説明

車両用灯具

【課題】従来の車両用灯具では、前面レンズ(レンズ、光透過カバー)の意匠が配線板ヒータ(電熱線、加熱体)により影響を受ける。
【解決手段】ランプレンズ4以外のランプ部品(ランプユニット2の上側リフレクタ8の反射面10、ランプユニット2の投影レンズ13、インナーレンズ19、インナーパネル23)にヒータ(透明導電膜ヒータ5、6、20、25、金属反射膜28)を設ける。この結果、ランプレンズ4の意匠がヒータにより影響を受けるようなことがない。また、ヒータの発熱により、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのを防止することができ、あるいは、でランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ランプレンズに付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりする融雪構造の車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。以下、従来の車両用灯具について説明する。従来の車両用灯具は、前面レンズと、前記前面レンズにインサート成形や接着剤により接合一体化された配線板ヒータ(ベースフィルムの上に導電箔パターンが印刷されているもの)と、を備えるものである。また、前記の従来の車両用灯具は、レンズと、前記レンズにプリント(もしくは、インサート、挟み込み、接着)された電熱線と、を備えるものである。さらに、従来の車両用灯具は、光透過カバーと、前記光透過カバーに設けられた加熱体(光透過シートに付着されている)と、を備えるものである。
【0003】
以下、従来の車両用灯具の作用について説明する。配線板ヒータ(電熱線、加熱体)に給電すると、その配線板ヒータ(電熱線、加熱体)が発熱し、その熱により、前面レンズ(レンズ、光透過カバー)に付着した雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりする。この結果、前面レンズ(レンズ、光透過カバー)から照射される光の損失を防ぐことができる。特に、光源として、ハロゲンバルブや白熱バルブと比較して、前面レンズ(レンズ、光透過カバー)から照射される光の温度が低い光源、たとえば、LEDなどの半導体型光源やHIDなどの放電灯を使用した車両用灯具においては、効果的である。
【0004】
ところが、従来の車両用灯具は、前面レンズ(レンズ、光透過カバー)に配線板ヒータ(電熱線、加熱体)を設けたものであるから、前面レンズ(レンズ、光透過カバー)の意匠が配線板ヒータ(電熱線、加熱体)により影響を受ける場合がある。
【0005】
【特許文献1】特開平10−109587号公報
【特許文献2】特開2002−150812号公報
【特許文献3】特開2002−166778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明が解決しようとする問題点は、従来の車両用灯具では、前面レンズ(レンズ、光透過カバー)の意匠が配線板ヒータ(電熱線、加熱体)により影響を受ける場合があるという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明(請求項1にかかる発明)は、ランプレンズ以外のランプ部品にヒータを設ける、ことを特徴とする。
【0008】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、ランプ部品が灯室内に配置されているプロジェクタタイプのランプユニットのリフレクタであり、ヒータがランプユニットのリフレクタの反射面に設けられている透明導電膜ヒータである、ことを特徴とする。
【0009】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、ランプ部品が灯室内に配置されているプロジェクタタイプのランプユニットの投影レンズであり、ヒータがランプユニットの投影レンズの表面に設けられている透明導電膜ヒータである、ことを特徴とする。
【0010】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、ランプ部品が灯室内に配置されているインナーレンズであって、ヒータがインナーレンズの表面に設けられている透明導電膜ヒータである、ことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)は、ランプ部品が灯室内に配置されているインナーパネルであって、ヒータがインナーパネルのランプレンズと対向する面に設けられている透明導電膜ヒータである、ことを特徴とする。
【0012】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)は、ランプ部品が灯室内に配置されているインナーパネルであって、ヒータがインナーパネルのランプレンズと対向する面に設けられている金属反射膜と兼用のヒータである、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、ランプレンズ以外のランプ部品にヒータを設けるものであるから、ランプレンズの意匠がヒータにより影響を受けるようなことがない。しかも、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、ヒータの発熱により、ランプレンズに雪や氷や曇りが付着するのを防止することができ、あるいは、でランプレンズに付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりすることができる。
【0014】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、プロジェクタタイプのランプユニットのリフレクタの反射面に設けられている透明導電膜ヒータの熱線(赤外線)がランプユニットからランプレンズ側に照射されるので、ランプレンズに雪や氷や曇りが付着するのを防止することができ、あるいは、ランプレンズに付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりすることができる。しかも、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、透明導電膜ヒータの熱線がランプユニットの光源からの光であってリフレクタの反射面で反射された可視光の反射光と共にランプユニットからランプレンズ側に照射されるので、ランプレンズのうち光を外部に照射するのに必要な箇所を暖めることができ、必要な着雪防止効果や融雪効果が得られる。
【0015】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、プロジェクタタイプのランプユニットの投影レンズに設けられている透明導電膜ヒータの熱線(赤外線)がランプユニットからランプレンズ側に照射されるので、ランプレンズに雪や氷や曇りが付着するのを防止することができ、あるいは、ランプレンズに付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりすることができる。しかも、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、透明導電膜ヒータの熱線がランプユニットの投影レンズから照射される可視光と共にランプユニットからランプレンズ側に照射されるので、ランプレンズのうち光を外部に照射するのに必要な箇所を暖めることができ、必要な着雪防止効果や融雪効果が得られる。
【0016】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具は、インナーレンズの表面に設けられている透明導電膜ヒータの発熱により、ランプレンズに雪や氷や曇りが付着するのを防止することができ、あるいは、ランプレンズに付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりすることができる。しかも、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具は、透明導電膜ヒータを所定の位置に設けることにより、ランプレンズのうち光を外部に照射するのに必要な箇所を暖めることができ、必要な着雪防止効果や融雪効果が得られる。その上、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具は、インナーレンズをランプレンズに密着させることにより、着雪防止効果や融雪効果を向上させることができる。
【0017】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具は、インナーパネルのランプレンズと対向する面に設けられている透明導電膜ヒータの発熱により、ランプレンズに雪や氷や曇りが付着するのを防止することができ、あるいは、ランプレンズに付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりすることができる。しかも、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具は、透明導電膜ヒータを所定の位置に設けることにより、ランプレンズのうち光を外部に照射するのに必要な箇所を暖めることができ、必要な着雪防止効果や融雪効果が得られる。その上、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具は、ランプレンズと対向するインナーパネルを使用するので、部品点数を増やすことがない。さらに、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具は、インナーパネルがランプレンズの近くに位置するので、着雪防止効果や融雪効果を向上させることができる。
【0018】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具は、ヒータをインナーパネルのランプレンズと対向する面に設けられている金属反射膜と兼用させるものであるから、部品点数を軽減することができる。また、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具は、前記の請求項5にかかる発明の車両用灯具と同様に、インナーパネルのランプレンズと対向する面に設けられている金属反射膜と兼用のヒータの発熱により、ランプレンズに雪や氷や曇りが付着するのを防止することができ、あるいは、ランプレンズに付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりすることができる。しかも、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具は、金属反射面と兼用のヒータを所定の位置に設けることにより、ランプレンズのうち光を外部に照射するのに必要な箇所を暖めることができ、必要な着雪防止効果や融雪効果が得られる。その上、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具は、ランプレンズと対向するインナーパネルおよびそのインナーパネルの金属反射面を使用するので、部品点数を増やすことがない。さらに、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具は、インナーパネルがランプレンズの近くに位置するので、着雪防止効果や融雪効果を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、この発明にかかる車両用灯具の実施例のうちの5例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
図1〜図3は、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す。以下、この実施例1にかかる車両用灯具の構成について説明する。この実施例1にかかる車両用灯具は、所定の配光パターン、たとえば、すれ違い用の配光パターンを照射する自動車用のヘッドランプ1L、1Rである。前記ヘッドランプ1L、1Rは、図1に示すように、自動車Cの前部の左右両側にそれぞれ装備されている。以下、左側のヘッドランプ1Lについて説明する。なお、右側のヘッドランプ1Rは、左側のヘッドランプ1Lの構造とほぼ左右逆である。
【0021】
前記ヘッドランプ1Lは、図2および図3に示すように、5個のランプユニット2と、ランプハウジング3と、ランプレンズ4と、ヒータ5と、を備えるものである。前記ランプハウジング3と前記ランプレンズ4とにより、灯室7が区画されている。前記灯室7内には、前記5個のランプユニット2が上下2段に(この例では、上段に2個、下段に3個)それぞれ配置されている。
【0022】
前記ランプユニット2は、光を前記ランプレンズ4を通して外部に照射する光照射部を構成するものである。前記ランプユニット2は、所定の配光パターン、この例では、すれ違い用の配光パターンを照射(放射、出射)するものである。前記ランプユニット2は、図3に示すように、プロジェクタタイプであって、ユニット構造をなす。前記ランプユニット2は、上側リフレクタ8および下側リフレクタ9と、反射面10およびシェード11と、半導体型光源12と、投影レンズ(凸レンズ、集光レンズ)13と、ヒートシンク部材14と、から構成されている。
【0023】
前記ランプユニット2は、ホルダ部材15を介して前記ランプハウジング3に取り付けられている。前記ランプハウジング3には、ヒートシンク部材16が設けられている。前記ランプハウジング3側のヒートシンク部材16と、前記ランプユニット2側のヒートシンク部材14とは、前記ホルダ部材15および前記ランプハウジング3を介して接続されている。これにより、前記半導体型光源12において発生する熱は、前記ヒートシンク部材14、前記ホルダ部材15、前記ランプハウジング3、前記ヒートシンク部材16を介して外部に放出される。
【0024】
前記半導体型光源12は、たとえば、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例1ではLED)を使用する。このために、前記半導体型光源12自体においては熱が発生するが、前記半導体型光源12からの光には熱がほとんど発生しない。これにより、前記ランプレンズ4には、雪や氷や曇りが付着し易い。
【0025】
前記ランプレンズ4は、ほぼ素通しのレンズであって、いわゆるアウターカバー(アウターレンズ)である。前記ランプレンズ4は、この例では、たとえばPC(ポリカーボネート)などの合成樹脂から成形されている。また、前記ランプレンズ4は、縦断面(垂直断面)において、上から下にかけて後方から前方にスラント(傾斜)している。なお、前記ランプレンズ4の材質がPCの場合、前記ランプレンズ4の耐熱温度は約130°Cである。
【0026】
前記ヒータ5は、前記ランプレンズ4以外のランプ部品、この例では、前記ランプユニット2の上側リフレクタ8の反射面10に設けられている透明導電膜ヒータである。前記透明導電膜ヒータは、発生する熱により、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのを防止し、あるいは、前記ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりするものである。前記透明導電膜ヒータ5は、たとえば、ITOで真空蒸着やスパッタ法などで、前記ランプユニット2の上側リフレクタ8の反射面10にコーティングして設けられている。
【0027】
前記透明導電膜ヒータ5には、電極(図示せず)がたとえば導電性塗料の印刷などにより設けられている。前記電極は、前記ランプユニット2の上側リフレクタ8のうち、前記反射面10の光反射の影響が小さい箇所に設けられている。前記電極には、たとえば、表面実装タイプ(SMT)のコネクタや通常のコネクタやハーネスなどを介して自動車Cのバッテリーなどの電源(図示せず)に接続されている。
【0028】
前記透明導電膜ヒータ5は、手動スイッチ(図示せず)またはおよび自動スイッチ(図示せず)に接続されている。前記手動スイッチは、手動により、前記透明導電膜ヒータ5への電流供給をオンしたりオフしたりするものである。前記自動スイッチは、自動的に、前記透明導電膜ヒータ5への電流供給をオンしたりオフしたりするものである。
【0029】
前記自動スイッチは、ECUなどの制御部と、温度センサや光センサなどの検出部と、から構成されている。前記検出部は、自動車Cの周囲環境、たとえば、自動車Cの外の温度や前記ランプレンズ4から照射される光などを検出してその検出信号を前記制御部に出力する。前記制御部は、前記検出部からの検出信号に基づいて前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着しているか否か、あるいは、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着する程度の温度か否かを判断する。そして、前記制御部は、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着している、あるいは、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着する程度の温度であると判断すると、前記透明導電膜ヒータ5に電流を供給する。一方、前記制御部は、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着していない、あるいは、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着する程度の温度でないと判断すると、前記透明導電膜ヒータ5への電流供給を遮断する。
【0030】
この実施例1にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0031】
5個のランプユニット2の半導体型光源12をそれぞれ点灯する。すると、5個のランプユニット2の半導体型光源12からの光が上側リフレクタ8の反射面10で反射され、その反射光の一部が下側リフレクタ9のシェード11によりカットオフされ、残りの反射光が投影レンズ13およびランプレンズ4を透過して外部にカットオフラインを有する所定の配光パターン、すなわち、すれ違い用の配光パターンで照射される。
【0032】
ここで、上側リフレクタ8の反射面10に設けられているヒータは、透明導電膜ヒータ5であるから、上側リフレクタ8の反射面10の光反射にはなんら影響を与えるようなことはない。また、シェード11のエッジですれ違い用の配光パターンのカットオフラインが形成される。さらに、シェード11に反射面を設けることにより、反射面10からの反射光であってシェード11の反射面で反射された反射光を利用することができる。このシェード11の反射面にも透明導電膜を設けても良い。なお、上側リフレクタ8の反射面10やシェード11の反射面には、通電しない。
【0033】
ここで、半導体型光源12からの光には熱がほとんど発生しないので、ランプレンズ4には、雪や氷や曇りが付着し易い。このランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着した場合、手動スイッチまたはおよび自動スイッチにより、ランプレンズ4に転写により設けられている透明導電膜ヒータ5に電流が供給される。
【0034】
透明導電膜ヒータ5に電流を供給すると、透明導電膜ヒータ5が発熱する。この発熱は、熱線(赤外線)として、単独であるいは上側リフレクタ8の反射面10からの反射光とともに、ランプユニット2の投影レンズ13を透過してランプレンズ4に照射される。この熱線により、ランプレンズ4が暖められ、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのが防止され、あるいは、ランプレンズ4に付着している雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりする。この結果、ランプレンズ4から照射される光の損失を防ぐことができる。
【0035】
ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのが防止され、また、ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりしたところで、手動スイッチまたはおよび自動スイッチにより、上側リフレクタ8の反射面10に設けられている透明導電膜ヒータ5への電流供給が遮断される。
【0036】
5個のランプユニット2の半導体型光源12がそれぞれ点灯中において、半導体型光源12において発生する熱は、ランプユニット2のヒートシンク部材14、ホルダ部材15、ランプハウジング3、ヒートシンク部材16を介して外部に放出される。
【0037】
この実施例1にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0038】
この実施例1にかかる車両用灯具は、ランプレンズ4以外のランプ部品、この例では、光照射部としてのランプユニット2の上側リフレクタ8の反射面10にヒータとしての透明導電膜ヒータ5を設けるものであるから、ランプレンズ4の意匠が透明導電膜ヒータ5により影響を受けるようなことがない。
【0039】
また、この実施例1にかかる車両用灯具は、プロジェクタタイプのランプユニット2の上側リフレクタ8の反射面10に設けられている透明導電膜ヒータ5の発熱により、すなわち、熱線(赤外線)がランプユニット2からランプレンズ4側に照射されるので、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのを防止することができ、あるいは、ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりすることができる。
【0040】
さらに、この実施例1にかかる車両用灯具は、透明導電膜ヒータ5の熱線がランプユニット2の上側リフレクタ8の反射面10で反射された可視光の反射光と共にランプユニット2からランプレンズ4側に照射されるので、ランプレンズ4のうち光を外部に照射するのに必要な箇所を暖めることができ、必要な着雪防止効果(ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのを防止することができる効果)や融雪効果(ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりすることができる効果)が得られる。
【実施例2】
【0041】
図4は、この発明にかかる車両用灯具の実施例2を示す。図中、図1〜図3と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例2にかかる車両用灯具について説明する。
【0042】
この実施例2にかかる車両用灯具は、図4に示すように、ランプユニット2の投影レンズ13の表面、この例では、ランプレンズ4に対向する凸非球面にヒータとしての透明導電膜ヒータ6が設けられている。前記透明導電膜ヒータ6は、前記の実施例1の透明導電膜ヒータ5と同様に、たとえば、ITOで真空蒸着やスパッタ法などで、前記ランプユニット2の投影レンズ13の表面にコーティングして設けられている。なお、前記透明導電膜ヒータ6は、前記投影レンズ13の凸非球面と反対側の平非球面に設けても良いし、凸非球面および平非球面に設けても良い。
【0043】
前記透明導電膜ヒータ6には、電極17、17がたとえば導電性塗料の印刷などにより設けられている。前記電極17、17は、前記ランプユニット2の投影レンズ13のうち、光が透過する際の影響が小さい箇所に設けられている。前記電極17、17には、ハーネス18、18が接続されており、前記ハーネス18、18を介して自動車Cのバッテリーなどの電源(図示せず)に接続されている。なお、前記ハーネス18、18以外に、たとえば、表面実装タイプ(SMT)のコネクタや通常のコネクタなどを使用しても良い。前記透明導電膜ヒータ6は、前記の実施例1の透明導電膜ヒータ5と同様に、手動スイッチ(図示せず)またはおよび自動スイッチ(図示せず)に接続されている。
【0044】
この実施例2にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0045】
5個のランプユニット2の半導体型光源12をそれぞれ点灯する。すると、5個のランプユニット2の半導体型光源12からの光が上側リフレクタ8の反射面10で反射され、その反射光の一部が下側リフレクタ9のシェード11によりカットオフされ、残りの反射光が投影レンズ13および透明導電膜ヒータ6およびランプレンズ4を透過して外部にカットオフラインを有する所定の配光パターン、すなわち、すれ違い用の配光パターンで照射される。ここで、投影レンズ13の表面に設けられているヒータは、透明導電膜ヒータ6であるから、投影レンズ13を透過する光にはなんら影響を与えるようなことはない。
【0046】
そして、透明導電膜ヒータ6に電流を供給すると、透明導電膜ヒータ6が発熱する。この発熱は、熱線(赤外線)として、単独であるいは投影レンズ13から照射される光とともに、ランプレンズ4に照射される。この熱線により、ランプレンズ4が暖められ、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのが防止され、あるいは、ランプレンズ4に付着している雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりする。この結果、ランプレンズ4から照射される光の損失を防ぐことができる。
【0047】
この実施例2にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0048】
この実施例2にかかる車両用灯具は、ランプレンズ4以外のランプ部品、この例では、光照射部としてのランプユニット2の投影レンズ13の表面にヒータとしての透明導電膜ヒータ6を設けるものであるから、ランプレンズ4の意匠が透明導電膜ヒータ6により影響を受けるようなことがない。
【0049】
また、この実施例2にかかる車両用灯具は、プロジェクタタイプのランプユニット2の投影レンズ13の表面に設けられている透明導電膜ヒータ6の発熱により、すなわち、熱線(赤外線)がランプユニット2からランプレンズ4側に照射されるので、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのを防止することができ、あるいは、ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりすることができる。
【0050】
さらに、この実施例2にかかる車両用灯具は、透明導電膜ヒータ6の熱線がランプユニット2の投影レンズ13を透過した可視光と共にランプユニット2からランプレンズ4側に照射されるので、ランプレンズ4のうち光を外部に照射するのに必要な箇所を暖めることができ、必要な着雪防止効果や融雪効果が得られる。
【実施例3】
【0051】
図5および図6は、この発明にかかる車両用灯具の実施例3を示す。図中、図1〜図4と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例3にかかる車両用灯具について説明する。
【0052】
この実施例3にかかる車両用灯具は、図5および図6に示すように、灯室7内に配置されているインナーレンズ19の表面、この例では、ランプレンズ4と対向する面にヒータとしての透明導電膜ヒータ20が設けられている。前記透明導電膜ヒータ20は、前記の実施例1、2の透明導電膜ヒータ5、6と同様に、たとえば、ITOで真空蒸着やスパッタ法などで、前記インナーレンズ19の表面にコーティングして設けられている。なお、前記透明導電膜ヒータ20は、前記インナーレンズ19の前記ランプレンズ4と対向する面と反対側の表面に設けても良いし、両表面に設けても良い。
【0053】
前記透明導電膜ヒータ20には、電極21、21がたとえば導電性塗料の印刷などにより設けられている。前記電極21、21は、前記インナーレンズ19のうち、前記ランプユニット2から照射される光の影響が小さい箇所、かつ、前記ランプレンズ4の意匠への影響が小さい箇所、この例では立壁に設けられている。前記電極21、21には、ハーネス22、22が接続されており、前記ハーネス22、22を介して自動車Cのバッテリーなどの電源(図示せず)に接続されている。なお、前記ハーネス22、22以外に、たとえば、表面実装タイプ(SMT)のコネクタや通常のコネクタなどを使用しても良い。前記透明導電膜ヒータ20は、前記の実施例1、2の透明導電膜ヒータ5、6と同様に、手動スイッチ(図示せず)またはおよび自動スイッチ(図示せず)に接続されている。なお、図5のランプレンズ4には、5個のランプユニット2が正面視に対応する位置に二点鎖線で図示されている。
【0054】
この実施例3にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0055】
5個のランプユニット2の半導体型光源12をそれぞれ点灯する。すると、5個のランプユニット2の半導体型光源12からの光が上側リフレクタ8の反射面10で反射され、その反射光の一部が下側リフレクタ9のシェード11によりカットオフされ、残りの反射光が投影レンズ13およびインナーレンズ19および透明導電膜ヒータ20およびランプレンズ4を透過して外部にカットオフラインを有する所定の配光パターン、すなわち、すれ違い用の配光パターンで照射される。ここで、インナーレンズ19の表面に設けられているヒータは、透明導電膜ヒータ20であるから、インナーレンズ19およびランプレンズ4を透過する光にはなんら影響を与えるようなことはない。
【0056】
そして、透明導電膜ヒータ20に電流を供給すると、透明導電膜ヒータ20が発熱する。この発熱により、ランプレンズ4が暖められ、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのが防止され、あるいは、ランプレンズ4に付着している雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりする。この結果、ランプレンズ4から照射される光の損失を防ぐことができる。
【0057】
この実施例3にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0058】
この実施例3にかかる車両用灯具は、ランプレンズ4以外のランプ部品、この例では、灯室7内に配置されているインナーレンズ19の表面にヒータとしての透明導電膜ヒータ20を設けるものであるから、ランプレンズ4の意匠が透明導電膜ヒータ20により影響を受けるようなことがない。特に、ランプレンズ4が複雑な形状をなす場合、また、ランプレンズ4の内面またはおよび外面に透明導電膜ヒータ以外のコーティング膜が設けられている場合において、このランプレンズ4の表面に透明導電膜ヒータを設けることは、好ましくないという問題点がある。しかしながら、この実施例3にかかる車両用灯具は、灯室7内に配置されているインナーレンズ19を利用してこのインナーレンズ19の表面にヒータとしての透明導電膜ヒータ20を設けるものであるから、前記の問題点を解決することができる。
【0059】
また、この実施例3にかかる車両用灯具は、インナーレンズ19の表面に設けられている透明導電膜ヒータ20の発熱により、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのを防止することができ、あるいは、ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりすることができる。
【0060】
さらに、この実施例3にかかる車両用灯具は、透明導電膜ヒータ20をインナーレンズ19の所定の位置、たとえば、図5に示すように、インナーレンズ19のほぼ中央部であって、ランプレンズ4のうちランプユニット2からの光を外部に照射するのに必要な箇所に対応する位置に設ける。これにより、この実施例3にかかる車両用灯具はランプレンズ4のうちランプユニット2からの光を外部に照射するのに必要な箇所を暖めることができ、必要な着雪防止効果や融雪効果が得られる。
【0061】
さらにまた、この実施例3にかかる車両用灯具は、図6に示すように、インナーレンズ19をランプレンズ4に密着させることにより、着雪防止効果や融雪効果を向上させることができる。
【実施例4】
【0062】
図7および図8は、この発明にかかる車両用灯具の実施例4を示す。図中、図1〜図6と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例4にかかる車両用灯具について説明する。
【0063】
この実施例4にかかる車両用灯具は、図7および図8に示すように、灯室7内に配置されているインナーパネル23のランプレンズ4と対向する面にヒータとしての透明導電膜ヒータ25が設けられている。前記透明導電膜ヒータ25は、前記の実施例1、2、3の透明導電膜ヒータ5、6、20と同様に、たとえば、ITOで真空蒸着やスパッタ法などで、前記インナーレンズ19のランプレンズ4と対向する面にコーティングして設けられている。なお、前記インナーパネル23には、ランプユニット2からの光を通すための透孔24が前記5個のランプユニット2に対応して5個設けられている。前記インナーパネル23は、前記ランプユニット2からの光の照射に対して障害とならずに、前記ランプレンズ4から前記灯室7内を見た際に部品や構造物などが見えないように目隠しをするものである。
【0064】
前記透明導電膜ヒータ25には、電極26、26がたとえば導電性塗料の印刷などにより設けられている。前記電極26、26は、前記インナーパネル25の立壁に設けられている。前記電極26、26には、ハーネス27、27が接続されており、前記ハーネス27、27を介して自動車Cのバッテリーなどの電源(図示せず)に接続されている。なお、前記ハーネス27、27以外に、たとえば、表面実装タイプ(SMT)のコネクタや通常のコネクタなどを使用しても良い。前記透明導電膜ヒータ25は、前記の実施例1、2、3の透明導電膜ヒータ5、6、20と同様に、手動スイッチ(図示せず)またはおよび自動スイッチ(図示せず)に接続されている。なお、図7のランプレンズ4には、5個のランプユニット2が正面視に対応する位置に二点鎖線で図示されている。
【0065】
この実施例4にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0066】
5個のランプユニット2の半導体型光源12をそれぞれ点灯する。すると、5個のランプユニット2の半導体型光源12からの光が上側リフレクタ8の反射面10で反射され、その反射光の一部が下側リフレクタ9のシェード11によりカットオフされ、残りの反射光が投影レンズ13およびインナーパネル23の透孔24およびランプレンズ4を透過して外部にカットオフラインを有する所定の配光パターン、すなわち、すれ違い用の配光パターンで照射される。
【0067】
そして、透明導電膜ヒータ25に電流を供給すると、透明導電膜ヒータ25が発熱する。この発熱により、ランプレンズ4が暖められ、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのが防止され、あるいは、ランプレンズ4に付着している雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりする。この結果、ランプレンズ4から照射される光の損失を防ぐことができる。
【0068】
この実施例4にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0069】
この実施例4にかかる車両用灯具は、ランプレンズ4以外のランプ部品、この例では、灯室7内に配置されているインナーパネル23のランプレンズ4と対向する面にヒータとしての透明導電膜ヒータ25を設けるものであるから、ランプレンズ4の意匠が透明導電膜ヒータ25により影響を受けるようなことがない。特に、ランプレンズ4が複雑な形状をなす場合、また、ランプレンズ4の内面またはおよび外面に透明導電膜ヒータ以外のコーティング膜が設けられている場合において、このランプレンズ4の表面に透明導電膜ヒータを設けることは、好ましくないという問題点がある。しかしながら、この実施例4にかかる車両用灯具は、灯室7内に配置されているインナーパネル23を利用してこのインナーパネル23のランプレンズ4と対向する面にヒータとしての透明導電膜ヒータ25を設けるものであるから、前記の問題点を解決することができる。
【0070】
また、この実施例4にかかる車両用灯具は、インナーパネル23のランプレンズ4と対向する面に設けられている透明導電膜ヒータ25の発熱により、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのを防止することができ、あるいは、ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりすることができる。
【0071】
さらに、この実施例4にかかる車両用灯具は、透明導電膜ヒータ25をインナーパネル23の所定の位置、たとえば、図7に示すように、インナーパネル23のほぼ中央部であって、ランプレンズ4のうちランプユニット2からの光を外部に照射するのに必要な箇所に対応する位置に設ける。これにより、この実施例4にかかる車両用灯具はランプレンズ4のうちランプユニット2からの光を外部に照射するのに必要な箇所を暖めることができ、必要な着雪防止効果や融雪効果が得られる。
【0072】
さらにまた、この実施例4にかかる車両用灯具は、図8に示すように、インナーパネル23がランプレンズ4に近くに位置することにより、着雪防止効果や融雪効果を向上させることができる。
【実施例5】
【0073】
図9は、この発明にかかる車両用灯具の実施例5を示す。図中、図1〜図8と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例5にかかる車両用灯具について説明する。
【0074】
この実施例5にかかる車両用灯具は、前記の実施例4にかかる車両用灯具の変形例であって、図9に示すように、ヒータをインナーパネル23のランプレンズ4と対向する面に設けられている金属反射膜28と兼用させるものである。前記金属反射膜28は、適度な抵抗値を持つ金属を使用する。
【0075】
この実施例5にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施例1、2、3、4にかかる車両用灯具の作用効果と同様の作用効果を達成することができる。特に、この実施例5にかかる車両用灯具は、ヒータをインナーパネル23のランプレンズ4と対向する面に設けられている金属反射膜28と兼用させるものであるから、部品点数を軽減することができる。
【0076】
以下、前記の実施例1〜5以外の例について説明する。前記の実施例1〜5においては、自動車Cのヘッドランプ1L、1Rのランプレンズ4に使用した例を説明するものである。ところが、この発明においては、自動車Cのヘッドランプ1L、1R以外の車両用灯具、たとえば、ストップランプなどの信号灯、カーブランプなどの照明灯、フロントコンビネーションランプ、リアコンビネーションランプなどのランプレンズに使用しても良い。
【0077】
また、前記の実施例1〜5においては、光を前記ランプレンズ4を通して外部に照射する光照射部として、半導体型光源12を光源とするプロジェクタタイプのランプユニット2について説明するものである。ところが、この発明においては、光照射部として、前記のランプユニット2以外の光照射部、たとえば、光源が半導体型光源やHIDなどの放電灯やハロゲンバルブや白熱バルブであって、プロジェクタタイプや反射タイプや直射タイプのランプユニットであっても良いし、あるいは、プロジェクタタイプや反射タイプや直射タイプの車両用灯具において、半導体型光源やHIDなどの放電灯やハロゲンバルブや白熱バルブの光源、および、その光源と反射面との組み合わせのものであっても良い。
【0078】
さらに、前記の実施例1〜5において、透明導電膜5、6、20、25および金属反射膜28に温度制御部(図示せず)を設けて、透明導電膜5、6、20、25および金属反射膜28の発熱温度が所定温度に達すると、温度制御部の温度制御作用により、透明導電膜5、6、20、25および金属反射膜28への電流供給が制御され、透明導電膜5、6、20、25および金属反射膜28の発熱温度が所定温度付近に保持される。この結果、耐熱温度が比較的低い樹脂製の上側リフレクタ8、投影レンズ13、インナーレンズ19、ランプレンズ4、インナーパネル23を過熱から保護することができる。なお、温度制御部としては、たとえば、PTCサーミスターを使用する。このPTCサーミスターは、温度が上昇すると抵抗値が高くなって所定の抵抗値に達すると電流が流れなくなる特性を有するものである。たとえば、前記の部品の材質がPCの場合、前記の部品の耐熱温度は約130°Cであるから、前記透明導電膜5、6、20、25および金属反射膜28の発熱温度が約60°C付近に達した時点で電流が流れなくなる抵抗特性を有するPTCサーミスターを前記温度制御部として使用する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示し、自動車のヘッドランプに使用されている状態の説明図である。
【図2】同じく、ヘッドランプの垂直断面図(縦断面図)である。
【図3】同じく、ヘッドランプに使用されているランプユニットの垂直断面図(縦断面図)である。
【図4】この発明にかかる車両用灯具の実施例2を示し、自動車のヘッドランプに使用されているランプユニットの垂直断面図(縦断面図)である。
【図5】この発明にかかる車両用灯具の実施例3を示し、ランプレンズとインナーレンズとの分解斜視図である。
【図6】同じく、ヘッドランプの垂直断面図(縦断面図)である。
【図7】この発明にかかる車両用灯具の実施例4を示し、ランプレンズとインナーレンズとの分解斜視図である。
【図8】同じく、ヘッドランプの垂直断面図(縦断面図)である。
【図9】この発明にかかる車両用灯具の実施例5を示し、ランプレンズとインナーレンズとの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0080】
C 自動車
1L、1R ヘッドランプ(車両用灯具)
2 ランプユニット
3 ランプハウジング
4 ランプレンズ
5 透明導電膜ヒータ
6 透明導電膜ヒータ
7 灯室
8 上側リフレクタ
9 下側リフレクタ
10 反射面
11 シェード
12 半導体型光源(LED)
13 投影レンズ
14 ヒートシンク部材
15 ホルダ部材
16 ヒートシンク部材
17 電極
18 ハーネス
19 インナーレンズ
20 透明導電膜ヒータ
21 電極
22 ハーネス
23 インナーパネル
24 透孔
25 透明導電膜ヒータ
26 電極
27 ハーネス
28 金属反射膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプレンズに付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりする融雪構造の車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよび前記ランプレンズと、
前記灯室内に配置されており、光を前記ランプレンズを通して外部に照射する光照射部と、
前記ランプレンズ以外のランプ部品に設けられており、発生する熱で前記ランプレンズに付着した雪や氷や曇りを融かしたり除去したりするヒータと、
を備える、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記光照射部は、1個もしくは複数個のプロジェクタタイプのランプユニットであり、
前記ランプ部品は、前記ランプユニットのリフレクタであり、
前記ヒータは、前記ランプユニットのリフレクタの反射面に設けられている透明導電膜ヒータである、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記光照射部は、1個もしくは複数個のプロジェクタタイプのランプユニットであり、
前記ランプ部品は、前記ランプユニットの投影レンズであり、
前記ヒータは、前記ランプユニットの投影レンズの表面に設けられている透明導電膜ヒータである、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記ランプ部品は、前記灯室内に配置されているインナーレンズであって、
前記ヒータは、前記インナーレンズの表面に設けられている透明導電膜ヒータである、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記ランプ部品は、前記灯室内に配置されているインナーパネルであって、
前記ヒータは、前記インナーパネルの前記ランプレンズと対向する面に設けられている透明導電膜ヒータである、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記ランプ部品は、前記灯室内に配置されているインナーパネルであって、
前記ヒータは、前記インナーパネルの前記ランプレンズと対向する面に設けられている金属反射膜と兼用のヒータである、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−242291(P2007−242291A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−59830(P2006−59830)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】