説明

車両用灯具

【課題】 構成部品点数を増大することなく、組み付け作業が容易でしかも配設スペースの低減化を図った融雪装置を備える車両用灯具を提供する。
【解決手段】 ランプHLのランプボディ1の前面に設けたレンズ3と、レンズ3に設けられ通電により発熱される発熱体61とを備える車両用灯具において、発熱体61の給電端子62に接続されて発熱体61に電力を供給するヒータ用コネクタ7を備える。コネクタ7には発熱体61に供給する電力を制御するための制御回路71が内蔵されている。制御回路71がコネクタ7内に一体化されているので部品点数が削減でき、配設するためのスペースが不要でランプが小型化できる。コネクタ7を給電端子62に嵌合するだけで発熱体61に制御回路71を電気接続でき、組み付け作業が容易になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車等の車両用灯具に関し、特に灯具のレンズ面に付着した雪や霜を溶融するための融雪装置を備えた車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
寒冷地や寒冷時期においては自動車用の灯具、例えば前照灯やフォグランプ等の照明灯、ターンシグナルランプ等の標識灯等のレンズに雪や霜が付着し易く、これら雪や霜によりレンズの透光性が低下し、目的とする灯具による照明や標識が阻害されるおそれがある。そのため、従来から融雪装置を備えた灯具が提案されている。特に、近年のように光源にLED(発光ダイオード)等の白熱電球に比較して発熱量が小さい光源を用いた灯具では、光源で発生した熱を利用して融雪を行うことが期待できないため、光源とは別に融雪装置を灯具に配設する必要がある。特許文献1の灯具では、レンズの内面又は外面の少なくとも一方に抵抗発熱体を配設し、この抵抗発熱体に車載電源から供給される電流を通流させ、抵抗発熱体で発生する熱によりレンズの外面に付着した雪を融雪する構成が提案されている。また、特許文献1では、レンズに設けた抵抗発熱体に電流を通流するために、抵抗発熱体の接続端子をレンズの一部から突出させ、この接続端子にランプボディに設けた接続端子を電気的に接触させる構成がとられている。ランプボディ側の接続端子にはリード線が接続され、車載電源あるいは電源回路に接続されている。
【特許文献1】特開平10−109587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような融雪装置では、融雪時にのみ抵抗発熱体に電流を通流して発熱を行わせるように構成しているため、抵抗発熱体に供給する電流をオン・オフ制御するためのコントローラが必要となるが、特許文献1には、ランプボディ側の接続端子に接続されたリード線を車載電源あるいはコントローラに接続するための構成については特に開示されていない。特許文献1の灯具でも、実際には融雪を感知するためのセンサや、融雪を感知したときに抵抗発熱体に通流する電流を制御するための制御回路が必要とされるため、これらのセンサや制御回路を含むコントローラを灯具とは別体に設けており、前記したリード線をこのコントローラに接続する構成がとられることになる。このため、特許文献1の灯具では灯具とは別にコントローラを配設し、車載電源と灯具に対して所要の配線を行う必要があり、灯具全体からみたときに構成部品点数が多くなるとともに灯具の組み付け作業が煩雑なものになり、また配設スペースが大きくなるという問題が生じることになる。
【0004】
本発明の目的は、構成部品点数を増大することなく、組み付け作業が容易でしかも配設スペースの低減化を図った車両用灯具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ランプボディの前面に配設されて光源から出射した光を透過させるレンズと、レンズに設けられ通電により発熱される発熱体とを備える車両用灯具において、発熱体の給電端子に接続され、当該発熱体に電力を供給するコネクタを備え、コネクタには発熱体に供給する電力を制御するための制御回路が内蔵されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の車両用灯具によれば、発熱体に供給する電力を制御するための制御回路がコネクタに内蔵されているので、制御回路をランプとは別部品として構成する必要がなく、部品点数が削減できるとともに、別部品を配設するためのスペースが不要でありランプの小型化が可能になる。また、発熱体の給電端子にコネクタを嵌合して接続するだけで発熱体に対して制御回路を電気接続することができ、灯具の組み付け作業が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、制御回路は少なくともレンズ又はレンズ近傍の温度を検出するための温度検出素子を備えている。温度検出素子によりレンズ又はレンズ近傍の温度を検出して制御回路での電力制御を行うことで、レンズに霜や雪が付着する状況のときにのみ発熱体に電力を供給することが可能になり、自動的な融雪が可能になる。
【0008】
コネクタは給電端子に嵌合可能な2つの電極を有し、制御回路は2つの電極の間に配設されるとともに各電極と機械的及び電気的に一体に構成されている。電極間のスペースを利用して制御回路が配置でき、コネクタの小型化が可能になる。また、制御回路は防水構造を備えているので、ランプ内の湿気な水分によっても制御回路での漏電による劣化が防止できる。
【0009】
レンズは内面の一部に給電端子が突出形成されるとともに、給電端子の近傍には当該レンズの一部を突出形成した支持突起が形成され、コネクタには当該支持突起に嵌合する支持凹部が設けられている。支持突起と支持凹部との嵌合によってコネクタをレンズないしランプに安定に支持することができ、給電端子とコネクタ電極との安定した電気的な接続が確保できる。
【実施例1】
【0010】
次に、本発明の実施例1を図面を参照して説明する。図1は本発明を自動車のヘッドランプ(前照灯)に適用した実施例の正面図、図2は図1のA−A線断面図である。また、図3は要部の斜視図である。自動車のヘッドランプHLは、前面を開口した容器状のランプボディ1と、このランプボディ1内に配設された光源ユニット2と、前記ランプボディ1の前面開口に取着されたレンズ3とで構成されている。前記光源ユニット2は、ここではLEDユニットを用いており、前面に多数の凹部をリフレクタ22として形成したユニット基板20を有し、前記リフクレタ22の内底位置にそれぞれLED21を搭載したものである。前記ユニット基板20は固定具23によりランプボディ1内に固定され、またユニット基板20の後面には電極部24が設けられており、この電極部24には前記ランプボディ1の後面に設けられた後面開口を通して電源用コネクタ4が着脱可能とされている。この電源用コネクタ4は図には表れないコントローラを介して車載電源に接続されている。なお、このコントローラは、イグニッションスイッチ、ディマースイッチ等の各種スイッチのオン・オフ情報に基づいて車載電源の電力をヘッドランプHLに対して供給することができる。このコントローラの制御により、LEDユニット2では選択されたLED、あるいは全てのLEDが発光されることになる。このLEDユニット2では、各LED21で発光した光はリフレクタ22によりランプボディ1の前方に向けて反射され、レンズ3を透過してヘッドランプHLの前方領域を照明する。なお、この種のヘッドランプHLは既に種々の構成のものが提案されているので、ここではヘッドランプ自体の詳細な説明は省略する。
【0011】
また、前記コントローラは各種情報に基づいて前記ヘッドランプHLに装備された融雪装置6に給電する電源系をオン・オフ制御することが可能とされている。この融雪装置6は、前記レンズ3に一体的に設けられた波型ループパターン状をした抵抗発熱体61を備えている。前記抵抗発熱体61はFPCヒータ(フレキシブル配線板ヒータ)で構成されており、透明樹脂で形成されたレンズ3の内面に埋設状態に設けられている。FPCヒータ61は詳細な図示は省略するがポリカーボネイト等の透明樹脂製ベースフィルムの表面に所要のパターンの導電箔が印刷され、同じく透明樹脂製オーバレイフィルにより覆われるようにしてサンドイッチされたものである。この実施例1ではFPCヒータ61はレンズ3を樹脂成形する際にインサート成形により接合一体化されている。また、前記FPCヒータ61の導電箔の両端部にはそれぞれ銅板片で構成された給電端子62が接続されており、これら一対の給電端子62は前記レンズ3の面領域のうち照明には影響を与えない一部領域に配設されている。各給電端子62は基端部が前記レンズ3の内部に埋設されて前記抵抗発熱体61の両端部に接続され、各先端部は前記レンズ3の内面からランプ後方に向けて平行な状態で突出されている。さらに、前記レンズ3の内面の前記給電端子62の下側近傍位置にはランプ後方に向けて支持突起63が一体に突出されている。この支持突起63は下表面にテーパ状をした係止溝631が設けられており、後述するヒータ用コネクタ7が嵌合支持されるようになっている。
【0012】
前記ランプボディ1内には前記FPCヒータ61の給電端子62に嵌合して電気接続されるヒータ用コネクタ7が内装されている。このヒータ用コネクタ7は2本のリード線5により前記LEDユニット2のユニット基板20に設けられている前記電極部24の一部に電気接続されている。前記2本のリード線5にはそれぞれ半田付あるいはカシメ等により接続した端子片51が嵌合され、後述するように前記ヒータ用コネクタ7に対して電気接続が可能とされている。
【0013】
図4は前記ヒータ用コネクタ7の分解斜視図である。コネクタケース70は上ケース70aと下ケース70bとで構成されており、それぞれに設けた係合片701と係合凹部702とを係合することで端面が逆凸字状をした筒状に形成されている。前記コネクタケース70内には組み立てにより一体化された制御回路71と電極72と支持部73とが構成されている。制御回路71はコネクタケース70内の中央に配設され、電極72はこの制御回路71の左右両側に対向配置され、支持部73は制御回路71の直下に配置されている。前記制御回路71は回路基板711を主体に構成されており、この回路基板711にはFPCヒータ61に供給する電力を制御するために後述する温度検出素子、トランジスタ、抵抗等の電子部品が搭載されて所要の回路を構成している。また、電極72は導電板を矩形の筒状に加工した第1ないし第3の3つの電極721,722,723で構成されており、各電極721〜723はそれぞれ一体に形成されたアーム72aが前記回路基板711上にまで延長して半田付け等により制御回路71の一部に接続され、回路基板711に対して機械的に連結されると同時に電気的な接続が行われている。ここでは、第1電極721は回路基板711の一側に配設され、第2及び第3電極722,723は回路基板711の他側において長さ方向に所要の間隔をおいて直列状態に配設される。
【0014】
そして、図5に模式的な断面図を示すように、前記FPCヒータ61に接続されている一対の給電端子62はヒータ用コネクタ7の一方から前記第1電極721と第2電極722に嵌合され、それぞれ電気接続される。また、前記リード線5に接続された端子片51はヒータ用コネクタ7の反対側から前記第1電極721の他端部と第3電極723に嵌合され、それぞれ電気接続される。さらに、前記回路基板711はほぼ全領域が樹脂74によりモールド封止され、湿気や水分等から回路を保護するための耐水性を確保している。また、前記支持部73はこのモールド封止した樹脂74の一部を凹設した支持凹部731を備えており、この支持凹部731に前記レンズ3の内面の一部に設けた支持突起63が嵌入されるようになっている。前記支持凹部731の下側内面には支持突起63の下面に設けた前記係止溝631に係合可能なテーパ状の係止突部732が設けられている。
【0015】
図6は前記ヒータ用コネクタ7に内蔵されている前記制御回路71の回路図であり、温度検出部TDとスイッチ回路部SWとで構成されており、これらの回路部TD,SWに前記第1〜第3電極721〜723が接続されている。第1電極721は接地(グランド)に接続され、第2電極722はスイッチ回路部SWに接続され、第3電極723は温度検出部TDに接続されている。温度検出部TDはアンプ(オペアンプ)OAと複数の抵抗R1〜R7を含む差動増幅型の非反転増幅回路として構成されている。アンプOAの正入力端子に接続されている抵抗Rxは温度変化により抵抗値が変化する温度検出素子、ここではサーミスタで構成されており、温度の降下に伴って抵抗値が増大するようになっている。スイッチ回路部SWはトランジスタTr、スイッチング素子(電界効果トランジスタ)Q、ダイオードD、ツェナーダイオードZD、抵抗R11〜R14で構成され、スイッチング素子Qのソース・ドレインを第2電極722と第3電極723の間に接続し、ゲートをトランジスタTrのコレクタに接続している。このスイッチング素子Qはトランジスタがオンしたときのコレクタ・エミッタ電流によりオンしてソース・ドレインを導通状態にするようになっている。
【0016】
ここで、前記制御回路71に設けられた温度検出素子Rxを構成しているサーミスタは、図4に示したように、前記回路基板711上の最もレンズ3に近い位置に配置するとともに、封止用の樹脂74の表面に近い位置、あるいは樹脂74の表面の一部から露呈されるように構成しておくことが好ましい。これにより、温度検出素子Rxはレンズ3の温度、あるいはレンズ3に近いランプボディ11内の温度をより高い精度で検出することが可能になる。
【0017】
以上の構成によれば、ヘッドランプHLの組立時には、ヒータ用コネクタ7の前面側から第1及び第2電極721,722をレンズ3の内面から突出されているFPCヒータ61の一対の給電端子62に嵌合し、それぞれ電気接続する。このとき、同時に支持凹部731内にレンズ3の支持突起63が嵌入され、支持突起63の係止溝631が係止突部732に係合する。これにより各給電端子62と第1及び第2電極721,722との嵌合力、及び支持突起63と支持凹部731との嵌合力とでヒータ用コネクタ7はレンズ3に対して機械的に結合される。また、これと前後してヒータ用コネクタ7の後面側からLEDユニット2に接続されている2本のリード線5の各接続片51を第1及び第3電極721,723に嵌入し、電気接続を行う。さらに、ランプボディ1の後面側から電源用コネクタ4をLEDユニット2の電極部24に接続する。これにより、LEDユニット2が車載電源に接続されるのと同時にヒータ用コネクタ7も車載電源に接続されることになる。
【0018】
このようなヒータ用コネクタ7及び電源用コネクタ4の接続が行われたヘッドランプHLでは、図示を省略したコントローラがヘッドランプを点灯する状況であると判断したときにはコントローラから車載電源の電力が電源用コネクタ4を介してLEDユニット2に供給され、全て、あるいは選択されたLED21が発光し、LED21から出射された光はレンズ3を透過して自動車の前方を照明する。このとき、外気温度が0℃よりも高いとき、すなわちレンズ3に霜や雪が付着するおそれがない温暖状態のときには、ヒータ用コネクタ7内の制御回路71においては、温度検出素子Rxの抵抗値が低いため、アンプOAの正入力端子の電圧が負入力端子の電圧よりも低く、ほぼ同じ電圧となるため、アンプOAからはほぼ0Vの電圧が出力される。スイッチ回路部SWのトランジスタはNPN型であるため、温度検出部TDからほぼ0Vの電圧が入力されているときにはオフ状態であり、コレクタ・エミッタ電流が流れないためスイッチング素子Qのゲート電圧はしきい値電圧以上であり、スイッチング素子Qのソース・ドレイン間はオフとなる。これにより、スイッチ回路部SWはオフとなり、第2電極722と第3電極723は導通せず、車載電源の電力がFPCヒータ61に供給されることはなく、FPCヒータ61が発熱することはない。
【0019】
一方、レンズ3に霜や雪が付着するおそれが生じる0℃以下の寒冷状態のときには、温度検出素子Rxの抵抗値が増加し、アンプOAの正入力端子の電圧が負入力端子の電圧よりも上昇するため、アンプOAの出力端からは正電圧が出力される。スイッチ回路部SWのトランジスタTrに正電圧が入力されると当該トランジスタTrはオンとなり、コレクタ・エミッタ電流が流れてスイッチング素子Qのゲート電圧をしきい値電圧以下とし、スイッチング素子Qのソース・ドレイン間を導通させる。これにより、スイッチ回路部SWがオンとなり、第2電極722が第3電極723に導通した状態となり、車載電源の電力がFPCヒータ61に供給される。したがって、FPCヒータ61が発熱し、レンズ3を加熱して温度を上昇させるため、レンズ3に霜や雪が付着することはなく、また霜や雪が付着していた場合にはこれらを蒸発させ、或いは溶融させてレンズ3の透明性を確保する。したがってLEDユニット2で発光した光は霜や雪によって減光、ないしは遮光されることなく自動車の前方領域を照明する。
【0020】
このように、実施例1のヘッドランプHLでは、FPCヒータ61に供給する電力を制御するための制御回路71がヒータ用コネクタ7に内蔵されているので、制御回路71をヘッドランプHLを構成する独立した部品として用意する必要がなく、部品点数が削減できるとともに、独立部品を配設するためのスペースが不要でありヘッドランプHLの小型化が可能になる。また、FPCヒータ61の給電端子62にヒータ用コネクタ7を嵌合して接続するだけでFPCヒータ61に対して制御回路71を電気接続することができるので、ヘッドランプHLの組み付け作業が容易になる。
【0021】
また、ヒータ用コネクタ7に設けた制御回路71にはレンズ3又はレンズ近傍の温度を検出するための温度検出素子Rxが備えられており、この温度検出素子Rxで検出した温度に基づいて制御回路71での電力制御を行うので、レンズ3に霜や雪が付着する状況のときにのみFPCヒータ61に電力を供給することが可能になり、自動的な融雪が可能になるとともに消電力化を図ることも可能である。同時にコントローラにおいて融雪のための制御を行う必要がなくなり、コントローラの負担を軽減することも可能になる。
【0022】
実施例1のヒータ用コネクタ7では、FPCヒータ61の給電端子62に嵌合可能な第1電極721と第2及び第3電極722,723の間スペースに制御回路71を配設するとともに、各電極721〜723を制御回路71と機械的及び電気的に一体に構成しているので、電極間のスペースを利用して制御回路71が配置でき、ヒータ用コネクタ7の小型化が可能になる。また、制御回路71を樹脂74で封止して防水化を図っているので、ヘッドランプHL内の湿気な水分によっても制御回路71での漏電による劣化が防止できる。
【0023】
さらに、レンズ3は内面の一部に設けた支持突起63にヒータ用コネクタ7の支持凹部731を嵌合させているので、両者の嵌合力によってヒータ用コネクタ7をレンズ3に対して安定に支持することができ、給電端子62と電極721,722との安定した電気的な接続が確保できる。特に、支持突起63の係止溝631と、支持凹部731内の係止突部732とが互いに係合することで、両者の嵌合状態をより強固なものにでき、自動車の振動や衝撃等によってもヒータ用コネクタ7と給電端子62との電気接続状態を確保することができる。
【0024】
本発明にかかるコネクタ、すなわちヒータ用コネクタ7においては、給電端子62と電極72との嵌合力によってヒータ用コネクタ7を保持するのに十分な嵌合力が得られる場合には、レンズ3に支持突起63を設けなくてもよく、したがってヒータ用コネクタ7に支持部73を設ける必要はなく、レンズ3及びヒータ用コネクタ7の構造を簡略化し、小型化することが可能になる。
【0025】
本発明の制御回路71は実施例1の回路に限定されるものではない。例えば、コントーラに抵抗発熱体61への給電を制御するための処理回路を内蔵している自動車に適用されるランプの場合には、制御回路71は温度検出素子を備えることなく単なるスイッチング回路として構成された制御回路とすることも可能である。また、温度検出回路TDやスイッチ回路部SWの回路は実施例1と異なる回路で構成されても良いことは言うまでもない。
【0026】
本発明における灯具の発熱体は、実施例1に記載したような抵抗発熱体、特にFPCヒータに限られるものではなく、通電により発熱するものであれば適用可能である。例えば、点灯したときに発熱する白熱バルブを用いてもよい。また、本発明が適用される灯具は、実施例1に記載した構造のLEDユニットに限られるものではなく、他の構成のLEDユニットとして構成することもでき、さらにはLEDを使用するランプに限られるものではなく、EL(エレクトロルミネッセンス)やLD(レーザダイオード)等の他の発光素子、さらには白熱バルブを光源とするランプであってもよい。また、本発明は実施例に記載のヘッドランプに限られるものではなく、フォグランプやその他の標識用ランプであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施例1のヘッドランプの正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】実施例1の要部の概略斜視図である。
【図4】ヒータ用コネクタの部分分解斜視図である。
【図5】ヒータ用コネクタを装着した状態の模式的な縦断面図である。
【図6】制御回路の回路図である。
【符号の説明】
【0028】
1 ランプボディ
2 光源ユニット(LEDユニット)
3 レンズ
4 電源用コネクタ
5 リード線
6 融雪装置
7 ヒータ用コネクタ
61 FPCヒータ(抵抗発熱体)
62 給電端子
63 支持突起
71 制御回路
72 電極部
73 支持部
711 回路基板
721〜723 電極



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプボディの前面に配設されて光源から出射した光を透過させるレンズと、前記レンズに設けられ通電により発熱される発熱体とを備える車両用灯具において、前記発熱体の給電端子に接続され、当該発熱体に電力を供給するコネクタを備え、前記コネクタには前記発熱体に供給する電力を制御するための制御回路が内蔵されていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記制御回路は少なくとも前記レンズ又はレンズ近傍の温度を検出するための温度検出素子を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記コネクタは前記給電端子に嵌合可能な2つの電極を有し、前記制御回路は前記2つの電極の間に配設されるとともに各電極と機械的及び電気的に一体に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記制御回路は防水構造を備えていることを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記レンズは内面の一部に前記給電端子が突出形成されるとともに、前記給電端子の近傍には当該レンズの一部を突出形成した支持突起が形成され、前記コネクタには当該支持突起に嵌合する支持凹部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用灯具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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