説明

車両用空調ユニット

【課題】 極寒地用と極暑地用とするために冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とのいずれか一方のみを搭載する場合に、空調ケース内に無駄なスペースや、これらの熱交換器の着脱用開口部を閉塞するための部品をなくす。空調ケースは極寒地用と極暑地用とで共用化する。
【解決手段】 ケーシング14の空気流路16に画成された同じ設置スペースSに、冷却用熱交換器33と加熱用熱交換器40とを交換的に設置することで、冷却用熱交換器33と加熱用熱交換器40との一方のみを設置した場合でも、他方の加熱用熱交換器40又は冷却用熱交換器33のために確保されていた設置スペースが無駄な空間となるのを防止する。また、設置スペースSに対し冷却用熱交換器33と加熱用熱交換器40とを着脱するための開口部18も共通化することで、ケーシング14の共用化と、閉塞部材の削減を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、極寒地や極暑地で使用するのに適した車両用の空調ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用空調ユニットは、例えば特許文献1に示されるように、空調ケース内に空気流路を画成すると共に、この空気流路内に内外気導入口から導入した空気を冷却する冷却用熱交換器(例えば、エバポレータ等。)と、この冷却用熱交換器で冷却した空気を再加熱する加熱用熱交換器(例えば、ヒータコア等。)とを、冷却用熱交換器が加熱用熱交換器よりも上流側となるように配置し、更に、冷却用熱交換器で冷却された空気を加熱用熱交換器側に送るかバイパスさせるかを適宜選択するためのエアミックスドアを冷却用熱交換器と加熱用熱交換器との間に介在させるのが通常の構造である。
【0003】
一方、一年中において相対的に暑い極暑地では、吹出口から車室内に温風を吹き出す需要が小さいので、この極暑地用にも対応したものとして、例えば、特許文献2に示されるように、ヒータコアを空調ケース内の空気流路上に配置しない構成を採ることができる車両用空調装置が開発されている。尚、一年中において相対的に寒い極寒地では、吹出口から車室内に冷風を吹き出す需要が小さいので、この極寒地用に対応するために、エバポレータを空調ケース内の空気流路上に配置しない構成を採ることも同様に考えることが可能である。
【特許文献1】特開2003−54242号公報
【特許文献2】特開2005−306302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に示される車両用空調装置のように、エバポレータの下流側にヒータコアを配置したり省略したりすることで、極暑地用と極寒地用とに対応可能とした場合には、ヒータコアを省略した際に、ヒータコア着脱用の空調ケースの開口部を蓋体等の固有の部品で閉塞する必要があり、且つヒータコアの搭載されていた領域は、ヒータコアが取り外された後では無駄なスペースとなるという不具合を有する。これらの不具合は、極寒地用と極暑地用とに対応可能とすべく、エバポレータを配置したり省略したりする選択を採る構造の場合でも同様に生ずる。
【0005】
更には、車両用空調ユニット全体における製造コストの削減の見地から、極寒地用の車両用空調ユニットと極暑地用の車両用空調ユニットとでも、使用する空調ケースの共用化を図りたいとの要望がある。
【0006】
そこで、本発明は、極寒地用と極暑地用とするために冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とのいずれか一方のみを搭載する場合でも、空調ケース内に無駄なスペースや、これらの熱交換器の着脱用開口部を閉塞するための部品を削減し、更には、空調ケース自体は極寒地用と極暑地用とで共用化することが可能な車両用空調ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両用空調ユニットは、空調ケース内に送風機で取り込まれた空気が流れる空気流路を有し、この空気流路上には、前記空調ケースに形成された開口部により外部と連通した設置スペースが設けられ、この設置スペースに、前記開口部を介して冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とが選択的に設置されることを特徴としている(請求項1)。
【0008】
このような構成によれば、空調ケースの空気流路に画成された同じ設置スペースに、冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とが交換的に設置されるので、例えば冷却用熱交換器のみを設置した際に加熱用熱交換器用のために確保されていた設置スペースが無駄な空間となることがない。また、設置スペースに冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とを設置するための開口部は共通のものであり、冷却用熱交換器、加熱用熱交換器のいずれか一方を設置することで開口部はこの熱交換器により閉塞されるので、例えば、冷却用熱交換器のみを設置する際に加熱用熱交換器用の開口部を閉塞部材で閉塞する必要性がなくなる。更に、冷却用熱交換器と加熱用熱交換器との設置スペース、この設置スペース内に設置するための開口部を共通にすることができることにより、空調ケースも極暑地用と極寒地用とで共用化を図ることが可能となる。
【0009】
また、本発明に係る車両用空調ユニットは、前記空調ケースには、冷却用熱交換器を設置した際に生ずる凝縮水を排出するための排水孔が形成されていることを特徴としている(請求項2)。このような構成によれば、極暑地用として用いるために設置スペースに冷却用熱交換器を配する場合でも、冷却用熱交換器で生じた凝縮水を排水孔から空調ケース外に適宜排出することが可能である。
【0010】
また、本発明に係る車両用空調ユニットは、前記設置スペースの下流側に、凝縮水の一時的な保持を可能とした凝縮水保持部を有し、前記排水孔はこの凝縮水保持部のうちの凝縮水が最も集まる部位に配置されていることを特徴としている(請求項3)。このような構成によれば、極暑地用として用いるために設置スペースに冷却用熱交換器を配する場合でも、冷却用熱交換器で生じた凝縮水を凝縮水保持部に一時的に保持した後、排水孔から空調ケース外に適宜排出することが可能である。
【0011】
更に、本発明に係る車両用空調ユニットの空気流路は、前記凝縮水保持部よりも空気の下流側にて、車両上下方向の上方に延びる第1の流路とこの第1流路から分岐した第2の流路とを形成し、この第2の流路にフット用吹出口を設けたことを特徴としている(請求項4)。このような構成によれば、空調ユニットを極暑地用として用いる場合に、フット用吹出口は、凝縮水保持部よりも空気の下流側であるため凝縮水がこの凝縮水保持部にて外部に排出されるので、フット用吹出口から空気と一緒に凝縮水が送出されることがない。
【0012】
更にまた、本発明に係る車両用空調ユニットの空気流路は、前記凝縮水保持部よりも空気の下流側にて、車両上下方向の上方に延びる第1の流路とこの第1流路から分岐した第2の流路とを形成し、前記第1の流路は、その最下流側において、デフロスト用吹出口に連なるデフロスト用ダクトとベント用吹出口に連なるベント用ダクトとが選択的に接合されることを特徴としている(請求項5)。このような構成によれば、第1の流路の最下流側にデフロスト用吹出口に連なるデフロスト用ダクトを接合することで、空調ユニットを極寒地用とすることができ、また、第1の流路の最下流側にベント用吹出口に連なるベント用ダクトを接合することで、空調ユニットを極暑地用とすることができるので、その仕様の変更を簡易に行うことができる。
【0013】
そして、本発明に係る車両用空調ユニットは、前記設置スペースに加熱用熱交換器を設置する場合には、前記排水孔を閉塞手段により閉塞することを特徴としている(請求項6)。このような構成によれば、空調ユニットを極寒地用として使用するために加熱用熱交換器を設置スペースに設置するにあたり、排水孔から空気が空調ケース外に抜けることがない。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、この発明によれば、空調ケースの空気流路に画成された同じ設置スペースに、冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とが交換的に設置されるので、冷却用熱交換器と加熱用熱交換器との一方のみを設置した場合でも、他方の加熱用熱交換器又は冷却用熱交換器のために確保されていた設置スペースが無駄な空間として生ずることが防止され、空調ユニットの小型化、特に車両前後方向における小型化を図ることが可能である。
【0015】
また、この発明によれば、冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とを設置スペース内に対し着脱するための開口部は共通であり、冷却用熱交換器と加熱用熱交換器との一方を開口部から収納すれば、当該熱交換器の側部により開口部は閉塞されるため、冷却用熱交換器と加熱用熱交換器との一方のみを空調ケースに収納するにあたって、冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とのうちの他方の着脱用の開口部を閉塞部材で閉塞する必要性がなくなるので、空調ユニットの製造コストの削減を図ることが可能である。
【0016】
更に、この発明によれば、冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とを空調ケースの同じ設置スペースに設置することができ、且つこの設置スペースに対し冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とを着脱するための開口部も共通であるため、極寒地用の空調ユニットの空調ケースと極暑地用の空調ユニットの空調ケースとを共用化することが可能となるので、空調ユニットの製造コストの削減を図ることが可能である。
【0017】
そして、極暑地用として冷却用熱交換器を用いた場合でも、冷却用熱交換器で生じた凝縮水を排出するための排水孔が形成されているので、凝縮水を空調ケース外に適宜排出することが可能である。また、凝縮水の一時的な保持を可能とした凝縮水保持部を有し、凝縮水が最も集まる部位に排水孔を有しているので、凝縮水をスムーズに排出することができる。更に、第1の流路から分岐した第2の流路にフット用吹出口を設けたので、フット用吹出口から空気と一緒に凝縮水が送出されることがない。
【0018】
また、第1の流路の最下流側において、デフロスト用ダクトとベント用ダクトとを選択的に接合することができるので、仕様の変更を簡易に行うことができる。
【0019】
更にまた、排水孔には閉塞手段を有しているので、加熱用熱交換器を設置する場合でも排水孔から空気が空調ケース外に抜けることがなく、極暑地用と極寒地用とで空調ケースを共用化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の実施形態を図面により説明する。
【0021】
図1から図3に示される空調ユニット1は、例えば車両用空調ユニットとして、しかも、極暑地用又は極寒地用として用いられる、縦置き形式のフル一体型のもので、内外気切換ボックス2と空調ユニット本体3とで基本的に構成されている。もっとも、後述する送風機17も別体のユニットに収納したセミ一体型のものでも良いことはもちろんである。そして、この空調ユニット1を収納し設置するための設置許容空間4は、エンジンルーム5と車室6とを仕切るファイヤーウォール7と、このファイヤーウォール7に連接したフロアパネル8と、イントルメントパネル9とで、車幅方向に沿って延設された構造となっている。
【0022】
内外気切換ボックス2は、極暑地用又は極寒地用とで共通のものであり、図2に示されるように、エンジンルーム5側に向いた外気導入口12と、車室6側に向いた内気導入口13とがケーシング11に設けられていると共に、これらの内外気導入口12、13を適宜選択するための内外気切換ドア(図示せず)がこのケーシング11内に収納されている。
【0023】
空調ユニット本体3も、その大部分において極暑地用又は極寒地用とで共通の構成であり、その構成について主に図1に基づいて説明すると、前記内外気切換ボックス2とオフセット状態で連接されているもので、ケーシング14内には、内外気導入口12、13から適宜選択的に流入された空気が開口部15から送り込まれる空気流路16が画成されている。そして、この空気流路16の最上流側には送風機17が収納されている。送風機17は、は例えばシロッコファン17Aとモータ17Bとから成っており、車両左右方向に略沿って横倒しの状態で配置されているものであるが、特にこの構成に限定されない。
【0024】
そして、空気流路16のうち送風機17の車両上下方向の略下方となる空気の下流側には、設置スペースSが確保されており、この設置スペースSは、略直方体状の容積となっていると共に、ケーシング14に形成された開口部18により当該ケーシング14の外部と連通している。この設置スペースSよりも空気の上流方向には、この実施形態では、内外気導入口12、13から導入された空気内の塵芥等を取り除くためのエアフィルタ19が配置されている。
【0025】
設置スペースSの周囲を囲むケーシング14のうち底面は、空気の上流側から下流側にかけて徐々に下るように傾斜面となっており、後述する凝縮水がこの傾斜面の最も低い側に向けて流れて一時的に溜まることが可能な凝縮水保持部21が形成され、更に、この凝縮水保持部21のうち凝縮水が最も集まる部位に排水孔22が配置されている。
【0026】
空気流路16は、この実施形態では、凝縮水保持部21よりも空気の下流側にて、2つの流路23、24に分岐している。このうち、第1の流路23は、設置スペースSのうち相対的に上方の位置から車両上下方向のうちの上方に向って延出し、その最下流側は開口部25がケーシング14に形成されていると共に、フランジ部26がこの開口部25から径方向外側に延びて後述するダクト38、44のいずれかと接合可能となっている。第2の流路24は、設置スペースSと対峙する位置から車両上下方向の下方に向って延出し、その最下流側は車両左右方向の両側に向ってフット用吹出口27、28が開口している。
【0027】
そして、第1の流路23と第2の流路24との分岐部位にはモードドア29が配置されており、第2の流路24への空気の流量を全閉から開放までの範囲で調節するようにしている。モードドア29は、この実施形態では、回転軸30とこの回転軸30から延びる2つの板状のドア本体31、31とから成るバタフライ型のものであるが、必ずしもこれに限定されず、1つの回転軸と1つの板状のドア本体とから成るフラッグ型のドア、ロータリー型のドアやスライド型のドアであっても良い。
【0028】
上記のような構成とすることで、この空調ユニット1は、以下のように、極暑地用としても、極寒地用としても構成することができる。
【0029】
すなわち、極暑地用の空調ユニット1とするには、図2に示されるように、開口部18から空気流路16の設置スペースS内にエバポレータ等の冷却用熱交換器33を収納し、この冷却用熱交換器33とエクスパンジョンバブル34等の冷凍サイクルを構成する機器とを配管35、36を介して接合する。また、一方がインストルメントパネルに開口したベント用吹出口37と連通するベント用ダクト38のフランジ部39をケーシング14のフランジ部26と接合する等して、空気流路16のうちの第1の流路23の開口部25とベント用吹出口37とを、ベント用ダクト38を介して連通させる。尚、排水孔22は、図示しない排水ホース等と接続される。
【0030】
これにより、送風機17の内外気導入口12、13から導入された空気は、冷却用熱交換器33により冷却された後、ベント用吹出口37、フット用吹出口27、28から吹き出されるという、ベントモード、フットモードの2系統が形成されると共に、フット用吹出口27、28から吹き出される吹出空気量についてはモードドア29の開度を調節することにより制御されることとなる。そして、冷却用熱交換器33で生じた凝縮水は、凝縮水保持部21で一時的に保持された後、排水孔22から図示しない排水ホースを介して車外に排出される。
【0031】
また、極寒地用の空調ユニット1とするには、図3に示されるように、開口部18から空気流路16の設置スペースS内にヒータコア等の加熱用熱交換器40を収納し、この
加熱用熱交換器40から配管41、42を引出し、図示しないエンジンと接合してエンジンの排熱を利用した温水サイクルを構成する。但し、加熱用熱交換器40を電気式とする場合には、電源と配線で接続する。また、一方がインストルメントパネルに開口したデフロスト用吹出口43と連通するデフロスト用ダクト44のフランジ部45をケーシング14のフランジ部26と接合する等して、空気流路16のうちの第1の流路23の開口部25とデフロスト用吹出口43とを、デフロスト用ダクト44を介して連通させる。排水孔22は、キャップ46等の閉塞手段により塞がれる。
【0032】
これにより、送風機17の内外気導入口12、13から導入された空気は、加熱用熱交換器40により加熱された後、デフロスト用吹出口43、フット用吹出口27、28から吹き出されるという、デフロストモード、フットモードの2系統が形成されると共に、フット用吹出口27、28から吹き出される吹出空気量についてはモードドア29の開度を調節することにより制御されることとなる。そして、排水孔22から温風が車外に抜けるのを防止することができる。
【0033】
そして、この発明によれば、冷却用熱交換器33も加熱用熱交換器40も同じ設置スペースS内に設置されるので、冷却用熱交換器33又は加熱用熱交換器40の一方のみをケーシング14内に設置する場合でも、他方の加熱用熱交換器40又は冷却用熱交換器33のための設置スペースが余剰空間として残余することがなく、そのような余剰空間を削減することができるので、極暑地用又は極寒地用の空調ユニット1とした場合の小型化を図ることができる。
【0034】
また、冷却用熱交換器33も加熱用熱交換器40を設置スペースSに対し着脱するための開口部18は、冷却用熱交換器33又は加熱用熱交換器40を開口部18から収納することで当該冷却用熱交換器33又は加熱用熱交換器40により閉塞されるので、冷却用熱交換器33又は加熱用熱交換器40の一方のみをケーシング14内に設置する場合でも、収納しない側の加熱用熱交換器40用の開口部、冷却用熱交換器33用の開口部を閉塞部材で閉塞する必要がなくなる。
【0035】
更にまた、空調ユニット本体3のケーシング14も極暑地用と極寒地用とで共用化することができるので、空調ユニット1全体の製造コストの削減を図ることができる。また、エアミックスドア、ベントモード切換用、デフロストモード切換用のドアの不要化等、部品点数も相対的に削減することができるので、空調ユニット1の低コスト化を図ることもできる。しかも、極暑地用と極寒地用の空調ユニット1の部品点数の削減、省スペース化に伴い、車両中央のインストルメントパネルの下部を搭乗者の利用可能な空間として提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、この発明に係る空調ユニットのうち冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とのいずれも設置スペースに設置しない中立的な状態を示す断面図である。
【図2】図2は、同上の空調ユニットを極暑地用とした場合の構成を示す説明図である。
【図3】図3は、同上の空調ユニットを極寒地用とした場合の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1 空調ユニット(車両用空調ユニット)
3 空調ユニット本体
14 空調ユニット本体のケーシング(空調ケース)
15 開口部
16 空気流路
17 送風機
18 開口部
19 エアフィルタ
22 排水孔
23 第1の流路
24 第2の流路
25 開口部
26 フランジ部
27 フット用吹出口
28 フット用吹出口
29 モードドア
33 冷却用熱交換器
37 ベント用吹出口
38 ベント用ダクト
40 加熱用熱交換器
43 デフロスト用吹出口
44 デフロスト用ダクト
45 フランジ部
46 キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調ケース内に送風機で取り込まれた空気が流れる空気流路を有し、この空気流路上には、前記空調ケースに形成された開口部により外部と連通した設置スペースが設けられ、この設置スペースに、前記開口部を介して冷却用熱交換器と加熱用熱交換器とが選択的に設置されることを特徴とする車両用空調ユニット。
【請求項2】
前記空調ケースには、冷却用熱交換器を設置した際に生ずる凝縮水を排出するための排水孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調ユニット。
【請求項3】
前記設置スペースの下流側に、凝縮水の一時的な保持を可能とした凝縮水保持部を有し、前記排水孔はこの凝縮水保持部のうちの凝縮水が最も集まる部位に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調ユニット。
【請求項4】
前記空気流路は、前記凝縮水保持部よりも空気の下流側にて、車両上下方向の上方に延びる第1の流路とこの第1流路から分岐した第2の流路とを形成し、この第2の流路にフット用吹出口を設けたことを特徴とする請求項3に記載の車両用空調ユニット。
【請求項5】
前記空気流路は、前記凝縮水保持部よりも空気の下流側にて、車両上下方向の上方に延びる第1の流路とこの第1流路から分岐した第2の流路とを形成し、前記第1の流路は、その最下流側において、デフロスト用吹出口と連なるデフロスト用ダクトとベント用吹出口と連なるベント用ダクトとが選択的に接合されることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用空調ユニット。
【請求項6】
前記設置スペースに加熱用熱交換器を設置する場合には、前記排水孔を閉塞手段により閉塞することを特徴とする請求項2、3、4又は5のいずれかに記載の車両用空調ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−143300(P2008−143300A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331517(P2006−331517)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(500309126)株式会社ヴァレオサーマルシステムズ (282)
【Fターム(参考)】