説明

車両用可動バンパー構造

【課題】車両の衝突を予測した際に必要なバンパーの突出を、コンパクトな構造で実現できるため、軽自動車や貨物自動車のような車体とバンパーとの間に空間を確保し難い車両であっても、十分なクラッシュストロークを確保できる。
【解決手段】車両200に設けた衝突予知検出手段が、当該車両200の衝突物に対する衝突を予測し、該車両200に装着したバンパーを衝突物に向けて押し出し可能とする車両用可動バンパー構造において、前記バンパーを装着可能なバンパービーム10と、衝突物方向に向けて回動して、前記バンパービーム10を押し出すアーム20と、当該アーム20の先端部と前記バンパービーム10との間に設けられ、当該バンパービーム10に対してアーム20を摺動自在とするスライド機構30と、当該アーム20の後端部に装着されて、前記衝突予知検出手段からの信号に基づき当該アーム20を回動させるモータ40とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が衝突を予知した時に、当該車両の前部又は後部に装着したバンパーを衝突物方向に向けて突出させ、平常時よりも長いクスラッシュストロークを創出可能とする車両用可動バンパー構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
衝突物に対して車両が前面から衝突する場合を想定すると、当該車両に対しては成るべく長いクラッシュストロークを設定したい。その理由は、衝突物に対して車両が衝突した場合には衝撃エネルギーが発生することとなるが、クラッシュストロークが長ければ長いほど、車体が多くの衝撃エネルギーを吸収するため、乗員に及ぶ衝撃を軽減することが可能となり、高い衝突安全性能を実現できるからである。小型車に比して大型車が安全と云われる所以は、この点に由来するところが大きい。しかし、軽自動車や貨物自動車のように、構造上、長いクラッシュストロークを確保することが困難な車両も存在する。とりわけ小型車に対するユーザーのニーズが高まっている現代において、小型車であっても高い衝突安全性能を実現する必要がある。
【0003】
その一方で、平常時での使用を想定すると、当該車両のノーズ長は成るべく短く設定したい。斯様に設定することにより、狭い場所においても車両の運転が容易となり、更には乗員の居住空間を広くすることも可能となる。但し、あまりにこの点を優先し過ぎると、上記の衝突安全性能を犠牲にする結果となってしまう。
【0004】
かかる問題点を解決する手段として、特許文献1に記載の技術が従来より開示されている。この特許文献1に記載の技術というのは、フロントクロスメンバ13(符号は文献記載のものを使用した。以下同様。)とフロントバンパー4との間に設けた伸縮機構(スクリューロッド20、アーム部材26i,26o、他)で車速の増加に応じてフロントバンパー4を前方へ移動させ、車体前部の潰れ代(クラッシュストローク)を拡大し、衝突時の衝撃吸収能力を増加させるものである。
【0005】
しかしこの特許文献1に記載の技術では、衝突物が例えば歩行者の場合、歩行者が受ける衝撃が大きくなってしまう可能性も否定できない。
【0006】
上記特許文献1に記載の技術の問題点を解決する手段として、特許文献2に記載の技術が開示されている。この特許文献2に記載の車両のバンパー装置10は、バンパービーム15を中央ダンパ手段21,21と左部ダンパ手段22と右部ダンパ手段23とによって支持し、衝突物および衝突物がバンパービームに衝突する際の衝突形態に応じて、中央ダンパ手段、左部ダンパ手段および右部ダンパ手段の減衰力をそれぞれ変化させるものである。かかる構成によれば、対車両衝突時には衝撃吸収を可能とする一方で、対歩行者衝突時においてはバンパーを車両側に変形させ、言わば歩行者を包み込むこととなって歩行者に与える衝撃を最小限に抑えることが可能となる。
【0007】
斯様な効果を奏する点において、上記特許文献2に記載の技術は非常に優れた技術ではあるものの、如何せん、歩行者と衝突した際には、バンパーを車体側に変形させるために所定の長さが必要となり、バンパーの前後長が短い車両(特に小型車)には上記技術を適用することができない。
【特許文献1】特開平10−203410号公報(図2)
【特許文献2】特開2003−154908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の諸問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は以下の通りである。
【0009】
まず、衝突物に対して車両が衝突する直前にバンパーを突出させるものとしたことにより、平常時は広い居住空間を確保し、衝突を予測した時にだけ充分なクラッシュストロークを確保でき、広い居住空間と高い衝突安全性能の両立が可能となる。
【0010】
また、上記バンパーの突出をコンパクトな構造で実現することにより、軽自動車や貨物自動車のようなクラッシュストロークを長く確保することが困難な車両に対しても、十分なクラッシュストロークを確保でき、高い衝突安全性能を提供することが可能となる。
【0011】
さらに、歩行者との衝突に際しては、当該歩行者の下肢を押し出すことによって該歩行者をすくい上げてボンネットの辺りで受け止めることとなるため、歩行者保護性能を向上させることも可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明の採った手段は以下の通りである。
【0013】
まず請求項1に係る発明は、車両200に設けた衝突予知検出手段が、当該車両200の衝突物に対する衝突を予測し、該車両200に装着したバンパーを衝突物に向けて押し出し可能とする車両200用可動バンパー構造において、前記バンパーが装着可能であって、車両200の前後方向に向けて進退可能なバンパービーム10と、衝突物方向に向けて回動して、前記バンパービーム10を押し出すアーム20と、当該アーム20の後端部に装着されて、前記衝突予知検出手段からの信号に基づき該アーム20を回動させるモータ40と、前記アーム20の先端部と前記バンパービーム10との間に設けられ、該アーム20が回動した際にはバンパービーム10に対して摺動自在とするスライド機構30と、を有することを特徴とするものである。
【0014】
次に請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両200用可動バンパー構造において、請求項1に記載の車両200用可動バンパー構造において、バンパービーム10に接続され、当該バンパービーム10に追従して車両200の前後方向に向けて進退するシャフト50と、車両200の前部又は後部に設けられると共に前記シャフト50が挿通され、当該車両200が衝突した際には前記シャフト50の前後方向への挿通を規制するロック機構60と、を有することを特徴とするものである。
【0015】
また請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両200用可動バンパー構造において、バンパービーム10は、第1バンパービーム11と、当該第1バンパービーム11よりも下側に配置される第2バンパービーム12とからなり、アーム20の先端部における、第1バンパービーム11の接続位置の延長上に第2バンパービーム12を接続して、前記アーム20が衝突物方向に向けて回動することにより、前記第2バンパービーム12が第1バンパービーム11よりも更に衝突物方向へと押し出されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
上記手段により得られる作用効果は以下の通りである。
【0017】
請求項1に係る発明の車両200用可動バンパー構造にあっては、まず、車両200に設けた衝突予知検出手段が、当該車両200の衝突物に対する衝突を予測した時点で信号を発信し、制御装置を介してモータ40を駆動させる。当該モータ40には棒状部材からなるアーム20が接続されており、該モータ40が駆動することによって該モータ40の出力軸を中心としてアーム20が回動する。当該アーム20が回動する前にあっては、該アーム20はバンパービーム10に対し略平行(0°から45°の範囲内)であって該バンパービーム10を車体側に引き寄せた状態となる。一方、当該アーム20が回動した後にあっては、該アーム20はバンパービーム10に対し略垂直(46°から120°の範囲内)となり、該アーム20の先端部がバンパービーム10を押し出した状態となる。尚、前記アーム20の先端とバンパービーム10との間にはスライド機構30が設けられており、当該スライド機構30によって、アーム20の回動(曲線運動)をバンパービーム10の突出(直線運動)へとスムースに変換することとなる。
【0018】
即ち、本請求項に係る発明によれば、上記バンパーの突出をコンパクトな構造で実現できるため、軽自動車や貨物自動車のような車体とバンパーとの間に空間を確保し難い車両200であっても、十分なクラッシュストロークを確保できる。即ち、車両200形式の如何を問わず、高い衝突安全性能を備えた車両200を提供することが可能となるのである。
【0019】
また、請求項2に係る発明の車両200用可動バンパー構造にあっては、車両200が衝突した際に、バンパービーム10に接続されたシャフト50の挿通をロック機構60が規制して、該シャフト50がバンパービーム10と車体との間で突っ張ることとなり、該シャフト50が徐々に圧壊することとなる。
【0020】
即ち、本請求項に係る発明によれば、車両200衝突時においては、当該シャフト50が徐々に圧壊することによって衝撃を吸収し、乗員に及ぶ衝撃を軽減することが可能となるのである。
【0021】
そして、請求項3に係る発明の車両200用可動バンパー構造にあっては、衝突時にアーム20が衝突物方向に向けて回動した際には、前記第2バンパービーム12が第1バンパービーム11よりも更に衝突物方向へと押し出されるものである。
【0022】
即ち、本請求項に係る発明によれば、歩行者との衝突に際しては、当該歩行者の下肢を押し出して該歩行者をすくい上げ、ボンネットの辺りで受け止めることとなるため、歩行者の車両200下部への巻き込み、及び、歩行者の下肢、膝への衝撃を軽減できるため、歩行者保護性能を向上させることが可能となるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る車両200用可動バンパー構造を、好適な実施例を用いて説明する。図1乃至図5は、実施例1に係る車両200用可動バンパー構造を示すものである。尚、図面は符号の向きに見るものとする。「左」「右」は運転者から見た方向、「前」は前進方向、「後」はその逆方向を意味する。
【0024】
まず図1又は図5に示すように、本実施例に係る車両用可動バンパー構造は、車両200の前部に装着されるものであり、図2に示すように、バンパービーム10とアーム20とスライド機構30とモータ40とシャフト50とロック機構60とを有するものである。以下、各構成要素毎に説明する。
【0025】
まず、バンパービーム10は、車両外装としてのアウターバンパー13と衝撃吸収剤としてのインナーバンパー14とが装着されるものであって、後述するアーム20が回動することにより車両200の前後方向へと進退するものである。本実施例において当該バンパービーム10は、第1バンパービーム11と第2バンパービーム12とから構成している。第1バンパービーム11は他の車両や構造物等に対する衝突に備えるものであり、第2バンパービーム12は歩行者に対する衝突に備えるものである。この第2バンパービーム12は、衝突時においては第1バンパービーム11よりも更に前方へ突出し、歩行者の下肢部に接触させて該歩行者をすくい上げて、ボンネットの辺りで受け止めることとなる。
【0026】
アーム20は、棒状部材からなるものであって、後述するモータ40により回動して上記バンパービーム10を押し出すものである。このアーム20を棒状部材にて構成することにより、バンパービーム10に対して略平行状態にあるときは車両200の前後方向に占める寸法を短くすることができ、その一方で、バンパービーム10に対して略垂直状態にあるときは車両200の前後方向に占める寸法を長くすることができる。本実施例において当該アーム20は、図1又は図2に示すように、車両200の左右にそれぞれ配置した一対のモータ40の出力軸にそれぞれ接続された棒状部材によって構成している。そして、この棒状部材におけるモータ40とは反対側の端部には、リンク機構を介して第1バンパービーム11と第2バンパービーム12とが接続されている。ここでリンク機構というのは、図3(b)に示すように、当該アーム20に穿設した貫通孔と其処へ挿通されるボルトから構成されるものである。尚、当該アーム20に関しては、棒状部材に代えて(又は、当該棒状部材の端部或いは内部に)ショックアブソーバーを配置することにより、車両衝突時の衝撃を軽減させることも考えられる。
【0027】
スライド機構30は、上記バンパービーム10とアーム20との間に設けられ、アーム20の回動(曲線運動)をバンパービーム10の突出(直線運動)へと変換するものである。本実施例において当該スライド機構30は、図4に示すように、バンパービーム10の背面に接続されるアウターメンバー31と、前記リンク機構を介して上記アーム20が接続されるインナーメンバー32と、これらアウターメンバー31とインナーメンバー32との間に介在し、プレート状のリテーナー33にて保持された複数のローラーボール34とから構成されている。そして当該スライド機構30は、前記第1バンパービーム11及び第2バンパービーム12の背面における左右2箇所に、各々設けられている。
【0028】
モータ40は、車両200に設けた衝突予知検出手段が当該車両200の衝突物に対する衝突を予測した時点で発信した信号に基づき駆動するものである。当該モータ40の出力軸には上記アーム20が接続されており、該モータ40の駆動によって上記アーム20を回動させることとなる。本実施例において当該モータ40は、図1又は図2に示すように、車両200の左右にそれぞれモータ40が1基ずつ配置され、各々の出力軸には棒状部材からなるアーム20がそれぞれ接続されている。これら2基のモータ40はそれぞれ制御装置に接続されており、両モータ40の出力軸の回転を同期(シンクロナイズ)させている。かかる構成によれば、左右両方のモータ40が同時に回動を開始するため、バンパービーム10を真っ直ぐ前方(又は後方)に向けて確実に突出させることが可能となる。
【0029】
シャフト50は、バンパービーム10に固定されて当該バンパービーム10に追従して前後方向(進退歩行)に移動可能とし、車両200が衝突した際には車体とバンパービーム10との間において突っ張ることとなって、衝突時に発生する衝撃を吸収するものである。本実施例においては、当該シャフト50の一端を第1バンパービーム11の裏側に固定すると共に、他端を後述するロック機構60内へと挿通している。そして車両衝突時にあっては、当該シャフト50が徐々に圧壊することによって衝撃を吸収し、乗員に及ぶ衝撃を軽減することが可能となるのである。
【0030】
ロック機構60は、車両フレーム210の前部両側に形成したフランジ211に設けられて上記シャフト50を挿通させるものとし、当該車両200が衝突した際には上記シャフト50の移動を規制するものである。本実施例において当該ロック機構60は環状のクラッチを採用し、上記シャフト50を挿通可能としている。即ち、衝突予知検出手段が当該車両200の衝突物に対する衝突を予測した際には、モータ40の作動に伴ってアーム20が回動してバンパービーム10が突出し、当該バンパービーム10に上記シャフト50が追従して、当該クラッチ内を挿通することとなる。そして、車両200の衝突が回避された際には前記モータ40が反転し、バンパービーム10が元の位置に復帰して、当該バンパービーム10の復帰に伴って上記シャフト50が環状クラッチ内を挿通することとなる。一方、車両200の衝突が回避されなかった際には、当該環状クラッチ(ロック機構60)が上記シャフト50の挿通を規制して、該シャフト50を車体とバンパービーム10との間において突っ張らせることとなる。
【0031】
続いて、本実施例に係る車両用可動バンパー構造を、車両200に装着した状態での作動状況を説明する。まず平常時にあっては、図2(a)又は図5(a)に示すように、バンパーを車体側に引き寄せた状態にある。その一方で、車両200に設けた衝突予知検出手段(レーダー220)が当該車両200の衝突物に対する衝突を予測した際には、該衝突予知検出手段が信号を発信し、制御装置を介してモータ40が駆動し、該モータ40の出力軸を中心としてアーム20が回動して、図2(b)又は図5(b)に示すように、該アーム20の先端部がバンパービーム10を押し出した状態となる。本実施例では、衝突予知検出手段の信号発信から約0.3秒で、バンパービーム10を約150mmほど衝突物方向へと突出させるものとしている。
【0032】
そして、上記車両200に対する衝突が回避された場合にあっては、前記モータ40が反転し、図2(a)又は図5(a)に示すように、再びバンパーを車体側に引き寄せることとなる。その一方で、上記車両200に対する衝突が回避されなかった場合にあっては、車体に設けたロック機構60が作動し、バンパービーム10に接続されたシャフト50の挿通を規制して、該シャフト50がバンパービーム10と車体との間で突っ張ることとなり、当該シャフト50が徐々に圧壊することによって衝撃を吸収し、乗員に及ぶ衝撃を軽減する。
【0033】
また、衝突時にアーム20が衝突物方向に向けて回動した際には、図2(b)又は図5(b)に示すように、第2バンパービーム12が第1バンパービーム11よりも更に約30mmほど衝突物方向へと押し出されている。そのため、歩行者との衝突に際しては、当該歩行者の下肢を押し出して該歩行者をすくい上げ、ボンネットの辺りで受け止めることとなる。
【0034】
尚、上記シャフト50及びロック機構60は、本発明の実施形態によっては必ずしも必須の構成要素ではなく、上記アーム20の強度を高めることにより、当該シャフト50及びロック機構60の役割を担わせることが可能とも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
上記実施例では、車両200の前部とフロントバンパーとの間に車両用可動バンパー構造を設けるものとしたが、本発明は特段この構成に限定されるものではなく、車両200の後部とリアバンパーとの間に設けて、当該車両200の後部に対する追突時に際しクラッシュストロークを確保するものとしてもよい。
【0036】
また、上記実施例では、車両200のフロントグリル内に設けられたレーダー220(衝突予知検出手段)により衝突の予測を行うものとしたが、本発明は特段この構成に限定されるものではない。実際に車両200を走行させる状況下では、前記レーダー220が検知可能な範囲外から歩行者が飛び出すこともあり得る。そこで、フットブレーキペダルの踏み込み速度を検知することにより衝突物との衝突を予測し、バンパーを突出させてもよい。より具体的には、本発明に係るバンパーの突出をブレーキアシストに連動させることが好適と考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る車両用可動バンパー構造の斜視図である。
【図2】図1に示す車両用可動バンパー構造の(a)第1作用図、及び(b)第2作用図である。
【図3】図2に示す車両用可動バンパー構造の(a)背面図、及び(b)リンク機構の断面を拡大して示すA−A断面図である。
【図4】スライド機構30の(a)平面図、及び(b)当該スライド機構30の断面を拡大して示すB−B断面図である。
【図5】図2に示す車両用可動バンパー構造を装着した車両200の側面図であって、(a)第1作用図、及び(b)第2作用図である。
【符号の説明】
【0038】
10 バンパービーム
11 第1バンパービーム
12 第2バンパービーム
20 アーム
30 スライド機構
40 モータ
50 シャフト
60 ロック機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けた衝突予知検出手段が、当該車両の衝突物に対する衝突を予測し、該車両に装着したバンパーを衝突物に向けて押し出し可能とする車両用可動バンパー構造において、
前記バンパーが装着可能であって、車両の前後方向に向けて進退可能なバンパービームと、
衝突物方向に向けて回動して、前記バンパービームを押し出すアームと、
当該アームの後端部に装着されて、前記衝突予知検出手段からの信号に基づき該アームを回動させるモータと、
前記アームの先端部と前記バンパービームとの間に設けられ、該アームが回動した際にはバンパービームに対して摺動自在とするスライド機構と、を有することを特徴とする車両用可動バンパー構造。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用可動バンパー構造において、
バンパービームに接続され、当該バンパービームに追従して車両の前後方向に向けて進退するシャフトと、
車両の前部又は後部に設けられると共に前記シャフトが挿通され、当該車両が衝突した際には前記シャフトの前後方向への挿通を規制するロック機構と、を有することを特徴とする車両用可動バンパー構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両用可動バンパー構造において、
バンパービームは、第1バンパービームと、当該第1バンパービームよりも下側に配置される第2バンパービームとからなり、
アームの先端部における、第1バンパービームの接続位置の延長上に第2バンパービームを接続して、
前記アームが衝突物方向に向けて回動することにより、前記第2バンパービームが第1バンパービームよりも更に衝突物方向へと押し出されることを特徴とする車両用可動バンパー構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−175974(P2006−175974A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−370636(P2004−370636)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(000143639)株式会社今仙電機製作所 (258)