説明

車両用棚アセンブリ

棚アセンブリ(3)は、車両のフレーム(46)に対して可動な摺動部(47)と、フレーム(45)に固定された2本のレール(46)および摺動部(47)に沿って移動可能な棚(48)と、その第1の部分が棚(48)に固定され、その第2の部分が第1の部分と共働し、摺動部(47)に固定された駆動手段とを備える。棚(48)、摺動部(47)、レール(46)、フレーム(45)、およびフレーム(45)とは独立に取り付けられた駆動手段の配置によって、棚(48)をフレーム(45)に対して変位させることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両、特に後部トランクに折り畳んで収納される移動可能なハード・ルーフを備える車両用の棚アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一方の位置、即ち、車両の後部トランク・フードの前端とトランクの境界をなす座席の背もたれとの間に位置する領域を覆う展開位置と、他方の位置、即ち、その領域を覆わない引込み位置との間を移動できるように2本のレール上に取り付けることが可能な棚であって、各レールが車両の支持要素に固定され実質的に車両の長手方向に延びている棚と、棚と一体になった第1の部分とこの第1の部分と協働する第2の部分とを有し、また、棚を一方の位置から他方の位置へ移動させることができる駆動手段を備える形式の棚アセンブリは、公知である。
【0003】
そのような棚は、文献FR 02 09215に開示されている。この文献では、レールおよび駆動手段の第2の部分は後部トランク・フードと一体である。公知の方法では、駆動手段は、駆動力を棚に、反力をフードに発生させ、それにより、フードに対して棚を移動させる。
【0004】
しかし、そのような棚アセンブリを車両に組み込むのは容易ではない。実際に、棚を移動できるようにするには、駆動手段の第1の部分を第2の部分に対して正確に配置する必要があり、それは、これら駆動手段への接近性が限られているのでやりにくい。
【特許文献1】FR 02 09215
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決すべき課題は、棚アセンブリを、キットとして出荷することができ、それを車両に組み込むのに駆動手段に何の手も加える必要が無い独立ユニットの形にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの解決策は、棚が可動的に取り付けられ、支持要素に可動的に取り付けることができる支持手段を備える上記形式の棚アセンブリとすることであって、その場合、駆動手段の第2の部分が支持手段と一体になり、支持手段に対して棚を変位させることによって、棚を一方の位置から他方の位置へ移動させ、支持手段を車両の支持要素に対して変位させることとする。
【0007】
本発明によれば、棚アセンブリは、棚と、支持手段と、駆動力を棚に発生しそれに対応する反力を支持手段に発生する駆動手段とを備え、レールは棚が移動するのを案内することだけに用いられる。
【0008】
したがって、本発明による棚アセンブリを車両に組み込むのは著しく簡単である。即ち、支持手段を支持要素に取り付け、棚をレールに沿って取り付ける。駆動手段の2つの部分双方に関する正確な位置決めは、駆動手段へのアクセスが容易に行える棚アセンブリを組み立てる時に行われ、棚アセンブリがより容易に取り扱える。
【0009】
第1の実施形態によれば、レールがそれと一体になり、支持手段が取り付けられることになる支持要素は、後部トランクのフードである。
【0010】
この第1の実施形態の代替形態によれば、レールおよび支持手段は、棚が引込み位置にあるとき、棚をフードの下に配置することが可能なように構成される。
【0011】
この第1の実施形態の別の代替形態によれば、支持手段は、車両の両側で実質的に長手方向に延在することが可能な2つの摺動部から形成され、摺動部はフードに枢動的に取り付けられ、棚は、摺動部に沿って摺動的に取り付けられると共に、レールに沿って枢動的且つ摺動的に取り付けられる。
【0012】
第2の実施形態によれば、レールがそれと一体になり、支持手段が取り付けられることになる支持要素は、車両のフレームである。
【0013】
この第2の実施形態の代替形態によれば、レールおよび支持手段は、棚が引込み位置に来たとき、後部トランクを画定する背もたれの後ろに棚を配置することが可能なように構成される。
【0014】
この第2の実施形態の代替形態によれば、支持手段は、車両の両側に、実質的に水平方向に対して傾斜した方向、好ましくは垂直な方向に延在することが可能な2つの摺動部で形成され、その摺動部はフレームに枢動的に取り付けられ、棚は、摺動部に沿って摺動的に取り付けられると共に、レールに沿って枢動的且つ摺動的に取り付けられる。
【0015】
第2の実施形態の特に有利な代替形態によれば、棚は、実際の棚を形成する実質的平面と、棚をレールおよび支持手段に確実に機械的に結合する案内要素を支持するトルク・アームとを備え、そのトルク・アームは実質的平面に対して関節結合され、それによって、棚が展開位置に来たとき、実質的平面が実質的に水平な位置を取り、棚が引込み位置に来たとき、実質的平面が水平方向に対して傾斜した位置、好ましくは実質的に垂直な位置を取る。
【0016】
このことによって、空間に余裕を与え、機械的に単純で信頼性のある解決策が成立する。棚は、ルーフを引込む道を空けるために、後部トランクを画定する背もたれの後ろに回転して入り込むことができ、他方、棚の駆動装置の付帯物が限定される。
【0017】
その他の利点および特徴は、添付の図面に例示的且つ非限定的に示された実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1および2に示されるように、これらの例では、車両は、後部トランク1および折り畳まれるハード・ルーフ2を備える。
【0019】
ルーフ2は、車両の乗員室をカバーする展開位置と後部トランク1の中へ折り畳み込まれる引込み格納位置との間を移動することができる。
【0020】
車両はまた、棚4、48を備える棚アセンブリ3を備える。棚4、48は、車両の支持要素たるフード6、45に固定され、その要素の両側で実質的に車両の長手方向に延びる2本の平行なレール5、46に沿って移動可能なように取り付けられている。棚4、48は、展開位置と引込み位置との間を移動することができる。棚4、48は、展開位置にあるときは、フード6の前端6aとトランク1(図1)の境界をなす座席7の背もたれ7aとの間にある領域をカバーし、引込み位置にあるときは、棚4、48はこの領域をカバーしない(図2)。駆動手段8は、棚4、48をその一方の位置から他方の位置へ移動させることができる。
【0021】
本発明によれば、棚アセンブリ3は、支持手段9、47および駆動手段8をも備える。
【0022】
棚4、48は、支持手段9、47に移動可能なように取り付けられ、支持手段9、47は、レール5、46が取り付けられた支持要素(フード)6、45に可動的に取り付けられている。
【0023】
駆動手段8は、第1の部分10および第2の部分11を備える(図4)。第1の部分10は棚4、48に固定され、第2の部分11は支持手段9、47に固定されている。したがって、駆動手段8が、支持手段9、47に対して棚4、48を移動させる。この、レール5、46中で棚アセンブリ4、48が、また支持要素(フード)6、45に対して支持手段9、47が相対運動することによって、棚4、48が一方の位置から他方の位置へ移動することができる。
【0024】
レール5、46の長手および垂直方向の形状は、棚4、48の所定の運動学的軌跡に適合している。
【0025】
図1〜5に示される第1の実施形態では、後部トランク1のフード6は、レール5が固定され、支持手段9が取り付けられる支持要素であり、棚4は、引込み位置にあるときにフード6の下に配置される。
【0026】
図1から4に示す例では、各レール5は主に長手方向に延び、その全長の大部分は実質的に水平である。その前端5aは、前方かつ上方へ延びる曲線を描き、それによって、棚4がフード6の下に滑り込むことができ、また、棚4が展開位置の近くにあるとき、すなわちその後端4bがフード6の前端6a近くにあるとき、フード6に実際的に下から対合するように上方に変位できるようになる。
【0027】
この例では、レール5はフード6の内面6bを凹ませることによって作られている(図3)。
【0028】
これらの例では、支持手段9は、平行な2本の摺動部9で形成されており、摺動部9は真直ぐで、車両の両側に実質的に長手方向に延在し、棚4が引込まれた位置に来る引込み位置と、棚4が展開された位置に来る展開位置との間で枢動するようにフード6に取り付けられている。各摺動部9は、摺動部9の後端部9bに配置された枢動ピン12を軸に枢動するようにフード6に取り付けられている。その位置に関係なく、両摺動部9は大略長手方向に延在する。
【0029】
棚4は、2つの案内要素13を備え、そのそれぞれは、トルク・アーム14を介して棚4の対応する横方向縁4cに固定されている。実際の棚は実質的に平らな表面で形成されるが、案内要素13およびトルク・アーム14によって、実質的に変形しにくい棚4が形成される。各案内要素13は、一方の棚4と、他方の対応する摺動部9およびレール5との間を確実に機械的に結合できるようにする。
【0030】
図3に示す例では、各案内要素13は、対応する摺動部9に沿って棚4を摺動的に取り付けるローラ15と、対応するレール5に沿って棚4を枢動的であると共に摺動的に取り付けるカムピン16とを備える。
【0031】
この例では、駆動手段8の第1の部分10は、2つのウォーム10で形成され、駆動手段8の第2の部分11は、2つのラック11で形成されている。各ラック11は、対応する摺動部9に沿って取り付けられ、したがって、実質的に車両の長手方向に延びる。各ウォーム10は、対応する案内要素13中に形成された空洞17に収容され、この空洞17中で実質的に車両の長手方向に延びる回転軸18の回りに回転するように取り付けられて、対応するラック11と協働する。
【0032】
さらに、モータ19が棚4の内面に固定され、伝達手段20、例えば可撓駆動軸によってモータシャフト19の動きが2つのウォーム10に伝達される。
【0033】
車両の両側で、レール5、摺動部9、および案内要素13は、案内要素13が対応する摺動部9の後端9bに接近したとき、対応するレール5の後端5bにも接近し、摺動部9は引込み位置に来て、棚4が引込み位置(図2)に来るように取り付けられている。次に、案内要素13が対応する摺動部9の前端9aに接近したとき、対応するレール5の前端5aにも接近し、摺動部9は展開位置に来て、棚4が展開位置(図1)に到来する。
【0034】
フード6に対するある位置から別の位置への棚4の移動は、以下のように行われる。各ウォーム10は、伝達手段20によってどちらの方向にでも回転駆動され、対応するラック11と協働して、各ローラ15を対応する摺動部9に沿って並進駆動する。摺動部9は枢動ピン12を介してフード6に結合されており、フード6に対して並進することができず、したがって、2つのローラ15および2つのカムピン16が、フード6に対して同じ並進移動を行う。各カムピン16は、対応するレール5に沿って枢動かつ摺動して、棚4にレール5の軌道をなぞらせる。各ローラ15は、フード6に対して対応する枢動する直線的な摺動部9に沿って摺動して、棚4をフード6に対して移動させる。
【0035】
図3に示す例では、各案内要素13は逆U字形の構造を有し、実質的に水平な基礎壁21と、基礎壁21から下方に延びる、フード6の側縁23側に配置された外側壁22と、基礎壁20から下方に延びる、フード6の中央壁側に配置された内側壁24とを有する。
【0036】
カムピン16は、外側壁22に関して外側へ側縁23の方向に横向きに突き出し、側縁23に沿って設けられた対応するレール5の中へ挿し込まれている。ローラ15は、内側壁24に関して外側へ、U字形構造によって画成された囲い25中へ横向きに突き出し、囲い25の中を摺動的に相対移動する摺動部9の中へ挿し込まれている。案内要素13のこの独自の寸法取りによって、棚アセンブリ3が著しく小型になる。
【0037】
図5に示す例では、引込み位置でできるだけ小さなスペースしか取らないように、各摺動部9は伸縮式とされている。この目的のために、各摺動部9は、後部要素30と、前部要素31と、伝動手段32とを備える。
【0038】
後部要素30は、後部要素30の後部30bに配置された枢動ピン12廻りにフード6に取り付けられている。前部要素31は、後部要素30に沿って摺動的に取り付けられ、棚4が前部要素31に沿って摺動的に取り付けられている。
【0039】
この例では、案内要素13は、棚4を前部要素31に沿って摺動的に取り付ける支持アーム33を備える。
【0040】
棚アセンブリの両側で、駆動手段8の第1の部分10は、車両に対して横向きの回転軸34を介して支持アーム33に取り付けられた小歯車10で形成され、小歯車10は、前部要素31に沿って延びるラック11と噛合している。したがって、小歯車10を回転させることによって、棚4が前部要素31に沿って摺動駆動される。
【0041】
伝動手段32によって、後部要素30を前部要素31に対して摺動させることができる。そのために、伝動手段32は、各摺動部9について、2本の結合ケーブル35と、2個の伝動プーリ36を備える。
【0042】
各結合ケーブル35は、その第1の端部37で支持アーム33に、その第2の端部38で後部要素30に固定されている。各結合ケーブル35は、車両に対して横向きの回転軸39を介して前部要素31の対応する端部に取り付けられた対応する伝動プーリ36の周りに巻かれている。さらに、車両に対して横向きの回転軸41を介して前部要素31に取り付けられた駆動小歯車40が、後部要素30に沿って延びる駆動ラック42に噛合している。
【0043】
したがって、小歯車10をどちらの方向に回転させても、摺動部前部要素31に対する棚4の相対移動を直接生じさせる。この相対移動、ならびに結合ケーブル35、駆動小歯車40、および駆動ラック42の存在によって、前部要素31は、支持アーム33が前部要素31に対して移動するのと同じ方向に、後部要素30に対して摺動する。
【0044】
そのような摺動部9によると、長手方向に棚4と同じ寸法を有する摺動要素を用いれば、棚4と摺動部9で形成される構成部分は、棚4が引込み位置にあるとき、長手方向に棚4の長さしか占有しない。
【0045】
図6から8に示す第2の好ましい実施形態では、車両のフレーム45が、レール46が固定され、支持手段47が取り付けられる支持要素である。棚48は、引込み位置に来たとき、トランク1を画定する座席7の背もたれ7aの後ろに配置される。
【0046】
図6から8に示す例では、各レール46は大略垂直方向に延び、その全長の大部分は実質的に垂直であり、その上端部46aは後方かつ上方に延びる曲線を描いている。その曲線によって、棚48が展開位置近くに来たとき、棚48が背もたれ7aの後ろへ摺動でき、即ち、棚48の前端部48aが背もたれ7aの上側後端部7b近くに来たとき、背もたれ7aの上側後端部7bに実際に下方から対合するために後方に変位することができる。
【0047】
これらの例では、支持手段47は、直線状で、車両の両側に実質的に垂直方向に延び、棚48が引き込まれた位置に来る引込み位置と、棚48が展開された位置に来る展開位置との間で枢動するようにフレーム45に取り付けられた、平行な2本の摺動部47で形成される。各摺動部47は、摺動部47の内側端部9bに配置された枢動ピン49廻りに枢動するようにフレーム45に取り付けられている。摺動部47は、その位置に関係なく大略垂直方向に延びる。
【0048】
棚48は、図3に示されているのと同様であり、したがって棚48をフレーム45に対して移動することができる2つの案内要素(図示せず)を備える。即ち、各案内要素は、ローラ(図3のローラ15と類似)によって対応する摺動部47に沿って摺動するように、また、カムピン61(図3のカムピン16と類似)によって対応するレール46に沿って枢動且つ摺動するように取り付けられ、したがって、案内要素が摺動部47の下端部47bに近付くと、案内要素はレール46の下端部46bにも近付き、案内要素が摺動部47の上端部47aに近付くと、案内要素はレール46の上端部46aにも近付く。
【0049】
したがって、第2の実施形態では、棚48は、引込み位置に来たときには実質的に垂直位置になる。棚48の案内要素を支持しているトルク・アーム50と実際の棚を形成している実質的平面51とは、互いに関節結合されている。即ち、棚48が展開位置に来たときには、実質的平面51は実質的に水平状態になり、フード6の前端部6aとトランク1を画定する座席7の背もたれ7aとの間に位置する領域をカバーし、棚48が引込み位置に来たときには、実質的平面51は実質的に垂直状態になり、トランク1を画定する座席7の背もたれ7aの後ろに格納することができる。
【0050】
この関節結合によって、棚アセンブリ3の小型化が可能になる。
【0051】
この例では、実質的平面51は車両の横方向に向いた回転軸52を介して枢動的にトルク・アーム50に結合されている。
【0052】
この例では、実質的平面51のトルク・アーム50に対する関節結合状態は、トルク・アーム50がフレーム45に対して相対変位することによって制御される。実質的平面51は、その両側で、側壁の前端部に突起部53を備えており、突起部53は、フレーム45と一体で実質的に垂直方向に延びる、対応するスロープ54に沿って枢動的且つ摺動的に取り付けられている。
【0053】
それゆえ、フレーム45に対してトルク・アーム50が変位し、実質的平面51がトルク・アーム50に対して関節結合されており、且つフレーム45に固定されたスロープ54中へ突起部53が組み込まれていることによって、トルク・アーム50および棚48全体が移動するのに合わせ、実質的平面51を正確な方向に向けることが可能になる。
【0054】
長手方向および垂直方向のスロープ54の形状は、実質的平面51の所定の運動学的軌跡に適合している。この例では、各スロープ54は展開位置から引込み位置まで動く。
【0055】
スロープは、棚48が展開位置から引込み位置へ移動するとき、実質的平面51を車両の前方へ向かって傾斜させる。
【0056】
各スロープ54は、その全長の大部分で実質的に垂直であるが、その上端54aは後方に延びて実質的に水平になって終わる曲線を描き、それにより、棚48が展開位置に来たとき、実質的平面51が実質的に水平な位置を取ることができる。
【0057】
さらにこの例では、一方で実質的平面51の一部に、他方で対応するトルク・アームに結合された引込み手段55(ばね等)が、実質的平面51に常に実質的に水平な位置を取らせるように働く。
【0058】
引込み手段55の使用、および、トルク・アーム50のフレーム45に対する変位によって実質的平面51の向きを決めていくことにより、構成部品の数を抑えることができ、したがって、著しく付帯物が少ない棚アセンブリ3を実現できる。
【0059】
もちろん、図5に示す事例のように、摺動部は伸縮式でもよい。
【0060】
この例では、車両は、棚4、48とルーフ2の移動を同期させるための制御手段(図示せず)を備え、それによって、ルーフ2が展開位置または引込み格納位置に来るとき、棚4、48は、それぞれ引込み位置または展開位置に来るようにする。
【0061】
棚アセンブリは第2の棚(図示せず)を備えることができ、その棚は、展開位置にあるルーフの後端とトランクを画定する座席の背もたれとの間の領域をカバーする展開位置と、その領域をカバーすることなく、後部窓に沿って配置される引込み位置との間を移動できるように装着される。諸移動を同期させる制御手段は、ルーフが展開位置に来たときは、第1の棚は引込み位置を、第2の棚は展開位置を取らせ、ルーフが引込み格納位置に来たときは、第1の棚は展開位置を、第2の棚は引込み位置を取らせるようになっている。
【0062】
本発明による棚アセンブリは、車両に取り付けることが可能な独立したユニットを形成する。もちろん、その棚アセンブリは、詳細に記述された特定の実施形態に限定されない。
【0063】
例えば、レール5は、フード6の内面6bにねじ止めまたは溶接で固定することもでき、そのために、レール5を棚アセンブリの一部にすることができる。
【0064】
例えば、移動手段は、ロッドが棚4、48と一体で、シリンダが支持手段9、47と一体、またはその逆のアクチュエータによって形成することもできる。
【0065】
また、例えば、第2の実施形態では、レールをフレームに固定するのではなく、後部トランクを画定する座席(背もたれ)に固定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施形態による棚アセンブリを装着した車両後部の、棚が展開位置にある長手方向断面図である。
【図2】棚が引き込み位置にある、図1と同様な図である。
【図3】棚アセンブリの左端部の横方向断面図である。
【図4】図3の詳細上面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の代替形態による棚アセンブリの、棚が展開位置にある長手方向断面図である。
【図6】本発明の好ましい第2の実施形態による棚アセンブリを装着した車両後部の、棚が展開位置にある長手方向断面図である。
【図7】棚が引込み位置にある、図6と同様な図である。
【図8】棚が展開位置と引込み位置との中間の位置にある、図6および7と同様な図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方において、車両の後部トランク(1)のフード(6)の前端(6a)とトランク(1)を画定する座席(7)の背もたれ(7a)との間に位置する領域をカバーする展開位置と、他方において、前記領域をカバーしない引込み位置との間で移動可能に、車両の支持要素(6、45)に固定されて実質的に車両の長手方向に延在している2本のレール(5、46)上に取り付けられる棚(4、48)と、
前記棚(4、48)に固定された第1の部分(10)および第1の部分(10)に係合する第2の部分(11)を備えていて、前記棚(4、48)を前記一方の位置から他方の位置へ移動させる駆動手段(8)と
を備える車両用の棚アセンブリ(3)であって、
前記棚アセンブリがさらに、前記棚(4、48)が移動可能に取り付けられ、前記支持要素(6、45)に可動的に取り付けられる支持手段(9、47)を備え、前記駆動手段(8)の第2の部分(11)が前記支持手段(9、47)に固定され、前記棚(4、48)が支持手段(9、47)に対して変位することによって、棚(4、48)を前記一方の位置から他方の位置へ移動させ、前記支持手段(9、47)を前記支持要素(6、45)に対して変位させることを特徴とする、棚アセンブリ(3)。
【請求項2】
前記支持手段(9、47)が、車両の両側に延在するようにされ、前記支持要素(6、45)に枢動的に取り付けられた2つの摺動部(9、47)を備え、前記棚(4、48)が、前記摺動部(9、47)に沿って摺動的に取り付けられ、前記レール(5、46)に沿って枢動的であると共に摺動的に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項3】
前記各摺動部(9、47)が伸縮式であることを特徴とする、請求項2に記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項4】
前記棚(4、48)が2つの案内要素(13)を備え、各案内要素(13)が、対応する前記摺動部(9、47)に沿って摺動的に取り付けられ、対応する前記レール(5、46)に枢動的且つ摺動的に取り付けられていることを特徴とする、請求項2または3に記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項5】
前記駆動手段(8)が2つのラック(11)および2つのウォーム(10)を備え、各ラック(11)は対応する摺動部(9、47)に沿って取り付けられ、各ウォーム(10)は、対応する前記ラック(11)と係合し、対応する前記案内要素(13)上に、実質的に長手方向に延在する回短軸(18)廻りに回転可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項4に記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項6】
前記各案内要素(13)が逆U字形構造を有し、基礎壁(21)と、基礎壁(21)から延出し支持要素(6、45)の側縁(23)に近く配置された外側壁(22)と、基礎壁(20)から延出し支持要素(6、45)の中央部に近く配置された内側壁(24)とを有することを特徴とする、請求項4または5に記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項7】
前記各案内要素(13)が、対応する前記摺動部(9、47)に沿って摺動的に取り付けられたローラ(15)と、対応する前記レール(5、46)に沿って枢動的且つ摺動的に取り付けられたカムピン(16)とを備えることを特徴とする、請求項4乃至6のいずれかに記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項8】
前記各案内要素(13)において、前記カムピン(16)が、前記外側壁(22)に関して外向きに、側縁(23)の方向へ横向きに突き出し、前記ローラ(15)が、内側壁(24)に関して外向きに、U字形構造によって画成された囲い(25)の中へ横向きに突き出していることを特徴とする、請求項6および7に記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項9】
前記各摺動部(9、47)が、U字形構造によって形成された囲い(25)中に配置され、この囲い(25)中で相対摺動移動を行うことを特徴とする、請求項6乃至8のいずれかに記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項10】
前記支持要素(6)が後部トランク(1)のフード(6)によって形成され、前記レール(5)および支持手段(9)は、前記棚(4)が、引込み位置に来たとき、フード(6)の下に配置されるように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項11】
前記各摺動部(9)が、後端部(9b)でフード(6)に枢動的に取り付けられ、実質的に水平方向に延在するように適合されていることを特徴とする、請求項2に従属する請求項10に記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項12】
前記案内要素(13)が、前記摺動部(9)の後端部(9b)に近付いたとき、前記レール(5)の後端部(5b)にも近付き、前記摺動部(9)の前端部(9a)に近付いたとき、前記レール(5)の前端部(5a)にも近付くことを特徴とする、請求項4に従属する請求項10または11に記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項13】
前記支持要素(45)が車両のフレーム(45)で形成され、レール(46)および支持手段(47)は、棚(48)が、引込み位置に来たとき、トランク(1)を画定する座席(7)の背もたれ(7a)の後ろに配置されるように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項14】
各摺動部(47)が、後端部(47b)でフレーム(45)に枢動的に取り付けられ、実質的に垂直方向に延在するようにされていることを特徴とする、請求項2に従属する請求項13に記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項15】
前記案内要素(13)が、摺動部(47)の下端部(47b)に近付いたとき、前記レール(46)の下端部(46b)にも近付き、摺動部(47)の上端部(47a)に近付いたとき、前記レール(46)の上端部(46b)にも近付くことを特徴とする、請求項4に従属する請求項13または14に記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項16】
前記棚(4)が、実質的に変形しにくい構成部分を形成することを特徴とする、請求項1乃至15のいずれかに記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項17】
前記棚(48)が、棚を形成する実質的平面(51)と、前記案内要素(13)を支持する2つのトルク・アーム(50)とを備え、前記トルク・アーム(50)が実質的平面(51)に対して関節結合されていることによって、前記棚(48)が展開位置に来たとき、実質的平面(51)が実質的に水平位置を取り、前記棚(48)が引込み位置に来たとき、実質的平面(51)が水平方向に対して傾斜した位置を、好ましくは実質的に垂直な位置を取ることを特徴とする、請求項4に従属する請求項1乃至15のいずれかに記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項18】
前記実質的平面(51)が、車両の横方向に延在する回転軸(52)に沿って枢動的にトルク・アーム(50)に結合されていることを特徴とする、請求項17に記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項19】
引込み手段(55)が、前記実質的平面(51)が実質的に水平な位置を取るように常に付勢していることを特徴とする、請求項17または18に記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項20】
前記実質的平面(51)のトルク・アーム(50)に対する関節結合状態が、前記トルク・アーム(50)がフレーム(45)に対して変位することによって制御されることを特徴とする、請求項13に従属する請求項17乃至19のいずれかに記載の棚アセンブリ(3)。
【請求項21】
前記実質的平面(51)が、その両側で、側壁の前端部に突起部(53)を備え、前記突起部(53)は、フレーム(45)に固定され実質的に垂直方向に延在する対応するスロープ(54)に沿って枢動的且つ摺動的に取り付けられていることを特徴とする、請求項20に記載の棚アセンブリ(3)。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−519134(P2006−519134A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505674(P2006−505674)
【出願日】平成16年2月18日(2004.2.18)
【国際出願番号】PCT/FR2004/000380
【国際公開番号】WO2004/078520
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(302011917)ソシエテ ユーロペアンヌ ドゥ ブルヴェ オートモビル (1)
【Fターム(参考)】