内面に形成されている。反射面11は、前後方向に延びた光軸Axを回転軸とした回転楕円面若しくはその回転楕円面を上下につぶした扁平楕円面又はこれらを基調とした自由曲面である。例えば、反射面11は、光軸Axを回転軸とした回転楕円面を基調とした自由曲面であって、その離心率が鉛直断面から水平断面に向かって徐々に大きくなるように形成されている。なお、反射面11は、光軸Axよりも上側の領域と下側の領域で異なる楕円面を複合した複合楕円面であってもよい。
【0020】
反射面11が楕円面型凹面状に形成されているので、反射面11が第一焦点F1、第二焦点F2及び光軸を有する。第一焦点F1は反射面11の後部頂点よりも前方に設定され、その第一焦点F1の前方に第二焦点F2が設定され、第一焦点F1及び第二焦点F2を通る光軸が設定される。反射面11の光軸は、車両用前照灯1の光軸Axに一致する。
【0021】
リフレクター10には、バルブ50が装着されている。具体的には、リフレクター10の後部頂点部分には装着孔12が前後に貫通するように形成され、バルブ50のガラス管51がリフレクター10の後ろから装着孔12に差し込まれ、そのガラス管51がリフレクター10の内側にまで突き出ているとともに前後方向に延在している。ガラス管51の中心線が光軸Axに平行であり、好ましくは光軸Axに一致する。バルブ50の発光源52が反射面11の第一焦点F1又はその近傍に配置されている。
【0022】
反射面11は、バルブ50の発光源52から発した光を前方に反射する。バルブ50の発光源52が反射面11の第一焦点F1又はその近傍に配置されているから、バルブ50の発光源52から発して反射面11によって反射された光が第二焦点F2に集光される。
【0023】
バルブ50がダブルフィラメント型のH4バルブである場合、図1に示すように、フード53がガラス管51の中に封入され、そのフード53が発光源52の下側を囲うように設けられ、発光源52から下側に向かう光がフード53によって遮光される。フード53を正面から見ると、フード53の形状は中心角が鈍角(例えば165°)な扇形であり、中心角を挟む二つの半径のうち一方が水平であり、もう一方の半径が径外方向下りに傾斜している。発光源52は、二つのフィラメントのうち、すれ違い用のフィラメントである。なお、図3に示すように、光軸Axを中心にしてバルブ50の配置位置を回転させるようにしてバルブ50をリフレクター10に取り付け、フード53を正面から見て、フード53の中間角が上端となり、その中心角を挟む二つの半径が径外方向下りに傾斜し、フード53が光軸Axを基準として左右対称となっていてもよい。
【0024】
図2に示すように、リフレクター10の前端部には、立壁40が連結されている。立壁40は、リフレクター10の前端部から前に延びている。立壁40は、バルブ50の前の領域の上下左右を囲うように筒状に設けられている。
【0025】
リフレクター10、立壁40及びバルブ50の前方には、投影レンズ60が配置されている。投影レンズ60がレンズホルダー70の内側に取り付けられ、そのレンズホルダー70が立壁40の前端部に取り付けられている。投影レンズ60は凸レンズである。投影レンズ60は、後ろ側焦点F3を有するとともに、後ろ側焦点F3を通って前後に延びる光軸を有する。投影レンズ60の光軸は、灯具としての光軸Axに一致する。投影レンズ60の後ろ側焦点F3は、反射面11の第二焦点F2又はその近傍に位置している。
【0026】
投影レンズ60とバルブ50との間には、反射面11によって反射された光の一部を遮光するシャッター80が配置されている。シャッター80は、光軸Axの下に配置されている。図1に示すように、シャッター80の左右両端の下部には脚部82が設けられ、脚部82が立壁40に連結されることで、シャッター80が立壁40に固定されている。
【0027】
シャッター80は、左右方向に延びた上縁81を有する。図2に示すように、シャッター80の上縁81は、焦点F2,F3又はその近傍に位置している。図1に示すように、シャッター80及びその上縁81の左右方向の幅は投影レンズ60の有効径D(特に、水平方向の有効径)よりも短く、光軸Axはシャッター80の上縁81の左右方向の中心を通る。シャッター80の上縁81のうち中央部81aは略水平であり、中央部81aの左右両側81bが側方に向かって下りに傾斜している。なお、図4に示すように、シャッター80の上縁81全体が、左右に延びて水平な面であってもよい。
【0028】
続いて、バルブ50の発光源52から発した光の進行について説明する。
バルブ50の発光源52が点灯すると、発光源52から反射面11に向かう光が反射面11によって前方に反射され、その反射光が反射面11によって焦点F2,F3に集光される。焦点F2,F3に集光される光の一部がシャッター80の上縁81の上を前へ通過し、その光が投影レンズ60によって前方に投影される。また、焦点F2,F3に集光された光の一部がシャッター80によって遮光される。更に、反射面11によって反射された光の一部が焦点F2,F3又はその近傍に集光されず、シャッター80の左右両脇(図1に示す領域A)を前へ通過し、その光が投影レンズ60によって前方に投影される。
【0029】
図5を参照して、車両用前照灯1の配光特性について説明する。図5は、車両用前照灯1から前方に所定距離離れて車両に正対する仮想スクリーンに形成される配光パターンを示したものである。図5では、自動二輪車が直立した場合に、車両用前照灯1の光軸Axを通る水平面と仮想スクリーンの交線がH−H線として示され、光軸Axを通る鉛直面と仮想スクリーンの交線がV−V線として示され、H−H線とV−V線の交点が車両用前照灯1の光軸Axと仮想スクリーンの交点である。光軸Axは、H−H線及びV−V線に対して直交する。
【0030】
発光源52から反射面11に向かう光が反射面11によって反射されると、その反射光の一部が焦点F2,F3近傍でシャッター80によって遮光される。そのため、図5に示すように、反射面11によって反射されてシャッター80の上縁81の上を通過する光は投影レンズ60によってH−H線よりも下に照射され、明部B1が車両前方の仮想スクリーンのH−H線の下に形成される。また、後ろから見たシャッター80の上縁81の像が投影レンズ60によって上下左右に反転して前方に投影されるから、その反転像が明部B1とそれよりも上の暗部を区切る明暗境界線(カットオフライン)L1として仮想スクリーンに形成される。シャッター80の上縁81の中央部81aが焦点F2,F3又はそれの近傍に位置した水平な面であるから、明暗境界線L1がH−H線に沿った直線となる。
【0031】
反射面11によって反射された光の一部が焦点F3よりも下においてシャッター80の左右両脇を前に通過するから、その光は投影レンズ60によって主にH−H線よりも上に照射され、明部B2,B3が仮想スクリーンのH−H線の上に形成される。ここで、シャッター80の左脇を前に通過する光は、主に、H−H線の上であってV−V線の右に主に照射され、シャッター80の右脇を前に通過する光は、主に、H−H線の上であってV−V線の左に照射される。これは、焦点面(焦点F3を通って光軸Axに直交する面)の像が投影レンズ60によって上下左右に反転して投影されるためである。なお、反射面11の一部、投影レンズ60の後ろ側入射面の一部又は投影レンズ60の前側入射面の一部の向きや曲率等を適宜変更することによって、シャッター80の左脇を前に通過する光は、主に、H−H線の上であってV−V線の左に主に照射され、シャッター80の右脇を前に通過する光は、主に、H−H線の上であってV−V線の右に照射されてもよい。
【0032】
明部B2,B3の形成に寄与する光は、焦点F3から離れた位置においてシャッター80の左右両脇を前に通過し、焦点F3近傍を通過しない。そのため、明部B2,B3がぼけた明部となり、明暗境界線L1が不明瞭になることはない。
【0033】
反射面11によって反射された光のうち、シャッター80の上縁81の上を前に通過する光束は、シャッター80の左右両脇を前に通過する光束よりも大きい。そのため、明部B2,B3が明部B1ほど明るくなく、明暗境界線L1が不明瞭になることはない。
【0034】
図3に示すように、バルブ50のフード53が左右対称となるようにバルブ50が装着されていれば、明部B2と明部B3が均等な明るさになる。
【0035】
以上の実施の形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1) 自動二輪車が直立していれば、明部B2,B3がH−H線の上に形成されるから、自動二輪車の前方上の看板や標識等を照明することができる。
(2) 自動二輪車がコーナリングして左に傾いていれば、明部B2によって進行方向の路面を照明し(図6参照)、自動二輪車が右に傾いていれば、明部B3によって進行方向の路面を照明することができる。よって、進行方向の視認性が向上し、安全な走行に貢献することができる。
(3) 明部B2,B3が明部B1ほど明るくないので、対向車の運転手が明部B2,B3によって眩惑されない。
(4) 一つのバルブ50によって明部B1,B2,B3を自動二輪車前方に形成することができるから、追加のランプユニットを必要としない。そのため、コストアップを招かない。
【0036】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、幾つかの変形例を挙げる。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。
【0037】
〔変形例1〕
図7に示すように、シャッター80の左右両脇を通過して投影レンズ60によって投影される光は、V−V線の左右に分かれずに、H−H線の上の全体的な明部B4を形成してもよい。つまり、シャッター80の左脇を前に通過する光は、投影レンズ60によって、V−V線を中心にしてH−H線の上に照射され、シャッター80の右脇を前に通過する光は、投影レンズ60によって、V−V線を中心にしてH−H線の上に照射されてもよい。このような明部B4の形成は、反射面11の一部、投影レンズ60の後ろ側入射面の一部又は投影レンズ60の前側入射面の一部の向きや曲率等を適宜変更することによって実現可能である。
【0038】
〔変形例2〕
シャッター80の上縁81(図1の場合、上縁81の中央部81aであり、図4の場合、上縁81全体)のうち光軸Axよりも右側の部分と光軸Axよりも左側の部分が段差となっていてもよい。そうすれば、カットオフラインも左右で段違いとなる。
【0039】
〔変形例3〕
シャッター80が立壁40等に固定されているのではなく、シャッター80がアクチュエータによって上述した位置から前や後ろに倒れたり、上述した位置から下に移動したりするものとしてもよい。シャッター80がアクチュエータによって上述の位置に移動させられると、すれ違いビーム用の配光が形成され、シャッター80がアクチュエータによって上述の位置から退避させられると、走行ビーム用の配光が形成される。
【0040】
〔変形例4〕
車両用前照灯1が自動四輪車用であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 車両用前照灯
10 リフレクター
11 反射面
50 バルブ
51 ガラス管
52 発光源
53 フード
60 投影レンズ
80 シャッター
81 上縁
F1,F2,F3 焦点
Ax 光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光源を有したバルブと、
前記バルブの前記発光源又はその近傍に第一焦点を有し、前記第一焦点の前方に第二焦点を有し、前記発光源から発した光を前方に反射する反射面と、
前記バルブの前方に配置され、前記第二焦点又はその近傍に後ろ側焦点を有し、その後ろ側焦点から前方に延びる光軸を有する投影レンズと、
前記投影レンズと前記バルブの間に配置され、前記投影レンズの前記後ろ側焦点又はその近傍で左右に延びた上縁を有し、前記反射面によって反射された光の一部を遮光するシャッターと、を備え、
前記シャッター及びその上縁の左右方向の幅が、前記投影レンズの有効径よりも短く、
前記投影レンズが、前記反射面によって反射されて前記シャッターの上縁の上を前に通過する光を、前記光軸に直交する水平線よりも下に照射し、
前記投影レンズが、前記反射面によって反射されて前記シャッターの左右両脇を前に通過する光を、前記光軸に直交する水平線よりも上に照射することを特徴とする車両用前照灯。
【請求項2】
前記投影レンズが、前記反射面によって反射されて前記シャッターの左脇を前に通過する光と、前記反射面によって反射されて前記シャッターの右脇を前に通過する光とのうちの一方を前記光軸に直交する水平線よりも上であって前記光軸に直交する鉛直線よりも右に照射し、他方を前記光軸に直交する水平線よりも上であって前記光軸に直交する鉛直線よりも左に照射することを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
【請求項3】
前記光軸が、前記シャッターの前記上縁の左右方向の中心を通ることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用前照灯。
【請求項4】
前記バルブは、前記発光源が封入されたガラス管と、前記ガラス管の中に封入されているとともに前記発光源の下側を囲うように設けられたフードと、を有したH4バルブであり、
前記バルブは、前記フードが正面視で前記光軸を基準として左右対称となるように配置されていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の車両用前照灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−54902(P2013−54902A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192221(P2011−192221)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】