説明

車両用灯具

【課題】従来、配光等に用いられることなく大きく拡散してしまっていた立壁からの反射光を有効活用することが可能で、かつ、従来よりも小型化が可能な車両用灯具を提供する。
【解決手段】反射面と、前記反射面の周縁に連続する一端と開口端と内周面に形成された第1環状反射面とを含む筒形状の立壁と、を含むリフレクタと、光源と、前記立壁の開口端を覆うように配置される環状装飾部と、前記環状装飾部に形成された第2環状反射面と、を含むエクステンションと、を備えており、前記反射面は、当該反射面に到達した前記光源からの照射光を予め定められた方向へ反射し、当該反射光が前記立壁の開口端から照射し所定配光パターンを形成するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に係り、特に立壁を含む車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図4に示すように、反射面211や立壁212を含むリフレクタ210、光源220等を用いた車両用灯具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007−53024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図4に示した車両用灯具200においては、立壁212と光源220との位置関係上、立壁212に到達した光源220からの照射光は当該立壁212によって反射され、配光等に用いられることなく大きく拡散してしまう構成であるため、当該立壁212からの反射光を有効活用することができない、という問題がある。
【0005】
また、上記立壁212からの反射光がグレアの原因となるのを防止するため、立壁212の開口端212aをある程度広くしなければならず、このため、車両用灯具200を小型化できない、という問題もある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来、配光等に用いられることなく大きく拡散してしまっていた立壁からの反射光を有効活用することが可能で、かつ、従来よりも小型化が可能な車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、反射面と、前記反射面の周縁に連続する一端と開口端と内周面に形成された第1環状反射面とを含む筒形状の立壁と、を含むリフレクタと、光源と、前記立壁の開口端を覆うように配置される環状装飾部と、前記環状装飾部に形成された第2環状反射面と、を含むエクステンションと、を備えており、前記反射面は、当該反射面に到達した前記光源からの照射光を予め定められた方向へ反射し、当該反射光が前記立壁の開口端から照射し所定配光パターンを形成するように構成されており、前記第1環状反射面は、当該第1環状反射面に到達した前記光源からの照射光の少なくとも一部を前記第2環状反射面に向けて反射するように構成されており、前記第2環状反射面は、当該第2環状反射面に到達した前記第1環状反射面からの反射光を予め定められた方向へ反射するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、第2環状反射面の反射方向を適宜調整することで、従来、配光等に用いられることなく大きく拡散してしまっていた立壁からの反射光を配光パターンの形成に用いることが可能となる。
【0009】
また、請求項1に記載の発明によれば、第1環状反射面、第2環状反射面の作用により、従来、配光等に用いられることなく大きく拡散してしまっていた立壁からの反射光を用いて、第2環状反射面を環状に発光させることが可能となる。これにより、歩行者や対向車等の車両用灯具に対する視認性を向上させることが可能となる。また、車両用灯具としての見栄えを向上させることが可能となる。さらに、光源をより奥まった箇所に配置することが可能となるため、車両用灯具の設計自由度、デザイン自由度が向上する。
【0010】
また、請求項1に記載の発明によれば、第1環状反射面、第2環状反射面の作用により、従来のグレアの原因となる立壁からの反射光を大きく拡散することなく上記のように有効活用することが可能となるため、立壁の開口端を従来よりも狭くすることが可能となる。これにより、車両用灯具の小型化(反射面サイズの小型化を含む)が可能となる。
【0011】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、従来、配光等に用いられることなく大きく拡散してしまっていた立壁からの反射光を有効活用することが可能で、かつ、従来よりも小型化が可能な車両用灯具を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、従来、配光等に用いられることなく大きく拡散してしまっていた立壁からの反射光を有効活用することが可能で、かつ、従来よりも小型化が可能な車両用灯具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態である車両用灯具100の斜視図である。
【図2】図1に示した車両用灯具100の断面図である。
【図3】図1に示した車両用灯具100の正面図である。
【図4】従来の車両用灯具200の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態の車両用灯具について図面を参照しながら説明する。
【0015】
本実施形態の車両用灯具100は、自動車や自動二輪車等のフロント信号灯(又はリア信号灯)に適用されるものであり、図1、図2に示すように、リフレクタ10、光源20、エクステンション30等を備えている。
【0016】
図2に示すように、リフレクタ10は、反射面11と、立壁12と、を含んでいる。
【0017】
反射面11は、当該反射面11に到達した白熱電球等の光源20からの照射光を予め定められた方向へ反射し、当該反射光が立壁12の開口端12bから照射し所定配光パターン(図示せず)を形成するように構成されている。反射面11には光源20が挿入される開口11aが形成されており、光源20は、反射面11の裏側から開口11aに挿入され、反射面11側に位置した状態で固定されている。
【0018】
立壁12は、反射面11の周縁に連続する一端12aと、開口端12bと、内周面に形成された第1環状反射面12cとを含む筒形状に形成されている。
【0019】
第1環状反射面12cは、当該第1環状反射面12cに到達した光源20からの照射光をエクステンション30(環状装飾部31)に形成された第2環状反射面31aに向けて反射するように構成された環状の反射面であり、例えば、立壁12の内周面のうち比較的高輝度の照射光が到達する範囲(図2中光源10の発光部11の真横から5度の範囲を例示)に形成されている。
【0020】
エクステンション30は、立壁12の開口端12aを覆うように配置される環状装飾部31と、環状装飾部31に形成された第2環状反射面31aと、を含んでいる。
【0021】
第2環状反射面31aは、当該第2環状反射面31aに到達した立壁12(第1環状反射面12c)からの反射光を予め定められた方向へ反射するように構成された環状の反射面であり、例えば、環状装飾部31の内側面に形成されている(図1、図2参照)。ここで第1環状反射面12cおよび第2環状反射面31aは環状として例示しているが、その具体的形状は車両用灯具の反射面に沿った形状であればよく、また一部が途切れた例えばC字状であってもよい。
【0022】
上記構成の車両用灯具100においては、反射面11に到達した光源20からの照射光は、当該反射面11により予め定められた方向へ反射され、立壁12の開口端12bからアウターレンズ40を介して照射され、所定配光パターン(図示せず)を形成する。
【0023】
一方、立壁12(第1環状反射面12c)に到達した光源20からの照射光Rayは、図2に示すように、当該立壁12(第1環状反射面12c)によりエクステンション30(環状装飾部31)に形成された第2環状反射面31aに向けて反射され、当該第2環状反射面31aにより予め定められた方向へ反射される。これにより、図3に示すように、エクステンション30(環状装飾部31)に形成された第2環状反射面31aが環状(図3中斜線領域参照)に発光することとなる。
【0024】
以上説明したように、本実施形態の車両用灯具100によれば、第2環状反射面31aの反射方向を適宜調整することで、従来、配光等に用いられることなく大きく拡散してしまっていた立壁12(第2環状反射面12c)からの反射光を配光パターンの形成に用いることが可能となる。
【0025】
また、本実施形態の車両用灯具100によれば、第1環状反射面12c、第2環状反射面31aの作用により、従来、配光等に用いられることなく大きく拡散してしまっていた立壁12(第2環状反射面12c)からの反射光Ray(図2参照)を用いて、第2環状反射面31aを環状(図3中斜線領域参照)に発光させることが可能となる。これにより、歩行者や対向車等の車両用灯具100に対する視認性を向上させることが可能となる。また、車両用灯具としての見栄えを向上させることが可能となる。さらに、光源10をより奥まった箇所に配置することが可能となるため、車両用灯具の設計自由度、デザイン自由度が向上する。
【0026】
また、本実施形態の車両用灯具100によれば、第1環状反射面12c、第2環状反射面31aの作用により、従来のグレアの原因となる立壁12からの反射光を大きく拡散することなく上記のように有効活用することが可能となるため、立壁12の開口端12aを従来よりも狭くすることが可能となる。これにより、車両用灯具100の小型化(反射面11サイズの小型化を含む)が可能となる。
【0027】
以上のように、本実施形態の車両用灯具100によれば、従来、配光等に用いられることなく大きく拡散してしまっていた立壁12からの反射光を有効活用することが可能で、かつ、従来よりも小型化が可能な車両用灯具100を提供することが可能となる。
【0028】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0029】
100…車両用灯具、10…リフレクタ、11…反射面、12…立壁、12c…第1環状反射面、20…光源、30…エクステンション、31…環状装飾部、31a…第2環状反射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射面と、前記反射面の周縁に連続する一端と開口端と内周面に形成された第1環状反射面とを含む筒形状の立壁と、を含むリフレクタと、
光源と、
前記立壁の開口端を覆うように配置される環状装飾部と、前記環状装飾部に形成された第2環状反射面と、を含むエクステンションと、を備えており、
前記反射面は、当該反射面に到達した前記光源からの照射光を予め定められた方向へ反射し、当該反射光が前記立壁の開口端から照射し所定配光パターンを形成するように構成されており、
前記第1環状反射面は、当該第1環状反射面に到達した前記光源からの照射光の少なくとも一部を前記第2環状反射面に向けて反射するように構成されており、
前記第2環状反射面は、当該第2環状反射面に到達した前記第1環状反射面からの反射光を予め定められた方向へ反射するように構成されていることを特徴とする車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−3394(P2011−3394A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145397(P2009−145397)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】