説明

車両用灯具

【課題】洗浄液をスムーズに流して流動損失とそれに伴う噴射圧力と噴射速度の低下を防ぐことができる車両用灯具の洗浄装置を提供すること。
【解決手段】洗浄液が供給されるシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌挿されたピストンと、該ピストンの先端に取り付けられたバルブケース7と、該バルブケース7に支持された左右のノズルホルダ14と、該ノズルホルダ14に支持された左右の噴射ノズルと、前記バルブケース7内に収容されたチェックバルブ機構3を備え、前記噴射ノズルから洗浄液を車両用灯具に向けて噴射する車両用灯具の洗浄装置において、前記チェックバルブ機構3のバルブ8の移動方向を前記ピストンの摺動方向と同方向とするとともに、該バルブ8を通過して左右に分岐する洗浄液の流路S1,S2に左右の前記ノズルホルダ14をそれぞれ開口させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドランプ等の車両用灯具に洗浄液を噴射してその表面洗浄するための洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の例えばヘッドランプの前面が埃や泥等の付着によって汚れると光量不足を招く可能性があるため、必要に応じてヘッドランプに向かって洗浄液を噴射して該ヘッドランプの前面を洗浄するための洗浄装置がフロントバンパの裏側に設置されている。この洗浄装置は、洗浄液が供給されるシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌挿されたピストンと、該ピストンをシリンダ内に引き込む方向に付勢する付勢手段と、洗浄液をヘッドランプに向けて噴射するノズルと、洗浄液の圧力が所定値以上になると開いて洗浄液を前記ノズルに供給するチェックバルブ機構を備えている。
【0003】
斯かる洗浄装置においては、非使用時にはノズルがフロントバンパの裏側に格納されており、ヘッドランプを洗浄する際には洗浄液の圧力によってノズルがフロントバンパに形成された開口部から車両前方へと突出し、洗浄液の圧力が所定値以上に高くなると、チェックバルブ機構のバルブが開いて洗浄液がノズルへと供給され、ノズルに開口する噴射口から洗浄液がヘッドランプに向かって噴射され、ヘッドランプの前面に付着した埃や泥等が除去される。そして、ヘッドランプの洗浄が終了すると、ノズルはリターンスプリング等の付勢手段によってフロントバンパの裏側の格納位置に戻される。尚、ノズルがフロントバンパの裏側に格納されているときには、フロントバンパに形成された開口部は、ノズルの先端に取り付けられたノズルカバーによって覆われて外観性の低下が防がれる。
【0004】
ところで、車両用灯具の洗浄装置には図4に示すようなチェックバルブ機構が用いられていた(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
即ち、図4は従来の洗浄装置のチェックバルブ機構の縦断面図であり、(a)はバルブが閉じている状態を示し、(b)はバルブが開いている状態を示しており、図示のチェックバルブ機構101には、不図示のピストンの摺動方向(図4の左右方向)に対して直交する方向(図4の上下方向)にバルブ102が移動して開閉動作する方式が採用されている。
【0006】
図示のチェックバルブ機構101においては、バルブ102が皿バネ状のスプリング103によって上方に付勢されており、図4(a)に示すように連通孔104がバルブ102によって閉じられている状態から、圧力形成部105内の洗浄液の圧力が設定値以上に上昇すると、バルブ102は洗浄液の圧力を上面に受け、スプリング103の付勢力に抗して下方へと移動して図4(b)に示すように連通孔104を開く。すると、連通孔104と流出孔106が連通し、圧力形成部105内の洗浄液は図4(b)に矢印にて示すように連通孔104及び流出孔106を通って不図示のノズルへと供給される。
【0007】
しかしながら、従来の洗浄装置においては、図4に示すようにピストンの摺動方向(図8の左右方向)に対して直交する方向(図4の上下方向)にバルブ102が移動して開閉動作する方式が採用されているため、図4(b)に示すようにバルブ102が開いたときに該バルブ102を通過する洗浄液の流れの方向が変化し、洗浄液は複雑な経路を通過して流れるために流動損失が大きく、これに伴って洗浄液の噴射圧力と噴射速度が低下するという問題がある。
【0008】
そこで、本出願人は、図5及び図6に示すような洗浄装置を先に提案した(特許文献2参照)。
【0009】
即ち、図5は本出願人が先に提案した洗浄装置の平面図、図6は同洗浄装置の先端部の平断面図であり、図5に示す洗浄装置201は、円筒状のシリンダ202の内部に不図示のピストンを摺動可能に嵌挿し、該ピストンの先端部にはチェックバルブ機構203を介して噴射ノズル204を取り付けて構成されている。尚、洗浄装置201はブラケット206を介して不図示のフロントバンパの裏側に取り付けられている。
【0010】
前記チェックバルブ機構203は、図6に示すように、バルブケース207の内部にバルブ208と、該バルブ208を摺動可能に保持するガイド209と、バルブ208を閉じ方向に付勢するバルブスプリング210を収容して構成されている。
【0011】
又、バルブケース207の先端部の左右には円筒部207aがそれぞれ形成されており、これらの円筒部207aには左右のノズルホルダ214が嵌合保持されており、各ノズルホルダ204には図5に示すように前記噴射ノズル204がそれぞれ保持されており、各噴射ノズル204の頂部には不図示のヘッドランプの前面に向かって開口する噴射口215が形成されている。
【0012】
而して、不図示のウォッシャタンクから高圧の洗浄液が洗浄装置201のシリンダ202へと供給されると、ピストンが洗浄液の圧力によってシリンダ202内を前方へと摺動し、その先端に設けられたチェックバルブ機構203と噴射ノズル204がフロントバンパに形成された開口部(不図示)から車両前方へと押し出される。この状態から洗浄液の圧力が所定値を超えて上昇し、チェックバルブ機構203のバルブ208に作用する洗浄液の圧力に基づく力がバルブスプリング210の付勢力よりも大きくなると、バルブ208は図6に示すようにガイド209に沿って前方(図6の左方)へと移動して開く。すると、洗浄液は、図6に矢印にて示すようにバルブ208を通過して左右に分かれ、左右の流路S1,S2をそれぞれ前方に向かって流れた後に合流し、1つの流路S3を通過した後に再び左右に分かれ、左右のノズルホルダ214を経て各噴射ノズル204へと流れ、各噴射ノズル204に開口する噴射口215からヘッドランプの前面に向かって噴射され、ヘッドランプに付着している泥や埃を洗い流して除去する。
【0013】
斯かる洗浄装置201によれば、チェックバルブ機構203のバルブ208の移動方向をピストンの摺動方向、つまり洗浄液の流れ方向と同方向としたため、バルブ208が開いたときには洗浄液は方向を大きく変えることなくバルブ208を通過して噴射ノズル204へ真っ直ぐとスムーズに流れ、その圧力損失が図4に示した従来の洗浄装置のそれよりも低く抑えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2006−151150号公報
【特許文献2】特願2009−069834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、図5及び図6に示した洗浄装置201においては、バルブ208を通過して左右に分かれた洗浄液は、左右の流路S1,S2をそれぞれ前方に向かって流れた後に合流し、流路S3を通過した後に再び左右に分かれて各噴射ノズル204へと供給されるため、合流と分岐の際の流動損失が大きく、これに伴って洗浄液の噴射圧力と噴射速度が低下するという問題がある。
【0016】
従って、本発明の第1の目的は、洗浄液をスムーズに流して流動損失とそれに伴う噴射圧力と噴射速度の低下を防ぐことができる車両用灯具の洗浄装置を提供することにある。

又、バルブケース207は合流のための流路S3の長さ分だけ長さが長くなるため、洗浄装置201の全長も長くなり、その設置に制約を伴う他、バルブ208を案内するためのガイド209がバルブケース207とは別体に構成されていたため、部品点数と組立工数が増えてコストアップを招くという問題もある。
【0017】
従って、本発明の第2の目的は、全長を短縮してレイアウトの自由度を高めることができるとともに、部品点数と組立工数を削減してコストダウンを図ることができる車両用灯具の洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、洗浄液が供給されるシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌挿されたピストンと、該ピストンの先端に取り付けられたバルブケースと、該バルブケースに支持された左右のノズルホルダと、該ノズルホルダに支持された左右の噴射ノズルと、前記バルブケース内に収容されたチェックバルブ機構を備え、前記噴射ノズルから洗浄液を車両用灯具に向けて噴射する車両用灯具の洗浄装置において、前記チェックバルブ機構のバルブの移動方向を前記ピストンの摺動方向と同方向とするとともに、該バルブを通過して左右に分岐する洗浄液の流路に左右の前記ノズルホルダをそれぞれ開口させたことを特徴とする。
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記チェックバルブ機構のバルブを移動可能に保持するガイドを前記バルブケースに一体に形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の発明によれば、チェックバルブ機構のバルブの移動方向をピストンの摺動方向、つまり洗浄液の流れ方向と同方向とするとともに、該バルブを通過して左右に分岐する洗浄液の流路に左右のノズルホルダをそれぞれ開口させたため、バルブが開いたときには洗浄液は方向を変えることなく左右に分かれて各流路を真っ直ぐとスムーズに流れ、その後、合流及び分岐することなく左右のノズルホルダを経てそのまま噴射ノズルへと供給される。このため、洗浄液の流動に伴う圧力損失が低く抑えられ、該洗浄液の噴射ノズルからの噴射圧力及び噴射速度の低下が防がれ、車両用灯具が洗浄液によって効率的に洗浄される。
【0021】
又、バルブケースには洗浄液を合流させるための流路が不要となるため、該バルブケースの長さが短くて済み、バルブケースを含む洗浄装置の全長が短縮され、当該洗浄装置の車体への取付スペースが小さく抑えられてそのレイアウトの自由度が高められる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、チェックバルブ機構のバルブを移動可能に保持するガイドをバルブケースに一体に形成したため、部品点数と組立工数が削減されてコストダウンが図られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る洗浄装置の側面図である。
【図2】本発明に係る洗浄装置の平面図である。
【図3】(a),(b)は本発明に係る洗浄装置のチェックバルブ機構部の平断面図である。
【図4】(a),(b)は特許文献1において提案された洗浄装置のチェックバルブ機構の縦断面図である。
【図5】特許文献2において提案された洗浄装置の平面図である。
【図6】特許文献2において提案された洗浄装置の先端部の平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は本発明に係る洗浄装置の側面図、図2は同洗浄装置の平面図、図3(a),(b)は同洗浄装置のチェックバルブ機構部の平断面図である。
【0026】
本実施の形態に係る洗浄装置1は、不図示の車両のヘッドランプの前面に向かって洗浄液を噴射して該前面を洗浄するための装置であって、不図示のフロントバンパの裏側に配置されている。尚、洗浄装置1は左右のヘッドランプに対してそれぞれ設置されているが、その構成及び作用は同じであるため、以下、一方の洗浄装置のみについて図示及び説明する。
【0027】
図1及び図2に示す洗浄装置1は、円筒状のシリンダ2の内部に不図示のピストンを摺動可能に嵌挿し、該ピストンの先端部にチェックバルブ機構3を介して噴射ノズル4を取り付けて構成されている。
【0028】
上記シリンダ2は、不図示のウォッシャタンクから洗浄液の供給を受けるものであって、その後端にはプラグ5が設けられており、シリンダ2の内部はプラグ5に接続された不図示の配管を介してウォッシャタンクに連通している。そして、シリンダ2の前端部外周にはブラケット6が取り付けられており、洗浄装置1はブラケット6を介して不図示のフロントバンパの裏側に取り付けられている。尚、図示しないが、シリンダ2とその内部に摺動可能に嵌挿されたピストンとの間には、ピストンをシリンダ2内に引き込む方向に付勢する付勢手段としてのリターンスプリングが介装されている。
【0029】
次に、前記チェックバルブ機構3の構成の詳細を図3に基づいて説明する。
【0030】
チェックバルブ機構3は、バルブケース7の内部にバルブ8と、該バルブ8を摺動可能に保持するガイド9と、バルブ8を閉じ方向に付勢するバルブスプリング10を収容して構成されており、全体の横断面形状が横方向に扁平な楕円状とされている。
【0031】
上記バルブケース7は前後に2分割されたケース半体7A,7B同士を結合一体化して構成されており、一方のケース半体7Aは、小径の円筒部7aと扁平な楕円筒部7bとを組み合わせて構成されており、該ケース半体7Aの円筒部7aと楕円筒部7bとを仕切る壁11の中心部には円筒状の弁座12が形成されている。
【0032】
又、他方のケース半体7Bは、扁平な楕円筒部7cとその先端に連なる左右の円筒部7dとで構成されており、楕円筒部7cをケース半体7Aの楕円筒部7bの内周に嵌め込んで固定することによってバルブケース7が組み立てられている。尚、ケース半体7A,7Bの嵌め込み部端部はシールリング13によってシールされている。
【0033】
又、ケース半体7Bの先端部に形成された左右の円筒部7dにはノズルホルダ14の基端部がそれぞれ全方向に回動可能に嵌合保持されており、各ノズルホルダ14の先端上部には、図1及び図2に示すように前記噴射ノズル4がそれぞれ嵌合保持されており、各噴射ノズル4には不図示のヘッドランプの前面に向かって開口する噴射口15がそれぞれ形成されている。ここで、図3に示すように、バルブケース7内のバルブ8及びガイド9の左右両側には洗浄液の流路S1,S2がそれぞれ形成されており、左右の前記ノズルホルダ14は左右の各流路S1,S2にそれぞれ開口している。
【0034】
前記バルブ8は、円板状の弁体8aと該弁体8aの中心から軸直角方向に一体に延びる弁軸8bとで構成されており、弁体8aの弁座12に着座する部分にはリング状のシール部材16が組み付けられている。
【0035】
又、前記ガイド9は、バルブケース7のケース半体7Bの中心部に円筒状に一体に形成されており、その内部にはバルブ8の弁軸8bが前後方向(図3の左右方向)に摺動可能に嵌合保持されている。従って、バルブ8は、ガイド9によって前後方向(ピストンの移動方向)に移動可能に支持されており、該バルブ8は、前記バルブスプリング10によって閉じ方向(弁座12に着座する方向)に付勢されている。ここで、バルブスプリング10は、ガイド9の外周に挿通され、バルブ8の弁体8aとガイド9の外周に形成された段部(スプリング受け)9aとの間に縮装されている。尚、バルブスプリング10のバネ定数は前記リターンスプリング(不図示)のバネ定数よりも大きく設定されている。
【0036】
次に、以上のように構成された洗浄装置1の作用について説明する。
【0037】
本実施の形態に係る洗浄装置1において、ヘッドランプの洗浄が行われない場合には、不図示のピストンはリターンスプリングの付勢力によって図1及び図2に示すようにシリンダ2内に引き込まれており、このとき、チェックバルブ機構3のバルブ8は図3(a)に示すようにバルブスプリング10によって弁座12に押圧されて閉じ状態にある。又、噴射ノズル4は不図示のフロントバンパの裏側に格納されている。
【0038】
而して、洗浄装置1によってヘッドランプの洗浄を行う場合には、不図示のウォッシャタンクから不図示の配管を経て高圧の洗浄液が洗浄装置1のシリンダ2へと供給される。すると、ピストンは洗浄液の圧力によってシリンダ2内を前方へと摺動し、その先端に設けられた噴射ノズル4をフロントバンパに形成された開口部(不図示)から車両前方へと押し出す。この場合、前述のようにバルブスプリング10のバネ定数はリターンスプリングのバネ定数よりも大きく設定されているため、チェックバルブ機構3のバルブ8は図3(a)に示すように閉じたままであって、洗浄液は噴射ノズル4には供給されない。
【0039】
上述のようにピストンが洗浄液の圧力によって前進した後、洗浄液の圧力が所定値を超えて上昇し、チェックバルブ機構3のバルブ8に作用する洗浄液の圧力に基づく力がバルブスプリング10の付勢力よりも大きくなると、バルブ8は図3(b)に示すようにガイド9に沿って前方へと移動して弁座12から離れるため、該バルブ8が図示のように開く。すると、洗浄液は、図3(b)に矢印にて示すように、方向を大きく変えることなく左右に分かれてバルブケース7内の左右の各流路S1,S2を真っ直ぐと前方に向かってスムーズに流れ、その後、合流及び分岐することなく左右のノズルホルダ14を経てそのまま各噴射ノズル4へと供給される。
【0040】
上述のように左右の噴射ノズル4へと供給された洗浄液は、各噴射ノズル4にそれぞれ開口する噴射口15(図2参照)から不図示のヘッドランプの前面に向かって噴射され、該ヘッドランプの前面に付着した埃や泥等を洗い流す。そして、ヘッドランプの洗浄が終了してシリンダ2への洗浄液の供給が遮断されると、ピストンがリターンスプリングの付勢力によってシリンダ2内に引き込まれるため、噴射ノズル4はフロントバンパの裏側の格納位置に戻され、チェックバルブ機構3のバルブ8は図3(a)に示すように再び閉じられる。
【0041】
以上のように、本実施の形態に係る洗浄装置1においては、チェックバルブ機構3のバルブ8の移動方向をピストンの摺動方向(前後方向)、つまり洗浄液の流れ方向と同方向とするとともに、該バルブ8を通過して左右に分岐する洗浄液の流路S1,S2に左右のノズルホルダ14をそれぞれ開口させたため、バルブ8が開いたときには洗浄液は方向を大きく変えることなく左右に分かれて各流路S1,S2を真っ直ぐとスムーズに流れ、その後、合流及び分岐することなく左右のノズルホルダ14を経てそのまま各噴射ノズル4へと供給される。このため、洗浄液の流動に伴う圧力損失が低く抑えられ、該洗浄液の噴射ノズル4からの噴射圧力及び噴射速度の低下が防がれ、ヘッドランプが洗浄液によって効率的に洗浄される。
【0042】
又、本実施の形態に係る洗浄装置1のバルブケース7には洗浄液を合流させるための流路が不要となるため、該バルブケース7の長さが短くて済み、バルブケース7を含む洗浄装置1の全長が短縮され、当該洗浄装置1の車体への取付スペースが小さく抑えられてそのレイアウトの自由度が高められる。
【0043】
更に、本実施の形態では、チェックバルブ機構3のバルブ8を移動可能に保持するガイド9をバルブケース7に一体に形成したため、部品点数と組立工数が削減されてコストダウンが図られるという効果も得られる。
【0044】
尚、以上は本発明をヘッドランプの洗浄に供される洗浄装置に適用した形態について説明したが、本発明は、ヘッドランプ以外の他の任意の車両用灯具の洗浄に供される洗浄装置に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0045】
1 洗浄装置
2 シリンダ
3 チェックバルブ機構
4 ノズル
5 プラグ
6 ブラケット
7 バルブケース
7A,7B ケース半体
7a ケース半体の円筒部
7b,7c ケース半体の楕円筒部
7d ケース半体の円筒部
8 バルブ
8a バルブの弁体
8b バルブの弁軸
9 ガイド
9a ガイドの段部(スプリング受け)
10 バルブスプリング
11 バルブケースの壁
12 弁座
13 シールリング
14 ノズルホルダ
15 噴射ノズルの噴射口
16 シール部材
S1,S2 洗浄液の流路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液が供給されるシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌挿されたピストンと、該ピストンの先端に取り付けられたバルブケースと、該バルブケースに支持された左右のノズルホルダと、該ノズルホルダに支持された左右の噴射ノズルと、前記バルブケース内に収容されたチェックバルブ機構を備え、前記噴射ノズルから洗浄液を車両用灯具に向けて噴射する車両用灯具の洗浄装置において、
前記チェックバルブ機構のバルブの移動方向を前記ピストンの摺動方向と同方向とするとともに、該バルブを通過して左右に分岐する洗浄液の流路に左右の前記ノズルホルダをそれぞれ開口させたことを特徴とする車両用灯具の洗浄装置。
【請求項2】
前記チェックバルブ機構のバルブを移動可能に保持するガイドを前記バルブケースに一体に形成したことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具の洗浄装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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