車両用排気フィルターを洗浄する方法および装置
車両用排気装置フィルター(1)を洗浄する方法であって、該フィルター(1)が、第1端部(11)および第2端部(10)を有し、取り除かれる異物(19)を含む複数の細長いチャネルを含む該方法は、(i)フィルター(1)の第1端部(11)と流体連結する出口を有するチャンバー(14)を提供する工程、(ii) フィルターの第2端部からの流体の流れを防止するためにフィルター(1)の第2端部(10)を覆う工程、(iii) 液体の流れをチャンバー(14)へ導入する工程、(iv) フィルターのチャンバーおよびチャネル(6)が液体で満たされるときに、チャンバー(14)への液体の流れを停止する工程、(v) 圧縮ガスのパルスをチャンバー(14)へ導入する工程、(vi)およびガスがフィルター(1)の第2端部(10)から前記異物(19)および液体(17)を押し出すことを可能にするためにフィルター(1)の第2端部(11)の覆いを取る工程を含む。本発明はまた、前記方法において使用するための装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンからの排出規制に関係する、車両用排気装置の微粒子フィルターおよび他の構成部品を洗浄するための方法および装置に関する。もしフィルターが固体外部ケーシングによって囲まれ、剛性のフィルター膜またはフィルターセルの構造を有するならば、その製造過程は、任意のタイプのフィルターを洗浄するのに適し得る。
【背景技術】
【0002】
多くの近年のディーゼル駆動の車両用の排気装置は、車両の排気流から粒状物質を取り除くためにフィルターとともに提供される。これらは、典型的に、それらの長さに沿って流れる細長いチャネルを有する円筒状のセラミックまたは他のタイプのモノリスであるウォールフローフィルターである。一端でチャネルに入るガスが、その他端で同じチャネルを出ることができないように、チャネルは第1または第2の端部で交互に接続される。出るために、ガスはフィルターの多孔質壁を通って1つのチャネルから次まで通過しなければならない。そうする際に、ガス内のすすおよび灰はフィルターの壁内に、およびその壁上に堆積される。
【0003】
近年のディーゼル排気装置は、受動(Passive)または能動(Active)として分類され得る微粒子フィルターが取り付けられる。
【0004】
受動フィルターにより、エンジンからの熱およびガスは、微粒炭素を燃焼させるために使用され、それによって、フィルターを再生する。堆積したすすおよび灰の量、およびフィルターの再生する能力は、エンジン状態および負荷サイクルの両方に依存する。
【0005】
より高い温度がフィルターから堆積したすすを焼き出すため、上昇動作温度では、そのようなフィルターは再生し、有効に自己洗浄する。しかしながら、例えば、停止/始動の市街走行によって、または長期間の使用の後に引き起こされる、より低い排気温度では、フィルターは、微粒炭素の大量堆積により遮断され得る。大量の炭素堆積の急速な燃焼から結果として生じる発熱反応は、非常に激しくなり得るので、フィルターの完全性に対する損傷が引き起こされる。これは、フィルターの有効性を単に低下させる結果を有し得るが、より一般に、フィルターは交換されなければならない。理想の状態である時でさえ、フィルターは、灰、および他の不燃材料でゆっくりいっぱいとなり、結果として、性能および燃料効率に悪影響を与える排気装置内で背圧を増加させる。
【0006】
能動フィルターは、不足した性能または低性能の負荷サイクルを典型的に有するエンジンに適している。これらのフィルターは、強まるにつれ、フィルターに堆積した炭素の燃焼を助けるために実行される外部作用と連動して使用される。もう一度、灰および他の燃焼生成物は、フィルター上に蓄積し、性能および燃料効率をゆっくり低下させる。
【0007】
これらの問題を低減する1つの方法は、周期的な洗浄を含む、定期補修制度を介することである。フィルターの洗浄が1年に1回実行されることが好ましいが、使用法によって、フィルターは1年に2回または3回洗浄されてもよい。
【0008】
既存の洗浄方法は時間がかかり、実行するのが難しくなり得る。フィルターを洗浄するために使用される1つの標準方法は、すすおよび灰を吹き出すために、圧縮空気のジェットをフィルターの一端または両端に導入することを含む。しかしながら、圧縮空気はしばしば完全にはフィルターを洗浄しないため、結果的に、耐用年数を減少させ、不可逆的閉塞または熱的損傷による初期故障の可能性を増加させる。特許文献1において、最初にフィルターハウジングを85℃まで加熱したフラッシング剤で満たすことによって、車両用排気フィルターを洗浄することが提案された。該フィルターは、3〜8分間熱いフラッシング剤で浸され、振動機で撹拌され、その後、圧縮空気とともにフラッシング剤を放出する。特許文献2において、複数の連続する洗浄サイクルを実行することが提案され、各サイクルの間に、フィード圧での洗浄液が、大気上の第1圧力でガスによってフィルター媒体の出口表面の全体と接触させられ、その後、第1圧力より高い圧力でガスによって、洗浄圧力がかけられる。
【0009】
本発明は、車両用排気装置フィルターを洗浄するための改善された方法および装置の提供を目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許EP 1 336 729
【特許文献2】欧州特許EP 1 252 919
【発明の概要】
【0011】
本発明の態様は、独立クレームにおいて明記される。好ましい特徴は、従属クレームにおいて明記される。
【0012】
本発明の洗浄方法の態様は、洗浄されるフィルターを水で満たし、その後、制御された方法で圧縮空気の圧力波を導入することを含む。この方法は、既存の方法を超える改善された洗浄能力を有することが示された。更に、該方法は、速く、使用するのが簡単で、以前の方法では洗浄することに成功できなかった大量に詰められたフィルターを洗浄することが可能である。単一パスはほとんどのフィルターを洗浄するのに十分であり、高温または振動装置は必要とされない。装置および方法は、微粒炭素をもたらすエンジンおよび燃料で使用される洗浄フィルターに特に適している。
【0013】
本発明はここで、ほんの一例として、かつ添付の図面に関して以下に更に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、ウォールフローフィルターの部分的な斜視図を示す。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態による車両用排気装置フィルターを洗浄するための装置の横断面の概略図を示す。
【図3】図3は、本発明の第2の実施形態による車両用排気装置フィルターを洗浄するための装置の斜視図を示す。
【図4】図4は、本発明の第3の実施形態による車両用排気装置フィルターを洗浄するための装置の斜視図を示す。
【図5】図5は、図4の装置の第2の斜視図を示す。
【図6】図6は、図4の装置の、上部のアダプタープレートおよびリテーニングプレートを示す。
【図7】図7は、図4の装置のローディング機構を示す。
【図8】図8は、本発明の実施形態に従う洗浄方法のフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の実施形態の方法の第1段階を示す概略図である。
【図10】図10は、本発明の方法の実施形態の第2段階を示す概略図である。
【図11】図11は、フィルターを通る液体およびガスの流れを示す概略図である。
【図12】図12は、洗浄工程の間のパージチャンバーにおける圧力の変化の2つのプロットを示し、上部の写真において、横目盛は1スクエア=0.2sであり、縦目盛は1スクエア=0.25バール(25kPa)である。
【図13】図13は、本発明の実施形態に従う洗浄された2つのフィルターの光学検査結果を示す。
【図14】および図14は、本発明の態様に従う装置の実施形態の密封配置の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、円筒状の金属性サラウンド(metal surround)またはスリーブ(4)内に含まれる円筒状のセラミックモノリスコア(2)を含む、ウォールフローフィルター(1)の概略図を示す。車両用排気装置のためのフィルター(1)の全径は、一般に200〜400mmの間である。セラミックフィルターコア(2)は、それらの長さに沿って流れる多くの細長いチャネル(6)を有する。これらのチャネル(6)は、一般に、ほぼ正方形の断面を有しており、その幅は、約0.75〜2mmである。図1において、フィルター(1)の寸法と比較したチャネル(6)の相対的サイズは、明瞭さのために増大された。チャネル(6)間で、フィルターコア(2)の壁(7)は、多孔質セラミックから形成される。セラミックは、例えば、コージライト(マグネシウム鉄アルミニウム環状珪酸塩)、炭化ケイ素、またはチタン酸アルミニウムであり得る。典型的な多孔率は、10〜20μmの間の平均孔径を有する40〜50%の間であるか、またはEuro 6 フィルターにはより小さい。フィルター(1)における隣接するチャネル(6)は、一端でチャネル(6)に入る排気ガスが、その他端で同じチャネル(6)を出ることができないように、セラミック材料のプラグ(3)を備える交互の端部で接続される。出るために、ガスは、フィルター(1)の多孔質壁(7)を通って1つのチャネル(6)から次まで通過しなければならない。フィルター(1)の金属スリーブ(4)は、使用中であるとき、車両用排気装置の他の部分へのフィルター(1)の接続を助ける、フランジ(8)を各端部で含む。図1に示される実施形態において、フランジ(8)は、通常、円筒状スリーブ(4)の上端および下端から斜めに外側に伸びる。しかしながら、フランジは、様々な取り付け器具を許容するために異なるデザインであり得る。
【0016】
排気ガスは、車両用排気装置、典型的にはディーゼルエンジンの排気装置に導入される時、第2端部(10)から第1端部(11)まで、フィルター(1)を通って流れる。粒状物質は、それ故、フィルターの第2端部(10)で開放端を有するそれらのチャネル(6)において蓄積する。粒状物質、典型的には、すすと灰が、閉じ込められ、多孔質セラミック壁(7)によってガス流から取り除かれるため、フィルターの第1端部(11)で開放端を有するチャネル(6)は、他のチャネル(6)より一般に著しく清浄である。
【0017】
そのようなフィルター(1)を洗浄するための装置(12)の第1の好ましい実施形態は、図2に示される。装置(12)は、パージチャンバー(14)、収集タンク(46)、およびパージチャンバー(14)と収集タンク(46)の間で洗浄されるフィルター(1)を保持し位置付けするための機構(40)を含む。フレーム(18)または外側ケーシングは、装置(12)を囲み、装置(12)の断面の配列を維持し、洗浄中にフィルター(1)から漏れ得る任意の流体の流出を阻止するのを助ける。
【0018】
パージチャンバー(14)は、本例では20リットルである、洗浄されているフィルター(1)の容積とほぼ等しい内容積を有する円筒状の金属チャンバーである。洗浄されるフィルターは、20リットルを超えるか、または20リットル未満の容積を有し得、典型的には2から35リットルの間である。パージチャンバーの容量は、重大ではないように見える。例えば、20リットルのフィルターに対して、パージチャンバーが8、12、20または24リットルの容積を有し、等しくよい洗浄結果を与え得ることが示された。5リットルまたはそれ以下の容積は、フィルターを洗浄するのに十分であるが、すべての取り除かれた材料を収集タンクへ洗い流すことに成功するには少なすぎであり、結果として当り面上に異物が蓄積する。
【0019】
パージチャンバー(14)は、流体をチャンバーへ導入するための入口手段を有する。本実施形態において、入口手段は、パージチャンバー(14)の最上面(15)における2つの入口(20)、(22)を含む。第1の入口(20)は、液体、本例では水の供給のために接続され、水の流れをパージチャンバー(14)へ制御するために使用される第1バルブ(21)を含む。本実施形態において、入口(20)は、約1インチ(2.5cm)の直径を有し、水は、約2バール(200kPa)の圧力で本管の水道から直接引かれる。本記載において、圧力は、気圧に関連して与えられるため、2バール(200kPa)の圧力は、大気圧に2バール(200kPa)であるか、または言いかえれば、3バール(300kPa)の絶対圧である。
【0020】
第2の入口(22)は、圧縮ガス、この場合は圧縮空気を供給するために接続される。本実施形態において、圧縮空気は、10バール(1000kPa)の圧力で圧力容器(図示せず)に蓄えられる。第2バルブ(23)は、圧力容器とパージチャンバー(14)の間に位置付けされ、典型的にパージチャンバーへの入口にある。第2バルブ(23)は、後ほど詳細に説明されるように、圧縮空気のパルスをパージチャンバー(14)へ導入するために速く開閉することができる。液体およびガスのための入口は、本実施形態においてチャンバーに別々に接続されるが、チャンバー(14)への単一の共通の入口へとなり得ることを理解されるであろう。
【0021】
パージチャンバー(14)はまた、その上面(15)上に出口またはベント(24)を含み、その目的は、チャンバー(14)が水で満たされるにつれ、チャンバー(14)から空気が抜けるようにすることであり、フィルター保護の安全バルブとして作用するために、洗浄サイクル中にフィルターに沿って超過の差圧がかけられるべきである。それ故、ベント(24)が、チャンバー(14)の上部に、またはその近くに位置付けされることが望ましい。代替の実施形態において、ベント(24)は、最上面(15)に近いチャンバー(14)の側面上に位置付けされ得る。いくつかの実施形態において、別々の出口が必要とならないように、ガス入口(22)は、ベント(24)としても作用することが望ましい。パージチャンバー(14)はまた、チャンバー(14)の上部近くに視界窓(26)を含み、使用者がパージチャンバー(14)内の水位を設定するためにチャンバーの内部を見ることができる。
【0022】
チャンバー(14)における圧縮空気の圧力を監視し、圧力が設計限界を超えて上昇する場合に過剰空気を逃がすために、圧力計(28)および圧力安全バルブ(30)もまた、パージチャンバー(14)の上部に取り付けられる。
【0023】
パージチャンバーはまた、コントロールバルブ(図示せず)を備える付加的な大直径の入口を有し得、フィルター乾燥の目的で高容量の熱気の導入を可能にする。
【0024】
リテーニングプレート(32)は、パージチャンバー(14)の下面を形成し、洗浄されるフィルター(1)のコア(2)の直径よりわずかに短い直径を有する開口部(33)を含む。リテーニングプレート(32)の表面積は、チャンバー(14)の断面積より大きいため、リテーニングプレート(32)は、パージチャンバー(14)の外面を超えて伸張し、パージチャンバー(14)は、流体密封を形成するような方法でリテーニングプレート(32)の上面に取り付けられる。開口部(33)は、リテーニングプレート(32)において中心に位置付けされ、パージチャンバー(14)と軸方向に並べられる。
【0025】
第1密封要素(34)はリテーニングプレート(32)の下面に取り付けられる。この密封要素(34)は、本例において、リテーニングプレート(32)における開口部(33)と同じ直径を有する隙間(35)を含む。一般に、隙間の直径は、フランジ(8)の直径よりわずかに短くなるように設計されている。密封要素(34)は、リテーニングプレート(32)とフィルター(1)の上端のフランジ(8)の間で流体密封を形成するために使用される。
【0026】
フィルター(1)の対向する端部は、リテーニングプレート(32)および第1密封要素(34)から距離をおいて取り付けられる、第2密封要素(36)および取り付けプレート(38)上に位置する。取り付けプレート(38)は、リテーニングプレート(32)と類似する寸法を有しており、洗浄される最大のフィルターコア(2)の直径よりも長くはない直径を有する、中心に位置付けられた開口部(39)を含む。第2密封要素(36)は、第1密封要素(34)と典型的に同じサイズであり、取り付けプレート(38)において開口部(39)と並べられる、隙間(37)を有する。
【0027】
装置(12)は、第1密封要素(34)と第2密封要素(36)の間のフィルター(1)を固定し保持するための手段(40)をさらに含む。第1の実施形態において、固定手段(40)は、取り付けプレート(38)の上部表面とリテーニングプレート(32)の下部表面の間で固定されたピストン(40)を含む。第1の、延長位置において、ピストン(40)は、リテーニングプレート(32)およびパージチャンバー(14)を取り付けプレート(38)から距離をおいて保持するため、その距離は、洗浄されるフィルター(1)の長さよりかなり長く、フィルター(1)が装置(12)に容易に装着されることを可能にする。第2の、閉鎖位置において、ピストン(40)は、リテーニングプレート(32)を取り付けプレート(38)の方へ引くことにより、第1密封要素(34)と第2密封要素(36)の間のフィルター(1)を固定する。
【0028】
本実施形態において、支持部材(42)は、フィルターコア(2)の端部を支持するために提供される。支持部材(42)は、取り付けプレート(38)の下の支持フレーム(43)上に取り付けられ、取り付けプレート(38)における開口部(39)を通って上方へ突き出て、いくつかの部分でフィルターコア(2)の表面と接触する。支持部材(42)は、単一の構成部分として一緒に集められ得る。圧縮空気がフィルター(1)を通って入り流れるために、増加した圧力は、セラミックコア(2)の一部分が壊れる、または流体の力によって押し出される原因となり得る。支持部材(42)および支持フレーム(43)は、セラミックコア(2)の移動を制限するように設計されており、それによって、フィルター(1)からの流体の流れを防止せずに、コア(2)が洗浄されるとともに、コア2の破損を限定するか、または防ぐ。
【0029】
支持フレーム(43)は、フィルター(1)の表面に対して支持部材(42)を押すピストン(45)をさらに含む。
【0030】
ゲート部材(44)は、取り付けプレート(38)の下に直接取り付けられ、取り付けプレート(38)に接続される。ゲート部材(44)は、プラグ(44)が取り付けプレート(38)において開口部(39)を覆う閉鎖位置と、ゲートパネル(44)が開口部(39)を遮断しない開放位置の間で移動可能なプラグ(44)を含む。ゲート部材(44)の目的は、以下に記載されるような洗浄工程の第一段階中にフィルター(1)から液体の流れを防止するか、または防ぐことである。開放および閉鎖位置の間のゲートプラグ(44)を動かすための手段(47)が提供され、本実施形態において、支持フレーム(43)上に取り付けられる。本例において、1対のピストン(47)は、制御棒(49)を介して、ゲート部材(44)を取り付けプレート(38)の方へ、および取り付けプレート(38)から離れて上げ下げする。代わりに、ゲート部材(44)は、水平にスライドし得るか、開放および閉鎖位置の間で回転し得るか、またはヒンジで連結され得る。
【0031】
収集タンク(46)または廃液タンクは、取り付けプレート(38)の下または後ろに位置付けされ、フィルター(1)の下端から放出された廃液を集めて含む。本実施形態において、取り付けプレート(38)が、廃液タンク(46)と一体的に形成されるため、取り付けプレート(38)は、タンク(46)の上部を形成する。
【0032】
廃液タンク(46)は、放出された流体中でエネルギーを減少させるように配されたアンチサージチャンバー(48)を含む。この場合、アンチサージチャンバー(48)は、複数の穴部(50)を有する金属シリンダーを含む。開口部(39)を通り抜ける流体が、アンチサージチャンバー(48)の内部に入り、チャンバー壁において穴部(50)を通ってチャンバー(48)を出なければならないように、アンチサージシリンダー(48)は、一端を直接、開口部(39)の下にして、取り付けプレート(38)に置かれる。
【0033】
廃液タンク(46)はまた、タンク(46)の側壁(54)の下部における出口(52)、およびタンク(46)の側壁(54)の上部におけるベント(56)を含む。出口(52)およびベント(56)は、廃液タンク(46)を随意の膨張チャンバーまたはチムニー(図示せず)に接続し、その目的は以下に記載される。
【0034】
本発明の第2の好ましい実施形態は、図3に示される。本実施形態は、図2に示される実施形態と同様であり、同様の特徴は、100ずつインクリメントされた参照番号で示されている。
【0035】
本実施形態において、第1封鎖要素(134)と第2封鎖要素(136)の間の位置においてフィルター(101)を固定するために使用される保持手段(140)は、旋回ハンドル(58)を含む。特に固定手段(140)は、リテーニングプレート(132)の下部表面からほぼ垂直に下方へ伸びる第1の1対のクランプ部材(60)、および取り付けプレート(138)の上部表面から実質的に垂直に伸びる第2の1対のクランプ部材(62)を含む。ハンドル(58)は、好ましくは回転可能な連結部材(図示せず)を介して、第1および第2の対のクランプ部材(60)、(62)の間で回転自在に接続される。この方法で、ハンドル(58)が、第1の位置から第2の位置に移動されるとき、ハンドル(58)は、2対のクランプ部材(60)、(62)が互いの方向に引かれるように旋回し、取り付けプレート(138)とリテーニングプレート(132)の間の間隙を減少させる。ハンドル(58)は、その後、第2の位置から移動され、第1の位置に戻り、2対のクランプ部材(60)、(62)を分離させ、取り付けプレート(138)とリテーニングプレート(132)の間の間隙を増加させる。フィルター(101)は、それ故、第1の位置においてハンドル(58)とともに装置(112)に装着され得、その後、第2の位置へ移動したハンドル(58)とともにパージチャンバー(114)の下に適所に保持され得る。
【0036】
更に、本実施形態において、リテーニングプレート(132)およびパージチャンバー(114)は、収集タンク(146)の側面からリテーニングプレート(132)まで伸びるフレーム(66)により、収集タンク(146)に対して固定される位置で保持される。それ故、上述されたクランプ手段(140)は、フィルター(101)のフランジ(108)が第1密封要素(134)に当接するまで、取り付けプレート(138)およびフィルター(101)を収集タンク(146)から離れて上方に引く。
【0037】
クランプの配置は、取り付けプレート(138)が、前述されたような収集タンク(146)と一体的に形成され得ないことを意味する。この場合、収集タンク(146)は、取り付けプレート(138)において開口部(139)よりも実質的に大きな隙間(69)を有する上部表面(68)を含む、容器を含む。取り付けプレート(138)は、クランプ手段(140)のハンドル(58)が第2の位置に移動されるとき、収集タンク(146)から離れた方向に移動可能である。図2で見られるように、取り付けプレート(138)は、フレーム(66)の垂直部材に係合し、垂直方向での取り付けプレート(138)の移動を抑制する、プレート(138)の角でカットアウト(70)を含む。カットアウト(70)は、実質的に正方形であり、フレーム(66)の垂直部材の約2つの側面を伸張する。この方法で、取り付けプレート(138)の各端部は、それぞれの対の垂直部材の間で伸張し、それによって、取り付けプレート(138)の水平運動を防ぐ。
【0038】
保護部分(72)は、一端で取り付けプレート(138)の下部表面に取り付けられ、収集タンク(146)において隙間(69)を介して伸張する。本実施形態において、保護部分(72)は円筒状スリーブであり、保護部分(72)の直径は、廃液タンク(146)の上部表面における隙間(69)において保護部分(72)の滑りばめがあるような直径である。保護部分(72)の直径は、アンチサージチャンバー(図示せず)の直径より長く、保護部分(72)は、アンチサージチャンバーの少なくとも上部断面を囲む。取り付けプレート(138)がフィルター(101)を固定するために廃液タンク(146)から離れた方向に移動されるとき、保護部分(72)は、廃液タンク(146)の上部から突き出るようにスライドし、取り付けプレート(138)と廃液タンク(146)の間の間隙を埋める。
【0039】
支持部材(142)は、取り付けプレート(138)における開口部(139)をまたぐ。支持フレーム(143)は、前述されるようなフィルターコア(102)の各断面を支持するための、リングから半径方向に外側へ伸びる支持部材(142)を備える中央のリングを含む。
【0040】
本実施形態において、膨張チャンバー(74)およびチムニー(76)は、廃液タンク(146)の出口に接続される。廃液タンク(146)の容積がパージチャンバー(114)およびフィルター(101)の容積よりはるかに大きいため、圧縮空気は、フィルター(101)を出ると、急速に膨張する。この大量の空気は、廃液タンク(146)から主にベント(図示せず)を通り抜けて、チムニー(76)を介して空気中に逃げる。水の圧力もフィルター(101)を出ると落ち、水と粒状物質は廃液タンク(146)を満たす。過剰廃水は、出口(152)を通って膨張チャンバー(74)へ流れる。
【0041】
幾つかの実施形態において、フィルター(図示せず)は、廃液タンク(146)または膨張チャンバー(74)の出口に嵌合され得る。これは、すすと灰で汚染された廃水が、再び使用されるために、ろ過され再利用されることを可能にするだろう。
【0042】
本発明の第3の好ましい実施形態は、図4〜7に示される。本例において、装置(212)は、完全に内臓ユニットであるように設計されている。特に、全体の装置(212)は、支持フレーム(218)内に取り付けられ、カバー(図示せず)によって実質的に包まれ得る。本実施形態の装置(212)は、完全に内臓となるように設計されているため、トレーラー(図示せず)において取り付けられ得る。装置(212)は、その後、完全に可動性となり、別の停止部(depots)へ移動されることを可能にし、例えば、別の車両のために排気フィルターを洗浄する。
【0043】
パージチャンバー(214)に提供される圧縮空気の供給は、パージチャンバー(214)の一方の側面上に取り付けられた、圧力シリンダー(78)内に蓄えられる。給水は、パージチャンバー(214)の他方の側面上に取り付けた給水タンク(79)に蓄えられるが、他の実施形態において、水もまた、圧力シリンダーに蓄えられ得る。以前の実施形態におけるように、水および空気は、たわみ管(図示せず)を介してパージチャンバー(214)の上部に供給される。
【0044】
リテーニングプレート(232)およびパージチャンバー(214)は、支持フレーム(218)の上部に接続される。ピストン(240)は、一端でフレーム(218)の上部に取り付けられ、他端でリテーニングプレート(232)の上面に取り付けられる。ピストン(240)は、洗浄されるフィルター(201)がリテーニングプレート(232)の下に位置するときに、リテーニングプレート(232)およびパージチャンバー(214)を下方へ押すように配される。機械的な係止手段(図示せず)が、フィルター(201)の上部のこの降下位置においてリテーニングプレート(232)を作動させるおよびロックするために、洗浄工程の間にフィルター(201)に入るガスの背圧が、リテーニングプレート(232)をフィルター(201)の上部から離れさせる原因とはならない。
【0045】
本実施形態において、密封要素は、図6および7に示される、アダプタープレート(80)、(82)を含む。ガイドレール(81)は、リテーニングプレート(232)の下面に固定され、第1の上部のアダプタープレート(80)を位置付けし支持する。ガイドレール(81)が、リテーニングプレート(232)から垂直に下方へ伸び、ガイドレール(81)の下部(84)が、リテーニングプレート(232)の中心の方向へ突き出るように、ガイドレール(81)はL字形断面を有する。ガイドレール(81)の間に第1アダプタープレート(80)の滑りばめがあり、アダプタープレート(80)のエッジ領域は、リテーニングプレート(232)の下部表面に接するアダプタープレート(80)の上部表面を備えるガイドレール(81)の、内部に突き出る部分(84)上にある。
【0046】
対のアダプタープレート(80)、(82)は交換可能であり、装置(212)が異なるサイズのフィルター(201)、特に異なる直径を有するフィルターを格納するのを可能にする。各々の対のアダプタープレート(80)、(82)は、異なる直径の隙間(85)、(83)を有しており、洗浄されるフィルター(201)の直径に対応するように選択され得る。実際に、異なる直径を有する隙間を備える3対のアダプタープレートが、多くの異なるフィルターのタイプ、例えば、異なるフランジ形状を備えるフィルター、および160〜370mmの間の直径を備えるフィルターを洗浄するのに十分である可能性が高い。
【0047】
取り付けプレートおよびリテーニングプレートの開口部は、固定直径を有しており、これは、洗浄される最大のフィルター(201)の直径より長くはないが、実質的に等しくなるように一般に選択される。それ故、より小さいフィルターを格納するために、より小さい隙間(85)、(83)を備えるアダプタープレート(80)、(82)は、フィルター(201)のどちらかの端部に位置付けされ、その結果、隙間(85)、(83)の周面は、フィルターコアの周面ほど大きくなることはなく、それによって、フィルター(201)の外側周囲の流体の喪失を防ぐ。必然的に、アダプタープレート(80)、(82)は、リテーニングプレート(232)と第1フィルターフランジ(208)の間、および取り付けプレート(238)と第2フィルタ−フランジ(208)の間の両方で流体密封を形成する、両方の表面上の密封層(86)を含む。
【0048】
装置(212)はまた、リテーニングプレート(232)と取り付けプレート(238)の間からフィルター(201)を装着し、取り外す助けとなるローディング機構を含む。
【0049】
本実施例において、取り付けプレート(238)は、廃液タンク(246)の上部と一体的に形成される。シールド壁(88)は、廃液タンク(238)の上部から垂直に上方に伸びる。洗浄されるフィルター(201)は、装置(212)内の位置にあるとき、少なくとも廃液タンク(246)とリテーニングプレート(232)の間に伸びるシールド壁(88)によって3つの側面上で囲まれる。この方法で、シールド壁(88)は、フィルター(201)の周りの囲い壁の背面および側面を形成する。
【0050】
囲い壁の正面は、ヒンジ結合されたドア(90)によって形成される。該ヒンジ結合されたドア(90)は、長方形であり、その下端に沿ってヒンジで連結される。図4および5に示されるように、ヒンジ機構(91)は、前記ドア(90)がその平面が実質的に垂直である閉鎖位置から、実質的に水平である開放位置まで約90℃にわたって回転することができ、前記ドア(90)が装置(212)の正面から伸びるような機構である。
【0051】
一連のローラー(92)は、廃液タンク(246)の上部において開口部(239)の両側に取り付けられる。ローラー(92)は、各一連のローラー(92)のホイール(93)が同じ平面にあり、ホイール(93)の回転軸が均一に離れて間隔を置かれるような、ディスクまたはホイール(93)を含む。周りで各ホイール(93)が回転する車軸(94)は、並列の支持レール(95)を通り抜ける。支持レール(95)および車軸(94)は、すべてのホイール(93)が互いに自由に独立して回転することができるように、配される。
【0052】
一連のローラー(92)が固定されるため、ホイール(93)の上部は、開いているとき、前記ドア(90)の上部表面と同じ平面にある。第2の下部のアダプタープレート(82)は、洗浄位置と装着位置の間で、ローラー(92)の助けによって、水平に移動するまたはスライドするように配列される。
【0053】
洗浄位置において、第2のアダプタープレート(82)は、アダプタープレート(82)のエッジ部が一連のローラー(92)上に位置し、第2のアダプタープレート(82)における隙間(83)が廃液タンク(246)の上部における開口部(239)と配列されるように、フレーム(218)の内部に位置付けされる。アダプタープレート(82)は、その後、装着位置までローラー(92)上をスライドされ得る。
【0054】
装着位置において、アダプタープレート(82)は、開放されたドア(90)の上部表面上に位置する。更なるガイドレール(96)は、アダプタープレート(82)が前方へスライドするときに横方向に移動するのを防ぐために、前記ドア(90)の端に沿って提供され得る。この装着位置において、フィルター(201)は、アダプタープレート(82)において隙間(83)と配列するフィルターコアを備えるアダプタープレート(82)上に容易に置かれ得る。
【0055】
一旦フィルター(201)が下部のアダプタープレート(82)上に置かれると、それはスライドして洗浄位置へ戻されるため、流体経路はフィルターコアと廃液タンク(246)の間に存在する。ピストン(240)は、その後、リテーニングプレート(232)をフィルター(201)の方向へ押すために作動され、フィルターフランジ(208)とアダプタープレート(80)、(82)の間の流体密封を形成する。
【0056】
囲い壁の前記ドア(90)は、その後、洗浄中にフィルター(201)から抜け得る任意の流体の流出を阻止するために閉鎖される。
【0057】
他の実施形態において、アダプタープレート(80)、(82)は必要でないか、または使用されないかもしれず、取り付けプレートは廃液タンクから離れ得る、および記載されるように類似した装着位置と洗浄位置の間で移動するように適応され得る。
【0058】
上記の実施形態が、本発明による装置の具体例を記載し、いくつかの随意のおよび好ましい特徴を含むことが認識されるであろう。
【0059】
他の実施形態において、装置は別々のリテーニングプレートを含まないかもしれず、開口部は、パージチャンバーの下部表面において形成され得、該装置は、この下部表面の下面に直接置かれた密封要素を備える。この場合、密封缶が密封要素とフィルターのフランジの間で常に形成され得ることを確かなものとするため、パージチャンバーの外面は、洗浄される最大のフィルターの周面より大きいことが必要とされる。
【0060】
他の実施形態において、代替の固定手段は、取り付けプレートとリテーニングプレートまたはサージ室との間の間隙を増加および減少させるために使用され得る。固定手段は、取り付けプレートを静的リテーニングプレートの方へおよび静的リテーニングプレートから離れてスライドさせるために、または代わりに、リテーニングプレートを静的取り付けプレートの方へおよび静的取り付けプレートから離れてスライドさせるために配され得る。理想的に、取り付けプレートまたはリテーニングプレートのどちらか一方のみが移動可能であるべきであるが、幾つかの実施形態において、固定手段が取り付けプレートおよびリテーニングプレートの両方を移動させ、それらの間のフィルターを固定し保持することが好ましい。
【0061】
上述の例において、パージチャンバー、フィルターおよび収集タンクは、フィルターの上のパージチャンバーと垂直な並列となっているように記載されているが、これらの構成部分は、パージチャンバーがフィルターの一端と流体連結し、収集タンクがフィルターの対向する端部と流体連結するような、任意の適切な配置に存在し得ることが認識されるであろう。しかしながら、重力がフィルターを通る流体の移動を助けるような、フィルターのチャネルがフィルターの上のパージチャンバーと実質的に垂直であるように、フィルターが取り付けられることが好ましい。
【0062】
フィルターを洗浄する方法は、ここで、図8〜12への特定の言及によってより詳細に、および図2に示される装置(12)の実施形態に関連して記載される。
【0063】
洗浄されるフィルター(1)は、フィルター(1)の第2端部(10)が取り付けプレート(38)に接しているように、取り付けプレート(38)上に最初に置かれる(400)。その開放端が車両用排気装置において排気ガスの入口側に置かれたチャネル(6)は、それ故、それらの開放端の最下部とともに位置付けされ、これらのチャネル(6)は、第2セットのチャネル(6b)と以下に呼ばれる。フィルター(1)の第1端部(11)で開放端の最上部を有するチャネル(6)は、第1セットのチャネル(6a)と呼ばれる。
【0064】
フィルター(1)は、取り付けプレート(38)において開口部(39)と軸方向に配列され、もし必要であれば、アダプタープレート(86)は洗浄されているフィルター(1)の直径またはタイプに適するように挿入または変更され得る。
【0065】
固定手段(40)は、その後、取り付けプレート(38)とリテーニングプレート(32)の間のフィルター(1)を固定するために使用される(451)。フィルター(1)の両端のフランジ(8)は、密封要素(34)、(36)に当接し、固定する力は、実質的に流体密封が密封要素(34)、(36)とフィルター(1)の間で形成されるような力である。
【0066】
流体連結経路は、その後、パージチャンバー(14)と廃液タンク(46)の間に存在し、リテーニングプレート(32)における開口部(33)、および第1密封要素(34)における隙間(35)を通り抜け、第1端部(11)から第2端部(10)までのフィルター(1)を通って、その後第2の密封要素(36)における隙間(37)、および取り付けプレート(38)における開口部(39)を通り抜ける。ゲート部材(44)は、取り付けプレート(38)において開口部(39)を実質的に遮断し、フィルター(1)からの液体の流れを実質的に防ぐように閉鎖位置に移動される(500)。これは、工程のこの段階において使用される水の量を減らし、フィルター(1)において液体の圧力を増加させるために使用され得る。所望の液圧が洗浄段階中にフィルター(10)の第2端部で達成される時、ゲート部材は、閉鎖および開放された状態でロックされるように設計されている。
【0067】
図9に示されるように、一旦フィルター(1)が位置にあり(Once the filter 1 in is position)、ゲート(44)が閉鎖されると、第1バルブ(21)は、その後、開放され、水がパージチャンバー(14)に流れ込むことを可能にする(551)。水は、その第1終端(11)でフィルター(1)に流れ込み、水は、主に第1セットのチャネル(6a)を満たす。いくらかの水は、フィルター(1)の多孔質壁(7)を通って流れ、第2セットのチャネル(6b)へ流れる。水は、粒状物質で満たされていないフィルター(1)のそれらの領域を通って優先的に流れ、それによって、フィルター(1)の第1端部(11)から第2端部(10)まで流れるための最も抵抗の少ない経路をとる。水は、フィルター(1)においていくつかの微粒異物によって吸収され得、特にチャネル(6)の壁(7)から、該微粒異物を弱めて除去し始め得る。
【0068】
しかしながら、我々は、ゲート(44)がこの時に開放されると、もし任意の粒状物質が水の流れによりフィルター(1)の端部から流れるのを見られるとしても、ほとんどないことを発見した。これは、フィルター(1)の多孔質壁(7)がまだ実質的に遮断されており、チャネル(6)内の異物が密に詰め込まれすぎているため、著しい水の流れを可能にしないからであり得る。フィルターに沿った流れは、第2端部(10)に最も近い領域にかなり制限され、そこで流れの抵抗は非常に低い。
【0069】
ここでは図14に言及して、好ましい実施形態のための密封配置が示される。フィルター(1)は、フィルター装着プレート(38)上で下部フィルター密封(36)に押しつけられる。フィルター装着プレート(38)は、ゲート部材(44)を受けるように特徴付けられたゲートシート部材(57)と協働する。O-リング密封(51)は、フィルター装着プレート(38)とゲートシート部材(57)の間で流体密封を提供する。ゲート部材(プラグ)(44)は、ゲート部材(44)とゲートシート部材(57)の間で流体密封を提供する内部ゲート密封(55)を有する。ゲート部材(44)がゲートシート部材(57)に完全に固定されるとき、フィルターの第2端部(10)は完全に密閉される。圧力変換器は、フィルター(1)の第2端部の下の圧力を測定するために、ポート(53)を介して、ゲートシート部材(57)内に提供される。密封材は、圧力変換器とポート(53)の壁の間に提供され得、フィルター(1)の第2端部で密封環境を維持する。
【0070】
現在までの試験は、フィルターおよびパージチャンバーに入る水の圧力がフィルター洗浄の性能の大きな違いなしに変化し得ることを示している。0.1バール(10kPa)および3.75バール(375kPa)の間の水圧が比較され、圧力が全体的な洗浄にほとんど影響を与えないと信じられている。これは、水の役割が主にフィルターチャネルを満たし、いくつかの異物を弱めるまたは緩和することであるという考えを更に支持する。正常動作条件の下では、チャンバー内の水圧は気圧上を上昇するのをベント(24)によって妨げられる。実際に、水は、2.5〜3バールの送出圧力を有するポンプからフィルターおよびチャンバーへ典型的に供給され、満足な装置の充填時間を達成する。
【0071】
一旦フィルター(1)が水で実質的いっぱいになると、水はフィルター(1)の上でパージチャンバー(14)を満たし続ける。バルブ(21)は、閉じられ、水の流れは、パージチャンバー(14)が水で完全にいっぱいの時だけ停止される(600)。これは、チャンバー(14)のベント(24)からの水の流れ、またはこの時点で導入されたレベルスイッチによって決定され得る。チャンバー内の水位は、パージチャンバー(14)の側面に提供されるのぞき窓を通してチェックされ得る。
【0072】
水の供給が停止されるとき、ベント(24)は閉じられ、第2バルブが作動される(651)。第2バルブ(23)は、圧縮空気のパルスがパージチャンバー(14)の上部に入ることを可能にするために、1秒未満、典型的には約0.8秒間開くだけである。好ましい実施形態において、パルスは、30〜50リットルの間(好ましくは約40リットル)の圧縮ガスが、約0.8秒で第2チャンバー(14)に入るようなパルスである。圧縮空気は、3バール(300kPa)と10バール(1000kPa)の間の圧力であり得る。試験は、気圧が7バール(700kPa)を超えて上昇すると、洗浄性能に更なる改善がほとんどないことを示した。圧縮空気がチャンバー(14)に入るとすぐに、圧力は水を通って伝達され、ゲート部材(44)とフィルターの第2端部(10)の間に位置する圧力検出器によって検知される。典型的に約0.2〜0.25バール(20〜25kPa)である、プリセット圧力で、制御装置は、ロッドのロックを解除し、ゲート部材(44)を開くように、空気圧操作されたピストン(47)に信号を送り(652)、水がフィルターの第2端部から流れ出るにつれ、圧縮ガスがチャンバーおよびフィルター内で膨張することを可能にする。測定されている閾値圧力とゲート部材(44)の開口の間の遅滞時間のために、ゲート部材上の圧力はその開口前に約1バール(100kPa)に達し得る。
【0073】
圧力差は、ここで、第2端部(10)とフィルターの第1端部(11)の間で存在する。この背圧の測定は、フィルター内の閉塞の程度の非常によい指標であると証明された。任意の所与のフィルターのための最適な安全洗浄の性能は、空気パルスの圧力、およびゲート部材が開かれるときの圧力の設定によって制御される。
【0074】
理論に縛られることを願うことなしに、我々は、洗浄工程の間に起こり得ることが以下のようであると信じる。図10に示されるように、圧縮空気のパルスは、水をパージチャンバー(14)から押し出し、高速でフィルター(1)を通る圧力波を作り出す。水位がフィルター(1)の表面より下に落ちたとき、空気は、その後、フィルター(1)を通ってどの経路をとるかの選択肢を有する。この工程は図11に示される。
【0075】
第1セットのチャネル(6a)が水(17)で少なくとも実質的にいっぱいであるため、空気(13)は、優先的にフィルター(1)の多孔質壁(7)を通って流れる。これは、空気分子がセラミック壁(7)における部分的に遮断された気孔を通って水を押し出そうとするより、それらを通って移動する方が簡単であると発見されたからである。壁(7)を通る空気のこの移動は、閉じ込められたすす、および壁(7)における気孔から運ばれる他の粒状物質(19)を第2セットのチャネル(6b)へ移動させる。もし第1セットのチャネル(6a)が水(17)で実質的に満たされなければ、空気(13)は、これらのチャネル(6a)に沿って流れ、その後、フィルター(1)の第2端部(10)の近くの多孔質壁(7)を通り抜け、第2セットのチャネル(6b)の開放端を通って出ることが更に仮定される。水で満たされた第1セットのチャネル(6a)により、空気は、優先的に上部の第1端部(11)の近くのフィルター壁(7)の気孔を通って流れ、セル(6b)に集められた灰とすす(19)の後ろで流れる。これが意味するのは、空気が、第2セットのチャネル(6b)の単なる開放端の近くの下端部分よりも、実質的にそれらの全長に沿って流れることである。膨張する空気(13)が、これらのチャネルを遮断する第2セットのチャネル(6b)に沿って流れるにつれ、これらのチャネル(6b)を遮断するすすおよび灰(異物)(19)は、かなりの速度で流れ出される。フィルター内の水位が落ち続けるとともに、すべての水、すすおよび灰(19)が流し出され、気圧が自由に消え得るまで気孔構造を洗浄する、第2端部(10)に継続的により近づく水位で、フィルター壁(7)に沿って空気が通過する。この全体工程は、典型的に1秒未満で非常に速く行なわれる。
【0076】
図12は、洗浄工程の間のパージチャンバー(14)において測定された圧力の2つのトレース(99)を示す。フィルター(1)およびパージチャンバー(14)を水で満たすことを含む、工程の初期段階は、約15秒かかるが、フィルター(1)およびパージチャンバー(14)の容積および水の圧力によっては、約10〜25秒の間であり得る。圧縮空気のパルス「洗浄パルス」により、圧力の急速な増加がパージチャンバー(14)において見られる。
チャンバー(14)およびフィルター(1)を通って移動するための圧力波にかけられる時間は、実質的に1秒未満であり、一般に0.2と0.5秒の間である。
【0077】
第2バルブ(23)が開かれた直後、空気、水および灰(および他の異物)の噴出が、高速でフィルター(1)の第2端部(10)を出る。この廃液流体は、アンチサージチャンバー(48)に入り、膨張チャンバー及び/又は存在するならばチムニーに流れ込む前に、廃液タンク(46)内に最初は貯留されている。短い遅滞の後、第2バルブ(23)は、圧縮空気の第2パルス(「試験パルス」)を導入する約1秒間の間、再び開かれる。この空気の第2パルスは、フィルター洗浄の測定の手段を提供し、過剰水のフィルターを乾かす機能を果たす。該パルスは、随意に熱気の使用とともに、更なる乾燥のために繰り返され得る。一旦すべての水および空気がフィルターを出たならば、固定手段(40)は解放され(700)、フィルター(1)は装置(12)から取り外される(751)。
【0078】
圧縮ガスとして圧縮したCO2を使用する試験も行なわれた。CO2が圧縮空気と同様にフィルターも洗浄しなかったことが発見された。これは、フィルターの多孔質壁を通る流れが制限される、またはより遅くなるという結果となる、CO2分子のより大きなサイズが原因である。
【0079】
洗浄されたフィルター(1)は、その後、国際公開公報第2006/016117号に記載される方法に従って透過光を使用して検査される(800)。フィルター(1)の第2端部は、光源によって照らされ、フィルター(1)の第1端部は、光学装置およびカメラを通して観察され、フィルター(1)を通過できる光量を決定する。フィルター(1)の第1端部で開くチャネルから放射された光の強度が強いほど、フィルターはより清浄になる。しきい値透過光強度は、フィルターが「清浄」であると決定される前に、フィルター(1)の大部分の領域に到達させられなければならない。非常に高い光強度の領域が示すのは、欠けている終端プラグまたはチャンネル壁(7)の完全性に対する損傷である。試験の後、フィルターは裏返され、第1端部から観察される。図13は、処理後の清浄なフィルター(上部の図)および回復不可能なフィルター(下部の図)の両方の例を示す。
【0080】
代替の実施形態において、背圧の測定からのデータは、フィルターが十分に清浄であるかどうかを決定するために使用され得る。洗浄工程の間に記録された背圧データは、背圧が、洗浄工程における「試験空気パルス」ポイントでのしきい値より下のレベルに下げられるまで、監視され、洗浄サイクルが繰り返され得る。背圧は「洗浄」および「試験」の空気パルスの両方の間に記録される。「洗浄」パルス中に得られたピーク背圧は、フィルターコアにおける閉塞の範囲のよい指標を与え、「試験」中に得られたピーク圧力は、以前に議論されたように、圧縮空気が通って流れ得る、フィルターの清浄さ、または利用可能な容積のよい指標を与える。この検査方法は、フィルターが各々実行された後、装置から取り外される必要がないという利点を有するが、しきい値が達成されるまで、洗浄方法は自動的に繰り返され得る。
【0081】
清浄なフィルターを示す典型的な圧力差は、フィルター材のタイプおよびフィルターの寸法に応じて変化する。例えばコージライトフィルターにおいて、我々は、約1.8〜2.4バール(180-240kPa)の圧力差が十分に洗浄されたフィルターと一致していたことを発見した。
【0082】
フィルターを洗浄するために使用される以前の方法、例えば、圧縮空気ジェットまたは高圧水は、典型的には時間がかかり、非常に乱雑である。更に、特に極度に塞がれたフィルターの場合には、フィルターの全長の洗浄に成功しそうにない。例えば、圧縮空気はフィルターの両端部に向けられ得るが、これは、すすと灰により遮断されたままであり、洗浄するのが非常に難しいフィルターの中央または下部領域に達し得ない。
【0083】
本発明の装置および方法を使用して、新しい工程のたった1つの適用で、大量に詰められたフィルターを含む、受動フィルターの約95%を洗浄することが可能であるということが発見された。以前に、高圧水のみを使用して、フィルターの約75%だけが洗浄工程の第1の通過後に「清浄」であった。前記方法は、圧縮空気のみを使用して達成されたものよりもはるかに優れた結果を与える。
【0084】
燃料媒介性触媒と併用して一般に使用される、かなりひどく汚された受動フィルターおよび能動フィルターは、完全な洗浄が達成される前に、一般に装置内に数回のサイクルを必要とする。それは、両方の方向からこのように清浄にする装置内のこれらのフィルターを裏返すことが有益であり、それによって両方向から洗浄されるということが発見された。
【0085】
本発明の洗浄装置および洗浄方法は、それ故、時間節約および洗浄能力の両方の点で既存の洗浄方法を超える本質的な改善を提供する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンからの排出規制に関係する、車両用排気装置の微粒子フィルターおよび他の構成部品を洗浄するための方法および装置に関する。もしフィルターが固体外部ケーシングによって囲まれ、剛性のフィルター膜またはフィルターセルの構造を有するならば、その製造過程は、任意のタイプのフィルターを洗浄するのに適し得る。
【背景技術】
【0002】
多くの近年のディーゼル駆動の車両用の排気装置は、車両の排気流から粒状物質を取り除くためにフィルターとともに提供される。これらは、典型的に、それらの長さに沿って流れる細長いチャネルを有する円筒状のセラミックまたは他のタイプのモノリスであるウォールフローフィルターである。一端でチャネルに入るガスが、その他端で同じチャネルを出ることができないように、チャネルは第1または第2の端部で交互に接続される。出るために、ガスはフィルターの多孔質壁を通って1つのチャネルから次まで通過しなければならない。そうする際に、ガス内のすすおよび灰はフィルターの壁内に、およびその壁上に堆積される。
【0003】
近年のディーゼル排気装置は、受動(Passive)または能動(Active)として分類され得る微粒子フィルターが取り付けられる。
【0004】
受動フィルターにより、エンジンからの熱およびガスは、微粒炭素を燃焼させるために使用され、それによって、フィルターを再生する。堆積したすすおよび灰の量、およびフィルターの再生する能力は、エンジン状態および負荷サイクルの両方に依存する。
【0005】
より高い温度がフィルターから堆積したすすを焼き出すため、上昇動作温度では、そのようなフィルターは再生し、有効に自己洗浄する。しかしながら、例えば、停止/始動の市街走行によって、または長期間の使用の後に引き起こされる、より低い排気温度では、フィルターは、微粒炭素の大量堆積により遮断され得る。大量の炭素堆積の急速な燃焼から結果として生じる発熱反応は、非常に激しくなり得るので、フィルターの完全性に対する損傷が引き起こされる。これは、フィルターの有効性を単に低下させる結果を有し得るが、より一般に、フィルターは交換されなければならない。理想の状態である時でさえ、フィルターは、灰、および他の不燃材料でゆっくりいっぱいとなり、結果として、性能および燃料効率に悪影響を与える排気装置内で背圧を増加させる。
【0006】
能動フィルターは、不足した性能または低性能の負荷サイクルを典型的に有するエンジンに適している。これらのフィルターは、強まるにつれ、フィルターに堆積した炭素の燃焼を助けるために実行される外部作用と連動して使用される。もう一度、灰および他の燃焼生成物は、フィルター上に蓄積し、性能および燃料効率をゆっくり低下させる。
【0007】
これらの問題を低減する1つの方法は、周期的な洗浄を含む、定期補修制度を介することである。フィルターの洗浄が1年に1回実行されることが好ましいが、使用法によって、フィルターは1年に2回または3回洗浄されてもよい。
【0008】
既存の洗浄方法は時間がかかり、実行するのが難しくなり得る。フィルターを洗浄するために使用される1つの標準方法は、すすおよび灰を吹き出すために、圧縮空気のジェットをフィルターの一端または両端に導入することを含む。しかしながら、圧縮空気はしばしば完全にはフィルターを洗浄しないため、結果的に、耐用年数を減少させ、不可逆的閉塞または熱的損傷による初期故障の可能性を増加させる。特許文献1において、最初にフィルターハウジングを85℃まで加熱したフラッシング剤で満たすことによって、車両用排気フィルターを洗浄することが提案された。該フィルターは、3〜8分間熱いフラッシング剤で浸され、振動機で撹拌され、その後、圧縮空気とともにフラッシング剤を放出する。特許文献2において、複数の連続する洗浄サイクルを実行することが提案され、各サイクルの間に、フィード圧での洗浄液が、大気上の第1圧力でガスによってフィルター媒体の出口表面の全体と接触させられ、その後、第1圧力より高い圧力でガスによって、洗浄圧力がかけられる。
【0009】
本発明は、車両用排気装置フィルターを洗浄するための改善された方法および装置の提供を目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許EP 1 336 729
【特許文献2】欧州特許EP 1 252 919
【発明の概要】
【0011】
本発明の態様は、独立クレームにおいて明記される。好ましい特徴は、従属クレームにおいて明記される。
【0012】
本発明の洗浄方法の態様は、洗浄されるフィルターを水で満たし、その後、制御された方法で圧縮空気の圧力波を導入することを含む。この方法は、既存の方法を超える改善された洗浄能力を有することが示された。更に、該方法は、速く、使用するのが簡単で、以前の方法では洗浄することに成功できなかった大量に詰められたフィルターを洗浄することが可能である。単一パスはほとんどのフィルターを洗浄するのに十分であり、高温または振動装置は必要とされない。装置および方法は、微粒炭素をもたらすエンジンおよび燃料で使用される洗浄フィルターに特に適している。
【0013】
本発明はここで、ほんの一例として、かつ添付の図面に関して以下に更に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、ウォールフローフィルターの部分的な斜視図を示す。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態による車両用排気装置フィルターを洗浄するための装置の横断面の概略図を示す。
【図3】図3は、本発明の第2の実施形態による車両用排気装置フィルターを洗浄するための装置の斜視図を示す。
【図4】図4は、本発明の第3の実施形態による車両用排気装置フィルターを洗浄するための装置の斜視図を示す。
【図5】図5は、図4の装置の第2の斜視図を示す。
【図6】図6は、図4の装置の、上部のアダプタープレートおよびリテーニングプレートを示す。
【図7】図7は、図4の装置のローディング機構を示す。
【図8】図8は、本発明の実施形態に従う洗浄方法のフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の実施形態の方法の第1段階を示す概略図である。
【図10】図10は、本発明の方法の実施形態の第2段階を示す概略図である。
【図11】図11は、フィルターを通る液体およびガスの流れを示す概略図である。
【図12】図12は、洗浄工程の間のパージチャンバーにおける圧力の変化の2つのプロットを示し、上部の写真において、横目盛は1スクエア=0.2sであり、縦目盛は1スクエア=0.25バール(25kPa)である。
【図13】図13は、本発明の実施形態に従う洗浄された2つのフィルターの光学検査結果を示す。
【図14】および図14は、本発明の態様に従う装置の実施形態の密封配置の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、円筒状の金属性サラウンド(metal surround)またはスリーブ(4)内に含まれる円筒状のセラミックモノリスコア(2)を含む、ウォールフローフィルター(1)の概略図を示す。車両用排気装置のためのフィルター(1)の全径は、一般に200〜400mmの間である。セラミックフィルターコア(2)は、それらの長さに沿って流れる多くの細長いチャネル(6)を有する。これらのチャネル(6)は、一般に、ほぼ正方形の断面を有しており、その幅は、約0.75〜2mmである。図1において、フィルター(1)の寸法と比較したチャネル(6)の相対的サイズは、明瞭さのために増大された。チャネル(6)間で、フィルターコア(2)の壁(7)は、多孔質セラミックから形成される。セラミックは、例えば、コージライト(マグネシウム鉄アルミニウム環状珪酸塩)、炭化ケイ素、またはチタン酸アルミニウムであり得る。典型的な多孔率は、10〜20μmの間の平均孔径を有する40〜50%の間であるか、またはEuro 6 フィルターにはより小さい。フィルター(1)における隣接するチャネル(6)は、一端でチャネル(6)に入る排気ガスが、その他端で同じチャネル(6)を出ることができないように、セラミック材料のプラグ(3)を備える交互の端部で接続される。出るために、ガスは、フィルター(1)の多孔質壁(7)を通って1つのチャネル(6)から次まで通過しなければならない。フィルター(1)の金属スリーブ(4)は、使用中であるとき、車両用排気装置の他の部分へのフィルター(1)の接続を助ける、フランジ(8)を各端部で含む。図1に示される実施形態において、フランジ(8)は、通常、円筒状スリーブ(4)の上端および下端から斜めに外側に伸びる。しかしながら、フランジは、様々な取り付け器具を許容するために異なるデザインであり得る。
【0016】
排気ガスは、車両用排気装置、典型的にはディーゼルエンジンの排気装置に導入される時、第2端部(10)から第1端部(11)まで、フィルター(1)を通って流れる。粒状物質は、それ故、フィルターの第2端部(10)で開放端を有するそれらのチャネル(6)において蓄積する。粒状物質、典型的には、すすと灰が、閉じ込められ、多孔質セラミック壁(7)によってガス流から取り除かれるため、フィルターの第1端部(11)で開放端を有するチャネル(6)は、他のチャネル(6)より一般に著しく清浄である。
【0017】
そのようなフィルター(1)を洗浄するための装置(12)の第1の好ましい実施形態は、図2に示される。装置(12)は、パージチャンバー(14)、収集タンク(46)、およびパージチャンバー(14)と収集タンク(46)の間で洗浄されるフィルター(1)を保持し位置付けするための機構(40)を含む。フレーム(18)または外側ケーシングは、装置(12)を囲み、装置(12)の断面の配列を維持し、洗浄中にフィルター(1)から漏れ得る任意の流体の流出を阻止するのを助ける。
【0018】
パージチャンバー(14)は、本例では20リットルである、洗浄されているフィルター(1)の容積とほぼ等しい内容積を有する円筒状の金属チャンバーである。洗浄されるフィルターは、20リットルを超えるか、または20リットル未満の容積を有し得、典型的には2から35リットルの間である。パージチャンバーの容量は、重大ではないように見える。例えば、20リットルのフィルターに対して、パージチャンバーが8、12、20または24リットルの容積を有し、等しくよい洗浄結果を与え得ることが示された。5リットルまたはそれ以下の容積は、フィルターを洗浄するのに十分であるが、すべての取り除かれた材料を収集タンクへ洗い流すことに成功するには少なすぎであり、結果として当り面上に異物が蓄積する。
【0019】
パージチャンバー(14)は、流体をチャンバーへ導入するための入口手段を有する。本実施形態において、入口手段は、パージチャンバー(14)の最上面(15)における2つの入口(20)、(22)を含む。第1の入口(20)は、液体、本例では水の供給のために接続され、水の流れをパージチャンバー(14)へ制御するために使用される第1バルブ(21)を含む。本実施形態において、入口(20)は、約1インチ(2.5cm)の直径を有し、水は、約2バール(200kPa)の圧力で本管の水道から直接引かれる。本記載において、圧力は、気圧に関連して与えられるため、2バール(200kPa)の圧力は、大気圧に2バール(200kPa)であるか、または言いかえれば、3バール(300kPa)の絶対圧である。
【0020】
第2の入口(22)は、圧縮ガス、この場合は圧縮空気を供給するために接続される。本実施形態において、圧縮空気は、10バール(1000kPa)の圧力で圧力容器(図示せず)に蓄えられる。第2バルブ(23)は、圧力容器とパージチャンバー(14)の間に位置付けされ、典型的にパージチャンバーへの入口にある。第2バルブ(23)は、後ほど詳細に説明されるように、圧縮空気のパルスをパージチャンバー(14)へ導入するために速く開閉することができる。液体およびガスのための入口は、本実施形態においてチャンバーに別々に接続されるが、チャンバー(14)への単一の共通の入口へとなり得ることを理解されるであろう。
【0021】
パージチャンバー(14)はまた、その上面(15)上に出口またはベント(24)を含み、その目的は、チャンバー(14)が水で満たされるにつれ、チャンバー(14)から空気が抜けるようにすることであり、フィルター保護の安全バルブとして作用するために、洗浄サイクル中にフィルターに沿って超過の差圧がかけられるべきである。それ故、ベント(24)が、チャンバー(14)の上部に、またはその近くに位置付けされることが望ましい。代替の実施形態において、ベント(24)は、最上面(15)に近いチャンバー(14)の側面上に位置付けされ得る。いくつかの実施形態において、別々の出口が必要とならないように、ガス入口(22)は、ベント(24)としても作用することが望ましい。パージチャンバー(14)はまた、チャンバー(14)の上部近くに視界窓(26)を含み、使用者がパージチャンバー(14)内の水位を設定するためにチャンバーの内部を見ることができる。
【0022】
チャンバー(14)における圧縮空気の圧力を監視し、圧力が設計限界を超えて上昇する場合に過剰空気を逃がすために、圧力計(28)および圧力安全バルブ(30)もまた、パージチャンバー(14)の上部に取り付けられる。
【0023】
パージチャンバーはまた、コントロールバルブ(図示せず)を備える付加的な大直径の入口を有し得、フィルター乾燥の目的で高容量の熱気の導入を可能にする。
【0024】
リテーニングプレート(32)は、パージチャンバー(14)の下面を形成し、洗浄されるフィルター(1)のコア(2)の直径よりわずかに短い直径を有する開口部(33)を含む。リテーニングプレート(32)の表面積は、チャンバー(14)の断面積より大きいため、リテーニングプレート(32)は、パージチャンバー(14)の外面を超えて伸張し、パージチャンバー(14)は、流体密封を形成するような方法でリテーニングプレート(32)の上面に取り付けられる。開口部(33)は、リテーニングプレート(32)において中心に位置付けされ、パージチャンバー(14)と軸方向に並べられる。
【0025】
第1密封要素(34)はリテーニングプレート(32)の下面に取り付けられる。この密封要素(34)は、本例において、リテーニングプレート(32)における開口部(33)と同じ直径を有する隙間(35)を含む。一般に、隙間の直径は、フランジ(8)の直径よりわずかに短くなるように設計されている。密封要素(34)は、リテーニングプレート(32)とフィルター(1)の上端のフランジ(8)の間で流体密封を形成するために使用される。
【0026】
フィルター(1)の対向する端部は、リテーニングプレート(32)および第1密封要素(34)から距離をおいて取り付けられる、第2密封要素(36)および取り付けプレート(38)上に位置する。取り付けプレート(38)は、リテーニングプレート(32)と類似する寸法を有しており、洗浄される最大のフィルターコア(2)の直径よりも長くはない直径を有する、中心に位置付けられた開口部(39)を含む。第2密封要素(36)は、第1密封要素(34)と典型的に同じサイズであり、取り付けプレート(38)において開口部(39)と並べられる、隙間(37)を有する。
【0027】
装置(12)は、第1密封要素(34)と第2密封要素(36)の間のフィルター(1)を固定し保持するための手段(40)をさらに含む。第1の実施形態において、固定手段(40)は、取り付けプレート(38)の上部表面とリテーニングプレート(32)の下部表面の間で固定されたピストン(40)を含む。第1の、延長位置において、ピストン(40)は、リテーニングプレート(32)およびパージチャンバー(14)を取り付けプレート(38)から距離をおいて保持するため、その距離は、洗浄されるフィルター(1)の長さよりかなり長く、フィルター(1)が装置(12)に容易に装着されることを可能にする。第2の、閉鎖位置において、ピストン(40)は、リテーニングプレート(32)を取り付けプレート(38)の方へ引くことにより、第1密封要素(34)と第2密封要素(36)の間のフィルター(1)を固定する。
【0028】
本実施形態において、支持部材(42)は、フィルターコア(2)の端部を支持するために提供される。支持部材(42)は、取り付けプレート(38)の下の支持フレーム(43)上に取り付けられ、取り付けプレート(38)における開口部(39)を通って上方へ突き出て、いくつかの部分でフィルターコア(2)の表面と接触する。支持部材(42)は、単一の構成部分として一緒に集められ得る。圧縮空気がフィルター(1)を通って入り流れるために、増加した圧力は、セラミックコア(2)の一部分が壊れる、または流体の力によって押し出される原因となり得る。支持部材(42)および支持フレーム(43)は、セラミックコア(2)の移動を制限するように設計されており、それによって、フィルター(1)からの流体の流れを防止せずに、コア(2)が洗浄されるとともに、コア2の破損を限定するか、または防ぐ。
【0029】
支持フレーム(43)は、フィルター(1)の表面に対して支持部材(42)を押すピストン(45)をさらに含む。
【0030】
ゲート部材(44)は、取り付けプレート(38)の下に直接取り付けられ、取り付けプレート(38)に接続される。ゲート部材(44)は、プラグ(44)が取り付けプレート(38)において開口部(39)を覆う閉鎖位置と、ゲートパネル(44)が開口部(39)を遮断しない開放位置の間で移動可能なプラグ(44)を含む。ゲート部材(44)の目的は、以下に記載されるような洗浄工程の第一段階中にフィルター(1)から液体の流れを防止するか、または防ぐことである。開放および閉鎖位置の間のゲートプラグ(44)を動かすための手段(47)が提供され、本実施形態において、支持フレーム(43)上に取り付けられる。本例において、1対のピストン(47)は、制御棒(49)を介して、ゲート部材(44)を取り付けプレート(38)の方へ、および取り付けプレート(38)から離れて上げ下げする。代わりに、ゲート部材(44)は、水平にスライドし得るか、開放および閉鎖位置の間で回転し得るか、またはヒンジで連結され得る。
【0031】
収集タンク(46)または廃液タンクは、取り付けプレート(38)の下または後ろに位置付けされ、フィルター(1)の下端から放出された廃液を集めて含む。本実施形態において、取り付けプレート(38)が、廃液タンク(46)と一体的に形成されるため、取り付けプレート(38)は、タンク(46)の上部を形成する。
【0032】
廃液タンク(46)は、放出された流体中でエネルギーを減少させるように配されたアンチサージチャンバー(48)を含む。この場合、アンチサージチャンバー(48)は、複数の穴部(50)を有する金属シリンダーを含む。開口部(39)を通り抜ける流体が、アンチサージチャンバー(48)の内部に入り、チャンバー壁において穴部(50)を通ってチャンバー(48)を出なければならないように、アンチサージシリンダー(48)は、一端を直接、開口部(39)の下にして、取り付けプレート(38)に置かれる。
【0033】
廃液タンク(46)はまた、タンク(46)の側壁(54)の下部における出口(52)、およびタンク(46)の側壁(54)の上部におけるベント(56)を含む。出口(52)およびベント(56)は、廃液タンク(46)を随意の膨張チャンバーまたはチムニー(図示せず)に接続し、その目的は以下に記載される。
【0034】
本発明の第2の好ましい実施形態は、図3に示される。本実施形態は、図2に示される実施形態と同様であり、同様の特徴は、100ずつインクリメントされた参照番号で示されている。
【0035】
本実施形態において、第1封鎖要素(134)と第2封鎖要素(136)の間の位置においてフィルター(101)を固定するために使用される保持手段(140)は、旋回ハンドル(58)を含む。特に固定手段(140)は、リテーニングプレート(132)の下部表面からほぼ垂直に下方へ伸びる第1の1対のクランプ部材(60)、および取り付けプレート(138)の上部表面から実質的に垂直に伸びる第2の1対のクランプ部材(62)を含む。ハンドル(58)は、好ましくは回転可能な連結部材(図示せず)を介して、第1および第2の対のクランプ部材(60)、(62)の間で回転自在に接続される。この方法で、ハンドル(58)が、第1の位置から第2の位置に移動されるとき、ハンドル(58)は、2対のクランプ部材(60)、(62)が互いの方向に引かれるように旋回し、取り付けプレート(138)とリテーニングプレート(132)の間の間隙を減少させる。ハンドル(58)は、その後、第2の位置から移動され、第1の位置に戻り、2対のクランプ部材(60)、(62)を分離させ、取り付けプレート(138)とリテーニングプレート(132)の間の間隙を増加させる。フィルター(101)は、それ故、第1の位置においてハンドル(58)とともに装置(112)に装着され得、その後、第2の位置へ移動したハンドル(58)とともにパージチャンバー(114)の下に適所に保持され得る。
【0036】
更に、本実施形態において、リテーニングプレート(132)およびパージチャンバー(114)は、収集タンク(146)の側面からリテーニングプレート(132)まで伸びるフレーム(66)により、収集タンク(146)に対して固定される位置で保持される。それ故、上述されたクランプ手段(140)は、フィルター(101)のフランジ(108)が第1密封要素(134)に当接するまで、取り付けプレート(138)およびフィルター(101)を収集タンク(146)から離れて上方に引く。
【0037】
クランプの配置は、取り付けプレート(138)が、前述されたような収集タンク(146)と一体的に形成され得ないことを意味する。この場合、収集タンク(146)は、取り付けプレート(138)において開口部(139)よりも実質的に大きな隙間(69)を有する上部表面(68)を含む、容器を含む。取り付けプレート(138)は、クランプ手段(140)のハンドル(58)が第2の位置に移動されるとき、収集タンク(146)から離れた方向に移動可能である。図2で見られるように、取り付けプレート(138)は、フレーム(66)の垂直部材に係合し、垂直方向での取り付けプレート(138)の移動を抑制する、プレート(138)の角でカットアウト(70)を含む。カットアウト(70)は、実質的に正方形であり、フレーム(66)の垂直部材の約2つの側面を伸張する。この方法で、取り付けプレート(138)の各端部は、それぞれの対の垂直部材の間で伸張し、それによって、取り付けプレート(138)の水平運動を防ぐ。
【0038】
保護部分(72)は、一端で取り付けプレート(138)の下部表面に取り付けられ、収集タンク(146)において隙間(69)を介して伸張する。本実施形態において、保護部分(72)は円筒状スリーブであり、保護部分(72)の直径は、廃液タンク(146)の上部表面における隙間(69)において保護部分(72)の滑りばめがあるような直径である。保護部分(72)の直径は、アンチサージチャンバー(図示せず)の直径より長く、保護部分(72)は、アンチサージチャンバーの少なくとも上部断面を囲む。取り付けプレート(138)がフィルター(101)を固定するために廃液タンク(146)から離れた方向に移動されるとき、保護部分(72)は、廃液タンク(146)の上部から突き出るようにスライドし、取り付けプレート(138)と廃液タンク(146)の間の間隙を埋める。
【0039】
支持部材(142)は、取り付けプレート(138)における開口部(139)をまたぐ。支持フレーム(143)は、前述されるようなフィルターコア(102)の各断面を支持するための、リングから半径方向に外側へ伸びる支持部材(142)を備える中央のリングを含む。
【0040】
本実施形態において、膨張チャンバー(74)およびチムニー(76)は、廃液タンク(146)の出口に接続される。廃液タンク(146)の容積がパージチャンバー(114)およびフィルター(101)の容積よりはるかに大きいため、圧縮空気は、フィルター(101)を出ると、急速に膨張する。この大量の空気は、廃液タンク(146)から主にベント(図示せず)を通り抜けて、チムニー(76)を介して空気中に逃げる。水の圧力もフィルター(101)を出ると落ち、水と粒状物質は廃液タンク(146)を満たす。過剰廃水は、出口(152)を通って膨張チャンバー(74)へ流れる。
【0041】
幾つかの実施形態において、フィルター(図示せず)は、廃液タンク(146)または膨張チャンバー(74)の出口に嵌合され得る。これは、すすと灰で汚染された廃水が、再び使用されるために、ろ過され再利用されることを可能にするだろう。
【0042】
本発明の第3の好ましい実施形態は、図4〜7に示される。本例において、装置(212)は、完全に内臓ユニットであるように設計されている。特に、全体の装置(212)は、支持フレーム(218)内に取り付けられ、カバー(図示せず)によって実質的に包まれ得る。本実施形態の装置(212)は、完全に内臓となるように設計されているため、トレーラー(図示せず)において取り付けられ得る。装置(212)は、その後、完全に可動性となり、別の停止部(depots)へ移動されることを可能にし、例えば、別の車両のために排気フィルターを洗浄する。
【0043】
パージチャンバー(214)に提供される圧縮空気の供給は、パージチャンバー(214)の一方の側面上に取り付けられた、圧力シリンダー(78)内に蓄えられる。給水は、パージチャンバー(214)の他方の側面上に取り付けた給水タンク(79)に蓄えられるが、他の実施形態において、水もまた、圧力シリンダーに蓄えられ得る。以前の実施形態におけるように、水および空気は、たわみ管(図示せず)を介してパージチャンバー(214)の上部に供給される。
【0044】
リテーニングプレート(232)およびパージチャンバー(214)は、支持フレーム(218)の上部に接続される。ピストン(240)は、一端でフレーム(218)の上部に取り付けられ、他端でリテーニングプレート(232)の上面に取り付けられる。ピストン(240)は、洗浄されるフィルター(201)がリテーニングプレート(232)の下に位置するときに、リテーニングプレート(232)およびパージチャンバー(214)を下方へ押すように配される。機械的な係止手段(図示せず)が、フィルター(201)の上部のこの降下位置においてリテーニングプレート(232)を作動させるおよびロックするために、洗浄工程の間にフィルター(201)に入るガスの背圧が、リテーニングプレート(232)をフィルター(201)の上部から離れさせる原因とはならない。
【0045】
本実施形態において、密封要素は、図6および7に示される、アダプタープレート(80)、(82)を含む。ガイドレール(81)は、リテーニングプレート(232)の下面に固定され、第1の上部のアダプタープレート(80)を位置付けし支持する。ガイドレール(81)が、リテーニングプレート(232)から垂直に下方へ伸び、ガイドレール(81)の下部(84)が、リテーニングプレート(232)の中心の方向へ突き出るように、ガイドレール(81)はL字形断面を有する。ガイドレール(81)の間に第1アダプタープレート(80)の滑りばめがあり、アダプタープレート(80)のエッジ領域は、リテーニングプレート(232)の下部表面に接するアダプタープレート(80)の上部表面を備えるガイドレール(81)の、内部に突き出る部分(84)上にある。
【0046】
対のアダプタープレート(80)、(82)は交換可能であり、装置(212)が異なるサイズのフィルター(201)、特に異なる直径を有するフィルターを格納するのを可能にする。各々の対のアダプタープレート(80)、(82)は、異なる直径の隙間(85)、(83)を有しており、洗浄されるフィルター(201)の直径に対応するように選択され得る。実際に、異なる直径を有する隙間を備える3対のアダプタープレートが、多くの異なるフィルターのタイプ、例えば、異なるフランジ形状を備えるフィルター、および160〜370mmの間の直径を備えるフィルターを洗浄するのに十分である可能性が高い。
【0047】
取り付けプレートおよびリテーニングプレートの開口部は、固定直径を有しており、これは、洗浄される最大のフィルター(201)の直径より長くはないが、実質的に等しくなるように一般に選択される。それ故、より小さいフィルターを格納するために、より小さい隙間(85)、(83)を備えるアダプタープレート(80)、(82)は、フィルター(201)のどちらかの端部に位置付けされ、その結果、隙間(85)、(83)の周面は、フィルターコアの周面ほど大きくなることはなく、それによって、フィルター(201)の外側周囲の流体の喪失を防ぐ。必然的に、アダプタープレート(80)、(82)は、リテーニングプレート(232)と第1フィルターフランジ(208)の間、および取り付けプレート(238)と第2フィルタ−フランジ(208)の間の両方で流体密封を形成する、両方の表面上の密封層(86)を含む。
【0048】
装置(212)はまた、リテーニングプレート(232)と取り付けプレート(238)の間からフィルター(201)を装着し、取り外す助けとなるローディング機構を含む。
【0049】
本実施例において、取り付けプレート(238)は、廃液タンク(246)の上部と一体的に形成される。シールド壁(88)は、廃液タンク(238)の上部から垂直に上方に伸びる。洗浄されるフィルター(201)は、装置(212)内の位置にあるとき、少なくとも廃液タンク(246)とリテーニングプレート(232)の間に伸びるシールド壁(88)によって3つの側面上で囲まれる。この方法で、シールド壁(88)は、フィルター(201)の周りの囲い壁の背面および側面を形成する。
【0050】
囲い壁の正面は、ヒンジ結合されたドア(90)によって形成される。該ヒンジ結合されたドア(90)は、長方形であり、その下端に沿ってヒンジで連結される。図4および5に示されるように、ヒンジ機構(91)は、前記ドア(90)がその平面が実質的に垂直である閉鎖位置から、実質的に水平である開放位置まで約90℃にわたって回転することができ、前記ドア(90)が装置(212)の正面から伸びるような機構である。
【0051】
一連のローラー(92)は、廃液タンク(246)の上部において開口部(239)の両側に取り付けられる。ローラー(92)は、各一連のローラー(92)のホイール(93)が同じ平面にあり、ホイール(93)の回転軸が均一に離れて間隔を置かれるような、ディスクまたはホイール(93)を含む。周りで各ホイール(93)が回転する車軸(94)は、並列の支持レール(95)を通り抜ける。支持レール(95)および車軸(94)は、すべてのホイール(93)が互いに自由に独立して回転することができるように、配される。
【0052】
一連のローラー(92)が固定されるため、ホイール(93)の上部は、開いているとき、前記ドア(90)の上部表面と同じ平面にある。第2の下部のアダプタープレート(82)は、洗浄位置と装着位置の間で、ローラー(92)の助けによって、水平に移動するまたはスライドするように配列される。
【0053】
洗浄位置において、第2のアダプタープレート(82)は、アダプタープレート(82)のエッジ部が一連のローラー(92)上に位置し、第2のアダプタープレート(82)における隙間(83)が廃液タンク(246)の上部における開口部(239)と配列されるように、フレーム(218)の内部に位置付けされる。アダプタープレート(82)は、その後、装着位置までローラー(92)上をスライドされ得る。
【0054】
装着位置において、アダプタープレート(82)は、開放されたドア(90)の上部表面上に位置する。更なるガイドレール(96)は、アダプタープレート(82)が前方へスライドするときに横方向に移動するのを防ぐために、前記ドア(90)の端に沿って提供され得る。この装着位置において、フィルター(201)は、アダプタープレート(82)において隙間(83)と配列するフィルターコアを備えるアダプタープレート(82)上に容易に置かれ得る。
【0055】
一旦フィルター(201)が下部のアダプタープレート(82)上に置かれると、それはスライドして洗浄位置へ戻されるため、流体経路はフィルターコアと廃液タンク(246)の間に存在する。ピストン(240)は、その後、リテーニングプレート(232)をフィルター(201)の方向へ押すために作動され、フィルターフランジ(208)とアダプタープレート(80)、(82)の間の流体密封を形成する。
【0056】
囲い壁の前記ドア(90)は、その後、洗浄中にフィルター(201)から抜け得る任意の流体の流出を阻止するために閉鎖される。
【0057】
他の実施形態において、アダプタープレート(80)、(82)は必要でないか、または使用されないかもしれず、取り付けプレートは廃液タンクから離れ得る、および記載されるように類似した装着位置と洗浄位置の間で移動するように適応され得る。
【0058】
上記の実施形態が、本発明による装置の具体例を記載し、いくつかの随意のおよび好ましい特徴を含むことが認識されるであろう。
【0059】
他の実施形態において、装置は別々のリテーニングプレートを含まないかもしれず、開口部は、パージチャンバーの下部表面において形成され得、該装置は、この下部表面の下面に直接置かれた密封要素を備える。この場合、密封缶が密封要素とフィルターのフランジの間で常に形成され得ることを確かなものとするため、パージチャンバーの外面は、洗浄される最大のフィルターの周面より大きいことが必要とされる。
【0060】
他の実施形態において、代替の固定手段は、取り付けプレートとリテーニングプレートまたはサージ室との間の間隙を増加および減少させるために使用され得る。固定手段は、取り付けプレートを静的リテーニングプレートの方へおよび静的リテーニングプレートから離れてスライドさせるために、または代わりに、リテーニングプレートを静的取り付けプレートの方へおよび静的取り付けプレートから離れてスライドさせるために配され得る。理想的に、取り付けプレートまたはリテーニングプレートのどちらか一方のみが移動可能であるべきであるが、幾つかの実施形態において、固定手段が取り付けプレートおよびリテーニングプレートの両方を移動させ、それらの間のフィルターを固定し保持することが好ましい。
【0061】
上述の例において、パージチャンバー、フィルターおよび収集タンクは、フィルターの上のパージチャンバーと垂直な並列となっているように記載されているが、これらの構成部分は、パージチャンバーがフィルターの一端と流体連結し、収集タンクがフィルターの対向する端部と流体連結するような、任意の適切な配置に存在し得ることが認識されるであろう。しかしながら、重力がフィルターを通る流体の移動を助けるような、フィルターのチャネルがフィルターの上のパージチャンバーと実質的に垂直であるように、フィルターが取り付けられることが好ましい。
【0062】
フィルターを洗浄する方法は、ここで、図8〜12への特定の言及によってより詳細に、および図2に示される装置(12)の実施形態に関連して記載される。
【0063】
洗浄されるフィルター(1)は、フィルター(1)の第2端部(10)が取り付けプレート(38)に接しているように、取り付けプレート(38)上に最初に置かれる(400)。その開放端が車両用排気装置において排気ガスの入口側に置かれたチャネル(6)は、それ故、それらの開放端の最下部とともに位置付けされ、これらのチャネル(6)は、第2セットのチャネル(6b)と以下に呼ばれる。フィルター(1)の第1端部(11)で開放端の最上部を有するチャネル(6)は、第1セットのチャネル(6a)と呼ばれる。
【0064】
フィルター(1)は、取り付けプレート(38)において開口部(39)と軸方向に配列され、もし必要であれば、アダプタープレート(86)は洗浄されているフィルター(1)の直径またはタイプに適するように挿入または変更され得る。
【0065】
固定手段(40)は、その後、取り付けプレート(38)とリテーニングプレート(32)の間のフィルター(1)を固定するために使用される(451)。フィルター(1)の両端のフランジ(8)は、密封要素(34)、(36)に当接し、固定する力は、実質的に流体密封が密封要素(34)、(36)とフィルター(1)の間で形成されるような力である。
【0066】
流体連結経路は、その後、パージチャンバー(14)と廃液タンク(46)の間に存在し、リテーニングプレート(32)における開口部(33)、および第1密封要素(34)における隙間(35)を通り抜け、第1端部(11)から第2端部(10)までのフィルター(1)を通って、その後第2の密封要素(36)における隙間(37)、および取り付けプレート(38)における開口部(39)を通り抜ける。ゲート部材(44)は、取り付けプレート(38)において開口部(39)を実質的に遮断し、フィルター(1)からの液体の流れを実質的に防ぐように閉鎖位置に移動される(500)。これは、工程のこの段階において使用される水の量を減らし、フィルター(1)において液体の圧力を増加させるために使用され得る。所望の液圧が洗浄段階中にフィルター(10)の第2端部で達成される時、ゲート部材は、閉鎖および開放された状態でロックされるように設計されている。
【0067】
図9に示されるように、一旦フィルター(1)が位置にあり(Once the filter 1 in is position)、ゲート(44)が閉鎖されると、第1バルブ(21)は、その後、開放され、水がパージチャンバー(14)に流れ込むことを可能にする(551)。水は、その第1終端(11)でフィルター(1)に流れ込み、水は、主に第1セットのチャネル(6a)を満たす。いくらかの水は、フィルター(1)の多孔質壁(7)を通って流れ、第2セットのチャネル(6b)へ流れる。水は、粒状物質で満たされていないフィルター(1)のそれらの領域を通って優先的に流れ、それによって、フィルター(1)の第1端部(11)から第2端部(10)まで流れるための最も抵抗の少ない経路をとる。水は、フィルター(1)においていくつかの微粒異物によって吸収され得、特にチャネル(6)の壁(7)から、該微粒異物を弱めて除去し始め得る。
【0068】
しかしながら、我々は、ゲート(44)がこの時に開放されると、もし任意の粒状物質が水の流れによりフィルター(1)の端部から流れるのを見られるとしても、ほとんどないことを発見した。これは、フィルター(1)の多孔質壁(7)がまだ実質的に遮断されており、チャネル(6)内の異物が密に詰め込まれすぎているため、著しい水の流れを可能にしないからであり得る。フィルターに沿った流れは、第2端部(10)に最も近い領域にかなり制限され、そこで流れの抵抗は非常に低い。
【0069】
ここでは図14に言及して、好ましい実施形態のための密封配置が示される。フィルター(1)は、フィルター装着プレート(38)上で下部フィルター密封(36)に押しつけられる。フィルター装着プレート(38)は、ゲート部材(44)を受けるように特徴付けられたゲートシート部材(57)と協働する。O-リング密封(51)は、フィルター装着プレート(38)とゲートシート部材(57)の間で流体密封を提供する。ゲート部材(プラグ)(44)は、ゲート部材(44)とゲートシート部材(57)の間で流体密封を提供する内部ゲート密封(55)を有する。ゲート部材(44)がゲートシート部材(57)に完全に固定されるとき、フィルターの第2端部(10)は完全に密閉される。圧力変換器は、フィルター(1)の第2端部の下の圧力を測定するために、ポート(53)を介して、ゲートシート部材(57)内に提供される。密封材は、圧力変換器とポート(53)の壁の間に提供され得、フィルター(1)の第2端部で密封環境を維持する。
【0070】
現在までの試験は、フィルターおよびパージチャンバーに入る水の圧力がフィルター洗浄の性能の大きな違いなしに変化し得ることを示している。0.1バール(10kPa)および3.75バール(375kPa)の間の水圧が比較され、圧力が全体的な洗浄にほとんど影響を与えないと信じられている。これは、水の役割が主にフィルターチャネルを満たし、いくつかの異物を弱めるまたは緩和することであるという考えを更に支持する。正常動作条件の下では、チャンバー内の水圧は気圧上を上昇するのをベント(24)によって妨げられる。実際に、水は、2.5〜3バールの送出圧力を有するポンプからフィルターおよびチャンバーへ典型的に供給され、満足な装置の充填時間を達成する。
【0071】
一旦フィルター(1)が水で実質的いっぱいになると、水はフィルター(1)の上でパージチャンバー(14)を満たし続ける。バルブ(21)は、閉じられ、水の流れは、パージチャンバー(14)が水で完全にいっぱいの時だけ停止される(600)。これは、チャンバー(14)のベント(24)からの水の流れ、またはこの時点で導入されたレベルスイッチによって決定され得る。チャンバー内の水位は、パージチャンバー(14)の側面に提供されるのぞき窓を通してチェックされ得る。
【0072】
水の供給が停止されるとき、ベント(24)は閉じられ、第2バルブが作動される(651)。第2バルブ(23)は、圧縮空気のパルスがパージチャンバー(14)の上部に入ることを可能にするために、1秒未満、典型的には約0.8秒間開くだけである。好ましい実施形態において、パルスは、30〜50リットルの間(好ましくは約40リットル)の圧縮ガスが、約0.8秒で第2チャンバー(14)に入るようなパルスである。圧縮空気は、3バール(300kPa)と10バール(1000kPa)の間の圧力であり得る。試験は、気圧が7バール(700kPa)を超えて上昇すると、洗浄性能に更なる改善がほとんどないことを示した。圧縮空気がチャンバー(14)に入るとすぐに、圧力は水を通って伝達され、ゲート部材(44)とフィルターの第2端部(10)の間に位置する圧力検出器によって検知される。典型的に約0.2〜0.25バール(20〜25kPa)である、プリセット圧力で、制御装置は、ロッドのロックを解除し、ゲート部材(44)を開くように、空気圧操作されたピストン(47)に信号を送り(652)、水がフィルターの第2端部から流れ出るにつれ、圧縮ガスがチャンバーおよびフィルター内で膨張することを可能にする。測定されている閾値圧力とゲート部材(44)の開口の間の遅滞時間のために、ゲート部材上の圧力はその開口前に約1バール(100kPa)に達し得る。
【0073】
圧力差は、ここで、第2端部(10)とフィルターの第1端部(11)の間で存在する。この背圧の測定は、フィルター内の閉塞の程度の非常によい指標であると証明された。任意の所与のフィルターのための最適な安全洗浄の性能は、空気パルスの圧力、およびゲート部材が開かれるときの圧力の設定によって制御される。
【0074】
理論に縛られることを願うことなしに、我々は、洗浄工程の間に起こり得ることが以下のようであると信じる。図10に示されるように、圧縮空気のパルスは、水をパージチャンバー(14)から押し出し、高速でフィルター(1)を通る圧力波を作り出す。水位がフィルター(1)の表面より下に落ちたとき、空気は、その後、フィルター(1)を通ってどの経路をとるかの選択肢を有する。この工程は図11に示される。
【0075】
第1セットのチャネル(6a)が水(17)で少なくとも実質的にいっぱいであるため、空気(13)は、優先的にフィルター(1)の多孔質壁(7)を通って流れる。これは、空気分子がセラミック壁(7)における部分的に遮断された気孔を通って水を押し出そうとするより、それらを通って移動する方が簡単であると発見されたからである。壁(7)を通る空気のこの移動は、閉じ込められたすす、および壁(7)における気孔から運ばれる他の粒状物質(19)を第2セットのチャネル(6b)へ移動させる。もし第1セットのチャネル(6a)が水(17)で実質的に満たされなければ、空気(13)は、これらのチャネル(6a)に沿って流れ、その後、フィルター(1)の第2端部(10)の近くの多孔質壁(7)を通り抜け、第2セットのチャネル(6b)の開放端を通って出ることが更に仮定される。水で満たされた第1セットのチャネル(6a)により、空気は、優先的に上部の第1端部(11)の近くのフィルター壁(7)の気孔を通って流れ、セル(6b)に集められた灰とすす(19)の後ろで流れる。これが意味するのは、空気が、第2セットのチャネル(6b)の単なる開放端の近くの下端部分よりも、実質的にそれらの全長に沿って流れることである。膨張する空気(13)が、これらのチャネルを遮断する第2セットのチャネル(6b)に沿って流れるにつれ、これらのチャネル(6b)を遮断するすすおよび灰(異物)(19)は、かなりの速度で流れ出される。フィルター内の水位が落ち続けるとともに、すべての水、すすおよび灰(19)が流し出され、気圧が自由に消え得るまで気孔構造を洗浄する、第2端部(10)に継続的により近づく水位で、フィルター壁(7)に沿って空気が通過する。この全体工程は、典型的に1秒未満で非常に速く行なわれる。
【0076】
図12は、洗浄工程の間のパージチャンバー(14)において測定された圧力の2つのトレース(99)を示す。フィルター(1)およびパージチャンバー(14)を水で満たすことを含む、工程の初期段階は、約15秒かかるが、フィルター(1)およびパージチャンバー(14)の容積および水の圧力によっては、約10〜25秒の間であり得る。圧縮空気のパルス「洗浄パルス」により、圧力の急速な増加がパージチャンバー(14)において見られる。
チャンバー(14)およびフィルター(1)を通って移動するための圧力波にかけられる時間は、実質的に1秒未満であり、一般に0.2と0.5秒の間である。
【0077】
第2バルブ(23)が開かれた直後、空気、水および灰(および他の異物)の噴出が、高速でフィルター(1)の第2端部(10)を出る。この廃液流体は、アンチサージチャンバー(48)に入り、膨張チャンバー及び/又は存在するならばチムニーに流れ込む前に、廃液タンク(46)内に最初は貯留されている。短い遅滞の後、第2バルブ(23)は、圧縮空気の第2パルス(「試験パルス」)を導入する約1秒間の間、再び開かれる。この空気の第2パルスは、フィルター洗浄の測定の手段を提供し、過剰水のフィルターを乾かす機能を果たす。該パルスは、随意に熱気の使用とともに、更なる乾燥のために繰り返され得る。一旦すべての水および空気がフィルターを出たならば、固定手段(40)は解放され(700)、フィルター(1)は装置(12)から取り外される(751)。
【0078】
圧縮ガスとして圧縮したCO2を使用する試験も行なわれた。CO2が圧縮空気と同様にフィルターも洗浄しなかったことが発見された。これは、フィルターの多孔質壁を通る流れが制限される、またはより遅くなるという結果となる、CO2分子のより大きなサイズが原因である。
【0079】
洗浄されたフィルター(1)は、その後、国際公開公報第2006/016117号に記載される方法に従って透過光を使用して検査される(800)。フィルター(1)の第2端部は、光源によって照らされ、フィルター(1)の第1端部は、光学装置およびカメラを通して観察され、フィルター(1)を通過できる光量を決定する。フィルター(1)の第1端部で開くチャネルから放射された光の強度が強いほど、フィルターはより清浄になる。しきい値透過光強度は、フィルターが「清浄」であると決定される前に、フィルター(1)の大部分の領域に到達させられなければならない。非常に高い光強度の領域が示すのは、欠けている終端プラグまたはチャンネル壁(7)の完全性に対する損傷である。試験の後、フィルターは裏返され、第1端部から観察される。図13は、処理後の清浄なフィルター(上部の図)および回復不可能なフィルター(下部の図)の両方の例を示す。
【0080】
代替の実施形態において、背圧の測定からのデータは、フィルターが十分に清浄であるかどうかを決定するために使用され得る。洗浄工程の間に記録された背圧データは、背圧が、洗浄工程における「試験空気パルス」ポイントでのしきい値より下のレベルに下げられるまで、監視され、洗浄サイクルが繰り返され得る。背圧は「洗浄」および「試験」の空気パルスの両方の間に記録される。「洗浄」パルス中に得られたピーク背圧は、フィルターコアにおける閉塞の範囲のよい指標を与え、「試験」中に得られたピーク圧力は、以前に議論されたように、圧縮空気が通って流れ得る、フィルターの清浄さ、または利用可能な容積のよい指標を与える。この検査方法は、フィルターが各々実行された後、装置から取り外される必要がないという利点を有するが、しきい値が達成されるまで、洗浄方法は自動的に繰り返され得る。
【0081】
清浄なフィルターを示す典型的な圧力差は、フィルター材のタイプおよびフィルターの寸法に応じて変化する。例えばコージライトフィルターにおいて、我々は、約1.8〜2.4バール(180-240kPa)の圧力差が十分に洗浄されたフィルターと一致していたことを発見した。
【0082】
フィルターを洗浄するために使用される以前の方法、例えば、圧縮空気ジェットまたは高圧水は、典型的には時間がかかり、非常に乱雑である。更に、特に極度に塞がれたフィルターの場合には、フィルターの全長の洗浄に成功しそうにない。例えば、圧縮空気はフィルターの両端部に向けられ得るが、これは、すすと灰により遮断されたままであり、洗浄するのが非常に難しいフィルターの中央または下部領域に達し得ない。
【0083】
本発明の装置および方法を使用して、新しい工程のたった1つの適用で、大量に詰められたフィルターを含む、受動フィルターの約95%を洗浄することが可能であるということが発見された。以前に、高圧水のみを使用して、フィルターの約75%だけが洗浄工程の第1の通過後に「清浄」であった。前記方法は、圧縮空気のみを使用して達成されたものよりもはるかに優れた結果を与える。
【0084】
燃料媒介性触媒と併用して一般に使用される、かなりひどく汚された受動フィルターおよび能動フィルターは、完全な洗浄が達成される前に、一般に装置内に数回のサイクルを必要とする。それは、両方の方向からこのように清浄にする装置内のこれらのフィルターを裏返すことが有益であり、それによって両方向から洗浄されるということが発見された。
【0085】
本発明の洗浄装置および洗浄方法は、それ故、時間節約および洗浄能力の両方の点で既存の洗浄方法を超える本質的な改善を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用排気装置フィルターを洗浄する方法であって、該フィルターは、第1端部および第2端部を有し、取り除かれる異物を含む複数の細長いチャネルを含み、ここで、該方法は、
(i)前記フィルターの第1端部と流体連結する出口を有するチャンバーを提供する工程、
(ii)前記フィルターの第2端部からの流体の流れを防止するために前記フィルターの第2端部を覆う工程、
(iii)液体の流れを前記チャンバーへ導入する工程、
(iv)前記フィルターの前記チャンバーおよびチャネルが液体で実質的に満たされるときに、前記チャンバーへの液体の流れを停止する工程、
(v)圧縮ガスのパルスを前記チャンバーへ導入する工程、
(vi)および前記ガスが前記フィルターの第2端部から前記異物および液体を押し出すことを可能にするために、前記フィルターの第2端部の覆いを取る工程、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記液体は水であることを特徴とする、請求項1に記載の車両用排気装置フィルターを洗浄する方法。
【請求項3】
前記水は300kPa未満の圧力で導入されることを特徴とする、請求項2に記載の車両用排気装置フィルターを洗浄する方法。
【請求項4】
前記ガスは空気であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用排気装置フィルターを洗浄する方法。
【請求項5】
前記方法は、300〜1000kPaの間、好ましくは700〜1000kPaの間の圧力で圧縮空気を供給する工程を含むことを特徴とする、請求項4に記載の車両用排気装置フィルターを洗浄する方法。
【請求項6】
前記フィルターの前記覆われた第2端部で圧力を測定する工程、および所定の閾値圧力が測定されたときに限り、前記フィルターの第2端部の覆いを取る工程を更に含むことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の車両用排気装置フィルターを洗浄する方法。
【請求項7】
前記圧縮ガスは、毎秒25〜150リットルの間で前記フィルターへ導入されることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の車両用排気装置フィルターを洗浄する方法。
【請求項8】
前記方法は、前記フィルターの第2端部から出された前記液体、ガスおよび異物を集めるために前記フィルターの第2端部と流体連結する容器を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
車両用排気装置フィルターを洗浄する装置であって、該フィルターは、該フィルターの第1端部と第2端部の間に伸びる複数の細長いチャネルを有し、該装置は、
チャンバー、
流体を前記チャンバーへ導入するための入口手段、
前記チャンバーからの出口、
前記フィルターの第1端部が前記チャンバーの出口と流体連結するように、前記フィルターを保持するための手段、
および前記洗浄工程の少なくとも一部の間に前記フィルターの第2端部から前記流体の流れを防止するためのゲート部材、を含むことを特徴とする装置。
【請求項10】
前記入口手段は、液体源に接続された第1入口、および圧縮ガス源に接続された第2入口を含むことを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記フィルターが保持手段によって保持されているとき、前記フィルターは前記チャンバーと接触し、前記フィルターの第1端部は前記チャンバーの出口と並列されることを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ゲート部材と前記フィルターの第2端部の間の圧力を測定するための圧力検出器、および測定されている閾値圧力に応じて前記フィルターの第2端部から前記ゲート部材を離して移動させる手段を更に含むことを特徴とする、請求項9乃至11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、入口を有する第2チャンバーを更に含み、該第2チャンバーの入口は、前記フィルターの第2端部と流体連結することを特徴とする、請求項9乃至12のいずれかに記載の車両用排気装置フィルターを洗浄するための装置。
【請求項14】
請求項9乃至13のいずれかに記載の車両用排気装置フィルターを洗浄するための装置であって、前記フィルターは、前記細長いチャネルが終端する端面を有し、前記装置は、前記フィルターの端面を支持する手段を更に含むことを特徴とする装置。
【請求項15】
前記装置は、洗浄される前記フィルターの第1端部が前記チャンバーの出口と流体連結するように、洗浄される前記フィルターを位置付けるための手段、および前記洗浄されたフィルターが前記チャンバーの出口と流体連結しないように、前記洗浄されたフィルターを取り外すための手段を更に含むことを特徴とする、請求項9乃至14のいずれかに記載の車両用排気装置フィルターを洗浄するための装置。
【請求項16】
車両用排気系フィルターを洗浄するための組立体であって、該組立て体は、請求項9乃至15のいずれかに記載の車両用排気装置フィルターを洗浄するための装置を含み、該装置は、トレーラーに取り付けられることを特徴とする組立て体。
【請求項1】
車両用排気装置フィルターを洗浄する方法であって、該フィルターは、第1端部および第2端部を有し、取り除かれる異物を含む複数の細長いチャネルを含み、ここで、該方法は、
(i)前記フィルターの第1端部と流体連結する出口を有するチャンバーを提供する工程、
(ii)前記フィルターの第2端部からの流体の流れを防止するために前記フィルターの第2端部を覆う工程、
(iii)液体の流れを前記チャンバーへ導入する工程、
(iv)前記フィルターの前記チャンバーおよびチャネルが液体で実質的に満たされるときに、前記チャンバーへの液体の流れを停止する工程、
(v)圧縮ガスのパルスを前記チャンバーへ導入する工程、
(vi)および前記ガスが前記フィルターの第2端部から前記異物および液体を押し出すことを可能にするために、前記フィルターの第2端部の覆いを取る工程、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記液体は水であることを特徴とする、請求項1に記載の車両用排気装置フィルターを洗浄する方法。
【請求項3】
前記水は300kPa未満の圧力で導入されることを特徴とする、請求項2に記載の車両用排気装置フィルターを洗浄する方法。
【請求項4】
前記ガスは空気であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用排気装置フィルターを洗浄する方法。
【請求項5】
前記方法は、300〜1000kPaの間、好ましくは700〜1000kPaの間の圧力で圧縮空気を供給する工程を含むことを特徴とする、請求項4に記載の車両用排気装置フィルターを洗浄する方法。
【請求項6】
前記フィルターの前記覆われた第2端部で圧力を測定する工程、および所定の閾値圧力が測定されたときに限り、前記フィルターの第2端部の覆いを取る工程を更に含むことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の車両用排気装置フィルターを洗浄する方法。
【請求項7】
前記圧縮ガスは、毎秒25〜150リットルの間で前記フィルターへ導入されることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の車両用排気装置フィルターを洗浄する方法。
【請求項8】
前記方法は、前記フィルターの第2端部から出された前記液体、ガスおよび異物を集めるために前記フィルターの第2端部と流体連結する容器を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
車両用排気装置フィルターを洗浄する装置であって、該フィルターは、該フィルターの第1端部と第2端部の間に伸びる複数の細長いチャネルを有し、該装置は、
チャンバー、
流体を前記チャンバーへ導入するための入口手段、
前記チャンバーからの出口、
前記フィルターの第1端部が前記チャンバーの出口と流体連結するように、前記フィルターを保持するための手段、
および前記洗浄工程の少なくとも一部の間に前記フィルターの第2端部から前記流体の流れを防止するためのゲート部材、を含むことを特徴とする装置。
【請求項10】
前記入口手段は、液体源に接続された第1入口、および圧縮ガス源に接続された第2入口を含むことを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記フィルターが保持手段によって保持されているとき、前記フィルターは前記チャンバーと接触し、前記フィルターの第1端部は前記チャンバーの出口と並列されることを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ゲート部材と前記フィルターの第2端部の間の圧力を測定するための圧力検出器、および測定されている閾値圧力に応じて前記フィルターの第2端部から前記ゲート部材を離して移動させる手段を更に含むことを特徴とする、請求項9乃至11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、入口を有する第2チャンバーを更に含み、該第2チャンバーの入口は、前記フィルターの第2端部と流体連結することを特徴とする、請求項9乃至12のいずれかに記載の車両用排気装置フィルターを洗浄するための装置。
【請求項14】
請求項9乃至13のいずれかに記載の車両用排気装置フィルターを洗浄するための装置であって、前記フィルターは、前記細長いチャネルが終端する端面を有し、前記装置は、前記フィルターの端面を支持する手段を更に含むことを特徴とする装置。
【請求項15】
前記装置は、洗浄される前記フィルターの第1端部が前記チャンバーの出口と流体連結するように、洗浄される前記フィルターを位置付けるための手段、および前記洗浄されたフィルターが前記チャンバーの出口と流体連結しないように、前記洗浄されたフィルターを取り外すための手段を更に含むことを特徴とする、請求項9乃至14のいずれかに記載の車両用排気装置フィルターを洗浄するための装置。
【請求項16】
車両用排気系フィルターを洗浄するための組立体であって、該組立て体は、請求項9乃至15のいずれかに記載の車両用排気装置フィルターを洗浄するための装置を含み、該装置は、トレーラーに取り付けられることを特徴とする組立て体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図14】
【図8】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図14】
【図8】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2013−500421(P2013−500421A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521101(P2012−521101)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【国際出願番号】PCT/GB2010/051133
【国際公開番号】WO2011/012876
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(511314980)セラメックス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【国際出願番号】PCT/GB2010/051133
【国際公開番号】WO2011/012876
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(511314980)セラメックス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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